JP2867049B2 - 移動体通信システムにおける無線ゾーン切替方法 - Google Patents

移動体通信システムにおける無線ゾーン切替方法

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【発明の詳細な説明】 (1)発明の属する技術分野 本発明は小ゾーン構成を用いる移動体通信において、
サービス・エリア内の任意の場所から常時移動端末との
発着呼を確保し、通信中の移動端末が移動することによ
り通信品質が劣化したとき、その通信品質を満足させる
通信方法とシステムに関するものであり、より具体的に
は、周波数有効利用率,通信品質,無線回線の制御能力
などに優れた通信システムに関するものである。
(2)従来の技術とその問題点 一般に広いサービス・エリア内で移動体通信を行う際
に、1個の無線基地局が全エリアをカバーしてサービス
・エリア内に移動体と通信を行う方式を大ゾーン方式と
呼んでいる。これに対し、小ゾーン方式とは、サービス
・エリアを複数の小エリアに分割し、分割された各エリ
ア内に各1個の無線基地局を設置し、そのそれぞれのエ
リア内にいる移動無線機はこれの無線基地局と通信を行
うものである。
従来の小ゾーン方式は、例えば現在商用サービス中の
NTTの自動車電話方式の中で採用されている〔文献 吉
川他“自動車電話無線回線制御”日本電信電話電気通信
研究所 研究実用化報告Vol.26,No.7 1885頁〕。
まず、サービス・エリア内のどこへでも移動する移動
機に対する着信を処理する方法として、予め知っている
移動機所在地域でのみ一斉に呼出す方法が用いられてい
る。
位置登録は自動車電話交換局に移動機の位置を通知す
ることにより行われる。移動機の待受けている着信制御
チャネルに位置登録のための位置情報に関する信号を送
出しておき、一斉呼出しエリアごとにこの信号を異なら
せておく。移動機は位置情報信号が変化したことを検出
したときに、位置登録信号を自動的に送出することによ
って位置登録がなされている。
次に移動機が発呼する場合には、移動機が所在する制
御ゾーンで使用できる発信制御チャネルを使用する。こ
の場合、発信制御チャネルの番号を着信制御チャネルで
常時報知しているので、移動機はこれを記憶しておき、
その中から空表示のあるチャネル(空線制御方式)を使
用する。基地局側では前述したごとく移動機からの電波
を複数の無線基地局で受信し、その結果移動機の所在す
る無線ゾーンを識別し(位置検出)、その無線ゾーンで
使用できる空の通話用チャネルを指定することにより発
呼が可能となる。
更に着呼について説明する。移動機は着信制御チャネ
ルで待受けている。移動機が別の制御ゾーンに移動した
場合には、新制御ゾーンに使用されている着信制御チャ
ネルに切替える必要がある。このため、移動機には着信
制御チャネルの受信レベルが所要値以下に低下した場
合、着信制御用として割当てた複数のチャネルから所要
レベル以上で受信されるチャネルを選択捕捉する機能が
あり、移動機が制御ゾーンを識別する。
従って固定電話網からある移動機に着呼が来た場合、
自動車電話交換局では位置登録されている制御ゾーン
(複数の場合もある)内にあるすべての無線基地局から
一斉呼出をかければ所望の移動基地局が呼出されること
となる。
以上が実用されているシステムの概要であるが、以下
述べるようなシステムを構築するとなると種々の問題が
発生することになる。
システムに収容する加入者数(携帯電話機数)を従来
システムより1桁以上引上げ数10万乃至数百万とするに
はゾーン半径を1桁以上縮少しなければならない。この
場合、無線回線制御を上記のごとく集中管理すると制御
信号の多数発生による制御トラヒックの輻輳や、無線基
地局から無線回線制御局までの信号伝送に発生する絶対
遅延時間により超高速制御は不可能となる。
自動車内のみならず人が車外へ持ち出して歩行中にも
使用可能なようにする。これは究極の電話である“いつ
でも,どこででも,どこへでも”電話がかけられるシス
テム実現の第一歩であるが、このためには移動無線機を
小型化することが必要である。
使い勝手をよくするため例えば電池の充電周期を長く
する必要があり、このため無線送信機出力の低減(5Wか
ら10mW程度へ)をはじめ省電力化が必要である。
使用する周波数の利用効率を極力高める必要がある。
これは数百万という大容量を有する加入者を収容可能と
するシステム実現のための大前提となる点である。
このような要求を満たす一つのシステム提案(試案)
としては既に本願発明者による提案がなされている〔文
献.伊藤“携帯電話の方式検討−無線回線制御とルーチ
ングを中心に−”電子通信学会 技術研究報告 CS87−
16昭和62年5月〕。
この提案によると、次のような条件を備えている。
システムに収容される加入者数は我国の全国民を対象
にすることができる。
人が携行可能な大きさに実現可能である。
コードレス電話並に小型軽量化が可能である。
但し送信電力は10mw程度である。
無線ゾーンの大きさとして半径25m程度を想定する
と、所要周波数帯域は2〜3MHzで十分である。
システム制御を各携帯電話機が主導して行う等制御を
分散化する。
携帯電話親装置の所有する無線による送受信能力は1
組の送受信機即ち無線1チャネルで十分である。
項の送受信機はマルチチャネルアクセス能力を有す
る外、無線回線制御能力即ち制御チャネル使用能力と無
線回線通話能力即ち通話チャネル使用能力とを有するこ
ととする。
また、上記のような半径25mというような極小ゾーン
方式を採用するシステムで問題となる携帯電話機の位置
登録に関しては、次の文献で提案されている。
〔文献 伊藤“携帯電話の方式検討−複数位置登録の
提案とシステム動作への応用−電子情報通信学会技術研
究報告RCS88昭和63年9月〕この提案を用いると次の問
題点に関し解決が図られることになった。
半径25〜100mという小小ゾーン(マイクロセル)を用
いる小ゾーンシステムでは一つの無線基地局当たりのサ
ービス・エリアが極端に狭く、送信アンテナ−受信アン
テナ間の距離が短いので近距離電波伝播特性に従う領域
となり、かつ地形,地物の影響により複雑な様相を呈す
る。このような状態にあるサービス・エリアにおいて、
移動体から位置登録を行うと多数の無線基地局で移動無
線機からの信号が受信可能となり、どのエリアに存在す
るかを決定することが困難になるが、良好に信号を受付
けた複数の無線基地局に関し位置登録することにした。
この結果発着呼が容易になった。
位置登録のための制御信号の使用が減少し、電波干渉
が減少する。
通話中の移動にともなうゾーン切替が容易になった。
通話トラヒック輻輳時の対策が立てやすくなり、かつ
呼損が減少する。
送受信ダイバーシティを容易に適用することが出来、
通話品質向上に役立てることが可能となる。
以上の利点が明らかになったが、以上の諸事項を満た
す具体的なシステムはまだ実用されていない。
上記のうち特にのゾーン切替については、自動車電
話システム等比較的無線ゾーンの大きさの大きいシステ
ムにおいては採用されている外、人が携行する携帯電話
システムにおいては、ゾーン切替にともなう瞬間の介在
が生ずる等実用上不便な方法しか存在していない。ま
た、一旦ゾーン切替に失敗した場合、通信品質の劣化に
より通話者の意図に反する通信の終了すなわち通話断を
余儀なくされていた。
(3)発明の目的 本発明の目的は、以上の従来技術の下にマイクロセル
を用いる移動通信方式として周波数利用率が高く、大容
量を有する加入者を収容出来、かつ通話トラヒック密度
の高いサービスエリア内いおいても円滑に多数の呼処理
を可能とする外ゾーン切替においても既存のシステムで
は通話者の意に反して強制切断してしまう場合において
も可能なかぎり通話の連続性を維持するための手段をと
ることにより、サービス性の高いシステムを構築するこ
とのできる移動体通信システムにおける無線ゾーン切替
方法を提供することにある。
(4)発明の構成及び作用 第1図は本発明を大規模高層ビルB3(地下3階)〜21
F(地上21階)内をサービス・エリアとするシステムに
適用した場合の一実施例である。
同図において交換装置PBXは公衆回線COおよび本発明
システムの主要な構成物である無線制御装置とのインタ
フェイス機能を有する。
本発明システムは無線系制御装置(無線系制御装置RC
E)、固定無線局(固定無線局FRS)、携帯電話機(携帯
電話機PTEL)からなり、サービス・エリア内のどこから
でも、いつでも、どこへでも電話可能なサービスを実現
するものである。
但し、前述のサービス内容は、携帯電話機PTEL相互
間、携帯電話機PTELとビル内固定電話機FTEL相互間、さ
らには、携帯電話機と外線(構内交換機以遠)に設置さ
れた電話機相互間についても実行可能である。
本発明の特徴は、すでに述べた通りであるが、携帯電
話機の位置登録をはじめ、発着呼動作時等における判断
の中心を従来システムの様に無線系制御装置等の中央で
なく固定無線局もしくは端末に持たせたことにより、中
央にある無線系制御装置の負荷が軽くなり、作業スピー
ドが上がること、又、これにより端末の増設やシステム
の拡張にも容易に対応可能である。
さらに、携帯電話機の位置登録のとき発呼や着呼時に
使用する制御信号の送受信のための無線チャネルの使用
に際して、周波数の有効利用や信号伝送時の品質向上を
行うために、各用途に応じ無線チャネルを個別に設定
し、無線システムとして最適設計を可能とした。
以下第1図に示す本発明の構成に用いられている各構
成要素を詳細に説明する。
(i)携帯電話機(PTEL) 人が持ち歩く装置であり、携行性,操作性,保守性が
優れていなければならない。無線にて固定無線局(FR
S)を経由して無線系制御装置RCEへアクセスし位置登録
を自動的に行う機能を有する。又、人の歩行にともない
場所の移動があり、別の固定無線局へ位置登録する必要
が生じた場合、上記と同様な動作により無線系制御装置
RCEへアクセスし位置登録の変更を行う機能を有する。
発着呼動作はサービス・エリア内の任意の場所から可能
である。
また、通話中に歩行により対向して通信している固定
無線局FRSを変更(ゾーン切替)する必要が生じた場合
には、従来のシステムでは不可能もしくは通話情報を一
時切断する等悪影響を与えていたが、本発明によれば、
後述のように、これらの悪影響のない方式が可能であ
る。また、もしシステム内のハードウェアもしくはソフ
トウェア上の障害、或いは通信トラヒックの状況により
上記のゾーン切替が実行不可能な場合においても、別の
システム上の救済方法により可能なかぎり通信の連続を
確保する方式を実現した。
第2図に携帯電話機PTELのハードウェア構成を示す。
第2図において、固定無線局FRSより送信される無線
信号は受信アンテナで受信される。この受信信号は共用
装置で二分されそれぞれ受信機IおよびIIに入力され
る。受信機Iでは所要のレベルまで増幅された後復調さ
れその一部は制御部CPUへ送られ(200bpsの制御信
号)、他の出力は二分されその一方はスイッチSW1を通
り受話器に入力され他方は復号器を通った後制御部CPU
に入力(2400bpsの制御信号)される。制御部CPUは記憶
部,スイッチおよびキーボードとインターフェイスを有
し、それぞれ名称に示される機能を有する。
次に、受信機IIに入力された信号も第2図に示すごと
く受信機Iと同様の結線構成を有する。スイッチSW1
よびSW2はスイッチ駆動部を介して制御部CPUの制御によ
り駆動される。即ち、受信機I又はIIのいずれかの音声
信号が受話器に入力されるようにスイッチSW1を又は
に倒すのと同期してスイッチSW3により受信機I又はI
Iの出力に得られる制御信号を選定して復号器に入力す
る。
同様にスイッチSW2は送信機と共同で使用される受信
機I又はIIを決定する。また、シンセサイザI又はIIは
制御部CPUより発生すべき無線チャネル用の指令信号を
受けて所望の周波数の局発出力を発生させ、受信機I又
はIIおよび送信機に供給する。受信器I又はIIより電界
強度測定用出力を制御部CPUに供給する。これは後述の
携帯電話機PTELのゾーン切替時に使用する。
送信機へは三つの入力が加えられる。一つは送話器出
力であり、他は制御部CPUからの制御信号と制御部CPUよ
り符号器を通過した高速信号2400bpsである。これらは
送信機で変調により無線信号に変換されて送信アンテナ
に加えられ、無線基地局へ送信される。
なお、第2図に示す制御部CPUにはタイマー部(図示
せず)が内蔵されており、一定のタイミングにより後述
するような電波の発射停止,固定無線局FRSより送信さ
れる信号の受信又は受信停止等に関するタイミング決定
情報を提供する。
(ii)固定無線局(FRS) 無線系制御装置RCEからのディジタル下り(無線系制
御装置RCEから携帯電話機PTELの方向)信号の復調を行
い、無線変調波に変換し、携帯電話機PTELに送信する。
一方、携帯電話機PTELからの上り(携帯電話機PTELから
無線系制御装置RCEの方向)信号を受信・復調し、ディ
ジタル信号に変更して無線系制御装置RCEに伝送する。
第3図に固定無線局(固定無線局FRS)のハードウェ
ア構成を示す。
第3図において、携帯電話機PTELより送信される無線
信号は受信アンテナで受信される。この受信信号は共用
装置で三分され、装置受信機I,IIおよびIIIに入力され
る。受信機Iでは所要のレベルまで増幅された後復調さ
れ三分割される。そのうちの一つは復号器を経由して制
御部CPUへ送られ(2400bpsの制御信号)、他はスイッチ
SW11を経由して制御部CPUへ送られる200bpsの制御信号
と、スイッチSW13を経由してFRS/RCEインターフェイス
へ送られる信号である。制御部CPUは記憶部RAMとインタ
ーフェイスを有する。
次に、受信機IIに入力された信号も第3図に示すごと
く受信機Iと同様の結線構成を有する。
スイッチSW11およびSW12は制御部CPUの制御の下でス
イッチ駆動部により駆動される。即ち、スイッチSW13
は受信機I又はIIのいずれかの音声信号がFRS/RCEイン
ターフェイスに入力されるように又はに倒されるの
と同期して、スイッチSW11では制御部CPUに入力される
低速制御信号(200bps)が選定される。
同様にスイッチSW12は送信機と共同で使用する受信機
I又はIIを決定する。またシンセサイザI,IIまたはIII
は制御部CPUにより発生すべき無線チャネル用の指令信
号を受けて所望の周波数の局発出力を発生させ、受信機
I,IIおよびIIIと送信機に供給する。これは後述の携帯
電話機PTELのゾーン切替時等に使用する。受信機IIIは
干渉妨害検出器の役目を果すもので、送信機よりの電波
発射に先立ちその無線チャネルを使用している携帯電話
機PTELが近傍にいて妨害を与えないか否かを検査するた
めに使用される。
送信機には三つの入力が加えられる。一つは送話相手
者の音声信号であり、他は制御部CPUからの制御信号と
制御部CPUより符号器を通過した高速信号2400bpsであ
り、これらは送信機で変調により無線信号に変換されて
送信アンテナに加えられ携帯電話機PTELへ送信される。
なお、第3図に示す制御部CPUにはタイマ一部(図示
せず)が内蔵されており、一定のタイミングにより後述
するように固定無線局(FRS)が送信する報知信号のモ
ードの変更や電波の発射停止等に関するタイミング決定
情報を提供する。
次に、通話トラヒックの高いサービスエリアにおい
て、多数の携帯電話機との同時通話を可能とする複数固
定無線局(MFRS)の構成を第18図に示す。
第18図において、破線で囲んだ内部の構成は第3図と
同じである。即ち、第18図においては第3図に示される
固定無線局が複数個同一場所に設置されていることを示
す。これら複数個の固定無線局からの制御信号の送信は
後述する方法により制御信号送信制御部の制御に従うこ
とになる。同制御部による送信制御は待受時にある固定
無線局に対し行われ、信号送出の頻度をシステムで定め
る一定の値以下に制限するため制御信号送信可能の固定
無線局数を制限しかつ同一時刻に送信可能な固定無線局
数を1局に限定する作用を有する。なお、携帯電話機と
通話を開始した固定無線局に対しては、送信制御は行わ
ない。また各固定無線局の受信部は常時待機(電源オ
ン)状態にある。第15図に示す複数個を無線局の具体的
なシステム動作は後述するが、上記の制御を行うことに
より、実質的には第3図に示す固定無線局と同一であ
る。
(iii)無線系制御装置(RCE) 無線系制御装置(RCE)は携帯電話機(PTEL)の所在
位置の電波ゾーンをカバーする固定無線局(FRS)とそ
の携帯電話機PTELと1対1の対応関係にある交換装置PB
X内線とを発信/着信時に接続し、通話路を形成する装
置である。無線系制御装置RCEはPCMスイッチの通話路か
らなり、マイクロプロセッサで接続される。
無線系制御装置RCEのブロック図を第4図に示す。こ
の第4図において、携帯電話機PTELからの位置登録とそ
れを通知した固定無線局FRSとをリンクさせて記憶ユニ
ットMEMに記憶しておく。交換装置PBXの内線電話機FTEL
からの着信呼があると、配下のすべての固定無線局FRS
に対し被呼携帯電話機PTELのIDを加えた着呼信号を送信
する。これを受信した固定無線局FRSでは自らの記憶部
(RAM)を検索し、この結果被呼携帯電話機PTELのIDが
選び出されれば自固定無線局FRSよりその携帯電話機PTE
Lを呼び出す。そして交換装置PBX内線と固定無線局FRS
との間の通話路を接続する。
携帯電話機PTELからの発信の場合は、これを固定無線
局FRS経由で受け付け、その携帯電話機PTELと対応関係
にある交換装置PBXの内線電話機FTELに発信する。そし
て交換装置PBXの内線と固定無線局FRSとの間の通話路を
接続する。通話中の固定無線局FRSから終話通知である
と、その通話路を切断する。
無線系制御装置RCEの主な機能としては、次の通りで
ある。
a)交換装置PBXの内線電話機FTELと携帯電話機PTELと
の1対1の対応関係を管理する。
b)携帯電話機PTELからの位置登録を、それが経由して
きた固定無線局FRSとリンクさせて記憶する。
c)交換装置PBXの内線電話機FTELからの着信時、接続
すべき空き固定無線局FRSを選択し、両者を着信接続す
る。
d)携帯電話機PTELからの発信時、接続すべき交換装置
PBXの内線を決定し、両者を発信接続する。
e)通話中の携帯電話機PTELからのダイヤル,フッキン
グ信号を交換装置PBXの内線電話機FTELに伝送する。
f)携帯電話機PTELが別の電波ゾーンへ通話中に移動し
たとき、そこの固定無線局FRSへ携帯電話機PTELをつな
ぎ変える。
g)通話中の固定無線局FRSから終話通知があると、そ
の通話路を切断する。関連する交換装置PBXの内線電話
機FTEL,固定無線局FRSおよび携帯電話機PTELを空き状態
にする。
以上述べた無線系制御装置RCE、固定無線局FRS、携帯
電話PTELを総合的に動作させたシステム動作について説
明する。
本発明によるシステムでは集中制御方式に代わり分散
制御方式を採用している。
システムは無線系制御装置RCE−固定無線局FRSの有線
区間と、固定無線局FRS−携帯電話機PTELの無線区間の
2つに別れる。
有線区間では、固定無線局FRSが主で、無線系制御装置R
CEは従の関係を持つ ・無線系制御装置RCEは、着信があった場合、これを固
定無線局FRSに通知する。
・固定無線局FRSから、回線設定の要求を受けた場合こ
れに従い指定された回線の接続を行う。
・ある固定無線局FRSから他の固定無線局FRSへの通信の
中継を行う。
無線区間では、携帯電話機PTELが主で、固定無線局FRS
は従の関係を持つ ・無線系制御装置RCEからの着信情報を受けた場合、ま
たは携帯電話機PTELより発信要求を受けた場合、無線回
線の設定を行うが、この際の無線回線の選択は、携帯電
話機PTELが行う。
・位置登録は携帯電話機PTELが自己のサービス可能な固
定無線局FRSを調べ、その結果を固定無線局FRSに直接ま
たは、間接的に通知し自己の登録を行う。
また、通話回線の設定は、無線回線、その後有線回線
の順に設定される。
従って、呼が発生した時、まず携帯電話機PTELにより
固定無線局FRSが選択され、無線回線の設定が行われ
る。
その結果選択された固定無線局FRSは、無線系制御装
置RCEに指示して外の回線と接続を行い通話回線の設定
を完了する。
以上のように位置登録をはじめ、発着呼時の回線設定
動作登録における判断の中心を携帯電話機PTELに持たせ
ることにより制御の分散化を図る。
分散制御により無線系制御装置RCEの負荷を軽くする
と同時に、無線回線の設定が固定無線局FRS−携帯電話
機PTEL間の最小限の区間で行えるため、回線設定時間の
短縮ができる。
さらに、制御用の無線チャネルとしては従来システム
のように一個(正確には一つの無線ゾーン当たり1個)
を限定せず、位置登録,発呼,着呼等用途別に複数個を
同時使用可能とした。例えば制御チャネルa(Pc−chと
略記)は位置登録チャネルとし、以下説明する報知,位
置登録および位置登録抹消を行わせる。一方、制御チャ
ネルb(Cc−chと略記)は発着信制御チャネルとし、着
信,発信ゾーン切替を行わせる。なお、発信,着信にそ
れぞれ別チャネルを割当てることも可能であるが、以下
の説明ではこれを1個に割当した場合を説明する。上記
のように制御用無線チャネルを複数使用する理由は以下
〜の通りである。
1個の場合に比べ処理能力が大幅に増加する。これは
単純に考えても2個にすれば、2倍、3個にすれば3倍
の処理能力を期待し得るが、更にに記するように信号
のフォーマットが統一可能であり、信号トラヒックの能
率向上が図れるためそれ以上の処理能力を期待すること
が出来る。
位置登録,発着信にかかわる信号のフォーマットは第
5図(c),(d),(e),(f),(k),(l)
に示すようにそれぞれ異なっており、従って一つの制御
チャネルで送受信を行わせると、一つの信号と他の信号
間に空が出来たりして能率が悪い。一方、一個のみのフ
ォーマット或いは1個にしなくとも種類を減少させれ
ば、能率の向上が期待できる。
例えば、ある携帯電話機から位置登録信号を送出する
際に、事前に近傍に居る他の携帯電話機から送出される
位置登録信号をモニターしておき、固定無線局から送信
されて来る送信タイミングに合わせて送出する事にすれ
ば、信号衝突の防止が可能となり、無線の電波発射がな
くなり、干渉妨害の減少と周波数の有効利用とが可能と
なる。
位置登録には2400bps、発着信には1200bps等をシステ
ム動作の種類別に制御信号速度を別々に設定することが
可能となり、信号の信頼度とトラヒック密度とをそれぞ
れのシステムでの最適値に設定することが可能となり設
計が行い易くなる。
−の結果システム動作が迅速となり無駄な接続遅
延時間が減少する。
その他、無線回線制御のための制御信号速度を2400bp
sと高速化し、また通話状態にては、100ボーの帯域外制
御信号を採用することにより、より一層の回線設定時間
の短縮効率化及び、制御チャネルの占有時間の短縮を図
ることが可能である。
以上の構成と条件を前提として、次に本発明のシステ
ムの動作を、(i)位置登録関係、(ii)着信、(ii
i)発信、(iv)ゾーン切替について以下順次説明す
る。
(i)位置登録関係 呼が生起した場合、まず携帯電話機PTELと固定無線局
FRSの間で無線回線を設定するため制御が行われるが、
サービス・エリアを任意に移動する携帯電話機PTELに対
して、これを効率よく行うために固定無線局FRSにおい
ては、自己のサービン圏内(ゾーン)に在圏している携
帯電話機PTELを常に把握し、また携帯電話機PTELにおい
ても同じように自己のサービス圏内(ゾーン)に在圏し
ている固定無線局FRSを常に把握している必要がある。
このために位置登録を行う。
携帯電話機PTELからの位置登録を円滑に行わせるた
め、固定無線局FRSより状態により異なる第5図(a)
(b)の様な二種類の報知信号を送出する。
報知信号1 携帯電話機PTELに対しての報知のみを目的とした報知
信号 報知信号2 携帯電話機PTELに対しての報知と共に、着信情報を含
む着信情報の伝達を目的とした報知信号 固定無線局FRSの報知モードについて、次の3モード
を設定する(第6図参照) (イ)静止モード このモードにあるときは、Pc−ch,Cc−chの監視のみ
を行う。
(ロ)報知モード1 このモードにあるときは、Pc−chにて、着信情報が発
生している場合は報知信号2、そうでない場合は報知信
号1を、例えば4秒±α間隔で20秒間間欠送信する。
(ハ)報知モード2 このモードにあるときは、Pc−chにて、着信情報が発
生している場合は報知信号2、そうでない場合は報知信
号1を、例えば4秒±α間隔で10分間間欠送信する。
位置登録は、各ゾーン毎に固定無線局FRSと携帯電話
機PTELとの間で以下のように相互作用により行われる。
基本的には固定無線局FRSは、自己のサービス圏内に
携帯電話機PTELが在圏している間は、報知(制御信号の
送出)を行う必要があり、また携帯電話機PTELが在圏し
ていないと判断した場合には報知を停止し静止モードに
入る。
このモード遷移するための判断は各固定無線局FRSに
おいて単独に次のようにして行われる。
固定無線局FRSは、電源投入時及び、通話状態,着信
状態から待機状態へ状態遷移した場合、自己のサービス
圏内に携帯電話機PTELが在圏しているか否かの判断をす
る必要がある。
報知モード1の期間中に、携帯電話機PTELよりの報知
要求信号、あるいは位置登録要求信号を受信しなかった
場合、に示すように報知モード1終了後、静止モード
へ入る。
報知モード1の期間中に、携帯電話機PTELからの報知
要求信号あるいは、位置登録要求信号を受信した場合、
携帯電話機PTELが在圏していると判断し、その時より報
知モード2に入る。
固定無線局FRSが静止モードのとき着信情報が発生し
た場合、その時より報知モード1に入る。
また静止モードのとき携帯電話機PTELよりの報知要求
信号、あるいは位置登録要求信号(これらは、位置登録
専用の制御チャネルaで送信される)を受信した場合、
携帯電話機PTELが在圏していると判断し、その時より報
知モード2へ入る。
報知モード2の期間中に、携帯電話機PTELよりの報知
要求信号、あるいは位置登録要求信号を受信しなかった
場合、携帯電話機PTELが在圏していないと判断し、報知
モード2を終了する。
この時、報知モード2の期間中に着信情報が発生した
場合で、発生より20秒以上経過している場合、静止モー
ドへ入る。
報知モード2終了後、報知モード2の期間中に着信情
報が発生した場合で、発生より20秒以上経過していない
場合、報知モード1へ入る。
次に固定無線局FRSの位置登録制御について説明す
る。固定無線局が動作オンの状態になると報知信号1の
送信を開始する。この送信はタイマ1のタイムアウトま
で継続される。固定無線局FRSは、報知信号1又は2送
信中(報知モード(1,2))、あるいは静止モードにあ
るときに、携帯電話機PTELよりの位置登録要求信号を受
信した場合、その中に自己のSIDが含まれているとき
は、同信号に含まれるPIDについて位置登録処理を行
い、その携帯電話機PTELへ位置登録応答信号を送信す
る。
これが完了すると報知信号1の送信はそのまま継続さ
れる。また、携帯電話機PTELよりの上記の信号を受信し
ないときは、着信情報の発生を待つことになるが、発生
があればその後は報知信号2を送信し、報知動作を継続
することとなる。また、着信情報が消滅しなければ報知
信号2の動作を継続させ、報知信号送出期間タイマの終
了により報知信号1の送出を経て静止モードへと移行す
るか、いずれの期間においても携帯電話機PTELからの報
知要求信号等の受信につとめることになる。なお、上述
のうち着信情報消滅があればこの時点から報知信号1の
動作へ移行する。
なお、位置登録処理としては、自己のメモリ(第3図
の記憶部)に“PID登録テーブル”(第1表)を生成
し、そこに同信号に含まれているPIDを登録すると共
に、無線系制御装置RCEに対して位置登録要求コマンド
を送出することによって、これを通知する。
ここで電界強度は位置登録要求信号の受信電界強度、
登録タイマーは登録した時よりスタートし、最大180回/
10秒(30分)である。さらに、在圏状態は、着信が生起
し、後着信放棄となった場合で、無線系制御装置RCEよ
り着信タイマエラーの通知を受けた時、在圏不明状態と
する。また、在圏不明となった携帯電話機PTELよりの信
号を受信した等、携帯電話機PTELの在圏が確認された場
合、在圏中とする。
次に固定無線局FRSの位置登録抹消制御について説明
する。
携帯電話機PTELよりの位置登録抹消要求信号を受信し
た場合、その中に自己のSIDが含まれている場合のみ同
信号によって指定される固定無線局FRS(位置登録抹消
をさせたい固定無線局FRS)に対して、無線系制御装置R
CE経由で、これを通知すると共に携帯電話機PTELに対し
て位置登録抹消応答信号を送信する。
通知を受けた固定無線局FRSは、自己の“PID登録テー
ブル”上の該当するPIDを抹消する。
第7図に位置登録の動作の流れの図を示す。
次に携帯電話機PTELからみた位置登録制御について第
14図のフローの図を用いて説明する。
携帯電話機PTELは、固定無線局FRSからの報知信号を
受信し、その電界強度を調べ一定値以上である場合、自
己のサービスが可能と判断しその固定無線局FRSに対し
て位置登録を行うと同時に、位置登録を行った固定無線
局FRSについて第1表に示した自己の内部テーブルに登
録する。
このため自己の存在を知らせ報知信号の送信を促すた
めに、携帯電話機PTELは電源投入時及び通話状態から待
機状態に遷移した時、固定無線局FRSに対して報知要求
信号を送信する。
固定無線局FRSではこの信号を受信して、携帯電話機P
TELに対し報知信号を受信した事を通知する。携帯電話
機ではこの信号を受信した場合は以下に説明するSID検
索動作に移行するが、受信出来なかった場合、移動のた
めゾーンの周辺にある等の理由により、固定無線局FRS
からの報知が検出できなくなってから例えば10秒(報知
無検出許容時間=4秒×2.5:報知周期)経過した後に報
知要求信号を送信する。
更にこれに加え、固定無線局FRSからの報知信号を受
信している場合でも、その受信レベルが一定値以下で規
定回数受信した場合に、携帯電話機PTELより報知要求の
送信をする。
さて報知信号を受信した場合には、同信号に含まれて
いるSIDについて、自己の内部の“SID登録テーブル”
(第2図の記憶部)を検索する。
その結果、もし受信した報知信号を送って来た固定無
線局FRSが位置登録済であれば、そのSIDに付随する位置
登録情報(“電界強度”及び“登録タイマ”)を更新す
るが、位置登録済でなく未登録の固定無線局であれば、
これは、携帯電話機PTELが移動により新しい無線ゾーン
へ移行し、そこに配置されている固定無線局局FRSより
報知信号を受信した場合であるから、位置登録動作を実
行する。
位置登録処理としては、位置登録要求信号を送信し、
同固定無線局FRSからの位置登録応答信号の受信待ちに
入る。その後、規定待ち時間内に位置登録応答信号を受
信した場合、その“SID登録テーブル”に“SID"、“電
界強度”及び“登録タイマ”についてこれを登録する。
位置登録応答信号を受信しなかった場合は、位置登録
要求信号を再送信する。規定回数再送信しても受信しな
った場合は、位置登録失敗として“SID登録テーブル”
への登録は行わない。
さて上記の場合に、ある固定無線局FRSへ位置登録さ
れた状態で前記固定無線局からの報知信号を未受信のま
ま一定の時間が経過すると、携帯電話機の前記固定無線
局への登録状態は「登録抹消保留状態」となる。この状
態になると、これ以降の新規に位置登録を完了した固定
無線局FRSに対して前記「抹消保留状態」にある固定無
線局FRSのSIDを付与した位置登録抹消信号を送信する。
固定無線局FRSは携帯電話機からの位置登録抹消信号を
受信した場合、その中に自己のSIDが含まれている場合
のみ同信号によって指定される固定無線局FRS(位置登
録抹消をさせたい固定無線局FRS)に対して、無線系制
御装置RCE経由で、これを通知すると共に携帯電話機PTE
Lに対して位置登録抹消応答信号を送信する。
通知を受けた固定無線局FRSは、自己の“PID登録テー
ブル”上の該当するPIDを抹消する。
また上記で「登録抹消保留状態」の情報がなければ、
移動により固定無線局FRSの登録境界状態(受信電界低
下による)に近いと判断されると、報知要求周期に従っ
て報知要求信号を送信し、上記の判断をしないか或いは
タイマーアップ近くで登録確認状態の情報がなければ、
別の固定無線局FRSの近くに居るはずであり、報知信号
の受信につとめることになる。
最後に無線系制御装置RCEにおける位置登録制御を説
明する。
無線系制御装置RCEは、位置登録制御についての直接
の判断機能は持たず、固定無線局FRSより通知される位
置登録についての結果情報のみ管理する。管理は、無線
系制御装置RCE内で“PID−SID登録テーブル”(第4図
のMEM)を生成し、固定無線局FRSから通知される情報に
より、登録または抹消を行う。
固定無線局FRSより通知される情報として“位置登録
情報”及び“位置登録抹消情報”の2つがあり、それぞ
れ“位置登録要求コマンド”及び“位置登録抹消コマン
ド”により通知される。
また、無線系制御装置RCEは、“位置登録抹消コマン
ド”について、同コマンドに含まれる指示により特定ま
たは全ての固定無線局FRSに対して、これを中継送出す
る。
第11図は、位置登録の動作例を示すフロー図で、第7
図に対応するものを別の表現で示したものである。
(ii)着信 無線系制御装置RCEでは、交換装置PBXからの着信を受
けた場合、その呼について着信制御を行う。着信制御を
行うに際し、無線系制御装置RCE内部に“着信PID登録テ
ーブル”(第4図のMEM)を生成し着信制御を行う。
無線系制御装置RCEの着信呼の設定と接続は次の順序
で行う。
着信時無線系制御装置RCEは、着信PIDについて“着信
PID登録テーブル”に登録した後、全ての固定無線局FRS
に対して着信開始実行指示Gコマンドを送出する。
固定無線局(FRS)では、この指示を受けて着信用制
御チャネルを用いて被呼携帯電話機宛着信信号を送信す
る。これに対し、周辺に居る携帯電話機でこれを受信し
た場合ID確認した後、通話用の空チャネルを検索し、そ
れを見出した場合そのチャネルの指定と無線回線接続要
求信号とをその固定無線局FRS宛返信する(第8図
(a)参照)。
無線回線接続に成功したある一つの固定無線局FRSよ
り着信設定要求コマンドを受け取った場合、全ての固定
無線局FRSに対して着信呼の着信対象が決定した旨を通
知するために、着信設定完了通知Gコマンドを送出す
る。
これと同時に“SID状態テーブル”の着信設定を行っ
たSIDに着信PIDを登録して、着信モードとする。
固定無線局FRSより、着信応答要求コマンドを受けた
場合、“SID状態テーブル”を参照して、当該SIDが着信
モードにあることを確認した後、固定無線局FRSと交換
装置PBXの回線接続を行うと共に、“SID状態テーブル”
上の当該SIDを通話モードにモード変更登録し、“着信P
ID登録テーブル”から、当該PIDを抹消する。
これにより、着信呼処理を終了する。
固定無線局FRSの着信呼制御は次の順序で行う。
無線系制御装置RCEよりの、着信開始実行指示Gコマ
ンドを受けたとき、待機状態で且つ、自己の“PID登録
テーブル”に当該PIDが登録されている場合、外着発信
状態に入り以下の外着発信処理を行う。
Cc−chにて、着信開始実行指示Gコマンドで指定され
るPIDに対して着信信号の送信処理を行い、携帯電話機P
TELよりの着信応答信号受信待ちに入る。
その後、携帯電話機PTELよりの着信応答信号を受信
し、同信号の宛先SIDの中に自己のSIDが含まれている場
合、携帯電話機PTEL主導権の下に無線回線接続処理を行
う。
無線回線設定が完了し、携帯電話機PTELよりの無線回
線接続要求信号を受信した場合、無線系制御装置RCEに
対して着信設定要求コマンドを送出し、無線系制御装置
RCE経由で全ての固定無線局FRSに対してこの旨を通知す
る。
固定無線局FRSは、携帯電話機PTELに対して着信音鳴
動させるために着信音鳴動信号を送信する。その後、携
帯電話機PTELより自己宛ての通信入信号を受信した場
合、無線系制御装置RCEに対して、着信応答要求コマン
ドを送出し通話状態に遷移する。
以上で、外着発信処理を終了する。第8図はこの場合
の状態遷移図を示す。
次に無線回線接続処理について説明する。
固定無線局FRSは、Cc−chの上り、及び下りについ
て、キャリア検出を行う。この結果空きであることが確
認出来たとき携帯電話機PTELに対して着信信号を送信す
る。着信信号送信完了後、例えば1秒間携帯電話機PTEL
からの応答を待ち受ける。
この間に携帯電話機PTELからの応答が無い場合、待ち
受け終了後、α秒経過した後、再び着信信号を送出(再
送)し、1秒間の待ち受けに入る。(αは、固定無線局
FRS毎に独立して設定されるランダム・タイミングによ
り決まる。)この間にも携帯電話機PTELからの応答が無
い場合、無線回線接続失敗となる。
着信信号の信号要素は、第5図(e)の通りである。
空通話チャネルは、固定無線局FRSが前もって空検出済
みのS−chの1チャネル分の情報である。
これに対する携帯電話機PTEL着信応答信号送信につい
て説明する。
携帯電話機PTELは、Cc−chにおいて、自己宛てに最初
に到来した固定無線局FRSからの着信信号の受信完了時
より最大1秒間の間に受信した着信信号の内から、以下
に示す判断基準から1つ選択する。
着信信号中で、指定されるS−ch情報について、携帯
電話機PTEL側で前もって空検出済みのS−ch情報と比較
し、一致する情報を持つ着信信号を調べる。
空S−ch情報が一致している着信信号の内から、信号
受信電界強度が大きく最良の品質の信号を選ぶ。
この時、上記のレベルの受信電界強度を持つ信号が無
かった場合は、残りの受信品質を示した固定無線局FRS
の中から最初に受信した信号を選ぶ。
,により選択出来なかった場合は、の条件を満
足してない信号の内から、に従って選択する。
上記により選択したSIDを含む着信応答信号を、固定
無線局FRSに対して返す。
通話チャネル捕捉は、以下により行われる。
固定無線局FRSは、自己宛てに携帯電話機PTELよりの
着信応答信号を受信した場合、これに従い、指定された
3つのS−chについて、順次空検出を行う。空S−chを
検出したら、そこで携帯電話機PTELに対してチャネル切
替完了信号を約0.5秒間連続送信する。この間に、携帯
電話機PTELよりの無線回線接続要求信号を受信しなけれ
ばならない。
S−chが空きでなかった場合、及び約0.5秒間のチャ
ネル切替完了信号の連続送出を完了した場合は、無線回
線接続失敗となる。
携帯電話機PTELは、指定したS−chを順次検索して、
固定無線局FRSからのチャネル切替完了信号を待ち受け
る。チャネル切替完了信号を受信した場合、固定無線局
FRSに対して無線回線接続要求信号を送信する。
携帯電話機PTELが固定無線局FRSからのチャネル切替
完了信号を受信出来なかった場合、携帯電話機PTEL側
で、再着信応答処理を行う。これに失敗した場合、携帯
電話機PTELは無線回線接続失敗となり待機状態に戻る。
チャネル切替完了信号及び無線回線接続要求信号の信
号要素は、第5図(g)(h)の通りである。
固定無線局FRSは、携帯電話機PTELよりの無線回線接続
要求信号を受けた場合、無線系制御装置RCEに対して、
着信設定要求コマンドを送出し、全ての固定無線局FRS
に対して無線系制御装置RCE経由でこの旨を通知すると
共に、固定無線局FRSは、無線回線を接続した携帯電話
機PTELに対して、着信音鳴動信号を連続送信する。携帯
電話機PTELは、これを受信している間着信信号の鳴動を
行う。
この後携帯電話機PTEL側で、通話入の操作があった場
合、固定無線局FRSに対して通話入信号を送信し、通話
状態に入る。固定無線局FRSはこれを受信した場合、無
線系制御装置RCEに対して着信応答要求コマンドを送出
し、通話状態に入る。
着信鳴動信号と通話入信号の信号要素は第5図(i)
(j)の通りである。
第12図(a)は、着信の動作例を示すフロー図であ
る。
(iii)発信 携帯電話機PTELは、発信要求が発生した場合発信処理
を行い、固定無線局FRSとの間で無線回線を接続する。
固定無線局FRSは、携帯電話機PTELとの間で無線回線の
接続が完了した後、無線系制御装置RCEに対して発信要
求コマンドを送出し、通話回線の設定を行う。
発信処理は、初発信処理の場合は携帯電話機PTEL内部
の“SID登録テーブル”(第2図MEM)に登録されている
固定無線局FRSの内、3つの固定無線局FRSを選択し、こ
れに対して発信制御を行う。
また、再発信処理の場合は不特定の固定無線局FRS
(待機状態にある固定無線局FRS全て)に対して発信処
理を行う。
以下発信の動作について詳細に説明する。
発信要求が発生した場合、携帯電話機PTELはCc−ch
(制御チャネル)の下りについて、キャリア検出を行
う。この結果空きであることが確認出来たとき、自己の
“SID登録テーブル”に登録されているSIDの内、条件が
良いSIDを例えば最大3つ選択し、これに対して第5図
(h)に示す如き発信信号を発信専用(本実施例では発
着信専用)の制御チャネルである制御チャネル6Cc−ch
にて送信する。
発信信号は、最大1秒間連続送信し、その間固定無線
局FRSからの応答を待ち受ける。固定無線局FRSからの応
答が無い場合、正発信失敗となり1+α秒経過した後再
発信処理に入る。ここでαは、固定無線局FRS毎に独立
して設定されるランダム・タイミングにより決まる。
SIDa〜c…宛先SIDで、条件の良い順に並べる。この並
びは、固定無線局FRSが応答するタイミング情報にな
る。
cha〜c …空通話チャネル情報で、携帯電話機PTEL側
で前もって空検出済みのS−ch(通話チャネル)の内、
確認時間の新しい順に並べる。
第9図はこの場合の状態遷移図を示す。
固定無線局FRSは、携帯電話機PTELよりの発信信号を
受信した場合は、その中に自己のSIDが宛先SIDとして含
まれているとき、同信号で指定されるS−cについて、
これを順次検索する。結果、空S−chを検出した場合そ
のS−chの内、確認時間の最も新しいS−chを乗せた第
5図(l)の如き発信応答信号を、宛先SIDの並びで指
定されるタイミングで、携帯電話機PTELに対して送信す
る。
携帯電話機PTELは、固定無線局FRSからの発信応答信
号を受信した場合、その中から次の条件を満足した信号
を選択する。
発信応答信号中で、指定される空S−ch情報につい
て、携帯電話機PTEL側で前もって空検出済みのS−ch情
報と比較し、一致する情報を持つ信号を調べる。
空S−ch情報が一致している発信応答の内から信号受
信電界強度が最も大きかった信号を選ぶ。この時、L4
(受信電界強度を5レベルに区分した時の値であり、数
値が小さくなるに従って電界強度が弱くなる。)の受信
電界強度を持つ信号が無かった場合は、残りL3の中から
最初に受信した信号を選ぶ。
,により選択出来なかった場合は、の条件を満
足してない信号の内からに従って選択する。
携帯電話機PTELは、上記により発信応答信号を検出し
た場合、その信号を送信した固定無線局FRSに対して固
定無線局FRS指定信号を送信する。この後、固定無線局F
RS,携帯電話機PTEL共に通話チャネル捕捉に入る。
通話チャネル捕捉は、以下により行われる。
固定無線局FRSは、自己宛に携帯電話機PTELよりの固
定無線局FRS指定信号を受信した場合、これに従い、指
定された3つのS−chについて、順次空検出を行う。空
S−chを検出したら、そこで携帯電話機PTELに対してチ
ャネル切替完了信号を約0.5秒間連続送信する。
携帯電話機PTELは、指定したS−chを順次検索して、
固定無線局FRSからのチャネル切替完了信号を待ち受け
る。チャネル切替完了信号を受信した場合、固定無線局
FRSに対して回線接続要求信号を送信する。
固定無線局FRSは、携帯電話機PTELよりの回線接続要
求信号を受信した場合、無線系制御装置RCEに対して発
信接続要求コマンドを送出すると共に、無線系制御装置
RCE経由で全ての固定無線局FRSに対してこの旨を通知す
る。
携帯電話機PTELは、回線接続要求信号の送信を完了し
た時より、通話状態に入る。
第9図及び第12図(b)は発信の動作例を示すフロー
図である。
(iv)ゾーン切替 以下ゾーン切替について説明する。
呼が生起して、発信または、着信処理が実行され完了
後通話状態に入る。通話状態においては、回線へのダイ
ヤル信号の送出及び音声信号の送受が可能となるが、携
帯電話機PTELの移動または回線周辺の障害物等の移動
(人も含めて)により、無線回線の状態に変化が生じ
る。
このため、無線回線の状態を携帯電話機PTEL−固定無
線局FRSとの間でお互いに受信電界強度を監視すること
により管理し、必要に応じて、ゾーン切替処理,圏外処
理等の無線回線管理処理を行う。また、通話中の制御信
号の送信は、通話に妨害を与えないために音声帯域外
(Svo−ch)を用いて行う。
以下ゾーン切替動作に必要な受信レベル制御について
受信レベルを一例として次の5段階L0,L1,L2,L3,L4に設
定する場合を説明する。第15図にはこの場合の受信レベ
ルのしきい値を示す。即ち、第15図の左側のl4,l3,l2,
1は受信レベルしきい値であり、右辺のL4,L3,L2,L1,
L0は左端のしきい値間に挟まれた受信レベル範囲を示
す。数式で表現すれば lev≧ l4………L4 l4>lev≧ l3………L3 l3>lev≧ l2………L2 l2>lev≧1………L1 lev<1………L0 となる。
以降、“受信レベルLx"と記述した場合は、電界強度
がlx+1>Lx≧lxであることを示す。
さて、携帯電話機PTELが通話中に、移動により対向し
て通信している固定無線局FRSとの距離が増大して通話
の回線品質Qが劣化し、ゾーン切替の必要が生じたとす
る。ゾーン切替には2種類があり、まず第一種ゾーン切
替について説明する。さて携帯電話機PTELの受信の通話
回線品質QがL1≦Q<L3、または固定無線局FRSにおけ
るその携帯電話機PTELからの信号の受信レベルLPTELがL
1≦LPTEL<L3となった時、固定無線局FRSは無線系制御
装置(RCE)経由で第5図(m)の如きモニタ要求コマ
ンドを周辺の固定無線局に対し送出する。
すると、待機状態にある周辺の固定無線局FRSは、同
コマンドに従い指定されたS−chのモニタを行う。
第16図は携帯電話機PTELの受信レベルによる劣化検出
の動作の流れ図である。
また、回線品質QがQ=L4に復帰した場合、固定無線
局FRSは無線制御装置RCEに対してモニタ中止要求コマン
ドを送出すると共に、無線系制御装置RCE経由で周辺の
固定無線局FRSに対してモニタ中止要求の送出する。
以降便宜上、現在通話中の固定無線局FRSを“固定無
線局FRSs"、または切替先固定無線局FRSを“固定無線局
FRSd"とする。
切替すべき携帯電話機の確認 モニタ要求を受けた固定無線局FRSは、同コマンドに
含まれるS−ch情報に従って、携帯電話機PTELの確認を
行う。即ち、モニタ規定時間内に、モニタ先携帯電話機
PTELよりの端末確認信号を受信し、且つ、その信号品質
がL3以上である場合、切替端末確認完了とし、切替制御
に入る。
第17図はモニタ動作の流れ図を示す。
切替制御 切替先固定無線局FRSdのモニタの結果、携帯電話機PT
EL確認信号の確認完了後Cc−chにて、当該携帯電話機PT
ELに対してゾーン切替要求信号(Svi−ch)第5図
(n)の連続送信を行い、CHs(切替元S−ch)にて当
該携帯電話機PTELからの自己宛の回線リンク要求信号
(Svo−c)の受信待ちに入る。この時、切替先固定無
線局FRSd側で既に空検出済S−chs情報で、空検出済み
のS−chの中の最新のもの3チャネルをゾーン切替要求
信号に乗せる。
次に携帯電話機PTELは、切替先固定無線局FRSdからの
自己に対するゾーン切替要求信号をCc−chにおいて受信
レベル(信号品質)L3以上で受信した場合、当該ゾーン
d(FRSd)に対してCHsにて回線リンク要求信号(第5
図(o))の連続送信を開始し、CHdにてゾーンd(FRS
d)からのFRS確認信号の受信待ちに入る。
回線リンク要求信号には、以下に従って選択したCHd
情報を乗せる。
即ちゾーン切替要求信号に含まれていたS−ch情報3c
hについて、順次空検出を行い、最初に空と判断したch
をCHdとする。或いは、ゾーン切替要求信号に含まれて
いたS−ch情報3chについて空検出の結果、空でなかっ
た場合、自己の空検出済S−ch情報より最新のchをCHd
とする。
次に接続要求について説明する。切替先固定無線局FR
Sdは、CHdにて携帯電話機PTELからのVo回線リンク要求
信号を受信レベルL3以上で確認した場合、同信号で指定
されるCHdについて空検出を行う。その結果、空である
場合CHdにてFRS確認信号の連続送信を開始すると共に、
無線系制御装置RCEに対して接続要求コマンド(第5図
(p))の送出を行い、接続完了通知を受ける。
以上の結果ゾーン切替の動作に移行する。
携帯電話機PTELは、CHdにてゾーンd(FRSd)よりのF
RS確認信号を確認した場合、送信機をCHdに切替、PTEL
確認信号の連続送信を行う。
切替先固定無線FRSdは、携帯電話機PTELよりのPTEL確
認信号を受信した場合、無線系制御装置RCEに対して切
替完了通知(第5図(q))を送信すると共に、全ての
固定無線局FRSに対して切替完了通知Gを送出し周知す
る。通話中の固定無線FRSsは、無線系制御装置RCEから
の切替完了通知Gを受けた場合、無線系制御装置RCEに
対して切断要求を送出し、切断完了通知(第5図
(r))を受けた後待機状態に戻る。
以上により第1種ゾーン切替を完了する。第10図
(a)にゾーン切替(第1種)状態遷移図を示す。第1
種ゾーン切替は携帯電話機PTELの移動に伴う通常の場合
に実施される。
次に第2種ゾーン切替について説明する。これは第
1種に比べ携帯電話機もしくは固定無線局の受信信号品
質が一層低下した場合又は周辺の固定無線局の多くが
他の携帯電話機と交信中である状態等通信トラヒックが
大きい場合に実行されるが、後述するように制御動作
が簡単なため他の用途にも使用される。さて、通話回線
品質Qが、Q<L1を満足している時、第2種ゾーン切替
処理2に入る。これは、基本的に通話が断にした状態で
ゾーンの切替を行う。以下にそのシーケンスについて示
す。
FRSの呼出選択 携帯電話機PTELはCc−chにて、ゾーン切替要求信号の
規定時間内の連続送信を行う。この間、またはゾーン切
替要求信号の連続送信終了後、規定待ち時間内に、ゾー
ンより自己宛のゾーン切替応答信号を受信し、後述のa.
〜c.の条件を満足した場合、ゾーン切替要求信号の送信
中の場合は、これを停止しその信号を送信してきたゾー
ンに対して、切替処理を行う。
固定無線局FRSは、携帯電話機PTELよりのゾーン切替
要求信号を受信した場合、同信号で指定されるS−ch情
報について、これを順次探索する。
その結果、空S−chを検出した場合にはそのS−ch
を、また3つとも空きでなった場合には固定無線局FRS
側で前もって空検出済みS−chの内の確認時間の最も新
しいS−chを設定したゾーン切替応答信号を、携帯電話
機PTELに対して返す。
固定無線局FRSは、ゾーン切替応答信号を送信後規定
時間+α経過しても携帯電話機PTELからの応答を受信出
来なかった場合、ゾーン切替応答信号の再送を行う。
携帯電話機PTELは、切替候補先からのゾーン切替応答
信号を受信した場合、その中から次の条件を満足した信
号を選択する。
a.ゾーン切替応答信号中で、指定される空S−chについ
て、携帯電話機PTEL側で前もって空検出済みS−ch情報
と比較し、一致する情報を持つ信号を調べる。
b.a.を満足しているゾーン切替応答信号中から、信号受
信レベルが最も強い信号を選ぶ。
(L4>L3>L2>L1) c.a.b.によって選択出来なかった場合は、a.の条件を満
足していない信号の中から、b.に従って選択する。
携帯電話機PTELは、上記によりゾーン切替応答信号を
検出した場合、その信号を送信してきたゾーンに対して
チャネル指定信号を送信する。
切替処理 通話チャネル捕捉は、以下により行われる。
a.切替先の固定無線局FRSdは自己の属するゾーン宛ての
携帯電話機PTELよりのチャネル指定信号を受信した場
合、これに従い同信号で指定された3個のS−chについ
て順次検出を行う。この結果、空きが確認できた場合、
携帯電話機PTELに対してチャネル切替完了信号の規定時
間内の連続送信を行う。
b.携帯電話機PTELは、チャネル指定信号に指定した3個
のS−chを順次受信して、ゾーンdからのチャネル切替
完了信号を待ち受ける。
チャネル切替完了信号を受信した場合、ゾーンdに対
して回線リンク要求信号(Svi−ch)の規定時間内の連
続送信を行う。
切替先の固定無線局FRSdは、携帯電話機PTELよりの回
線リンク要求信号(第5図(s)参照)を受信した場
合、無線系制御装置RCEに対して接続要求コマンドを送
出する。
この後切替先の固定無線局FRSdは、携帯電話機PTELに
対して切替先チャネルのSvo−chにてFRS確認信号の連続
送信を開始する。
携帯電話機PTELは、ゾーンdからのFRS確認信号を受
信した場合、処理上ゾーンdに切替え、これに対して切
替先チャネルのSvo−chにてPTEL確認信号の連続送信を
開始する。
切替先の固定無線局FRSdは、携帯電話機PTELからの端
末確認信号を受信した場合、無線系制御装置RCEに対し
て切替完了通知コマンドを送出すると共に、無線系制御
装置RCE経由で全ての固定無線局FRSに対してこの旨を通
知する。無線系制御装置RCEからは、切替完了通知Gコ
マンドが送出される。
通話中の固定無線局FRSsは無線系制御装置RCE経由で
上記通知を受けた場合、無線回線を解除し、無線系制御
装置RCEに対して切替要求コマンドを送出して待機状態
に戻る。第10図(b)は第2種ゾーン切替処理の動作フ
ロー図である。
以上が第2種ゾーン切替処理であった。実用上第2種
ゾーン切替は平均2〜3秒程度の通信信号の切断を伴う
ことになる。しかしながらこの処理がなければ通話断と
なっていることであり、かつ、通話信号の場合2〜3秒
の通話断は聞き返しをすれば実用上特に支障を来さない
ことを考えると、本発明による第2種ゾーン切替はシス
テムの通話路確保の上で大きな意味をもつものである。
以上説明した第2種ゾーン切替はサービスエリアの広
いシステムにおいてゾーン切替に伴う制御を簡易化する
のに大きく役立つことを以下説明する。
第18図は本願発明者の提案による広域携帯電話の構成
図である〔文献 伊藤“携帯電話方式の提案−究極の通
信への一つのアプローチー”信学会技報CS86−88昭和61
年11月〕。
同図において、ある第1種交換機(KTC−I−1)の
管理するサービスエリアは最大都市の一行政区程度と考
えられるが、携帯電話機所有者が一つのサービスエリア
から他の第1種交換機(KTC−I−2)の管理するサー
ビスエリアに通話中に移動したとする。この場合、前述
の第1種ゾーン切替処理を行うとなると、上記二つの第
1種交換機を管理している第2種交換機(KTC−II−
1)まで制御情報を伝送し、第2種交換機の通話路スイ
ッチの切替を含む複雑な制御を行わなくてはならず、経
済的でないことが発生する。しかしながら、もし本発明
の第2種ゾーン切替処理を行うならば、KTC−I−1の
サービスエリアの境界において実質的に通話終了の処理
とKTC−I−2における発呼処理とを行えば複雑なゾー
ン切替処理なしで実質的なゾーン切替が可能となる。更
に上位の交換機間にまたがるゾーン切替処理が必要な場
合には、上記の二つの方法の差が一層明瞭となる。
最後に本実施例のシステム説明で残されている発着呼
動作の終話について説明する。
携帯電話機PTEL終話 通話中の携帯電話機PTELにおいて、“通話切”を操作
された場合、及び圏外処理の結果終話となった場合(圏
外処理参照)、終話処理に入る。
携帯電話機PTELはこの時、いかなる状態にあっても、
現在使用中の通話回線のSvo−chにて、終話信号を規定
時間連続送信し、送信完了待機状態に戻る。
固定無線局FRS終話 固定無線局FRSは通話中に携帯電話機PTELよりの終話
信号を受信した場合、及び圏外処理を行いその結果終話
となった場合(圏外処理参照)、終話処理に入る。
固定無線局FRSはこの時、いかなる状態にあっても、
現在使用中の通話回線のSvo−chにて、終話信号を規定
時間連続送信すると共に、無線系制御装置RCEに対して
終話要求コマンドを送出し、無線系制御装置RCE経由
で、全ての固定無線局FRSに対してこの旨を通知する。
また、全ての固定無線局FRSは、当該携帯電話機PTEL
との通話に係わる全ての処理を解除する。
無線系制御装置RCE終話 無線系制御装置RCEは、固定無線局FRSよりの終話要求
コマンドを受信して、当該固定無線局FRSとの通話に係
わる全ての処理を解除すると共に、交換装置PBXに対し
終話信号を送信する。交換装置PBXではこの信号を受け
外線から接続されている場合は交換機に対し終話信号を
送信することとなる。
以上は本発明を大規模高層ビルに適用した場合を説明し
たが、サービス・エリアはビル内ばかりではなく構内さ
らには市街地,住宅地を対象にした場合も本発明を適用
可能なことは明らかである。
(5)発明の効果 以上説明したように、マイクロセルを使用する小ゾー
ン方式に本発明によるシステム構築を適用することによ
り、通話トラヒックの大きい場所を含むサービス・エリ
ア内の任意の場所に居る携帯電話機と他の携帯電話機あ
るいは固定電話機間において発着呼が可能となり、かつ
通信の信頼性および品質の向上および周波数の有効利用
とが図られる外、ゾーン切替に関しても可能なかぎり通
話の連続性を維持するための手段をとることにより、通
信の利便性の向上に果たす効果には極めて大きいものが
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すシステム構成図、第2
図は本発明に用いる携帯電話機の一例を示すブロック
図、第3図は本発明に用いる固定無線局の一例を示すブ
ロック図、第4図は本発明に用いる無線系制御装置の1
例を示すブロック図、第5図(a)〜(s)は本発明に
用いる信号のフォーマット例図、第6図は本発明に用い
る固定無線局の状態遷移の1例を示す図、第7図は本発
明における位置登録要求の動作例を示すフロー図、第8
図(a)(b)は本発明における着信の動作例を示すフ
ロー図、第9図は本発明における発信の動作例を示すフ
ロー図、第10図(a)および(b)は本発明におけるゾ
ーン切替処理の動作例を示すフロー図、第11図は第7図
を別の表現で示すフロー図、第12図(a)は第8図
(b)を別の表現で示すフロー図、第12図(b)は第9
図を別の表現で示すフロー図、第13図は固定無線局の動
作例を示すフロー図、第14図は携帯電話機の動作例を示
すフロー図、第15図は本発明のシステム例における固定
無線機受信レベルとしきい値を示す図、第16図は携帯電
話機受信レベルによる回線品質劣化検出動作の流れの
図、第17図は通信品質モニタ動作の流れの図、第18図は
本発明を広域サービスエリアに適用した場合のシステム
構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 隆夫 東京都杉並区久我山1丁目7番41号 岩 崎通信機株式会社内 (72)発明者 岡村 一英 東京都中央区入船1丁目4番10号 東京 電力株式会社システム研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−208951(JP,A) 特開 昭63−84327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービ
    スエリアを構成する各固定無線局と、 前記サービス・エリア内に存在して前記固定無線局と交
    信することのできる複数の携帯電話機と、 前記各固定無線局と一般の電話網とを接続し、前記携帯
    電話機および該携帯電話機と良好に交信可能な少なくと
    も1つの前記固定無線局の識別情報を登録し、前記登録
    した固定無線局を介して前記携帯電話機に発着呼させる
    ための無線制御装置と固定無線局から送信される制御信
    号を検出する受信機と を含む移動体通信システムにおいて、 前記複数の携帯電話機の一つが場所の移動にともない交
    信中の前記固定無線局との通話の品質がシステムで定め
    た値以下に低下した場合、前記固定無線局のうちの近傍
    に存在する他の固定無線局と新しい通話路を設定して交
    信を開始する動作を開始し、該開始時にシステムで定め
    る通信品質が一定の値以上得られるときは前記無線制御
    装置は当該携帯電話機と前記交信中の固定無線局及び前
    記他の固定無線局の双方の制御要求により前記他の固定
    無線局との間で通話路を設定し、もし、一定の値以上の
    品質が維持できないときは該携帯電話機と該他の固定無
    線局との交信を一旦保留し、この間に該携帯電話機が新
    たに発呼を開始したのと同様の通話路設定処理により前
    記固定無線局のうちの別の一つと当該携帯電話機との間
    での通信を行わせることを特徴とする移動通信システム
    における無線ゾーン切替方法。
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