JP2866759B2 - 昇降装置 - Google Patents
昇降装置Info
- Publication number
- JP2866759B2 JP2866759B2 JP32558891A JP32558891A JP2866759B2 JP 2866759 B2 JP2866759 B2 JP 2866759B2 JP 32558891 A JP32558891 A JP 32558891A JP 32558891 A JP32558891 A JP 32558891A JP 2866759 B2 JP2866759 B2 JP 2866759B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air pressure
- pressure
- cage
- user
- chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Types And Forms Of Lifts (AREA)
- Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)
- Elevator Door Apparatuses (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高層ビル等に設置さ
れ、高速で昇降して利用者を輸送する昇降装置に関す
る。
れ、高速で昇降して利用者を輸送する昇降装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超高層ビル等には、ビル利用者が搭乗し
て昇降する昇降装置としてのエレベータ装置が設置され
ている。このエレベータ装置は、単位時間当たり及び建
築単位面積当たりのビル利用者の運搬量を増加させるた
めにケージを高速で昇降させる必要がある。特に今後建
設が予想される超々高層ビル(一例として高さ500
m)においては、ビル利用者の運搬量を増加させるため
に、ケージの最大昇降速度が500〜800m/分とな
ることが想定される。
て昇降する昇降装置としてのエレベータ装置が設置され
ている。このエレベータ装置は、単位時間当たり及び建
築単位面積当たりのビル利用者の運搬量を増加させるた
めにケージを高速で昇降させる必要がある。特に今後建
設が予想される超々高層ビル(一例として高さ500
m)においては、ビル利用者の運搬量を増加させるため
に、ケージの最大昇降速度が500〜800m/分とな
ることが想定される。
【0003】ところで、一例として、図7に示されるよ
うに、地上階から最上階へ上昇速度500m/分でケー
ジが上昇した場合、ケージ内の気圧の変化率は、高度差
の変化率に換算すると、500m/分にも達する(50
0m(高度差)は44mb(気圧)に相当する。以下、便
宜上高度差(m)によって説明をする)。
うに、地上階から最上階へ上昇速度500m/分でケー
ジが上昇した場合、ケージ内の気圧の変化率は、高度差
の変化率に換算すると、500m/分にも達する(50
0m(高度差)は44mb(気圧)に相当する。以下、便
宜上高度差(m)によって説明をする)。
【0004】しかしながら、このケージに搭乗する高度
差の変化に順応できない利用者が、生理的及び心理的不
快感(耳痛、めまい等)を感じない高度差の変化率は、
個人差はあるが、一般に150m/分とされている。
差の変化に順応できない利用者が、生理的及び心理的不
快感(耳痛、めまい等)を感じない高度差の変化率は、
個人差はあるが、一般に150m/分とされている。
【0005】このため、図6に示されるように、ケージ
を高度差が100mとなる毎に停止させ、高度差の平均
変化率を150m/分に設定することも考えられてい
る。しかし、これではケージ内の搭乗時間が長くなり、
高度差の変化に順応できる利用者にとっては、不満が生
じる。
を高度差が100mとなる毎に停止させ、高度差の平均
変化率を150m/分に設定することも考えられてい
る。しかし、これではケージ内の搭乗時間が長くなり、
高度差の変化に順応できる利用者にとっては、不満が生
じる。
【0006】これに対処すべく、図7に示すように、高
速エレベータHと低速エレベータLとを設け、利用者が
高度差の変化に対する順応度に応じて、選択的に搭乗す
ることもできる。しかし、これではエレベータ装置を2
系統設ける必要が生じ、建築単位面積当たりのビル利用
者の運搬量が減少する。また、高速エレベータと低速エ
レベータとが利用される割合を事前に予測すること(順
応者と非順応者の比率)は不可能であるため、適正な輸
送計画が立案できない。
速エレベータHと低速エレベータLとを設け、利用者が
高度差の変化に対する順応度に応じて、選択的に搭乗す
ることもできる。しかし、これではエレベータ装置を2
系統設ける必要が生じ、建築単位面積当たりのビル利用
者の運搬量が減少する。また、高速エレベータと低速エ
レベータとが利用される割合を事前に予測すること(順
応者と非順応者の比率)は不可能であるため、適正な輸
送計画が立案できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る事実を考
慮し、1系統の昇降装置によって高速で利用者を運搬で
き、かつ高度差の変化に順応できない利用者に対して
も、生理的及び心理的不快感を感じさせない昇降装置を
提供することを目的とする。
慮し、1系統の昇降装置によって高速で利用者を運搬で
き、かつ高度差の変化に順応できない利用者に対して
も、生理的及び心理的不快感を感じさせない昇降装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、利用者を乗せて昇降するケージを備えた昇降装置に
おいて、上昇時あるいは下降時に前記ケージ外の気圧の
変化に関わらず、前記ケージ内の気圧を所定の割合で変
化させる与減圧手段と、到着した前記ケージ内との気圧
差及び各室間気圧差が所定範囲内に調整された複数の気
圧調整室と、を備え、前記複数の気圧調整室内の気圧を
それぞれ相違させ、どの気圧調整室を通過するかを利用
者が選択可能な構造としたことを特徴としている。
は、利用者を乗せて昇降するケージを備えた昇降装置に
おいて、上昇時あるいは下降時に前記ケージ外の気圧の
変化に関わらず、前記ケージ内の気圧を所定の割合で変
化させる与減圧手段と、到着した前記ケージ内との気圧
差及び各室間気圧差が所定範囲内に調整された複数の気
圧調整室と、を備え、前記複数の気圧調整室内の気圧を
それぞれ相違させ、どの気圧調整室を通過するかを利用
者が選択可能な構造としたことを特徴としている。
【0009】請求項2に記載の発明では、一の気圧調整
室と他の気圧調整室、あるいは一の気圧調整室と他の気
圧調整室と気圧が調整されていない通常のフロアとの出
入口に設けられ、利用者の出入りによる気圧調整室内の
気圧変動を最小限に抑える遮蔽ドアを有することを特徴
としている。
室と他の気圧調整室、あるいは一の気圧調整室と他の気
圧調整室と気圧が調整されていない通常のフロアとの出
入口に設けられ、利用者の出入りによる気圧調整室内の
気圧変動を最小限に抑える遮蔽ドアを有することを特徴
としている。
【0010】
【0011】
【作用】上記構成の昇降装置は、利用者を乗せてケージ
が昇降すると、その昇降速度に対応して気圧の変化率も
変わる。気圧の変化率は、通常はケージ外とケージ内と
で同じであるが、与減圧手段が、ケージ外の気圧の変化
率、すなわちケージの昇降速度に関わらず、所定の割合
でケージ内の気圧を変化させる。この気圧の変化率は気
圧差の変化に順応できない利用者に対しても、生理的及
び心理的不快感を感じさせない程度に設定してある。
が昇降すると、その昇降速度に対応して気圧の変化率も
変わる。気圧の変化率は、通常はケージ外とケージ内と
で同じであるが、与減圧手段が、ケージ外の気圧の変化
率、すなわちケージの昇降速度に関わらず、所定の割合
でケージ内の気圧を変化させる。この気圧の変化率は気
圧差の変化に順応できない利用者に対しても、生理的及
び心理的不快感を感じさせない程度に設定してある。
【0012】また、通常ケージが移動を開始する時と、
移動を停止する時では、昇降速度は遅くなる。このた
め、一回の昇降距離が短い場合、ケージが到着するフロ
アの気圧と、与減圧手段によって気圧が調整されたケー
ジ内の気圧には、大きな差は生じない。
移動を停止する時では、昇降速度は遅くなる。このた
め、一回の昇降距離が短い場合、ケージが到着するフロ
アの気圧と、与減圧手段によって気圧が調整されたケー
ジ内の気圧には、大きな差は生じない。
【0013】しかし、一回の昇降距離が長い場合、搭乗
時間が長いので、ケージが到着するフロアの気圧と、与
減圧手段によって気圧が調整されたケージ内の気圧に
は、大きな差が生じる。このため、利用者がケージから
降りたとき、瞬間にはその気圧差に順応できない。
時間が長いので、ケージが到着するフロアの気圧と、与
減圧手段によって気圧が調整されたケージ内の気圧に
は、大きな差が生じる。このため、利用者がケージから
降りたとき、瞬間にはその気圧差に順応できない。
【0014】これに対処すべく、所定階以上のフロアに
は、気圧調整室が設けてある。この気圧調整室は、ケー
ジに搭乗した利用者が通過または滞留して気圧が調整さ
れていないフロアへ移動するように配置されている。こ
の気圧調整室内の気圧は、到着したゲージ内との気圧差
が所定範囲内、すなわち、瞬間的にその気圧差に順応で
きる程度に調整されている。従って、利用者はこの気圧
調整室を通過または滞留することによって、気圧が調整
されていないフロア内の気圧に順応できる。
は、気圧調整室が設けてある。この気圧調整室は、ケー
ジに搭乗した利用者が通過または滞留して気圧が調整さ
れていないフロアへ移動するように配置されている。こ
の気圧調整室内の気圧は、到着したゲージ内との気圧差
が所定範囲内、すなわち、瞬間的にその気圧差に順応で
きる程度に調整されている。従って、利用者はこの気圧
調整室を通過または滞留することによって、気圧が調整
されていないフロア内の気圧に順応できる。
【0015】また、ケージが到着するフロアの気圧と、
与減圧手段によって気圧が調整されたケージ内の気圧と
の差が大きな場合、複数の気圧調整室を設けて、順次そ
の気圧調整室を通過または滞留することによって、気圧
が調整されていないフロア内の気圧に順応できる。さら
に、どの気圧調整室を通過するかは利用者が選択可能な
構造とされているので、利用者は自らの気圧差変化順応
能力に応じて、一つの気圧調整室を通過してフロアに直
接アクセスしたり、また、複数の気圧調整室を通過して
フロアにアクセスすることができる。
与減圧手段によって気圧が調整されたケージ内の気圧と
の差が大きな場合、複数の気圧調整室を設けて、順次そ
の気圧調整室を通過または滞留することによって、気圧
が調整されていないフロア内の気圧に順応できる。さら
に、どの気圧調整室を通過するかは利用者が選択可能な
構造とされているので、利用者は自らの気圧差変化順応
能力に応じて、一つの気圧調整室を通過してフロアに直
接アクセスしたり、また、複数の気圧調整室を通過して
フロアにアクセスすることができる。
【0016】さらに、上記のように複数の気圧調整室を
設けた場合、到着したケージと通ずる一の気圧調整室と
他の気圧調整室、あるいは一の気圧調整室及び他の気圧
調整室と、気圧が調整されていない通常のフロアと間に
は、出入口としての遮蔽ドアが設けられている。この遮
蔽ドアによって、利用者の出入りによる気圧調整室内の
気圧変動が最小限に抑えられる。
設けた場合、到着したケージと通ずる一の気圧調整室と
他の気圧調整室、あるいは一の気圧調整室及び他の気圧
調整室と、気圧が調整されていない通常のフロアと間に
は、出入口としての遮蔽ドアが設けられている。この遮
蔽ドアによって、利用者の出入りによる気圧調整室内の
気圧変動が最小限に抑えられる。
【0017】
【実施例】図1に示すように、ビルデイング10には、
昇降装置のケージ12が移動するためのエレベータ通路
14が設けられている。このエレベータ通路14は、ビ
ルデイング10の鉛直方向へ延びる3本の昇降用通路1
6で構成されている。
昇降装置のケージ12が移動するためのエレベータ通路
14が設けられている。このエレベータ通路14は、ビ
ルデイング10の鉛直方向へ延びる3本の昇降用通路1
6で構成されている。
【0018】このケージ12は、一例として駆動装置1
7(図2参照)によって巻取り巻出されるワイヤケーブ
ルに吊り下げられ、昇降用通路16内を上昇及び下降し
て、利用者から呼出しがあったフロアFへ移動し利用者
を目的のフロアFまで運搬するようになっている。
7(図2参照)によって巻取り巻出されるワイヤケーブ
ルに吊り下げられ、昇降用通路16内を上昇及び下降し
て、利用者から呼出しがあったフロアFへ移動し利用者
を目的のフロアFまで運搬するようになっている。
【0019】またケージ12には、ケージ12の中の気
圧を検出する気圧センサー18と、図示しないコンプレ
ッサーが内蔵された与減圧装置20が設けられている。
図2に示されるように、この与減圧装置20は、制御装
置22に接続されており、気圧センサー18に出力信号
に基づいて、ケージ12のドアが閉止すると同時に、ケ
ージ12の中の気圧を一定の割合で与減圧する。
圧を検出する気圧センサー18と、図示しないコンプレ
ッサーが内蔵された与減圧装置20が設けられている。
図2に示されるように、この与減圧装置20は、制御装
置22に接続されており、気圧センサー18に出力信号
に基づいて、ケージ12のドアが閉止すると同時に、ケ
ージ12の中の気圧を一定の割合で与減圧する。
【0020】このケージ12の中の気圧の変化率は、図
5に示されるように、本実施例では高度差に換算して、
150m/分とされている。この高度差の変化率は、時
間に依存しており、ケージ12の昇降速度に関わらず一
定に維持される。なお、150m/分という高度差の変
化率は、一般的に、気圧差の変化に順応できない利用者
にとっても、生理的及び心理的不快感を感じさせないも
のである。
5に示されるように、本実施例では高度差に換算して、
150m/分とされている。この高度差の変化率は、時
間に依存しており、ケージ12の昇降速度に関わらず一
定に維持される。なお、150m/分という高度差の変
化率は、一般的に、気圧差の変化に順応できない利用者
にとっても、生理的及び心理的不快感を感じさせないも
のである。
【0021】図5に示されるように、地階から100m
程度昇降する場合、ケージ12が到着するフロアFの気
圧と、与減圧装置20によって気圧が調整されたケージ
12の中の気圧には、大きな差(約50m)は生じない
ので、気圧調整室24(図3参照)は配設されないが、
最上階付近になると、気圧差が350m近くになるの
で、ケージ12内の気圧と、ケージ12が到着するフロ
アFの気圧との気圧差を調整する複数の気圧調整室24
A、24B、24Cを配設する必要が生じてくる。
程度昇降する場合、ケージ12が到着するフロアFの気
圧と、与減圧装置20によって気圧が調整されたケージ
12の中の気圧には、大きな差(約50m)は生じない
ので、気圧調整室24(図3参照)は配設されないが、
最上階付近になると、気圧差が350m近くになるの
で、ケージ12内の気圧と、ケージ12が到着するフロ
アFの気圧との気圧差を調整する複数の気圧調整室24
A、24B、24Cを配設する必要が生じてくる。
【0022】この気圧調整室24A、24B、24C
は、図4に示すように、気密性を有するコンクリート製
等の壁26で各々仕切られている。気圧調整室24A、
24B、24Cには、それぞれ気圧調整室24A、24
B、24Cの中の気圧を検出する気圧センサー28A、
28B、28Cと、図示しないコンプレッサーが内蔵さ
れた与減圧装置30A、30B、30Cが設けられてい
る。図2に示されるように、この与減圧装置30A、3
0B、30Cは、制御装置22に接続されており、気圧
センサー28A、28B、28Cから出力された信号に
基づいて、気圧調整室24A、24B、24Cの気圧を
所定の値に維持するようになっている。なお、図5に示
されるように、気圧調整室24Aの気圧は、このフロア
Fに到着するケージ12の中の気圧との差が、高度差で
換算して110m以下となるように設定され、また、気
圧調整室24Aと気圧調整室24Bとの気圧差、及び気
圧調整室24Bと気圧調整室24Cとの気圧差は、高度
差で換算して110m以下となるように、さらに、気圧
調整室24Cと、気圧が調整されていないフロアFとの
気圧差は、高度差で換算して110m以下となるよう
に、それぞれ設定されている。
は、図4に示すように、気密性を有するコンクリート製
等の壁26で各々仕切られている。気圧調整室24A、
24B、24Cには、それぞれ気圧調整室24A、24
B、24Cの中の気圧を検出する気圧センサー28A、
28B、28Cと、図示しないコンプレッサーが内蔵さ
れた与減圧装置30A、30B、30Cが設けられてい
る。図2に示されるように、この与減圧装置30A、3
0B、30Cは、制御装置22に接続されており、気圧
センサー28A、28B、28Cから出力された信号に
基づいて、気圧調整室24A、24B、24Cの気圧を
所定の値に維持するようになっている。なお、図5に示
されるように、気圧調整室24Aの気圧は、このフロア
Fに到着するケージ12の中の気圧との差が、高度差で
換算して110m以下となるように設定され、また、気
圧調整室24Aと気圧調整室24Bとの気圧差、及び気
圧調整室24Bと気圧調整室24Cとの気圧差は、高度
差で換算して110m以下となるように、さらに、気圧
調整室24Cと、気圧が調整されていないフロアFとの
気圧差は、高度差で換算して110m以下となるよう
に、それぞれ設定されている。
【0023】この気圧調整室24A、24B、24Cの
境には、図1及び図4に示すように、遮蔽ドアとしの回
転ドア32が、また気圧調整室24AとフロアFとの境
には、回転ドア34が、さらに、気圧調整室24Cとフ
ロアFとの境には、回転ドア36が配置されている。
境には、図1及び図4に示すように、遮蔽ドアとしの回
転ドア32が、また気圧調整室24AとフロアFとの境
には、回転ドア34が、さらに、気圧調整室24Cとフ
ロアFとの境には、回転ドア36が配置されている。
【0024】回転ドア32は、天井面と床面との間に軸
支された回転軸38と、この回転軸38の外周部から半
径方向へ突設された6枚のドア40と、このドア40の
外端部を覆う3個の円弧状のカバー部42で構成されて
いる。このカバー部42の配置間隔は、利用者が各気圧
調整室24A、24B、24Cへ出入りできる大きさと
されている。このように、ドア40を6枚配設すること
によって、各気圧調整室24A、24B、24Cを順次
仕切りながら、利用者の出入りが可能となるので、各気
圧調整室24A、24B、24Cの気密状態は維持され
る。なお、ドアの枚数は、カバー部42の開口面積を考
慮して決められるものであり、6枚には限定されない。
支された回転軸38と、この回転軸38の外周部から半
径方向へ突設された6枚のドア40と、このドア40の
外端部を覆う3個の円弧状のカバー部42で構成されて
いる。このカバー部42の配置間隔は、利用者が各気圧
調整室24A、24B、24Cへ出入りできる大きさと
されている。このように、ドア40を6枚配設すること
によって、各気圧調整室24A、24B、24Cを順次
仕切りながら、利用者の出入りが可能となるので、各気
圧調整室24A、24B、24Cの気密状態は維持され
る。なお、ドアの枚数は、カバー部42の開口面積を考
慮して決められるものであり、6枚には限定されない。
【0025】また、ドア40は、回転軸38の軸方向へ
天井面及び床面へ向かって延設されている。このドア4
0の上下端部は、天井面及び床面と摺動しない程度の隙
間を持って配設されている。さらに、ドア40の外端部
は、カバー部42の内周面と摺動しない程度の隙間を持
って配設されている。これによって、常時各気圧調整室
24A、24B、24Cの気密状態は維持される。
天井面及び床面へ向かって延設されている。このドア4
0の上下端部は、天井面及び床面と摺動しない程度の隙
間を持って配設されている。さらに、ドア40の外端部
は、カバー部42の内周面と摺動しない程度の隙間を持
って配設されている。これによって、常時各気圧調整室
24A、24B、24Cの気密状態は維持される。
【0026】なお、回転ドア34、36は4枚のドア4
2で構成されている。また、この気圧調整室の部屋数
は、ビルの上層へ行くに従って、増設されるようになっ
ている。
2で構成されている。また、この気圧調整室の部屋数
は、ビルの上層へ行くに従って、増設されるようになっ
ている。
【0027】次に、本実施例に係る昇降装置の作用(地
上階から500m上昇する場合)を図3に示すフローチ
ャートに従って説明する。
上階から500m上昇する場合)を図3に示すフローチ
ャートに従って説明する。
【0028】ステップ100で上昇ボタン50が押さ
れ、ケージ12のドアが閉止されたか否か判断される。
ケージ12のドアが閉止されたなら、ステップ102
で、与減圧装置20が駆動し、一定の割合でケージ12
の中の気圧を減圧していく。この与減圧装置20は、図
2に示すように、制御装置22に接続されており、ケー
ジ12内に配置され気圧を検出する気圧センサー18か
らの信号に基づいて、一定の変化率(時間に対する変化
率)で減圧するので、ケージ12内は完全に密閉されて
いる必要がない。
れ、ケージ12のドアが閉止されたか否か判断される。
ケージ12のドアが閉止されたなら、ステップ102
で、与減圧装置20が駆動し、一定の割合でケージ12
の中の気圧を減圧していく。この与減圧装置20は、図
2に示すように、制御装置22に接続されており、ケー
ジ12内に配置され気圧を検出する気圧センサー18か
らの信号に基づいて、一定の変化率(時間に対する変化
率)で減圧するので、ケージ12内は完全に密閉されて
いる必要がない。
【0029】次に、ステップ204で目的のフロアまで
ケージ12が上昇し、ステップ206でケージ12のド
アが開放される。この時のケージ12内の気圧は図5に
示されるように、高度差に換算して150mとなってい
るので、フロアFとの高度差は350mとなる。ここ
で、気圧調整室24A、24B、24Cは与減圧装置3
0A、30B、30C(図4参照)によって、250
m、350m、450mに維持されている。このため、
利用者に作用する瞬間的な高度差は110m以下に抑え
られるので、気圧差の変化に順応できない利用者にとっ
ても、生理的及び心理的不快感を感じさせない。
ケージ12が上昇し、ステップ206でケージ12のド
アが開放される。この時のケージ12内の気圧は図5に
示されるように、高度差に換算して150mとなってい
るので、フロアFとの高度差は350mとなる。ここ
で、気圧調整室24A、24B、24Cは与減圧装置3
0A、30B、30C(図4参照)によって、250
m、350m、450mに維持されている。このため、
利用者に作用する瞬間的な高度差は110m以下に抑え
られるので、気圧差の変化に順応できない利用者にとっ
ても、生理的及び心理的不快感を感じさせない。
【0030】ここで、利用者の移動パターンについて説
明する。図4に示されるように、利用者の気圧差変化順
応能力は、3通り考えられる。一点鎖線で示すように、
気圧差変化順応能力が優れた利用者は、気圧調整室24
Aから回転ドア34を通過して、直接フロアFにアクセ
スする。次に気圧差変化順応能力が通常である利用者
は、破線で示すように、気圧調整室24Bに滞留せず
に、気圧調整室24Aから気圧調整室24Cへ移動し
て、回転ドア36からフロアFへアクセスできる。ま
た、気圧差の変化に順応できない利用者は、実線で示す
ように、気圧調整室24Aから、気圧調整室24Bへ、
さらに気圧調整室24Bから気圧調整室24Cへと順次
移動することによって、生理的及び心理的不快感を感じ
ずに、フロアFへアクセスできる。このように、本実施
例では、特に別系統の昇降装置を配置しなくでも、気圧
差変化順応能力に応じて、利用者が目的のフロアFへア
クセスできる。
明する。図4に示されるように、利用者の気圧差変化順
応能力は、3通り考えられる。一点鎖線で示すように、
気圧差変化順応能力が優れた利用者は、気圧調整室24
Aから回転ドア34を通過して、直接フロアFにアクセ
スする。次に気圧差変化順応能力が通常である利用者
は、破線で示すように、気圧調整室24Bに滞留せず
に、気圧調整室24Aから気圧調整室24Cへ移動し
て、回転ドア36からフロアFへアクセスできる。ま
た、気圧差の変化に順応できない利用者は、実線で示す
ように、気圧調整室24Aから、気圧調整室24Bへ、
さらに気圧調整室24Bから気圧調整室24Cへと順次
移動することによって、生理的及び心理的不快感を感じ
ずに、フロアFへアクセスできる。このように、本実施
例では、特に別系統の昇降装置を配置しなくでも、気圧
差変化順応能力に応じて、利用者が目的のフロアFへア
クセスできる。
【0031】なお、本実施例では、最上階から降下する
場合は、予め気圧調整室で利用者が順次与圧されてケー
ジ12に搭乗することになる。
場合は、予め気圧調整室で利用者が順次与圧されてケー
ジ12に搭乗することになる。
【0032】ここで、逆に地上階に気圧調整室を設ける
ことも考えられる。この例では、ケージ12で上昇する
場合、予め気圧調整室で順次減圧してケージ12に搭乗
し、また最上階から降下する場合は、地上階に設置され
た気圧調整室で順次与圧することになる。しかしなが
ら、地上階のフロアに気圧調整室を設けることは、ビル
デイングの有効活用から好ましくないので、最上階に気
圧調整室を設けることが望ましい。
ことも考えられる。この例では、ケージ12で上昇する
場合、予め気圧調整室で順次減圧してケージ12に搭乗
し、また最上階から降下する場合は、地上階に設置され
た気圧調整室で順次与圧することになる。しかしなが
ら、地上階のフロアに気圧調整室を設けることは、ビル
デイングの有効活用から好ましくないので、最上階に気
圧調整室を設けることが望ましい。
【0033】また、本実施例では、主にエレベータにつ
いて説明したが、本発明はこれに限定されず、ロープウ
ェー及びケーブルカー等のように、気圧差の大きい地点
間を移動する輸送機械にも適用できる。
いて説明したが、本発明はこれに限定されず、ロープウ
ェー及びケーブルカー等のように、気圧差の大きい地点
間を移動する輸送機械にも適用できる。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、1系統の
昇降装置によって高速で利用者を運搬でき、かつ高度差
の変化に順応できない利用者に対しても、生理的及び心
理的不快感を感じさせることがない。
昇降装置によって高速で利用者を運搬でき、かつ高度差
の変化に順応できない利用者に対しても、生理的及び心
理的不快感を感じさせることがない。
【図1】本発明に係る昇降装置が適用されたビルデイン
グの斜視図である。
グの斜視図である。
【図2】本発明に係る昇降装置の概略ブロック図であ
る。
る。
【図3】本発明に係る昇降装置を制御を説明するフロー
チャートである。
チャートである。
【図4】本発明に係る昇降装置の気圧調整室及び利用者
の移動パターンを示した概略平面図である。
の移動パターンを示した概略平面図である。
【図5】本発明に係る昇降装置の運行パターンを示した
グラフである。
グラフである。
【図6】従来のエレベータの運行パターンを示したグラ
フである。
フである。
【図7】2系統のエレベータの運行パターンを示したグ
ラフである。
ラフである。
12 ケージ 18 気圧センサー(与減圧手段) 20 与減圧装置(与減圧手段) 24 気圧調整室 28 与減圧装置(与減圧手段) 30 気圧センサー(与減圧手段) 32 回転ドア(遮蔽ドア) 34 回転ドア(遮蔽ドア) 36 回転ドア(遮蔽ドア)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66B 11/02 B66B 9/00 B66B 13/30
Claims (2)
- 【請求項1】 利用者を乗せて昇降するケージを備えた
昇降装置において、 上昇時あるいは下降時に前記ケージ外の気圧の変化に関
わらず、前記ケージ内の気圧を所定の割合で変化させる
与減圧手段と、到着した前記ケージ内との気圧差及び各
室間気圧差が所定範囲内に調整された複数の気圧調整室
と、を備え、 前記複数の気圧調整室内の気圧をそれぞれ相違させ、ど
の気圧調整室を通過するかを利用者が選択可能な構造と
したことを特徴とする昇降装置。 - 【請求項2】 一の気圧調整室と他の気圧調整室、ある
いは一の気圧調整室と他の気圧調整室と気圧が調整され
ていない通常のフロアとの出入口に設けられ、利用者の
出入りによる気圧調整室内の気圧変動を最小限に抑える
遮蔽ドアを有することを特徴とする請求項1に記載の昇
降装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32558891A JP2866759B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 昇降装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32558891A JP2866759B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 昇降装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05155564A JPH05155564A (ja) | 1993-06-22 |
JP2866759B2 true JP2866759B2 (ja) | 1999-03-08 |
Family
ID=18178558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32558891A Expired - Fee Related JP2866759B2 (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 昇降装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2866759B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5063093B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2012-10-31 | 株式会社日立製作所 | エレベータ装置 |
JP5927100B2 (ja) * | 2012-10-10 | 2016-05-25 | 株式会社日立製作所 | エレベーターかご内の気圧制御装置を有するエレベーター |
JP6272118B2 (ja) * | 2014-04-16 | 2018-01-31 | 株式会社日立製作所 | 気圧制御装置付きエレベータおよびその設定方法並びに製造方法 |
-
1991
- 1991-12-10 JP JP32558891A patent/JP2866759B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05155564A (ja) | 1993-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7588126B2 (en) | Building evacuation elevator system | |
US4305479A (en) | Variable elevator up peak dispatching interval | |
JP3454899B2 (ja) | エレベータシステムの負荷重量側路しきい値の自動選択装置及び方法 | |
HK1023328A1 (en) | Double-decker or multi-decker elevator | |
JP2000355477A (ja) | 空気式エレベータ | |
EP0680920A2 (en) | Traction sheave elevator, hoisting unit and machine space | |
JP2866759B2 (ja) | 昇降装置 | |
JP3953168B2 (ja) | エレベータ装置 | |
JPH10279232A (ja) | 可変式ダブルデッキエレベーター | |
JPH0624665A (ja) | エレベータ利用のビル換気装置 | |
JP2935073B2 (ja) | 建物とそのエレベータ装置 | |
JPH0881162A (ja) | エレベータ装置とエレベータ装置の制御方法および建造物 | |
JP3953105B2 (ja) | 水平方向に移送されたエレベータかごを用いるエレベータシャトル | |
JP3399161B2 (ja) | エレベーター装置 | |
JP2001140223A (ja) | エレベータおよび航空機離着陸帯構造 | |
CN220412553U (zh) | 一种户外电梯 | |
JPH03264485A (ja) | 空気動力式昇降機 | |
JPH0977428A (ja) | エレベータ | |
JP4091218B2 (ja) | エレベータ | |
JP2787435B2 (ja) | 地下駐車場 | |
JPH0672657A (ja) | エレベーター防煙装置 | |
JP2024010401A (ja) | エレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法 | |
JPH10324475A (ja) | エレベータ装置 | |
JP2022096914A (ja) | エレベータ制御装置 | |
JP3014869B2 (ja) | 昇降機保守装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |