JPH0794312B2 - 斜行エレベータの制御ケーブル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は斜行エレベータの制御ケーブル装置に関し、特
に平形に形成された制御ケーブルの損傷を抑制すること
のできる斜行エレベータの制御ケーブル装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の装置を第４図ないし第６図を参照しつつ
説明する。第４図は斜行エレベータの全体の構成を示す
断面図で、斜行エレベータは同図に示す如く、乗りかご
（１）が傾斜昇降路上面に配設されたガイドレール
（２）を昇降するよに構成されている。該乗りかご
（１）にはロープ（３）の一端が連結され、他端は昇降
路上端に配設された綱車（４）及びそらせ車（５），
（６）を経由してそのガイドレール（７）を昇降する釣
合い錘り（８）に連結されており、図示しない巻上機に
よって昇降するように構成されている。昇降動作は機械
室（９）に配設された制御盤（10）によって司どられ、
その制御のために該制御盤（10）と乗りかご（１）とは
制御ケーブル（11）によって連結されている。該制御ケ
ーブル（11）は乗りかご（１）が昇降することから、そ
の昇降動作に追従できるゆとりをもった寸法に設定され
ている。更に制御ケーブル（11）は、昇降路内に複数横
架された受けローラ（12）及び受けローラ（12）に対応
させた受け金具（13）を経由して昇降路下方に至り、上
記乗りかご（１）に追従する台車（14）内に収納された
回転体（15）に掛け回されており、該回転体（15）にお
いて上記乗りかご（１）と制御盤（10）における折り返
し点を形成している。そして該台車（14）の自重により
制御ケーブル（11）に一定の引張力を付与するようにし
ている。

然して、台車（14）の底部上端縁には支持ローラ（16）
が配設され、第５図、第６図に拡大して示す如く、該支
持ローラ（16）を経由させて、該支持ローラ（16）と回
転体（15）間に立設した２対の倒れ防止ローラ（17），
（17）に制御ケーブル（11）を通している。該倒れ防止
ローラ（17），（17）は、台車（14）より稍下方に位置
する受けローラ（12）にある制御ケーブル（11）に90°
の捻れを付与し、回転体（15）に制御ケーブル（11）を
円滑に案内するように構成されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、従来の斜行エレベータの制御ケーブル装置
は、制御ケーブル（11）の折り返し点となる台車（14）
が昇降路内において制御ケーブル（11）を受ける受けロ
ーラ（12）などよりも上方に位置するために、受けロー
ラ（12）から台車（14）の支持ローラ（16）に至る過程
で、制御ケーブル（11）に弛みを生じ、この弛みを生じ
た上で倒れ防止ローラ（17），（17）によって制御ケー
ブル（11）に捻れを付与するために、受けローラ（12）
から台車（14）の回転体（15）に至る制御ケーブルの挙
動に円滑を欠き、特に倒れ防止ローラ（17），（17）を
通過する際に、制御ケーブル（11）に対して大きな抵抗
力を生じ、この抵抗力故に経時的に制御ケーブル（11）
の断線等をもたらし、寿命が短縮される問題があった。

更にまた、受けローラ（12）において上面を向いていた
制御ケーブル（11）が回転体（15）に到達すると、回転
体（15）との摺接側に転換される。そのために受けロー
ラ（12）において塵埃などを制御ケーブル（11）に受け
て、そのまま回転体（15）に到達すると、制御ケーブル
（11）と回転体（15）内に塵埃が介在し、この塵埃が制
御ケーブル（11）の被覆部材に損傷をもたらすという課
題も残されていた。

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、台
車（14）の回転体（15）に制御ケーブル（11）無理なく
案内し、且つ受けローラ（12）における制御ケーブル
（11）の上面を回転体（15）においては外側に向くよう
にして制御ケーブル（11）の損傷を抑制することのでき
る斜行エレベータの制御ケーブル装置を提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の斜行エレベータの制御ケーブル装置は、倒れ防
止ローラよりも上端側に位置させた補助ローラを台車に
配設して、受けローラでの制御ケーブル上面を回転体で
外側を向けるように掛け回して構成したものである。

〔作用〕

本発明によれば、受けローラからの制御ケーブルを補助
ローラによって一端倒れ防止ローラと略同一レベルに引
き上げた後、制御ケーブルの上面を回転体での外側に向
けるように案内する。

〔実施例〕

以下第１図ないし第３図に示す実施例に基づいて本発明
を説明する。尚、説明の都合上従来と同一又は相当部分
には同一符号を付してその説明を省略し、本発明の特徴
を中心に説明する。

第１図は上記第３図に相当する図であり同図からも明ら
かなように、制御ケーブル（11）の折り返し点を形成す
る台車（14）の傾斜上方端に補助ローラ（18）が配設さ
れている。該補助ローラ（18）における制御ケーブル
（11）の支持点は倒れ防止ローラ（17），（17）の略中
間点に位置するようになされている。このように補助ロ
ーラ（18）によって制御ケーブル（11）の支持点を一端
倒れ防止ローラ（17），（17）の略中間位置にまで案内
した後に支持ローラ（16）を経由させて倒れ防止ローラ
（17），（17）に制御ケーブル（11）を通すようにした
ことから、補助ローラ（18）と倒れ防止ローラ（17），
（17）間における弛みをなくすることができ、倒れ防止
ローラ（17），（17）に制御ケーブル（11）を無理なく
円滑に通すことができる。従って従来の如く倒れ防止ロ
ーラ（17），（17）を通過する制御ケーブル（11）に過
大な抵抗力が作用することもなく、制御ケーブル（11）
の損傷を格段に抑制することができる。

更にまた、第２図、第３図に示す如く、補助ローラ（1
8）から倒れ防止ローラ（17），（17）に至る間に制御
ケーブル（11）の上面を回転体（15）の外側に向くよう
に倒れ防止ローラ（17），（17）に制御ケーブル（11）
を通して構成されている。従って、従来の如く受けロー
ラ（12）において塵埃等を受けた制御ケーブル（11）が
回転体（15）を通過しても、塵埃などで汚れた上面は回
転体（15）表面に摺接することがなく、もって制御ケー
ブル（11）の被覆部材を摩滅することもない。

以上本実施例によれば、回転体（15）に対して制御ケー
ブル（11）を無理な抵抗力を付与することなく案内し
て、且つ制御ケーブル（11）に付着した塵埃等を回転体
（15）と制御ケーブル（11）表面間に介在させることが
なく、制御ケーブル（11）の損傷を格段に抑制すること
ができる。

〔発明の効果〕

以上本発明によれば、斜行エレベータにおける制御ケー
ブルの損傷を格段に抑制することができ、その寿命を長
くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の斜行エレベータの制御ケーブル装置の
一実施例を示す断面図、第２図は第１図における要部を
拡大して示す平面図、第３図は第２の正面図、第４図な
いし第６図は従来装置を示す図で、それぞれの図は第１
図ないし第３図に相当する図である。 図において、 （１）は乗りかご、（10）は制御盤、（11）は制御ケー
ブル、（12）は受けローラ、（14）は台車、（15）は回
転体、（17）は倒れ防止ローラ、（18）は補助ローラで
ある。 尚、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】傾斜した昇降路を昇降する乗りかごと、該
   乗りかごと制御盤とを連結する平形制御ケーブルと、該
   制御ケーブルが掛け回された回転体を収納し上記乗りか
   ごに追従して昇降路内を昇降する台車と、該台車と乗り
   かご、制御盤間に位置する上記制御ケーブルを受ける受
   けローラと、該受けローラからの上記制御ケーブルを立
   てて上記回転体に案内するように上記台車の傾斜上端側
   に配設された倒れ防止ローラとを備えた斜行エレベータ
   の制御ケーブル装置において、上記倒れ防止ローラより
   も更に上端側に位置させた補助ローラを上記台車に配設
   し、上記受けローラ上における上記制御ケーブルの上面
   側が、上記回転体に掛け回された状態では上記回転体の
   外側を向くように掛け回されることを特徴とする斜行エ
   レベータの制御ケーブル装置。