JP2024010401A - エレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗車人数の変動に応じて迅速に換気機能を発揮することができるエレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法を提供する。【解決手段】荷重センサ装置から検知された荷重データから乗りかご内に乗車している乗客の人数を算出すると共に、検知部で検知されたデータから乗り場に待機している待機者の人数を算出し、乗客の人数と待機者の人数との和から、利用者数を算出する。そして、算出された利用者数に応じて、換気装置の出力を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、エレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法に関する。
従来、エレベーターの乗りかご内を換気する換気装置に関する技術が提案されている。特許文献1では、目的階に到達するまでのかご内の二酸化炭素濃度を推定し、換気装置の出力を制御する技術が開示されている。特許文献1では、乗りかごの容積と乗りかごドアの開閉時間及び荷重センサの検出データから乗りかご内の二酸化炭素濃度が推定される。
このように、乗りかご内の二酸化炭素の濃度を推定し、その二酸化炭素の濃度に応じて、換気弁又はかごドアを制御することで、乗りかご内の利用者が酸欠になることを防いでいる。
ところで、特許文献1のように、目的階に到着するまでの乗りかご内の二酸化炭素濃度を推定する構成では、目的階から新たに乗り込んでくる利用者については考慮されない。したがって、目的階において、利用者が多く乗車してきた場合に、十分な換気が為されない可能性がある。
近年、COVID-19に代表される感染症対策として、密な空間における換気の必要性が高まっている。したがって、乗車率が高くなる前に、十分な換気を実施したいという要望がある。
そこで、本発明は、乗車人数の変動に応じて迅速に換気機能を発揮することができるエレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法を提供する。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のエレベーターの換気システムは、昇降路内を昇降移動する乗りかごと、乗りかご内の換気を実施する換気装置とを備える。また、乗りかご内の荷重を検知する荷重センサ装置と、各乗り場階に設置され、乗りかごへの出入口がある乗り場の状況を検知可能な検知部とを備える。そして、荷重センサ装置から検知された荷重データから乗りかご内に乗車している乗客の人数を算出すると共に、検知部部で検知された画像データから乗り場に待機している待機者の人数を算出し、乗客の人数と前記待機者の人数との和から、利用者数を算出する利用者数算出部を備える。さらに、利用者数算出部で算出された利用者数に応じて、換気装置の出力を制御する換気装置制御部を備える。
また、本発明のエレベーターの換気システムの制御方法は、乗りかごに設けられた荷重センサ装置で、前記乗りかご内の荷重を検知する。各乗り場階に設置され、乗りかごへの出入口がある乗り場の状況を検知可能な検知部によって、前記乗り場を撮像する。荷重センサ装置から検知された荷重データから乗りかご内に乗車している乗客の人数を算出すると共に、検知部で検知されたデータから乗り場に待機している待機者の人数を算出し、乗客の人数と待機者の人数との和から、利用者数を算出する。算出された利用者数に応じて、乗りかごに設けられた換気装置の出力を制御する。
本発明によれば、乗車人数の変動に応じて迅速に換気を実施することができる。
以下、本発明の実施形態に係るエレベーターの換気システム及び換気システムの制御方法の一例を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。以下で説明する各図において、共通の部材には同一の符号を付している。
1.エレベーターの構成
まず、本発明の一実施形態に係るエレベーターについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態とする)に係るエレベーターの換気システム1(図2参照)を含むエレベーター100の概略構成図である。また、図2は、本実施形態に係るエレベーターの換気システム1の制御系を示したブロック図である。
まず、本発明の一実施形態に係るエレベーターについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態とする)に係るエレベーターの換気システム1(図2参照)を含むエレベーター100の概略構成図である。また、図2は、本実施形態に係るエレベーターの換気システム1の制御系を示したブロック図である。
エレベーター100は、図1に示すように、建物構造物内に形成された昇降路110内を昇降動作する。エレベーター100は、人や荷物を載せる乗りかご120と、主ロープ130と、釣合おもり140と、巻上機170とを備える。また、エレベーター100は、乗りかご120に設けられた荷重センサ装置10と、換気装置20と、各階の乗り場に設置された撮像部C1~CN(本発明の検知部に相当)とを備える。また、図1で図示を省略するが、エレベーター100は、各部を制御するエレベーター制御部30(図2参照)を備える。
[昇降路]
昇降路110は、乗りかご120が昇降するための空間であり、建物内部の各階を上下方向に貫いて設けられている。昇降路110の内壁面には、乗りかご120の昇降を案内するガイドレール(図示を省略する)が取り付けられている。また、昇降路110の壁面における各階に相当する高さ位置には、各階に通じる乗場ドア111が設けられている。また、昇降路110の頂部には、機械室160が設けられ、下部には、ピット180が設けられている。
昇降路110は、乗りかご120が昇降するための空間であり、建物内部の各階を上下方向に貫いて設けられている。昇降路110の内壁面には、乗りかご120の昇降を案内するガイドレール(図示を省略する)が取り付けられている。また、昇降路110の壁面における各階に相当する高さ位置には、各階に通じる乗場ドア111が設けられている。また、昇降路110の頂部には、機械室160が設けられ、下部には、ピット180が設けられている。
[乗りかご]
乗りかご120は、中空の略直方体状に形成されている。乗りかご120は、主ロープ130を介して、釣合おもり140と連結され、昇降路110内を昇降する。この乗りかご120は、昇降路110内の壁面に設けられたガイドレールに案内され、昇降路110内の上下方向に昇降する。乗りかご120の側面には、乗場ドア111に対応する位置に、かごドア(図示を省略する)が設けられており、各階に乗りかご120が停止した際に、かごドア及び乗場ドア111が開くことで、乗りかご120への人や荷物の乗り降りが行われる。
乗りかご120は、中空の略直方体状に形成されている。乗りかご120は、主ロープ130を介して、釣合おもり140と連結され、昇降路110内を昇降する。この乗りかご120は、昇降路110内の壁面に設けられたガイドレールに案内され、昇降路110内の上下方向に昇降する。乗りかご120の側面には、乗場ドア111に対応する位置に、かごドア(図示を省略する)が設けられており、各階に乗りかご120が停止した際に、かごドア及び乗場ドア111が開くことで、乗りかご120への人や荷物の乗り降りが行われる。
[主ロープ]
主ロープ130は、軸方向の一端が乗りかご120の上部に接続されており、他端が、釣合おもり140の上部に接続されている。また、主ロープ130の中間部は、機械室160に配置された巻上機170に巻き掛けられると共に、巻上機170近傍に配置された反らせ車150に装架されている。
主ロープ130は、軸方向の一端が乗りかご120の上部に接続されており、他端が、釣合おもり140の上部に接続されている。また、主ロープ130の中間部は、機械室160に配置された巻上機170に巻き掛けられると共に、巻上機170近傍に配置された反らせ車150に装架されている。
[釣合おもり]
釣合おもり140は、昇降路110内において、主ロープ130の他端に吊り下げられた状態で収容されている。釣合おもり140は、図示を省略するおもり側ガイドレールに沿って昇降路110内を昇降動作する。
釣合おもり140は、昇降路110内において、主ロープ130の他端に吊り下げられた状態で収容されている。釣合おもり140は、図示を省略するおもり側ガイドレールに沿って昇降路110内を昇降動作する。
[撮像部]
撮像部C1~CNは、乗り場階毎に設けられている。それぞれの撮像部C1~CNは、例えば、乗り場側に設けられた三方枠の上枠(図示を省略する)や、天井等、乗り場ドア近傍に設けられている。撮像部C1~CNは、少なくとも、乗場ドア111近傍の乗り場全体を検知可能に構成されている。
撮像部C1~CNは、乗り場階毎に設けられている。それぞれの撮像部C1~CNは、例えば、乗り場側に設けられた三方枠の上枠(図示を省略する)や、天井等、乗り場ドア近傍に設けられている。撮像部C1~CNは、少なくとも、乗場ドア111近傍の乗り場全体を検知可能に構成されている。
撮像部C1~CNを構成するデバイスとしては、例えば、画像データを出力する画像センサ、距離画像を出力するステレオカメラ等で構成することができる。本実施形態では、撮像部C1~CNは、画像センサで構成されており、乗り場全体を撮像する。撮像部C1~CNで取得された画像データは、後述するエレベーター制御部30に送信される。
[荷重センサ装置]
荷重センサ装置10は、乗りかご120にかかる荷重を検知する装置である。荷重センサ装置10は、例えば、乗りかご120のかご床を支持する下枠に設置されている。荷重センサ装置10は、かご床の下方に設けられた複数の防振ゴムの変位量を検出することで、乗りかご120にかかっている荷重を検出する。荷重センサ装置10としては、一般的に用いられている装置を適用することができる。本実施形態では、荷重センサ装置10は、かご床の下方に設けられる例としたが、乗りかご120にかかる荷重を検知できる構成であれば、種々の形態を採ることができる。荷重センサ装置10で取得された荷重データは、後述するエレベーター制御部30に送信される。
荷重センサ装置10は、乗りかご120にかかる荷重を検知する装置である。荷重センサ装置10は、例えば、乗りかご120のかご床を支持する下枠に設置されている。荷重センサ装置10は、かご床の下方に設けられた複数の防振ゴムの変位量を検出することで、乗りかご120にかかっている荷重を検出する。荷重センサ装置10としては、一般的に用いられている装置を適用することができる。本実施形態では、荷重センサ装置10は、かご床の下方に設けられる例としたが、乗りかご120にかかる荷重を検知できる構成であれば、種々の形態を採ることができる。荷重センサ装置10で取得された荷重データは、後述するエレベーター制御部30に送信される。
[換気装置]
換気装置20は、乗りかご120内の空気を換気する装置であり、例えば、乗りかご120の天井側に配置されている。換気装置20は、図示を省略するが、換気窓を開閉する換気弁と、乗りかご120内からの空気の排出、又は、乗りかご120内への空気の導入を促すファンとで構成されている。換気装置20は、後述する換気装置制御部33からの制御信号に基づいて出力が制御され、換気量が制御される。
換気装置20は、乗りかご120内の空気を換気する装置であり、例えば、乗りかご120の天井側に配置されている。換気装置20は、図示を省略するが、換気窓を開閉する換気弁と、乗りかご120内からの空気の排出、又は、乗りかご120内への空気の導入を促すファンとで構成されている。換気装置20は、後述する換気装置制御部33からの制御信号に基づいて出力が制御され、換気量が制御される。
[エレベーター制御部]
エレベーター制御部30は、図2に示すように、昇降制御部31と、利用者数算出部32と、換気装置制御部33とを備える。
エレベーター制御部30は、図2に示すように、昇降制御部31と、利用者数算出部32と、換気装置制御部33とを備える。
昇降制御部31は、乗りかご2の運行を担う巻上機170(主機)等を制御する。上述したように、巻上機170には、一端に、人や物を乗せる乗りかご120が接続され、他端に釣合いおもり140が接続された主ロープ130が巻き掛けられている。本実施形態では、昇降制御部31の制御の下、巻上機170が動作し、乗りかご120が昇降路110を昇降移動する。昇降制御部31は、乗り場に設置された呼びボタン、及び、乗りかご120内に設けられた停止階入力ボタンから入力された入力信号に応じて、所定の乗り場階に乗りかご120を停止させる。これにより、エレベーター100では、乗りかご120に乗った人や物に対して、エレベーター100の昇降移動に係るサービスを提供する。なお、本実施形態では、昇降制御部31は、乗りかご120の昇降方向及び停止階に関する情報を、利用者数算出部32に送信する。
利用者数算出部32では、荷重センサ装置10から送信されてきた荷重データ、及び、各撮像部C1~CNから送信されてきた画像データに基づいて、利用者数が算出される。ここで、利用者数算出部32における利用人数算出方法の一例について説明する。
まず、利用者数算出部32では、荷重センサ装置10から送信されてきた荷重データに基づいて、現在の乗りかご120に乗車している乗客の人数が算出される。利用者数算出部32において、乗客の人数は、乗りかご120内の荷重を人の平均的な体重で割ることで算出される。
次に、利用者数算出部32は、昇降制御部31から送信されてくる昇降方向、及び、停止階に関する情報に基づいて、停止階の乗り場に設置された撮像部C1~CNからの画像データを取得する。そして、利用者数算出部32では、取得した画像データから、乗りかご120が停止する予定の乗り場に待機している待機者の累計人数が算出される。利用者数算出部32は、待機者の人数を、画像データに基づいて算出する。
その後、利用者数算出部32は、乗りかご120に乗車している乗客の人数と、停止する乗り場に待機している待機者の累計人数との和を算出することで、利用者数を算出する。
例えば、5階に停止している乗りかご120が、次に下方向に移動し、4階と3階に停止することが決定している場合、5階に停止している乗りかご120内の乗客の人数と、4階と3階の乗り場に待機している待機者の累計人数との和が、利用者数として算出される。
本実施形態では、昇降制御部31から送信されてくる停止階に関する情報と、乗りかご120の昇降方向に関する情報に基づいて、停止する乗り場に待機している待機者の累計人数を算出する例としている。しかしながら、利用者数算出部32における利用者数の算出方法は、これに限られるものではない。例えば、エレベーター100の全ての乗り場階に待機している待機者の累計人数を算出し、その累計人数と、乗りかご120内の乗客の人数との和を利用者数として算出するものであってもよい。
利用者数算出部32で算出された利用者数の情報は、換気装置制御部33に送信される。
換気装置制御部33は、利用者数算出部32から送信されてきた利用者数の情報に基づいて、利用者数が所定の閾値を超えているか否かを判定する。また、換気装置制御部33は、利用者数が所定の閾値を超えていると判定した場合には、換気装置20の出力を制御する。
換気装置20の出力を制御する方法として、より詳しくは、換気装置制御部33は、利用者数に応じて、換気装置20における換気弁の開閉制御、及び、ファンの回転数制御を行う。これにより、換気装置制御部33では、利用者数に応じて、換気量を変化させることができる。換気装置制御部33において制御される換気装置20の換気量は、利用者数に応じてあらかじめ定められている所定の換気量に基づいて設定されるものである。
ところで、上述した、エレベーター制御部30の各部は、それぞれ、図示を省略する制御処理部の制御の下、制御される。制御処理部は、例えば、バスにそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性ストレージを備える。
CPUは、各部において、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROMから読み出してRAMに展開して実行する。なお、制御処理部は、CPUの代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えてもよい。RAMには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
不揮発性ストレージとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。この不揮発性ストレージには、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、制御処理部を機能させるためのプログラム等が記録される。なお、プログラムは、ROMに格納されてもよい。
プログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。つまり、ROM又は不揮発性ストレージは、コンピュータによって実行されるプログラムを格納した、コンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
以上の構成を有するエレベーターの換気システム1において、乗りかご120内の換気がなされる。
2.エレベーターの換気方法
次に、本実施形態に係るエレベーターの換気システム1において実施される換気方法について説明する。図3は、本実施形態のエレベーター換気システム1における換気方法を示すフローチャートである。
次に、本実施形態に係るエレベーターの換気システム1において実施される換気方法について説明する。図3は、本実施形態のエレベーター換気システム1における換気方法を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートは、例えば、エレベーター100において、乗りかご120の昇降方向が変化するタイミングでスタートする。例えば、上昇方向に動いていた乗りかご120が下降方向に移動するタイミング、又は、下降方向に動いていた乗りかご120が上昇方向に移動するタイミングでスタートする。その他、一定時間、乗りかご120が駆動されずに停止していた場合には、乗り場階から呼びボタンが押されたタイミングでスタートする構成としてもよい。
まず、利用者数算出部32は、乗りかご120内に乗車している乗客の人数と、停止する乗り場階に待機している待機者の累計人数との和から利用者数を算出する(ステップS1)。前述したように、乗りかご120内に乗車している乗客の人数は、荷重センサ装置10から送信されてくる荷重データに基づいて算出される。また、停止する乗り場階に待機している待機者の人数の累計は、各乗り場階に設置された撮像部C1~CNから送信されてくる画像データに基づいて算出される。したがって、ステップS1では、まず、荷重センサ装置10から送信されてくる荷重データに基づいて乗客の人数を算出すると共に、撮像部C1~から送信されてくる画像データに基づいて待機者の累計人数を算出する。その後、乗客の人数と待機者の人数との和から、利用者数を算出する。
なお、乗り場における待機者の累計人数の算出方法については、前述したように、昇降制御部31から送信されてくる停止階に関する情報と、乗りかご120の昇降方向に関する情報に基づいて行ってもよい。その場合には、現在の乗りかご120の停止階と、昇降方向と、停止する予定の乗り場階の情報に基づいて、現在の乗りかご120の昇降方向において停止する予定の乗り場階に待機している待機者の累計人数を求める。すなわち、乗りかご120が下降方向に移動している場合には、現在の乗りかご120の位置よりも下の階の停止階に待機している待機者の累計人数を算出する。逆に、乗りかご120が上昇方向に移動している場合には、現在の乗りかご120の位置よりも上の階の停止階に待機している待機者の累計人数を算出する。
その他、ステップS1では、乗りかご120の昇降方向や停止する予定の乗り場階の情報に関わらず、全ての乗り場階の待機者の累計人数を算出する方法を適用してもよい。
次に、利用者数算出部32は、ステップS1において算出された利用者数が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2における「閾値」は、換気が必要である人数に応じて定められた値であり、例えば、乗りかご120の容積に応じて、エレベーター毎に設定される値である。
ステップS2において「NO」と判定された場合、すなわち、利用者数が閾値以内であると判定された場合には、処理を終了する。
ステップS2において「YES」と判定された場合、すなわち、利用者数が閾値を超えていると判定された場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、換気装置制御部33は、換気装置20を制御し、利用者数に応じた出力で換気装置20の作動を開始する。
次に、換気装置20の作動が開始された後、再度、利用者数算出部32は、乗りかご120内に乗車している乗客の人数と、停止する乗り場階に待機している待機者の累計人数との和から利用者数を算出する(ステップS4)。ステップS4における利用者数の算出方法も、ステップS1と同様である。なお、ステップS1~ステップS4の間で、乗りかご120の昇降路110内における位置や、乗客の人数等が変化するため、ステップS4において算出される利用者数は、ステップS1において算出される利用者数とは異なる場合もある。
次に、利用者数算出部32は、ステップS4において算出された利用者数が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5における「閾値」についても、ステップS1と同様、換気が必要とされる人数に応じて定められた値であり、例えば、乗りかご120の容積に応じて、エレベーター毎に設定される値である。
ステップS5において「YES」と判定された場合、すなわち、利用者数が閾値を超えていると判定された場合には、ステップS3に戻る。
一方、ステップS5において「NO」と判定された場合、すなわち、利用者数が閾値内であると判定された場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、換気装置制御部33は、一定期間経過後に、作動されている換気装置20の作動を停止する。ステップS6における「一定期間」は、例えば、ステップS4算出される利用者数が乗りかご120に乗車した際に、十分に換気されている状態となる換気時間に設定される。その後、図3におけるフローチャートの処理を終了する。
図3におけるフローチャートの処理が終了した場合には、例えば、乗りかご120の移動方向が変化するタイミングで、再度、図3のフローチャートが実施(開始)される。その他、一定時間経過後に、再度、図3におけるフローチャートをスタートする構成としてもよい。
本実施形態によれば、乗りかご120に乗車している乗客の人数と、各乗り場階に待機している待機者の累計人数との和を利用者数として算出し、その利用者数に応じて換気装置20の換気量を制御する。これにより、各乗り場階に待機している利用者を事前に検知し、各乗り場に乗りかご120が到着する前に換気装置20の出力を制御することができる。このため、乗りかご120内が密になる前に、換気量を上げることができ、よりスムーズな換気を実施することができる。これにより、感染症予防等の効果を高めることができる。
本実施形態では、本発明の検知部の一例として、撮像部C1~CNを用いる例について説明したが、検知部としては、例えば、距離検知部や、スマートフォンと通信可能なビーコンを適用することができる。距離検知部を用いる場合には、乗り場に存在する物体との距離を検知し、利用者数算出部32において、検知部で検知された物体との距離から乗り場にいる利用者の人数を算出する構成とすることができる。また、検知部としてビーコンを用いる場合には、乗り場にいる利用者のスマートフォンとの通信により、乗り場付近のスマートフォンの情報を受信する。そして、利用者数算出部32において、受信したスマートフォンの情報に基づいて乗り場にいる利用者の人数を算出する構成とすることができる。このように、検知部として、乗り場の状況(より詳しくは、乗り場に待機している利用者の人数)を検知することができる構成であれば種々の構成を用いることができる。
上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成について他の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…換気システム、10…荷重センサ装置、20…換気装置、30…エレベーター制御部、31…昇降制御部、32…利用者数算出部、33…換気装置制御部、100…エレベーター、110…昇降路、111…乗場ドア、130…主ロープ、160…機械室、170…巻上機、180…ピット、C1~CN…撮像部
Claims (6)
- 昇降路内を昇降移動する乗りかごと、
前記乗りかご内の換気を実施する換気装置と、
前記乗りかご内の荷重を検知する荷重センサ装置と、
各乗り場階に設置され、前記乗りかごへの出入口がある乗り場の状況を検知可能な検知部と、
前記荷重センサ装置から検知された荷重データから前記乗りかご内に乗車している乗客の人数を算出すると共に、前記検知部で検知された画像データから前記乗り場に待機している待機者の人数を算出し、前記乗客の人数と前記待機者の人数との和から、利用者数を算出する利用者数算出部と、
前記利用者数算出部で算出された利用者数に応じて、前記換気装置の出力を制御する換気装置制御部と
を備えるエレベーターの換気システム。 - 前記換気装置制御部は、前記利用者数算出部で算出された前記利用者数が所定の閾値を超えているか否かに応じて、前記換気装置を制御する
請求項1に記載のエレベーターの換気システム。 - 前記換気装置制御部は、前記利用者数算出部で算出された前記利用者が前記所定の閾値以下であると判定した場合には、一定期間経過後に、前記換気装置の作動を停止する
請求項2に記載のエレベーターの換気システム。 - 前記利用者数算出部は、前記乗りかごの停止階に関する情報、及び、前記乗りかごの昇降方向に関する情報に基づいて、前記利用者数を算出する
請求項1に記載のエレベーターの換気システム。 - 前記検知部は、前記乗り場の画像を撮影可能な撮像部で構成されている
請求項1に記載のエレベーターの換気システム。 - 乗りかごに設けられた荷重センサ装置で、前記乗りかご内の荷重を検知し、
各乗り場階に設置され、前記乗りかごへの出入口がある乗り場の状況を検知可能な検知部によって、前記乗り場の状況を検知し、
記荷重センサ装置から検知された荷重データから前記乗りかご内に乗車している乗客の人数を算出すると共に、前記検知部で検知されたデータから前記乗り場に待機している待機者の人数を算出し、前記乗客の人数と前記待機者の人数との和から、利用者数を算出し、
前記算出された利用者数に応じて、前記乗りかごに設けられた換気装置の出力を制御する
エレベーターの換気システムの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022111720A JP2024010401A (ja) | 2022-07-12 | 2022-07-12 | エレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法 |
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JP2022111720A JP2024010401A (ja) | 2022-07-12 | 2022-07-12 | エレベーターの換気システム、及び、エレベーターの換気システムの制御方法 |
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2022
- 2022-07-12 JP JP2022111720A patent/JP2024010401A/ja active Pending
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