JP2864633B2 - スクロール型流体装置 - Google Patents

スクロール型流体装置

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JP2864633B2
JP2864633B2 JP2059558A JP5955890A JP2864633B2 JP 2864633 B2 JP2864633 B2 JP 2864633B2 JP 2059558 A JP2059558 A JP 2059558A JP 5955890 A JP5955890 A JP 5955890A JP 2864633 B2 JP2864633 B2 JP 2864633B2
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祥孝 芝本
広道 上野
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/023Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where both members are moving

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、圧縮機などに用いられる両系回転式のスク
ロール型流体装置に関し、特に、両スクロールの連結機
構に係るものである。
(従来の技術) 一般に、この種の両系回転式のスクロール型圧縮機に
は、特開昭64−302号公報に開示されているように、各
々鏡板の前面に渦巻状のラップが立設されると共に、背
面に駆動軸及び従動軸が連結されて成る駆動スクロール
と従動スクロールとが互いに各ラップを噛合して密閉ケ
ーシング内に並設収納され、上記駆動軸および従動軸は
それぞれ鏡板背面側に設けられたフレームに回転自在に
嵌合されて各スクロールがフレームに支持されると共
に、該駆動軸及び従動軸の軸心が所定間隔を存するよう
に両スクロールが配設されて構成されている。
そして、上記駆動スクロールを回転すると、該回転に
伴って従動スクロールが同期して回転する一方、上記鏡
板間には両ラップによって作用室が形成され、該作用室
が中心方向に移動しつつ収縮して流体を圧縮している。
(発明が解決しようとする課題) 上述したスクロール型流体装置において、従動スクロ
ールの鏡板にはコ字状の連結腕が2つ取付けられる一
方、駆動スクロールの鏡板背面には直交方向に4つのガ
イド溝を有する継手が2つのキーに係合して設けられて
いる。そして、上記連結腕の端部が継手のカード溝に係
合されて両スクロールが連結され、従動スクロールが駆
動スクロールの回転に従って回転するようにしている。
しかしながら、上記オルダム機構の継手はキー及び連
結腕に従って往復運動をするので、自転運動を行いつつ
公転運動を行うことになり、バランスを保つことが難し
く、高速回転に適さないという問題があった。
そこで、ボール継手又はピン継手を用いることが考え
られるが、このボール継手にあっては鏡板の外周縁に設
けられるので、回転半径が大きくなり、高速に適さない
と共に、複数のボール及びガイド穴を有するリテーナ等
を要し、部品点数が多くなるという問題がある。また、
ピン継手にあっては各スクロールと共に一体に回転する
ので、慣性の点では優れているものの、ピン半径が小さ
いので摺動部に対する当りが厳しく、摩耗し易いという
問題がある。そして、ピン半径を大きくすると、装置全
体が大きくなるという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、高速回
転に適した動力伝達を行うようにすると共に、停止時な
どにラップ間の異常接触を防止するようにしたものであ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明が講じた手段は、
複数の駆動側係合部材と従動側係合部材とが正転側と逆
転側との両側面にて互いに接するようにしたものであ
る。
具体的に、第1図及び第2図に示すように、請求項
(1)に係る発明が講じた手段は、先ず、鏡板(31)の
前面に渦巻状のラップ(32)が立設され且つ背面に駆動
軸(33)が連結されて成る駆動スクロール(3)と、鏡
板(41)の前面に渦巻状のラツプ(42)が立設され且つ
背面に従動軸(43)が連結されて成る従動スクロール
(4)とが各ラップ(32),(42)を噛合して並設され
ているスクロール型流体装置を対象としている。
そして、上記駆動スクロール(3)の回転に伴って従
動スクロール(4)が同期して回転するように該両スク
ロール(3),(4)を連結する連結手段(7)が設け
られ、該連結手段(7)は上記各鏡板(31),(41)の
外周縁に形成されて互いに係合する複数の駆動側係合部
材(71),(71),…と従動側係合部(72),(72),
…とより構成されている。更に、該両係合部材(71),
(72)における各スクロール(3),(4)の正転方向
及び逆転方向の各側面は鏡板(31),(41)の遠心方向
に湾曲し且つ両係合部材(71),(72)間で互いに摺接
可能に対面する第1曲面(73),(75)及び第2曲面
(74),(76)に形成されている。加えて、該第1曲面
(73),(75)及び第2曲面(74),(76)は、一方の
第1及び第2曲面(75),(76)を一部とする閉曲線の
包絡線上に他方の第1及び第2曲面(73),(74)が位
置するように形成された構成としている。
また、請求項(2)に係る発明が講じた手段は、上記
請求項(1)機構の発明において、第1曲面(73),
(75)及び第2曲面(74),(76)のうち一方の第1及
び第2曲面(75),(76)は所定の曲率半径r2の円弧に
よって形成され、他方の第1及び第2曲面(73),(7
4)は駆動軸(33)と従動軸(43)との偏心量をR0とし
て曲率半径r1がほぼ r1=r2+R0 となる円弧によって形成された構成としている。
また、請求項(3)に係る発明が講じた手段は、上記
請求項(1)又は(2)記載の発明において、両係合部
材(71a),(71b)は、平面視同一形状に形成された構
成としている。
また、請求項(4)に係る発明が講じた手段は、上記
請求項(1),(2)又は(3)記載の発明において、
一方の係合部材(72b)は鏡板(41)の外周縁に立設さ
れて相対面する鏡板(31)に向って突出するピンにより
形成され、他方の係合部材(71b)は鏡板(31)の外周
縁に形成された構成としている。
また、請求項(5)に係る発明が講じた手段は、上記
請求項(1)〜(4)の何れか1の請求項記載の発明に
おいて、少なくとも一方の鏡板(31)における前面外周
縁にはリング部材(77a)が相対面する鏡板(41)に向
って突出形成され、該リング部材(77a)には一方の係
合部材(71c)が形成されると共に、流体が通る流通路
(78)が外周面から内周面に亘って螺旋状に形成された
構成としている。
また、請求項(6)に係る発明が講じた手段は、上記
請求項(1)〜(5)の何れか1の請求項記載の発明に
おいて、一方の鏡板(41)の背面側に接してスラスト軸
受(8)が設けられ、該スラスト軸受(8)は他方の鏡
板(31)に設けられた係合部材(71)に固着された構成
としている。
(作用) 上記構成により、請求項(1)〜(4)に係る発明で
は、駆動軸(33)を回転すると、駆動スクロール(3)
が回転して駆動側係合部材(71)が回転する。そして、
該駆動側係合部材(71)のうち何れかの係合部材(71)
の第1曲面(73)が何れかの従動側係合部材(72)の第
1曲面(75)に接して該従動側係合部材(72)が回転
し、上記駆動スクロール(3)の回転力が従動スクロー
ル(4)に伝達されて該従動スクロール(4)が回転す
る。
この両スクロール(3),(4)の回転により両ラッ
プ(32),(42)間に作用室(13)が形成されると共
に、該作用室(13)が、例えば、中心に向って移動しつ
つ収縮し、流体を圧縮する。
更に、上記両係合部材(71),(72)の何れかは第2
曲面(74),(76)が互いに接することになり、上記第
1曲面(73),(75)の接触と共に両スクロール
(3),(4)の相対角度を保持し、駆動スクロール
(3)の減速等に伴って従動スクロール(4)は速度を
低下する。
また、請求項(5)に係る発明では、流体が流通路
(78)を通り、作用室(13)に対して流入又は流出する
ことになり、この流通路(78)の流通時に運動エネル
ギ、例えば、求心力を得ることになる。
また、請求項(6)に係る発明では、両スクロール
(3),(4)に生ずる相反する方向のスラスト力を1
つのスラスト軸受(8)で受け止めている。
(発明の効果) 従って、請求項(1)〜(4)に係る発明によれば、
複数の係合部材(71),(72)を両スクロール(3),
(4)に設け、第1曲面(73),(75)及び第2曲面
(74),(76)が互いに接するようにしたために、オル
ダム継手と異なりバランスの保持を容易に行うことがで
きるので、高速回転を行うことができる。更に、係合部
材(71),(72)を設けるのみであるので、部品点数が
少なく、また、複数の係合部材(71),(72)が順に接
するので、摩耗を少なくすることができる。
また、上記係合部材(71),(72)は正転側と逆転側
との各曲面(73)〜(76)で接するので、両スクロール
(3),(4)の相対角度を正確に保つことができ、停
止時などにおけるラップ(32),(42)の異常接触を確
実に防止することができる。
更にまた、上記各曲面(73),(76)と流体との間で
エネルギ授受を行わせることができ、例えば、加給効果
を発揮させることができる。
また、請求項(5)に係る発明によれば、流体が流通
路(78)に沿って流れるので、流体の流通量を確実に保
つことができると共に、エネルギ授受を行わせることが
でき、効率を向上させることができる。
また、請求項(6)に係る発明によれば、両スクロー
ル(3),(4)のスラスト力を1つのスラスト軸受
(8)で相殺するようにしているので、スラスト力を確
実に受け止めることができると共に、機械損失を著しく
低減することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図に示すように、(1)は両系回転式のスクロー
ル型流体装置であって、冷凍装置における圧縮機に用い
られ、冷媒ガスを圧縮して吐出するものである。
該スクロール型流体装置(1)は密閉ケーシング
(2)内にスクロール機構(11)が収納されると共に、
駆動モータ(12)が収納されて成り、該スクロール機構
(11)は駆動スクロール(3)と従動スクロール(4)
とがそれぞれフレーム(5),(6)に支持されて構成
されている。該両フレーム(5),(6)は略円盤状に
形成され、それぞれ上記各スクロール(3),(4)の
背面側に位置するように所定間隔を存して平行に設けら
れている。更に、該駆動側フレーム(5)は外周縁に形
成されたフランジ(5a)にて、従動側フレーム(6)は
外周面にてそれぞれ上記ケーシング(2)に固定されて
いる。そして、該両フレーム(5),(6)の中央部に
は上記各スクロール(3),(4)を回転自在に支持す
る軸孔(51),(61)が上下方向に穿設されており、該
両軸孔(51),(61)は軸心が半径方向に所定間隔を存
するように形成されている。
上記両スクロール(3),(4)は、円盤状に形成さ
れた鏡板(31),(41)の前面に渦巻状(インボリュー
ト状)に形成されたラップ(32),(42)が立設されて
構成され、該両鏡板(31),(41)の前面を互いに対面
させて上記両フレーム(5),(6)間に並設されると
共に、上記各ラップ(32),(42)が互いに噛合されて
いる。更に、上記駆動スクロール(3)の鏡板(31)の
背面(下面)には駆動軸(33)が、上記従動スクロール
(4)の鏡板(4)の背面(上面)には従動軸(43)が
それぞれ連結され、該駆動軸(33)及び従動軸(43)が
それぞれ上記各フレーム(5),(6)の軸孔(51),
(61)にラジアル軸受(34),(44)を介して回転自在
に嵌挿されている。また、上記各鏡板(31),(41)と
各フレーム(5),(6)との間にはスラスト軸受(3
5),(45)が設されて上記各スクロール(3),
(4)がフレーム(5),(6)に支持されている。そ
して、上記駆動軸(33)はケーシング(2)内の底部に
まで延長され、上記駆動モータ(12)のロータ(12a)
に嵌挿されている。更に、該駆動モータ(12)のステー
タ(12b)は上記駆動側フレーム(5)の下部に連設さ
れた支持部材(52)に取付けられており、該支持部材
(52)の下端に形成された内向きフランジ(52a)には
上記駆動軸(33)の下部が嵌挿支持されている。
また、上記駆動軸(33)と従動軸(43)とは、駆動軸
心(O1)と従動軸心(O2)とが半径方向に所定間隔を存
して互いに偏心して設けられており、上記駆動スクロー
ル(3)の回転に従って連結手段(7)を介して従動ス
クロール(4)が同期回転し、相対的に一方のスクロー
ル(3)又は(4)が他方のスクロール(4)又は
(3)に対して公転のみ行うように構成されている。一
方、上記各ラップ(32),(42)は先端面が相対面する
鏡板(31),(41)に接すると共に、内周側面及び外周
側面が複数箇所で接触し、この接触間が作用室(13)に
形成され、該作用室(13)が両スクロール(3),
(4)の中心に向って移動しつつ収縮するように構成さ
れている。
上記ケーシング(2)内は駆動側フレーム(5)によ
って該フレーム(5)の下方が低圧室(21)に、従動側
フレーム(6)によって該フレーム(6)上方が高圧室
(22)にそれぞれ区画形成されると共に、両フレーム
(5),(6)間におけるラップ(32),(42)の外側
が吸込室(23)に形成されている。そして、上記ケーシ
ング(2)の側面には低圧室(21)に連通して吸入管
(24)が、上部には高圧室(22)に連通して吐出管(2
5)がそれぞれ接続されている。
また、上記駆動側フレーム(5)におけるフランジ
(5a)の基部には連通路(53)が該フレーム(5)の上
下両面に亘って穿設され、該貫通路(53)によって低圧
室(21)と吸込室(22)とが連通されて低圧冷媒ガスが
吸込室(23)より密閉室(13)に流入するように構成さ
れている。更に、上記従動スクロール(4)には中心部
に吐出通路(46)が鏡板(41)の前面から従動軸(43)
の端面(上面)に亘って穿設され、上記作用室(13)よ
り高圧冷媒ガスが高圧室(22)に流出するように構成さ
れている。更にまた、上記ケーシング(2)内の底部は
潤滑油の油溜め(26)に成っており、該油溜め(26)に
は上記駆動軸(33)の下端部に設けられた給油ポンプ
(36)が浸漬され、図示しないが、該給油ポンプ(36)
より給油路を介して潤滑油が各軸受(34),(35)等に
供給されている。
一方、本発明の特徴とする上記連結手段(7)は、第
2及び第3図に示すように、駆動スクロール(3)にお
ける鏡板(31)の外周縁に駆動側係合部材である複数の
駆動ピン(71),(71),…が、従動スクロール(4)
における鏡板(41)の外周縁に従動側係合部材である複
数の従動ピン(72),(72),…がそれぞれ形成されて
構成されている。該両ピン(71),(72)はそれぞれ8
つ宛等間隔に設けられ、一方の鏡板(31),(41)の前
面から相対面する他方の鏡板(41),(31)に向って立
設され、両ピン(71),(72)が互いに接触して係合す
るように構成されている。
更に、上記駆動ピン(71)における正転方向(第2図
A参照)の側面は第1曲面(73)に、逆転方向(第2図
B参照)の側面は第2曲面(74)に形成される一方、上
記従動ピン(72)における逆転方向(第2図B参照)の
側面が第1曲面(75)に、正転方向(第2図A参照)の
側面が第2曲面(76)に形成されている。そして、上記
各駆動ピン(71),(71),…の間には各従動ピン(7
2),(72),…が、逆に、各従動ピン(72),(7
2),…の間には各駆動ピン(71),(71),…がそれ
ぞれ位置し、該両ピン(71),(72)の第1曲面(7
3),(75)が互いに、また、第2曲面(74),(76)
が互いにそれぞれ対面して、互いに接触可能に形成され
ている。
また、上記駆動ピン(71)の両曲面(73),(74)は
平面視において鏡板(31)の遠心方向に向って湾曲する
凹状に形成されると共に、所定半径の大径円C1の円弧で
形成される一方、上記従動ピン(72)の両曲面(75),
(76)は平面視において鏡板(41)の遠心方向に向って
湾曲する凸状に形成されると共に、所定半径の小径円C2
の円弧で形成されており、該大径円C1及び小径円C2が各
曲面(73)〜(76)を一部とする閉曲線に構成されてい
る。そして、上記大径円C1は小径円C2の包絡線に成って
おり、つまり、上記両スクロール(3),(4)の回転
に伴って両ピン(71),(72)が周方向に移動し、相対
応する大径円C1と小径円C2とが常に一点で接するように
各曲面(73)〜(76)が形成されている。
更に、上記両ピン(71),(72)の第1曲面(73),
(75)は該両ピン(71),(72)の1回転中において所
定の回転範囲D1内で互いに接触するように形成されてい
て、該回転範囲D1内において駆動スクロール(3)の回
転力が従動スクロール(4)に両ピン(71),(72)を
介して伝達されるように構成されている。一方、上記両
ピン(71),(72)の2曲面(74),(76)は該両ピン
(71),(72)の1回転中において上記回転範囲D1とほ
ぼ対称に位置する所定の回転範囲D2内で互いに接触する
ように形成されていて、第1曲面(73),(75)の接触
と第2曲面(74),(76)の接触とによって上記両スク
ロール(3),(4)の相対角度が保持されるように構
成されている。
更に、上記駆動ピン(71)における各曲面(73),
(74)は円弧中心E1、つまり、大径円C1の中心E1が駆動
軸心O1を中心とする同心円上に位置するように形成さ
れ、上記従動ピン(72)における各曲面(75),(76)
は円弧中心E2、つまり、小径円C2の中心E2が従動軸心O2
を中心とする同心円上に位置するように形成されてい
る。そして、上記従動ピン(72)における各曲面(7
5),(76)の曲率半径r2、つまり、小径円C2の半径r2
は従動ピン(72)の数N(本例では8個)及び従動軸心
O2と小径円C2の中心E2との中心距離Rによって特定され
ている。一方、上記駆動ピン(71)における各曲面(7
3),(74)の曲率半径r1、つまり、大径円C1の半径r1
は、駆動軸心O1と従動軸心O2との偏心量をR0とすると、
ほぼ次式に示すように、 r2=r1+R0 …… に設定され、具体的には曲率半径r2はよりやや大きく
設定されている。
また、上記各曲面(73)〜(76)の円弧角度θ1
は各ピン(71),(72)の数をN(本例では8個)とし
て、ほぼ次式に示すように、 θ=θ=(2π)/N …… に設定され、具体的には円弧中心θ1は式より若
干大きく設定されている。
そこで、上記各曲面(73)〜(76)の具体的形状を示
すと、例えば、表1のようになる。
次に、このスクロール型流体装置(1)の圧縮動作に
ついて説明する。
先ず、駆動モータ(12)を駆動して駆動軸(33)を回
転すると、駆動スクロール(3)が駆動軸(33)の軸心
(O1)を中心に回転し、鏡板(31)が回転するので、駆
動ピン(71),(71),…も駆動軸心(O1)を中心に回
転する。そして、該駆動ピン(71),(71),…のうち
何れか、例えば、第2図において、3つの駆動ピン(7
1),(71),…は所定の回転範囲D1内で第1曲面(7
3)が従動ピン(72),(72),…第1曲面(75)に接
し、駆動スクロール(3)の回転力が従動ピン(72),
(72),…を介して従動スクロール(4)に伝達され
る。この動力伝達により、従動スクロール(4)が従動
軸心(O2)を中心に回転し、しかも、該従動スクロール
(4)は駆動スクロール(3)に同期して回転し、この
同期回転に従って一方のスクロール(3)又は(4)に
対して他方のスクロール(4)又は(3)が相対的に公
転のみ行うことになる。この公転に伴ってラップ(3
2),(42)の接触箇所が中心に向って移動すると共
に、ラップ(32),(42)間に作用室(13)が該ラップ
(32),(42)の外周端より形成され、該作用室(13)
が中心の吐出通路(46)に向って渦巻状に移動しつつ収
縮することになる。
一方、低圧冷媒ガスは吸入管(24)よりケーシング
(2)内の低圧室(22)に流入し、吸込室を通って上記
各ピン(71),(72)における曲面(73)〜(76)の間
隙より上記作用室(13)に流入する。そして、該作用室
(13)の収縮により低圧冷媒ガスが圧縮されて高圧冷媒
ガスになり、該高圧冷媒ガスは吐出通路(46)を通り、
高圧室(22)に流入した後、吐出管(25)より吐出され
る。
また、上記各ピン(71),(72)の第2曲面(74),
(76)は所定の回転範囲D2内で接触し、第1曲面(7
3),(76)の接触とによって両スクロール(3),
(4)の相対角度が保持され、駆動スクロール(3)が
減速すると、該駆動スクロール(3)に従って駆動スク
ロール(4)が減速する。
従って、複数の駆動ピン(71),(71),…及び従動
ピン(72),(72),…を両スクロール(3),(4)
に設け、第1曲面(73),(75)及び第2曲面(74),
(76)が互いに接するようにしたために、オルダム継手
と異なりバランスの保持を容易に行うことができるの
で、高速回転を行うことができる。更に、上記両ピン
(71),(72)を設けるのみであるので、部品点数が少
なく、また、複数の各ピン(71),(72)が順に接する
ので、摩耗を少なくすることができる。
また、上記各ピン(71),(72)は正転側と逆転側と
の各曲面(73)〜(76)で接するので、両スクロール
(3),(4)の相対角度を正確に保つことができ、停
止時などにおけるラップ(32),(42)の異常接触を確
実に防止することができる。
更にまた、上記各曲面(73),(76)と流体との間で
エネルギ授受を行わせることができ、加給効果を発揮さ
せることができる。
第4図は曲面形状の他の実施例を示しており、駆動ピ
ン(71a)及び従動ピン(72a)を平行視同一形状に形成
したものである。
つまり、上記駆動ピン(71a)の第1曲面(73a)と従
動ピン(72a)の第2曲面(76a)とが平面視凹状に形成
されると共に、大径円C1の円弧で形成されている。一
方、上記駆動ピン(71a)の第2曲面(74a)と従動ピン
(72a)の第1曲面(75a)とが平面視凸状に形成される
と共に、小径円C2の円弧で形成されている。そして、該
各曲面(73a)〜(76a)の曲率半径r1,r2、つまり、大
径円C1の半径r1及び小径円C2の半径r2は前実施例(第2
図参照)と同様に設定され、相対面する各曲面(73a)
〜(76a)は凹状と凸状とに成っている。この両第1曲
面(73a),(75a)の接触によって両スクロール
(3),(4)の回転力が伝達されると共に、第1曲面
(73a),(75a)の接触と第2曲面(74a),(76a)の
接触とによって両スクロール(3),(4)の相対角度
が保持されている。
その他の構成並びに作用・効果は前実施例と同様であ
る。
第5図は係合部材の他の実施例を示しており、駆動側
係合部材である駆動片(71b)が駆動スクロール(3)
の鏡板(31)と同一平面に形成されたものである。
つまり、上記駆動スクロール(3)における鏡板(3
1)の外周縁にはほぼコ字状の切欠き(3a)が複数個形
成され、該各切欠き(3a),(3a),…の間に駆動片
(71b)が形成されている。そして、該駆動片(71b)
は、前実施例(第2図及び第3図)の駆動ピン(71)と
同様に、正転方向の側面が凹状の第1曲面(73b)に、
逆転方向の側面が凹状の第2曲面(74b)に形成されて
構成されている。
一方、従動スクロール(4)に設けられる従動ピン
(72b)は前実施例(第2図及び第3図)の従動ピン(7
2)と同様に第1曲面(75b)及び第2曲面(76b)が形
成されると共に、駆動スクロール(3)の鏡板(31)ま
で延長されていて、上記駆動片(71b)に係合するよう
に構成されている。
その他の構成並びに作用・効果は前実施例と同様であ
る。
尚、本実施例は従動ピン(72b)を長く形成するよう
にしたが、第2図に示す駆動ピン(71)を長く形成し、
従動側係合部材を鏡板(41)の外周縁に形成してもよ
い。
また、各曲面(73b)〜(76b)は第4図に示す形状で
もよい。
第6図及び第7図は各係合部材を別部材で形成した他
の実施例を示している。尚、図面では駆動側係合部材の
み示している。
第6図に示す駆動側係合部材は第2図に示す前実施例
の駆動ピン(71)と同形状に形成された駆動ピン(71
c)で構成されている。そして、該駆動ピン(71c)はリ
ング部材(77)の上面に形成されており、該リング部材
(77)に各駆動ピン(71c),(71c),…が一体形成さ
れ、該リング部材(77)及び駆動ピン(71c),(71
c),…が駆動スクロール(3)と別体に形成されてい
る。更に、上記リング部材(77)は偏平な板材で形成さ
れると共に、外周端が駆動スクロール(3)の鏡板(3
1)外周端に一致するように形成され、内周端がラップ
(32)の巻終り端より大径に形成されている。
一方、上記リング部材(77)と鏡板(31)との間には
位置決めピン(14)及びボルト(15)が設けられてお
り、該リング部材(77)には位置決め孔(14a)及びボ
ルト(15)用の取付孔(15a)が穿設され、鏡板(31)
には位値決め孔(14b)及びネジ孔(15b)が穿設されて
いる。
次に、この駆動スクロール(3)及び駆動ピン(71
c)の形成並びに取付け動作について説明する。
先ず、駆動スクロール(3)は別個独立して形成され
る一方、駆動ピン(71c),(71c),…及びリング部材
(77)は別個に形成される。そして、駆動スクロール
(3)の鏡板’(31)前面にリング部材(77)を載置
し、位置決めピン(14)を両位置決め孔(14a),(14
b)に挿入すると共に、ボルト(15)を取付孔(15a)を
介してネジ孔(15b)に螺合してリング部材(77)及び
駆動ピン(71c),(71c),…を駆動スクロール(3)
に固定し、組付けを完了する。
従って、上記駆動スクロール(3)と駆動ピン(71
c),(71c),…とを別個に形成するので、成形を容易
にすることができる。しかも、上記駆動ピン(71c)と
ラップ(32)の巻終り端との間隔を小さく設定すること
ができ、駆動スクロール(3)全体をコンパクトするこ
とができる。
その他の構成並びに作用・効果は第1図〜第3図に示
す前実施例と同様である。
尚、従動ピンについては図示していないが、駆動ピン
(71c)と同様にリング部材を介して形成するようにし
てもよく、また、第5図に示すように、駆動ピン(71
c)を長くし、鏡板(41)の外周縁に従動片を形成して
もよい。
また、駆動ピン(71c)の形状は第4図に示すように
してもよい。
第7図に示すリング部材(77a)は厚肉に形成され、
上下方向の高さが第6図のリング部材(77)より高く形
成されている。そして、該リング部材(77a)には、第
8図にも示すように、冷媒ガスの流通路(78)が複数本
形成されている。該流通路(78)はリング部材(77a)
の下面に開口する断面逆U字状に形成されると共に、リ
ング部材(77a)の外周面から内周面に亘って形成され
ている。更に、上記流通路(78)は駆動スクロール
(3)の正転方向Aに対して逆方向に巻付く螺旋状に形
成されている。そして、位置決めピン(14)等は第6図
の実施例と同じである。
従って、駆動スクロール(3)を回転すると、冷媒ガ
スは吸込室(23)より流通路(78)を通ってラップ(3
2),(42)間の作用室(13)に流入することになる。
この流通路(78)により冷媒ガスの流量を充分に確保す
ることができると共に、冷媒ガスに求心力を与えること
ができ、吸入効率を向上させることができるので、高速
回転の容積効率を向上させることができる。
その他の構成並びに作用・効果は第6図に示す実施例
と同様である。
第9図及び第10図は他のスラスト部材(8)の実施例
を示しており、両スクロール(3),(4)のスラスト
力を1つのスラスト軸受(8)でもって受け止めるよう
にしたものである。
つまり、スラスト軸受(8)は、従動スクロール
(4)における鏡板(41)の背面外周縁に載置するよう
に設けられており、該スラスト部材(8)は偏平なリン
グ部材に形成されている。
一方、駆動スクロール(3)における4つの駆動ピン
(71),(71),…の上面には突起(81)が形成され、
該突起(81)は等間隔に設けられ、上面が従動スクロー
ル(4)における鏡板(41)の背面にほぼ一致するよう
に形成されている。また、上記従動スクロール(4)の
鏡板(41)には上記突起(81)が貫通する切欠き(82)
が4つ外周縁に形成されている。
そして、上記スラスト軸受(8)が突起(81),(8
1),…にボルト(83),(83),…によって取付けら
れて駆動スクロール(3)に固定されている。
尚、本実施例においては第1図に示すスラスト軸受
(35),(45)は設けられていない。
従って、冷媒ガスを両スクロール(3),(4)間で
圧縮すると、該両スクロール(3),(4)には互いに
離反させるスラスト力が作用し、駆動スクロール(3)
は下方に、従動スクロール(4)は上方に押圧される。
そして、上記スラスト力をスラスト軸受(8)で受け止
める。つまり、上記両スクロール(3),(4)に作用
する相反する方向のスラスト力を1つのスラスト軸受
(8)で相殺している。
この結果、上記スラスト軸受(8)によりスラスト力
を受け止めることができると同時に、該スラスト軸受
(8)は駆動スクロール(3)に固定されているので、
従動スクロール(4)に対して公転運動のみ行うことに
なり、機械損失を著しく軽減することができる。
また、駆動ピン(71)を用いてスラスト軸受(8)を
固定するので、固定部材等が両スクロール(3),
(4)の外方に突出することがなく、装置全体の小型化
を図ることができる。
その他の構成並びに使用・効果は第1図〜第3図に示
す前実施例と同様である。
尚、本実施例において、スラスト軸受(8)を駆動ス
クロール(3)に固定したが、従動スクロール(4)に
固定し、駆動スクロール(3)の鏡板(31)背面側に設
けてもよい。
また、スラスト軸受(8)に駆動ピン(71)又は従動
ピン(72)を一体成形し、該各ピン(71),(72)を鏡
板(31),(41)に取付けるようにしてもよい。その
際、片方の係合部材は第5図の駆動片(71b)に示すよ
うに鏡板(31),(41)の外周縁に形成する。
また、各ピン(71),(72)は第4図に示すものでも
よい。
尚また、各実施例は圧縮機について説明したが、本発
明はブロア又は膨張機などに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第10図は本発明の実施例を示しており、第1図
はスクロール型流体装置の縦断面図、第2図は第1図II
−II線における断面端面図、第3図はスクロール機構の
斜視図である。第4図は他の曲面を示す第2図相当図、
第5図は駆動片を示す第3図相当図、第6図は他の駆動
ピンを示す分解斜視図、第7図は他のリング部材を示す
第6図相当図、第8図はリング部材の平面図である。第
9図はスラスト軸受の他の実施例を示すスクロール型流
体装置の縦断面図、第10図はスクロール機構の分解斜視
図である。 (1)……スクロール型流体装置 (2)……密閉ケーシング (3)……駆動スクロール (4)……従動スクロール (7)……連結手段 (8)……スラスト軸受 (31),(41)……鏡板 (32),(42)……ラップ (33)……駆動軸 (43)……従動軸 (71),(71a),(71b),(71c)……駆動ピン (72),(72a),(72b)……従動ピン (73),(73a),(73b)……第1曲面 (74),(74a),(74b)……第2曲面 (75),(75a),(75b)……第1曲面 (76),(76a),(76b)……第2曲面 (77),(77a)……リング部材 (78)……流通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/02 311

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板(31)の前面に渦巻状のラップ(32)
    が立設され且つ背面に駆動軸(33)が連結されて成る駆
    動スクロール(3)と、鏡板(31)の前面に渦巻状のラ
    ツプ(42)が立設され且つ背面に従動軸(43)が連結さ
    れて成る従動スクロール(4)とが各ラップ(32),
    (42)を噛合して並設されているスクロール型流体装置
    であって、 上記駆動スクロール(3)の回転に伴って従動スクロー
    ル(4)が同期して回転するように該両スクロール
    (3),(4)を連結する連結手段(7)が設けられ、 該連結手段(7)は上記各鏡板(31),(41)の外周縁
    に形成されて互いに係合する複数の駆動側係合部材(7
    1),(71),…と従動側係合部材(72),(72),…
    とより構成され、 該両係合部材(71),(72)における各スクロール
    (3),(4)の正転方向及び逆転方向の各側面は鏡板
    (31),(41)の遠心方向に湾曲し且つ両係合部材(7
    1),(72)間で互いに摺接可能に対面する第1曲面(7
    3),(75)及び第2曲面(74),(76)に形成される
    一方、 該第1曲面(73),(75)及び第2曲面(74),(76)
    は、一方の第1及び第2曲面(75),(76)を一部とす
    る閉曲線の包絡線上に他方の第1及び第2曲面(73),
    (74)が位置するように形成されていることを特徴とす
    るスクロール型流体装置。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載のスクロール型流体装置
    において、第1曲面(73),(75)及び第2曲面(7
    4),(76)のうち一方の第1及び第2曲面(75),(7
    6)は所定の曲率半径r2の円弧によって形成され、 他方の第1及び第2曲面(73),(74)は駆動軸(33)
    と従動軸(43)との偏心量をR0として曲率半径r1がほぼ r1=r2+R0 となる円弧によって形成されていることを特徴とするス
    クロール型流体装置。
  3. 【請求項3】請求項(1)又は(2)記載のスクロール
    型流体装置において、両係合部材(71a),(71b)は、
    平面視同一形状に形成されていることを特徴とするスク
    ロール型流体装置。
  4. 【請求項4】請求項(1),(2)又は(3)記載のス
    クロール型流体装置において、一方の係合部材(72b)
    は鏡板(41)の外周縁に立設されて相対面する鏡板(3
    1)に向って突出するピンにより形成され、 他方の係合部材(71b)は鏡板(31)の外周縁に形成さ
    れていることを特徴とするスクロール型流体装置。
  5. 【請求項5】請求項(1)〜(4)の何れか1の請求項
    記載のスクロール型流体装置において、少なくとも一方
    の鏡板(31)における前面外周縁にはリング部材(77
    a)が相対面する鏡板(41)に向って突出形成され、 該リング部材(77a)には一方の係合部材(71c)が形成
    されると共に、流体が通る流通路(78)が外周面から内
    周面に亘って螺旋状に形成されていることを特徴とする
    スクロール型流体装置。
  6. 【請求項6】請求項(1)〜(5)の何れか1の請求項
    記載のスクロール型流体装置において、一方の鏡板(4
    1)の背面側に接してスラスト軸受(8)が設けられ、
    該スラスト軸受(8)は他方の鏡板(31)に設けられた
    係合部材(71)に固着されていることを特徴とするスク
    ロール型流体装置。
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