JP2864429B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷装置

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JP2864429B2 JP2209100A JP20910090A JP2864429B2 JP 2864429 B2 JP2864429 B2 JP 2864429B2 JP 2209100 A JP2209100 A JP 2209100A JP 20910090 A JP20910090 A JP 20910090A JP 2864429 B2 JP2864429 B2 JP 2864429B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は複数の探触子を例えば一つの容器に組込んだ
複合超音波探触子を用いた超音波探傷装置に係わり、特
に、被測定体の厚み方向の欠陥検出感度特性を可変設定
できるようにした超音波探傷装置に関する。
[従来の技術] 例えば鋼板等の被測定体内に存在する欠陥を検出する
欠陥探傷装置の一つとして超音波探傷装置が実用化され
ている。そして、その超音波探傷手法はJISにも規定さ
れている(例えばJIS G−0801)。
この垂直超音波探傷法に用られる超音波探触子は大き
く分けて垂直探触子と分割型探触子との2種類があり、
それぞれ被測定体の厚みや使用目的に応じて使い分けら
れている。
第9図(a)は垂直探触子の概略構成を示す図であ
る。この垂直探触子1はダンパー材が充填された容器2
内に超音波の送信と受信とを行う1枚の振動子3が被測
定体としての鋼板4の取付面4aに平行に配設されてい
る。そして、外部の制御装置から信号線5を介してパル
ス信号を振動子3に印加すると、振動子3から超音波6
が鋼板4の厚み方向(垂直方向)に送出される。鋼板4
内を垂直方向に伝播される超音波6は例えば鋼板4の反
対面(底面)で反射されて、同一の振動子3へ入射す
る。したがって、この振動子3に接続された信号線5を
介して検出される受信信号aには第9図(a)の右側に
示すように、送信パルス波Tの底面での反射波Bとが含
まれる。
ここで、鋼板4の内部に欠陥が存在すると、この欠陥
で超音波6が反射されるので、受信信号aにおける送信
パルス波Tと底面反射波Bとの間に欠陥を起因する欠陥
反射波が生じる。よって、欠陥の発生位置(発生深さ)
と波高さ(レベル)で示される欠陥規模とを特定でき
る。
第9図(b)は分割型探触子の概略構成を示す図であ
る。この分割型探触子7はくさび材及びダンパー材が充
填された容器8内に一対の振動子9,10が鋼板4の取付面
4aに対して多少傾斜して配置されている。そして、垂線
上に位置する焦点11の上下位置は、前記傾斜角を変化さ
せることや、楔材の寸法を変えること等で調整可能であ
る。外部の制御装置から信号線12aを介してパルス信号
を一方の振動子9に印加すると、この振動子9から超音
波6が鋼板4内の焦点11方向に送出される。また、他方
の振動子10は、前記焦点11方向から入力される超音波を
受信し、その受信信号bを信号線12bを介して制御装置
へ送出する。したがって、この受信信号bには第9図
(b)の右側に示すように、振動子10の取付位置での送
信パルス波Tと、取付面4aでの表面反射波Sと、底面で
の底面反射波Bとが含まれる。
したがって、鋼板4内の前記焦点11近傍に欠陥が存在
すると、この欠陥で超音波6が反射されるので、受信信
号bにおける表面反射波Sと底面反射波Bとの間に欠陥
を起因する欠陥反射波が生じる。よって、欠陥の発生位
置と規模とを特定できる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら第9図に示す垂直探触子1または分割型
探触子7を用いた超音波探傷装置においてもまだ解消す
べき次のような問題があった。
すなわち、第9図(a)に示す垂直探触子1を用いた
超音波探傷装置においては、同図の右側の受信信号aの
波形に示すように、鋼板4のごく浅い部分には送信パル
ス波Tが重畳するので、たとえその部分に欠陥が存在し
たとしてもその欠陥に起因する反射波(エコー)は送信
パルス波Tに埋もれてしまうので、正確に検出できない
問題がある。
また、この垂直探触子1は一定の近距離音場内におい
ては、検出された欠陥反射波(欠陥エコー)の高さは欠
陥の存在する位置(取付面からの距離)に大きく影響さ
れない。しかし、この近距離音場限界の距離を越える
と、超音波の音圧が拡散現象や結晶粒度による散乱現象
により低下する。従って、欠陥位置が取付面4aから遠く
なるほど同一規模の欠陥であっても、欠陥反射波の高さ
は低くなる。よって、欠陥を検出した位置で欠陥反射波
高さが異なる問題が生じる。その結果、欠陥反射波の高
さでもって被測定体に対する合否判定を行うことができ
ない。よって、この超音波探傷装置を例えば工場の製品
検査ラインに組込んで製品の合否判定を自動的に行うこ
とが困難であった。
一方、第9図(b)に示す分割型探触子7において
は、受信信号bにおける鋼板4の取付面4a近傍には送信
パルス波Tが現れないので、表面下1〜2mmより深い位
置にある欠陥を検出することが可能である。しかし、精
度良く欠陥を検出できる領域は、第10図に示すように、
焦点11を中心とする両方の振動子9,10が同時にカバーす
る斜線で示した領域(焦点範囲)13のみとなる。したが
って、受信信号bにて得られる欠陥に起因する反射波の
検出感度は同図の右側に示すようにこの領域13で最大値
を示す。第11図は鋼板4の厚み方向の各距離dにおける
欠陥の検出感度を示す欠陥検出感度特性図である。図示
するように、前記領域13を越える距離dの領域で欠陥検
出感度は大幅に低下する。また、前記領域13より浅い位
置においても欠陥検出感度は低下する。
よって、この分割型探触子7においても、前述した垂
直探触子1と同様に欠陥反射波の高さでもって製品の良
否を一律に判断できない問題が生じる。
このような不都合を解消するために、DAC(距離感度
補正)回路を用いて、底面近傍の遠距離位置に発生した
欠陥に起因する欠陥反射波を該当欠陥の規模に相当する
大きさに補正するようにした超音波探傷装置が開発され
ている。
このようにDAC回路を用して感度補正を行うことによ
って、操作者は出力された欠陥反射波の高さのみを観測
することによって、発生位置に関係なく欠陥規模を正確
ひ把握できる。また、発生位置に関係なく、一定レベル
以上の欠陥反射波を無条件に検出して警報を出力すれば
よいので、操作者が欠陥波を観測して判断する必要がな
く、欠陥の探傷速度を高めることができる。
しかし、この感度補正を行うためのDAC回路の補正曲
線(DAC曲線)を作成する作業は操作者がその都度行っ
ている。このDAC曲線を作成するには、DAC起点,DAC範
囲,DACマーク,DAC傾斜値等のDAC関係の各調整つまみを
鋼板4の各厚み毎に探触子を移動させながら、一定のレ
ベルに調整する必要がある。この調整作業は非常に繁雑
で、また高度な熱練度が要求されるので、この作業は熟
達した者が実施する必要があった。また、測定を実行す
る毎に調整を実施する必要があった。
さらに、遠距離の検出感度を例えば増幅器等を用いて
強制的に上昇させているので、増幅に起因する雑音が混
入しやすく、S/Nが低下する問題があった。すなわち、
本質的に遠距離の欠陥検出におけるS/Nは近距離におけ
るS/Nに比較し格段に低下する。よって、厚み方向の全
測定範囲に亘って均一なS/N特性を得ることができない
ので、その分割型探触子を用いた超音波探傷装置全体の
欠陥検出精度が低下する問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、被測定体に対して互いに異なる方向から複数の超音
波を同時に印加し、かつその超音波の位相差をずらせる
ことによって、故意に超音波相互間で干渉を正じさせ、
DAC回路等を用いて感度補正を行う必要がなく、複雑な
調整作業を除去でき、被測定体の厚み方向の欠陥検出感
度特性を最良の状態に設定でき、もって、欠陥の検出範
囲の拡大と検出精度の向上とを図ることができる超音波
探傷装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解消するために本発明の超音波探傷装置に
おいては、一対の振動子を被測定体の取付面に直交する
垂線上における互いに異なる位置に焦点を結ぶように配
設した複数の分割型探触子からなる複合超音波探触子
と、この複合超音波探触子に組込まれた複数の振動子へ
パルス信号を同時に印加してそれぞれパルス上の超音波
を発生させる送信回路と、この送信回路と複数の送信振
動子のうちの少なくとも一つの振動子との間に介挿さ
れ、各振動子から出力される各超音波相互間の位相差を
可変設定する移相回路と、各振動子から出力された受信
信号を受信してこの受信信号に含まれる欠陥等に起因す
る各種反射波を検出する受信回路と、この受信回路で検
出された各反射波を表示する表示器とを備えたものであ
る。
また、別の発明においては、上記複合超音波探触子
を、被測定体の取付面と直交する方向に超音波を送受信
する振動子を有する垂直探触子と一対の振動子を被測定
体の取付面に直交する垂線上に焦点を結ぶように配設し
た分割型探触子とで構成したものである。
[作 用] このように構成された超音波探傷装置には焦点位置が
取付面に直交する垂線上において互いに異なる位置に設
定された複数の分割型探触子が備えられている。そし
て、各分割型探触子の各一方の振動子に送信回路から同
時にパルス信号が印加される。よって、これらの各振動
子から同時に超音波が各焦点方向へ送出される。この場
合、振動子と送信回路との間に移相回路が介挿されてい
るので、この移相回路によって同時に出力された超音波
相互間の位相差が可変設定可能となる。すなわち、異な
る方向から出力された各超音波の位相が異なれば、これ
らの超音波どうしが交差した位置において、これらの超
音波相互間で干渉現象が生じる。そして、その干渉現象
のために超音波相互間で互いに強めあい、または弱めあ
う。各交差位置における超音波相互間の位相差は互いの
伝播経路が異なるためにその位置に応じて変化する。す
なわち、被測定体の厚み方向(垂線方向)の各位置に応
じてその干渉度合いが変化する。
欠陥に起因する超音波の反射波の高さ(大きさ)はそ
の欠陥発生位置の超音波の強度に対応するので、その発
生位置における前記各超音波相互間の位相差が零の場合
は、互いに強めあうので、大きい欠陥反射波が検出され
る。一方、該当欠陥発生位置の位相差が180゜であれ
ば、互いに弱めあうので、検出された欠陥反射波は非常
に小さくなる。
被測定体の厚み方向の各位置における位相差は移相回
路で調整可能であるので、例えば浅い(近距離)位置で
互いに弱めあう位相差となり、深い(遠距離)位置で互
いに強めあう位相差になるように設定すればよい。この
ように設定すれば、遠距離における検出感度を上昇でき
る。なお、近距離においては、もともと遠距離比較して
検出感度は格段に高いので、干渉で多少検出感度が低下
してもさほど問題とならない。
よつて、近距離から遠距離に亘って比較的均一な欠陥
検出感度特性を得ることが可能となる。
また、別の発明においては、複合超音波探触子を上述
した分割型探触子と垂直探触子とで構成しているが、こ
のような複合超音波探触子であっても、被測定体に対し
て異なる位置から異なる方向に各超音波が送出される。
したがって、移相回路でもって、各超音波相互間の位相
差を調整すれば、上述した発明と同様な作用でもって近
距離から遠距離に亘って比較的均一な欠陥検出感度特性
を得ることが可能となる。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第1図は実施例の超音波探傷装置を示す模式図であ
り、第2図はこの超音波探傷装置に備えられた複合超音
波探触子の概略構成を示す透視斜視図である。
この超音波探傷装置は、大きく分けて、複数の分割型
探触子が組込まれた複合超音波探触子20と、この複合超
音波探触子20を作動する各種回路が組込まれた超音波探
傷器19と移相回路21a,21bとで構成されている。
そして、複合超音波探触子20においては、箱型の容器
20a内に、送信振動子22aおよび受信振動子22bで構成さ
れる第1の分割型探触子と、送信振動子23aおよび受信
振動子23bで構成される第2の分割型探触子とが組込ま
れている。また、この容器20a内にはくさび材及びダン
パー材が充填されている。そして、送信振動子22a,受信
振動子22bは音響分割板24を挟んだ対称位置に略ハ字形
に傾斜して配設されている。そして、この送信振動子22
aおよび受信振動子22bで構成される第1の分割型探触子
の焦点25の取付面4aからの厚み方向の距離dF1は前記傾
斜角度によって定まる。
同様に、送信振動子23a,受信振動子23bは前記音響分
割板24を挟んで第1の分割型探触子の外側位置に同じく
略ハ字形に傾斜して配設されている。この送信振動子23
aおよび受信振動子23bで構成される第2の分割型探触子
の焦点26の取付面4aからの厚み方向の距離dF2は前記傾
斜角度によって定まる。この実施例においては、第1の
分割型探触子の各振動子22a,22bの取付面4aに対する傾
斜各を第2の分割型探触子の傾斜角より大きく設定する
ことによって、焦点位置(距離dF1)を第2の分割型探
触子の焦点位置(距離dF2)より取付面4a側に位置させ
ている。
また、容器20aの上面には各振動子22a,22b,23a,23bに
対応する4個の接続端子27a,27b,28a,28bが取付けられ
ている。
そして、送信振動子22aと受信振動子22bとで構成され
る第1の分割型探触子における厚み方向の各距離dにお
ける前述した欠陥に起因する欠陥反射波の検出感度は第
3図(a)に示す感度特性Aとなる。すなわち、焦点25
の位置(距離dF1)が最大感度となり、焦点位置(距離d
F1)から離れるに伴って検出感度が低下する。同様に、
送信振動子23aと受信振動子23bとで構成される第2の分
割型探触子における欠陥反射波の検出感度は感度特性B
となる。すなわち、焦点26の位置(距離dF2)が最大感
度となり、焦点位置(距離dF2)から離れるに伴って検
出感度が低下する。
なお、実際には各分割型探触子の検出感度は完全に一
致しないが、例えばコイル等の各整合器を各接続端子27
a〜28bと各振動子22a〜23bとの間に挿入して、その各整
合器の物理特性を変化させることによって、第3図
(a)に示すように、各分割型探触子の感度特性A,Bの
最大値をほぼ一致させている。
そして、第1の分割型探触子の送信振動子22aの接続
端子27aは移相回路21b,超音波探傷器19の送信端子29aを
介して送信回路30に接続される。また、第2の分割型探
触子の送信振動子23aの接続端子28aは移相回路21aを介
して前記出力端子29aに接続されている。さらに、第1,
第2の分割型探触子の各受信振動子22b,23bは共通に超
音波探傷器19の受信端子29bを介して受信回路31に接続
されている。
送信回路30は、規定周期毎にパルス信号cを送信端子
29aから送出する。送信端子29aから出力されたパルス信
号cは接続端子27aを介して直接第1の分割型探触子の
送信振動子22aに印加されると共に、移相回路21を介し
て第2の分割型探触子の送信振動子23aに印加される。
それぞれパルス信号cが印加された送信振動子22a,23a
から各焦点25,26方向へ同一タイミングでパルス状の超
音波が送出される。
送信回路30から各送信振動子22a,23aに至る経路に移
相回路21a,21bが介挿されているので、各送信振動子22
a,23aから出力される超音波相互間に位相差θが生じ
る。この移相回路21a,21bは、例えば、コンデンサ等を
用いた遅延回路,ディレーライン等のコイル,IC等で形
成された単安定マルチバイブレータ等で構成されてい
る。なお、両方の経路に移相回路21a,21bが挿入されて
いるので、位相差θのみならず、位相の進み方向を任意
に設定できる。
また、各受信振動子22b,23bからの各接続端子27b,28b
を介して出力された受信信号eは共通に受信端子29bを
介して受信回路31へ入力される。受信回路31へ入力され
た受信信号eは受信増幅器32で増幅され、可変抵抗33で
ゲイン調整され、さらに、増幅器34で再度増幅される。
そして、検波器35で入力した受信信号eに含まれる高周
波の雑音成分を除去する。受信回路31から出力された不
要成分が除去された受信信号は波形整形回路36でさらに
単純な、すなわち観測者が見易いようなピーク波信号に
変換されて、ビデオ増幅器37を介して表示器としてのCR
T表示装置38の縦軸に印加される。
また、時間軸回路38は、送信回路30から一定周期毎に
出力されるパルス信号cに同期して、CRT表示装置38の
時間軸にトリガ信号を送出する。したがって、CRT表示
装置38は、パルス信号cに同期するトリガ信号が入力す
る毎に掃引を開始するので、表示画面には、図示するよ
うに、横軸(時間軸)を被測定体4の取付面4aからの距
離dとして、各距離dにおける波形整理された受信信号
eが表示される。そして、この受信信号には、第9図
(b)と同様に、送信パルス波T,表面反射波S,底面反射
波Bが含まれる。そして、これらに加えて欠陥が存在し
た場合には欠陥反射波Fが含まれる。
また、各電子回路部品には電源回路40から駆動電圧VC
が供給される。
このように構成された超音波探傷装置において、電源
を投入すると、送信回路30から一定周期間隔でパルス信
号cが出力される。その結果、第1,第2の分割型探触子
の各送信振動子22a,23aが同時励振されて、各送信振動
子22a,23aから同一タイミングでパルス状の超音波が出
力される。各送信振動子22a,23aから出力された超音波
は取付面4aにてその一部が反射され、残りが鋼板4内へ
入射して各焦点25,26方向へ伝播される。そして、底面
で反射された反射波が各受信振動子22b,23bへ入射され
る。また、伝播途中で欠陥に遭遇するとその欠陥にて反
射された欠陥反射波が各受信振動子22b,23bへ入射す
る。
よって、各分割型探触子の各受信振動子22b,23bから
出力された受信信号eは受信回路31を経てCRT表示装置3
8へ表示される。そして、前述したように、表示された
受信信号から、送信パルス波T,表面反射波S,底面反射波
Bの他に、欠陥に起因する欠陥反射波Fが生じる。よっ
て、欠陥の有無とその規模を把握できる。
次に、移位相回路21a,21bの効果を第3図を用いて説
明する。前述したように、この移相回路21a,21bは、送
信振動子23a,22aに印加される各パルス信号の立上りタ
イミングを微少ずらせることによって、複合超音波探触
子20の各送信振動子22a,23aから被測定体としての鋼板
4内へ同時に出力される各超音波相互間の位相差θを可
変設定できる機能を有している。すなわち、異なる方向
から出力された各超音波の位相が異なれば、これらの超
音波どうしが交差した位置において、これらの超音波相
互間で干渉現象が生じ、その位置における合成された超
音波の強度が変化する。その結果、被測定体の厚み方向
(垂線方向)の各位置に応じて超音波の高度が変化す
る。
被測定体の厚み方向(取付面からの距離d)の各位置
における位相差は、超音波の周波数や、各送信振動子22
a,23aから出力された時点での位相差θや、各送信振動
子相互間の距離や取付面4aに対する傾斜角度等によって
変化する。したがって、移相回路21a,21bで最初の位相
差θを調整することによって、各位置における位相差を
制御できる。
前述したように、欠陥に起因する超音波の反射波の高
さ(大きさ)はその欠陥発生位置の超音波の強度に対応
するので、移相回路21で位相差θを調整することによっ
て、取付面4aからの距離d方向の欠陥検出感度特性を可
変設定できる。
第3図(a)は、前述したように、他方の探触子を作
動させずに、第1,第2の各分割型探触子をそれぞれ単独
で使用した場合における各距離dにおける欠陥検出感度
特性A,Bを示す図である。
一方、第3図(b)および同図(c)は、それぞれ第
1,第2の分割型探触子を同時に作動ささせた場合におけ
る受信信号eにて、検出される欠陥反射波Fの各欠陥検
出感度特性C,Dである。なお、各欠陥検出感度特性C,Dは
移相回路21a,21bによって、各送信振動子22a,23aから出
力される超音波相互間の位相差θを異なる値に設定した
場合を示す。
図示するように、第3図(b)の特性Cにおいては、
遠距離にいくほど検出感度を上昇させることが可能であ
る。また、第3図(c)の特性Bにおいては、近距離に
おける検出感度を上昇させている。いずれにしても、第
3図(a)に示した、各探触子単独の場合に比較して、
広い距離範囲に亘って良好な欠陥検出感度を維持でき
る。
第4図乃至第7図は2種類の分割型探触子P,Qを用い
て鋼板4を探傷した場合における各欠陥検出感度特性を
示す図である。この実験に用いた移相回路21a,21bは二
重シールドを有する送信タイミング遅延用同軸ケーブル
で構成されており、各分割型探触子P,Qの送信振動子へ
の送信パルスの各経路長を調整することによって、前記
位相差θを可変設定している。そして、図中P10,Q10は1
0mの同軸ケーブルを介挿した状態を示し、P20,Q20は20m
の同軸ケーブルを介挿した状態を示し、さらに、P30,Q3
0は30mの同軸ケーブルを介挿した状態を示す。そして、
数字が付されていないP,Qは同時ケーブルが介挿されて
いない状態、すなわち両者間に位相差θが存在しない基
準状態を示す。
そして、第4図の「Pのみ」および「Qのみ」の特性
は、各分割型探触子P,Qを同時励振せずに、互いに干渉
させずに、それぞれ個別で交互励振した場合における検
出感度特性である。また、「P+Q」は位相差θが0の
状態で同時励振した場合における検出感度特性である。
この図でも明らかなように、ただ単に同時励振した場合
は、干渉現象によって検出感度が低下する。
第5図は、分割型探触子Qのみに10mの同軸ケーブル
を取付け、分割型探触子Pは基準状態のままで同時励振
した場合の検出感度特性「P+Q10」と、逆に、分割型
探触子Pのみに10mの同軸ケーブルを取付け、分割型探
触子Qは基準状態のままで同時励振した場合の検出感度
特性「P10+Q」との比較を示す。
このように、同一位相差θであっても、位相差θの方
向によって検出感度特性が異なることが理解できる。
同様に、第6図は検出感度特性「P20+Q」と検出感
度特性「P+Q20」との比較を示し、第7図は検出感度
特性「P30+Q」と検出感度特性「P+Q30」との比較を
示す。
このように、同軸ケーブルの長さを変化させて、位相
差θの値とその方向を適宜設定することによって、目的
に応じた最良の欠陥検出感度特性を得ることができる。
よって、従来装置のように、DAC回路を用いて欠陥検
出感度特性を補正する必要がないので、DAC回路を調整
するための繁雑な操作が不要となり、たとえこの超音波
探傷装置に不慣れなものであっても、簡単に探傷作業を
実施できる。
また、前述したように、移相回路21a,21bは簡単な回
路構成で実現できるので、DAC回路を組込んだ従来の超
音波探傷装置に比較して製造費を大幅に節減できる。
さらに、第3図(b)(c)に示すように、遠距離で
の欠陥検出感度低下が少ないために、増幅器等を用いて
遠距離における検出感度を電気的に強制的に上昇させる
必要がないので、従来装置に比較してS/Nを大幅に向上
できる。
また、特に取付面4aから遠い底面近傍における欠陥検
出感度を上昇できるので、例えば組立完了後の製品で探
傷面と反対側について、分解して検査できないために、
より厳格な検査を要求される場合等において、その部分
のみを特別に欠陥検出感度を上昇して、小さい欠陥も正
確に検出することも可能である。
第8図は本発明の他の実施例に係わる超音波探傷装置
の複合超音波探触子を示す断面模式図である。なお、超
音波探傷器19および移相回路21a,21bは第1図に示した
実施例と同じであるので説明を省略する。
この実施例の複合超音波探触子42は、図示するよう
に、一つ容器42a内に、被測定体としての鋼板4に対し
て直角に超音波を送出する送信振動子41aおよび超音波
を受信する受信振動子41bとからなる垂直探触子と、取
付面4aに対して互いに傾斜して配設された送信振動子23
aおよび受信振動子23bとからなる分割型探触子とが収納
されている。そして、分割型探触子は垂線上に焦点44を
結ぶ。
このように構成された超音波探傷装置であっても、送
信回路30から各送信振動子41a,23aに同時にパルス信号
が印加され、かつ移相回路21a,21bによって各送信振動
子41a,23aから鋼板4内へ出力される超音波相互間に位
相差θを生じさせることができる。よって、各距離dに
おける干渉度合いを移相回路21a,21bによって制御可能
である。
したがって、第1図に示した実施例とほぼ同様の効果
を得ることができる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の超音波探傷装置によれ
ば、被測定体に対して互いに異なる方向から複数の超音
波を同時に印加し、かつその超音波相互間の位相をずら
せることによって、被測定内を伝播する超音波相互間で
故意に干渉を生じさせて、例えば取付面から遠距離にお
ける超音波の強度を近距離に比較して相対的に増大させ
ている。したがって、DAC回路等を用いて感度補正を行
う必要なく、複雑な調整作業を除去でき、被測定体の厚
み方向の欠陥検出感度特性を最良の状態に設定でき、も
って、欠陥の検出範囲の拡大と検出精度の向上とを図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明の一実施例に係わる超音波探
傷装置を示すものであり、第1図は装置全体の概略構成
を示す模式図、第2図は複合超音波探触子の概略構成を
示す透視斜視図、第3図乃至第7図は欠陥検出感度特性
図であり、第8図は本発明の他の実施例に係わる超音波
探傷装置の概略構成を示す模式図、第9図(a)は一般
的な分割型探触子を示す断面模式図、第9図(b)は一
般的な垂直探触子を示す断面模式図、第10図は一般的な
分割型探触子の動作を説明するための図、第11図は同分
割型探触子における欠陥検出感度特性図である。 4……鋼板、4a……取付面、19……超音波探傷器、20,4
2……複合超音波探触子、21a,21b……移相回路、22a,23
a,41a……送信振動子、22b,23b,41b……受信振動子、2
5,26,44……焦点、30……送信回路、31……受信回路、3
8……CRT表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝又 武繁 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 星野 充宏 神奈川県横浜市中区西竹之丸106番4号 ジャパンプローブ株式会社内 (72)発明者 鬼丸 昭夫 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株 式会社東京計器内 (56)参考文献 特開 昭62−32356(JP,A) 特開 昭48−35883(JP,A) 特開 昭62−112060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の振動子を被測定体の取付面に直交す
    る垂線上における互いに異なる位置に焦点を結ぶように
    配設した複数の分割型探触子からなる複合超音波探触子
    と、この複合超音波探触子に組込まれた複数の振動子へ
    パルス信号を同時に印加してそれぞれパルス状の超音波
    を発生させる送信回路と、この送信回路と前記複数の送
    信振動子のうちの少なくとも一つの振動子との間に介挿
    され、前記各振動子から出力される各超音波相互間の位
    相差を可変設定する移相回路と、各振動子から出力され
    た受信信号を受信してこの受信信号に含まれる欠陥等に
    起因する各種反射波を検出する受信回路と、この受信回
    路で検出された各反射波を表示する表示器とを備えた超
    音波探傷装置。
  2. 【請求項2】被測定体の取付面と直交する方向に超音波
    を送受信する振動子を有する垂直探触子と対の振動子を
    被測定体の取付面に直交する垂線上に焦点を結ぶように
    配設した分割型探触子とからなる複合超音波探触子と、
    この複合超音波探触子に組込まれた複数の振動子へパル
    ス信号を同時に印加してそれぞれパルス状の超音波を発
    生させる送信回路と、この送信回路と前記複数の振動子
    のうちの少なくとも一つの振動子との間に介挿され、前
    記各振動子から出力される各超音波相互間の位相差を可
    変設定する移相回路と、各振動子から出力された受信信
    号を受信してこの受信信号に含まれる欠陥等に起因する
    各種反射波を検出する受信回路と、この受信回路で検出
    された各反射波を表示する表示器とを備えた超音波探傷
    装置。
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