JP2863269B2 - 環状ラクトンの製造方法 - Google Patents
環状ラクトンの製造方法Info
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- JP2863269B2 JP2863269B2 JP15164790A JP15164790A JP2863269B2 JP 2863269 B2 JP2863269 B2 JP 2863269B2 JP 15164790 A JP15164790 A JP 15164790A JP 15164790 A JP15164790 A JP 15164790A JP 2863269 B2 JP2863269 B2 JP 2863269B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生理活性物質や香料或いはこれらの合成中
間体等として有用な環状ラクトンの製造方法に関するも
のである。
間体等として有用な環状ラクトンの製造方法に関するも
のである。
ω−ヒドロキシ脂肪酸から環状ラクトンを製造する方
法として従来から種々の方法が提案されているが、工業
的製法としてω−ヒドロキシ脂肪酸を重合させてポリエ
ステルとし、次いで高度の減圧下で加熱しながら触媒と
接触させて解重合して環状ラクトンを得る重合・解重合
法(米国特許第2092031号公報及び米国特許第216310号
公報参照)が一般的に採用されている。この重合・解重
合法はその後種々の改良法が提案されている(例えば、
特公昭36−18512号公報、特公昭51−25033号公報、特公
昭55−8977号公報、特公昭61−45623号公報、特開昭63
−119481号公報参照)。
法として従来から種々の方法が提案されているが、工業
的製法としてω−ヒドロキシ脂肪酸を重合させてポリエ
ステルとし、次いで高度の減圧下で加熱しながら触媒と
接触させて解重合して環状ラクトンを得る重合・解重合
法(米国特許第2092031号公報及び米国特許第216310号
公報参照)が一般的に採用されている。この重合・解重
合法はその後種々の改良法が提案されている(例えば、
特公昭36−18512号公報、特公昭51−25033号公報、特公
昭55−8977号公報、特公昭61−45623号公報、特開昭63
−119481号公報参照)。
しかしながら、ω−ヒドロキシ脂肪酸にα,ω−長鎖
二塩基酸が不純物として含まれた原料を用いて、重合・
解重合を行うと、目的物の環状ラクトンの収率が大幅に
低下することが判明し、それに対する有効な解決策はこ
れまでに提案されていなかった。
二塩基酸が不純物として含まれた原料を用いて、重合・
解重合を行うと、目的物の環状ラクトンの収率が大幅に
低下することが判明し、それに対する有効な解決策はこ
れまでに提案されていなかった。
本発明者は、上記欠点を解決すべく研究を進めた結
果、上記原料中に、α,ω−グリコールを添加すると、
環状ラクトンの収率を大幅に改善できることを見い出し
た。
果、上記原料中に、α,ω−グリコールを添加すると、
環状ラクトンの収率を大幅に改善できることを見い出し
た。
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、本発
明の目的はω−ヒドロキシ脂肪酸の重合・解重合法によ
る環化反応に対するα,ω−長鎖二塩基酸の阻害作用を
押さえ、環状ラクトンを高収率で得る方法を提供するこ
とにある。
明の目的はω−ヒドロキシ脂肪酸の重合・解重合法によ
る環化反応に対するα,ω−長鎖二塩基酸の阻害作用を
押さえ、環状ラクトンを高収率で得る方法を提供するこ
とにある。
本発明はα,ω−二塩基酸を含有するω−ヒドロキシ
脂肪酸を原料として重合・解重合法により環状ラクトン
を製造する際に、前記原料にα,ω−グリコールを添加
することからなるもので、特には、前記α,ω−グリコ
ールの添加を原料中のα,ω−二塩基酸に対して等モル
以上行うことからなるものである。
脂肪酸を原料として重合・解重合法により環状ラクトン
を製造する際に、前記原料にα,ω−グリコールを添加
することからなるもので、特には、前記α,ω−グリコ
ールの添加を原料中のα,ω−二塩基酸に対して等モル
以上行うことからなるものである。
本発明におけるω−ヒドロキシ脂肪酸としては、重合
・解重合法に用いることができる広範囲の炭素数のもの
を用いることができるが、生理活性物質や香料等の有用
性の面からは、特には、炭素数9〜18のものが好適であ
る。
・解重合法に用いることができる広範囲の炭素数のもの
を用いることができるが、生理活性物質や香料等の有用
性の面からは、特には、炭素数9〜18のものが好適であ
る。
ところで、α,ω−二塩基酸を出発原料としてω−ヒ
ドロキシ脂肪酸を製造したとき、当該α,ω−二塩基酸
が未反応物として生成物中に残存する。例えば、α,ω
−二塩基酸をアルカリ土類金属等のモノ塩とし、これを
エステル化後、還元することにより、ω−ヒドロキシ脂
肪酸を得ることができるが、この場合、不純物としての
少量のα,ω−二塩基酸が残存する。本発明は、かかる
α,ω−二塩基酸から得たω−ヒドロキシ脂肪酸を重合
・解重合する場合に好適である。しかし、本発明は、こ
れに限定されるものではなく、原料ではなく、例えば、
反応過程や精製過程でω−ヒドロキシ脂肪酸にα,ω−
二塩基酸が混入してくる場合でも、特に支承なく適用で
きる。さらに、α,ω−二塩基酸の含有量も特に制限さ
れるものではなく、α,ω−二塩基酸の含有量に応じて
α,ω−グリコールの添加量を調整すれば本発明の効果
は得られるものである。また、含有しているα,ω−二
塩基酸の種類も、α,ω−二塩基酸から得たω−ヒドロ
キシ脂肪酸を用いる場合はω−ヒドロキシ脂肪酸に相当
する炭素数のものとなるが、例えば、反応過程や精製過
程で混入する全く異なった種類のものの場合でも特に問
題なく、本発明が適用できる。
ドロキシ脂肪酸を製造したとき、当該α,ω−二塩基酸
が未反応物として生成物中に残存する。例えば、α,ω
−二塩基酸をアルカリ土類金属等のモノ塩とし、これを
エステル化後、還元することにより、ω−ヒドロキシ脂
肪酸を得ることができるが、この場合、不純物としての
少量のα,ω−二塩基酸が残存する。本発明は、かかる
α,ω−二塩基酸から得たω−ヒドロキシ脂肪酸を重合
・解重合する場合に好適である。しかし、本発明は、こ
れに限定されるものではなく、原料ではなく、例えば、
反応過程や精製過程でω−ヒドロキシ脂肪酸にα,ω−
二塩基酸が混入してくる場合でも、特に支承なく適用で
きる。さらに、α,ω−二塩基酸の含有量も特に制限さ
れるものではなく、α,ω−二塩基酸の含有量に応じて
α,ω−グリコールの添加量を調整すれば本発明の効果
は得られるものである。また、含有しているα,ω−二
塩基酸の種類も、α,ω−二塩基酸から得たω−ヒドロ
キシ脂肪酸を用いる場合はω−ヒドロキシ脂肪酸に相当
する炭素数のものとなるが、例えば、反応過程や精製過
程で混入する全く異なった種類のものの場合でも特に問
題なく、本発明が適用できる。
α,ω−グリコールとしては各種のα,ω−グリコー
ルを用いることができ、何を用いても特に支障がない
が、解重合の際の生成物である環状ラクトンと分離が容
易なものを選定すると良い。α,ω−二塩基酸から得た
ω−ヒドロキシ脂肪酸を用いる場合は、この反応の際に
副生されるα,ω−グリコールを用いることが、安価で
簡便に入手できて好ましい。このα,ω−グリコールの
添加量は、原料中に含有しているα,ω−二塩基酸の量
に応じて調整し、α,ω−二塩基酸の量の等モル以上と
することが好ましい。等モル以下では、収率の向上の効
果があまり多くない。添加量を増加すればするほど、こ
の効果は顕著となるが、10倍モル以上の添加では、添加
量の割には効果の向上が期待できず、経済的でないた
め、10倍モル以下とすることが好ましい。
ルを用いることができ、何を用いても特に支障がない
が、解重合の際の生成物である環状ラクトンと分離が容
易なものを選定すると良い。α,ω−二塩基酸から得た
ω−ヒドロキシ脂肪酸を用いる場合は、この反応の際に
副生されるα,ω−グリコールを用いることが、安価で
簡便に入手できて好ましい。このα,ω−グリコールの
添加量は、原料中に含有しているα,ω−二塩基酸の量
に応じて調整し、α,ω−二塩基酸の量の等モル以上と
することが好ましい。等モル以下では、収率の向上の効
果があまり多くない。添加量を増加すればするほど、こ
の効果は顕著となるが、10倍モル以上の添加では、添加
量の割には効果の向上が期待できず、経済的でないた
め、10倍モル以下とすることが好ましい。
ω−ヒドロキシ脂肪酸を重合・解重合法は、既知の一
般的な方法が、そのまま適用できる。
般的な方法が、そのまま適用できる。
以下に実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明
する。
する。
参考例 不純物を含まないω−ヒドロキシ脂肪酸を用いた実験
を参考例として示す。
を参考例として示す。
15−ヒドロキシペンタデカン酸50.0g(0.19モル)を
窒素気流下180℃/760mmHgで1時間反応させた後、230℃
/4mmHgで2時間反応させることにより脱水縮合させ、線
状ポリエステルを得た。放冷後,Bu2SnOからなる触媒を
2.50g加え、260℃/1mmで、シクロペンタデカノリドの留
出が止まるまで解重合を行わせた。生成したシクロペン
タデカノリドの収率は90.4%であった。
窒素気流下180℃/760mmHgで1時間反応させた後、230℃
/4mmHgで2時間反応させることにより脱水縮合させ、線
状ポリエステルを得た。放冷後,Bu2SnOからなる触媒を
2.50g加え、260℃/1mmで、シクロペンタデカノリドの留
出が止まるまで解重合を行わせた。生成したシクロペン
タデカノリドの収率は90.4%であった。
実施例1 2.6gの1,15−ペンタデカン二酸を含む50.0g(0.19mo
l)の15−ヒドロキシペンタデカン酸に4.7gの1,15−ジ
ヒドロキシペンタデカンを加え,十分に混合した。この
原料を用いて、参考例と同じ条件で重合・解重合を行っ
た。生成したシクロペンタデカノリドの収率は60.7%で
あった。
l)の15−ヒドロキシペンタデカン酸に4.7gの1,15−ジ
ヒドロキシペンタデカンを加え,十分に混合した。この
原料を用いて、参考例と同じ条件で重合・解重合を行っ
た。生成したシクロペンタデカノリドの収率は60.7%で
あった。
実施例2 2.6gの1,15−ペンタデカン二酸を含む50.0g(0.19mo
l)の15−ヒドロキシペンタデカン酸に、7.1gの1,15−
ジヒドロキシペンタデカンを加え、十分に混合した。こ
の原料を用いて比較例1と同じ条件で重合・解重合を行
った。生成したシクロペンタデカノリドの収率は、59.2
%であった。
l)の15−ヒドロキシペンタデカン酸に、7.1gの1,15−
ジヒドロキシペンタデカンを加え、十分に混合した。こ
の原料を用いて比較例1と同じ条件で重合・解重合を行
った。生成したシクロペンタデカノリドの収率は、59.2
%であった。
比較例1 2.6gの1,15−ペンタデカン二酸を含む50.0g(0.19mo
l)の15−ヒドロキシペンタデカン酸を用いて、上記参
考例と同じ条件で重合・解重合を行った。生成したシク
ロペンタデカノリドの収率は38.7%であった。
l)の15−ヒドロキシペンタデカン酸を用いて、上記参
考例と同じ条件で重合・解重合を行った。生成したシク
ロペンタデカノリドの収率は38.7%であった。
本発明は、α,ω−長鎖二塩基酸を含有するω−ヒド
ロキシ脂肪酸から重合・解重合法により環状ラクトンを
製造する際に、原料中にα,ω−グリコールを添加する
こととしたので、簡便な操作で環状ラクトンの収率を大
幅に改善させることができ、ひいては環状ラクトンを安
価にしかも効率よく製造できるという格別の効果を奏す
るものである。
ロキシ脂肪酸から重合・解重合法により環状ラクトンを
製造する際に、原料中にα,ω−グリコールを添加する
こととしたので、簡便な操作で環状ラクトンの収率を大
幅に改善させることができ、ひいては環状ラクトンを安
価にしかも効率よく製造できるという格別の効果を奏す
るものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 313/00 - 313/20 C07D 309/00 - 309/40 C07D 307/00 - 307/76 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】α,ω−二塩基酸を含有するω−ヒドロキ
シ脂肪酸を原料として重合・解重合法により環状ラクト
ンを製造する際に、前記原料にα,ω−グリコールを添
加することを特徴とする環状ラクトンの製造方法。 - 【請求項2】前記α,ω−グリコールの添加を原料中の
α,ω−二塩基酸に対して等モル以上行うことを特徴と
する請求項1に記載の環状ラクトンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15164790A JP2863269B2 (ja) | 1990-06-12 | 1990-06-12 | 環状ラクトンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15164790A JP2863269B2 (ja) | 1990-06-12 | 1990-06-12 | 環状ラクトンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0446173A JPH0446173A (ja) | 1992-02-17 |
JP2863269B2 true JP2863269B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=15523138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15164790A Expired - Fee Related JP2863269B2 (ja) | 1990-06-12 | 1990-06-12 | 環状ラクトンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2863269B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3850637B2 (ja) | 1999-11-08 | 2006-11-29 | 花王株式会社 | 大環状ラクトンの製造法 |
JP4493072B2 (ja) * | 2003-05-14 | 2010-06-30 | 花王株式会社 | 環状ラクトンの製造法 |
JP2008006082A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Katsuji Okuda | 便器用排水ポンプ |
-
1990
- 1990-06-12 JP JP15164790A patent/JP2863269B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0446173A (ja) | 1992-02-17 |
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