JP2862013B2 - 二成分磁気ブラシ現像方法 - Google Patents

二成分磁気ブラシ現像方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 電子写真式記録装置に導入される二成分磁気ブラシ現
像方式に関し、 トナーとして重合トナーを含む二成分現像剤を用いる
二成分磁気ブラシ現像方式であって、現像動作の開始時
での重合トナーの飛散問題および重合トナーの電荷不足
によるカブリ問題を解消し得る二成分磁気ブラシ現像方
式を提供することを目的とし、 トナーと磁性体キャリヤとからなる二成分現像剤でも
って静電潜像を現像する二成分磁気ブラシ現像方式にお
いて、二成分現像剤がトナー成分として重合トナーを含
み、重合トナーとして、現像動作の停止から所定時間経
過後の電荷保持率が90%以上であるものを使用すること
を特徴とする二成分磁気ブラシ現像方式を構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は電子写真式記録装置に導入される二成分現像
剤を二成分磁気ブラシ現像器に使用して静電潜像を現像
する方法に関する。
〔従来の技術〕
電子写真式記録装置では、静電潜像坦持体である感光
ドラムあるいは誘電体ドラムの表面上に静電潜像が形成
され、この静電潜像は帯電トナーで現像されて可視像と
される。次いで、静電潜像担持体上のトナー像に記録紙
を適用させると共に該記録紙にその背面から帯電トナー
とは逆極性の電荷を与え、これによりトナー像は静電的
に該記録紙に転写される。このような転写トナー像を持
つ記録紙は静電潜像担持体から分離されて、例えば熱定
着器等に送られ、そこで該転写トナー像は記録紙上に熱
定着される。
このような電子写真式記録装置に導入されるトナー現
像方式としては、一般的には、二成分磁気ブラシ現像方
式が知られている。二成分磁気ブラシ現像方式では、現
像剤として、着色樹脂微粒子であるトナーと磁性粉であ
る磁性体キャリヤとからなる二成分現像剤が用いられ、
トナーと磁性体キャリヤとは互いに摩擦して逆極性に帯
電させられる。二成分磁気ブラシ現像方式を採用する現
像装置では、現像手段として、磁石を内蔵した磁気ロー
ラが用いられ、この磁気ローラの周囲には二成分現像剤
中の磁性体キャリヤが磁気的吸引力によって付着し、こ
れにより該磁気ローラの周囲にはいわゆる磁気ブラシが
形成される。磁気ローラは静電潜像担持体と対接して配
置され、このとき該磁気ローラの周囲に形成された磁気
ブラシは静電潜像担持体の表面に接触するようにされ
る。磁気ローラが回転させられると、その磁気ブラシに
よって二成分現像剤中の帯電トナーが搬送されて、静電
潜像担持体の静電潜像に静電的に付着させられ、これに
より静電潜像担持体の静電潜像が帯電トナーでもって可
視像として現像れることになる。
従来、二成分現像剤の一方の成分であるトナーの製造
には粉砕法が用いられ、このような粉砕法によって得ら
れる粉砕トナーの平均粒径は通常は10μm程度とされ
る。なお、二成分現像剤のもう一方の成分である磁性体
キャリヤの粒径は通常は50ないし100μmとされる。近
年、電子写真式記録装置での記録画像の高精細化が要望
されており、これに伴って10μm以下の粒径を持つトナ
ーが要求されている。10μm以下の粒径を持つトナーを
粉砕法で製造することは技術的に難しく、また製造可能
であったとしても歩留まりが悪く、トナーの製造コスト
が高く付くことになる。
そこで、粉砕法に代わる新しいトナー製造法として、
懸濁重合法が提案されている。懸濁重合法では、溶媒中
にトナーヲ材料を分散させて懸濁重合によってトナーを
製造する。このような懸濁重合法によれば、10μm以下
の粒径を持つトナーを容易に製造することが可能であ
り、また懸濁重合法によって得られるトナー(以下、懸
濁重合法によって得られたトナーを粉砕トナーとは区別
する意味で重合トナーと呼称することにする)は球形で
あり、このため重合トナーは記録画像の高精細化に適し
たものと言える。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、懸濁重合法によるトナー製造過程では、反
応開始剤、分散剤等の薬剤が用いられ、これら薬剤が製
造された重合トナーの表面に付着する。重合トナーの表
面に付着した薬剤は導電層となり、重合トナーの帯電特
性を劣化させる。すなわち、重合トナーを含む二成分現
像剤を現像装置に用いた場合、現像装置の作動時には重
合トナーは磁性体キャリヤと絶えず摩擦させられるの
で、重合トナーは充分な電荷で帯電させられているが、
現像装置の停止時には重合トナーから電荷が逃げてその
帯電量が低下することになる。このため現像装置の始動
時では、重合トナーの帯電量が不足して、磁性体キャリ
ヤに対する静電的吸着力が弱まり、その結果重合トナー
が飛散して、現像装置内部を汚染するという問題が生じ
る。重合トナーの飛散は磁性体キャリヤとの摩擦によっ
て重合トナーが充分な電荷で帯電されるまで続き、その
ような飛散トナーが現像装置の外部に流出すると、記録
紙までもが汚染されることになる。また、帯電量が充分
でない重合トナーで現像が行われると、いわゆる記録画
像のカブリの原因となり、その品位を低下される等の問
題も起きることになる。
したがって、本発明の目的は、トナーとして重合トナ
ーを含む二成分現像剤を用い、現像装置の始動時での重
合トナーの飛散問題および重合トナーを電荷不足による
カブリ問題を解消するような重合トナーを選択して現像
を行う二成分磁気ブラシ現像方法を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、トナーと磁性体キャリヤとを混合し
て成る二成分現像剤を二成分磁気ブラシ現像器に使用し
て静電潜像を現像する方法において、二成分現像剤がト
ナー成分として重合トナーを含み、該重合トナーとし
て、現像を行う前に、金属ドラム上に現像器にて帯電し
た該重合トナーの層を形成し、該重合トナー層の形成直
後の電荷保持率を100%とした時、現像動作の停止から1
0分経過後の前記電荷保持率が90%以上であるものを選
定し、選定した二成分現像剤を二成分磁気ブラシ現像器
に使用して静電潜像を現像することを特徴とされる。
〔作 用〕
以上の記載から明らかなように、本発明による二成分
磁気ブラシ現像方式においては、二成分現像剤の一方の
成分である重合トナーとして、現像動作の停止から所定
時間経過後の電荷保持率が90%以上であるものが使用さ
れ、このため現像動作の開始時でも重合トナーの帯電量
は充分に維持されることになる。
本発明者等の研究によれば、同様な条件下で製造され
た重合トナーであっも、重合トナーの帯電特性が製造毎
に異なることが発見された。すなわち、製造毎に得られ
た重合トナーから二成分現像剤を作り、それを現像装置
に入れて撹拌して該重合トナーを帯電させた後にその帯
電量を減衰(すなわち、電荷保持率)を測定したとこ
ろ、一方の重合トナーでは、その帯電量が短時間のうち
に急速に減衰するのに対して、他方の重合トナーでは、
その電荷量が長時間に亘って徐々に減衰することが判明
した。懸濁重合法で得られた重合トナーの帯電特性が後
者のものであれば、従来の二成分現像剤と同様に支障な
く使用される得る。
〔実施例〕
次に、添付図面を参照して、本発明による二成分磁気
ブラシ現像法の一実施例について説明する。
第1図を参照すると、本発明による二成分磁気ブラシ
現像方式を導入した現像装置が概略的に示され、この現
像装置の構成自体は従来から用いられている形式のもの
である。現像装置は現像剤保持容器10を具備し、この現
像剤保持容器10内には磁気ローラ12がその一部をそこか
ら露出するように保持され、このとき磁気ローラ12の露
出部は静電潜像担持体すなわち感光ドラム14に対接させ
られる。磁気ローラ12および感光ドラム14は記録動作時
に図中の矢印で示す方向に回転させられる。現像剤保持
容器10内には二成分現像剤Dが収容され、この二成分現
像剤Dは重合トナーと磁性体キャリヤとからなる。図示
するように、現像剤保持容器10内には撹拌器すなわちア
ジテータ16が設けられ、このアジテータ16によって二成
分現像剤Dは撹拌され、これにより重合トナーと磁性体
キャリヤは互いに摩擦帯電させられる。
磁気ローラ12の回転表面には二成分現像剤Dの磁性体
キャリヤが磁気的吸引力によって付着し、これにより磁
気ローラ12の周囲には磁気ブラシ18が形成される。磁気
ブラシ18には重合トナーが静電的吸着力によって付着
し、これにより磁気ローラ12が回転すると、重合トナー
が磁気ブラシ18によって同伴されて感光ドラム14側に順
次搬送され、そこで感光ドラ14上の静電潜像が重合トナ
ーでもって現像されることになる。磁気ブラシ18の厚さ
に変動が生じると、現像トナー濃度に濃淡が生じるの
で、磁気ブラシ18の厚さがブレード20によって一定に規
制される。現像剤保持容器10内に保持された二成分現像
剤Dのうちの重合トナー成分は現像によって消費される
ので、その消費量に応じて重合トナーを逐次補給させる
必要がある。そのため現像剤保持容器10にはトナー補給
器22が一体的に組み込まれ、このトナー補給器22は重合
トナーTを収容するトナー収容タンク22aと、このトナ
ー収容タンク22aの補給口に適用されたトナー補給ロー
ラ22とから構成される。二成分現像剤Dから重合トナー
成分が消費されると、その消費量に応じてトナー補給ロ
ーラ22bが回転させられ、これにより重合トナーTが二
成分現像剤D中に補給されることになる。
現像装置の動作中、二成分現像剤Dは上述したように
アジデータ16によって撹拌され、これにより重合トナー
と磁性体キャリヤとは互いに摩擦帯電させられ、その結
果重合トナーの帯電量は所望の値に維持されているが、
現像装置の動作が停止すると、アジテータも停止される
ので、その後二成分現像剤D中の重合トナーからは電荷
が奪われることになる。しかしながら、本発明によれ
ば、現像動作の停止から所定時間経過後の電荷保持率が
90%以上である重合トナーが使用され、このため現像装
置の始動時に重合トナーの帯電不足による重合トナーの
飛散問題も、記録画像のカブリ問題も解消されることに
なる。
先にも述べたように、重合トナーは懸濁重合法によっ
て製造され、それはスチレン・アクリル系樹脂中にカー
ボン、染料等を分散させた球形粒子であり、その平均粒
径は8μmであ。なお、二成分現像剤のもう一方の成分
である磁性体キャリヤはフェライト粒子に樹脂コートし
たものであり、その平均粒径は100μmであり、またそ
の抵抗率は106Ωcmである。
先に述べたように、同様な条件下で懸濁重合法によっ
て製造された重合トナーであっも、重合トナーの帯電特
性が製造毎に異なる。したがって、本発明による二成分
磁気ブラシ現像方法を導入するためには、重合トナーを
現像に使用する前に、製造毎に得られた重合トナーの電
荷保持率を測定しなければならない。第2図を参照する
と、重合トナーの電荷保持率を測定するための測定装置
が概略的に示され、この測定装置は金属製の測定ドラム
24と、この測定ドラム24に対接させらた磁気ローラ26と
を具備し、測定ドラム24および磁気ローラ26はそれぞれ
図中に矢印で示す方向に回転させられる。磁気ローラ26
は第1図に示した現像装置に用いられる磁気ローラ12と
実質的に同じ構成とされる。被測定重合トナーは磁性体
キャリヤと混合されて二成分現像剤とされ、この二成分
現像剤によって磁気ローラ26の周囲には磁気ブラシ28が
形成される。要するに、第2図に示した測定装置は第1
図の現像装置に感光ドラム14の代わりに測定ドラム24を
適用したものに相当する。測定ドラム24と磁気ローラ26
との間にはトナー転写バイアス電圧が印加され、このト
ナー転写バイアス電圧によって、磁気ブラシ28に同伴さ
れた被測定重合トナーが測定ドラム24側に移動してその
表面に重合トナー層30を形成する。測定ドラム24の周囲
の適当な箇所に表面電位測定手段32が設けられ、この表
面電位測定手段32によって重合トナー層30の電位が測定
される。詳述すると、重合トナー層30が測定ドラム24の
回転により表面電位測定手段32の測定領域に入ると、測
定ドラム24および磁気ローラ26の回転駆動が停止され、
次いで重合トナー層30の表面電位が表面電位測定手段32
によって測定され、このとき測定電位値が100%とさ
れ、引き続き一定時間経過毎に重合トナー層30の表面電
位が測定される。その結果、重合トナーの電荷保持率が
明らかにされ、本発明による二成分磁気ブラシ現像方式
に使用され得る重合トナーか否かが判断される。
第2図に示した測定装置を用いて3種類の重合トナー
A、BおよびCの電荷保持率について測定を行った。な
お、重合トナーA、BおよびCは懸濁重合法によって実
質的に同一条件下で製造されたものである。測定結果は
第3図に示す通りである。同図から明らかなように、重
合トナーAおよびBの電荷保持率はそれぞれ12時間経過
しても90%および75%以上に維持されるのに対して、重
合トナーCの電荷保持率は12時間経過すると約15%まで
低下することになる。なお、12時間の測定時間について
は、電子写真式記録装置が夜間完全に停止状態下に置か
れることを目安すとして設定されたものである。重合ト
ナーAおよびBについては、トナー飛散問題も記録画像
のカブリ問題を回避し得ることが分かった。なお、前述
のように重合トナーA,B,Cは実質的に同一条件下で製造
されたものであるが、他の種々の条件や要因等により電
荷保持率の減衰の程度の差となってあらわれたものと思
料される。
懸濁重合法によって得られた重合トナーが本発明によ
る二成分磁気ブラシ現像方式に使用可能であるか否かを
判断するために12時間の時間を費やすのは望ましくな
い。そこで、重合トナーA、BおよびCについての短時
間に亘る電荷保持率傾向が測定され、その測定結果が第
4図に示されている。同図から明らかなように、使用可
能な重合トナーAおよびBは10分経過後であっても90%
以上の電荷保持率を持つのに対して、使用不可な重合ト
ナーCの電荷保持率は10分経過すると60%以下まで低下
することが分かる。したがって、製造毎に得られた重合
トナーの電荷保持率が10分経過後に90%以上であれば、
その重合トナーは本発明による二成分磁気ブラシ現像方
式に使用可能であることが分かる。なお、上述の10分の
測定時間については、第3図から明らかなように重合ト
ナーの電荷保持率傾向が測定開始後置10分間で大きく変
わる点を目安として選ばれたもである。
〔発明の効果〕
以上の記載から明らかなように、本発明によれば、ト
ナー飛散問題も記録画像のカブリ問題も引き起こすこと
なく電子写真式記録装置での記録画像の高精細化に対処
し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による二成分磁気ブラシ現像方式を採用
する現像装置を示す概略図、第2図は懸濁重合法によっ
て製造された重合トナーの電荷保持率を測定するための
測定装置を示す概略図、第3図および第4図は重合トナ
ーの電荷保持率の測定結果を示すグラフである。 10……現像剤保持容器、12……磁気ローラ、14……感光
ドラム、16……アジテータ、18……磁気ブラシ、20……
ブレード、22……トナー補給器、24……測定ドラム、26
……磁気ローラ、28……磁気ブラシ、30……重合トナー
層、32……表面電位測定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 正利 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−75261(JP,A) 特開 昭59−86061(JP,A) 特開 昭63−169658(JP,A) 特開 昭61−110163(JP,A) 特開 昭60−257461(JP,A) 特開 昭60−120386(JP,A) 特開 昭60−80880(JP,A) 特開 昭55−25047(JP,A) 特開 昭63−11946(JP,A) 特開 昭56−92545(JP,A) 特開 昭57−115577(JP,A) 特開 昭61−7849(JP,A) 特開 昭56−1061(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 13/08 - 13/095 G03G 15/08 - 15/095

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナーと磁性体キャリヤとを混合して成る
    二成分現像剤を二成分磁気ブラシ現像器に使用して静電
    潜像を現像する方法において、二成分現像剤がトナー成
    分として重合トナーを含み、該重合トナーとして、現像
    を行う前に、金属ドラム上に現像器にて帯電した該重合
    トナーの層を形成し、該重合トナー層の形成直後の電荷
    保持率を100%とした時、現像動作の停止から10分経過
    後の前記電荷保持率が90%以上であるものを選定し、選
    定した二成分現像剤を二成分磁気ブラシ現像器に使用し
    て静電潜像を現像する方法。
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