JP2861149B2 - 比較電極 - Google Patents
比較電極Info
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- JP2861149B2 JP2861149B2 JP30378489A JP30378489A JP2861149B2 JP 2861149 B2 JP2861149 B2 JP 2861149B2 JP 30378489 A JP30378489 A JP 30378489A JP 30378489 A JP30378489 A JP 30378489A JP 2861149 B2 JP2861149 B2 JP 2861149B2
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- JP
- Japan
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- electrode
- titanium nitride
- nitride film
- comparative electrode
- organic polymer
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、ポテンショメトリックセンサの比較電極
に関する。
に関する。
(ロ)従来の技術 ポテンションメトリックセンサは、電位検出電極と比
較電極との間の電位差を測定し、被検液のpH、イオン濃
度、生体機能物質の濃度を検出するものである。例え
ば、あるイオンの濃度を検出するには、このイオンを選
択透過するイオン選択膜を備えた電位検出電極と、比較
電極とを被検液に浸漬し、両者の間の電位差を測定す
る。
較電極との間の電位差を測定し、被検液のpH、イオン濃
度、生体機能物質の濃度を検出するものである。例え
ば、あるイオンの濃度を検出するには、このイオンを選
択透過するイオン選択膜を備えた電位検出電極と、比較
電極とを被検液に浸漬し、両者の間の電位差を測定す
る。
この比較電極には、従来飽和カロメロ電極、塩化銀電
極、酸化水銀電極等が使用されてきた。これらの電極
は、いずれもガラス製であり、内部液及び液絡部を有し
ていた。
極、酸化水銀電極等が使用されてきた。これらの電極
は、いずれもガラス製であり、内部液及び液絡部を有し
ていた。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記従来の比較電極では、液絡部より内部液が流出
し、電極が劣化すると共に、流出した内部液により被検
液の汚染が生じる。また、一定以上の内部液及び液絡部
が必要であり、小型化が困難であり、高価である。さら
に、内部液、液絡部を有するため、電極の保守管理に気
を使わなければならない。加えて、ガラス製であるため
破損しやすく、取り扱いに十分な注意が必要である。
し、電極が劣化すると共に、流出した内部液により被検
液の汚染が生じる。また、一定以上の内部液及び液絡部
が必要であり、小型化が困難であり、高価である。さら
に、内部液、液絡部を有するため、電極の保守管理に気
を使わなければならない。加えて、ガラス製であるため
破損しやすく、取り扱いに十分な注意が必要である。
そこで、最近、比較電極としてISFET(Ion selective
FET)のゲート上に有機高分子膜を形成したものが提案
されている(特公昭58−25221号、特開昭64−83145
号)。しかしながら、ISFETを用いた比較電極では、ISF
ETの構造が複雑で、特性のばらつきが大きく、駆動回路
に調整回路が必要となる。また、ISFETは、定電流・定
電圧で駆動する必要があるため、駆動回路が複雑高価な
ものとなる。
FET)のゲート上に有機高分子膜を形成したものが提案
されている(特公昭58−25221号、特開昭64−83145
号)。しかしながら、ISFETを用いた比較電極では、ISF
ETの構造が複雑で、特性のばらつきが大きく、駆動回路
に調整回路が必要となる。また、ISFETは、定電流・定
電圧で駆動する必要があるため、駆動回路が複雑高価な
ものとなる。
一方、ISFETは素子自体は小さいものであるが、実際
には外部接続用のリードが必要であるから、その分小型
化が困難である。また、ISFETの製造工程も複雑で、高
価な製造設備が必要であり、量産しないと安価にならな
い。
には外部接続用のリードが必要であるから、その分小型
化が困難である。また、ISFETの製造工程も複雑で、高
価な製造設備が必要であり、量産しないと安価にならな
い。
この発明は上記に鑑みなされたもので、小型安価で、
取い扱いの容易な比較電極の提供を目的としている。
取い扱いの容易な比較電極の提供を目的としている。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 上記課題を解決するため、この発明の比較電極は、電
極支持基材上に窒化チタン膜を形成し、この窒化チタン
膜を有機高分子膜で被覆してなるものである。
極支持基材上に窒化チタン膜を形成し、この窒化チタン
膜を有機高分子膜で被覆してなるものである。
この発明の比較電極は、構造及び製造工程が簡単で、
小型で量産化が容易である。そして、内部液及び液絡部
を有しないから、保守管理も容易であるとともに、ガラ
スを使用しなくてもよいから、破損の危険性が少ない。
また、窒化チタンは化学的に安定な物質であるから被検
液中に溶出することは少なく、電極の劣化及び被検液の
汚染を防止することができる。さらに、窒化チタンは導
体であり、抵抗値が高くないから、測定回路が簡単でも
よい。加えて、窒化チタン膜には機械的強度もあるた
め、窒化チタン膜の露出した接続部を形成しておけば、
直接コネクタに挿入して利用でき、リードが不要となっ
て、その分小型化を図ることができる。
小型で量産化が容易である。そして、内部液及び液絡部
を有しないから、保守管理も容易であるとともに、ガラ
スを使用しなくてもよいから、破損の危険性が少ない。
また、窒化チタンは化学的に安定な物質であるから被検
液中に溶出することは少なく、電極の劣化及び被検液の
汚染を防止することができる。さらに、窒化チタンは導
体であり、抵抗値が高くないから、測定回路が簡単でも
よい。加えて、窒化チタン膜には機械的強度もあるた
め、窒化チタン膜の露出した接続部を形成しておけば、
直接コネクタに挿入して利用でき、リードが不要となっ
て、その分小型化を図ることができる。
(ホ)実施例 この発明の一実施例を図面に基づいて以下に説明す
る。
る。
第1図(a)、第1図(b)は、それぞれ実施例比較
電極1の平面図及び断面図である。2は、絶縁性基板
(電極支持基材)であり、耐水性、耐熱性及び窒化チタ
ン膜との接着性に優れた材質を使用する。この実施例で
は、セラミックを使用しているが、ポリイミドフィルム
等も使用可能である。
電極1の平面図及び断面図である。2は、絶縁性基板
(電極支持基材)であり、耐水性、耐熱性及び窒化チタ
ン膜との接着性に優れた材質を使用する。この実施例で
は、セラミックを使用しているが、ポリイミドフィルム
等も使用可能である。
絶縁性基板2上には、窒化チタン膜3が形成されてい
る。さらに絶縁性基板2上には、絶縁膜4が形成され、
電極部3a及び接続部3bを除いて、窒化チタン膜3を被覆
・絶縁する。絶縁膜4上には、有機高分子膜5が形成さ
れ、電極部3aが被覆される。
る。さらに絶縁性基板2上には、絶縁膜4が形成され、
電極部3a及び接続部3bを除いて、窒化チタン膜3を被覆
・絶縁する。絶縁膜4上には、有機高分子膜5が形成さ
れ、電極部3aが被覆される。
この実施例比較電極1の製造工程を第2図を参照しな
がら説明すると、まず適当な大きさのセラミック板20の
表面全体にわたり窒化チタン膜を形成した後、セラミッ
ク板20にダイシング溝6を形成して、個々の窒化チタン
膜3に分離する〔第2図(a)参照〕。窒化チタン膜の
形成には、イオンプレーティング法、その他スパッタリ
グ法やCVD法が適用できる(この時高熱にさらされるた
め、、絶縁性基板に耐熱性が要求される)。窒化チタン
膜の膜厚は1μmもあれば十分なので、形成時間は10分
以内となり、量産性もある。
がら説明すると、まず適当な大きさのセラミック板20の
表面全体にわたり窒化チタン膜を形成した後、セラミッ
ク板20にダイシング溝6を形成して、個々の窒化チタン
膜3に分離する〔第2図(a)参照〕。窒化チタン膜の
形成には、イオンプレーティング法、その他スパッタリ
グ法やCVD法が適用できる(この時高熱にさらされるた
め、、絶縁性基板に耐熱性が要求される)。窒化チタン
膜の膜厚は1μmもあれば十分なので、形成時間は10分
以内となり、量産性もある。
次に、セラミック基板20の表面全体に亘り、感光性ポ
リイミド樹脂を塗布し、ホトマスクを用いて露光した
後、現像、リンスして不要な部分を除去し、絶縁膜40と
する〔ホトリソグラフィー、第2図(b)参照〕。
リイミド樹脂を塗布し、ホトマスクを用いて露光した
後、現像、リンスして不要な部分を除去し、絶縁膜40と
する〔ホトリソグラフィー、第2図(b)参照〕。
最後に、セラミック基板20をダイシングして個々の絶
縁性基板2に分離し、有機高分子膜5を形成する。この
実施例では、有機高分子膜5としてポリ塩化ビニルを用
い、ポリ塩化ビニル溶液を塗布、乾燥して、有機高分子
膜5を形成する。有機高分子膜5は、モノマー溶液を用
いて重合法により形成することもできるが、一般的には
塗布・乾燥法が簡便である。なお、有機高分子膜5の材
質は、ポリ塩化ビニルに限定されるものではない。
縁性基板2に分離し、有機高分子膜5を形成する。この
実施例では、有機高分子膜5としてポリ塩化ビニルを用
い、ポリ塩化ビニル溶液を塗布、乾燥して、有機高分子
膜5を形成する。有機高分子膜5は、モノマー溶液を用
いて重合法により形成することもできるが、一般的には
塗布・乾燥法が簡便である。なお、有機高分子膜5の材
質は、ポリ塩化ビニルに限定されるものではない。
この実施例比較電極1は、第1図(c)に示すよう
に、コネクタ7に直接挿入して使用する。第3図は、こ
の比較電極1が適用される測定回路の一例を示す図であ
る。イオン電極(従来と同様のもの)10と、実施例比較
電極1とは、それぞれインピーダンス変換回路12、11で
インピーダンス変換された後、演算回路13に接続され
る。この演算回路13により、検出電位の差を算出する。
に、コネクタ7に直接挿入して使用する。第3図は、こ
の比較電極1が適用される測定回路の一例を示す図であ
る。イオン電極(従来と同様のもの)10と、実施例比較
電極1とは、それぞれインピーダンス変換回路12、11で
インピーダンス変換された後、演算回路13に接続され
る。この演算回路13により、検出電位の差を算出する。
第4図は、市販のpHメータの比較電極を、実施例比較
電極1と交換して、pH標準液を測定した結果を示してい
る。電位とpHとの間には、よい直線関係が認められ、実
施例比較電極1が比較電極として十分機能していること
が確認される。
電極1と交換して、pH標準液を測定した結果を示してい
る。電位とpHとの間には、よい直線関係が認められ、実
施例比較電極1が比較電極として十分機能していること
が確認される。
(ヘ)発明の効果 以上説明したように、この発明の比較電極は、電極支
持基材上に窒化チタン膜を形成し、この窒化チタン膜を
有機高分子膜で被覆してなるものであるから、以下に列
挙する効果を有している。
持基材上に窒化チタン膜を形成し、この窒化チタン膜を
有機高分子膜で被覆してなるものであるから、以下に列
挙する効果を有している。
i:構造及び製造工程が簡単で、小型化、低価格化、量産
化が容易である。
化が容易である。
ii:小型電位検出電極との組み合わせで、両極ともに小
型のポテンショメトリックセンサが実現できる。
型のポテンショメトリックセンサが実現できる。
iii:任意の形状に製作することができる。
iv:窒化チタンは導体であり、その電気抵抗を気にする
ことなく、簡単で安価な電位差測定回路を適用すること
ができる。
ことなく、簡単で安価な電位差測定回路を適用すること
ができる。
v:窒化チタンは、さらに機械的強度も有しているので、
リード部を設けなくても、直接コネクタに挿入して使用
できる。
リード部を設けなくても、直接コネクタに挿入して使用
できる。
vi:窒化チタンは化学的に安定な物質であり、被検液中
に溶出することが少なく、長期に亘って安定して使用す
ることができる。
に溶出することが少なく、長期に亘って安定して使用す
ることができる。
vii:内部液や液絡部がないため、センサの保守・管理の
必要がなくなる。
必要がなくなる。
viii:単純な構造と材料なので、電極間の特性のばらつ
きが小さくなる。
きが小さくなる。
ix:従来の比較電極に比べて応答速度がはやい。
第1図(a)は、この発明の一実施例に係る比較電極の
外観平面図、第1図(b)は、同比較電極の第1図
(a)中I b−I b線における断面図、第1図(c)は、
同比較電極のコネクタとの接続を説明する斜視図、第2
図(a)及び第2図(b)は、それぞれ同比較電極の製
造工程を説明する図、第3図は、同比較電極に適用され
る測定回路の一例を示す図、第4図は、同比較電極の特
性を示す図である。 2:絶縁性基板、3:窒化チタン膜、 5:有機高分子膜。
外観平面図、第1図(b)は、同比較電極の第1図
(a)中I b−I b線における断面図、第1図(c)は、
同比較電極のコネクタとの接続を説明する斜視図、第2
図(a)及び第2図(b)は、それぞれ同比較電極の製
造工程を説明する図、第3図は、同比較電極に適用され
る測定回路の一例を示す図、第4図は、同比較電極の特
性を示す図である。 2:絶縁性基板、3:窒化チタン膜、 5:有機高分子膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 真人 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地 サイエンスセンタービル 株式会社立石 ライフサイエンス研究所内 (72)発明者 遠藤 英樹 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地 サイエンスセンタービル 株式会社立石 ライフサイエンス研究所内 (56)参考文献 特開 平3−162660(JP,A) 特開 平3−140858(JP,A) 特開 平2−263150(JP,A) 特開 平2−266255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/30
Claims (1)
- 【請求項1】電極支持基材上に窒化チタン膜を形成し、
この窒化チタン膜を有機高分子膜で被覆してなる比較電
極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30378489A JP2861149B2 (ja) | 1989-11-22 | 1989-11-22 | 比較電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30378489A JP2861149B2 (ja) | 1989-11-22 | 1989-11-22 | 比較電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03163346A JPH03163346A (ja) | 1991-07-15 |
JP2861149B2 true JP2861149B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=17925249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30378489A Expired - Lifetime JP2861149B2 (ja) | 1989-11-22 | 1989-11-22 | 比較電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2861149B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004011648A1 (de) * | 2004-03-10 | 2005-09-29 | Roche Diagnostics Gmbh | Testelement-Analysesystem mit hartstoffbeschichteten Kontaktflächen |
-
1989
- 1989-11-22 JP JP30378489A patent/JP2861149B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03163346A (ja) | 1991-07-15 |
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