JP2861131B2 - イオン電極 - Google Patents

イオン電極

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JP2861131B2
JP2861131B2 JP1279287A JP27928789A JP2861131B2 JP 2861131 B2 JP2861131 B2 JP 2861131B2 JP 1279287 A JP1279287 A JP 1279287A JP 27928789 A JP27928789 A JP 27928789A JP 2861131 B2 JP2861131 B2 JP 2861131B2
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英樹 遠藤
聡 中嶋
耕一 滝澤
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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、電極材料として窒化チタンを用いたイオン
電極に関する。
(ロ)従来の技術 従来、被測定溶液中の特定イオン濃度を電気的に測定
するために、この特定イオンに対する選択性を有するガ
ラス感応膜を用いたガラス電極が用いられている。この
ガラス電極は、電極をガラス感応膜で包み、電極とガラ
ス感応膜との間に内部液を満たしてなるものである。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記ガラス電極は、以下の〜に列挙する問題点を
有している。
ガラス製であるため機械的強度が劣り、破損しやす
く、取り扱いに細心の注意が必要である。
使用に伴い汚れやすく、応答速度が低下する傾向があ
る。
小型化が困難で、多量の被測定溶液が必要となる。
製造工程が複雑で、高価である。
保存、管理に十分な注意が必要である。
被測定溶液の液温の影響が受けやすい。
長期間の電極出力変動が見られる。
この発明は、上記に鑑みなされたもので、低価格で性
能が安定し、取り扱いの容易なイオン電極の提供を目的
としている。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 上記課題を解決するため、この発明のイオン電極は、
電極支持基材と、この電極支持基材上に形成される窒化
チタン電極と、その感応部を除いて窒化チタン電極を被
覆絶縁する絶縁膜と、少なくとも前記窒化チタン電極の
感応部を被覆するイオン選択性膜とを備えてなるもので
ある。
この発明のイオン電極は、ガラスのような被損しやす
い材料を用いなくてもよいから、機械的強度に優れ、取
り扱いが容易となる。また、内部液も不要であり、小型
化が容易で少量の被測定溶液でも測定可能である。
一方、この発明のイオン電極は、イオン選択性膜と窒
化チタン電極とが密着しているため応答速度が大きく、
またイオン選択性膜は高分子薄膜であり汚れにくいの
で、この応答速度が劣化しにくい。さらに、窒化チタン
は化学的に安定な物質であり、被測定溶液中等に溶出す
ることがなく、電極出力の長期的な変動はほとんど見ら
れない。
製造上においても、この発明のイオン電極は、ホトリ
ソグラフィー等の技術を適用して、大型の基板上に複数
のイオン電極を同時につくり込んでいくことができるか
ら、大量生産も容易で、その価格を下げることができ
る。イオン電極の価格が下がれば、使い捨てをすること
ができるようになり、その管理も不要となる。
(ホ)実施例 この発明の一実施例を図面に基づいて以下に説明す
る。
この実施例は、本発明をカリウムイオン〔K+〕の測定
に適用したものである。以下実施例イオン電極の製造工
程を追いながら説明を進める。
第2図(a)(b)は、電極支持基板10表面に、作用
電極2を形成した状態を示している。電極支持基板10
は絶縁性、耐熱性のある材質のものが選定され、作業上
適切な大きさのものが使用できる。この実施例では、電
極支持基板10として54mm×54mm、厚さ0.4mmのアルミナ
セラミック板を使用している。なお、電極支持基板10
大きさはこれに限定されるものでなく、材質も他の絶縁
性素材を適用することができる。
作用電極2は、厚さ1μmの窒化チタン膜であり、電
極支持基板10の全面に亘り形成されている。この作用電
極2は、イオンプレーティングやスパッタリング等の薄
膜成形技術が適用される。
第3図(a)(b)は、作用電極2上に白金薄膜3を
形成したと共に、電極支持基板10に溝4、…、4を形成
した状態を示している。白金薄膜3は、後述のリード線
(又はコネクタ)の接続部を形成するためのもので、ス
パッタリングや真空蒸着法を用いて帯状(幅3mm、厚さ
約1000Å)に形成されている。
溝4、…、4は、後で電極支持基板10を個々の基板1
に分割するためのもので、作用電極2側からダイシング
により形成される。この実施例では、溝4、…、4の深
さは10μm、幅600μmとしている。
第4図(a)(b)は、電極支持基板10に絶縁性保護
膜5を形成した状態を示している、絶縁性保護膜5は、
電極支持基板10表面を、ポリイミド系の感光性樹脂膜で
被覆し、この感光性樹脂膜にホトマスク(図示せず)を
かけて露光した後、現像、リンスして不要部分を除去し
たものであり、その厚さはこの実施例では5μmとして
いる。不要部分が除去されたところ5a、5bからは、作用
電極感応部2a、白金薄膜3がそれぞれ露出している。感
応部2aは、この実施例では2mm×2mmの正方形としている
が、感応部形状、面積はこれに限定されるものではなく
適宜設計変更可能である。
電極支持基板10は、絶縁性保護膜5を形成した後、溝
4に沿って個々の電極支持基板1に分割される。この分
割は、溝4の中心をダイジング(幅150μm)すること
により行われる。
白金薄膜3には、はんだ又は銀ペーストを用いてリー
ド線6が接続される〔第1図(a)参照〕。この接続箇
所にはエポキシ樹脂8が盛られ、絶縁補強される。
さらに電極支持基板1上には、イオン選択性膜7が形
成され、作用電極感応部2aが被覆される〔第1図(a)
(b)参照〕。このイオン選択性膜7は、下地層7aとイ
オン選択層7bとにより構成されている。下地層7aは、テ
トラヒドロフラン3mlにポリ塩化ビニル200mgを溶解した
液に、電極支持基板1をディップし(ディップ・コーテ
ィング)、60℃で60分乾燥して形成される。
イオン選択層7bは、テトラヒドロフラン3mlにビス
〔(ベンゾ−15−クラウン−5)−4′−メチル〕ピメ
レイト10mg、ポリ塩化ビニル200mgを溶解し、O−ニト
ロフェニルオクチルエーテル250μを加えた液に、電
極支持基板1をディップし、60℃で60分乾燥させたもの
である。上記ビス〔(ベンゾ−15−クラウン−5)−
4′メチル〕ピメレイトがニュートラルキャリアとな
る。
次に、実施例イオン電極10の特性について説明する
が、その前に特性測定に使用された測定系11を、第5図
を参照しながら説明する。12は恒温槽であり、内部にpH
6.9に調節された0.1モルリン酸緩衝液13が貯溜されてい
る。このリン酸緩衝液13はスターラ14で撹拌されてお
り、15は、このスターラ14の回転子である。
このリン酸緩衝液13には、飽和カロメロ電極16と共
に、イオン電極10が浸漬される。イオン電極10及び飽和
カロメロ電極16は、それぞれリード線6、17を介してポ
テンショメータ18に接続され、飽和カロメロ電極16に対
するイオン電極10の電位(電極出力)が計測される。
リン酸緩衝液13には、図示しないマイクロピペットに
より、所定量のカリウムイオン溶液が注入される。この
カリウムイオンは、イオン選択性膜7中のカリウムイオ
ンニュートラルキャリアに捕捉される。この捕捉により
生じた電位差を作用電極2で計測して、リン酸緩衝液13
中のカリウムイオン濃度を知ることができる。
第6図は、いくつかのカリウムイオン濃度に対する電
極出力〔mV〕を示している。図中のプロットされた点を
結んで検量線とし、未知の検体、例えば血液中のカリウ
ムイオンを定量することができる。
第7図は、変形例イオン電極10′を示す縦断面図であ
る。このイオン電極10′は、白金薄膜3を露出されてお
き、コネクタ20により外部接続を行うものである。コネ
クタ20の挿入口21にイオン電極10′を挿入すると、白金
薄膜3に、バネ状接点21が圧接し、電気的な接続が行わ
れる。
なお、上記実施例では、カリウムイオンニュートラル
キャリアを用いているが、これに限定されるものではな
く、適宜設計変更可能である。
(ヘ)発明の効果 以上説明したように、この発明のイオン電極は、電極
支持基材と、この電極支持基材上に形成される窒化チタ
ン電極と、その感応部を除いて窒化チタン電極を被覆絶
縁する絶縁膜と、少なくとも前記窒化チタン電極の感応
部を被覆するイオン選択性膜とを備えてなるものである
から、以下に列挙する効果を有する。
機械的強度に優れ、取り扱いが容易である。
応答速度が速く、汚れによる応答速度の劣化が少な
い。
小型化容易で、少量の試料で測定可能である。
化学的に安定で、電極出力の長期的変動が少ない。
生産性に優れ、低価格化が可能である。
「使い捨て」が可能となり、電極の管理が不要であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、この発明の一実施例に係るイオン電極
の外観斜視図、第1図(b)は、同イオン電極の第1図
(a)中I b−I b線における断面図、第2図乃至第4図
は、同イオン電極の製造工程を説明する図で、第2図
(a)は、電極支持基板に作用電極を形成した状態を示
す斜視図、第2図(b)は、同電極支持基板の第2図
(a)中II b−II b線における要部断面図、第3図
(a)は、電極支持基板に溝を形成した状態を示す斜視
図、第3図(b)は、同電極支持基板の第3図(a)中
III b−III b線における要部断面図、第4図(a)は、
電極支持基板上に絶縁保護膜を形成した状態を示す斜視
図、第4図(b)は、同電極支持基板の第4図(a)中
IV b−IV b線における要部断面図、第5図は、実施例イ
オン電極に適用される測定系、第6図は、同イオン電極
の特性を示す図、第7図は、同イオン電極の変形例を示
す断面図である。 1:電極支持基板、2:作用電極、 2a:作用電極感応部、5:絶縁保護膜、 7:イオン選択性膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 聡 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地 サイエンスセンタービル 株式会社立石 ライフサイエンス研究所内 (72)発明者 滝澤 耕一 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地 サイエンスセンタービル 株式会社立石 ライフサイエンス研究所内 (56)参考文献 特開 平3−162660(JP,A) 特開 平3−163346(JP,A) 特開 平2−263150(JP,A) 特開 平2−266255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/30 - 27/333

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極支持基材と、この電極支持基材上に形
    成される窒化チタン電極と、その感応部を除いて窒化チ
    タン電極を被覆絶縁する絶縁膜と、少なくとも前記窒化
    チタン電極の感応部を被覆するイオン選択性膜とを備え
    てなるイオン電極。
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US8999125B2 (en) 2005-07-15 2015-04-07 Nipro Diagnostics, Inc. Embedded strip lot autocalibration
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