JP2860293B2 - 発熱体の水蒸発式冷却装置 - Google Patents

発熱体の水蒸発式冷却装置

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JP2860293B2
JP2860293B2 JP18407797A JP18407797A JP2860293B2 JP 2860293 B2 JP2860293 B2 JP 2860293B2 JP 18407797 A JP18407797 A JP 18407797A JP 18407797 A JP18407797 A JP 18407797A JP 2860293 B2 JP2860293 B2 JP 2860293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子機器や電力
機器に搭載されるLSIを中心とした電子部品を実装し
た電子基板やコンピュータ記憶装置等の冷却装置に関
し、特に電子部品やコンピュータ記憶装置からの発熱を
除去して温度上昇を抑制でき、さらには電子機器の最高
使用温度以上の環境下に設置しても正常動作できる小型
で冷却特性の優れた水蒸発式冷却装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器や電力機器に搭載される
LSIを中心とした電子部品を冷却する方法として、例
えば特開平6−21279号公報に記載されているよう
に、冷媒バッグとヒートパイプとを組み合わせてLSI
等の発熱部材からの発熱を熱放散する方法が採られてい
た。
【0003】図15は例えば特開平6−21279号公
報に記載された従来の伝熱装置を示す構成図である。図
において、保護用金属容器1はその底部に開孔部2が設
けられている。そして、冷媒バッグ3が保護用金属容器
1内の下部に収められている。この冷媒バッグ3は、ポ
リエチレン等の軟質プラスチック材よりなる円筒状のも
のの両端を、熱融着等の手段でシールした構成を有し、
その内部に作動液4が充填され、上部空間にはガスが充
満している。この冷媒バッグ3が保護用金属容器1内に
収められると、開孔部2から冷媒バッグ3の一部が突き
出し、LSI等の被冷却体8と接触する接触部5が形成
される。さらに、伝熱管6が冷媒バッグ3に包み込まれ
るようにして保護用金属容器1内に収納され、保護用金
属容器1から外部に突き出した伝熱管6の一端には放熱
フィン7が取り付けられている。なお、作動液4として
は、フロンやパーフロロカーボン(C614)等のハロ
ゲン系の溶媒が用いられる。
【0004】つぎに、従来の伝熱装置の動作について説
明する。まず、LSI等の被冷却体8に接触部5が接触
するように、伝熱装置を設置する。そして、被冷却体8
が発生する熱が、接触部5から作動液4に伝達される。
作動液4は、接触部5から伝達された熱によって蒸発す
る。そして、この蒸気は冷媒バッグ3の上部空間内を上
昇し、伝熱管6に接触している部位に達するとそこで伝
熱管6に熱を吸収されて凝縮し、液化して落下する。こ
の潜熱のやり取りを通して、熱が伝熱管6に吸収され
る。その後、熱は伝熱管6の一端に設けられた放熱フィ
ン7から放熱される。このような熱交換を繰り返すこと
により、被冷却体8が冷却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の伝熱装置は以上
のように構成されているので、放熱部の外周温度以下に
冷却することができないため、電子機器の最高使用温度
以上の環境では動作させることができず、使用環境が制
限されるという課題があった。また、作動液4としてフ
ロンやパーフロロカーボン等のハロゲン系の溶媒が用い
られているので、設備を廃却するときに、冷媒の回収が
環境保全上必要となるが、電子機器は一般に不特定多数
の市場を対象としているものが多く、その回収方法を解
決する必要があるという課題もあった。また、一般に電
子機器には小型化が必ず要求されるが、上述の伝熱装置
の構造では基板近傍での構成要素が多く、小型化という
課題に対しては解決を与えるものではなかった。また、
被冷却体8は冷媒バッグ3と機械的に接触する構造であ
るため、接触熱抵抗が大きくなり、ますます発熱密度が
大きくなってしまい、冷却特性の優れた冷却方法が要求
されるニーズに対しては十分な対応がとれないという課
題もあった。
【0006】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、発熱体を外周温度以下に冷却で
き、使用環境の制限がなく、環境保全に適した小型の水
蒸発式冷却装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る水蒸発式
冷却装置は、水を貯水する貯水ピット、一端が該貯水ピ
ットに貯水されている水に浸漬されて毛細管現象により
常に湿潤状態に維持され、かつ、発熱体に熱的に連結さ
れて該発熱体から熱を吸熱する含水層および該含水層の
表面に沿って空気を通気する通気路を有するヒートシン
クと、空気に含まれる水蒸気を凝縮して水溜に分離回収
するとともに低湿度の空気を得る減湿装置と、該減湿装
置で得られた低湿度の空気を貯蔵する空気ホルダと、こ
の空気ホルダ内の空気を上記減湿装置に導き、該減湿装
置で得られた低湿度の空気を該空気ホルダに戻す空気循
環経路と、この空気循環経路中に配設されて空気を空気
循環経路を循環させるファンと、上記空気ホルダと上記
ヒートシンクの吸気側とを連通する第1の細管と、上記
ヒートシンクの排気側と上記空気循環経路の上記減湿装
置の吸気側とを連通する第2の細管と、上記第2の細管
に配設されて、上記空気ホルダ内の空気を上記ヒートシ
ンクに圧送する空気圧縮機と、上記減湿装置の水溜に回
収された水を上記貯水ピットに返水する返水手段とを備
えたものである。
【0008】また、減湿装置は、電極が水素イオン導電
性の固体高分子電解質膜の両面にそれぞれ設けられ、さ
らに触媒層を該固体高分子電解質の両面にそれぞれ設け
られて電解反応面が構成された固体電解素子を立体状に
成形してなり、空気循環経路を循環する空気が陽極側の
電解反応面に沿って流通するように配設されて、陽極側
の電解反応面で該空気に含まれる水蒸気を消費して低湿
度の空気を得るとともに、陰極側の電解反応面で水蒸気
を生成する水蒸気交換モジュールと、この水蒸気交換モ
ジュールの陰極側の電解反応面側に配設されて、該陰極
側の電解反応面で生成された水蒸気を凝縮して水溜に分
離回収する水凝縮器と、上記電極を介して上記固体電解
素子に電圧を供給する直流電源とを備えたものである。
【0009】また、減湿装置は、水溜がヒートシンクの
貯水ピットに対して高所に位置するように配置されてい
るものである。
【0010】また、空気ホルダは密閉筐体で構成され、
発熱体およびヒートシンクが該密閉筐体内に収納されて
いるものである。
【0011】また、水を貯水する貯水ピット、一端が該
貯水ピットに貯水されている水に浸漬されて毛細管現象
により常に湿潤状態に維持され、かつ、密閉筐体内の空
気に熱的に連結されて該空気から熱を吸熱する含水層お
よび該含水層の表面に沿って空気を通気する通気路を有
する乾燥空気冷却用ヒートシンクが該密閉筐体内に収納
され、該密閉筐体内の空気を冷却するようにしたもので
ある。
【0012】また、複数のヒートシンクが空気ホルダお
よび減湿装置から空間距離的に分離して配置され、空気
圧縮機の吐出側に配設された第1の分岐回路から分岐さ
れた複数の第1の細管が複数のヒートシンクのそれぞれ
の吸気側に接続され、複数のヒートシンクのそれぞれの
排気側に接続された複数の第2の細管が第2の分岐回路
を介して1本に集合されて空気循環経路の減湿装置の吸
気側に連結されているものである。
【0013】また、複数のヒートシンクが少なくとも1
つの密閉箱体内に収納され、該密閉箱体に空気ホルダ内
の低湿度の空気を供給する乾燥空気管路を設けたもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る発
熱体の水蒸発式冷却装置を示すシステム構成図である。
図において、発熱体50Aは、コンピュータのCPUが
収納された箱体である。ヒートシンク51は、閉空間5
7を構成する筐体52、この筐体52を構成する内壁面
の一部(吸熱面)に布状体を貼り付けて形成された含水
層53および筐体52に形成された貯水ピット54を備
えている。そして、含水層53はその一部が貯水ピット
54に貯水されている水30に浸漬され、該水30を毛
細管現象により吸い上げて常に湿潤状態に維持されてい
る。この含水層53が形成された部位の筐体52の外壁
面が発熱体50Aに熱的に接合されている。また、筐体
52の含水層53を挟む両側壁面には、それぞれ吸気口
55と排気口56が設けられている。そして、図1中矢
印Aで示されるように、吸気口55を介して閉空間57
内に流入した乾燥空気が含水層53の表面に沿って流通
した後、排気口56を介して排出されるようになってい
る。ここで、筐体52は良熱伝導材料、例えば銅で作製
されている。
【0015】乾燥空気源61は、減湿装置65、空気ホ
ルダ66および空気循環機67が閉ループの空気循環経
路68を構成するように空気配管77により連結されて
構成されている。また、空気ホルダ66が金属製の細管
からなる第1の細管としての配管63aを介して筐体5
2の吸気口55に接続され、筐体52の排気口56が金
属製の細管からなる第2の細管としての配管63bを介
して空気循環機67の吸気側に連結されている。そし
て、空気圧縮機62が配管63aの経路中に配設され、
空気循環経路68内を循環する乾燥空気の一部を筐体5
2内に圧送するようになっている。また、減湿装置65
の底部が水ポンプ等の返水機構69および金属製の細管
からなる返水管70を介して筐体52の貯水ピット54
に連結されている。ここで、乾燥空気供給源61とヒー
トシンク51とは、必要に応じて空間距離的に離して配
置されている。また、空気ホルダ66は乾燥空気の蓄積
空間を構成する筐体である。また、返水機構69および
返水管70から返水手段が構成されている。
【0016】ここで、減湿装置65を冷媒圧縮式空気冷
却機で構成した場合のシステム構成を図2に示す。減湿
装置65は、冷媒圧縮機71、冷媒凝縮器72、膨張弁
73、冷媒蒸発器74、空気加熱器75およびこれらの
機器を連結して閉ループを形成する冷媒管路76から構
成されている。そして、空気循環機67によって循環さ
れる循環空気が冷媒蒸発器74と空気加熱器75の2次
側を流通するようになっている。冷媒がこの閉ループを
循環している。そして、この冷媒蒸発器74内の冷媒
は、冷媒圧縮機71で圧縮され、空気加熱器75を通っ
て冷媒凝縮器72に送り込まれる。圧縮された冷媒は、
冷媒凝縮器72で系外に熱QHを放熱して凝縮され、そ
の後膨張弁73で断熱自由膨張される。断熱自由膨張さ
れた冷媒は冷媒蒸発器74に送り込まれ、断熱自由膨張
する過程で発生する冷却作用による吸熱QLによって、
2次側を流れる空気が露点以下に冷却される。冷媒蒸発
器74の底部には水溜としてのドレーンポート78が設
けられ、2次側を流れる空気が冷却された時に、該空気
中に含まれる水分が凝縮されて得られる凝縮水がドレー
ンポート78に貯水される。そして、ドレーンポート7
8は返水機構69および返水管70を介して貯水ピット
54に連結され、凝縮水が逐次貯水ピット54に返水さ
れる。
【0017】つぎに、この実施の形態1による水蒸発式
冷却装置の冷却動作について説明する。空気循環機67
が駆動されると、循環空気は循環冷媒蒸発器74と空気
加熱器75の2次側を流通して空気循環経路68内を循
環する。そして、循環空気は、減湿装置65の循環冷媒
蒸発器74の2次側を流通する際に、露点以下に冷却さ
れる。この時、循環空気中に含まれる水分が凝縮され、
凝縮水としてドレーンポート78に貯水される。また、
露点以下に冷却された循環空気は、空気加熱器75の2
次側を流通する際に、常温まで加熱され、乾燥空気とし
て空気ホルダ66に蓄えられる。
【0018】この空気ホルダ66に蓄えられた乾燥空気
の一部は、空気圧縮機62の作用により、配管63aを
介して筐体52内に送り込まれる。筐体52内に送り込
まれた乾燥空気は、含水層53の表面に沿って流れ、含
水層53に含まれる水は露点温度にむかって温度降下を
起こす。例えば、図3に示す線図上で、入り口空気が温
度32℃、湿度20%(図3中の点Pに相当)の空気と
すると、この空気に接する水の温度は図3中直線PQに
沿って等エンタルピックに変化し、湿球温度TW=17
℃(図3中の点Qに相当)まで温度降下する。これは、
含水層53に含まれる水が乾燥空気中に蒸発し吸湿され
ることに起因するものであり、この水分蒸発時の蒸発潜
熱を奪われることによって温度が低下する。これによっ
て、含水層53が冷却され、この含水層53に熱的に連
結されている発熱体50Aから熱を吸熱し、発熱体50
を露点温度に向かって冷却する。含水層53の一端が筐
体52の貯水ピット54に貯液されている水30に浸漬
されているので、水30が毛細管現象の作用により含水
層53の全面に吸い上げられ、含水層53の表面から蒸
発された水分の補給が行われる。
【0019】含水層53の表面に沿って流れた空気は、
含水層53から蒸発した水分を吸湿して加湿され、筐体
52の排出口56から配管63bを介して空気循環機6
7の吸気側に送り込まれる。そして、筐体52から送り
込まれた空気は、空気ホルダ66から送り込まれた空気
と合流し、循環冷媒蒸発器74の2次側に流れ込む。蒸
発器74の2次側に流れ込んだ空気は、膨張弁73で断
熱自由膨張する過程で発生する冷却作用による吸熱QL
により、露点以下に冷却される。これによって、空気中
の水分が凝縮され、凝縮水となって蒸発器74のドレー
ンポート78に貯液される。このドレーンポート78に
貯液された凝縮水は返水機構69および返水管70を通
って筐体52の貯水ピット54に逐次回収される。蒸発
器74で水分を除去された空気は空気加熱器75に送り
込まれ、常温まで昇温されて乾燥空気となって空気ホル
ダ66に蓄えられる。ここで、空気循環経路68を循環
する乾燥空気は、筐体52から送り込まれる加湿空気と
合流しても、乾燥度が低下しないように、循環冷媒蒸発
器74の冷却能力が十分大きくされている。また、空気
が循環冷媒蒸発器74で十分に水を回収されずに空気ホ
ルダ66に送り込まれても、空気ホルダ66の容積が大
きいので、空気ホルダ66内に蓄積されている乾燥空気
の湿度の上昇が抑えられる。そこで、空気ホルダ66に
は十分に低湿度の空気が保持され、低湿度の空気がヒー
トシンク51に送気されるようになっている。
【0020】この実施の形態1では、冷媒として水を用
い、その蒸発によって発熱体50Aを冷却している。こ
こで、液体中に投入される熱流束と沸騰熱伝達との関係
を図4に示す。図4から、水の沸騰熱伝達が他の流体に
比べて大きいことがわかる。従って、単位面積当たりの
発熱量が大きい発熱体の冷却に対しては、水が最も有効
な冷媒といえる。また、この実施の形態1による冷却
は、空気の顕熱利用による冷却とは異なり、水の蒸発潜
熱によるものである。水の蒸発潜熱は、590Kcal
/kgと大きく、少ない冷媒循環量で大きな冷却効率が
得られる。また、空気の循環は、水の蒸発した水蒸気を
輸送する輸送媒体としてのみ作用しているので、風冷に
よる空気の比熱0.24Kcal/kg℃を利用した顕
熱利用による冷却方法に比べ、極端に風量が少なくてよ
い。従って、大きな通気路を形成する必要がなく、小型
化が可能となる。
【0021】このように、この実施の形態1によれば、
ヒートシンク51を構成する筐体52の内壁面の一部に
含水層53を形成し、含水層53が形成された部位の筐
体52の外壁面を発熱体50Aに熱的に連結し、乾燥空
気を含水層53の表面に沿って流し、含水層53内の水
を蒸発させて、水分蒸発時の蒸発潜熱を奪うことによっ
て水の温度を低下させているので、含水層53を外周温
度以下に冷却することができる。そこで、この水蒸発式
冷却装置は、電子機器の最高使用温度以上の環境でも動
作させることができ、使用環境が制限されることがな
い。また、冷媒として水を用いているので、フロンやパ
ーフロロカーボン等のハロゲン系の溶媒を用いた場合の
ように、冷媒の回収が環境保全上必要とならず、環境保
全上問題のない冷却装置が得られる。また、冷却機構が
水の蒸発潜熱によるものであるので、少ない冷媒循環量
で大きな冷却効率が得られる。さらに、空気の循環が、
蒸発した水蒸気を輸送する輸送媒体としてのみ作用して
いるので、極端に風量が少なくてよい。そこで、大容量
の空気循環機67や大きな通気路が必要とならず、冷却
装置の小型化が図られる。また、循環空気を循環冷媒蒸
発器74と空気加熱器75の2次側を流通させて空気循
環経路68内を循環させ、乾燥空気として空気ホルダ6
6に蓄え、空気ホルダ66に蓄えられた乾燥空気の一部
をヒートシンク51に送り込むようにしているので、空
気ホルダ66には十分に低湿度の空気が保持される。そ
こで、低湿度の空気が空気ホルダ66からヒートシンク
51に送気され、冷却効率を高めることができる。ま
た、配管63a、63bおよび返水管70が金属製の細
管で作製されているので、配管63a、63bおよび返
水管70が可撓性を有し、ヒートシンク51と乾燥空気
供給源61との接続が容易となる。そこで、ヒートシン
ク51の大きさ、個数、配置に拘わらず、ヒートシンク
51と乾燥空気供給源61とを簡易に接続できるように
なる。また、ヒートシンク51と乾燥空気供給源61と
が空間距離的に分離しているので、発熱体を含む機器配
置の自由度を広げることができる。
【0022】なお、上記実施の形態1では、含水層53
として布状体を敷設するものとしているが、該含水層5
3は布状体に限らず毛細管現象により水を吸い上げる機
能を有していればよく、例えば不織布、多孔質体、網状
体を敷設してもよい。
【0023】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2に係る発熱体の水蒸発式冷却装置を示すシステム構
成図である。図において、第1および第2の分流回路7
9a、79bが空気圧縮機62の吐出側および空気循環
機67の吸気側にそれぞれ配設されている。そして、空
気ホルダ66に蓄えられている乾燥空気が第1の分流回
路79aにより複数のヒートシンク51a、51b・・
・51xに送り込まれ、複数のヒートシンク51a、5
1b・・・51xを流通した後、第2の分流回路79b
により集合されて空気循環機67に送り込まれるように
構成されている。なお、他の構成は上記実施の形態1と
同様に構成されている。
【0024】この実施の形態2によれば、1台の乾燥空
気供給源61により複数のヒートシンク51a、51b
・・・51xに乾燥空気を供給することができ、多数の
発熱体50Aを一度に冷却することができる。
【0025】実施の形態3.図6はこの発明の実施の形
態3に係る発熱体の水蒸発式冷却装置を示すシステム構
成図、図7はこの発明の実施の形態3に係る発熱体の水
蒸発式冷却装置に適用される発熱体の構造を示す断面図
である。図6において、発熱体50Bは例えば図7に示
されるように電子基板58上にLSI、抵抗体等の電子
部品59が実装されたもので、その表面に防水層60と
含水層53とが形成されている。この防水層60は例え
ば電気絶縁ワニス等の誘電率が低く、透水性がなく、か
つ、電気絶縁性の良好な材料を塗布して形成されてい
る。そして、防水層60は水の浸透を防止できる最小膜
厚に成膜されて、熱抵抗を高めないように構成されてい
る。また、この含水層53は、発熱体50Bの凹凸面を
均等に覆うように形成されている。
【0026】ここで、防水層60は、水の浸透を防止す
るために、薄い電気絶縁塗膜を塗布形成し、その上に熱
良導性塗膜を塗布形成した2重塗膜構造としてもよい。
あるいはさらにその上に金属層を成膜した多重膜構造と
してもよい。また、電気絶縁塗膜の上に金属層を成膜し
てもよい。また、防水層60の最外層に撥水性の材料を
塗布し、防水層60の表面を撥水処理するようにしても
よい。この含水層53は、図3に示されるように、発熱
体の凹凸面でも均等に覆うように形成されている。な
お、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されてい
る。
【0027】このように構成された実施の形態3におい
ても、含水層53を発熱体50Bの表面に形成し、乾燥
空気を含水層53の表面に沿って流し、含水層53内の
水を蒸発させて、水分蒸発時の蒸発潜熱を奪うことによ
って水の温度を低下させているので、上記実施の形態1
と同様の効果が得られる。また、防水層60は、透水性
がなく、電気絶縁性の良好な材料を塗布して形成されて
いるので、発熱体50Bの表面状態に拘わらず発熱体5
0B表面に簡易に成膜することができる。そこで、冷却
に寄与する水が防水層60により発熱体50Bに達する
ことが確実に防止でき、発熱体50Bの安定した動作を
保証することができる。また、含水層53を防水層60
を介して発熱体50Bの表面に設けることができるの
で、接触熱抵抗が小さくなり、優れた冷却特性が得られ
る。
【0028】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4に係る水蒸発式冷却装置を示すシステム構成図であ
る。図において、乾燥空気供給源61は、固体電解素子
を用いた水蒸気交換モジュール80、固体電解素子に電
力を供給する直流電源87、空気ホルダ66および水凝
縮器83等から構成されている。そして、水蒸気交換モ
ジュール80、直流電源87および水凝縮器83等から
減湿装置を構成している。空気ホルダ66は通気ダクト
86a、86bを介して水蒸気交換モジュール80の一
側(陽極側)に連結され、図中Cで示される空気循環経
路が構成されている。そして、ファン81が通気ダクト
86aに配設され、空気を空気循環経路中を強制的に循
環できるようになっている。また、ヒートシンク51の
吸気口55が配管63aを介して空気ホルダ66に接続
され、排気口56が配管63bを介してファン81の吸
気側に接続されている。水凝縮器83は通気ダクト84
a、84bを介して水蒸気交換モジュール80の他側
(陰極側)に連結され、図中Bで示される循環経路が構
成されている。そして、ファン82が通気ダクト84a
に配設され、空気を循環経路中を強制的に循環できるよ
うになっている。凝縮水を集水する水溜85が通気ダク
ト84bの底部に形成されている。そして、水溜85が
返水機構69および返水管70を介してヒートシンク5
1の貯水ピット54に接続されている。
【0029】ここで、水蒸気交換モジュール80に適用
される固体電解素子の基本構造について図9を参照しつ
つ説明する。固体電解素子88は、水素イオン(プロト
ン)を選択的に通過させる固体高分子電解質膜89を挟
持するように電解反応を促進する触媒層90を介して陽
極91および陰極92を配置し、それらを熱圧接して複
合膜状に形成されている。固体高分子電解質膜89とし
ては、例えばナフィオン(Du Pont社登録商標)膜など
が用いられる。また、陽極91および陰極92の電極材
としては、白金メッキが施されたエキスパンドメタルが
用いられる。なお、陰極92の電極材として、炭素繊維
の不織布を用いることもできる。
【0030】ついで、水蒸気交換モジュール80の構造
について図10を参照しつつ説明する。枠体93は、導
体95がコの字状に成形された絶縁支持枠94の開口部
を挟む両辺にそれぞれ配設されて構成されている。そし
て、固体電解素子88は、陽極91と陰極92とが帯状
の固体高分子電解質膜89を挟んで互いに相対するよう
に、かつ、固体高分子電解質膜89の長さ方向に所定間
隔毎に配置されている。そして、陽極91は、固体高分
子電解質膜89の幅方向の一側に延出され、一方陰極9
2は固体高分子電解質膜89の幅方向の他側に延出され
ている。そして固体電解素子88は、開口部が上下に交
互に向くように配列された各枠体93の開口部と相対す
る辺の外周で折り返され、隣り合う枠体93で挟持され
てコルゲート状に、即ち立体状に成形されている。ま
た、各陽極91は隣り合う枠体93の一側の導体95に
電気的に接続され、各陰極92は隣り合う枠体93の他
側の導体95に電気的に接続されている。そして、一対
の給電母線96a、96bが枠体93の積層体の両側に
配設され、導体95を介して固体電解素子88に給電で
きるようになっている。このように構成された水蒸気交
換モジュール80は、図示していないが、陽極側の閉空
間と陰極側の閉空間とに画成するように缶体内に配設さ
れている。そして、空気ホルダ66が通気ダクト86
a、86bを介して陽極側の閉空間に連結され、水凝縮
器83が通気ダクト84a、84bを介して陰極側の閉
空間に連結されている。
【0031】つぎに、このように構成された水蒸発式冷
却装置の冷却動作について説明する。ファン81が駆動
されると、空気ホルダ66内の空気およびヒートシンク
51内の空気が通気ダクト86aおよび配管63bを介
して水蒸気交換モジュール80の陽極側の閉空間内に送
り込まれる。そして、該陽極側の閉空間内に送り込まれ
た空気は、水蒸気交換モジュール80の陽極側の電解反
応面に沿って流れ、その後通気ダクト86bを介して空
気ホルダ66内に戻される。空気ホルダ66内の空気の
一部は、空気圧縮機62により配管63aを介してヒー
トシンク51内に送り込まれる。このようにして、空気
ホルダ66内の空気の殆どが図8中Cで示される空気循
環経路を循環し、その一部がヒートシンク51に送り込
まれることになる。
【0032】ここで、直流電源87から水蒸気交換モジ
ュール80の陽極91と陰極92との間に電力が供給さ
れる。水蒸気交換モジュール80の陽極側の電解反応面
では、空気中に含まれる水が電気分解されて、式(1)
に示す反応により、水分子が分解されて酸素が発生され
る。 陽極側: 2H2O→O2+4H++4e- 式(1) さらに、水素イオンに同伴して1〜3分子の複数の水分
子が陽極側から固体高分子電解質膜89を通って陰極側
に移動する。そこで、陽極側では水分子が消費され、さ
らに水素イオンに同伴して水分子が陰極側に移動するた
め、水蒸気交換モジュール80の陽極側の電解反応面に
沿って流れた空気は除湿されて乾燥空気となって空気ホ
ルダ66に戻される。この乾燥空気の一部が空気ホルダ
66を介してヒートシンク51に送り込まれ、含水層5
3の表面に沿って流れ、含水層53の表面から水分を蒸
発させる。この乾燥空気は含水層53の表面から蒸発し
た水蒸気を含み、加湿されて水蒸気交換モジュール80
の陽極側の閉空間内に戻される。含水層53は、水の蒸
発の過程で冷却され、含水層53と熱的に接続されてい
る発熱体50Aあるいは発熱体50Bが冷却される。
【0033】上述の水の電気分解で生成された水素イオ
ン(H+)は固体高分子電解質膜89を通って陰極92
に達する。一方、水の電気分解で生成された電子
(e-)は外部回路を通って陰極92に達する。そし
て、式(2)に示す反応により、陰極側では、酸素が消
費されて水が生成される。 陰極側: O2+4H++4e-→2H2O 式(2) これによって、水蒸気交換モジュール80の陰極側の閉
空間内の空気は加湿され、飽和空気となる。そして、フ
ァン82が駆動されると、空気は、図8中Bで示される
循環経路内を循環する。そして、飽和空気は、水凝縮器
83の冷却面で冷却ファンの作用により外気に熱QHを
放熱することによって冷却されて、該空気中に含まれる
水蒸気は凝縮されて凝縮水となって水溜85に滴下し貯
液される。水溜85に貯液された水は返水機構69およ
び返水管70を介して逐次貯水ピット54に戻され、含
水層53から蒸発した水の補給に供される。
【0034】上記実施の形態1では、冷媒圧縮機71、
冷媒凝縮器72、膨張弁73、蒸発器74および空気加
熱器75と、これらの機器を連結して閉ループを形成す
る冷媒管路76等からなる減湿装置65を減湿手段に用
いている。そこで、上記実施の形態1では装置が大型化
してしまい、熱負荷が数百ワット以上の大型電子機器の
冷却に適用できるものの、発熱量が数十ワット以下の小
型の機器に対しては減湿装置65が発熱体を含む設備装
置より大きくなってしまい、適用できなかった。しかし
ながら、この実施の形態4によれば、陽極91および陰
極92が水素イオン導電性の固体高分子電解質膜89の
両面に触媒層90を介して形成された固体電解素子88
からなる水蒸気交換モジュール80を減湿手段に用いて
いるので、発熱量が数十ワット以下の機器に対して適用
できる小型の減湿手段が得られる。また、水蒸気交換モ
ジュール80は、固体電解素子88を立体状に成形して
いるので、単位面積当たりの電解反応面積が大きくな
り、冷却効率を向上させることができるとともに、小型
化を図ることができる。
【0035】実施の形態5.この実施の形態5では、図
11に示されるように、水蒸気交換モジュール80がそ
の陽極側の閉空間を収納ボックス97内に挿入するよう
に収納ボックス97の上部側に取り付けられている。そ
して、通気ダクト86a、86bが水蒸気交換モジュー
ル80にその陽極側の閉空間と収納ボックス97内とを
連通するように取り付けられている。ファン81が通気
ダクト86aの開口側に取り付けられている。ヒートシ
ンク51、51aが収納ボックス97内に収納され、ヒ
ートシンク51には発熱体50Aが熱的に接続されてい
る。また、ヒートシンク51aの外壁面には中空の冷却
フィン98が設けられている。この冷却フィン98は通
気ダクト86bの開口に連結され、通気ダクト86bを
介して排気された空気が冷却フィン98中を流通して収
納ボックス97内に流出されるようになっている。配管
63aは、その一端が収納ボックス97内に延出し、他
端がヒートシンク51、51aの各吸気口55に連結さ
れている。そして、空気圧縮機62が配管63aの経路
中に配設されている。また、配管63bは、その一端が
ヒートシンク51、51aの各排気口56に、他端が通
気ダクト86aに連結されている。また、通気ダクト8
4bの底部に設けられた水溜85が返水手段としての返
水管70および自動給水制御機構100を介してヒート
シンク51、51aの各貯水ピット54に接続されてい
る。ここで、収納ボックス97は密閉筐体で構成され、
空気ホルダとして機能する。また、ヒートシンク51a
は収納ボックス97内の空気を冷却する乾燥空気冷却用
ヒートシンクとして機能する。なお、他の構成は上記実
施の形態4と同様に構成されている。
【0036】ここで、自動給水制御機構100の構成に
ついて図12を参照しつつ説明する。自動給水制御機構
100は、浮子100bが筐体100a内に収納されて
構成されている。そして、返水管70が筐体100aの
上部に連結されている。また、配管100cが筐体10
0aの下部側とヒートシンクの貯水ピット54とを連通
している。さらに、浮子100bには弁体100dが設
けられ、筐体100aの返水管70の連結部に弁座10
0eが設けられている。この自動給水制御機構100で
は、貯水ピット54に貯水されている水30の水位に合
わせて筐体100a内の水位が変動する。即ち、貯水ピ
ット54に貯水されている水30の水位に合わせて、浮
子100bが上下動する。そして、貯水ピット54の貯
水量が多いと、浮子100bが上昇し、弁体100dが
弁座100eに係合している。そこで、返水管70を介
しての凝縮水の流入が阻止される。また、貯水ピット5
4の貯水量が所定量以下となると、浮子100bが下降
し、弁体100dが弁座100eから離れる。そこで、
凝縮水が返水管70を介して筐体100a内に流入し、
さらに配管100cを介して貯水ピット54に流入す
る。このように、自動給水制御機構100は、貯水ピッ
ト54の貯水量が所定量以下となると自動的に凝縮水を
貯水ピット54に補給している。そこで、貯水ピット5
4内の水30が枯渇したり、あるいは溢れ出たりして、
ヒートシンクの冷却性能を阻害するような事故が未然に
阻止される。
【0037】この実施の形態5では、ファン81が駆動
されると、収納ボックス97内の空気が通気ダクト86
aを介して水蒸気交換モジュール80の陽極側の閉空間
内に送り込まれる。そして、該陽極側の閉空間内に送り
込まれた空気は、水蒸気交換モジュール80の陽極側の
電解反応面に沿って流れ、その後通気ダクト86bおよ
び冷却フィン98を介して収納ボックス97内に戻さ
れ、図11中Dで示される空気循環経路を循環する。ま
た、空気圧縮機62が駆動されると、収納ボックス97
内の空気が配管63aを介してヒートシンク51、51
a内に送り込まれる。そして、空気はヒートシンク5
1、51a内の含水層53の表面に沿って流れ、含水層
53中から水の蒸発を促し、その水の蒸発によって加湿
される。この加湿された空気は、配管63bを介して通
気ダクト86aに送り込まれ、ファン81により吸気さ
れた収納ボックス97内の空気と合流して、水蒸気交換
モジュール80の陽極側の閉空間内に送り込まれる。こ
の時、含水層53は水の蒸発時に蒸発潜熱を奪われて温
度が低下し、冷却される。そして、ヒートシンク51に
熱的に接続されている発熱体50Aが冷却されるととも
に、ヒートシンク51aに設けられた冷却フィン98が
冷却される。
【0038】ここで、水蒸気交換モジュール80の陽極
側の閉空間内に送り込まれた空気は、陽極側の電解反応
面に沿って流れる際に、空気中の水蒸気が電気分解され
て除去され、乾燥空気となって通気ダクト63bから排
出される。そして、空気中の水蒸気は水蒸気交換モジュ
ール80の陰極側の閉空間に移動され、図11中Bで示
される循環経路を循環する際に凝縮され、凝縮水として
水溜85に貯水される。そして、水溜85に貯水された
凝縮水は返水管70および自動給水制御機構100を介
してヒートシンク51、51aの各貯水ピット54に戻
される。また、通気ダクト63bから排出された乾燥空
気は、ヒートシンク51aにより冷却された冷却フィン
98中を流通して温度降下されて収納ボックス97内に
排出される。
【0039】この実施の形態5によれば、発熱体50A
を乾燥空気で満たされた収納ボックス97内に収納して
いるので、外周温度変化による結露が防止でき、結露に
伴う電子機器の動作不良の発生を未然に防止することが
できる。さらに、収納ボックス97内の乾燥空気が低温
に冷却されるので、外周温度が機器の許容動作温度以上
の高温下でも正常動作できる温度環境を確保することが
できる。そこで、冷却装置を屋外に設置して使用するよ
うな場合にも、電子機器の正常動作を確保して発熱体を
冷却することができる。また、水溜85がヒートシンク
51、51aの各貯水ピット54に対して高い位置に配
置されているので、水が高低差により返水管70を介し
て各貯水ピット54に返水され、水ポンプ等の返水機構
が不要となり、システムの簡素化および構成機器の簡略
化が図られる。また、自動給水制御機構100が各貯水
ピット54に配置されているので、貯水ピット54内の
水30が枯渇したり、溢れ出たりせず、常に一定の貯水
量が確保され、良好な冷却性能を維持できる。なお、水
30が枯渇した場合には、含水層53に水が補給され
ず、含水層53の表面からの水の蒸発が行われなくな
り、冷却性能が得られなくなる。また、水30が溢れ出
した場合には、乾燥空気の通気路が塞がれ、冷却性能が
得られなくなる。
【0040】実施の形態6.上記実施の形態5では、配
管63a、63bをヒートシンク51aの吸気口55お
よび排出口56に接続し、ヒートシンク51aの通気を
空気圧縮機62により行わせるものとしているが、この
実施の形態6では、図13に示されるように、ヒートシ
ンク51aの吸気口55および排出口56に接続されて
いる配管63a、63bを取り外し、ヒートシンク51
aに対する通気をファン81によって行わせるものと
し、同様の効果を奏する。
【0041】実施の形態7.この実施の形態7では、図
14に示されるように、ヒートシンク51a、51b・
・・51xが密閉箱体102内に収納されている。そし
て、密閉箱体102と空気ホルダ66とが乾燥空気管路
としての配管103、104で連結され、空気圧縮機1
05が配管103に配設されている。ここで、図示して
いないが、発熱体もヒートシンク51a、51b・・・
51xに熱的に連結されて密閉箱体102内に収納され
ている。なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構
成されている。
【0042】この実施の形態7では、空気圧縮機105
を作動させることにより、空気ホルダ66内の乾燥空気
が配管103を介して密閉箱体102内に圧送され、密
閉箱体102内を流通した後、配管104を介してファ
ン67の吸気側に戻される。この密閉箱体102内は乾
燥空気により充満され、発熱体が乾燥空気の雰囲気中に
配設されている。そこで、外周温度変化による結露が防
止でき、結露に伴う電子機器の動作不良の発生を未然に
防止することができる。また、電子機器が塵や雨から遮
断され、電気的に劣悪な環境状態でも正常動作を確保で
きる。従って、屋外に設置された電子機器に対しても、
電子機器の正常動作を確保して発熱体を冷却することが
できる。
【0043】なお、上記実施の形態7では、複数のヒー
トシンク51a、51b・・・51xを1つの密閉箱体
102内に収納するものとしているが、複数個の密閉箱
体102を用意し、各密閉箱体102に少なくとも1つ
のヒートシンクを収納するようにしてもよい。この場
合、各密閉箱体102に乾燥空気を供給することにな
る。また、上記実施の形態7では、密閉箱体102に乾
燥空気を供給するために配管103、104および空気
圧縮機105を配設するものとしているが、第1の分岐
回路79aから分岐された乾燥空気を密閉箱体102に
供給し、第2の分岐回路79bを介してファン67の吸
気側に戻すようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0045】この発明によれば、水を貯水する貯水ピッ
ト、一端が該貯水ピットに貯水されている水に浸漬され
て毛細管現象により常に湿潤状態に維持され、かつ、発
熱体に熱的に連結されて該発熱体から熱を吸熱する含水
層および該含水層の表面に沿って空気を通気する通気路
を有するヒートシンクと、空気に含まれる水蒸気を凝縮
して水溜に分離回収するとともに低湿度の空気を得る減
湿装置と、該減湿装置で得られた低湿度の空気を貯蔵す
る空気ホルダと、この空気ホルダ内の空気を上記減湿装
置に導き、該減湿装置で得られた低湿度の空気を該空気
ホルダに戻す空気循環経路と、この空気循環経路中に配
設されて空気を空気循環経路を循環させるファンと、上
記空気ホルダと上記ヒートシンクの吸気側とを連通する
第1の細管と、上記ヒートシンクの排気側と上記空気循
環経路の上記減湿装置の吸気側とを連通する第2の細管
と、上記第2の細管に配設されて、上記空気ホルダ内の
空気を上記ヒートシンクに圧送する空気圧縮機と、上記
減湿装置の水溜に回収された水を上記貯水ピットに返水
する返水手段とを備えたので、発熱体を外周温度以下に
冷却でき、使用環境の制限がなく、環境保全に適した小
型の水蒸発式冷却装置が得られる。
【0046】また、減湿装置は、電極が水素イオン導電
性の固体高分子電解質膜の両面にそれぞれ設けられ、さ
らに触媒層を該固体高分子電解質の両面にそれぞれ設け
られて電解反応面が構成された固体電解素子を立体状に
成形してなり、空気循環経路を循環する空気が陽極側の
電解反応面に沿って流通するように配設されて、陽極側
の電解反応面で該空気に含まれる水蒸気を消費して低湿
度の空気を得るとともに、陰極側の電解反応面で水蒸気
を生成する水蒸気交換モジュールと、この水蒸気交換モ
ジュールの陰極側の電解反応面側に配設されて、該陰極
側の電解反応面で生成された水蒸気を凝縮して水溜に分
離回収する水凝縮器と、上記電極を介して上記固体電解
素子に電圧を供給する直流電源とを備えたので、小型化
が図られ、発熱量が数十ワット以下の小型の発熱体に対
して適用できる。
【0047】また、減湿装置は、水溜がヒートシンクの
貯水ピットに対して高所に位置するように配置されてい
るので、水ポンプ等の動力を用いることなく、重力によ
り水溜から貯水ピットに水を返水でき、構成の簡素化が
図られる。
【0048】また、空気ホルダは密閉筐体で構成され、
発熱体およびヒートシンクが該密閉筐体内に収納されて
いるので、塵や雨、さらには温度変化を受ける屋外等の
電気的な劣悪な環境状態でも、発熱体を含む機器を正常
な動作を確保しつつ、該発熱体を冷却することができ
る。
【0049】また、水を貯水する貯水ピット、一端が該
貯水ピットに貯水されている水に浸漬されて毛細管現象
により常に湿潤状態に維持され、かつ、密閉筐体内の空
気に熱的に連結されて該空気から熱を吸熱する含水層お
よび該含水層の表面に沿って空気を通気する通気路を有
する乾燥空気冷却用ヒートシンクが該密閉筐体内に収納
され、該密閉筐体内の空気を冷却するようにしたので、
発熱体を低温の雰囲気中に維持でき、発熱体を含む機器
の許容動作温度以上の高温下でも、正常動作を確保しつ
つ、発熱体を冷却することができる。
【0050】また、複数のヒートシンクが空気ホルダお
よび減湿装置から空間距離的に分離して配置され、空気
圧縮機の吐出側に配設された第1の分岐回路から分岐さ
れた複数の第1の細管が複数のヒートシンクのそれぞれ
の吸気側に接続され、複数のヒートシンクのそれぞれの
排気側に接続された複数の第2の細管が第2の分岐回路
を介して1本に集合されて空気循環経路の減湿装置の吸
気側に連結されているので、減湿装置および空気ホルダ
から構成される1基の乾燥空気供給源により複数のヒー
トシンクを一括して作動させることができる。
【0051】また、複数のヒートシンクが少なくとも1
つの密閉箱体内に収納され、該密閉箱体に空気ホルダ内
の低湿度の空気を供給する乾燥空気管路を設けたので、
塵や雨、さらには温度変化を受ける屋外等の電気的な劣
悪な環境状態でも、発熱体を含む機器を正常な動作を確
保しつつ、該発熱体を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る水蒸発式冷却
装置を示すシステム構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る水蒸発式冷却
装置に適用される減湿装置を冷媒圧縮式空気冷却機で構
成した場合のシステム構成図である。
【図3】 この発明に係る水蒸発式冷却装置の冷却原理
を説明する図である。
【図4】 この発明に係る水蒸発式冷却装置の冷却効果
を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る水蒸発式冷却
装置を示すシステム構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る水蒸発式冷却
装置を示すシステム構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る水蒸発式冷却
装置に適用される発熱体の構成を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る水蒸発式冷却
装置を示すシステム構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に係る水蒸発式冷却
装置に用いられる水蒸気交換モジュールを構成する固体
電解素子の基本構造を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る水蒸発式冷
却装置に用いられる水蒸気交換モジュールの構造を説明
する斜視図である。
【図11】 この発明の実施の形態5に係る水蒸発式冷
却装置を示すシステム構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態5に係る水蒸発式冷
却装置に適用される自動給水制御機構の構成を示す断面
図である。
【図13】 この発明の実施の形態6に係る水蒸発式冷
却装置を示すシステム構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態7に係る水蒸発式冷
却装置を示すシステム構成図である。
【図15】 従来の伝熱装置を示す構成図である。
【符号の説明】
30 水、50A、50B 発熱体、51 ヒートシン
ク、51a ヒートシンク(乾燥空気冷却用ヒートシン
ク)、53 含水層、54 貯水ピット、62空気圧縮
機、63a 配管(第1の細管)、63b 配管(第2
の細管)、65 減湿装置、66 空気ホルダ、67
ファン、68 空気循環経路、69返水機構(返水手
段)、70 返水管(返水手段)、78 ドレーンポー
ト(水溜)、79a 第1の分岐回路、79b 第2の
分岐回路、80 水蒸気交換モジュール(現湿装置)、
83 水凝縮器(減湿装置)、85 水溜、87 直流
電源(減湿装置)、88 固体電解素子、89 固体高
分子電解質膜、90 触媒、91 陽極、92 陰極、
97 収納ボックス(密閉筐体)、100 自動給水制
御機構(返水手段)、102 密閉箱体、103、10
4 配管(乾燥空気管路)、C、D 空気循環経路。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を貯水する貯水ピット、一端が該貯水
    ピットに貯水されている水に浸漬されて毛細管現象によ
    り常に湿潤状態に維持され、かつ、発熱体に熱的に連結
    されて該発熱体から熱を吸熱する含水層および該含水層
    の表面に沿って空気を通気する通気路を有するヒートシ
    ンクと、空気に含まれる水蒸気を凝縮して水溜に分離回
    収するとともに低湿度の空気を得る減湿装置と、該減湿
    装置で得られた低湿度の空気を貯蔵する空気ホルダと、
    この空気ホルダ内の空気を上記減湿装置に導き、該減湿
    装置で得られた低湿度の空気を該空気ホルダに戻す空気
    循環経路と、この空気循環経路中に配設されて空気を空
    気循環経路を循環させるファンと、上記空気ホルダと上
    記ヒートシンクの吸気側とを連通する第1の細管と、上
    記ヒートシンクの排気側と上記空気循環経路の上記減湿
    装置の吸気側とを連通する第2の細管と、上記第2の細
    管に配設されて、上記空気ホルダ内の空気を上記ヒート
    シンクに圧送する空気圧縮機と、上記減湿装置の水溜に
    回収された水を上記貯水ピットに返水する返水手段とを
    備えたことを特徴とする水蒸発式冷却装置。
  2. 【請求項2】 減湿装置は、電極が水素イオン導電性の
    固体高分子電解質膜の両面にそれぞれ設けられ、さらに
    触媒層を該固体高分子電解質の両面にそれぞれ設けられ
    て電解反応面が構成された固体電解素子を立体状に成形
    してなり、空気循環経路を循環する空気が陽極側の電解
    反応面に沿って流通するように配設されて、陽極側の電
    解反応面で該空気に含まれる水蒸気を消費して低湿度の
    空気を得るとともに、陰極側の電解反応面で水蒸気を生
    成する水蒸気交換モジュールと、この水蒸気交換モジュ
    ールの陰極側の電解反応面側に配設されて、該陰極側の
    電解反応面で生成された水蒸気を凝縮して水溜に分離回
    収する水凝縮器と、上記電極を介して上記固体電解素子
    に電圧を供給する直流電源とを備えたことを特徴とする
    請求項記載1の水蒸発式冷却装置。
  3. 【請求項3】 減湿装置は、水溜がヒートシンクの貯水
    ピットに対して高所に位置するように配置されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の水蒸発式
    冷却装置。
  4. 【請求項4】 空気ホルダは密閉筐体で構成され、発熱
    体およびヒートシンクが該密閉筐体内に収納されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の水蒸発式冷却装置。
  5. 【請求項5】 水を貯水する貯水ピット、一端が該貯水
    ピットに貯水されている水に浸漬されて毛細管現象によ
    り常に湿潤状態に維持され、かつ、密閉筐体内の空気に
    熱的に連結されて該空気から熱を吸熱する含水層および
    該含水層の表面に沿って空気を通気する通気路を有する
    乾燥空気冷却用ヒートシンクが該密閉筐体内に収納さ
    れ、該密閉筐体内の空気を冷却するようにしたことを特
    徴とする請求項4記載の水蒸発式冷却装置。
  6. 【請求項6】 複数のヒートシンクが空気ホルダおよび
    減湿装置から空間距離的に分離して配置され、空気圧縮
    機の吐出側に配設された第1の分岐回路から分岐された
    複数の第1の細管が複数のヒートシンクのそれぞれの吸
    気側に接続され、複数のヒートシンクのそれぞれの排気
    側に接続された複数の第2の細管が第2の分岐回路を介
    して1本に集合されて空気循環経路の減湿装置の吸気側
    に連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載の水蒸発式冷却装置。
  7. 【請求項7】 複数のヒートシンクが少なくとも1つの
    密閉箱体内に収納され、該密閉箱体に空気ホルダ内の低
    湿度の空気を供給する乾燥空気管路を設けたことを特徴
    とする請求項6記載の水蒸発式冷却装置。
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