JP2860003B2

JP2860003B2 - 偽造防止用紙

Info

Publication number: JP2860003B2
Application number: JP4194829A
Authority: JP
Inventors: 勇田中
Original assignee: KYOWA TOKUSHU INSATSU KK
Current assignee: KYOWA TOKUSHU INSATSU KK
Priority date: 1992-06-29
Filing date: 1992-06-29
Publication date: 1999-02-24
Anticipated expiration: 2014-02-24
Also published as: JPH0617400A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、小切手、手形、預金証
書、預金の残高証明書、質権設定書、身分証明書、パス
ポート、住民票、戸籍謄本、印鑑証明書、株券、債券、
納税証明書等の偽造を防止するための偽造防止用紙に係
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、小切手、手形等の、一定の経済的
価値を有する事項を記載した記載書面、または、預金証
書、銀行の預金残高証明書、質権設定書、身分証明書、
パスポート、住民票、戸籍謄本、印鑑証明書、株券、債
券、納税証明書等の、一定の事実を証明する事項を記載
した記載書面が近年大量に用いられ、また社会の経済的
流通秩序、法秩序を維持する上で、極めて重要な役割を
果している。

【０００３】また一方、最近では、カラーコピー機、簡
易印刷機等の飛躍的技術の進歩により、極めて精巧で品
質が良く、しかも廉価な製品が販売されている。その結
果、上記のごとき一定の経済的価値を有する記載事項を
表示した記載書面、もしくは一定の事実を証明する事実
を記載した記載書面を、特殊な技術を有しない者が、極
めて安易に偽造する事件が多発している。

【０００４】そして、このような偽造犯罪を防止する手
段としては、記載事項の一部を、紫外線ランプを照射し
た場合のみ発色する、特殊インキを用いて表示し、コピ
ーしたものは発色しないものが用いられている。

【０００５】また、特開昭６３−１８２４９号公報記載
の発明の如く、紙層形成物内に、触覚により識別できる
三次元形状を完全に埋設したものが知られている。

【０００６】また、実開平１−１６４７９９号公報記載
の考案の如く、用紙の表面に文字あるいは記号等から変
換した規則性のある特殊形状を表示したものが知られて
いる。

【０００７】また、実開平３−８７２８１号公報記載の
考案の如く、プラスチックカードの写真部分にエンボス
加工を施すものが知られている。

【０００８】また、実開昭６３−８７０５９号公報記載
の考案の如く、少なくとも一面に透明フイルムを接着し
たカードにエンボス加工を施すものが知られている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特殊イ
ンキを用いる方法は、記載書面を長期間保存した場合
に、変色、褪色等を生じ信頼性に問題が有るものであっ
た。また、真偽の確認に紫外線ランプが必要となり、ど
こでも簡易に判定できず、確認に手数を要するものであ
った。

【００１０】また更には、記載書面に精密な模様等を表
示して、偽造の防止を図ることも従来行われている。し
かし、近年のカラーコピー機、簡易印刷機等の技術の進
歩は著しく、特定の技術を必要とする事なく、記載書面
を極めて容易に、しかも極めて精密にコピーして偽造す
ることが可能となっている。

【００１１】また、特開昭６３−１８２４９号公報記載
の発明の如く、紙層形成物内に、触覚により識別できる
三次元形状を完全に埋設したものに於いては、偽造防止
効果は高いものの、構成が複雑で高価なものとなるし、
既存の用紙に付加して使用することはできないものであ
る。

【００１２】また、実開平１−１６４７９９号公報記載
の考案の如く、用紙の表面に文字あるいは記号等から変
換した規則性のある特殊形状を表示したものに於いて
は、この考案を実施するのに極めて複雑な装置を必要と
し、製造を高価なものとすると共に既存の用紙に付加し
て使用することはできないものである。。

【００１３】また、実開平３−８７２８１号公報記載の
考案の如く、プラスチックカードの写真部分にエンボス
加工を施すものに於いては、プラスチックカードに実施
が限定されるとともに既存の用紙に付加して使用するこ
とはできないものである。

【００１４】また、実開昭６３−８７０５９号公報記載
の考案の如く、少なくとも一面に透明フイルムを接着し
たカードにエンボス加工を施すものに於いても、既存の
用紙に付加して使用することはできないものである。

【００１５】また、上記のいずれの従来例も製造時の加
工に於いて施すことが可能なものであり、既存の用紙に
施すことはできないと共に大量生産を前提とするもので
あり、数枚、数十枚程度の少量の使用は出来ないもので
あった。

【００１６】本発明は、上述のごときカラーコピー機若
しくは簡易印刷機による偽造犯罪を防止しながら、簡易
で廉価な製造を可能にしようとするものである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、一定の経済的価値を有する記載事
項、または一定の事実を証明する記載事項を表面に表示
した記載書面に於いて、この記載書面に、記載書面の発
行者のサービスマーク、トレードマーク、またはハウス
マークの何れか一種若しくは複数種を組合わせて凹凸模
様により複数個表示するとともにこのエンボス加工によ
る凹凸模様以外の凹凸を形成しないものとして成るもの
である。

【００１８】また、一定の経済的価値を有する記載事項
を表示した記載書面は、小切手、手形であっても良い。

【００１９】また、一定の事実を証明する記載事項を表
示した記載書面は、預金証書、預金の残高証明書、質権
設定書、身分証明書、運転免許証、パスポート、住民
票、戸籍謄本、印鑑証明書、株券、債券、納税証明書で
あっても良い。

【００２０】

【作用】本発明は上述のごとく、一定の経済的価値を有
する記載事項、一定の事実を証明する記載事項を表面に
表示する記載書面の用紙に、エンボス加工を施し、記載
書面の発行者のサービスマーク、トレードマーク、また
はハウスマークの何れか一種若しくは複数種を組合わせ
て、表面に凹凸模様により複数個表示するものである。

【００２１】このように、記載書面に凹凸模様を表示し
ているから、カラーコピー機、簡易印刷機等を用いて
も、これらの凹凸模様までコピーしたり、複製印刷する
ことは不可能であって、エンボス装置を有しない者が簡
易に記載書面を作成することができないものとなる。

【００２２】また、仮にエンボス装置を有しているもの
であっても、記載書面に表示した凹凸模様と同一の凹凸
模様を、複数個の間隔まで同一に形成するには、高度の
技術が必要となるから、簡易な偽造行為を防止すること
ができるものである。

【００２３】また、凹凸模様は記載書面の発行者のサー
ビスマーク、トレードマーク、またはハウスマークの何
れか一種若しくは複数種を組合わせたものであるから、
発行者の印象を強くし宣伝効果を高めることができる。
また、偽造による影響の大きい発行者である程、サービ
スマーク、トレードマーク、ハウスマーク等は著名であ
る場合が多く、記載書面の取り扱い者は正確にこれらの
マークを認識できるから、凹凸模様を偽造された場合に
も識別発見の確率が高いものとなる。

【００２４】また、この凹凸模様はエンボス加工により
形成するから作業性が良く、安易な偽造が困難でありな
がら、複雑な技術を用いる事なく既存の用紙にも偽造防
止効果を持たせることかが可能となる。また、凹凸模様
以外の凹凸を用いないから、構成を複雑とすることがな
く廉価な製造を可能とする。

【００２５】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に於いて説明す
れば、（１）は記載書面であって、この記載書面（１）
は一定の経済的価値を有する記載事項（２）を表面に表
示している。この一定の経済的価値を有する記載書面
（１）は、例えば、手形、小切手、株券等の有価証券で
ある。また、この記載書面（１）は新たに形成するもの
であっても良いが、既存の従来公知のものであっても良
い。

【００２６】また、記載書面（２）は、一定の事実を証
明する記載事項（２）を表面に表示したものであっても
良い。例えば、一定の事実を証明する記載事項（２）を
表示した書面としては、預金証書、預金の残高証明書、
質権設定書、身分証明書、運転免許証、パスポート、住
民票、戸籍謄本、印鑑証明書、株券、債券、納税証明
書、その他、種々の記載事項（２）を証明する書面を想
定する事ができる。また、この記載書面（１）も、新た
に形成するものであっても良いが、既存の従来公知のも
のであっても良い。

【００２７】この記載書面（１）には、エンボス加工に
より、発行者のサービスマーク、トレードマーク、また
はハウスマークの何れか一種若しくは複数種を組合わせ
て立体的な凹凸により形成し、複数個の凹凸模様（３）
として表示する。

【００２８】この凹凸模様（３）は、カラーコピー機、
簡易印刷機等によって、コピーすることは不可能なもの
である。従って、特殊技術を有しない者が、簡易に記載
書面（１）を偽造し、種々の犯罪行為に使用することを
容易に防止することが出来るものである。

【００２９】また、仮にエンボス装置を有する者であっ
ても、同一の凹凸模様（３）を形成するためには、型を
形成しなければ成らず、少量のコピー、偽造行為では経
済的に引き合わないものとなる。

【００３０】また、同一の凹凸模様（３）を形成するに
は高度の技術を必要とするし、凹凸模様（３）は、１個
のみでなく、記載書面（１）に複数個設けているから、
その形成間隔まで同一に形成するのは極めて困難となる
ものである。

【００３１】また、凹凸模様（３）は記載書面（１）の
発行者のサービスマーク、トレードマーク、またはハウ
スマークの何れか一種若しくは複数種を組合わせたもの
であるから、発行者の印象を強くし宣伝効果を高めるこ
とができる。また、偽造による影響の大きい発行者であ
る程、サービスマーク、トレードマーク、ハウスマーク
等は著名である場合が多く、記載書面（１）の取り扱い
者は正確にこれらのマークを認識できるから、凹凸模様
（３）を偽造された場合にも識別発見の確率が高いもの
となる。

【００３２】このように、サービスマーク、トレードマ
ーク、またはハウスマークの何れか一種若しくは複数種
を組合わせて成る凹凸模様（３）を記載書面（１）に表
示することによって、銀行員、公務員等の真正な事務取
り扱い者、記載書面（１）の入手者等は、凹凸模様がな
ければ、カラーコピー機、簡易印刷機等により、偽造さ
れた記載書面（２）であることを容易に確認し判別出来
るものである。また、この判別に特殊な装置を必要とす
ることがなく、誰でも容易に真偽の確認を可能とするも
のである。

【００３３】また、この凹凸模様（３）はエンボス加工
により形成するから作業性が良く、安易な偽造が困難で
ありながら、複雑な技術を用いる事なく、既存の用紙に
も偽造防止効果を持たせることかが可能となる。また、
凹凸模様（３）以外の凹凸を用いないから、構成を複雑
とすることがなく廉価な製造を可能とする。

【００３４】

【発明の効果】本発明は上述のごとく、記載書面に凹凸
模様を表示しているから、カラーコピー機、簡易印刷機
等を用いても、これらの凹凸模様までコピーしたり、複
製印刷することは不可能なものとなる。また、真偽の判
別に特殊な装置を必要とすることがなく、誰でも容易に
真偽の確認を可能とする。

【００３５】また、特殊インキを用いる方法のごとく、
記載書面を長期間保存した場合にも、変色、褪色、消失
等を生じることがなく、長期間の保存を可能とし、高い
信頼性を有するものである。

【００３６】また、凹凸模様は、通常の平滑な用紙に人
手で書き加えたりすることは不可能であり、高い偽造防
止の効果を有するものである。

【００３７】また、仮にエンボス装置を有している者で
あっても、記載書面に表示した凹凸模様と同一の凹凸模
様を、複数個の表示間隔まで同一に形成するには、高度
の技術が必要となるから、簡易な偽造行為を防止するこ
とができるものである。

【００３８】また、凹凸模様は記載書面の発行者のサー
ビスマーク、トレードマーク、またはハウスマークの何
れか一種若しくは複数種を組合わせたものであるから、
発行者の印象を強くし宣伝効果を高めることができる。
また、偽造による影響の大きい発行者である程、サービ
スマーク、トレードマーク、ハウスマーク等は著名であ
る場合が多く、記載書面の取り扱い者は正確にこれらの
マークを認識できるから、凹凸模様を偽造された場合に
も識別発見の確率が高いものとなる。

【００３９】また、この凹凸模様はエンボス加工により
形成するから作業性が良く、安易な偽造が困難でありな
がら、複雑な技術を用いる事なく、既存の用紙にも偽造
防止効果を持たせることが可能となる。また、凹凸模様
以外の凹凸を用いないから、構成を複雑とすることがな
く廉価な製造を可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】凹凸模様を表示した記載書面の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１記載書面２記載事項３凹凸模様

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】一定の経済的価値を有する記載事項、ま
たは一定の事実を証明する記載事項を表面に表示した記
載書面に於いて、この記載書面に、記載書面の発行者の
サービスマーク、トレードマーク、またはハウスマーク
の何れか一種若しくは複数種を組合わせて凹凸模様によ
り複数個表示するとともにこのエンボス加工による凹凸
模様以外の凹凸を形成しない事を特徴とする偽造防止用
紙。
【請求項２】一定の経済的価値を有する記載事項を表
示した記載書面は、小切手、手形である事を特徴とする
請求項１の偽造防止用紙。
【請求項３】一定の事実を証明する記載事項を表示し
た記載書面は、預金証書、預金の残高証明書、質権設定
書、身分証明書、運転免許証、パスポート、住民票、戸
籍謄本、印鑑証明書、株券、債券、納税証明書であるこ
とを特徴とする請求項１の偽造防止用紙。