JP2004192372A - 透過x線のもとで識別できる情報を付与した情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の両面に夫々記録した情報を透過X線により投影して、その合成情報により簡単且つ確実な真偽判別を可能とする。
【解決手段】基材1の一方の面に第1の情報3を記録するとともに、その上に第1の情報の存在を隠蔽するための金属層4を設け、さらに基材1の他方の面に第2の情報5を記録することによって、透過X線のもとで第1の情報3及び第2の情報5を合成した第3の情報6を認識可能として真偽判別を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、切手、印紙、証紙、株券、債券、商品券、入場券、登録証、会員証、権利証、出入国証、パスポートを含む情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの紙幣等の貴重印刷物では、偽造を防止するため、例えば用紙関係ではすき入れ、セキュリティスレッド又は紫外線下で発光する蛍光繊維、印刷関係では、マイクロ文字、斜めに傾けると像が現れる特殊潜像模様、紫外線下で発光する蛍光印刷又は精巧な彩紋や細密な万線、肖像等が各種貴重印刷物に施され、偽造に対する有効性を保持していた。しかし、最近では、カラー複写機による複写物や、パソコンを使用したプリンタ出力物による偽造が多発することから、貴重印刷物の偽造を一層困難にし、尚かつ誰もが簡単に真偽判別可能とするため、上記の偽造防止技術と併せて、光学的変化をともなうOVDや金属箔を貼付させている(例えば、イギリス20ポンド券、ドイツ100マルク券等がある。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このOVD、金属箔による金属層は、カラー複写やプリンタ出力による偽造に対して有効であるが、その金属層を付与した部分については、OVDの画像変化や金属箔の色や輝きの認識を妨げないようにするため、金属層が付与された同じ領域においては、他の偽造防止技術を付与することが困難であった。しかし、紙幣等の貴重印刷物では、限られた狭い面積において、偽造防止効果を高めるため、一つの領域に、一つだけではない、複数の偽造防止技術が施されることにより高いセキュリティを持つ。さらに、それらが互いに関連することが、一層の有効性を高める。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、金属層下の同じ領域に、通常の視認状態(可視光)では金属層で隠蔽され認識不可能な第1の情報を付与する。この第1の情報は透過X線のもとで認識可能な情報であり、この第1の情報を付与することで、金属層におけるOVDの画像情報、金属箔の色や輝きの情報以外に、新たな情報を付与することができる。本発明では、さらに、金属層で被覆された同領域の反対面側にも、透過X線のもとで認識可能な第2の情報を付与し、透過X線のもとで1つの合成像(第3の情報)が認識できる構成とする。これにより、所定の同一の領域において、さらに複雑な偽造防止効果を得ることが可能となる。又、透過X線のもとで現れる合成情報と金属層の情報の相関関係の有無を確認して、簡単かつ確実な真偽判別を可能とし、これによってきわめて偽造困難な情報記録媒体を実現する。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、基材と、上記基材の一方の表面の所定の領域に、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキで印刷された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記一方の表面から、上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第1の情報のX線透過率であるα%及び上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高く、上記金属層のX線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いことによって、透過X線のもとで上記第3の情報が認識可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、基材と、上記基材の一方の表面の所定の領域に、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキで印刷された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記一方の表面から、上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報と、上記金属層に記録された第4の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第1の情報のX線透過率であるα%及び上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高く、上記金属層のX線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いことによって、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで上記第3の情報が認識不可能となり、上記第4の情報が認識可能であり、透過X線のもとで上記第3の情報が認識可能となり、上記第4の情報が認識不可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0007】
透過X線像として認識可能な印刷インキによる上記第1の情報、上記第2の情報及び上記第3の情報は、機械読み取り可能なコード情報とし、バーコード又は2次元コードを用いて記録されている構成としてもよい。
【0008】
上記X線透過率がα%のインキ及び上記X線透過率がγ%のインキは磁性インキとし、上記第3の情報の磁気データが、上記第1の情報の磁気データと上記第2の情報の磁気データとを合成して得られる磁気データとして構成してもよい。
【0009】
上記第1の情報及び上記第2の情報が、上記金属層及び上記基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色又は透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて記録された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことによって、透過X線のもとで上記第3の情報が認識可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて記録された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報と、上記金属層に記録された第4の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことによって、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで上記第3の情報が認識不可能となり、上記第4の情報が認識可能であり、透過X線のもとで上記第3の情報が認識可能となり、上記第4の情報が認識不可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて記録された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことによって、透過X線のもとで上記第3の情報が認識可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、上記基材の所定の領域に、上記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて記録された第1の情報と、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報と、上記金属層に記録された第4の情報とを備え、上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことによって、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで上記第3の情報が認識不可能となり、上記第4の情報が認識可能であり、透過X線のもとで上記第3の情報が認識可能となり、上記第4の情報が認識不可能となることを特徴とする情報記録媒体を提供する。
【0014】
上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記第1の情報、上記第2の情報及び上記第3の情報が機械読み取り可能なコード情報であり、バーコード又は2次元コードを用いて記録されている構成としてもよい。
【0015】
上記基材と上記印刷インキによる上記第1の情報の間に、上記第1の情報の存在を隠蔽するためにX線透過率が上記基材、上記印刷インキ及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
【0016】
上記基材の両面のうち上記金属層を設けた表面と反対側表面に上記印刷インキによる上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材、上記印刷インキ及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
また、上記基材の両面のうち上記金属層を設けた表面と反対側表面に上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
【0017】
上記金属層と上記印刷インキによる上記第1の情報の間に上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材、上記印刷インキ及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
また、上記金属層と上記すき入れ、又は上記微細穿孔による上記第1の情報の間に上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材及び上記金属層よりも高いインキを用いて隠蔽画線が印刷されている構成としてもよい。
【0018】
上記金属層に記録された上記第2の情報は、OVDによる画像情報、金属箔の輝きの色、金属箔上に無色蛍光インキで印刷された情報としてもよい。
【0019】
上記印刷インキ、上記すき入れ又は上記微細穿孔による上記第1の情報を被覆する上記金属層の材料は、例えば非磁性金属のアルミニウムで構成してもよい。
【0020】
本発明で使用される透過X線は軟X線を利用してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る情報記録媒体の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は、本発明に係る情報記録媒体の実施例1を説明する図である。図1(a)において、この情報記録媒体1は、紙で製造された基材2を有し、この基材2の一方の面の所定の領域Rに、第1の情報3が記録されている。この第1の情報3は、具体的には、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキにより印刷された情報であり、その具体的な態様は、インキにより印刷されたコード、文字、マーク、数字等いろいろな態様、例えば、図1(b)に示すように正三角形の図形である。
【0023】
この第1の情報3を隠蔽するために、第1の情報3が記録された所定の領域Rが、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の、例えばアルミニウム等の材料の金属層4で被覆されている。さらに、基材2の上記一方の面(表面)の所定の領域Rに対応する他方の面(裏面)の所定の領域Rに、第2の情報5が記録されている。この第2の情報5は、具体的には、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキにより印刷された情報、例えば、図1(c)に示すように、逆正三角形の図形である。
【0024】
ここでX線、例えば軟X線を情報記録媒体1に透過する。すると、第1の情報3及び第2の情報5は、それらのインキのX線透過率α%及びγ%が、金属層4(β%)及び基材2(ここで、X線透過率は、印刷インキによる第1の情報及び第2の情報<基材<金属層となるように構成されている。)より低いために、第1の情報3と第2の情報5、更に、第1の情報3と第2の情報5が合成された第3の情報6は、X線透過像として認識可能となる。ここでは、図1(d)で示すように正三角形と逆三角形が合成された星形の図形がX線透過像となって現れる。
この実施例1は金属層が付与された同一領域において、金属層以外に、金属層下に施された印刷インキによる第1の情報3と第2の情報5が合成された第3の情報6を読み取ることで、真正情報と比較、照合して真偽判別を行うことができる。
【0025】
第1の情報3はX線透過率がα%のインキにより印刷されており、第2の情報5はX線透過率がγ%のインキにより印刷されているが、それらの構成又は第1の情報3と第2の情報5の合成情報である第3の情報6の構成は、上記図形以外にコード、文字、マーク、数字等いろいろな態様がある。
【0026】
第1の情報3、第2の情報5及び第3の情報6が、機械読み取り可能なコード情報である構成について説明する。図2(a)は、第1の情報3が領域R内にバーコード7を用いて記録されている構成を示している。図2(b)は、第2の情報5が領域R内にバーコード7’を用いて記録されている構成を示している。バーコード7及びバーコード7’は、X線透過率がα%及びγ%のインキで夫々印刷されている。従って、情報記録媒体にX線を透過させると、図2(c)のように、第1の情報3及び第2の情報5の合成情報として第3の情報6であるバーコード8が現れ、この第3の情報を目視又は光学的に読み取って、真正のコードと比較、照合することで真偽判別が可能となる。
【0027】
図3(a)は、第1の情報3が2次元コード9を用いてマトリックス状に記録されている構成を示している。図3(b)は、第2の情報5が2次元コード10を用いてマトリックス状に記録されている構成を示している。第1の情報及び第2の情報の2次元コードの要素11及び要素12は、夫々X線透過率がα%及びγ%のインキで印刷されている。
【0028】
従って、この情報記録媒体1にX線を透過させると、図3(c)のように第1の情報3及び第2の情報5が合成された第3の情報6となる2次元コードの合成情報、即ち2次元コード9と2次元コード10の合成2次元コード13が現れ、この合成2次元コード13を目視又は光学的に読み取って、真正のコードと比較、照合することで真偽判別が可能となる。このような、合成された2次元コードによると、より多量の情報を付与することが可能となり、真偽判別及び偽造防止効果が高まる。
【0029】
図4は、第1の情報3を付与するバーコード14のバー及び第2の情報5を付与するバーコード15のバーが、夫々X線透過率がα%、γ%であり、磁束密度がバーごとにそれぞれ所定のインキで印刷されている構成を示している。図4(a)は、第1の情報3のバーコード14とバーごとの磁束密度を示し、図4(b)は第2の情報5のバーコード15とバーごとの磁束密度を示している。
【0030】
真偽判別に際しては、このような情報の付与された情報記録媒体1をX線透過像により読み取るとともに、磁気センサによりバーごとの磁束密度を読み取る。その結果、図4(c)に示すような、第1の情報3及び第2の情報5が合成された第3の情報6である全桁のバーコード16が得られるとともに、しかもバーごとの磁束密度が合算された磁束密度のデータが得られる。このような合成バーコード16と合成磁束密度のデータから成る合成情報を、真正データと比較、照合し真偽判別が行われる。
【0031】
このような情報記録媒体の構成であると、バーコードを構成する各バーの有無に加えて、バーごとの所定の磁束密度の情報も付与することができ、真偽判別においては、X線透過像及び磁気センサにより、合成バーコード及び各バーごとの合成磁束密度の情報をチェックすることができるので、確実な真偽判別が可能であり、偽造防止効果がきわめて大きい。
【0032】
次に、第1の情報3におけるインキについて説明する。この具体例としては、第1の情報3が基材2の色調と異なる色調の有色インキであって、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色インキを用いて印刷されている構成である。又、第1の情報3は、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0033】
次に、第2の情報5におけるインキについて説明する。この具体例としては、第2の情報5が上記基材2の色調と異なる色調の有色インキであって、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色インキを用いて印刷されている構成である。又、第2の情報5は、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0034】
このように、第1の情報3又は第2の情報5を金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色又は透明インキを用いて印刷されている構成とすると、例えばアルミニウムを材料とする金属層で被覆された第1の情報3とその裏面側に印刷された第2の情報5が、透過X線のもとで、基材2及び金属層4よりもX線透過率が低いために、第1の情報3と第2の情報5の合成情報である第3の情報6が、X線透過像として認識可能となり、真偽判別が可能となる。ここで、第1の情報3が、透明インキを用いて印刷されている場合には、金属層4がはがされても第1の情報3が認識不可能となり、又第2の情報5についても透明インキで印刷された場合、その図柄が認識不可能となる。この場合、透過X線のもとで初めて、透明インキを用いた第1の情報3、第2の情報5及びその合成情報である第3の情報6が認識可能となるため、偽造防止効果が高くなる。
【0035】
(実施例2)
図5は、本発明に係る情報記録媒体の実施例2を示す図である。この実施例では、基材2と、この基材2の一面及び他面に記録された第1の情報3、第2の情報5、及び第1、第2の合成情報である第3の情報6については、実施例1と全く同様である。この実施例2の情報記録媒体17では、金属層4に第4の情報18が記録されている。但し、第3の情報=第4の情報、又は第3の情報≠第4の情報とする。
【0036】
ところで、この第4の情報18は、透過X線のもとでは読み取ることができない状態で記録されている。この第4の情報18は、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで認識可能となる。例えば、第4の情報18の所定の視認条件として、紫外線を照射すると発光が生じる無色蛍光インキによる構成としてもよいし、又は可視光下での観察において、画像情報が認識できるOVDの構成や輝いた色を認識できる金属箔の構成としてもよい。
このように金属層の情報を活用することにより、同一領域に複数の技術を付与することができるだけでなく、情報の相関をもたせることができる。
【0037】
実施例2の情報記録媒体17は以上のような構成であるから、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、第3の情報6が認識不可能となり、金属層4に形成された第4の情報18は認識可能であり、透過X線のもとで、第3の情報6が認識可能となり、第4の情報18が認識不可能となる。そして、第4の情報18は、第3の情報6と予め特定の相関関係(例えば、同一である又は同一でなくてもアルファベット順の関係がある、輝いた色と相関をもたせる等)を有するような情報として記録し、真偽判別の際、特定の相関関係の有無を確認して真偽判別可能な構成としてもよい。
【0038】
(実施例3)
図6は、本発明に係る情報記録媒体の実施例3を説明する図である。図6(a)において、実施例3の情報記録媒体19は、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の紙で製造された基材20を有し、この基材20の一部である所定の領域Rに、第1の情報21、例えば、図6(b)に示すように三角形のマークがすき入れを用いて記録されている。
【0039】
そして、この第1の情報21の存在を隠蔽するために、基材20の一方の表面の上記第1の情報21が記録された所定の領域Rに、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の、例えばアルミニウム等の材料の金属層4で被覆されている。さらに、この一方の面の所定の領域Rに対応する基材20の他方の面(裏面)の所定の領域Rに、X線透過率がγ%(但し、γ<α、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報22、例えば、図6(c)に示すように逆三角形のマークが記録されている。
【0040】
第1の情報21は、すき入れを利用して記録されており、このすき入れのX線透過率が基材20のすき入れではない地の部分と異なるため、X線透過反応が異なる。このすき入れによる第1の情報21を被覆する金属層4は、基材20よりもX線透過率が高いため、実施例3の情報記録媒体19に、例えば軟X線を透過させると、すき入れを利用して記録された第1の情報21は、X線透過像として認識可能となる。又、さらに印刷インキによる第2の情報22はX線透過率が、基材20及び金属層4よりも低いため、すき入れによる第1の情報21と同様、透過X線のもとで、X線透過像として認識可能となる。この結果、図6(d)に示すように、第1の情報21と第2の情報22が合成された第3の情報23である三角形と逆三角形を合成した星形のマークが認識可能となる。
この実施例3は、金属層が付与された同一領域において、金属層以外に、金属層下に施されたすき入れによる第1の情報21と、印刷インキによる第2の情報22が合成された第3の情報23を読み取ることで、真正情報と比較、照合して真偽判別を行うことができる。この実施例3では、第1の情報と第2の情報が異なる手法で付与されるため、さらに偽造防止効果が高い。
【0041】
第1の情報21は基材20にすき入れを用いて記録され、第2の情報22は基材の裏面にX線透過率がγ%のインキで印刷されて記録されているが、それらの構成及び合成情報である第3の情報23の構成は、文字、マーク、数字でもよいし、機械読み取り可能なコード情報としてもよい。
【0042】
図7(a)に示すように、第1の情報21が基材20に、例えば、すき入れを用いてバーコード24で記録されおり、図7(b)に示すように、第2の情報22が基材20の裏面にX線透過率がγ%のインキでバーコード24’が印刷されている構成を示している。
【0043】
この情報記録体に例えば軟X線を透過させると、図7(c)に示すように、第1の情報21であるバーコード24と第2の情報22であるバーコード24’を合成した第3の情報23として合成バーコード25がX線透過像として認識可能となり、これを目視又は光学的に読み取って、真正のバーコードと照合することで真偽判別が可能となる。
【0044】
図8は、機械読み取り可能なコード情報が、図8(a)に示すように、基材20に、例えば、すき入れにより2次元コード26としてマトリックス状に記録されているとともに、図8(b)に示すように、基材20の裏面にもX線透過率がγ%のインキで2次元コード27が印刷されている構成を示している。
【0045】
真偽判別に際しては、この情報記録媒体19にX線透過のもとで、図8(c)に示すように、第1の情報21である2次元コード26及び第2の情報22である2次元コード27を合成した第3の情報23である合成2次元コード28がX線透過像として識別可能となり、これを目視又は光学的に読み取って、真正のコードと照合することで真偽判別が可能となる。このように、すき入れ及びインキに夫々2次元コードによる情報を付与し、これらの合成2次元コードを真偽判別に利用すると、より多量の情報を付与することが可能となり、真偽判別効果及び偽造防止効果が一層高まる。
【0046】
次に、第2の情報22におけるインキについて説明する。この具体例としては、第2の情報22が上記基材20の色調と異なる色調の有色インキであって、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色インキを用いて印刷されている構成である。又、第2の情報22は、金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0047】
このように、第2の情報22を金属層及び基材よりもX線透過率が低い元素を含む有色又は透明インキを用いて印刷されている構成とすると、第2の情報22は、基材20及び金属層4よりもX線透過率が低いために、透過X線のもとで、すき入れによる第1の情報21の他に、X線透過像で認識できる第2の情報22を付与することが可能となる。この実施例3では、すき入れによる第1の情報と印刷インキによる第2の情報といった、情報の付与法が異なるものによる合成情報として第3の情報が認識可能となるため偽造防止効果は高い。
【0048】
(実施例4)
図9は、本発明に係る情報記録媒体の実施例4を示す図である。この実施例4の情報記録媒体29は、基材20と、基材20の一部にすき入れを用いて記録された第1の情報21、基材20の裏面に透過率γ%のインキで印刷された第2の情報22、及び第1の情報と第2の情報の合成情報である第3の情報23については、実施例3と全く同様である。この実施例4の情報記録媒体29では、金属層4に第4の情報30が記録されている。但し、第3の情報=第4の情報、又は第3の情報≠第4の情報とする。
【0049】
ところで、この第4の情報30は、X線を透過しても読み取ることができず、その所定の視認条件は、例えば、紫外線を照射すると発光を生じる無色蛍光インキによる構成としてもよいし、又は可視光下での観察において、画像情報が認識できるOVDの構成や輝いた色を認識できる金属箔の構成としてもよい。
このように金属層の情報を活用することにより、同一領域に複数の技術を付与することができるだけでなく、情報の相関をもたせることができる。
【0050】
実施例4の情報記録媒体29は以上のような構成であるから、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、第3の情報23が認識不可能となり、金属層4に形成された第4の情報30は認識可能であり、透過X線のもとで、第3の情報23が認識可能となり、第4の情報30が認識不可能となる。
【0051】
そして、第4の情報30は、第3の情報23と予め特定の相関関係(例えば、同一である又は同一でなくてもアルファベット順の関係がある、輝いた色と相関を持たせる等)を有するような情報として記録し、真偽判別の際、特定の相関関係の有無を確認して真偽判別可能な構成としてもよい。
【0052】
(実施例5)
図10は、本発明に係る情報記録媒体の実施例5を説明する図である。図10(a)において、この情報記録媒体31は、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の紙で製造された基材20を有し、この基材20の一部である所定の領域Rに、第1の情報32、例えば、図10(b)に示すような三角点のマークが微細穿孔(レーザを照射して基材を穿孔する。以下同じ)を用いて記録されている。
【0053】
そして、この第1の情報32の存在を隠蔽するために、基材20の一方の表面の上記第1の情報32が記録された所定の領域Rに、X線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の、例えばアルミニウム等の材料の金属層4が被覆されている。さらに、この一方の面の所定の領域Rに対応する基材20の他方の面(裏面)の所定の領域Rに、X線透過率がγ%(但し、γ<α、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報33、例えば、図10(c)に示すような逆三角形のマークが記録されている。
【0054】
第1の情報32は、微細穿孔を利用して記録されているから、この微細穿孔部のX線透過率は基材20の微細穿孔のない他の部分と比べ、X線透過反応が高くなる。又金属層4が基材20よりもX線透過率が高いため、例えば実施例5の情報記録体31に、軟X線等のX線を透過させると、微細穿孔を利用して記録された第1の情報32は、微細穿孔の有無によりX線透過反応が異なるX線透過像として認識可能となる。さらに、第2の情報33はX線透過率が基材20及び金属層4より低いために、第1の情報32と同様、透過X線のもとでX線透過像が認識可能となる。この結果、第1の情報32と第2の情報33が合成された第3の情報34である三角点と逆三角点を合成した六角点のマークが認識可能となる。
この実施例5は、金属層が付与された同一領域において、金属層以外に、金属層下に施された微細穿孔による第1の情報32と、印刷インキによる第2の情報33が合成された第3の情報34を読み取ることで、真正情報と比較、照合して真偽判別を行うことができる。この実施例5では、第1の情報と第2の情報が異なる手法で付与されるため、さらに偽造防止効果が高い。
【0055】
第1の情報32は基材20に微細穿孔を用いて記録され、第2の情報33は基材の裏面にX線透過率がγ%のインキで印刷されて記録されているが、それらの構成及び合成された第3の情報34の構成は、文字、マーク、数字でもよいし、機械読み取り可能なコード情報としてもよい。
【0056】
図11は、機械読み取り可能なコード情報が、基材に微細穿孔により第1の情報32として2次元コード35がマトリックス状に記録されているとともに、基材20の裏面にも第2の情報33としてX線透過率がγ%のインキで2次元コード36が印刷されている構成を示している。
【0057】
真偽判別に際しては、この情報記録媒体31を透過X線のもとで確認を行うと、第1の情報32である2次元コード35及び第2の情報33である二次元コード36を合成した第3の情報34である合成2次元コード37が透過X線像として認識可能となり、これを目視又は光学的に読み取って、真正のコードと照合することで真偽判別が可能となる。このように、微細穿孔及びインキにより夫々2次元コードによる情報を付与し、この合成2次元コードを真偽判別に利用すると、より多量の情報を付与することが可能となり、真偽判別効果及び偽造防止効果が一層高まる。
【0058】
次に、第2の情報33におけるインキについて説明する。この具体例としては、第2の情報33が上記基材20の色調と異なる色調の有色インキであって、金属層4及び基材20よりもX線透過率が低い元素を含む有色インキを用いて印刷されている構成である。又、第2の情報33は金属層4及び基材20よりもX線透過率が低い元素を含む透明インキを用いて印刷されている構成としてもよい。
【0059】
このように、第2の情報33を金属層4及び基材20よりもX線透過率が低い元素を含む有色又は透明インキを用いて印刷されている構成とすると、第2の情報33は、基材20又は金属層4よりもX線透過率が低いために、透過X線のもとで、微細穿孔による第1の情報32の他に、X線透過像で認識できる第2の情報33を付与することが可能となる。この実施例5では、微細穿孔による第1の情報と印刷インキによる第2の情報といった、情報の付与法が異なるものによる合成情報として第3の情報が認識可能となるため偽造防止効果は高い。
【0060】
(実施例6)
図12は、本発明に係る情報記録媒体の実施例6を示す図である。この実施例6では、基材20と、基材20の一部に微細穿孔により記録された第1の情報32、基材20の裏面に透過率γ%のインキで印刷された第2の情報33及び第1の情報と第2の情報の合成情報である第3の情報34については、実施例5と全く同様である。この実施例6の情報記録媒体37’では、金属層4に第4の情報38が記録されている。但し、第3の情報=第4の情報、又は第3の情報≠第4の情報とする。
【0061】
ところで、この第4の情報38は、X線を透過しても読み取ることができない状態で記録されている。例えば、第4の情報38は、視認条件として、紫外線を照射すると発光を生じる無色蛍光インキによる構成としてもよいし、又は可視光下での観察により情報が目視できるOVDの構成や輝いた色を認識できる金属箔の構成としてもよい。
このように金属層の情報を活用することにより、同一領域に複数の技術を付与するだけでなく、情報の相関を持たせることができる。
【0062】
実施例6の情報記録媒体37’は以上のような構成であるから、透過X線のもとではない所定の視認条件のもとで、第3の情報34が認識不可能となり、金属層4に形成された第4の情報38は認識可能であり、透過X線のもとで、第3の情報34が認識可能となり、第4の情報38が認識不可能となる。
【0063】
そして、第4の情報38は、第3の情報34と予め特定の相関関係(例えば、同一である又は同一でなくてもアルファベット順の関係がある、輝いた色と相関を持たせる等)を有するような情報として記録し、真偽判別の際、特定の相関関係の有無を確認して真偽判別可能な構成としてもよい。
【0064】
以上、本発明に係る情報記録媒体の実施例1〜6について説明したが、実施例1〜6の情報記録媒体に、偽造防止効果をさらに高めるための隠蔽画線を付設した変形例を、以下説明する。
ここでは、金属層で隠蔽される第1の情報3が、金属層又は基材を通して目視できないようにするために第1の情報3についての隠蔽例を述べる。
【0065】
(実施例1、2の変形例)
図13は、実施例1の変形例を示す図である。図13(a)〜(e)に示す変形例は、いずれも実施例1の情報記録媒体1に、金属層で隠蔽された第1の情報3が、基材をとおして裏面から認識できないように、又金属層をとおして認識できないように、それぞれ隠蔽画線を付与したことを特徴とする。
なお、図13(a)〜(e)の金属層4に第3の情報18(図5)を付与することで実施例2の変形例になるが、その記載を省略する。
【0066】
隠蔽画線としては、地紋が緻密に印刷、又はベタ印刷されて成る第1の隠蔽画線39や第2の隠蔽画線40があり、これらの隠蔽画線39、40は、第1の情報3、第2の情報5、基材2及び金属層4よりもX線透過率が高い構成である。このため、透過X線のもとで第1の情報3、第2の情報5及び第1の情報と第2の情報の合成である第3の情報6の識別を阻害するものではない。この時、第1の隠蔽画線39及び第2の隠蔽画線40は、第1の情報3、第2の情報5、基材2及び金属層4よりもX線透過率が高いという条件を満足する同一のX線透過率のインキを用いて印刷される構成とし、本発明に係る特許請求の範囲に記載の隠蔽画線についても同様の構成とした。
【0067】
図13(a)、(b)は、それぞれ実施例1の情報記録媒体において、基材2の金属層4の反対側の面(裏面)から基材2を通して、第1の情報3を目視することができないように、基材2の所定の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷して成る構成である。
【0068】
図13(a)は、基材2の表面の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷してから第1の情報3を印刷して成る構成であり、図13(b)は、基材2の裏面の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷して成る構成である。
【0069】
図13(c)、(d)及び(e)は第1の情報3が、金属層を通して目視できないように、又は金属層がはがされた場合に目視できないよう、第1の情報3の上に第2の隠蔽画線40を印刷して成る構成である。ここで、図13(a)、(b)と組み合わせた複雑なものもある。
【0070】
図13(c)は、第1の情報3の上から領域R上に第2の隠蔽画線40を印刷して成る構成である。図13(d)は、基材2の裏面の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷するととともに、第1の情報3の上から領域R上に第2の隠蔽画線40を印刷して成る構成であり、第1の情報3を上下両面からより効果的に隠蔽できる。図13(e)は、基材2の表面の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷するととともに、第1の情報3の上から領域R上に第2の隠蔽画線40を印刷して成る構成であり、第1の情報2を上下両面からより効果的に隠蔽することができる。
【0071】
(実施例3〜6の変形)
図14は、実施例3〜6の変形例を示す図である。図14(a)〜(c)に示す変形例は、いずれも実施例3〜6の情報記録媒体に、その第1の情報、即ち、すき入れ(実施例3、4)及び微細穿孔(実施例5、6)が基材20又は金属層4を通して目視できないように、第1の情報を隠蔽するための隠蔽画線を付設した構成を特徴とする。隠蔽画線は、図13に利用した隠蔽画線と全く同様の第1の隠蔽画線39及び第2の隠蔽画線40を利用する。なお、図14(a)〜(c)中では実施例4の第4の情報30、実施例6の第4の情報38については、その記載を省略する。
【0072】
図14(a)は、基材20の裏面の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷して成る構成であり、図14(b)は、基材20の表面の領域R上に第2の隠蔽画線40を印刷して成る構成である。図14(c)は、基材20の裏面の領域R上に第1の隠蔽画線39を印刷するととともに、基材20の表面において第1の情報21、32(実施例3、4の場合は21、実施例5,6の場合は32)の上から領域R上に第2の隠蔽画線40を印刷し、第1の情報21、32を上下両面からより効果的に隠蔽することができる構成を示している。
【0073】
図15は隠蔽画線の一例を示すもので、第1の情報(実施例1、2では印刷インキによる情報、実施例3、4ではすき入れによる情報、実施例5、6では微細穿孔による情報)である三角マークを緻密に印刷した地紋画線41で隠蔽する構成を示している。また、この隠蔽画線はベタ印刷によるものとしてもよい。
【0074】
以上本発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明したが、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
例えば、基材としてプラスチック、合成樹脂等を用いてもよい。この場合は、基材の厚さを変化させてX線透過率に差を設けて情報を付与することができる。又、紙の場合と同様に、印刷インキによる印刷又はレーザ穿孔による微細穿孔によって情報を施してもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明に関わる情報記録媒体は、同一領域に複数の情報を付与することができ、特に、透過X線のもとで、表裏面を合成した情報が得られるため、限られた狭い面積である紙幣等の貴重印刷物において、偽造防止効果を一層、高めることができる。第1の情報をすき入れ、微細穿孔とした場合には、印刷インキによる第2の情報と付与手法が異なるため、偽造防止効果は高まる。さらに金属層の情報と透過X線のもとで認識可能な情報との両情報に相関関係を施すことにより、同一領域で複数の技術が付与されるだけでなく一層、複雑なものとなる。
金属層下の第1の情報は、透過X線のもとで情報を確認するため、透過X線装置が空港、各研究機関等の特殊な場所のみにあるため、その情報は一般には確認困難である。
これらによりきわめて偽造困難な情報記録媒体を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録媒体の実施例1を説明する図である。
【図2】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図3】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図4】本発明に係る情報記録媒体の実施例1の要部を説明する図である。
【図5】本発明に係る情報記録媒体の実施例2を説明する図である。
【図6】本発明に係る情報記録媒体の実施例3を説明する図である。
【図7】本発明に係る情報記録媒体の実施例3の要部を説明する図である。
【図8】本発明に係る情報記録媒体の実施例3の要部を説明する図である。
【図9】本発明に係る情報記録媒体の実施例4を説明する図である。
【図10】本発明に係る情報記録媒体の実施例5を説明する図である。
【図11】本発明に係る情報記録媒体の実施例5の要部を説明する図である。
【図12】本発明に係る情報記録媒体の実施例6を説明する図である。
【図13】本発明に係る情報記録媒体の実施例1、2の変形例を説明する図である。
【図14】本発明に係る情報記録媒体の実施例3〜6の変形例を説明する図である。
【図15】変形例の隠蔽画線を説明する図である。
【符号の説明】
1、17、19、29、31、37’ 情報記録媒体
2、20 基材
3、21、32 第1の情報
4 金属層
5、22、33 第2の情報
6、23、34 第3の情報(合成情報)
7、7’、8,14、15、16,24、24’、25 バーコード
9、10、13,26、27、28,35、36、37 2次元コード
11、12 所定のコード(2次元コード)
18、30、38 第4の情報
39 第1の隠蔽画線
40 第2の隠蔽画線
41 地紋画線

Claims (19)

  1. 基材と、
    上記基材の一方の表面の所定の領域に、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキで印刷された第1の情報と、
    上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記一方の表面から、上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、
    上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、
    透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報とを備え、
    上記基材のX線透過率が上記第1の情報のX線透過率であるα%及び上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高く、上記金属層のX線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 基材と、
    上記基材の一方の表面の所定の領域に、X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)のインキで印刷された第1の情報と、
    上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記一方の表面から、上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、
    上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、
    透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報と、
    上記金属層に記録された第4の情報とを備え、
    上記基材のX線透過率が上記第1の情報のX線透過率であるα%及び上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高く、上記金属層のX線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いことを特徴とする情報記録媒体。
  3. 上記第1の情報、上記第2の情報及び上記第3の情報が機械読み取り可能なコード情報であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の情報記録媒体。
  4. 上記機械読み取り可能なコード情報がバーコードを用いて記録されていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
  5. 上記X線透過率がα%のインキ及び上記X線透過率がγ%のインキは、磁性インキであることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体。
  6. 上記第3の情報の磁気データは、上記第1の情報の磁気データと上記第2の情報の磁気データとを合成して得られる磁気データであることを特徴とする請求項5に記載の情報記録媒体。
  7. 上記機械読み取り可能なコード情報が2次元コードを用いて記録されていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
  8. X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、
    上記基材の所定の領域に上記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて付与した第1の情報と、
    上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、
    上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、
    透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報とを備え、
    上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことを特徴とする情報記録媒体。
  9. X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、
    上記基材の所定の領域に上記基材とX線透過率が異なるようにすき入れを用いて付与した第1の情報と、
    上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、
    上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、
    透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報と、
    上記金属層に記録された第4の情報とを備え、
    上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことを特徴とする情報記録媒体。
  10. X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、
    上記基材の所定の領域に上記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて付与した第1の情報と、
    上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、
    上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、
    透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報とを備え、
    上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことを特徴とする情報記録媒体。
  11. X線透過率がα%(但し、αは定数とする。)の基材と、
    上記基材の所定の領域に上記基材とX線透過率が異なるように微細穿孔を用いて付与した第1の情報と、
    上記第1の情報の存在を隠蔽するために、上記基材の一方の表面から上記所定の領域を被覆するX線透過率がβ%(但し、α<β;βは定数とする。)の非磁性金属層と、
    上記基材の他方の表面上の上記所定の領域に相当する領域に、X線透過率がγ%(但し、γ<β;γは定数とする。)のインキで印刷された第2の情報と、
    透過X線のもとで上記第1の情報と上記第2の情報とが合成されて得られる第3の情報と、
    上記金属層に記録された第4の情報とを備え、
    上記基材のX線透過率が上記第2の情報のX線透過率であるγ%よりも高いことを特徴とする情報記録媒体。
  12. 上記第1の情報、上記第2の情報及び上記第3の情報が機械読み取り可能なコード情報であることを特徴とする請求項8、9、10又は11のいずれかに記載の情報記録媒体。
  13. 上記機械読み取り可能なコード情報がバーコードを用いて記録されていることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体。
  14. 上記機械読み取り可能なコード情報が2次元コードを用いて記録されていることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体。
  15. 上記基材と上記第1の情報の間に、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いδ%(但し、α<δ、β<δ、γ<δ;δは定数とする。)のインキを用いて隠蔽画線が印刷されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれかに記載の情報記録媒体。
  16. 上記基材の両面のうち上記金属層を設けた表面と反対側表面に、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いδ%(但し、α<δ、β<δ、γ<δ;δは定数とする。)のインキを用いて隠蔽画線が印刷されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれかに記載の情報記録媒体。
  17. 上記基材の両面のうち上記金属層を設けた表面と反対側表面に、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率がδ%(但し、α<δ、β<δ、γ<δ;δは定数とする。)のインキを用いて隠蔽画線が印刷されていることを特徴とする請求項8、9、10、11、12、13又は14のいずれかに記載の情報記録媒体。
  18. 上記金属層と上記第1の情報の間に、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率が上記基材のX線透過率よりも高いδ%(但し、α<δ、β<δ、γ<δ;δは定数とする。)のインキを用いて隠蔽画線が印刷されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、15又は16のいずれかに記載の情報記録媒体。
  19. 上記金属層と上記第1の情報の間に、上記第1の情報の存在を隠蔽するために、X線透過率がδ%(但し、α<δ、β<δ、γ<δ;δは定数とする。)のインキを用いて隠蔽画線が印刷されていることを特徴とする請求項8、9、10、11、12、13、14又は17のいずれかに記載の情報記録媒体。
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