JP2859650B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、起泡性、洗浄性等の洗浄剤としての必要条
件を満足しながら、毛髪、および皮膚に対する刺激性が
小さく、特に皮膚のコンダクタンス変化を極めておさえ
ることから角質組織中において水分を保持する機能を有
する物質等への影響が極めて小さく、角質組織全体への
刺激を著しく低下させた洗浄剤組成物に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来よりシャンプー類の界面活性剤としては、理美容
院用のような専門家向けのものでも一般市販品でも、主
としてアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、α−オレフィンスルホン酸塩などが多く用いられて
きた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの界面活性剤を含有するシャン
プーは、すぐれた洗浄力を有するものの、程度の差こそ
あれ、いずれも皮膚に対する刺激性が強く認められるこ
とが知られており、理容師や美容師のようにシャンプー
に接する機会の多い専門家では、手荒れ等の皮膚障害を
起こしやすいものである。
又、最近では特におしゃれ感覚の発達した若者たちは
洗髪回数が多く、また一般の人達でも、洗髪頻度が増加
してきており、刺激性の強いシャンプーで洗髪を続ける
と、頭皮の荒れが起こり、ふけやかゆみの発生につなが
る等の問題がある。
これらの点から、専門家向け業務用はもちろん一般市
販品においても低刺激性シャンプーの使用が強く要望さ
れるようになってきているのが現状である。
本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結
果、アルキロイルアルキルタウリン塩型陰イオン性界面
活性剤と、特定の第3アミンオキサイド型半極性界面活
性剤とを組合せた場合、起泡性、洗浄性に優れ、しかも
皮膚及び毛髪に対する刺激性を著しく低下させることを
見出し、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、一般式(A) (式中R1は平均炭素数7ないし21のアルキル基または、
アルケニル基、R2は平均炭素数1ないし3の低級アルキ
ル基、Mはアルカリ金属または有機アミン類を表わ
す。)で表わされるアルキロイルアルキルタウリン塩型
陰イオン性界面活性剤と、一般式(B) (式中R3は低級(C1〜C4)アルキル、アルコキシ又は、
ヒドロキシアルキル基から選ばれたものを表わし、R4
R5は炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を表わす。)また
は、一般式(C) (式中R6は低級(C1〜C4)アルキル、アルコキシ又は、
ヒドロキシアルキル基から選ばれたものを表わし、R7
炭素数7〜22の脂肪族炭化水素基であり、Xは−CONH
(CH2−(nは1〜5の整数)、または−(OCH2C
H2−(mは1〜5の整数)を表わす。またR8は炭素
数1〜22脂肪族炭化水素基、ないしは低級(C1〜C4)ア
ルコキシ又は、ヒドロキシアルキル基のいずれかを表わ
す。)で表わされる第3級アミンオキサイド型半極性界
面活性剤の一種または二種以上とを含有することを特徴
とする洗浄剤組成物である。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられるアルキロイルアルキルタウリン塩
型陰イオン性界面活性剤は、上記一般式(A)で表わさ
れ、例えばアルキロイル基R1CO−としては、例えばC11H
23CO−、C13H27CO−、C15H31CO−、C17H35CO−、C17H33
CO−、ヤシ油脂肪酸から得られる平均炭素数8ないし20
の混合アルキロイル基等が挙げられ、アルキル基R2とし
てはCH3−、C2H5−、C3H7−が、また対イオンMとして
はLi、K、Na、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
本発明に用いられるアミンオキサイド型半極性界面活
性剤は、上記一般式(B)又は(C)で表わされ、
(B)式で例えばR3としては−CH3、−C2H5、−C3H7
−CH2OH、−C24OH、−C3H6OHなどが挙げられ、R4、R5
しては、C6H13−、C8H17−、C10H21−、C12H25−、C14H
29−、C16H33−、C18H37−、C18H35−、C18H33−、ヤシ
油脂肪酸から得られる平均炭素数8ないし20の混合アル
キル基等が挙げられる。
一方、(C)式で、例えばR6としては−CH3、−C
2H5、−C3H7、−CH2OH、−C2H4OH、−C3H6OHなどが挙げ
られ、R7−X−としては、C8H17OCH2CH2−、C12H25(OC
H2CH2−、−C11H23CONHC2H4−などが挙げられ、R8
としては−CH3、C2H5、−C3H7、−CH2OH−、C2H4OH、−
C3H6OH、C10H21、−C12H25−、C14H29−、C16H33−、C
18H37−、C18H35−、C18H33−、ヤシ油脂肪酸から得ら
れる平均炭素数8ないし20の混合アルキル基等が挙げら
れる。
本発明の第3級アミンオキサイド型半極性界面活性剤
は、上記した一般式(B)又は(C)で表されるものの
中から一種又は二種以上が適宜選択され用いられる。
本発明において、アルキロイルアルキルタウリン塩型
陰イオン性界面活性剤と、一般式(B)または(C)で
表されるアミンオキサイド型半極性界面活性剤の重量比
は、99:1〜30:70の範囲が効果の面で特に好ましい。ま
た、(A)、(B)及び(C)の合計量は、洗浄剤組成
物全量中5〜50重量%が効果の面で特に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、上記の必須成分に加えて
洗浄剤に常用されている成分や添加剤を配合することも
可能である。即ち、高級アルコール、シリコーン油、流
動パラフィン、エステル油等の油分、プロピレングリコ
ール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリ
コール等の保湿剤成分、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等の水溶性高分子、ポリオキシエチレ
ン(以下、POEという)硬化ヒマシ油、POEアルキルエー
テル等の非イオン性界面活性剤、動植物の天然エキスお
よびその誘導体、クエン酸、乳酸等の有機酸、塩化ナト
リウム、塩化カリウム等の無機塩、カチオン性ポリマ
ー、香料、色剤、防腐剤、キレート剤、紫外線吸収剤等
を本発明の効果を損なわない範囲で適合配合できる。特
に、カチオン化セルロースエーテル、擬似カチオン性ポ
リアミン等のカチオン性ポリマーと組合せると、毛髪保
護効果の点で好ましい。
[実施例] 次に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。なお、こ
れに先立ち各実施例で採用した試験法、評価法を説明す
る。
(1)起泡性試験 CaCO370ppm人工硬水で、試料濃度1%溶液を400ml作
成し、温度40℃の条件下で、攪拌機つき円筒形シリンダ
ーを用いて起泡量を測定した。評価は3段階評価で行っ
た。
○・・・泡立ち良好:泡量2000ml以上 △・・・泡立ち普通:泡量1500ml以上 〜2000ml未満 ×・・・泡立ち不良:泡量1500ml未満 として表示した。
(2)洗浄性試験 CaO/MgO=3/1.5゜DH人工硬水で、試験濃度1%溶液を
調製し、ウールサージを用いた人工皮脂汚染布を洗浄し
た。温度40℃の条件下でTerg−O−tometer(JIS K−33
71)を用いて洗浄し、洗浄前後の反射率から洗浄効率を
求めた。
Ro:原布(ウールサージ)の反射率 Rs:洗浄前の汚染布の反射率 Rw:洗浄後の汚染布の反射率 ○・・・洗浄性良好 洗浄効率 80%以上 △・・・洗浄性普通 洗浄効率 60%以上 〜80%未満 ×・・・洗浄性不良 洗浄効率 60%未満 として表示した。
(3)蛋白質変性率 水系高速液体クロマトグラフ法により、卵白アルブミ
ンpH7緩衝溶液に、試料濃度1%になるように試料を加
えた場合の、卵白アルブミン変性率を220nmの吸収ピー
クを用いて測定した。
Ho:卵白アルブミンの220nm吸収ピークの高さ Hs:卵白アルブミン緩衝溶媒に試料を加えた時の220nm吸
収ピークの高さ評価は以下の4段階評価で行った。
◎……皮膚刺激性が非常に少ない−卵白アルブミン変性
率30%未満 ○……皮膚刺激性が少ない−卵白アルブミン変性率30%
以上60%未満 △……皮膚刺激性が中程度−卵白アルブミン変性率60%
以上80%未満 ×……皮膚刺激性が強い−卵白アルブミン変性率80%以
上 (4)手荒れ試験 各試料につき、男女各5名、合計10名のパネルを用い
左右どちらか一方の手を、試料濃度5%温度35℃の水溶
液に、他方の手を同温度の水に10分間浸漬する操作を1
日当り2回、2日間続けて行ない、左右の手の肌荒れ状
態の差を肉眼で判定した。
◎……手荒れ性著しく弱い 10人中0〜1名 試料側に手荒れが認められた ○……手荒れ性やや弱い 10人中2〜4名 試料側に手荒れが認められた △……手荒れ性やや強い 10人中5〜7名 試料側に手荒れが認められた ×……手荒れ性著しく強い 10人中8〜10名 試料側に手荒れが認められた (5)ふけ発生量 普段ラウリルエーテル硫酸エステル系の一般市販シャ
ンプー(ふけ、かゆみ用としての薬剤を含有しないも
の)を使用しているパネルに、普段と同じ洗髪頻度、普
段と同じ洗髪方法で試料を用いて5回洗髪してもらい、
試料使用前後のふけの発生量を比較した。一般市販シャ
ンプーで洗髪後3日のふけの量と、試料で5回洗浄した
最終日から3日のふけの量を測定した。ふけは濾布つき
吸引装置で、頭部より吸引採取し、他の異物による誤差
を除くため、ケルダール法により窒素量を測定し、これ
より平均蛋白質量を求め、ふけの量とした。パネル数
は、各試料につき3名で平均値で比較し、 ○:試料使用後ふけの量が10%以上減少 △: 〃 0%以上10%未満減少 ×: 〃 増加 として表示した。
(6)キューティクル剥離性 化学的な処理を受けていない毛髪の根元から3cmまで
の部分を、1〜1.5cmにカットし、10%試料溶液中にて2
5〜45℃で3時間超音波により強制的に損傷させた。そ
の後損傷を受けた毛髪の断面を電子顕微鏡により観察し
キューティクルの枚数を計測した。処理前後の、毛髪10
本の平均値から平均キューティクル枚数減少率を求め、
キューティクル剥離性を4段階で表示した。
◎:平均キューティクル減少率20%未満 ○:平均キューティクル減少率20%以上50%未満 △:平均キューティクル減少率50%以上80%未満 ×:平均キューティクル減少率80%以上 (7)皮膚コンダクタンス 室温25℃50%相対湿度の環境下で、健常人男子10名を
パネルとして皮膚コンダクタンスの変化を測定した。す
なわち、試料による処理前と試料溶液1時間の処理後24
時間後の胸部の皮膚コンダクタンスを測定しこの変化率
から判定した。
なお、皮膚コンダクタンスの変化率により角層の吸水
性、水分保持能への影響を検討することが可能であり、
変化率が大きいと、角層水分の減少等の点で好ましくな
い。
○:コンダクタンス変化率0.7以上1.0以下 △:コンダクタンス変化率0.3以上0.7未満 ×:コンダクタンス変化率0以上0.3未満 実施例1〜7、比較例1〜6 (表−1)内に記載した配合組成よりなるシャンプー
組成物を調製し、その使用性、皮膚刺激性、及び毛髪保
護性を(表−1)に比較例とともに示した。また、添加
剤等を配合した実施例もあわせて記載した。
実施例8 次の配合組成よりなる頭髪用シャンプーを調製し、実
施例1〜7と同様の方法にて評価した。
(重量%) ソジウム ラウロイルメチルタウレート 15.0 ソジウム ラウリルエーテルサルフェート 3.0 ジオクチルメチルアミンオキサイド 10.0 グリセリン 5.0 色剤、香料 適 量 イオン交換水 残 余 このシャンプーは毛髪に対する保護効果に優れ、蛋白
質変性率、皮膚のコンダクタンス変化率ともに小さく、
頭皮に対する刺激が小さいものであった。
実施例9 次の配合組成よりなる頭髪用シャンプーを調製し、実
施例1〜8と同様の方法にて評価した。
(重量%) ソジウム ココイルメチルタウレート 10.0 ラウリルエーテルジメチル アミンオキサイド 5.0 カチオン化セルロースエーテル 0.5 色剤、香料 適 量 イオン交換水 残 余 このシャンプーは毛髪に対する保護効果に優れ、蛋白
質変性率、皮膚のコンダクタンス変化率ともに小さく、
頭皮に対する刺激が小さいものであった。
実施例10 次の配合組成物よりなるボディー用洗浄剤を調製し、
実施例1〜9と同様の方法にて評価した。
(重量%) トリエタノールアミン ココイルメチルタウレート 18.0 N−ラウロイルアミノエチル ジメチルアミンオキサイド 5.0 ヤシ油 10.0 色剤、香料 適 量 イオン交換水 残 余 このボディ用洗浄剤は皮膚に対する刺激が少なく、皮
膚のコンダクタンス変化率の極めて小さいものであっ
た。
[発明の効果] 本発明は、毛髪、皮膚に対する刺激が小さく、特に皮
膚のコンダクタンスを変化を極めて小さくおさえること
に成功した洗浄剤組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 1:75) (56)参考文献 特開 昭59−100198(JP,A) 特開 平3−20212(JP,A) 特公 平2−26673(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 - 7/50 C11D 1/00 - 1/83

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(A) (式中R1は平均炭素数7ないし21のアルキル基または、
    アルケニル基、R2は平均炭素数1ないし3の低級アルキ
    ル基、Mはアルカリ金属または有機アミン類を表わ
    す。)で表わされるアルキロイルアルキルタウリン塩型
    陰イオン性界面活性剤と、一般式(B) (式中R3は低級(C1〜C4)アルキル、アルコキシ又は、
    ヒドロキシアルキル基から選ばれたものを表わし、R4
    R5は炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を表わす。)また
    は、一般式(C) (式中R6は低級(C1〜C4)アルキル、アルコキシ又は、
    ヒドロキシアルキル基から選ばれたものを表わし、R7
    炭素数7〜22の脂肪族炭化水素基であり、Xは−CONH
    (CH2−(nは1〜5の整数)、または−(OCH2C
    H2−(mは1〜5の整数)を表わす。またR8は炭素
    数1〜22脂肪族炭化水素基、ないしは低級(C1〜C4)ア
    ルコキシ又は、ヒドロキシアルキル基のいずれかを表わ
    す。)で表わされる第3級アミンオキサイド型半極性界
    面活性剤の一種または二種以上とを含有することを特徴
    とする洗浄剤組成物。
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