JP2859354B2 - 有機物含有肥料の造粒方法 - Google Patents

有機物含有肥料の造粒方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機物含有肥料の造粒方法に関し、さらに詳
細には有機物含有肥料とカラシ油粕またはカラシ油粕を
含む肥料と水とを含む混合物から有機物含有肥料を造粒
する方法に関する。
[従来の技術] 近年、肥料の高機能化のために肥料中の有機物含量を
高めることが望まれており、そのような有機物含量の多
い肥料を、取扱が容易で、施肥がしやすく、飛散や流失
の少ない形状の成形肥料に効率的に造粒する方法が要望
されている。
有機物を含有する化成肥料は一般にその水混合物をパ
ン型造粒機や回転円筒型造粒機や撹拌型造粒機等により
造粒し得られた造粒物を乾燥し所望の粒子径範囲に篩別
することにより得られる。成形肥料の形状は通常2mm〜4
mmの平均粒子径を有する球状ないし球状に近い形が最適
である。
しかし、一般に有機物の配合割合が多くなるほど肥料
の造粒が難しくなり、また得られた肥料粒子の硬度が低
下するという欠点がある。そのため有機物の配合割合が
多い化成肥料を粒状にするために、造粒助剤として例え
ば廃糖密アルコール廃液、リグニン、リグニン液等を添
加して造粒する方法が行なわれている。この方法による
と造粒性、硬度は改善するものの多量の添加水分を必要
とするため造粒物を乾燥するのに膨大な重油等エネルギ
ーコストがかかること、また乾燥時悪臭を放つといった
問題がある。
廃糖密アルコール廃液を用いる方法におけるこのよう
な欠点を改良するために、肥料に廃糖密アルコール醗酵
廃液乾燥物を混合して成形した成形肥料も提案されてい
る(特公昭63−28879号公報)。この方法によれば、混
合時間が短縮され、成形後の乾燥工程が不要となる等の
利点があるが、上記廃液乾燥物は廃液に担体を加えて乾
燥粉末化したもので、このため成形肥料中の有機肥料の
含量を上げることが難しい。従って、有機物の配合割合
が多い肥料を造粒するためには、一般には転動造粒法を
採用せずコンパクティング造粒機、ブリケット造粒機、
ペレット造粒機等を使用する圧縮成形造粒法が行なわれ
ている。しかし、この方法によると乾燥エネルギーの低
減及び悪臭の発生防止にはある程度効果はあるものの形
状が不定形、ペレット状(円筒状)、ブリケット状(凸
レンズ状)となるため、近年普及のめざましい機械施肥
及びBB肥料(バルクブレンディング肥料)に対する適応
性には、いまひとつ欠けるきらいがある。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明者らは、この様な現状に鑑み鋭意研究を
重ねた結果、油粕の一種であるカラシ油粕が肥料の造粒
助剤として有効であることが見出され、カラシ油粕また
はカラシ油粕を含む肥料に水を加え混練したものを、肥
料原料に加え混合造粒すれば製品歩留が良く比較的添加
水分が少なくてすみ、しかも、肥料粒子の硬度が高く形
状的にも球状ないし球状に近い形の有機物含有肥料が製
造可能なることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、有機物を含有する肥料原料と、カ
ラシ油粕またはカラシ油粕を含む肥料に水を加え混練し
たものとを混合し、造粒することを特徴とする有機物含
有肥料の造粒方法である。
本発明において使用する有機物を含有する肥料は骨
粉、皮粉、ナタネ油粕、ダイズ油粕、乾燥菌体肥料、魚
粕等の有機肥料、またはこれらの混合物、あるいはこれ
らの有機肥料と、窒素成分(N)、燐酸成分(P)、加
里成分(K)、Mg、Mn、B等微量成分を含む化学肥料と
の混合物の何れであっても任意に使用でき、特に限定さ
れるものではないが、有機物含有肥料中の有機物が30〜
100重量%であることが好しい。
また、本発明において使用するカラシ油粕は芥子の種
実から油を抽出採取した油粕であり、それ自体肥料とし
て利用可能のものであり、米国、カナダ、西欧、ソ連、
インドなどで生産され、わが国には一部輸入されている
が肥料としてはほとんど利用されていない。
本発明においてはカラシ油粕のみを肥料の造粒助剤と
して使用してもよいが、カラシ油粕を含む肥料、例えば
カラシ油粕とナタネ油粕との混合物等をそのまま使用す
ることもできる。この場合混合物中のカラシ油粕の含量
はカラシ油粕が10〜100重量%、好ましくは30〜100重量
%の混合物を用いる。カラシ油粕の含量が10%以下の場
合には水で混練しても粘度が低く、造粒が効果的に行な
われない。
またカラシ油粕の添加量は造粒された肥料全体の乾燥
重量に対し、カラシ油粕の重量が5〜100重量%、特に1
0〜70重量%の範囲となるようにするのが好ましい。カ
ラシ油粕の量が5重量%より少ないと造粒が効果的に行
なわれない。従って、前記のようにカラシ油粕を含む肥
料を造粒助剤として用いる場合には、造粒された肥料全
体の乾燥重量に対するカラシ油粕の量を上記の範囲に保
つ必要があるが、造粒助剤中のカラシ油粕の量が余り少
ないと、混練のために必要な水の添加量が多くなり、乾
燥の手間やエネルギー消費の点から好ましくなく、この
ためにも造粒剤中のカラシ油粕の濃度が大きいものが好
ましい。
カラシ油粕は、ナタネ油粕などと同じく種実から採取
した油粕であるが、他の油粕と異なり、水を加え混練す
ることによって、適当な粘性が付与され、有機物含有肥
料の造粒のための助剤として使用できるという特異な性
質をもっている。例えば、種実としては同属に分類され
るナタネ油粕は有機肥料として広く利用されているが、
これを含有する肥料を造粒しようとすれば造粒のための
助剤を必要とし、しかもこのような有機物の配合割合が
高いほど造粒が困難になるという傾向を有する。すなわ
ち一般に油粕は造粒に対してはマイナスの作用を有する
と考えられていたものであるが、カラシ油粕は驚くべき
ことに、これとは逆に造粒助剤としての効果を奏するの
である。しかもカラシ油粕はそれ自体が有機肥料であ
り、他の補助成分を添加する必要もないので、本発明方
法により有機物含量の高い成形肥料を得ることができ
る。
本発明方法により有機物含有肥料を造粒するには、ま
ずバグミキサー、ニーダー、ホイール型混練機等混練機
能を有する機器でカラシ油粕に対し、水を添加し、適度
の撹拌をし粘着性をもった混練物を調整する第1工程
と、この混練物を有機物を含有する肥料中に添加し、ミ
キサーによって混合分散させる第2工程、さらにこの混
合物を造粒する第3工程により順次行なうのが好まし
い。
第1工程における添加水分は、カラシ油粕のみを造粒
助剤として用いる場合には、カラシ油粕に対し、10〜30
重量%が好しい。10%以下では、所望する十分な粘度を
得られず、また30%以上では、強粘着団子状となるた
め、第2工程で有機物を含有する肥料と均一に混合する
のに支障をきたす。また付着により装置が汚れる。また
カラシ油粕と肥料の混合物を造粒助剤として用いる場合
には混合物に対する水の添加量を上記の範囲とすること
が、好ましい。
またこの工程における混練時間は使用機種によって異
なるが30秒〜3分が好しく30秒以内では十分な混練効果
が得られずまた3分以上では粘着性が強くなり上記と同
様な問題が発生する。
第2工程で有機物を含有する肥料と混合された混合物
中の、第1工程で調製した混練物の配合割合は、造粒さ
れた肥料全体の乾燥重量に対し、カラシ油粕の重量が5
〜100乾燥重量%となるようにする。即ち第1工程で調
製した混練物だけでも造粒できるが、肥料成分上の理由
から10〜90乾物重量%が好しい。
また、装置、混合時間については十分混合分散できる
機種、時間を採用すれば良く特に限定されるものではな
いが、装置上連続化の可能な機種が好しい。
第1工程における操作を省略し、第2工程内で両者の
操作を行なう方法、即ちあらかじめ有機物を含有する肥
料中にカラシ粕を混ぜておき、第2工程のミキサー中で
水を添加し、混合及び混練を行なう方法も可能ではある
が、カラシ油粕の粘性を十分引き出せないので、上記の
ごとき逐次操作の法が好ましい。
第3工程における造粒方式としては、それ自体公知の
種々の造粒方式を任意に採用できる。本発明において
は、球状ないし球状に近い製品形状の得られるパン型造
粒機回転円筒型造粒機、撹拌式造粒機を用いるのが有利
である。
[実施例] 以下、本発明の実施例及び比較例を示し本発明を具体
的に説明する。
実施例1 硫安10部、硫加10部、魚粕20部、脱こう骨粉20部、乾
燥菌体肥料10部、皮粉10部、ナタネ油粕10部、ヒマシ油
粕10部を混合し粉状の有機物を含有する肥料を製造し
た。他方カラシ油粕100部に対し水20重量%の水を加
え、これをニーダーで3分間混練しカラシ油粕の混練物
を調整した。
上記有機物を含有する肥料1.8kgとカラシ油粕の混練
物336gをバグミキサーに入れ、1分間混合し造粒用原料
混合物を調整した。この造粒用原料混合物を内径1m高さ
19cmのパン型造粒機に入れ、約15分間造粒操作を行なっ
た。得られた造粒物の一部を取り出し常法により水分を
測定した。残りの造粒物を70℃の恒温箱型乾燥機に入
れ、約6時間放置して乾燥した。得られた乾燥粒状物を
2mm及び4mmの篩で篩分し2〜4mmの粒状物を製品粒状肥
料とし全乾燥粒状物に対する製品粒状肥料の重量%を製
品歩留とした。また、製品粒状肥料の中から任意に20粒
取り出し、不層式硬度計で硬度を測定し平均粒子硬度を
求めた。この結果を第1表に示す。
比較例1 更に比較のために実施例1で調整した有機物を含有す
る肥料1.8kgと廃糖密アルコール廃液(水分含有量60
%)666gとをバグミキサーに入れ、1分間混合し、造粒
用原料混合物を調製した。以下、実施例1と同様の操作
で粒状肥料を製造し、同様の測定を行なった。
これらの造粒品水分、製品歩留、製品硬度を第1表に
示す。
第1表から明らかなように、カラシ油粕を造粒助剤と
して用いた本発明方法は廃糖密アルコール廃液を用いる
方法に較べ、造粒効率、製品硬度ともに優れている。
実施例2 脱こう骨粉50部、乾燥菌体肥料50部を混合し、粉状の
有機物を含有する肥料を製造した。他方カラシ油粕80重
量%を含有するカラシ油粕−ナタネ油粕混合物に対し、
20重量%の水を加え、これをニーダーで30秒間混練して
カラシ油粕を含有するナタネ油粕の混練物を調製した。
上記有機物を含有する肥料400gとカラシ油粕を含有する
混練物2002gをバグミキサーに入れ、1分間混合し、造
粒用原料混合物を調製した。以下実施例1と同様の操作
で粒状肥料を製造し同様の測定を行なった。
これらの造粒品水分、製品歩留、製品硬度を第2表に
示す。
比較例2 実施例2において、カラシ油粕−ナタネ油粕混合物の
代わりにナタネ油粕を用いた以外は実施例2と同じ方法
でパン型造粒機を用いて肥料の造粒操作を行なった。こ
の結果を第2表にあわせて示したが、カラシ油粕−ナタ
ネ油粕混合物を用いた本発明方法に較べ、造粒効率が非
常に悪かった。
実施例3 実施例2で用いたと同じカラシ油粕80重量%を含有す
るカラシ油粕−ナタネ油粕混練物を調製し、ナタネ油粕
400gと上記カラシ油粕−ナタネ油粕混練物2014gをバグ
ミキサーに入れ、1分間混合し、造粒用原料混合物を調
製した。以下実施例1と同様の操作で粒状肥料を製造し
同様の測定を行なった。
これらの造粒品水分、製品歩留、製品硬度を第3表に
示す。
比較例3 実施例3において、カラシ油粕−ナタネ油粕混練物の
代わりにナタネ油粕を用いた以外は実施例3と同じ方法
でパン型造粒機を用いて肥料の造粒操作を行なった。こ
の結果を第3表にあわせて示したが、カラシ油粕−ナタ
ネ油粕混合物を用いた本発明方法に較べ、造粒効率が非
常に悪かった。
[発明の効果] 本発明の造粒法は、カラシ油粕またはカラシ油粕を含
む肥料の使用により従来の廃糖密アルコール廃液、リグ
ニン、リグニン液等造粒助剤が不要となるばかりでな
く、これら造粒助剤を使用した従来の造粒法に比べ、造
粒効率が高く、製品粒子硬度も高くなり、また添加水分
が少なくてすむため、乾燥エネルギーの節約になる。
また、それ自体が肥料成分を含むため、この有効利用
がはかられ、有機物含量の高い成形肥料が得られる等優
れた効果を有する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機物を含有する肥料原料と、カラシ油粕
    またはカラシ油粕を含む肥料に水を加え混練したものと
    を混合し、造粒することを特徴とする有機物含有肥料の
    造粒方法。
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ES2759025T3 (es) 2013-10-11 2020-05-07 Suunil Sudhakar Chaudhry Un proceso para producir un fertilizante de nitrógeno ecológico, biodisponible y muy nutritivo a partir de organismos no modificados genéticamente

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