JP2858731B2 - ヒューズ接続部の選択的接続構造 - Google Patents

ヒューズ接続部の選択的接続構造

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JP2858731B2
JP2858731B2 JP6291217A JP29121794A JP2858731B2 JP 2858731 B2 JP2858731 B2 JP 2858731B2 JP 6291217 A JP6291217 A JP 6291217A JP 29121794 A JP29121794 A JP 29121794A JP 2858731 B2 JP2858731 B2 JP 2858731B2
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裕一 石田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の電気配線に使
用される電気接続箱等において、二つの回路のうちいず
れか一方の回路にヒューズを挿着して、一つの回路のみ
を導通させるようにしたヒューズ接続部の選択的接続構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気接続箱には、図6に示すよう
に、上ケースKに、回路構成に対応して多数のヒューズ
Fが組み込まれている。その回路構成は、たとえば図7
に示すように、各負荷の作動条件等により、常時電流が
流れるバッテリ(BAT)系の電源と、イグニションス
イッチポジションにおいて電流が流れるアクセサリ(A
CC)系の電源に区別されている。バッテリ系電源は、
たとえば時計、ドアランプ等に電気部品に接続され、ア
クセサリ系電源はラジオ等の電気部品に接続されてい
る。
【0003】しかし、各負荷の使用条件を考慮して、バ
ッテリ系回路の負荷をアクセサリ系回路に変更できるよ
うに、バッテリ系回路およびアクセサリ系回路に導通す
るヒューズ端子aとbとが設けてある回路もある。そし
て、必要に応じて一個のヒューズを、ヒューズ端子a、
bのいずれか一方に挿入するようにしている。そのた
め、誤ってヒューズ端子a、bの両方にヒューズを挿入
してしまうことがあり、その結果、他の負荷が誤動作し
て障害が発生する問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたもので、二種類の回路のうちいず
れか一方に、ヒューズを挿着して選択的に導通させる際
に、ヒューズの誤挿入を確実に防止して的確な回路選択
ができるヒューズ接続部の選択的接続構造を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、本発明は、電気回路を構成する二つのヒューズ接続
部に対し、ヒューズを接続して、いずれか一方の回路の
みを導通させるようにしたヒューズ接続部の選択的接続
構造であって、隣接するヒューズ接続部相互間に、ヒュ
ーズ導入壁を有するヒューズ案内具を移動自在に設け、
該ヒューズ案内具をいずれか一方のヒューズ接続部に移
動させることにより、一方のヒューズ接続部に設けた固
定導入壁と該ヒューズ導入壁との間隔をヒューズを挿着
可能とすると共に、他方のヒューズ接続部の固定導入壁
とヒューズ導入壁との間隔を狭窄してヒューズの挿着を
阻止するようにしたことを特徴とする。
【0006】ヒューズ案内具の移動に伴い、ヒューズの
挿着を阻止する側のヒューズ接続部の端子導通孔をヒュ
ーズ案内具により閉止するようにすることが好ましい
(請求項2)。ヒューズ案内具のスライド板は、電気接
続箱に移動自在に装着されていることが好適である(請
求項3)。隣接するヒューズ接続部は、電気接続箱に立
設した固定導入壁と、ヒューズ案内具のスライド板に立
設したヒューズ導入壁とにより囲まれて形成されるヒュ
ーズキャビティを備えたヒューズ接続部であることが有
効である(請求項4)。ヒューズ案内具は、端子収容部
を備えたヒューズ案内具であることが好適である(請求
項5)。
【0007】
【作用】本発明によれば、隣接するヒューズ接続部に、
ヒューズ導入壁を有するヒューズ案内具を移動自在に設
けており、ヒューズ案内具を移動させてヒューズ導入壁
を一方のヒューズ接続部の固定導入壁に対してヒューズ
挿着可能な位置に配置したとき、他方のヒューズ接続部
はその固定導入壁とヒューズ導入壁との間隔が狭窄して
ヒューズの挿入を阻止するようにしている。ヒューズ案
内具を反対方向へ移動させると、一方のヒューズ接続部
の固定導入壁に対してヒューズ導入壁が接近し、固定導
入壁とヒューズ導入壁との間隔が狭窄してヒューズの挿
入が阻止され、他方のヒューズ接続部の固定導入壁とヒ
ューズ導入壁との間隔が拡開してヒューズ挿着可能とな
る。したがって、同時にヒューズ接続部の双方にヒュー
ズを挿着することは不可能であり、誤ってヒューズを双
方に挿着することが未然に防止される。
【0008】また、請求項2に記載したように、ヒュー
ズ案内具の移動に従い、ヒューズ接続部の端子導通孔を
ヒューズ案内具のスライド板などで閉止するようにする
ことにより、ヒューズの雄タブの挿入が不可能となるた
め、誤ってヒューズを挿着することが確実に防止され
る。
【0009】さらに、請求項5に記載したように、ヒュ
ーズ案内具に端子収容部を設けることにより、ヒューズ
と回路導体とを接続する中継端子を端子収容部で保持で
きる。すなわち、ヒューズを挿着しないヒューズ接続部
においては、ヒューズ案内具の移動に従いヒューズ導入
壁と共に、端子収容部が中継端子に接近し、端子収容部
によって中継端子が抑えられるため、ヒューズとの接続
が無いにもかかわらず安定した状態で保持される。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の実施例に係わる電気接続箱
内の電気部品を分離してヒューズ接続部の選択的接続構
造を示した斜視図である。電気接続箱を構成する上カバ
ー1上には、ヒューズ接続部として複数のヒューズキャ
ビティ2が設けられており、上カバー1と下カバー3と
の間にはブスバー等の回路体4が配設された複数のブス
バー配線板5が積層されている。ブスバー等の回路体4
は、中継端子6を介してヒューズ7を接続することによ
って導通されるが、中継端子6に対するヒューズ7の挿
着は、ヒューズ案内具8の操作によって選択的に行うよ
うにしている。
【0011】ヒューズ案内具8を装着するヒューズキャ
ビティ2′は、上カバー1上に立設した固定導入壁9
と、ヒューズ案内具8に並設されたヒューズ導入壁12
とによって囲まれるように形成され、ヒューズキャビテ
ィ2″は、固定導入壁9′と、ヒューズ案内具8に並設
されたヒューズ導入壁12′とによって囲まれるように
形成されている。ヒューズキャビティ2′、2″相互間
の上カバー1には、案内具収容窓10が開設されてい
る。案内具収容窓10の外側には、スライド用溝11が
設けてある。
【0012】ヒューズ案内具8は、ヒューズ導入壁1
2、12′を有し、かつカバー1の案内具収容窓10を
覆うスライド板13から成り、スライド板13の下方に
は中継端子6を収容する端子収容部14が設けてある。
スライド板13の両端部には、スライド鉤15が付設さ
れ、上カバー1のスライド用溝11にスライド鉤15を
嵌入して上カバー1上を摺動することにより、ヒューズ
案内具8がヒューズキャビティ2′、2″間を移動しう
るようにしてある。
【0013】ヒューズ導入壁12と12′との間隔は、
一方のヒューズキャビティ2′の固定導入壁9とヒュー
ズ導入壁12との間隔が、ヒューズ7を挿着するに適切
な間隔であるときに、他方のヒューズキャビティ2″の
固定導入壁9′とヒューズ導入壁12′との間隔が狭め
られてヒューズ7をヒューズキャビティ2″に挿着する
ことができないように設定してある。
【0014】一方のヒューズキャビティ2′にヒューズ
7を挿着する場合は、図2の矢印に示すように、ヒュー
ズ案内具8をヒューズキャビティ2″側に寄せ、一方の
ヒューズ導入壁12を、ヒューズキャビティ2′内にヒ
ューズ7を挿入できる位置に配置する。このとき、他方
のヒューズ導入壁12′は、他方の固定導入壁9′に接
近し、図3に示すように、固定導入壁9′とヒューズ導
入壁12′との間隔が狭められているため、ヒューズキ
ャビティ2″内にヒューズ7を挿入しようとしても挿入
不可能である。したがって、誤ってヒューズ7を所定外
のヒューズキャビティ2″に挿入することが確実に防止
される。
【0015】このとき、図4に示すように、スライド板
13の側縁部13aがヒューズキャビティ2′の端子挿
通孔16を閉止するため、ヒューズ7の雄タブ7aを端
子挿通孔16に挿入することが確実に阻止される。した
がって、雄タブ7aが長いヒューズの場合であっても、
誤って挿着されることが防止される。また、図3に示し
たように、端子収容部14がヒューズキャビティ2″下
方の中継端子6に接近するので、ヒューズ7と接続しな
い中継端子6が端子収容部14によって保持され、脱落
したり位置がずれたりすることが防止される。
【0016】他方のヒューズキャビティ2″にヒューズ
7を挿着する場合は、図5に示すように、ヒューズ案内
具8をスライドさせて、他方のヒューズ導入壁12′
を、ヒューズキャビティ2″のヒューズ挿着可能な位置
に配置する。このとき、一方のヒューズ導入壁12は、
一方のヒューズキャビティ2′の固定導入壁9に接近す
るため、ヒューズキャビティ2′が狭くなり、ヒューズ
7をヒューズキャビティ2′内に挿入しようとしても挿
入不可能となる。
【0017】また、前記の場合と同様に、スライド板1
3の側縁部13aがヒューズキャビティ2′の端子挿通
孔16を塞ぐため、ヒューズ7の雄タブ7aの挿入が確
実に阻止される。さらに、端子収容部14がヒューズキ
ャビティ2′下方の中継端子6に接近し、ヒューズ7と
接続しない中継端子6が端子収容部14によって保持さ
れる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ヒューズ案内具を移動
させてヒューズ導入壁を一方のヒューズ接続部の固定導
入壁に対してヒューズ挿着可能な位置に配置したとき、
他方のヒューズ接続部はその固定導入壁とヒューズ導入
壁との間隔が狭窄してヒューズの挿入を阻止するように
している。そのため、同時にヒューズ接続部の双方にヒ
ューズを挿着することは不可能であり、誤ってヒューズ
を双方に挿着することが未然に防止される。また、ヒュ
ーズ案内具の移動に伴い、ヒューズ接続部の端子導通孔
を閉止するようにすることにより、ヒューズの雄タブの
挿入が不可能となり、誤ってヒューズを挿着することが
確実に防止される。さらに、ヒューズ案内具に端子収容
部を設けることにより、ヒューズ案内具の移動に伴い、
端子収容部によって中継端子が抑えられるため、ヒュー
ズとの接続が無いにもかかわらず安定した状態で保持さ
れるなどの多大な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる電気接続箱内の電気部
品を分離してヒューズ接続部の選択的接続構造を示した
斜視図である。
【図2】図1のヒューズ案内具を移動させて一方のヒュ
ーズキャビティにヒューズを挿着する状態を示す断面図
である。
【図3】図2の他方のヒューズキャビティにはヒューズ
を挿入できない状態を示す説明図である。
【図4】図2のヒューズ案内具の位置を示す平面図であ
る。
【図5】図2のヒューズ案内具を反対方向へ移動させて
他方のヒューズキャビティにヒューズを挿着する状態を
示す断面図である。
【図6】従来の電気接続箱におけるヒューズの挿着状態
を示す斜視図である。
【図7】図6のヒューズを含む電源回路を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 上カバー 2、2′、2″ ヒューズ接続部(ヒューズキャビテ
ィ) 8 ヒューズ案内具 9、9′ 固定導入壁 12、12′ ヒューズ導入壁 13 スライド板 14 端子収容部 16 端子挿通孔

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気回路を構成する二つのヒューズ接続
    部に対し、ヒューズを接続して、いずれか一方の回路の
    みを導通させるようにしたヒューズ接続部の選択的接続
    構造であって、 隣接するヒューズ接続部相互間に、ヒューズ導入壁を有
    するヒューズ案内具を移動自在に設け、該ヒューズ案内
    具をいずれか一方のヒューズ接続部に移動させることに
    より、一方のヒューズ接続部に設けた固定導入壁と該ヒ
    ューズ導入壁との間隔をヒューズを挿着可能とすると共
    に、他方のヒューズ接続部の固定導入壁とヒューズ導入
    壁との間隔を狭窄してヒューズの挿着を阻止するように
    したことを特徴とするヒューズ接続部の選択的接続構
    造。
  2. 【請求項2】 ヒューズ案内具の移動に伴い、ヒューズ
    の挿着を阻止する側のヒューズ接続部の端子導通孔をヒ
    ューズ案内具により閉止するようにした請求項1記載の
    ヒューズ接続部の選択的接続構造。
  3. 【請求項3】 ヒューズ案内具のスライド板が、電気接
    続箱に移動自在に装着されている請求項1または請求項
    2記載のヒューズ接続部の選択的接続構造。
  4. 【請求項4】 隣接するヒューズ接続部が、電気接続箱
    に立設した固定導入壁と、ヒューズ案内具のスライド板
    に立設したヒューズ導入壁とにより囲まれて形成される
    ヒューズキャビティを備えたヒューズ接続部である請求
    項1、請求項2または請求項3記載のヒューズ接続部の
    選択的接続構造。
  5. 【請求項5】 ヒューズ案内具が、端子収容部を備えた
    ヒューズ案内具である請求項1、請求項2、請求項3ま
    たは請求項4記載のヒューズ接続部の選択的接続構造。
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