JP2858618B2 - フッ素樹脂コーティングを施した金属製真空二重びんの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂コーティングを施した金属製真空二重びんの製造方法

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JP2858618B2 JP20031093A JP20031093A JP2858618B2 JP 2858618 B2 JP2858618 B2 JP 2858618B2 JP 20031093 A JP20031093 A JP 20031093A JP 20031093 A JP20031093 A JP 20031093A JP 2858618 B2 JP2858618 B2 JP 2858618B2
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博 中村
悟 西脇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、主としてステンレスな
どよりなる金属製真空二重びんにおいて、その内面にフ
ッ素樹脂コーティングを施したものを製造するための方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製真空二重びんにおいて、その内面
に汚れ防止などの目的でフッ素樹脂コーティングを施す
ことが考えられている。
【0003】金属表面にフッ素樹脂をコーティングする
場合、フッ素樹脂を塗布した後加熱して焼結する必要が
ある。金属製真空二重びんにコーティングする場合につ
いて言えば、減圧処理を行って完成した金属製真空二重
びんにフッ素樹脂を塗布し、次いで焼結する方法と、減
圧前の金属製二重びんにフッ素樹脂を塗布して焼結し、
コーティングした後に、減圧処理を行って金属製真空二
重びんとする方法とが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製
真空二重びんにフッ素樹脂を塗布した後、加熱焼結する
方法では、その焼結時の熱によって金属表面に吸着して
いた気体分子が放出され、真空度が低下する可能性があ
る。
【0005】また金属製二重びんにフッ素樹脂を塗布し
て焼結し、コーティングを施した後に、減圧処理を行う
方法では、減圧処理時に加熱するため、フッ素樹脂は二
度に亙って加熱されることとなり、長時間に亙って高温
に曝されるために劣化する恐れがある。
【0006】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、金属製真空二重びんの減圧処理とフッ素樹脂の
加熱焼結とを同時に行い、製造工程を簡略化すると共
に、真空度が低下するのを防止し、且つフッ素樹脂が劣
化するのを防止することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】而して本発明は、外びんの一部
にチップ管を熔接した金属製二重びんの内面にフッ素樹
脂を塗布し、前記チップ管から金属製二重びんの内びん
と外びんとの間の空所を減圧しつつ、110〜130℃
の温度で5〜15分間加熱して前記フッ素樹脂を乾燥す
る工程と、その後昇温して327℃以下の温度で30〜
40分間保持する工程と、次いで370〜390℃の温
度で10〜20分間フッ素樹脂を焼結する工程とを順次
行い、然る後前記チップ管を密閉することを特徴とする
ものである。
【0008】
【実施例】図1は本発明を適用する金属製真空二重びん
1を示すものであって、外びん2と内びん3とよりなっ
ており、外びん2の底部にはチップ管4が溶接されてい
る。そのチップ管4から外びん2と内びん3との間の空
所5内を減圧し、空所5内を真空にした後そのチップ管
4を密閉することにより、空所5内の真空が維持されて
いる。
【0009】而して本発明においては、空所5内を真空
にする前の金属製二重びんにおいて、内びん3の内面に
フッ素樹脂を塗布する。ここで使用するフッ素樹脂は、
通常のフライパンなどの各種調理器に適用されるフッ素
樹脂コーティングに使用されると同様の、ポリテトラフ
ルオルエチレン樹脂のエマルジョンなどを使用すること
ができる。
【0010】次にこのフッ素樹脂を塗布した金属製二重
びんを、前記チップ管4を真空ポンプに接続して外びん
2と内びん3との間の空所5を減圧しつつ、以下に述べ
る工程に従って加熱する。
【0011】図2は本発明における加熱工程を示すグラ
フである。先ず金属製二重びんを約110〜130℃に
加熱して約5〜15分間保持し、金属製二重びんの内面
に塗布されたフッ素樹脂を乾燥する。
【0012】然る後金属製二重びんを約327℃付近に
まで昇温する。金属製二重びんを327℃を超えない範
囲でできるだけ高温にし、その昇温開始時から約30〜
40分間保持する。
【0013】このときの温度は327℃を超えない温度
に調整するべきである。加熱することにより金属表面に
吸着した気体分子を放出させて真空度を高めるので、で
きるだけ高温に加熱するのが好ましいが、327℃を超
える温度に長時間晒すと、フッ素樹脂が劣化する恐れが
ある。
【0014】次いでさらに金属製二重びんを昇温し、3
70〜390℃に10〜20分間保持する。これによっ
てフッ素樹脂を焼結し、金属製二重びんの内面に強固な
フッ素樹脂コーティングを形成する。
【0015】これらの工程の間、チップ管4から減圧し
続けており、また熱により金属表面に吸着された気体分
子も放出されるので、外びん2と内びん3との間の空所
5は高度の真空となっている。
【0016】ここでチップ管4を密閉すると共に、金属
製真空二重びん1を冷却することにより、内面にフッ素
樹脂コーティングを施した金属製真空二重びん1が得ら
れるのである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、金属製二重びん内を減
圧する際の加熱工程を利用して、内面に塗布したフッ素
樹脂の乾燥及び焼結を行うものであり、金属製真空二重
びん1の製造コストを低減することができると共に、空
所5内の真空度が低下したりフッ素樹脂が劣化したりす
ることがない。
【0018】また本発明によれば特定の工程に従って加
熱することにより、金属製真空二重びん1の空所5内に
高度の真空を得ると共に、優れた品質のフッ素樹脂コー
ティングを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属製真空二重びんの中央縦断面図
【図2】 本発明における加熱条件を示すグラフ
【符号の説明】
1 金属製真空二重びん 2 外びん 3 内びん 4 チップ管 5 空所
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−188121(JP,A) 特開 昭60−171019(JP,A) 実開 昭59−165123(JP,U) 実開 昭57−181225(JP,U) 実公 昭24−5850(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 41/02 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外びん(2)の一部にチップ管(4)を
    熔接した金属製二重びんの内面にフッ素樹脂を塗布し、
    前記チップ管(4)から金属製二重びんの内びん(3)
    と外びん(2)との間の空所(5)を減圧しつつ、11
    0〜130℃の温度で5〜15分間加熱して前記フッ素
    樹脂を乾燥する工程と、その後昇温して327℃以下の
    温度で30〜40分間保持する工程と、次いで370〜
    390℃の温度で10〜20分間フッ素樹脂を焼結する
    工程とを順次行い、然る後前記チップ管(4)を密閉す
    ることを特徴とする、フッ素樹脂コーティングを施した
    金属製真空二重びんの製造方法
JP20031093A 1993-07-19 1993-07-19 フッ素樹脂コーティングを施した金属製真空二重びんの製造方法 Expired - Fee Related JP2858618B2 (ja)

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