JP2857684B2 - ヒトリラキシンの単離のための方法および組成物 - Google Patents

ヒトリラキシンの単離のための方法および組成物

Info

Publication number
JP2857684B2
JP2857684B2 JP2506493A JP50649390A JP2857684B2 JP 2857684 B2 JP2857684 B2 JP 2857684B2 JP 2506493 A JP2506493 A JP 2506493A JP 50649390 A JP50649390 A JP 50649390A JP 2857684 B2 JP2857684 B2 JP 2857684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
polypeptide
relaxin
asp
ala
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2506493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04504953A (ja
Inventor
ヘナー,デニス・ジェイ
バンドレン,リチャード・アイ
ウィルキンス,ジェイムス・エー
ヤンスラ,ダニエル・ジー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JENENTETSUKU Inc
Original Assignee
JENENTETSUKU Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JENENTETSUKU Inc filed Critical JENENTETSUKU Inc
Publication of JPH04504953A publication Critical patent/JPH04504953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2857684B2 publication Critical patent/JP2857684B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/64Relaxins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/02Drugs for disorders of the urinary system of urine or of the urinary tract, e.g. urine acidifiers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/8215Microorganisms
    • Y10S435/822Microorganisms using bacteria or actinomycetales
    • Y10S435/848Escherichia
    • Y10S435/849Escherichia coli
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S930/00Peptide or protein sequence
    • Y10S930/01Peptide or protein sequence
    • Y10S930/31Linker sequence

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、タンパク質の単離のための改善された方法
および組成物、ならびに所望のタンパク質またはペプチ
ド、特にアスパラギン酸(Asp)残基を本質的に欠くヒ
トリラキシンなどの複数鎖タンパク質の容易な単離を可
能にする新規な遺伝子構築物に関する。
組換え法による所望のタンパク質の製造および単離、
例えば遺伝子操作された配列または単離された遺伝子配
列を用いる方法は、最近の数年でかなり精巧なレベルに
まで達した。事実、現在では真核および原核の両宿主を
含む多種の宿主において、いくつかの例を挙げれば例え
ば組換えヒトインターフェロン、ヒト成長ホルモン、ま
たはヒト組織プラスミノーゲン活性化因子を含む種々の
タンパク質を組換え法によって製造することが可能であ
る[Maniatisら,Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual(Cold Spring Harbor:New York,1982)]。さら
に、DNA配列をある関係位置から他の関係位置に移動ま
たは「操作」するための方法、例えば配列をある組換え
ベクターまたは宿主から他のベクターまたは宿主に移動
させるための方法は、現在では常法に基づいて達成する
ことができる。このような方法は、多数の重要な薬学的
および生物工学的産物を、天然環境においてこのタンパ
ク質に通常伴われている物質を本質的に含まない形態で
製造することおよびそれを容易に入手することを可能に
した。
残念なことに、一部のタンパク質はある種の困難を伴
ってしか組換え法によって発現されない。例えば、ある
種のタンパク質、特にある種のタンパク質ホルモン類
は、通常、その細胞形成期の形態とは全く異なる成熟形
態で存在し、プロセッシング(一連の酵素の作用である
ことが多い)を必要とする。このようなタンパク質は、
プレ、プロ、またはプレ/プロ形態で存在すると言われ
る。また、このようなタンパク質のプロセッシングによ
って2またはそれ以上の別々のペプチド鎖が生成する結
果になることが多く、これら鎖の一方または両方が生物
学的活性を有していることもあり、また、これら自体が
結合または架橋を形成して複数鎖のタンパク質(例え
ば、インスリンまたはリラキシン)を与えることもあ
る。
このようなタンパク質を生成させる際に遭遇する主な
問題は、プレおよびポスト配列または内部に位置する配
列を何らかの方法で除去して成熟タンパク質を得ること
が必要になることである。ある種の状況のもとでは、こ
のような問題は、発現されたタンパク質またはペプチド
が真核宿主によって適切にプロセッシングされる真核発
現系を使用することによって減少させるか、または最少
化されている。しかし、このようなインビボでのプロセ
ッシングは必ずしも完全に信頼できるというものではな
い。このような場合には、それはプレまたはプロタンパ
ク質物質とともに残され、ごくわずかまたは低い固有レ
ベルの生物学的活性を示すことが多い。これらタンパク
質をさらにプロセッシングする好都合な手段がないと、
これらは医学その他に用途がないかまたは最少の用途し
かない。また、ある場合には、さらに大量の発現産物を
さらに経済的に製造しうる、細菌などの原核宿主におい
て組換え発現産物を製造するのが好ましい。
通常、翻訳後に例えば別々のタンパク質鎖に修飾され
なければならないタンパク質の例はヒトリラキシンであ
る。リラキシンは、恥骨結合を拡張するその作用によっ
て出生過程を容易にするのに重要な役割を果たす哺乳動
物ペプチドホルモンである[例えば、Hisaw,Proc.Soc.E
xp.Biol.Med. 23:661(1926)を参照]。リラキシン
は、妊娠中の卵巣の黄体で合成されて貯蔵され、そして
分娩前に血流中に放出される。その主な生理学的作用
は、雌性の分娩用生殖路の調製に関係しているようであ
る。これらの作用には、子宮頚管の拡張および軟化、子
宮収縮の抑制、および恥骨結合およびその他の骨盤結合
の弛緩が含まれる。
妊娠動物の卵巣を利用して、ブタ[例えば、Schwabe
ら,Biochem.Biophys.Res.Comm. 75:503−510(197
7);Jamesら,Nature 267:544−546(1977)を参
照]、ラット[Johnら,Endocrinology 108:726−729
(1981)]、およびサメ[Schwabeら,Rec.Progr.Horm.
Res. 34:123−211(1978)]由来のリラキシンの単離
およびアミノ酸配列決定が可能になった。さらに、組換
えDNA法によって、特にブタリラキシン[EPO公開No.86,
649を参照]およびヒトリラキシン[例えば、EPO公開N
o.101,309および米国特許No.2,758,516を参照]を含む
種々のリラキシンのクローニングおよび発現が可能にな
った。
上記およびその他の研究により、現在ではリラキシン
分子[その最初の翻訳転写体(プレプロリラキシン)お
よびプロセッシングされた成熟形態(リラキシン)の両
方を含む]がインスリンの対応する形態に顕著な類似性
を有していることがわかっている。例えば、リラキシン
は初めに、B、CおよびA鎖暗号領域と呼ばれる3つの
領域(通常はこの順に並ぶ)からなるプロホルモン配列
とプレホルモン配列(小胞体におけるペプチドの排出と
恐らくは折畳みにある役割を果たすものと考えられる)
を有する「プレプロ」形態で翻訳される。プレプロリラ
キシンを翻訳後プロセッシングして成熟リラキシンを形
成することには、その天然の細胞環境においてプレ領域
およびC領域ペプチドを酵素切断して、システイン残基
を介するジスルフィド結合ならびにA鎖自体中の鎖内ジ
スルフィド架橋によって結合したBおよびA鎖ペプチド
を残すことが関係している。
ヒトにおいては、リラキシンは、ヒトゲノムにおける
2つの可能性ある遺伝子産物に対応する2つの可能性あ
る形態[本明細書では、Asp1またはH2(ヒト2)および
Lys1またはH1(ヒト1)形態と呼ぶ]のどちらかで見い
出されるのみである。両形態において、A鎖はAsp残基
を欠いている。しかし、H2形態のリラキシンB鎖は1個
のAsp残基を位置1に含有しているが、H1形態のリラキ
シンB鎖はAsp残基を位置4と5に含有している。
末端および/または内部ペプチドの除去によって大き
く加工しなければならない組換えタンパク質の単離に特
に適合する組成物および方法に対する必要性が存在して
いた。
臭化シアンによる切断用に融合連結点にメチオニル残
基を含有する融合ポリペプチドが、適当な微生物クロー
ニング系から調製されている[例えば、米国特許No.4,3
56,270(1982年10月26日発行)を参照]。さらに、融合
タンパク質の切断用にタンパク質加水分解酵素の特異的
な切断部位となるアミノ酸配列をコードしているリンカ
ーが考案されている[例えば、米国特許No.4,769,326
(1988年9月6日発行)を参照]。このような方法は、
真核細胞発現に対する別法を組換え法に与えるものであ
る。
さらに、アスパルチル残基のペプチド結合の優先的な
加水分解が希釈酸中で起こり、ペプチド鎖の切断が得ら
れることがわかっている[例えば、Light,Meth.Enz.,Vo
l.XI,p.417−420(1967);Ingram,Meth.Enz.,Vol.VI,p.
831−834(1963);Inglisら,Methods in Peptide and
Protein Sequence Analysis中,Birr編(New York:Elsev
ier/North Holland Biomedical Press,1980),pp.329−
343;Inglis,Meth.Enz. 91,324−332(1983);Schroede
rら,Biochemistry 2:992−1008(1963)(特に、1005頁
の左欄);およびSchultz,Meth.Enz.,Vol.XI,p.255−63
(1967)を参照]。また、アスパルチル−プロリルのペ
プチド結合の優先的切断が希釈酸中で起こることもわか
っている[Marcus,Int.J.Peptide Proteins Res. 25:5
42−546(1985);Piszkiewiczら,Biochem.Biophys.Re
s.Comm. 40:1173−1178(1970);Jauregui−Adellおよ
びMarti,Anal.Biochem. 69:468−473(1975);Landon,
Meth.Enz. 47:145−149(1977)を参照]。このJaureg
ui−Adellの論文は、強力な変性物質の存在下でAsp−Pr
o結合を切断して相応の収量を得ることを示唆してい
る。Landonの概説論文は、あるタンパク質の収量を増加
させ他のタンパク質の収量は増加させないためには塩化
グアニジニウムの使用が必要であることを開示してい
る。Inglisらの論文の338頁には、アスパラギン酸残基
の周囲の環境およびアミノ酸配列における変異が切断収
率に影響を及ぼすこともあることが示唆されている。タ
ンパク質の優先的かつ選択的な切断および修飾に関する
全ての非酵素法の詳細な概説については、Witkop[Adva
nces in Protein Chemistry,Anfinsenら編,Vol.16(Aca
demic Press,New York,1961),pp.221−321]の特にア
スパラギン酸切断に関する229−232頁を参照。
UK2,142,033は、適切な融合連結点において操作され
たAsp残基を有する融合タンパク質の変異体の希釈酸処
理による、IGF−IとプロテインAの融合タンパク質の
切断を開示している。
このような知見にもかかわらず、組換えタンパク質
(特に、中央部および末端ペプチドの除去によって大き
くプロセッシングされなければならないタンパク質)を
高収率で製造および単離するための改良法、ならびに、
組換え産物をさらに望ましい形態に再構成するための
(例えば、発現用にさらに望ましい構造を有するさらに
多量のペプチドを製造するための)改良法に対する必要
性がなお存在している。
これらの必要性を認識した上で、本発明の一般的な目
的は、タンパク質またはペプチドをコードしているDNA
配列を製造するための改良された組換え法および組成物
を提供することである。
本発明の他の目的は、遺伝子操作された組成物を用い
て所望のタンパク質を製造するための改良法を提供する
ことである。
本発明のさらに具体的な目的は、組換えリラキシン、
特にヒトリラキシンを得るための改良法を提供すること
である。
即ち、本発明は、ポリペプチドをポリペプチド切断産
物に切断するための方法であって、ポリペプチド切断産
物の間の所望の連結点においてポリペプチドを切断する
ための条件下で、還元された遊離システイン型のポリペ
プチドを切断物質で処理することからなる方法に関す
る。
さらに具体的な態様においては、本発明は、ポリペプ
チドをポリペプチド切断産物に切断するための方法であ
って、以下からなる方法を提供するものである: (a)該ポリペプチドをコードしているDNAを含有する
細胞を培養し(ここで、Aspのコドンが該DNA中のそれぞ
れの切断産物をコードしているDNA配列の間の連結点に
存在しており、この培養によってDNAが発現して宿主細
胞培養物中にポリペプチドが産生される結果になる);
そして (b)Asp連結点でポリペプチドを切断するための条件
下で、還元された遊離システイン型のポリペプチドをpH
が約1〜3の酸で処理する。
工程(a)の前に、細胞を、この細胞が認識するコン
トロール配列に機能的に結合させた該DNAを含有する発
現ベクターで形質転換するのが好ましい。追加するに好
ましい工程には、宿主細胞培養物からのポリペプチドの
回収とこの回収したポリペプチドの酸処理前の非酸化雰
囲気下での維持、酸処理後の少なくとも1つのポリペプ
チド切断産物の分離と単離、およびこの単離した切断酸
物と別のペプチジルフラグメントまたは成分(例えば、
このポリペプチドの切断産物)の混合が含まれる。
別の態様においては、本発明は、以下からなる方法を
提供するものである: (a)ポリペプチドを還元条件下に供し、それによって
ポリペプチドのシステイン残基がジスルフィド結合しな
いようにし;そして (b)ポリペプチド中の予め決めたペプチド結合を加水
分解する。
さらに別の態様においては、本発明は、生物学的に活
性なヒトリラキシンの製造方法であって、以下の工程か
らなる方法を提供するものである: (a)ヒトリラキシンA鎖を構成するポリペプチドをコ
ードしているDNAを含有する発現ベクターを得(ここ
で、AspコドンはA鎖の一方または両方の末端に導入さ
れており、DNAは宿主細胞によって認識されるコントロ
ール配列に機能的に結合している); (b)適当な宿主細胞を該ベクターで形質転換し; (c)DNAが発現されるように該形質転換細胞を培養し
て、該リラキシンA鎖を構成するポリペプチド配列を産
生させ; (d)該培養物からポリペプチドを回収し; (e)還元された遊離システイン型の回収ポリペプチド
を、Asp連結点でこのポリペプチドを切断する条件のも
と、pHが約1〜3の酸で処理して切断産物を得; (f)該切断産物を分離し;そして (g)該A鎖をヒトリラキシンB鎖と結合させて生物学
的に活性なヒトリラキシンを得る。
他の態様においては、本発明は、切断されるのが所望
であるポリペプチドをコードしている核酸を得るための
方法であって、アミノ酸配列: Xn−Y−Asp [配列中、XはPro、Ala、Ser、Gly、またはGluのいず
れかであり、YはAla、Ser、またはGlyであり、そして
nは0またはそれ以上である] をコードしているコドンを所望の切断点に導入すること
からなる方法を提供するものである。
さらに具体的な態様においては、本発明は、C鎖およ
びA鎖からなる前駆体ヒトリラキシンの変異体をコード
している核酸を得るための方法であって、配列:Xn−Y
−[ここで、X、Yおよびnは上記定義に同じであ
る]、好ましくはSer−Glu−Ala−Alaをコードしている
コドンをC鎖のC−末端に導入し、そしてC鎖とA鎖の
間にAspのコドンを挿入することからなる方法を提供す
るものである。
さらに本発明によって提供されるのは、切断されるの
が所望であるポリペプチドをコードしている核酸であっ
て、アミノ酸配列: Xn−Y−Asp [配列中、X、Yおよびnは上記定義に同じである] を所望の切断点にコードしている拡散である。
さらに具体的な態様においては、C鎖およびA鎖から
なる前駆体ヒトリラキシンの変異体をコードしている拡
散であって、配列:Xn−Y[ここで、X、Yおよびnは
上記定義に同じである]、好ましくはSer−Glu−Ala−A
laをコードしているコドンをC鎖のC−末端に導入し、
そしてC鎖とA鎖の間にAspのコドンが挿入された核酸
が提供される。
さらに本発明に含まれるのは、上記核酸を含有する発
現ベクターおよび核ベクターで形質転換された宿主細胞
である。
さらに本発明に意図されているのは、切断されるのが
所望であるポリペプチドであって、アミノ酸配列: Xn−Y−Asp [配列中、X、Yおよびnは上記定義に同じである] を所望の切断点に含有しているポリペプチドである。
さらに具体的な本発明の態様は、C鎖およびA鎖から
なる前駆体ヒトリラキシンの変異体であって、配列:Xn
−Y[ここで、X、Yおよびnは上記定義に同じであ
る]をC鎖のC−末端に有し(好ましくは、C鎖の4個
のC−末端アミノ酸がSer−Glu−Ala−Alaで置換されて
いる)、そしてC鎖とA鎖の間にAsp残基が挿入された
変異体である。
本発明は、所望のタンパク質、タンパク質鎖またはさ
らに小さいペプチドをインビトロで合成およびプロセッ
シングするための改良法を提供することによって上記の
問題を解決することに関する。ある態様では、本発明
は、DNA分子のタンパク質をコードしている領域中へのA
sp残基コドンの特別の配置を利用し、このコドンが該領
域とともに「突然変異」タンパク質中に発現される。次
いで、還元条件を用い、さらに穏やかな酸を使用するタ
ンパク質切断法を用いて還元化タンパク質のAsp残基の
アミノ部分およびカルボキシ部分の両方で特異的に切断
し、Asp残基に隣接するペプチジル領域を個々に切断す
る。
この方法の具体的な使用の1つは、ジスルフィド結合
によって互いに架橋したAおよびBペプチド鎖として天
然に比較的高活性型で存在する「複数鎖」タンパク質
(ヒトリラキシンなど)の生成においてである。このよ
うな態様においては、一方のペプチド鎖をコードしてい
るDNA配列を、1またはそれ以上のAspコドン(GATまた
はGAC)によって、他方の鎖をコードしている配列から
分離するように遺伝子操作する。即ち、このような突然
変異タンパク質を発現させ、集めたときには、これを酸
処理して単一のA鎖を放出させることができる。このA
鎖を実質的に純粋な形態で単離し、B鎖とインビトロで
再構成してさらに天然に近いタンパク質を得るのは容易
である。
本発明方法の使用によって、最大の切断特異性でもっ
て産物の収量の増加が得られる。
勿論、本発明の利用は小さなそして/または複数鎖の
ペプチドに関係した利用に限定されるものではなく、他
の多数の利用が本明細書に照らして当業者に明らかにな
るであろう。
図1は、多数の現在既知のリラキシン構造のアミノ酸
配列を比較するものである。明らかに保存されている残
基を箱中に囲んだ。
図2AおよびBは、プラスミドpTrpProRelAsp(図2A)
およびpTR411(図2B)中のH2プロリラキシン遺伝子挿入
体のタンパク質配列およびそのDNA配列を示すものであ
る。
図3は、プラスミドpTrpProRelの構築を図式的に示す
ものである。
図4は、プラスミドpFEproH2の構築を図式的に示すも
のである。
図5は、プラスミドpTrpStIIProRelの構築を図式的に
示すものである。
図6は、プラスミドpTrpProRelAspの構築を図式的に
示すものである。
図7は、プラスミドpTR390−7の構築を図式的に示す
ものである。
図8は、プラスミドpTR400−20の構築を図式的に示す
ものである。
図9は、pTR390−7、pTR400−20およびpTrpProRelAs
pのフラグメントからのプラスミドpTR411の構築を図式
的に示すものである。
図10は、プラスミドpTR540−2の構築を図式的に示す
ものである。
図11は、プラスミドpTR550−8の構築を図式的に示す
ものである。
図12は、pTR540−2およびpTR550−8のフラグメント
からのプラスドpTR561の構築を図式的に示すものであ
る。
図13は、pTR561およびpBR322のフラグメントからのプ
ラスミドpTR601の構築を図式的に示すものである。
図14は、プラスミドpDH98およびpDH99の構築を図式的
に示すものである。
図15は、プラスミドpDH100およびpDH101の構築を図式
的に示すものである。
本明細書で用いる「ポリペプチド」なる用語は、切断
しようとする2またはそれ以上のポリペプチド成分を有
するポリペプチド(融合タンパク質など)を指す。この
ようなポリペプチドには、ある種の困難を伴ってしか組
換え法によって発現されない一部のタンパク質が含まれ
る。例えば、ある種のタンパク質、特に一部のタンパク
質ホルモン類は、天然においてはそれらの細胞形成期形
態とは全く異なる成熟形態で存在し、一連の酵素の作用
によることが多いプロセッシングを必要とする。このよ
うなタンパク質はプレ、プロまたはプレプロ形態で存在
すると言われ、このようなタンパク質にはリラキシンお
よびインスリンが含まれる。通常、このようなタンパク
質のプロセッシングによって、2またはそれ以上の個々
のペプチド鎖(成分)が生成する結果になる:それらの
1つまたは全てが生物学的活性を有するか、またはそれ
ら自体が結合または架橋を形成して複数鎖のタンパク質
を与えることもある。さらに、本明細書におけるポリペ
プチドは、酸化された状態にあるときにはジスルフィド
結合を有する。本発明における好ましいポリペプチド
は、適当な切断物質によっては切断しようとする成分の
間の所望の連結点のところで容易に切断されないポリペ
プチドである(ジスルフィド結合しているために切断部
位に接近することができないため、非特異的切断または
自己切断のため、あるいはAsp残基の周囲のアミノ酸環
境のためであると否とを問わない)。また、好ましいポ
リペプチドは、複数鎖を含むポリペプチドであってその
内部配列が切断物質によって認識されるかまたは作用さ
れる切断部位を含有していないポリペプチドである。例
えば、切断物質が酸であるときには、ポリペプチド成分
(「切断産物」)それ自体は、所望の切断に干渉する
(即ち、悪影響を及ぼすか、または阻害する)であろう
アスパラギン酸(Asp)残基(または、アスパラギン残
基などの干渉する可能性のある他の残基)を含まないも
のであるのが好ましい。より好ましくはこれら成分は内
部のAsp残基を含まないものであり、最も好ましくはAsp
残基を完全に欠くものである。
Asp残基を欠く多数の生物学的に活性なポリペプチド
が当分野で知られている。例示のためにAsp残基を欠く
タンパク質を挙げると、成長−変調ペプチド、好酸球遊
走因子、タフトシン、カイネテンシン、オキシトシン、
ゴナドリベリン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ニュー
ロテンシン(ウシ)、ボンベシン、フィブリノペプチド
A(イヌ)、モチリン(ブタ)、好中球走化ペプチド、
B−エンドルフィン、アリテシン、黄体形成ホルモン放
出ホルモン、ソマトスタチン、サブスタンスP、リトリ
ン、チロトロピン放出ホルモン、カリクレイン、内因子
−胃液、カルシトニン(ブタ)、アルコールデヒドロゲ
ナーゼ(B.stearothermophilus)、プロインスリン(ブ
タ)、およびインターフェロン−γ誘導のタンパク質前
駆体が含まれる。
通常、切断されるべきポリペプチドはこの目的に望ま
しい任意のポリペプチドであるが、ある好ましい態様に
おいては、酸切断に向けられたポリペプチドは後記でさ
らに定義するような増強された切断部位を含み、これら
には前駆体ポリペプチド、例えばプレプロ、プロもしく
はプレ形態、または増強された切断部位を含有する突然
変異の前駆体ポリペプチドが含まれる。これらの中でよ
り好ましいのは、プロリラキシン、プレプロリラキシ
ン、プレリラキシン、プロインスリン、プレプロインス
リン、プレインスリン、または生物学的な機能的なそれ
らの類似体である。さらに好ましいのは、ヒトプレプロ
またはプロリラキシンである。本発明において最も好ま
しいポリペプチドはH2プロリラキシンである。H2プロリ
ラキシン配列に対して最も好ましい配列は、A鎖の24残
基、C鎖の108残基、およびB鎖の最初の29アミノ酸を
含有する配列、即ちヒト血清および黄体において天然に
見い出されるリラキシンの形態である。
本明細書で用いる「リラキシン」なる用語は、種々の
形態の哺乳動物リラキシンのいずれか、またはこのよう
なリラキシンの生物学的に機能的な類似体を意味する。
即ち、リラキシンおよびリラキシンの生物学的に機能的
な類似体とは、出生過程を容易にするのに作用を有する
機能的タンパク質を意味する。生殖道の変形には、子宮
頚管の成熟化;妊娠子宮内膜が厚くなること、ならびに
この領域の血管新生の増加;および、コラーゲン合成に
及ぼす作用などの生理学的作用が含まれるものと理解さ
れている。リラキシンは雌性の胸部にも見い出されてお
り、乳汁分泌に関係しているものと考えられている。さ
らに、リラキシンは精液中にも見い出されており、精子
の移動を増強する際の役割が示唆されている。また、結
合組織にその作用が与えられると、リラキシンは皮膚の
伸縮性の改善にある役割を果たすものと考えられてい
る。
リラキシンの「生物学的活性」の測定法は当分野で広
く知られており、これらには平滑筋もしくは子宮収縮の
測定、恥骨結合の弛緩の測定、または環状AMPの測定が
含まれる[例えば、EP公開No.251,615(1988年1月7日
公開)を参照]。
本明細書で用いる「導入」なる用語は、Aspコドンを
含む別のコドンもしくはコドン群をDNA配列中に導入す
ること、または既存のコドンを変化または突然変異させ
てAspコドンを得ることを意味する。このようにして、
タンパク質配列中に、所望のタンパク質またはペプチド
を含有し、そのアミノ末端、カルボキシ末端またはそれ
らの両末端に隣接して少なくとも1つの追加のAsp残基
を含有する配列の突然変異タンパク質が得られる。次い
で、これらの突然変異タンパク質種を穏やかな酸処理に
よって切断して所望のタンパク質を放出させることがで
きる。
本明細書で用いる「還元された遊離システイン型」な
る用語は、還元された状態にある、即ち、所望の特定部
位における選択的切断に干渉するであろうシステイニル
残基のジスルフィド結合を含有しないポリペプチド形態
を意味し、さらに、ジペプチドを含むジスルフィド結合
を含有する他のポリペプチドの存在を排除する形態を意
味する。例えば、プロリラキシンは、ジスルフィド架橋
によるジシステイニルペプチドが存在することなく還元
された状態で維持される。このようなペプチドは、プロ
リラキシンが還元状態に維持されているときであっても
切断に干渉する。従って、このようなペプチドは、切断
物質による処理のための反応混合物中に存在しているこ
とができない。ポリペプチドをその還元された形態に維
持し、そうしてポリペプチドを本明細書で用いる語句で
ある「還元条件のもとで」得るためには、このポリペプ
チドを含有する緩衝液中に還元物質(例えば、β−メル
カプトエタノール)を添加すること、またはこのポリペ
プチドを含有する容器の脱ガスを含むあらゆる方法を用
いることができる。ジチオトレイトールはこの目的には
使えない。しかし、ポリペプチドを非酸化雰囲気の条件
のもとで、即ち非オキシダントガス、例えばヘリウム、
アルゴン、ネオンもしくはクリプトン、または窒素から
選ばれる不活性ガスの存在下で維持するのが好ましい。
本明細書で用いる「切断物質」なる用語は、ポリペプ
チドを特異的に切断して所望のようにその遊離成分を放
出させるのに用いる試薬を意味する。本発明における適
切な切断物質には、セリンプロテアーゼ類、ユビキチン
ヒドラーゼ類、クロモトリプシン、トリプシン、ブドウ
球菌プロテアーゼもしくはスブチリシンまたはその突然
変異体などの酵素類、ならびに有機もしくは無機酸、ヒ
ドロキシルアミン、N−ブロモスクシンイミドおよび臭
化シアンなどの化学試薬が含まれる。種々のタンパク質
加水分解酵素によって触媒されるペプチド結合の加水分
解は、以下の文献に教示されている:The Enzymes,第
3版,Boyer編(Academic Press,Vol.III,1971);Meth.
Enzymol.,Vol.XIX,Perlmann and Lorand編(New York:A
cademic Press,1970);Meth.Enzymol.,Vol.XLV,Lornad
編(New York:Academic Press,1976);Drapeau,J.Biol
Chem. 253:5899−5901(1978)およびDrapeau,Meth.En
zymol. 47:89−91(1977)。化学試薬を広範囲に挙げ
るものとしては、WitcopのAdvances in Protein Chemis
try(上記)中の226頁の表IIIなどを参照。さらに、Wan
gおよびYoung[Anal.Biochem. 91:696−699(1978)]
の教示のようにAsp残基を修飾してトリプシン切断を誘
導することができ、また、Rutterの米国特許No.4,769,3
26(1988年9月6日発行)に教示の切断を用いることも
できる。本発明において適切な他の切断物質は、切断の
ための所望の連結点、および試薬が還元形態のポリペプ
チドに作用しうるか否かを考慮することにより専門家に
は明らかであろう。
本明細書で用いる「希釈酸」なる用語は、そのpKa
依存するであろうモル濃度を有する酸を意味する。必要
な酸濃度は、Asp残基のところでポリペプチドを切断す
るに十分であるが、切断が望ましくない他の残基のとこ
ろで切断するには十分ではない濃度である。通常、この
濃度は約1〜3のpHが得られる濃度である。適当な酸の
例には、有機および無機酸の両方、例えばクエン酸、ギ
酸(不溶性ペプチド用)、シュウ酸、酢酸、硫酸、およ
び塩酸などが含まれる。より好ましい酸は酢酸、塩酸お
よび硫酸であり、最も好ましい酸は酢酸である。代表的
なプロトコールでは、発現されたタンパク質を、約0.1
〜1.0Mのオーダーの酢酸を用いて約90〜120℃で約4〜2
4時間処理する。
「穏やかな加水分解条件」なる用語は、所望のペプチ
ド結合だけが加水分解される結果になる切断条件を意味
する。即ち、加水分解条件は所望の部位での十分なペプ
チド結合切断に相応するものでなければならず、アスパ
ラギン酸残基での酸切断のためにはpHは約1〜3である
のが好ましい。
1.DNA配列への切断認識コドンの導入 切断過程のためには、本発明に従って製造するように
所望のポリペプチドを選択したときに、所望のタンパク
質の遺伝子配列を変化させて、適当な単一部位または複
数部位での切断物質による認識に必要なコドン(群)を
導入することが必要となるであろう。所望のポリペプチ
ドがその配列内にそのような残基を有していないときに
は、通常、所望のポリペプチドをコードしている配列の
上流に、好ましくは5′−末端コドンに隣接して(この
場合、所望のペプチドのカルボキシ末端は予想翻訳産物
のカルボキシ末端でもある)、所望のポリペプチド成分
の下流に、好ましくはカルボキシ末端コドンに隣接して
(この場合、所望のポリペプチドのアミノ末端は予想翻
訳産物のアミノ末端でもある)、またはその両方に(こ
の場合、単離しようとする所望のポリペプチド成分は予
想翻訳産物の内部ポリペプチドである)、適当なコドン
を挿入することが必要となるであろう。
勿論、予想翻訳産物が切断物質によって認識される内
部または末端残基を天然に含んでいるときには、通常
は、単離しようとする領域の上流または下流であってか
つその領域に隣接する位置に該残基をコードしているコ
ドンを1つだけ導入することが必要になるであろう。即
ち、例えばポリペプチド成分がそのアミノ末端領域(即
ち、アミノ末端側の半分)またはそのカルボキシ末端領
域(即ち、カルボキシ末端側の半分)内にAsp残基を含
有しているときには、通常は、最終的に調製しようとし
ているペプチジル領域に依存して、それぞれカルボキシ
末端またはアミノ末端の上流かつ隣接してAsp残基を導
入するのが望ましいであろう。
酸による認識のための切断部位は、配列: Xn−Y−Asp [配列中、XはAla、Ser、Glu、Pro、またはGlyのいず
れかであり、XはAla、Ser、またはGlyであり、そして
nは0またはそれ以上である] などの切断を増強する配列であるのが好ましい。このよ
うな配列の例には、Ser−Glu−Ala−Ala−Asp、および
その保存性のアミノ酸置換体、例えばAla−Glu−Ala−A
la−Asp、Ser−Glu−Ser−Ala−Asp、Ser−Glu−Ser−S
er−Aspなどが含まれる。
後記の実施例においては配列Ser−Glu−Ala−Ala−As
pを選んだが、これはこの配列が極めて容易に切断され
ることがわかっているヒトH2リラキシンのC鎖の内部配
列であるためである。即ち、好ましい態様においては、
C鎖の4個のC−末端アミノ酸が配列Ser−Glu−Ala−A
la−をコードしているコドンで置換され、かつC鎖がAs
p残基を介してA鎖に結合している前駆体ヒトH2リラキ
シンの変異体を調製する。しかし、ヒトリラキシンのB
鎖およびC鎖が担体ポリペプチドであり、ヒトプロリラ
キシンに由来するポリペプチド以外のポリペプチドを上
記のような増強された酸切断部位を介してヒトリラキシ
ンA鎖に結合させうることは理解されよう。
別の好ましい態様においては、Aspコドンによって隔
てられた複数(少なくとも2つ)のポリペプチド切断産
物鎖をコードしているDNAを構築することによって、い
くつかのポリペプチド鎖(例えば、ヒトリラキシンA
鎖)を同時に調製する。このような複数鎖セグメント
は、好ましくは、配列: Xn−Y−Aps−(ppt)−[Asp−Xn−Y−Asp−(ppt)] [配列中、pptはポリペプチド切断産物(ポリペプチド
の所望のペプチド結合の切断によって得られるポリペプ
チド成分)であり、mは0またはそれ以上であり、そし
てn、XおよびYは上記定義に同じである] を有している。好ましくは、mは1またはそれ以上であ
り、より好ましくは2または3であり、nは0〜10であ
り、より好ましくは約3である。また、好ましいポリペ
プチド切断産物はAsp残基を含まないものであり、より
好ましくはリラキシンのA鎖であり、最も好ましくはヒ
トH2リラキシンのA鎖である。この鎖セグメントは、最
も好ましくは、配列: Ser−Glu−Ala−Ala−Asp−RlxA−[Asp−Pro−Ser−Ala−Asp−RlxA] [配列中、mは上記定義に同じであり、最も好ましくは
2または3であり、そしてRlxAはリラキシンのA鎖であ
り、最も好ましくはヒトH2リラキシンのA鎖である] を有している。
コドンの挿入または既存コドンを変化させることによ
ってDNA配列の選択した領域中に1またはそれ以上の特
定のコドンを導入することは、当分野で周知の方法を用
いて容易に達成される。このような方法の1つは、部位
指向性のインビトロの突然変異誘発と呼ばれている[Bo
llerら,Nucl.Acids Res. 10:6487−6500(1982)]。
この方法においては、M13ファージ系を用いて出発DNA配
列の1本鎖鋳型を調製する。次いで、短い1本鎖のプラ
イマー配列(通常は長さが約12〜100ヌクレオチド)を
合成によって調製する[例えば、Froehlerら(Nucl.Aci
ds Res. 14:5399−5407(1986))のH−ホスホネート
法によって]。この合成によって調製したプライマー
は、突然変異DNAに望ましい配列を含んでいるであろ
う。即ち、このプライマーは鋳型に相補性のDNA配列を
コードしているが、所望の置換点(群)に所望のコドン
(群)をも含んでいる。このプライマーを鋳型とアニー
リングした後、DNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌DNAポ
リメラーゼ、クレノウフラグメント)を用いてプライマ
ーを延長して、一方の鎖が元の配列を有し、他方の鎖が
所望の「突然変異した」配列を有する2本鎖のDNA分子
を得る。
次いで、この構築物を用いて適当なM13宿主(例え
ば、大腸菌JM101)を形質転換すると、一部の子孫は所
望の「突然変異した」配列を有し、一部の子孫は元の出
発配列を有するであろう。次に、突然変異配列を有する
子孫を常法によって選択することができる。次いで、こ
の単離した構築物を、結果としての突然変異タンパク質
を適当な宿主において発現させるのに望ましいように操
作することができる。
所望のコドン(群)を導入するのに用いることができ
る他の方法は、単純な制限酵素フラグメント置換による
ものである。この方法を実施するためには、通常、変化
させようとする遺伝子領域を包含する唯一の制限フラグ
メントを最初に同定するのが望ましい。このことは常法
であり、操作しようとする配列の周囲の制限部位の位置
の知識が必要になるだけである。既知のDNA配列から、
最も簡単には配列を酵素特異性の一覧表と比較するコン
ピュータープログラムの使用によって、制限部位を確認
する。次いで、この既知の制限地図から、所望のコドン
(群)を挿入すべきDNA領域を包含するフラグメントを
同定しなければならない。このフラグメントは、フラグ
メントをベクターから遊離するように消化するときに、
ベクターの残りの部分が無傷のままであるという意味に
おいて「唯一」であるのが好ましい。しかし、操作しう
る長さの唯一のフラグメントは入手できないか、または
実行不可能であることも多い。このような場合には、通
常、最も少ないベクター断片化の結果になるフラグメン
トを使用するのが望ましいであろう。
次いで、元の配列を有してはいるが、適当な点に導入
された所望のコドン(群)を有する対応する置換2本鎖
DNAを、通常は合成によって調製する。この突然変異配
列を有する置換フラグメントは、適当な制限「接着末
端」(または、場合によっては平滑末端)を有するよう
に調製して、この突然変異フラグメントが消化された遺
伝子配列とアニーリングして切開された部分を容易に置
換するようにするのが好ましい。この合成フラグメント
をベクターフラグメントとアニーリングさせて元のフラ
グメントを有効に置換した後、適当な宿主細胞を形質転
換し、選択する。
このような残基の導入に用いた方法に関係なく、適当
なコドン挿入を有する突然変異DNA配列が得られ、次い
でこの配列を原核または真核を問わず適当な宿主におい
て発現させることができる。本明細書に開示したベクタ
ーおよび方法は、原核および真核生物の広い範囲にわた
る宿主細胞において使用するのに適している。
2.代表的なクローニング系および方法 a.ベクターおよび宿主 通常、原核生物がDNA配列のクローニングおよび本発
明で有用なベクターの構築に好ましいのは勿論のことで
ある。例えば、大腸菌K12株294(ATCC No.31,466)およ
びその誘導体である大腸菌MM294tonA[T1ファージに耐
性であり、通常はEP 183,469(1986年6月4日公開)に
記載のプロトコールを用いる形質導入によって得られ
る]は特に有用である。使用することができる他の微生
物株には、大腸菌Bおよび大腸菌X1776(ATCC No.31,53
7)などの大腸菌株が含まれる。M13ファージクローニン
グの場合には、通常の好ましい宿主は大腸菌JM101であ
る。また、原核生物を発現のために用いることもでき
る。上に挙げた菌株、ならびに大腸菌株W3100(F-
λ、原栄養株;ATCC No.27,325)、バシラス種、例えばB
acillus subtilus、およびその他の腸内細菌、例えばSa
lmonella typhimuriumまたはSerratia marcesans、およ
び種々のシュードモナス種を用いることができる。発現
およびその他の目的に多数の細菌株が周知であり、当業
者に広く利用されているので、勿論、ここに挙げた例は
限定のためのものではなく、例示のためのものである。
通常、宿主細胞に適合する種から導かれるレプリコン
およびコントロール配列を含有するプラスミドベクター
をこれら宿主と組合せて用いる。このベクターは、複製
部位、ならびに形質転換された細胞における表現型選択
を可能にするマーカー配列を担持しているのが普通であ
る。例えば、大腸菌は、大腸菌種から導いたプラスミド
であるpBR322を用いて形質転換するのが普通である[Bo
livarら,Gene :95(1977)]。pBR322はアンピシリ
ンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含有し
ており、従って形質転換細胞を同定するための容易な手
段を与える。また、pBR322プラスミドまたはその他の微
生物プラスミドは、自身のタンパク質を発現させるため
に微生物が利用することができるプロモーターを含有し
ているか、または含有するように修飾しなければならな
い。組換えDNA構築において最も普通に用いられるプロ
モーターには、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)お
よびラクトースプロモーター系[Changら,Nature 27
5:615(1978);Itakuraら,Science 198:1056(197
7);Goeddelら,Nature 281:544(1979)]ならびにト
リプトファン(trp)プロモーター系[Goeddelら,Nucl
eic Acids Res. :4057(1980);EPO出願公開No.36,7
76]が含まれる。これらが最も普通に用いられるもので
あるが、他の微生物プロモーターが発見され、利用され
ており、そしてそれらのヌクレオチド配列に関する詳細
が公表されており、当業者はこれらをプラスミドベクタ
ーに機能的に連結することができる[Siebenlistら,Ce
ll 20:269(1980)]。
原核生物に加えて酵母培養物などの真核微生物を用い
ることもできる。Saccharomyces cerevisiaeまたは通常
のパン酵母が真核微生物のなかで最も普通に用いられる
が、他の多数の菌株も普通に用いることができる。通
常、Saccharomyces中で発現させるためには、例えばプ
ラスミドYRp7[Stinchcombら,Nature 282:39(197
9);Kingsmanら,Gene :141(1979);Tschemperら,
Gene 10:157(1980)]が用いられる。このプラスミド
は、トリプトファン中で増殖する能力を欠く酵母の突然
変異株、例えばATCC No.44,076またはPEP4−1[Jones,
Genetics 85:12(1977)]のための選択マーカーを与
えるtrp1遺伝子を既に含有している。次いで、酵母宿主
細胞ゲノムの性質としてtrp1欠損が存在すると、トリプ
トファンの非存在下での増殖によって形質転換を検出す
るための有効な環境が得られる。
酵母ベクターにおける適当な促進配列には、3−ホス
ホグリセレート キナーゼのためのプロモーター[Hitz
emanら,J.Biol.Chem. 255:2073(1980)]、またはそ
の他のグルコース分解酵素、例えばエノラーゼ、グリセ
ルアルデヒド−3−ホスフェート デヒドロゲナーゼ、
ヘキソキナーゼ、ピルベート デカルボキシラーゼ、ホ
スホフルクトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェート
イソメラーゼ、3−ホスホグリセレート ムターゼ、
ピルベート キナーゼ、トリオセホスフェート イソメ
ラーゼ、ホスホグルコース、イソメラーゼ、およびグル
コキナーゼなどのプロモーター[Hessら,J.Adv.Enzyme
Reg. :149(1968);Hollandら,Biochemistry 17:
4900(1978)]が含まれる。また、適当な発現プラスミ
ドを構築する際には、これらの遺伝子と結合した終止配
列を、発現ベクター中の発現させることが所望である配
列の3′に連結して、mRNAのポリアデニル化および終止
を得る。増殖条件によってコントロールされる転写の別
の利点を有しているその他のプロモーターは、アルコー
ル デヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸ホスフ
ァターゼ、窒素代謝に関与する分解酵素、上記のグリセ
ルアルデヒド−3−ホスフェート デヒドロゲナーゼ、
ならびにマルトースおよびガラクトース利用に簡素する
酸素のプロモーター領域である[Holland;上記]。酵母
に適合するプロモーター、複製起点および終止配列を含
有するあらゆるプラスミドベクターが適している。
微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞培養物を宿主
として用いることもできる。原理的には、脊椎動物また
は非脊椎動物の培養物の由来を問わず、そのような任意
の細胞培養物が使用可能である。しかし、脊椎動物細胞
が最も重要であり、培養における脊椎動物細胞の増殖
(組織培養)は最近の数年で常法となった[Tissue Cul
ture,Academic Press,KruseおよびPatterson編(197
3)]。そのような有用な宿主セルラインの例は、VERO
およびHeLa細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CH
O)セルライン、ならびにW138、BHK、COS−7、およびM
DCKセルラインである。通常、このような細胞のための
発現ベクターは、必要なら、複製起点、発現させようと
する遺伝子の前に位置するプロモーターを、任意の必要
なリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデ
ニル化部位、および転写終止配列と共に含有している。
哺乳動物細胞において用いるためには、発現ベクター
上のコントロール機能はウイルス供給源から得ることが
多い。例えば、通常用いられるプロモーターは、ポリオ
ーマ、アデノウイルス2から、そして最も多くはサルウ
イルス40(SV40)から得られる。SV40ウイルスの初期お
よび後記プロモーターは、これらがSV40ウイルス複製起
点をも含有するフラグメントとしてこのウイルスから容
易に得られるので特に有用である[Fiersら,Nature 2
73:113(1978)]。また、Hind III部位からウイルス複
製起点中に位置するBgl I部位まで伸びる約250bpの配列
が含まれているなら、もっと小さいか、またはもっと大
きいSV40フラグメントを用いることもできる。さらに、
プロモーターまたはコントロール配列が宿主細胞系に適
合するなら、所望の遺伝子配列に通常は結合しているプ
ロモーターまたはコントロール配列を利用することがで
きるし、また、それが望ましいことも多い。
複製起点は、外来の起点を含むようにベクターを構築
することによって、例えばSV40もしくは他のウイルス
(例えば、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、BPV)供
給源から導くことによって得ることができるし、また、
宿主細胞の染色体複製機序によって得ることができる。
ベクターが宿主細胞染色体に組込まれるときには、後者
が十分であることが多い。
以下に説明する例は、trpプロモーター系を用いる大
腸菌の使用を説明するものである。しかし、同様の方法
を用いて別の原核または真核宿主細胞培養において所望
のタンパク質配列を発現させるための発現ベクターを構
築することは当業者の十分に理解するところであろう。
b.代表的な実験室方法 強固な細胞膜障壁を持たない細胞を宿主細胞として用
いるときには、GrahamおよびVan der Eb[Virology 5
2:546(1978)]の記載のようなリン酸カルシウム沈澱
法によってトランスフェクションを行う。しかし、DNA
細胞に導入するための他の方法、例えば核注入法または
プロトプラスト融合法などを用いることもできる。
原核細胞または強固な細胞壁構造を有する細胞を用い
るときには、好ましいトランスフェクション法は、Cohe
nら[Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69:2110(1972)]が記
載しているような塩化カルシウムを用いるカルシウム処
理法である。
所望の暗号配列およびコントロール配列を含有する適
当なベクターの構築には通常の連結法を用いる。単離し
たプラスミドまたはDNAフラグメントを切断し、加工
し、そして必要なプラスミドを調製するのに望ましい形
態で再連結する。
DNAの切断は、適当な緩衝液中での制限酵素(また
は、酵素群)による処理によって行う。通常は、約1μ
gのプラスミドまたはDNAフラグメントを、約20μlの
緩衝液中、約1単位の酵素とともに用いる(特定の制限
酵素に対する適当な緩衝液および基質の量は製造元が指
定している)。37℃で約1時間のインキュベート時間が
実施可能である。インキュベートの後、タンパク質をフ
ェノールとクロロホルムによる抽出によって除去し、核
酸をエタノールによる沈澱によって水性分画から回収す
る。
平滑末端が必要であるときには、調製物を15℃で15分
間、10単位のポリメラーゼI(クレノウ)で処理し、フ
ェノール−クロロホルム抽出し、そしてエタノール沈澱
させる。
切断したフラグメントの大きさによる分離は、Goedde
lら[Nucleic Acids Res. :4057(1980)]が記載し
ている6%ポリアクリルアミドゲルを用いて行う。
連結のためには、ほぼ等モル量の所望の成分(正しい
適合が得られるように末端を適切に加工する)を、0.5
μgのDNAあたり約10単位のT4 DNAリガーゼで処理する
(切断したベクターを成分として用いるときには、細菌
性アルカリホスファターゼで前処理してこの切断ベクタ
ー再連結を防止するのが有用であろう)。
構築したプラスミド中の正しい配列を確認する分析の
ために、この連結混合物を用いて大腸菌K12株294(ATCC
31,446)またはその誘導体を形質転換し、適当なとこ
ろで成功裏の形質転換体をアンピシリンまたはテトラサ
イクリン耐性によって選択する。Messingら[Nucl.Acid
s Res. :309(1981)]の方法またはMaxamら[Meth.
Enzymology 65:499(1980)の方法によって、形質転換
体からプラスミドを調製し、制限マッピングによって分
析し、そして/または配列決定を行う。
3.還元されたポリペプチドの切断 ポリペプチドが組換えDNA法によって得られると否と
にかかわらず、ポリペプチドを適当な切断物質による処
理にかける。ポリペプチドが組換え発現されるときには
(これが好ましい)、ポリペプチドを宿主細胞培養物か
ら回収するのが好ましい。即ち、細胞を溶解し、これを
遠心してポリペプチドを含有する適当な分画を得、そし
て所望により細胞封入体からタンパク質を回収するため
の方法を用いて該分画から精製し、緩衝液中に入れ、次
いで切断物質で処理する。いずれにしても、生成物収量
を実質的に増加させるためには、後記実施例に示したよ
うにポリペプチドを切断物質に暴露する前にポリペプチ
ドを還元された形態にしなければならない。上記のよう
に、還元型での維持は多数の方法のいずれかによって、
例えば切断物質に暴露する前に容器中の酸素を除去する
こと(アルゴン、ヘリウムまたは窒素などの非オキシダ
ントガスでパージするなど)やポリペプチドに還元物質
を添加することなどによって行われる。
次いで、ポリペプチドを、所望のペプチドまたはそれ
に含まれるペプチドが放出されることになる条件のも
と、切断物質で処理する。勿論、この処理は使用する切
断物質に依存し、その条件は使用する切断物質に応じて
当業者には明らかであろう。種々の切断物質の例および
そのそれぞれに伴う条件は、WitkopのAdvances in Prot
ein Chemistry(上記)中に見ることができる。
一般的に言うと、Asp残基での加水分解は、Schultz
Methods Enzymol. 11:255−263(1967)];Light[M
ethods Enzymol. 11:417−420(1967)]の方法に従
い、ポリペプチドを希釈酸中で一定時間加熱することに
よって行われる。しかし、ある種の状況のもとでは、酸
素の分圧(存在)、約0.1〜1mg/mlの範囲となるであろ
うタンパク質濃度(量が多いと収量に悪影響を及ぼ
す)、所望の出発原料の純度、および望ましくない化学
的副反応の可能性を考慮に入れて、上記の条件を変える
のが適切となろう。
即ち、切断しようとするタンパク質に依存して、酢酸
濃度は約0.1N〜1.0Nの範囲であり、HCl濃度は約0.01N〜
0.1Nの範囲であり、硫酸濃度は約0.001N〜0.1Nの範囲で
あろう。さらに、酢酸またはHClに対するインキュベー
ト時間は約2〜10時間の範囲であり、インキュベート温
度は約90〜120℃の範囲であろう。硫酸に対するインキ
ュベート時間は1〜8時間の範囲であり、インキュベー
ト温度は85〜130℃の範囲であろう。さらに好ましく
は、酢酸濃度は約0.25N〜約0.75N(HClは約0.025N〜約
0.05N、硫酸は約0.003N〜約0.01N)の範囲であり、約10
0〜約115℃の温度で、酢酸とHClのインキュベート時間
は約4〜8時間、硫酸のインキュベート時間は約2〜4
時間であろう。最も好ましくは、約0.5Nの酢酸濃度(約
0.05NのHClまたは約0.005Nの硫酸)を、約4時間のイン
キュベート時間および約110℃のインキュベート温度と
ともに選択する。
後記の突然変異プロリラキシンの切断に関連して十分
に実施しうることがわかった代表的なプロトコールにお
いては、発現された比較的純度の高い突然変異タンパク
質の試料を、初めに酢酸に対して透析濾過した後、0〜
48時間以内に、ヘリウムまたはアルゴンガスでパージさ
れたβ−メルカプトエタノール含有の尿素緩衝液中に透
析濾過する。この透析濾過の後、試料を約0.25〜1.0mg/
mlのタンパク質濃度で約2〜10時間(通常は約4〜8時
間)、約110℃に加熱し、次いでA鎖を単離し、精製す
る。
切断産物の精製は、例えばゲルまたはペーパー電気泳
動、クロマトグラフィー、勾配遠心などの多数のペプチ
ド精製法のいずれかによって得られる。酸切断したペプ
チドの分離および精製には高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)が特に良い結果を与えることがわかった。
4.鎖の結合 EP公開No.251,615(上記)に教示されている方法を用
いてリラキシン鎖を結合させることができる。簡単に説
明すると、この出願は、還元された遊離システイン型の
A鎖と還元された遊離システイン型のB鎖を、酸素暴露
のもとpHが約7.0〜12の水性溶媒中、B鎖は変性するが
リラキシン産物は変性しない条件のもとで混合すること
からなるヒトリラキシンのA鎖およびB鎖を結合させる
方法を教示している。
5.製剤 薬学的に有用な組成物を調製するための既知の方法を
用いてヒトリラキシンを薬学的に許容しうる担体と混合
することによってヒトリラキシンを製剤化することがで
きる。適当な担体およびそれらの製剤(ヒト血清アルブ
ミンなどの他の必要なヒトタンパク質を含む)は、通常
の製剤の専門書、例えばE.W.MartinのRemington's Phar
maceuticak Sciencesなどに記載されている。PCT出願公
開WO89/07945(1989年9月8日公開)に記載されている
ようにヒトリラキシンを製剤化するのが好ましい。簡単
に説明すると、全身投与に特に有用な液体製剤のために
は、組成物のpHを約4〜約7以下に維持することができ
る緩衝液中にリラキシンを有効量で含有させる。子宮頚
管内または腔内適用を含む局所投与用に製剤を設計する
ときには、リラキシンをゲル形式で供するのが好都合で
ある。ゲル用に適当な担体には、水溶性ポリサッカリ
ド、例えばメチルセルロースまたはポリエチレングリコ
ールなどの物質が含まれる。このゲルが光感受性である
ときには、光暴露を避ける条件下または適当な安定剤の
存在下で保存しなければならない。
以下に挙げる実施例は、容易に酸切断されて精製され
たA鎖タンパク質を与えるリラキシンタンパク質をコー
ドしている組換えプラスミドとの関係で本発明を説明す
るものである。本実施例で用いた方法は単なる例示にす
ぎない。本発明の思想および範囲から逸脱することなく
本明細書および当分野の通常の技術レベルに照らして、
これら方法の種々の修飾およびこれら方法からの種々の
展開が為されてよいことは明らかであろう。
実施例1 Aspが挿入されたヒトプロリラキシンをコー
ドする組換えベクターの構築 Aspが挿入されたヒトH2プロリラキシンの突然変異体
をコードするpTR411と称する組換えプラスミドを構築し
た。様々な中間体を経て調製される、H2プロリラキシン
をコードしているpTrpProRelAspと称する親プラズミド
を出発物質として、このプラスミドを調製した。この遺
伝子操作の最終産物は、プラスミドpTR411であり、これ
はLeu33とSer34、およびArg137とGln138のアミノ酸のコ
ドンの間に挿入された付加的なAspのコドンを有する、H
2プロリラキシンDNAの配列を含んでいた。プラスミドpT
rpProRelAspおよびpTR411のタンパク質配列およびその
基礎をなすDNA配列を両者を、図2Aおよび2Bに各々示
す。
A.プラスミドpTrpProRelAspの調製 親プラスミドpTrpProRelAspの合成は、最初のプラス
ミドpTrpProRel、それに続くpTrpStIIProRelを含む数多
くの中間体を経て行われた。pTrpProRelは、プロリラキ
シンH2をコードしているDNA配列の前にTrpプロモーター
およびメチオニンのコドンを含むように構築されたプラ
スミドである。pTrpStIIProRelはStIIリーダー配列を含
むように構築された(米国特許No.4,680,262)。次い
で、pTrpProRelAspは、pTrpStIIProRelからStIIリーダ
ー配列およびH2プロリラキシン(Ser1から始まる)の最
初の11アミノ酸を除去し、Met−Asp1とそれに続くH2プ
ロリラキシンのアミノ酸2〜12をコードしている配列で
置き換えることにより調製した。
1.pTrpProRel 図3によれば、プラスミドpTrpProRelは二段階で構築
されることがわかる。第一段階では、Trpプロモーター
およびメチオニンコドンをプロリラキシン暗号配列の最
初の半分の前に導入し、プロリラキシン遺伝子の後ろ半
分に加えた。
図4に示される第一段階は、3つのフラグメントを連
結してプラスミドpF EproH2を形成することにより行わ
れた。3つのフラグメントの第一番目である、Metプロ
リラキシンの1〜16アミノ酸をコードしている平滑末端
BssH IIフラグメントを、元のcDNAクローンから単離
した350塩基対のPst I/Hpa Iフラグメントの鋳型を使用
するプライマー延長法により調製した[例えば、米国特
許No.4,758,516およびHudsonら,EMBO Jrnl. :2333
−2339(1984)を参照]。
手短に述べると、元のcDNAクローンは次の様にして単
離した。すなわち、ヒト黄体の試料を、子宮外妊娠にお
ける外科的介入の結果としてもしくは帝王切開時の黄体
切除により入手した。1個の黄体から単離したRNAか
ら、pBR322中にcDNAライブラリーを作成し、約300の独
立した組換えプラスミドを得た。このライブラリーを、
3′非翻訳領域の80塩基を含み、アミノ酸64から終止コ
ドンまでのC−鎖およびA−鎖をコードしている400ヌ
クレオチドのセグメントに対応するH1−cDNAプローブで
スクリーニングした。pBR322ライブラリーから得られる
1個の陽性cDNAクローンを単離し、配列決定して、ヒト
リラキシンH1に配列の相同性を有することが見いだされ
た。このような子宮組織の少量から得た組換えクローン
の全数を、ラムダ−GT10クローニング系を用いてcDNAラ
イブラリーを作成することにより増加させた。リラキシ
ンに特異的なプローブを用いたスクリーニングにより、
23の独立したcDNAクローンが同定され、そのうち6個は
米国4,758,516の図1に示される様に特徴付けられた。
ヌクレオチド配列の分析により、6個全てのcDNA組換え
クローンは、同じリラキシン構造遺伝子のフラグメント
をコードしているが、この配列はゲノムのH1クローンの
配列とは異なることが明らかとなった。
米国特許No.4,758,516の図1に示されており、a、b
またはcと称されるcDNAクローンをPst IおよびHpa Iで
消化した。得られたPst I/Hpa Iフラグメントおよびア
ミノ酸Met−Ser−Trp−Met−Gluをコードしている15−m
erの5′−ATGTCATGGATGGAGをプライマー修復反応(例
えば、米国特許No.4,663,283を参照)において用いて、
平滑末端/BssH IIフラグメントを創製した。
第二の断片は、米国特許No.4,758,516の図1に示され
る元のcDNAクローンから単離されたプロリラキシンの17
〜153コドンを含む410塩基対BssH II/Bgl IIフラグメン
トであった。
第三の断片は、EcoR I、DNAポリメラーゼ(クレノウ
・フラグメント)、次いでBgl IIで処理することにより
プラスミドpHGH207−1*Lから調製したクローニング
媒体であった[pHGH207−1*Lは、Trpプロモーターの
上流にあるEcoR I部位がEcoR I消化およびDNAポリメラ
ーゼ・クレノウでの平滑化により除去されていることを
除いては、pHGH207(米国特許No.4,663,283)と同一で
ある]。これより、metHGHの最初の137アミノ酸をコー
ドしている420塩基対のフラグメントが除かれ、クロー
ニングベクターは無傷のまま残された。このフラグメン
トはアンピシリンおよびテトラサイクリンに対する耐性
遺伝子を含んでいた。
連結混合物を用いて、大腸菌K12株294を形質転換し
た。コロニーをアンピシリン耐性で選択し、上述の15−
merを用いたコロニーハイブリダイゼーションによりス
クリーニングした。陽性のクローンをM13ジデオキシ配
列決定により同定した。
図3に示す様に、第二段階によりプラスミドpTrpProR
elが形成された。この構築のために、3個の断片の連結
が行われた。第一のセグメントは、H2プロリラキシン暗
号配列のアミノ末端側の半分を含有するpF EproH2から
得た1510塩基対のPst I/Bgl IIフラグメントであった。
第二のセグメントは、Ava II部位がDNAポリメラーゼ
(クレノウ)を用いた処理により平滑となっている元の
cDNAクローン(Hudsonら、上掲)から得た100塩基対のA
va II/Bgl IIフラグメントであった。このフラグメント
は、プロリラキシンの最後の6コドンを含んでいた。第
三の部分は、EcoR I、DNAポリメラーゼ(クレノウ)お
よびPst Iで処理したβ−ラクタマーゼ遺伝子の前半部
分をコードしている750塩基対のフラグメントを除去し
たpBR322XAPであった[pBR322XAPは、640塩基対のAva I
/Pvu IIフラグメントが除去されたpBR322の誘導体であ
る]。
連結混合物を用いて、大腸菌株294を形質転換し、コ
ロニーをテトラサイクリン耐性で選択し、制限分析によ
りスクリーニングした。
2.pTrpStIIProRel プラスミドpTrpStIIProRelは、pTrpProRelAspの構築
における中間体である。図5に示した様に、pTrpStIIPr
oRelは二段階で構築され、その第一段階は、プロリラキ
シン暗号配列をStIIシグナル配列のそれに正確に融合す
るM13部位−指向性突然変異誘発からなっていた。これ
は、Xba I部位がDNAポリメラーゼ(クレノウ)を用いて
平滑化されたpTrpProRelから得た950塩基対のXba I/Bam
H Iフラグメントを、ATGコドンのすぐ上流にあるXba I
部位と共に、StIIシグナル配列を含有するM13ファージ
ベクターに連結することにより行った。M13ベクター
は、Bgl II、DNAポリメラーゼ(クレノウ)、次いでBam
H Iで予め処理しておいた。次いで、部位−指向性の突
然変異誘発のための標準的な方法を行った[例えば、Ad
elmanら(1983),DNA:183を参照]。
正しいM13クローンを同定した後に、プロリラキシン
遺伝子に正確に融合されているStIIシグナル配列をコー
ドしている1020塩基対のXba I/BamH Iフラグメントを切
り出し、HGH遺伝子をコードしている1000塩基対のXba I
/BamH Iフラグメントが除去されているpTrpStIIHGH(米
国特許No.4,680,262)と同一のベクターに連結した。
3.pTrpProRelAsp 図6によれば、プラスミドpTrpProRelAspがプラスミ
ドpTrpStIIProRelから、H2プロリラキシンの最初の11ア
ミノ酸およびStII配列を含む105塩基対のXba I/Not Iフ
ラグメントの除去によって調製されたことがわかる。こ
のフラグメントを、合成により製造した以下に示すDNA
日本鎖と置換した: この合成配列がH2プロリラキシンの最初の12アミノ酸
(プロリラキシンのAsp1を含む)をコードしていること
は理解されるであろう。
この構築物を用いて大腸菌株294を形質転換し、コロ
ニーをテトラサイクリン耐性により選択した。
B.プラスミドpTR411の調製 プラスミドpTR411は、親プラスミドpTrpProRelAsp、
ならびに各々B/CおよびC/Aの界面を包含する領域のため
のAspコドン操作された置換フラグメントを与えるよう
に設計された2つのプラスミド、pTR390−7およびpTR4
00−20の計3つのプラスミドから構築した。プラズミド
pTR411の構築において用いられたこの全体の工程図を図
9に示す。
1.pTR390−7 プラスミドpTR390−7は、B鎖の末端をコードしてい
るDNA配列およびC鎖の最初をコードしているDNA配列の
間のMet−プロリラキシン遺伝子にAspコドンを導入する
ために設計した。図7からわかるように、プラスミドpT
R390−7は、4つのフラグメントを連結することにより
構築され、その第一番目は、必須ではないEcoR I/Bgl I
Iフラグメントが除去された単純なクローニングベクタ
ー(pPA781;以下を参照)である。このクローニングベ
クターに対する挿入物は、3つのフラグメントからな
る。その1つ目は、Met−プロリラキシンの最初の27コ
ドンを含むpTR31から得た80塩基対のEcoR I−HgiA Iフ
ラグメントである。pTR31は、40塩基対のXba I/Not Iフ
ラグメントが以下の合成DNA日本鎖で置換されたpTrpPro
RelAspの誘導体である: 第二のフラグメントは、360塩基対のSfaN I/Bgl IIフ
ラグメントであり、これもpTR31から得られ、Met−プロ
リラキシンの34〜155コドンを含んでおり、第三のフラ
グメントは以下の配列を有する合成DNA二本鎖である: 理解されるであろうが、上記の配列はプロリラキシン
のアミノ酸28〜33をコードしており、それに続いてAsp
のコドンGATを有している。この合成フラグメントは、
通常はトリエステル法により調製した(Creaら、上
掲)。
[pPA781は、プラスミドJH101の誘導体である(Jrnl.
Bacteriol.154:1513−1515(1983))。このプラスミ
ド由来の29塩基対のEcoR I−Hind IIIフラグメントは、
Pacプロモーター(Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:439−4
43(1984))、Bacilllus amyloliquifaciens アルフ
ァ−アミラーゼシグナル配列(Gene15:43−51(198
1))、およびヒト成長ホルモン遺伝子(Nature281:5
44−548(1979))を含む810塩基対のDNAフラグメント
で置換されている。] 4つのフラグメントを共に連結して大腸菌細胞を形質
転換するために用いた。形質転換体をアンピシリンで選
択し、プラスミドpTR390−7を制限分析およびジデオキ
シ配列決定により選択した。
2.pTR400−20 プラスミドpTR400−20は、Met−プロリラキシン遺伝
子中のC鎖の末端(Arg137)およびA鎖の初め(Gl
n138)をコードしている領域の間に、Aspコドンを導入
するために設計した。図8からわかるように、このプラ
スミドは3つのフラグメントを共に連結することにより
構築された。pTR390−7と同様に、最初のフラグメント
は、必須でないEcoR I−Bgl IIフラグメントが除去され
た、単なるクローニングベクター(pPA781)である。第
二のフラグメントは、プラスミドpTR31からEcoR I−Taq
I消化により得たMet−プロリラキシンの1〜134コドン
を有する405塩基対のEcoR I−Taq Iフラグメントであ
る。第三の断片は、上述の方法により合成された合成DN
A二本鎖であり、以下の配列を有していた: 理解されるであろうが、上記の合成フラグメントは、
Met−プロリラキシンのアミノ酸135〜154をコードして
おり、アミノ酸コドン137(AGA)と138(CAA)の間にAs
pのコドン(GAT)が付加されている。
3つのフラグメントを共に連結して、大腸菌K12株294
細胞を形質転換するために用いた。形質転換体をアンピ
シリン耐性により選択し、プラスミドpTR400−20を制限
分析により選択し、ジデオキシ配列決定を行った。
3.pTR411 図9によれば、プラスミドpTR411はDNAの3つの断片
を共に連結することにより構築した。第一の断片は、41
0塩基対のBssH II−Bgl IIフラグメントが除去されたプ
ラスミドpTrpProRelAspである。従って、この線状とな
ったプラスミドは、プロリラキシンのアミノ酸1〜18お
よび156〜161に対するコドンを有している。第二の断片
は、アミノ酸19〜97に対するコドンを含むpTR390−7か
ら得た235塩基対のBssH II−Hinf Iフラグメントであ
り、アミノ酸33(leu)と34(ser)に対するコドンの間
にAspのコドンが付加されている。第三の断ぺは、met−
プロリラキシンの99〜155のコドンを図むpTR400−20か
ら得た175塩基対のHinf I−Bgl IIフラグメントであ
り、アミノ酸137(arg)と138(gln)のコドンの間に余
分なAspコドンを有している。
この3つのフラグメントを連結した後、この混合物を
用いて大腸菌K12株294細胞を形質転換した。形質転換体
をアンピシリン耐性により選択し、プラスミドpTR411を
制限分析により選択した。
実施例2 増強された酸切断部位を有するAspが挿入さ
れたヒトプロリラキシンをコードする組換えベクターの
構築 プラスミドpTR601(図13)は、リラキシンA鎖の前に
増強された酸切断部位を有するタンパク質を製造するた
めにプロリラキシンをコードする配列を変更した、pTR4
11(図9)の誘導体である。pTR411中のA鎖のすぐ前の
アミノ酸ArgALysLysArgAspのコドンを、pTR601において
はSerGluAlaAlaAspのコドンに変化させた。さらに、9
9、120および132に位置するAspコドンをGluコドンに変
化させた。pTR601の構築には、以下に示すように4段階
が必要とされ、中間体プラスミドpTR540−2、pTR550−
8およびpTR561が結果として得られた。
pTR540−2の調製(図10) プラスミドpTR540−2は3つのDNAフラグメントから
構築され、その第1は小さなXba I−BamH Iフラグメン
トが除去されたベクターpHGH207−1(米国特許No.4,66
3,283)である。2つ目は、Aspが挿入されたプロリラキ
シンの最初の94アミノ酸をコードしているpTR411から単
離された285bpのXba I−Rsa Iフラグメントである。3
つ目は、以下の配列を有する76bpの合成DNA二本鎖RelX
XIIである: 3つのフラグメントをT4リガーゼを用いて共に連結
し、大腸菌細胞を形質転換するのに用いた。形質転換体
をアンピシリン・プレート上で選択し、プラスミドpTR5
40−2を制限分析およびDNA配列決定により選択した。
この調製の工程図を図10に示す。
pTR550−8の調製(図11) プラスミドpTR550−8は、3つのDNAフラグメントか
ら調製した。その1つ目は利用可能なEocR IおよびHind
III制限部位を含み、EcoR IおよびHind IIIで処理され
たクローニングベクターpTIllから単離した。ベクターp
TIllは、ヒト成長ホルモンをコードする配列がヒトイン
ターロイキン−1の配列で置換されているpHGH207−1
の誘導体である。この構築のための別のベクターは、Ec
oR IおよびHind IIIで消化されたpBR322から単離される
ベクターフラグメントである。
2つ目のフラグメントは、以下の配列を有する65bpの
合成二本鎖RelX XIIIであった: 第三の部分は、Aspが挿入されたプロリラキシンのア
ミノ酸140〜164をコードしているpTR411から得た183bp
Sau3 AI−Hind IIIフラグメントである。この最後の
フラグメントは、まずpTR411由来の306bpのHinF I−Hin
d IIIフラグメントを単離し、次いでこのフラグメント
Sau3 AIで部分消化することによって得た。
この3つのフラグメントを共に連結し、この混合物を
用いて大腸菌株294を形質転換した。形質転換体はアン
ピシリン耐性で選択し、プラスミドpTR550−8を制限分
析およびDNA配列決定により選択した。TR550−8の調製
のための工程図を図11に示す。
pTR561の調製(図12) プラスミドpTR561は、Aspが挿入されたプロリラキシ
ンの暗号配列の全てを増強された酸切断部位と組合せ
る。3つのDNAフラグメントが構築に用いられ、その第
一番目は、小さなBssH II−BamH Iフラグメントが除去
されたベクターpTR411である。2つ目はpTR540−2から
得た297bpのBssH II−Sac IIフラグメントである。3つ
目は、増強されたAsp挿入プロリラキシンの最後の45ア
ミノ酸をコードしているpTR550−8から得た900bpのSac
II−BamH Iフラグメントである。また、この最後のフ
ラグメントはHind IIIとBamH I部位の間にインターロイ
キン−1配列の一部を有しているが、これはこの構築に
は重要でない。
3つのフラグメントをT4リガーゼを用いて共に連結
し、大腸菌株294細胞の形質転換に用いた。形質転換体
をアンピシリン耐性について選択し、プラスミドpTR561
を制限分析により選択した。TR561の構築のための工程
図を図12に示す。
pTR601の調製(図13) 最終的なプラスミドpTR601は、pTR561由来の不要なイ
ンターロイキン−1配列の全てを除去し、テトラサイク
リン耐性遺伝子を回復させたものである。3つのフラグ
メントを用いてpTR601を構築した。その1つ目は小さい
Bgl II−BamH Iフラグメントが除去されたベクターpTR5
61である。次いで、このベクターを細菌性アルカリホス
ファターゼで処理して、ベクターの再環化を防止した。
2つ目はpTR561から得た26bpのBgl II−Alu Iフラグメ
ントであり、これはプロリラキシンの最後の6アミノ酸
をコードしている。3つ目は、EcoR I部位がDNAポリメ
ーラーゼ・クレノウを用いて充填された、pBR322由来の
377bpのEcoR I−BamH Iフラグメントである。
この3つのフラグメントを共に連結し、大腸菌294細
胞の形質転換に用いた。形質転換体をテトラサイクリン
耐性で選択し、プラスミドpTR601を制限分析により選択
した。pTR601の構築のための工程図を図13に示す。
実施例3 増強された酸切断部位を有するAspが挿入さ
れたヒトプロリラキシンをコードする遺伝子の発現およ
び切断 実施例2で述べたプラスミドpTR601を用いて、以下に
述べるプロトコールに従い宿主細胞W3110tonAを形質転
換した。大腸菌W3110tonA宿主は、本質的にT1ファージ
に耐性であり、P1から得たファージを用いた形質導入を
含む標準的な実験技術を用いて作成される株である(例
えば、J.Miller,Experiments in Molecular Genetics,C
old Spring Harbor Press:New York,1972を参照)。通
常、この宿主は欧州特許No.183,469(1986年6月4日公
開)に記載されているようにして得た。
約25mlのLBブロスにW3110tonA宿主細胞の1コロニー
を接種した。この混合物をA550が約1.0となるまでイン
キュベートした。次いでこのインキュベーション混合物
を、冷却した遠沈管に移し、約5〜10分間氷上に設置
し、次いで600rpmで5分間遠心した。次いでペレットを
8.0mlの氷冷0.1M CaCl2中で再懸濁し、渦巻撹拌し、氷
上に4時間設置した。この後に、混合物を6,000rpmで5
分間遠心し、ペレットを15%グリセロール中の0.1M CaC
l2(1.0ml)中に再懸濁した。この懸濁液を氷上に一晩
設置した。
形質転換のために、約0.25〜0.5ngのpTR601プラスミ
ドDNAを50μlのCaCl2処理したコンピテントな細胞に加
え、この混合物を氷上に1時間設置した。42℃で90秒間
の熱ショックの後に、混合物を氷に1分間移し、この後
に0.1mlのLBブロスを加えた。37℃で1時間インキュベ
ーション時間の後に、混合物を20μg/mlのテトラサイク
リンを含むLB寒天板にプレートした。37℃でA550が約1.
0となるまで増殖させた5μg/mlのテトラサイクリンを
含むLB培養液中の1コロニーから、凍結保存培養物を作
成した。培養物は10%DMSO中、−70℃で凍結した。
形質転換された細胞の培養のために、LBブロス(500m
l)に凍結保存培養物(0.5ml)を接種し、37℃、200rpm
で8時間インキュベートした。この様にして得られた種
培養物をTrp8塩を添加した10リットルの発酵器に移し
た。Trp8塩は、硫酸アンモニウム(5.0g/L)、K2HPO
4(6.0g/L)、NaH2PO4(3.0g/L)およびクエン酸ナトリ
ウム・2H2O(1g/L)からなる。このTrp8塩(10L)を、
蒸留水(7L)中で発酵器において滅菌した。発酵器を冷
却した後に、次の成分を加えた:50%グルコース(500m
l)、1M MgSO4(100ml)、鉄を含む微量金属(5ml)、
2.7%FeCl3(5ml)、20%ヒカーゼ(Hycase)(250m
l)、20%酵母抽出物(250ml)および5mg/mlテトラサイ
クリン(10ml)。
培養物を10lpmでの通気、1000rpmでの撹拌および0.3b
arの背圧のもと、37℃、pH7.0で増殖させた。OD550nm
約20になった時点でグルコースの穏やかな供給を始め
た。3−インドールアクリル酸(IAA)の25mg/ml溶液
(25ml)の全量をOD550nmが30になった時点で添加し
た。IAA添加の8時間後に培養物を集めた。細胞ペレッ
トをSorvall R3CBによって集め、−20℃で凍結した。
pTR601由来のAspが挿入された突然変異体であるヒト
プロリラキシンを細胞ペーストから以下の様にして精製
した: pTR601−形質転換細胞から得た細胞ペーストを溶菌緩
衝液(20mM TrisHCl pH8、500mM NaCl、10mM EDTA)中
に1:10の比で懸濁することにより処理した。懸濁液を、
Manton−Gaulinホモジナイザーに約6,000psiで3回通し
た。6000xgで30分間遠心した後、ペレットを4Mグアニジ
ン−HCl/20mM Tris−HCl pH8/0.1%β−メルカプトエタ
ノール(BME)中に溶解した。この溶液について限外濾
過および透析濾過を行い、20mM NH4酢酸緩衝液、pH4.
5、6M尿素/0.1%BMEに移した。この物質をスルホプロピ
ル−トリスアクリル(SPTA)カラム(LKB Produkter)
にロードした。
突然変異体であるAsp挿入プロリラキシンの最初の精
製を行うためにSPTA分画化を行った。カラムの大きさ
は、約10×12cmであり、これは約950mlのベッド容量に
対応していた。用いた緩衝液は25mM酢酸アンモニウム/6
M尿素/0.1%BMEであった。用いた流速は、約30ml/分で
あり、これは1時間当たり約1.8リットルに匹敵した。
カラム緩衝液中の0〜0.65M勾配NaClを5カラム容量用
いた。通常の分画化においては、各2.5リットルの樹脂
に対して約1kgの細胞ペーストが分画された。
プールのパラメーターを決定するために様々な分画に
ついてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(15%)
を行った。Aspが挿入されたヒトプロリラキシンタンパ
ク質の突然変異体を含有しているプールを限外濾過/透
析濾過して、4Mグアニジン−Cl/20mM Tris−HCl、pH8.0
/0.1%BMEに移し、同じ緩衝液中でセファクリル−300カ
ラムにかけた。
用いられたセファクリル−300カラムは、5.0×90cm
(1.7リットルベッド容量)の大きさであり、流速は約1
00ml/時であった。通常、樹脂/ペーストの比として、1
4L/kgペーストの比を用いた。カラムの分画についてSDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動をもう一度行い、プー
ルのパラメーターを決定した。
実質的に精製されたAsp挿入Met−プロリラキシンの突
然変異体を含むプールを集め、4容量の7.5M尿素および
0.1%BMEを用いて透析濾過し、次いで20容量の0.5N酢酸
を用いて透析濾過した。第二の透析濾過の工程は、プロ
リラキシンを還元型に維持するために、反応容器にヘリ
ウムガスを吹き込むことにより酸素の非存在下で行っ
た。
増強された酸切断は、以下の条件下で行った:即ち、
タンパク質濃度は約1mg/mlであり、インキュベートは11
0℃で4時間であり、反応容器の排気は行わなかった。
次いで、加水分解物を回転式エバポレーターで乾燥さ
せ、4M尿素、20mM Trisおよび100mMDTT、pH8の緩衝液中
に溶解し、溶液を該緩衝液で平衡化したS−セファロー
ス・ファスト・フロー・カラムにロードした。A鎖はカ
ラムに吸着され、塩化ナトリウム勾配を用いてA鎖を溶
離した。A鎖のプールをG25ゲル濾過樹脂で0.5N酢酸に
交換し、回転式エバポレーターで乾燥した。次いで、A
鎖を4Mグアニジン−Cl、20mM Tris HCl、pH8および100m
MDTTに溶解した。最後に、サンプルを以下に述べるよう
にHPLCにより予備的に精製した。
以下の条件の下でVydac C−4逆層カラムによるHPLC
を行った: Vydac C−4 RPC(4.6×250mm、300A、5μ) 0.1%TFA/水 0.1TFA/アセトニトリル 15〜55%勾配 1分間当たり0.5%、1分間当たり2ml 280nm−AUFS 0.02;214nm−AUFS 0.1 1分間当たり0.2cmのチャートスピード 評価されるであろうが、3つの主なピークが得られ、
各々1、2および3と名付けた。ピーク1、2および3
に対応している分画を集め、配列決定してアミノ酸組成
を決定した。ピーク1から得たペプチドは、プロリラキ
シンのCペプチド領域由来の切断フラグメントに対応す
る配列を含んでいることが見いだされた。ピーク2から
得たペプチドは、N−末端グルタミンが環化してエドマ
ン分解に応答しないピロ−グルタミン酸型になるため
に、明らかな配列は見いだされなかった。アミノ酸組成
分析および質量スペクトルにより、ピーク2のペプチド
はA鎖であることが決定された。ピーク3から得たペプ
チドは、des(Asp1)−B鎖に対応することが見いださ
れた。
3つのペプチドのおおよその溶離位置は以下の通りで
ある:pyro Glu A鎖(ペプチド2)は見かけのアセトニ
トリル濃度が約26.0%の位置で溶離され、des(Asp1
−B鎖は見かけのアセトニトリル濃度が約43.6%の濃度
で溶離された。
酢酸切断プロトコールにおける出発物質であるMet−A
sp−挿入プロリラキシンにおいて存在する量に対する、
A鎖の質量に基づくA鎖ペプチドのおおよその回収率
は、約38〜42%であった。第二の透析濾過においてヘリ
ウムガスの吹込みを行わない同じ実験における収率は27
%であった。
カラムで精製したA鎖の物質を含むサンプルは、使用
時まで−20℃で保存した。
発現ベクターとしてpTR411を用いた比較実験を、切断
を以下のようにして行う以外は上記のプロトコールを繰
り返して行った。
セファクリル−300カラムから得た精製したばかりの
サンプルを、約100容量の0.5M酢酸に対して一晩透析し
た。切断は以下の条件の下で行った:通常は約0.25〜2.
0mg/mlの範囲のタンパク質濃度を用いた。サンプルを11
0℃で18時間インキュベートし、約2torrの最終条件まで
吸引した。次いでサンプルを分析時までまたはHPLCによ
り予備的に集める時まで、−20℃で保存した。
上記の条件の下で、得られたA鎖ペプチドのおおよそ
の回収率は、酢酸切断プロトコールにおけるMet−Asp−
挿入プロリラキシン出発物質中に存在する量に対するA
鎖の重量に基づいて、本来pGlu−A−鎖に対して約40〜
50%であると考えられていた。実験を数回繰返し、生成
物がHPLCおよび質量スペクトルによってより十分に分析
すると、A鎖と考えられていたものは、伸長されたA鎖
であり、A鎖の回収率は約5〜10%であることが見いだ
された。ヘリウムガス吹込みと吸引の交互のサイクルで
行うことにより実験を繰り返した場合には、リラキシン
A鎖の収率は顕著には改善されなかった。
増強されたAsp切断プロリラキシン(pTR601由来)か
ら得たA鎖の収率は、以下に述べるいくつかのパラメー
ターにより劇的に変化することが明らかとなった。
110℃での0.5N酢酸による最良の切断時間は、約2〜1
0時間であり、中でも最も好ましいのは約4〜8時間で
あった。
増強された酸切断実験を、組換えリラキシンAではな
くMerrifieldペプチド合成により製造されたリラキシン
Aを用いて繰り返した場合には、約50%の回収可能なタ
ンパク質が分解した。加水分解の主な部位のいくつかが
システイン残基にあり、より低度でセリン残基にあるよ
うであった。
0.001〜0.003Nトリフルオロ酢酸、0.005N硫酸、また
は0.03〜0.05N塩酸を用いた以外は、増強された酸切断
実験を繰り返した場合には、試験を行った全ての酸の中
で5mM硫酸および0.5N酢酸が最も良い収率を与えた。
プロリラキシン濃度が1mg/ml〜19mg/mlに増加された
以外は、増強された酸切断実験を繰り返した場合に、A
鎖に対するHPLC C4のピークが約1mg/mlでの約9cmから8m
g/mlでの6.4cmそして約19mg/mlでの5.6cmまで減少する
ことが見いだされた。
最初の透析濾過の工程においてBMEの代わりに1〜10m
Mジチオトレイトール(DTT)を用いた以外は増強された
酸切断実験を繰り返した場合には、A鎖の収率は実質的
に減少した。
1ないし10mMの酸化されたシステイン(シスチン)を
酢酸加水分解混合物に加えた以外は増強された酸切断実
験を繰り返した場合には、A鎖の収率は著しく減少し
た。
最初の透析後、酢酸を用いて透析する前に、3日より
長い期間プロリラキシンのサンプルを尿素/BME透析緩衝
液中に静置させたことを除いては増強された酸切断実験
を繰り返した場合には、A鎖の収率は24〜25%まで減少
した。還元条件が課された後に切断を始める適当な時間
は、0〜2日であり、好ましくは0〜24時間で、最も好
ましくは即時である。これらの実験により、加水分解反
応物からの最大収率を得るためには分子中のジスルフィ
ド結合の形成を避けるべきであることが示唆される。さ
らに、これらの結果により、予期しなかったことである
が、酸の条件下でジスルフィド結合は形成されうるが、
これはそのための助けとはならないことが示されてい
る。
HPLCにより精製されたA鎖を含むサンプルを、実施例
4に記載のようにリラキシン再構成のために用いること
ができる。
実施例4 リラキシンペプチドを用いたリラキシンの再
構成 上で得られた精製されたA鎖を用いてリラキシンを再
構成するために、以下に示すプロトコールを用いること
ができる。
方法I 以下からなる全容量約1142.5μl中で再折り畳
みを行う:0.5Mグリシン(BioRad Laboratories)(100
μl)、pH10.5、6M尿素(mallinckrodt)(100μ
l)、水(725μl)、アセトニトリル(Burdick and J
ackson)(50μl)、1−プロパノール(Burdick and
Jackson)(15μl)、A鎖溶液(水中3mg/mlリラキシ
ンA鎖)(100μl)およびB鎖溶液(リラキシンB鎖5
04μg/6M尿素350μl)(62.5μl)。サンプルを一晩2
0℃で緩やかに混合しながら再折り畳みを行う。
方法II 以下からなる混合物中で再折り畳みを行う:0.2
〜1MCAPS緩衝液(3−[シクロヘキシルアミノ]プロパ
ンスルホン酸、CalBioChem)、pH10.2、0.75M塩酸グア
ニジン、10%(v/v)メタノール(Burdick and Jackso
n)、および全タンパク質濃度の範囲は0.25〜2.0mg/ml
である。リラキシンA鎖のリラキシンB鎖に対するタン
パク質比は、約4部のA鎖に対して1部のB鎖となって
いるべきである。溶液は窒素もしくはアルゴンなどの不
活性ガスを充分に吹き込み、20℃で一晩(12〜18時
間)、空気の存在下で撹拌すべきである。
全ての折り畳まれたサンプルについて活性を試験して
も良いし、さらに/または本質的には先に述べたように
して(実施例3)HPLCによる再精製を行っても良い。
大規模の再折り畳みは、原料の全体量を比例的に増加
させることにより得られる。
実施例5 Asp−挿入ポリマー型A鎖ヒトプロラキシン
突然変異体をコードする遺伝子の構築および発現ならび
にその切断 ポリマーを加水分解するための酢酸による切断を用い
た発現を改良するために、A鎖のポリマー型を作成する
ことがこの実施例において研究された。
次の配列と結合した3つもしくは4つのリラキシンA
鎖を共に有する4つのプラスミドを構築した: −Glu−Ala−Ala−Asp−RlvA−[Asp−Pro−Ser−Ala
−Asp−RlxA]2-3、または−Glu−Ala−Ala−Asp−RlxA
−[Asp−Gly−Ser−Ala−Asp−RlxA]2-3、 [配列中、RlxAはリラキシンA鎖である]。これらのプ
ラスミドの構築について詳しくは以下ならびに図14およ
び図15に各々述べる。A鎖の後部末端を適当なリンカー
を通してA鎖の前部末端に結合している2つの中間体プ
ラスミドpRP12およびpRP34を以下のようにして調製し
た。以下の配列を有する合成オリゴヌクレオチドリンカ
ーをホスホルアミド合成により調製した: 次の断片は、リラキシンA鎖の全体を含み、上に示し
たリンカーの最後のAspをリラキシンの最初のアミノ酸
の前に設置した、pTR411(図9)から得た部分Sau3 A−
Hind IIIフラグメントであった。pTR411から得たフラグ
メント: T4リガーゼおよび以下の成分を用いて2つの連結を行
った: pRP12:PR1+PR2+pTR411フラグメント+pBR322のEcoR I
Hind IIIベクターフラグメント;および pRP34:PR3+PR4+pTR411フラグメント+pBR322のEcoR I
Hind IIIベクターフラグメント MM294ton A株(1986年6月4日に公開の欧州特許183,
469において一般的に記載されている標準的形質導入方
法により調製される)を、標準の大腸菌形質転換プロト
コールを用いて上記のプラスミドの各々で形質転換し
た。ミニスクリーンを制限分析および配列決定を行い、
正しい配列が得られたことを確認した。Bal II−BamH I
消化によりこれらの各プラスミドからA鎖の後部末端、
適当なリンカーフラグメントおよびA鎖の前部末端を含
むフラグメントが解離されるだろう。
発現プラスミドpTR601を、このプラスミド中のA鎖暗
号領域において一度切断するBgl IIで消化し、次いで細
菌性アルカリホスファターゼで処理してベクターの連結
を減少させた。
pRP12およびpRP34の両方を各々Bgl IIおよびBamH Iで
消化し、約90bpのフラグメントをアクリルアミドゲルか
ら単離した。これらのフラグメントは、自ずから連結し
てポリマーを形成し、以下に示すように様々な方法で一
緒になることができる。
[ここで、 BamからBglであり、 BglからBamである]。Bal IIおよびBamH Iを用いて引
き続き消化を行っても、頭部から尾部までのポリマーを
残すだけであろう。なぜなら、これらの連結部は両酵素
による切断に対して耐性であるからである。この消化の
後に、DNAをアクリルアミドゲル上で長し、pPR12および
pRP34フラグメントに各々対応する約180の二量体のバン
ドおよび約270の三量体のバンドをゲルから溶離した。
これらのDNAフラグメントを上述のpTR601ベクターフラ
グメントに連結して、得られた連結構築物を上述のよう
にして株NM294ton A中に形質転換した。形質転換体を、
ミニスクリーン制限分析により正しいプラスミドについ
て分析した。以下に示すように4つのプラスミドが単離
された。
名称 A鎖 図の番号 リンカー pDH98 3 14 AspProSerAlaAsp pDH99 4 14 AspProSerAlaAsp pDH100 3 15 AspGlySerAlaAsp pDH101 4 15 AspGylSerAlaAsp これらのプラスミドの各々を用いてW3110ton A細胞を
形質転換して得られた細胞培養物を、pTR601形質転換細
胞について上で述べた条件を用いて増殖させた。各々
は、予想された分子量のタンパク質を発現した。大腸菌
培養ペーストを−80℃で保存した。
発酵器から得た細胞ペースト(1g)を10容量の氷冷細
胞懸濁緩衝液(25mM Tris HCl、5mM EDTA、10mM DTT pH
7.5、25℃)中に懸濁し、Ultrasonicsソニケーターにお
いてMicrotipプローブを用い、出力6で40%仕事サイク
ルにセットして氷/エタノール浴に浸すことにより冷却
しながら5分間超音波処理した。12,000×g、4℃で10
分間の遠心の後に、ペレットを同様の容量の7M尿素、25
mM Tris HCl、5mM EDTA、10mM DTT、pH7.5、25℃中に再
懸濁し、上記と同様にして超音波処理した。4℃、27,0
00×gで20分間の遠心の後、上清を静かに注いで0.45ミ
クロンのMillxe HAフィルターを通した。グリセロール
を10%v/vまで添加することにより上清の濃度を上昇さ
せ、サンプルについて6M尿素、1M NaCl、25mM Tris HC
l、5mM EDTA、10mM DTT pH7.5で平衡化したセファクリ
ルS200カラム(5×80cm)上でクロマトグラフィーを行
った。カラムを4℃、平衡緩衝液中、1.5ml/分の流速で
展開した。SDSポリアクリルアミド勾配ゲル(8〜25
%)でのタンパク質検出に基づいて分画をプールし、加
水分解の工程まで4℃で保存した。N末端配列分析によ
り同定を行った。
サンプルをS200溶離液プールから取り、8Kd分子量透
析チューブ(Spectrapor)中、1000容量の0.5N酢酸に対
して4℃で一晩透析した。1.0mg/mlのタンパク質濃度を
通常用いた。気密性容器中にサンプルを密封し、110℃
で6時間インキュベートすることにより切断を行った。
次いでサンプルを希釈し、既に述べたようにして以下に
示す条件を用いて、高速液体クロマトグラフィーにより
分析した。
SynChropak C−4 RPC(4.6×100mm、300A) 0.1%TFA/水 0.08%TFA/アセトニトリル 15〜55%勾配 1分当たり1.0%、1分当たり1ml 280nm−AUFS 0.02;214nm−AUFS 0.2 1分当たり2mmのチャートスピード HPLCカラムにおいて真正な標準合成A鎖と共に溶離す
るピークは、ピログルタミンA鎖であることが質量スペ
クトルにより示された。
A鎖ペプチドのおおよそ回収率は、融合タンパク質1g
の出発物質量に正規化すると、加水分解後に以下のよう
であった: pDH98(D−P 3−mer) 87mg pDH99(D−P 4−mer) 145mg pDH101(D−G 4−mer) 55mg Asp−プロリラキシン 55mg 従って、D−P融合タンパク質からのA鎖の回収率
は、理論値の約36%であり、融合タンパク質におけるA
鎖単量体の数に応じて、Asp−挿入プロリラキシンの1.6
〜2.6倍であった。
A鎖をいくつプラスミドに設定するかという選定は、
4つのA鎖を有するポリマーが回収される最大の連結ポ
リマーであるという事実によって支配された。より大き
なポリマーを合成する方法については、どの当業者にと
っても明白であろう。
以上述べた本発明は、特許法における必要条件に合致
するよう、また説明および例示の目的のために、特に好
ましい態様に向けられたものである。しかしながら、本
発明の範囲および思想から逸脱する事なく、本明細書中
に開示した技術に多くの修飾および変更を行いうること
は、当業者にとって明らかであろう。例えば、DNA配列
における特定の突然変異体を得るために当業者に利用可
能な数多くの方法がある。さらに、宿主細胞での発現お
よび組換え産物の単離を行うために多くの既知の方法が
存在する。本明細書中で用いられる特定の方法において
多くの変更をなすことができ、それにもかかわらず同様
の結果が得られることを当業者は認識するであろう。本
発明のこれらのそして全ての他の修飾は、添付の請求の
範囲により規定される本発明の範囲内に含まれるものと
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 ウィルキンス,ジェイムス・エー アメリカ合衆国カリフォルニア94402、 サン・マテオ、セネカ・レーン1525番 (72)発明者 ヤンスラ,ダニエル・ジー アメリカ合衆国カリフォルニア94044、 パシフィカ、カーメル・アベニュー330 番 (56)参考文献 特開 平1−10999(JP,A) 特開 昭61−221200(JP,A) 特開 昭59−85292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/64 C12P 21/02 C12N 1/21 C12N 15/16 WPI(DIALOG) CA(STN) BIOSYS(DIALOG)

Claims (47)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレー、プレプロ若しくはプロリラキシン
    またはマルチプルリラキシン鎖を含有するポリペプチド
    をリラキシン鎖切断産物に切断するための方法であっ
    て、以下の工程: (a)該ポリペプチドをコードしているDNAを含有する
    細胞を培養し:ここで、Aspのコドンを、該リラキシン
    鎖切断産物をコードしているDNA配列の間の連結点で該D
    NA中に導入し、この培養によってDNAが発現して宿主細
    胞培養物中にポリペプチドが産生される結果になる;そ
    して (b)Asp連結点でポリペプチドを切断するための条件
    下で、還元された遊離システイン型のポリペプチドを酸
    でpHが約1〜3で処理する、 を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】工程(b)の前にポリペプチドを宿主細胞
    培養物から回収する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】工程(b)の前に回収したポリペプチドを
    非酸化雰囲気下で維持する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】非酸化雰囲気が不活性ガスまたは窒素雰囲
    気である請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(a)の前に、細胞を、この細胞が認
    識するコントロール配列に機能的に結合させた該DNAを
    含有する発現ベクターで形質転換する請求項1に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】細胞が原核性である請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】発現ベクターがプラスミドである請求項6
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】該プレー、プレプロまたはプロリラキシン
    鎖がヒトのものである請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(b)の後に少なくとも1つのリラキ
    シン鎖切断産物を単離する工程をさらに含む請求項1に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】単離した切断産物をポリペプチドの別の
    ペプチジルフラグメントと混合することをさらに含む請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】式: Xn−Y−Asp−(ppt)−[Asp−Xn−Y−Asp−(ppt)] [式中、mは0またはそれ以上であり、nは0またはそ
    れ以上であり、XはAla、Ser、Gly、Pro、またはGluで
    あり、YはAla、Ser、またはGlyであり、そしてpptはリ
    ラキシンAである] を有するポリペプチドの切断方法であって、 (a)該ポリペプチドをコードしているDNAを含有する
    細胞を培養し、この培養によってDNAが発現して宿主細
    胞培養物中にポリペプチドが産生され;そして (b)Asp連結点でポリペプチドを切断するための条件
    下で、還元された遊離システイン型のポリペプチドを酸
    でpH約1〜3で酸で処理する、 ことを含んでなる方法。
  12. 【請求項12】mが1またはそれ以上であり、nが0〜
    10である請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】pptがH2リラキシンA鎖である請求項11
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】ポリペプチドが、配列: Ser−Glu−Ala−Ala−Asp−RlxA−[Asp−Pro−Ser−Ala−Asp−RlxA] [配列中、mは0またはそれ以上であり、RlxAはリラキ
    シンA鎖である] を有するものである請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】工程(b)の後に少なくとも1つのリラ
    キシンA切断産物を分離し、単離する工程をさらに含む
    請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】単離したリラキシンA切断産物をポリペ
    プチドの別のペプチジルフラグメントと混合することを
    さらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】ペプチジルフラグメントがリラキシンB
    鎖である請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】リラキシンA鎖およびB鎖がH2リラキシ
    ン鎖である請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】生物学的に活性なヒトリラキシンの製造
    方法であって、以下の工程: (a)ヒトリラキシンA鎖を構成するポリペプチドをコ
    ードしているDNAを含有する発現ベクターを得:ここ
    で、該A鎖の一方または両方の末端にAspコドンが導入
    されており、該DNAは宿主細胞によって認識されるコン
    トロール配列に機能的に結合している; (b)適当な宿主細胞を該ベクターで形質転換し; (c)DNAが発現されるように該形質転換細胞を培養し
    て、該リラキシンA鎖を構成するポリペプチド配列を産
    生させ; (d)該培養物からポリペプチドを回収し; (e)還元された遊離システイン型の回収ポリペプチド
    を、Asp連結点でこのポリペプチドを切断する条件のも
    と、酸でpH約1〜3で酸で処理して切断産物を得; (f)該切断産物を分離し;そして (g)該A鎖をリラキシンB鎖と結合させて生物学的に
    活性なヒトリラキシンを得る、 を含んでなる方法。
  20. 【請求項20】工程(e)の前に工程(d)で回収した
    ポリペプチドを、非酸化的雰囲気下に維持した還元剤を
    含む緩衝液中に透析または透析濾過する請求項19に記載
    の方法。
  21. 【請求項21】非酸化雰囲気がアルゴンまたはヘリウム
    雰囲気であり、工程(e)が、最初の透析または透析濾
    過工程後0〜24時間の酸溶液中へのポリペプチドの透析
    または透析濾過、および2〜10時間のポリペプチドと酸
    の接触維持からなる請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】B鎖がそのN−末端から始まって26以上
    のアミノ酸残基を含有する請求項19に記載の方法。
  23. 【請求項23】B鎖がそのN−末端から始まって29また
    は33のアミノ酸残基を含有する請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】DNAがコードしているポリペプチドがヒ
    トリラキシンB鎖からなる請求項19に記載の方法。
  25. 【請求項25】ポリペプチドがヒトリラキシンC鎖もし
    くはシグナル配列またはその両方をさらに含有している
    請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】ポリペプチドがH1またはH2プレプロリラ
    キシンまたはプロリラキシンである請求項25に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】ポリペプチドがH2プロリラキシンである
    請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】プロリラキシンが次のようなものである
    請求項19に記載の方法: リラキシンC鎖の4個のC−末端アミノ酸が、配列: Xn−Y [配列中、XはAla、Ser、Gly、Glu、またはProであ
    り、YはAla、Ser、またはGlyであり、そしてnは0ま
    たはそれ以上である] で置換されており;そして リラキシンA鎖がAsp残基によって先行されている。
  29. 【請求項29】配列Xn−Yが、Ser−Glu−Ala−Alaであ
    る請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】DNAが少なくとも2つのリラキシンA鎖
    をコードしている請求項19に記載の方法。
  31. 【請求項31】DNAが、配列: Xn−Y−Asp−RlxA−[Asp−Xn−Y−Asp−RlxA] [配列中、mは0またはそれ以上であり、nは0または
    それ以上であり、XはAla、Ser、Gly、Glu、またはPro
    であり、YはAla、Ser、またはGlyであり、そしてRlxA
    はリラキシンA鎖である] を有するポリペプチドをコードしている請求項19に記載
    の方法。
  32. 【請求項32】mが1またはそれ以上であり、nが0〜
    10である請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】配列が、 −Ser−Glu−Ala−Ala−Asp−RlxA−[Asp−Pro−Ser−Ala−Asp−RlxA] である請求項に記載の方法。
  34. 【請求項34】C鎖およびA鎖からなる前駆体ヒトリラ
    キシンの変異体をコードしている核酸を得るための方法
    であって、配列: Xn−Y− [配列中、XはPro、Ala、Ser、Gly、またはGluのいず
    れかであり、YはAla、Ser、またはGlyであり、そして
    nは0またはそれ以上である] をコードしているコドンをC鎖のC−末端に導入し、そ
    してC鎖とA鎖の間にAspのコドンを挿入することから
    なる方法。
  35. 【請求項35】核酸がH2プロリラキシンまたはプレプロ
    リラキシンをコードしている請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】核酸がH2プロリラキシンをコードしてい
    るDNAである請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】配列が、Ser−Glu−Ala−Alaである請求
    項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】C鎖およびA鎖からなる前駆体ヒトリラ
    キシンの変異体をコードしている核酸であって、配列: Xn−Y [配列中、XはPro、Glu、Ala、Ser、またはGlyのいず
    れかであり、YはAla、Ser、またはGlyであり、そして
    nは0またはそれ以上である] をコードしているコドンをC鎖のC−末端に含有し、そ
    してC鎖とA鎖の間にAspのコドンが挿入された核酸。
  39. 【請求項39】H2プレリラキシンまたはプレプロリラキ
    シンをコードしている請求項38に記載の核酸。
  40. 【請求項40】H2プロリラキシンをコードしているDNA
    である請求項39に記載の核酸。
  41. 【請求項41】配列が、Ser−Glu−Ala−Alaである請求
    項40に記載の核酸。
  42. 【請求項42】宿主細胞によって認識されるコントロー
    ル配列に機能的に結合した請求項38に記載の核酸を含有
    する発現ベクター。
  43. 【請求項43】請求項42に記載のベクターで形質転換さ
    れた宿主細胞。
  44. 【請求項44】C鎖およびA鎖からなる前駆体ヒトリラ
    キシンの変異体であって、配列: Xn−Y [配列中、XはAla、Ser、Gly、Glu、またはProのいず
    れかであり、YはAla、Ser、またはGlyであり、そして
    nは0またはそれ以上である] をC鎖のC−末端に含有し、そしてC鎖とA鎖の間にAs
    p残基が挿入された変異体。
  45. 【請求項45】前駆体がH2プロリラキシンまたはプレプ
    ロリラキシンである請求項44に記載の変異体。
  46. 【請求項46】前駆体がH2プロリラキシンである請求項
    45に記載の変異体。
  47. 【請求項47】C鎖の4個のC−末端アミノ酸が、Ser
    −Glu−Ala−Alaで置換された請求項46に記載の変異
    体。
JP2506493A 1989-05-04 1990-04-16 ヒトリラキシンの単離のための方法および組成物 Expired - Fee Related JP2857684B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US34755089A 1989-05-04 1989-05-04
US347,550 1989-05-04

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04504953A JPH04504953A (ja) 1992-09-03
JP2857684B2 true JP2857684B2 (ja) 1999-02-17

Family

ID=23364196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2506493A Expired - Fee Related JP2857684B2 (ja) 1989-05-04 1990-04-16 ヒトリラキシンの単離のための方法および組成物

Country Status (7)

Country Link
US (1) US5464756A (ja)
EP (1) EP0470976B1 (ja)
JP (1) JP2857684B2 (ja)
AU (1) AU623518B2 (ja)
CA (1) CA2051375C (ja)
DE (1) DE69001248T2 (ja)
WO (1) WO1990013659A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0499990B1 (en) * 1991-02-19 1996-05-15 Takeda Chemical Industries, Ltd. Method for producing cysteine-free peptides
US5166191A (en) * 1991-08-19 1992-11-24 Genentech, Inc. Use of relaxin in cardiovascular therapy
US5478807A (en) * 1991-08-19 1995-12-26 Genentech, Inc. Use of relaxin in the treatment of bradycardia
JPH07501703A (ja) * 1991-12-06 1995-02-23 ジェネンテク,インコーポレイテッド プロホルモンコンバターゼで形質転換された細胞およびポリペプチド合成
WO1997006814A1 (en) 1995-08-15 1997-02-27 Connective Therapeutics, Inc. Method of promoting angiogenesis
US5612051A (en) * 1995-11-17 1997-03-18 Yue; Samuel K. Method of treating involuntary muscle dysfunction with relaxin hormone
US6084068A (en) * 1996-10-04 2000-07-04 Oklahoma Medical Research Foundation Elongin A and C functional domains
US6251863B1 (en) 1998-09-08 2001-06-26 Samuel K. Yue Method of preventing and treating symptoms of aging and neurodegenerative dysfunctions with relaxin
EP1283260A4 (en) * 2000-04-21 2004-08-18 Takeda Chemical Industries Ltd NOVEL POLYPEPTIDES BELONGING TO THE INSULIN / IGF / RELAXIN FAMILY AND CORRESPONDING DNA
US20050032683A1 (en) 2000-10-04 2005-02-10 Amento Edward P. Methods of modulating apoptosis by administration of relaxin agonists or antagonists
US6439540B1 (en) 2000-10-31 2002-08-27 Pratt & Whitney Canada Corp. Butterfly valve noise suppressor
WO2004067556A1 (en) * 2003-01-31 2004-08-12 Akzo Nobel N.V. Method for protein isolation in anoxic conditions
JP4836942B2 (ja) * 2004-04-30 2011-12-14 コーセラ, インコーポレイテッド リラキシンの調節による胎仔の発育の制御のための方法および組成物
US20060052304A1 (en) * 2004-09-02 2006-03-09 Bas Medical, Inc. Method for remodeling bone and related sutures
EP1901774B1 (en) * 2005-06-17 2014-04-09 MannKind Corporation Multivalent entrain-and-amplify immunotherapeutics for carcinoma
AU2007236516B2 (en) * 2006-04-11 2013-01-17 Armour Therapeutics, Inc. Modified H2 relaxin for tumor suppression
GR1006941B (el) 2009-06-01 2010-08-27 Χημικα Και Βιοφαρμακευτικα Εργαστηρια Πατρων Αε (Cbl-Patras), Πεπτιδικη συνθεση (peptide synthesis)
EP2726502A1 (en) 2011-07-01 2014-05-07 Bayer Intellectual Property GmbH Relaxin fusion polypeptides and uses thereof
EP4056196A1 (en) 2016-10-07 2022-09-14 Beth Israel Deaconess Medical Center, Inc. Compositions comprising relaxin and methods of use thereof

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ199391A (en) * 1981-01-02 1985-12-13 Genentech Inc Chimeric polypeptides comprising a proinsulin sequence,and preparation by recombinant dna technique;production of human insulin
EP0068375A3 (en) * 1981-06-22 1983-04-13 G.D. Searle & Co. Recombinant dna techniques for the production of relaxin
DK171827B1 (da) * 1982-08-12 1997-06-23 Florey Howard Inst Dobbeltstrenget DNA-fragment, der koder for human-H1-præprorelaxin, human-H1-prorelaxin eller A- og B-kæderne i human-H1-relaxin, samt DNA-transfervektor, der indeholder en cDNA-deoxynukleotidsekvens, som svarer til et sådant DNA-fragment, celle transformeret med en sådan DNA-transfervektor, og fremgangsmåde til fremstilling af human-H1-prorelaxin eller -H1-relaxin ved dyrkning af en sådan celle
IL70414A (en) * 1982-12-13 1991-06-10 Florey Howard Inst Polypeptide having human h2-relaxin activity,double-stranded dna fragments coding therefor,vectors containing the dna fragments and methods for preparing the polypeptide,dna fragments and vectors
DK129385A (da) * 1985-03-22 1986-09-23 Novo Industri As Peptider og fremstilling deraf
US4835251A (en) * 1986-06-23 1989-05-30 Genetech, Inc. Method of chain combination
DE3730599A1 (de) * 1986-09-12 1988-07-07 Genentech Inc Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von heterologen proteinen in eukaryontischen wirtszellen
US4987070A (en) * 1987-03-04 1991-01-22 Suntory Limited Use of a 97 amino acid leader sequence from the E. coli B-galactosidase gene for the production of hanp and hptc as fusion proteins
AU605291B2 (en) * 1987-03-20 1991-01-10 Micromet Ag Process for the purification of recombinant polypeptides

Also Published As

Publication number Publication date
DE69001248D1 (de) 1993-05-06
EP0470976A1 (en) 1992-02-19
WO1990013659A1 (en) 1990-11-15
CA2051375C (en) 2000-09-12
DE69001248T2 (de) 1993-10-14
US5464756A (en) 1995-11-07
AU623518B2 (en) 1992-05-14
AU5448990A (en) 1990-11-29
EP0470976B1 (en) 1993-03-31
JPH04504953A (ja) 1992-09-03
CA2051375A1 (en) 1990-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2857684B2 (ja) ヒトリラキシンの単離のための方法および組成物
EP0518587B1 (en) A-C-B proinsulin, method of manufacturing and using same, and intermediates in insulin production
EP0131843B1 (en) Expression vectors for enhanced production of polypeptides, plasmids containing the vectors, hosts containing the plasmids, products manufactured thereby and related methods
JP3954091B2 (ja) リラキシンの製造方法
EP0429586B1 (en) Growth hormone fusion proteins
US6037143A (en) Enzymatic method for modification of recombinant polypeptides
NZ201918A (en) N-terminal methionyl analogues of bovine growth hormone
EP0871474B2 (en) Generation of human insulin
HU210625B (en) Process for production of physiologically active peptide containing cysteine residue
JPH0690759A (ja) 新規ペプチド
Mayne et al. Direct expression of human growth in Escherichia coli with the lipoprotein promoter
US6054291A (en) Expression vectors for enhanced production of polypeptides, plasmids containing the vectors, hosts containing the plasmids, products manufactured thereby and related methods
AU633099C (en) Growth hormone fusion proteins
AU633099B2 (en) Growth hormone fusion proteins
JPH01160488A (ja) ポリペプチド類を生産するための新規ベクターおよび発現配列
KR100381494B1 (ko) 인간인슐린의제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees