JP2857330B2 - 光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法 - Google Patents

光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法

Info

Publication number
JP2857330B2
JP2857330B2 JP6211810A JP21181094A JP2857330B2 JP 2857330 B2 JP2857330 B2 JP 2857330B2 JP 6211810 A JP6211810 A JP 6211810A JP 21181094 A JP21181094 A JP 21181094A JP 2857330 B2 JP2857330 B2 JP 2857330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
reflection
optical waveguide
reflected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6211810A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0854533A (ja
Inventor
功 大山
史朗 中村
健男 清水
久治 柳川
秀行 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP6211810A priority Critical patent/JP2857330B2/ja
Priority to US08/509,759 priority patent/US5649037A/en
Priority to GB9516818A priority patent/GB2292229B/en
Priority to GB9801075A priority patent/GB2318883B/en
Publication of JPH0854533A publication Critical patent/JPH0854533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2857330B2 publication Critical patent/JP2857330B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、光ファイバ通信や光センサシス
テムに用いられる光導波路部品および光導波路部品を利
用した信号処理方法に関するものである。
【従来の技術】
【0002】光ファイバ通信の1つとして、例えば、電
話通信がある。各電話加入者の設備は光ファイバケーブ
ル(光ケーブル)により電話局側と接続されており、そ
の光ファイバケーブルを通して電話通信が行われてい
る。しかしながら、電話局側と電話加入者側を接続する
光ケーブルに断線等の何らかの支障が生じると、電話通
信を行うことができないため、電話局側ではこの光ケー
ブルの管理を行っており、光ケーブルの断線等の有無を
検出するために、図12に示すような、OTDR(Optica
l Time Domain Reflectmeter)による光ケーブルや光フ
ァイバの識別システムが提案されている。
【0003】同図において、電話局側の光送信端末11に
は光の合波と分波を行う光合分波器2が光ファイバ30に
より接続されており、光合分波器2には光の分波と反射
を行う第1、第2の光導波路部品4a,4bがそれぞれ
光ケーブル5a,5bにより接続されており、各光導波
路部品4a,4bにはそれぞれ電話加入者側の光受信端
末6a,6bが光ファイバ14により接続されている。ま
た、光合分波器2には光ファイバ31によりOTDR3が
接続されている。
【0004】図13には、光導波路部品4aが光ケーブル
5a(図12)から引き出された光ファイバ13、および光
受信端末6a(図12)に接続されている光ファイバ14と
接続状態で示されている。光導波路部品4aは石英導波
路基板に光基幹通路として機能する基幹コア7と、この
コア7から分岐して読み出し用導波路として機能する読
み出し用コア12が形成されており、基幹コア7と読み出
し用コア12との分岐点にはフィルタ挿入用スリット9が
形成されており、スリット9には薄膜フィルタ10が挿入
固定されている。
【0005】この薄膜フィルタ10は基幹コア7側の入射
光の一部を透過し、かつ、入射光の一部を読み出し用コ
ア12側に反射し、さらに、読み出し用コア12側からの戻
り光を反射して基幹コア7の入射側に逆行するものであ
り、例えば、同図に示されているように、基幹コア7の
入射側から波長λ1 ,λ2 の光を入射させたときに、波
長λ1 の光は透過させ、波長λ2 の光を読み出し用コア
12側に反射させ、さらに、読み出し用コア12側で反射し
て戻ってくる波長λ2 の光(戻り光)を反射して基幹コ
ア7の入射側に逆行させるものである。
【0006】また、読み出し用コア12には、コア12に沿
って光通過断面が長方形状の反射用スリット1a〜1d
が間隔Lを介して等間隔で4枚配設されており、スリッ
ト1a〜1dには読み出し用コア12よりも低屈折率の材
料である空気が充填されており、この反射用スリット1
は、図14に示すように、それぞれ入射側の第1の反射面
15と第1の反射面15の裏面側の第2の反射面16を有して
おり、各反射面15,16は入射側から反射用スリット1に
入射する光のパワーの一部を、同図の矢印A,Bに示さ
れるように、共に薄膜フィルタ10側に反射するようにな
っている。
【0007】一方、第2の光導波路部品4bの読み出し
用コア12には、3枚の反射用スリット1a〜1c(図示
せず)が間隔を介して配設されており、第2の光導波路
部品4bはその点が第1の光導波路部品4aと異なる
が、それ以外の構造は第1の光導波路部品4aと同じで
ある。
【0008】以上のような光導波路部品4a,4bを配
設した図12のシステムにおいて、同図に示すように、光
送信端末11から波長λ1 の信号光を出射し、OTDR3
から波長λ2 の読み出し光を出射すると、各光は光合分
波器2に入射し、光合分波器2で各波長λ1 ,λ2 の光
が合波されて、光ケーブル5a,5bを通して第1、第
2の光導波路部品4a,4bに入射する。そして、第1
の光導波路部品4aでは、図13に示すように、光ファイ
バ13を介して波長λ1 ,λ2 の光が基幹コア7に入射
し、波長λ1 の信号光は薄膜フィルタ10を透過して光フ
ァイバ14側に通され、波長λ2 の光は薄膜フィルタ10で
反射して読み出し用コア12に入射する。
【0009】そして、図14に示すように、読み出し用コ
ア12に設けられた反射用スリット1aの第1の反射面15
で読み出し光の一部が、図の矢印Aのように薄膜フィル
タ10側に反射して薄膜フィルタ10に入射し、図の矢印
A′のように薄膜フィルタ10で反射して基幹コア7の入
射側に逆行していく。また、第1の反射面15で反射しな
かった光は第1の反射面15を透過し、その光の一部は、
同様に第2の反射面16で図の矢印Bのように薄膜フィル
タ10側に反射し、反射した光は薄膜フィルタ10側から基
幹コア7の入射側に逆行していく。また、反射用スリッ
ト1aの第2の反射面16を透過した光は、反射用スリッ
ト1bの第1の反射面15に入射し、前記と同様にして、
各反射用スリット1b〜1dの第1、第2の反射面15,
16で順々に光の反射および透過が行われる。
【0010】そして、このように、各反射用スリット1
a〜1dの各反射面15,16で反射して、基幹コア7の入
射側に進んだ波長λ2 の読み出し光は、図12に示すよう
に、光ケーブル5aを介して光合分波器2に入射し、O
TDR3に戻り、OTDR3がその戻り光を検出して、
OTDR3内の信号処理機構による時系列信号処理が行
われる。
【0011】この時系列信号処理は、例えば、光が第1
の光導波路部品4aの各反射用スリット1a〜1dで反
射してそれぞれOTDR3に戻ってくる時間差を、OT
DR3から各反射用スリット1a〜1dまでの距離の差
に変換して、図15の(a)に示すように、距離と反射光
のパワーとの関係をモニタし、各反射用スリット1a〜
1dで反射した光のパワーを読み出し信号とし、この読
み出し信号に基づいて、例えば、図15の(b)に示すよ
うに、基準位置から2C(200 μm)離れた位置を信号
の読み始め位置とし、その位置から一定距離C(100 μ
m)ごとに光の反射の有無を検出し、光の反射が行われ
た箇所を1、光の反射が行われていない箇所を0として
デジタル変換し、読み出し光のビットパターンを判断す
ることにより行われる。
【0012】そうすると、図15の(a)に示したモニタ
信号のビットパターンは10101010であると判断
され、第1の光導波路部品4aのビットパターンは10
101010と認識される。また、第2の光導波路部品
4b側についても同様に、各反射用スリット1a〜1c
で反射してOTDR3側に戻ってくる光を、OTDR3
により検出して時系列処理を行うと、光導波路部品4b
の読み出し光のビットパターンは10101000と認
識される。したがって、OTDR3側でこのビットパタ
ーンの違いを区別することにより、第1の光導波路部品
4a側からOTDR3側に戻ってくる読み出し光と、第
2の光導波路部品4b側からOTDR3側に戻ってくる
読み出し光との違いを判断することが可能となる。
【0013】図12のシステムにおいて上記のような信号
処理を行えば、OTDR3側では、通常、光導波路部品
4aの反射光のビットパターンと光導波路部品4bの反
射光のビットパターンがそれぞれ両方とも検出される
が、仮に、光ケーブル5a側に断線等があった場合に
は、光導波路部品4a側で反射した光はOTDR3側に
戻らないために、OTDR3側で検出される反射光のビ
ットパターンは、光導波路部品4b側で反射した光のビ
ットパターン10101000のみとなる。また、光ケ
ーブル5b側に断線等があった場合には、OTDR3側
で検出される反射光のビットパターンはその逆に101
01010のみとなる。したがって、OTDR3側で検
出される反射光の信号処理を利用することにより、光ケ
ーブル5a,5bの断線等の有無や、いずれの光ケーブ
ルが断線したかを識別することができる。
【0014】すなわち、光導波路部品4の反射用スリッ
ト1の配設数や配列間隔等を変えることにより、各電話
加入者の光受信端末6ごとに異なる様々なビットパター
ンの光導波路部品4を形成し、電話加入者の光受信端末
6ごとにビットパターンの異なる光導波路部品4を光受
信端末6側に設け、上記のように、OTDR3による読
み出し光の検出およびその時系列信号処理を行うことに
より、電話局側と各電話加入者の設備とを接続する光ケ
ーブルに断線等の支障が生じたりしたときに、支障が生
じた光ケーブルの識別を行うことが可能となり、光ケー
ブルの管理を行うことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各反射
用スリット1a〜1dは光通過断面が長方形状で第1、
第2の反射面15,16間隔が狭いスリットであり、各反射
用スリット1a〜1dに入射した光は第1、第2の反射
面15,16で、同様に薄膜フィルタ10側に反射してOTD
R3側に戻ってくるために、第1、第2の反射面15,16
で反射した光同士が干渉し合い、OTDR3側に戻らな
かったりするといったことが生じた。そのため、実際に
は、OTDR3側で図15に示したような信号を検出する
ことができず、その信号に基づいて信号処理を行うと、
ビットパターンを誤認してしまうことがあった。また、
各反射用スリット1a〜1dの間隔Lと第1、第2の反
射面15,16間隔が同程度の場合には、反射用スリット1
a〜1dの枚数等を誤認してしまうといったこともあ
り、OTDR3側でビットパターンを正確に識別するこ
とが困難であった。
【0016】また、例えば、光導波路部品4aのビット
パターンが1010となるように光導波路部品4a内の
反射用スリット1を配設し、ビットパターンが0101
となるように光導波路部品4b内の反射用スリット1を
配設した場合に、OTDR3側には、図16の(a),
(b)に示されるように、距離と反射光のパワーとの関
係がモニタされるが、このモニタ信号をデジタル変換す
る際の基準点が特に設けられていないために、例えば、
図16の(a)において、図のDの位置を基準とし、Dの
位置から200 μm離れた位置を信号の読み始め位置とす
れば、このモニタ信号は1010とデジタル変換される
が、図のEの位置を基準とすれば、モニタ信号は010
1とデジタル変換されてしまう。また、図16の(b)に
おいて、基準位置をそれぞれF,Gとして、上記と同様
にしてデジタル変換すると、ビットパターンはそれぞ
れ、0101,1010と変換されることになる。
【0017】このように、基準点を何れの位置にするか
により、変換されるビットパターンに違いが生じてしま
うために、従来の信号処理方法によれば、OTDR3側
で1010のビットパターンと0101のビットパター
ンを区別することができず、光導波路部品4からの反射
光の時系列信号処理を正確に行うことができなかった。
【0018】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、例えば、OTDR
から光導波路部品に光を入射させたときに、光導波路部
品内で反射する光が、OTDRにより正確に時系列信号
処理されるような光導波路部品と光導波路部品を利用し
た信号処理方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のように構成されている。すなわち、本
発明の光導波路部品は、光基幹通路と、この光基幹通路
から分岐した読み出し用導波路とを形成し、光基幹通路
と読み出し用導波路との分岐点に、光基幹通路側の入射
光の一部を透過し、かつ、前記入射光の一部を読み出し
用導波路側に反射し、さらに読み出し用導波路からの戻
り光を反射して光基幹通路の入射側に送行させるフィル
タを設け、前記読み出し用導波路には1個以上の反射用
スリットを間隔を介して配設し、この反射用スリットは
入射側の第1の反射面と、該第1の反射面の裏面側の第
2の反射面を有し、第1、第2の反射面のうちの一方側
の反射面は前記フィルタ側から読み出し用導波路を通っ
て入射する光のパワーの一部を前記フィルタ側に反射す
る読み出し用反射面とし、他方側の反射面は前記入射す
る光のパワーの一部を読み出し用導波路から外れる方向
に反射する読み出し外反射面としたことを特徴として構
成されている。
【0020】また、前記読み出し用導波路には複数の反
射用スリットが配列され、各反射用スリットは光通過断
面が略台形形状又は三角形形状を呈しており、その略台
又は三角形の両斜面の一方側を第1の反射面とし、他
方側を第2の反射面として形成されており、隣り合う反
射用スリットは略台形又は三角形形状の頭部と底部
を互い違いに配設し、読み出し用反射面同士を対向させ
て配設したことも本発明の光導波路部品の特徴的な構成
とされている。
【0021】さらに、前記光導波路部品がハウジング内
に収容され、該ハウジングには接続相手のコネクタ側の
光ファイバと接続するための接続軸合わせ用のピン嵌合
孔が形成されていることも本発明の光導波路部品の特徴
的な構成とされている。
【0022】また、本発明の光導波路部品を利用した信
号処理方法は、前記光導波路部品を用い、光基幹通路の
入射側から光を入射し、フィルタで直接反射する光のパ
ワーと各反射用スリットで順々に反射する光のパワーを
検出して信号処理する方法であって、前記各反射用スリ
ットで反射した光のパワーを読み出し信号とし、前記フ
ィルタで直接反射した光を前記読み出し信号の読み出し
位置を定める基準光としたことを特徴として構成されて
いる。さらに、前記基準光はフィルタで直接反射した光
の代わりに複数配列した反射用スリットのうちの1つの
反射用スリットで反射した光としたことも本発明の光導
波路部品を利用した信号処理方法の特徴的な構成とされ
ている。
【0023】
【作用】上記構成の本発明において、読み出し用導波路
に配設した反射用スリットの第1、第2の反射面のうち
の一方側は読み出し用反射面とし、他方側は読み出し外
反射面とされており、フィルタ側から読み出し用導波路
を通って一方側の反射面(読み出し用反射面)に入射し
た光は、光のパワーの一部をフィルタ側に反射し、他方
側の反射面(読み出し外反射面)に入射した光は、光の
パワーの一部を読み出し用導波路から外れる方向に反射
する。そのため、反射用スリットの第1、第2の反射面
で反射した光が、両方とも読み出し用導波路を通してフ
ィルタ側で反射し、光基幹通路の入射側に逆行すること
はなく、読み出し用反射面での反射光のみを利用して、
光基幹通路の入射側に設けた信号処理機構により、正確
に反射光の信号処理を行うことができる。
【0024】また、その信号処理を行うときに基準光を
設定し、その基準光の位置を基準位置として時系列信号
処理を行えば、各反射用スリットの配設位置を的確に判
断することが可能となり、信号処理をより正確に行うこ
とが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一名
称部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
図1には、本発明に係る光導波路部品の第1の実施例が
光ファイバ13,14と接続状態で示されている。本実施例
が従来例と異なる特徴的なことは、反射用スリット1を
光通過断面が台形形状のスリットとし、第1の反射面15
は、薄膜フィルタ10側から読み出し用コア12を通って入
射する光のパワーの一部を薄膜フィルタ10側に反射する
読み出し用反射面とし、第2の反射面16は、入射する光
のパワーの一部を読み出し用コア12側から外れる方向に
反射する読み出し外反射面としたことである。読み出し
用コア12に対する第1の反射面15の角度は90度、第2の
反射面16の角度は82度となっている。
【0026】本実施例では、入射側のシングルモード光
ファイバ13および出射側のシングルモード光ファイバ14
と光導波路部品4の光導波路チップとの間に、単心のフ
ァイバブロック20が介設されており、このファイバブロ
ック20を用いて、各光ファイバ13,14のコア(図示せ
ず)と光導波路チップ26の基幹コア7が軸合わせされて
おり、光導波路チップ26、ファイバブロック20、光ファ
イバ13,14はそれぞれ端面同士がUV(紫外線)硬化接
着剤により固定されている。
【0027】光導波路部品4である光導波路チップは、
厚さ1mmのシリコン基板上に、火炎堆積法およびフォト
リソグラフィとドライエッチングによりクラッド18と各
コア7,12を形成した後、ダイシングソウにより幅7m
m、長さ7mmに切裂することにより作製されており、ま
ず、シリコン基板上に石英ガラスを厚さ20μmとなるよ
うに火炎堆積法により形成して下部クラッド層とし、次
に、その上に、TiO2またはGeO2 をドーパントと
する石英ガラスを厚さ8μmとなるように、火炎堆積法
により形成してコア層とし、そのコア層にフォトグラフ
ィおよびドライエッチングを施すことにより、コアパタ
ーン(基幹コア7と読み出し用コア12)を形成した後、
上側から再び石英ガラスを厚さ20μmとなるように形成
して上部クラッド層としている。
【0028】このような方法で光導波路チップを作製す
ることにより、8μm角のコア7,12の周り側をクラッ
ド18で覆った光導波路チップが形成され、読み出し用コ
ア12に沿って光通過断面が台形形状の反射用スリット1
をフォトリソグラフィおよびドライエッチングにより10
0 μm間隔で形成し、反射用スリット1に空気を充填し
て図1の光導波路部品4が形成されている。なお、第1
番目の反射用スリット1aは薄膜フィルタ10から200 μ
m離れた位置に形成されている。
【0029】基幹コア7と読み出し用コア12の分岐点に
は、ダイシングソウにより幅25μmのフィルタ挿入用ス
リット9が形成されており、フィルタ挿入用スリット9
には厚さ20μmの薄膜フィルタ10が挿入され、光学接着
剤により固定されている。この薄膜フィルタ10は波長が
1.60μm未満の光を透過させ、波長1.60μm以上の光を
反射させる短波長域通過型フィルタであり、光ファイバ
通信において、通常使用される波長1.3 μm、1.55μ
m、1.65μmの光を薄膜フィルタ10に入射させると、波
長1.3 μmおよび1.55μmの光は透過させ、波長1.65μ
mの光は反射するようになっている。
【0030】ところで、周知のように、光は、ある媒質
から別の屈折率の異なる媒質に入射したときに、その境
界面で入射光のパワーの一部が反射し、残りのパワーの
光は透過していく。境界面で反射する光は入射角θ1
同じ反射角θ1 で反射して進むため、入射角θ1 が0で
ある場合、すなわち、入射光と境界面との角度が90度の
場合は、反射光も境界面と垂直に進み、入射光と同一線
上を逆行して進む。したがって、本実施例の反射用スリ
ット1の第1の反射面15のように、読み出し用コア12に
対して垂直となるように形成されている反射面では、入
射光は必ず読み出し用コア12内に戻り、その反射面は読
み出し用反射面として機能することになる。
【0031】また、本実施例の反射用スリット1の第2
の反射面16のように読み出し用コア12に対して垂直でな
い場合には、図11に示されるように、第2の反射面16に
対して垂直な方向である図の点線Aの方向に対して、入
射角θ1 と同じ反射角θ1 だけずれた方向に反射するた
め、その方向が読み出し用コア12から外れた方向であれ
ば読み出し外反射面として機能させることができること
になる。そこで、予め実験等により上記のような条件を
満たす入射角θ1 を求めたところ、θ1 が8度以上であ
ればよいことがわかったため、本実施例ではθ1 を8度
として、読み出し用コア12と第2の反射面16との角度α
を82度に設定した。
【0032】また、同様にして、第2の反射面16のよう
に読み出し用コア12に対して垂直でない場合に、第2の
反射面16を透過した光は境界面を堺にして屈折して進む
ことも周知であり、屈折角θ2 は光の入射角θ1 と入射
側の媒質の屈折率n1 と、屈折後の媒質の屈折率n2
によって次式(1)により求めることができる。
【0033】 n1 sin θ1 =n2 sin θ2 ・・・・・(1)
【0034】そこで、この式から求められる屈折角θ2
にあわせて読み出し用コア12の形成角度も設定し、読み
出し用コア12を形成した。なお、この屈折角は、同図に
示されるように、入射側の媒質、すなわち、反射用スリ
ット1の屈折率n1 が屈折後の媒質、すなわち、読み出
し用コア12の屈折率n2 よりも低い場合には第2の反射
面16に入射する光の入射角θ1 よりも小さい角度とな
る。
【0035】本実施例の光導波路部品4は以上のように
構成されており、次に、その動作について説明する。例
えば、入射側の光ファイバ13からコアブロック20を介し
て光導波路チップ26の基幹コア7に波長1.55μmの信号
光と波長1.65μmの読み出し光を合わせて入射させる
と、それらの光は薄膜フィルタ10に入射し、波長1.55μ
mの信号光は薄膜フィルタ10を透過して基幹コア7、コ
アブロック20のコアを通って出射側の光ファイバ14に入
射し、光ファイバ14から出射される。また、波長1.65μ
mの読み出し光の一部は薄膜フィルタ10で反射して基幹
コア7の入射側に戻り、残りの光は薄膜フィルタ10で読
み出し用コア12側に反射し、読み出し用コア12を通って
反射用スリット1aに入射する。
【0036】そして、図2の(a)の矢印Aに示すよう
に、反射用スリット1aの第1の反射面15で光のパワー
の一部が薄膜フィルタ10側に反射し、読み出し用コア12
に入って同図の矢印A′のように進み、薄膜フィルタ10
で図の矢印A″のように反射して基幹コア7の入射側に
逆行して行く。
【0037】また、反射用スリット1aの第1の反射面
15に入射した光のうち、第1の反射面15で反射しなかっ
た光は第1の反射面15を透過して第2の反射面16に入射
し、その入射光の一部が第2の反射面16で、図の矢印B
のように、読み出し用コア12から外れた方向に反射す
る。そのため、第2の反射面16での反射光は第1の反射
面15で反射した光のように、読み出し用コア12側から基
幹コア7側に戻ることはない。
【0038】そして、第2の反射面16で反射しなかった
光は第2の反射面16を透過して、図の矢印Cのように読
み出し用コア12内を反射用スリット1b側に進み、上記
と同様にして、図2の(b)に示すように、各反射用ス
リット1b,1cに入射して、それぞれ、第1の反射面
15では図の矢印Aのように薄膜フィルタ10側に反射し、
第2の反射面16では図の矢印Bのように、読み出し用コ
ア12から外れた方向に反射する。そして、各反射用スリ
ット1b,1cの第1の反射面15で反射した光のみが上
記と同様に基幹コア7の入射側に逆行していく。
【0039】すなわち、本実施例の光導波路部品4を図
12で示した光ファイバ識別システム内に組み込み、OT
DR3側から1.65μmの読み出し光を出射し、光導波路
部品4で反射してOTDR3に戻ってくる戻り光を検出
すれば、OTDR3側では薄膜フィルタ10で直接反射し
た光と各反射用スリット1a〜1cの第1の反射面15で
順々に反射した後、薄膜フィルタ10で反射した光が読み
出し信号として検出されることになる。そこで、薄膜フ
ィルタ10で直接反射した光を読み出し信号の読み出し位
置を定める基準光と決め、図3に示すように、基準光の
位置を基準位置として基準位置から200 μm離れた位
置、すなわち、第1番目の反射用スリット1aの位置を
信号の読み始めとして50μm間隔で信号をデジタル変換
するといった方法で検出光の時系列信号処理を行えば、
ビットパターンは101010と判断される。
【0040】本実施例によれば、OTDR3から出射し
た読み出し光を入射側の光ファイバ13側から入射させた
ときに、上記動作により、各反射用スリット1a〜1c
の第2の反射面16で反射した光は読み出し用コア12から
外れた方向に反射し、第1の反射面15で反射した光のみ
が読み出し用コア12を通って基幹コア7の入射側に逆行
し、OTDR3側に戻るため、従来例のように、第1、
第2の反射面15,16の両方で同様に反射した光がいずれ
も読み出し用コア12を通り、その両方の光が干渉し合っ
て結果的にOTDR3側には戻ることができないといっ
たことはなく、確実に第1の反射面15での反射光がOT
DR3側に戻ることができる。そのため、OTDR3側
では明確な反射光を検出することができ、検出信号処理
を正確に行うことができる。
【0041】また、信号処理をする際に、薄膜フィルタ
10で直接反射した光を基準光と決め、その基準光の位置
を基準位置として時系列信号処理を行っており、このよ
うに、基準点を決めて信号処理を行うことにより、信号
の読み始めを明確にすることができる。そのため、例え
ば、図4に示すように、従来は信号の読み始めが不明確
なために区別がつき難かった1010と0101のビッ
トパターンを明確に区別することができ、信号処理を正
確に行うことができる。
【0042】図5には、本発明の光導波路部品の第2の
実施例が示されている。第2の実施例が第1の実施例と
違う特徴的なことは、隣り合う反射用スリット1aと1
b、1bと1cの頭部21と底部22を互い違いに配設した
ことである。反射用スリット1a〜1cは光通過断面が
略台形形状を呈しており、その両斜面が、それぞれ第
1、第2の反射面15,16となっており、反射用スリット
1a,1cの第1の反射面15と反射用スリット1bの第
2の反射面16が読み出し用反射面として機能し、反射用
スリット1a,1cの第2の反射面16と反射用スリット
1bの第1の反射面15が読み出し外反射面として機能す
るように構成されている。すなわち、第2の実施例にお
いては、各反射用スリット1a〜1cの読み出し用反射
面同士が対向し、読み出し外反射面同士が対向するよう
に配設されている。
【0043】また、本実施例では、隣り合う反射用スリ
ット1aと1b、1bと1cの第1の反射面15と第2の
反射面16は、ほぼ平行になるように配設されており、読
み出し用コア12は、第1の実施例の読み出し用コア12が
弧を描くような形に形成されていたのに比べて、ほぼ直
線的に形成されている。また、第1の実施例と同様に、
読み出し用反射面として機能する面と読み出し用コア12
との角度は90度、読み出し外反射面として機能する面と
読み出し用コア12との角度は82度となっている。
【0044】なお、本明細書の実施例に示した反射用ス
リット1はその光通路断面を略台形形状としたが、三角
形でもよいものである。
【0045】ところで、前記のように、屈折率n1 の媒
質から、n1 とは屈折率の異なる屈折率n2 の媒質に、
入射角θ1 で光が入射したときの屈折角θ2 は、前述し
た式(1)により表すことができるが、式(1)からわ
かるように、n1 >n2 のときには、θ1 <θ2 という
関係が成り立つ。したがって、本実施例の2番目の反射
用スリット1bの第1の反射面15に入射する光は、屈折
率の高い読み出し用コア12から屈折率の低い反射用スリ
ット1bに入射するため、n1 >n2 となり、光の屈折
角θ2 は光の入射角θ1 よりも大きくなる。そして、こ
のような関係が成り立つときには、θ2 が90度となると
きに光のパワーが全て境界面で反射してしまうことにな
る。なお、θ2 が90度となるときの光の入射角度θ
1cは、式(1)より、sin θ1c=n2 /n1 と表すこと
ができる。
【0046】もしも、2番目の反射用スリット1bの第
1の反射面15で光のパワーが全て反射されてしまうと、
2番目の反射用スリット1bの第2の反射面16や3番目
の反射用スリット1cまで読み出し光が届かなくなり、
反射用スリット1b,1cを配設した意味がなくなって
しまうため、読み出し用コア12に対する第1の反射面15
の角度を設定する際に、θ1 をθ1cよりも光のパワーの
全てが反射しないような角度を設定する必要がある。そ
のためには、入射角θ1 が角度θ1cよりも小さい値とす
る必要があり、第1の反射面15と読み出し用コア12との
角度は(90−θ1c)よりも大きい角度とする必要があ
る。
【0047】例えば、本実施例のように、読み出し用コ
ア12が石英導波路で反射用スリット1bが空気により充
填されている場合は、θ1cは43度であることがわかって
いるので、読み出し用コア12と反射用スリット1bの第
1の反射面15との角度を47度より大きい角度としなけれ
ばならず、本実施例では、その角度を82度として上記条
件を満たすようにした。もちろん、82度という角度は、
第1の実施例で述べたように、上記第1の反射面15に入
射した光が読み出し用コア12から外れる方向に反射する
角度である。
【0048】第2の実施例も入射側の光ファイバ14から
信号光と読み出し光を入射させると、第1の実施例と同
様に、信号光は薄膜フィルタ10を透過し、薄膜フィルタ
10で読み出し光の一部は読み出し用コア12側に反射し
て、反射用スリット1aに入射し、入射した光の一部
が、図6の(a)の矢印Aに示すように薄膜フィルタ10
側に反射し、読み出し用コア12を通って基幹コア7およ
び光ファイバ14の入射側に逆行していき、反射用スリッ
ト1aの第1の反射面15を透過した光は、同図の矢印B
に示すように読み出し用コア12から外れた方向に反射す
る。
【0049】また、1番目の反射用スリット1aの第2
の反射面16を透過した光は、2番目の反射用スリット1
bの第1の反射面15に入射するが、本実施例では、反射
用スリット1bの第1の反射面15は読み出し外反射面と
して機能するため、図6の(b)の矢印Cのように、光
は読み出し用コア12から外れる方向に反射する。そし
て、この第1の反射面15を透過した光は第1の反射面15
で屈折し、図の点線Dで示すように進んで反射用スリッ
ト1bに入射し、第2の反射面16で図の矢印Eに示すよ
うに反射し、第1の反射面15で屈折して読み出し用コア
12内に入り、読み出し用コア12を通して基幹コア7の入
射側に逆行していく。そして、2番目の反射用スリット
1bの第2の反射面16を透過した光は、同様にして3番
目の反射用スリット1cの第1、第2の反射面15,16に
入射し、図6の(c)の矢印F,Gに示すように、それ
ぞれ反射する。
【0050】したがって、第2の実施例においても、各
反射用スリット1a〜1cの第1、第2の反射面15,16
に入射した読み出し光のうち、読み出し用反射面として
機能する一方側の反射面で反射した光のみが読み出し用
コア12を通って光ファイバ14の入射側に戻るため、図12
で示したシステムに組み込むことにより、第1の実施例
と同様の効果を奏することができる。
【0051】さらに、第2の実施例においては、光通過
断面が略台形形状の隣り合う反射用スリット1aと1
b、1bと1cの頂面21と底面22が互い違いに配設され
ており、読み出し用コア12がほぼ直線的に形成されるた
めに、図1で示した第1の実施例のように、読み出し用
コア12が弧を描くような形に形成される場合よりも光導
波路部品4の縦方向(図のX−X′方向)の長さが短く
ても反射用コア12の長さを長くすることが可能となり、
同じ枚数の反射用スリット1を配設する場合には、光導
波路部品4の光導波路チップを縦方向の長さを短くして
小型化することが可能となる。
【0052】また、縦方向の長さが同じ導波路基板を用
いて導波路チップ26を形成する場合には、多くの反射用
スリット1を配設することが可能となるために、反射用
スリット1によるビットパターンの種類も増やすことが
できる。反射用スリット1によるビットパターンの種類
が多ければ光ケーブルの識別可能数を増やすことができ
るため、より多くの光ケーブル等の識別に利用すること
ができる。
【0053】図7には、本発明の光導波路部品4の第3
の実施例が接続相手側のコネクタ29と接続用クリップ35
と共に示されている。同図において、光導波路部品4の
ハウジング23内には光導波路チップ26が収容されてお
り、ハウジング23には2つの接続軸合わせ用のピン嵌合
孔24が形成されている。
【0054】光導波路チップ26は、図8に示されるよう
に、上記第1、第2の実施例の光導波路部品4、すなわ
ち、基幹コア7、読み出し用コア12、反射用スリット
1、薄膜フィルタ10等を有する基板38を、図示されてい
ない2枚を含み4枚並べて固定したものであり、各基板
38の読み出し用コア12には、それぞれ反射用スリット1
が2枚、3枚、4枚、5枚配設されている。また、各基
幹コア7の端面17は、図7に示すように、ハウジング23
の端面37に露出している。
【0055】一方、コネクタ29側には4本の光ファイバ
(図示せず)が配設されており、光ファイバの端面28が
コネクタ29の端面36に露出しており、光ファイバのピッ
チ間隔と光導波路部品4の基幹コア7のピッチ間隔は等
しく形成されている。また、コネクタ29の端面36には2
本の接続用のピン25が突設しており、接続用のピン25を
ハウジング23のピン嵌合穴24に嵌合することにより、コ
ネクタ29の光ファイバと光導波路部品4の基幹コア7が
光軸が合わされて着脱自在に光接続されるようになって
おり、接続用ピン25嵌合後に接続用クリップ35により固
定できるようになっている。
【0056】本実施例の光導波路部品4は、上記のよう
にして、コネクタ29と着脱自在に嵌合されて光ファイバ
と基幹コア7が着脱自在に光接続され、コネクタ29の各
光ファイバから上記第1、第2の実施例と同様に信号光
と読み出し光を併せて入射させると、第2の実施例と同
様に動作し、同様の効果を奏することができる。また、
本実施例によれば、上記のようにコネクタ29と着脱自在
に光接続できるように構成したために、コネクタ29側の
4本の光ファイバと光導波路部品4の4本の基幹コア7
を同時に、しかも容易に接続することができる。
【0057】なお、本発明の光導波路部品4および光導
波路部品を利用した信号処理方法は、上記実施例に限定
されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例え
ば、上記第1、第2の実施例では、光導波路部品4の基
幹コア7と読み出し用コア12は1本ずつ形成されていた
が、複数の基幹コア7を形成し、各基幹コア7から読み
出し用コア12が分岐した構成としても構わない。
【0058】また、上記第3の実施例では、光導波路チ
ップ26は4枚の基板38を並べて固定することにより作製
されていたが、光導波路チップ26は4枚の基板38を並べ
て固定するとは限らず、基板38の枚数は接続相手側のコ
ネクタ28に配設されている光ファイバの数に合わせて適
宜設定すればよく、1枚でも2枚以上でも構わない。ま
た、複数の基板38を並べることをせず、1枚の基板38に
複数の基幹コア7や読み出し用コア12等を形成した光導
波路チップ26をハウジング23内に収容しても構わない。
【0059】さらに、上記実施例では、反射用スリット
1の第1、第2の反射面15,16と読み出し用コア12との
角度を90度、または82度に設定したが、これらの角度は
特に限定されるものではなく、第1、第2の反射面15,
16のうち一方側の反射面は略90度として、その反射面で
は光のパワーの一部が薄膜フィルタ10側に反射し、他方
側の反射面は、例えば、読み出し用コア12が石英導波路
で反射用スリット1に空気が充填されている場合には、
47度より大きく、かつ、82度以下の角度とする等して、
その反射面では光のパワーの一部が読み出し用コア12か
ら外れる方向に反射するように構成されていればよい。
【0060】また、反射用スリット1の配設数は特に限
定されるものではなく、1枚でもそれ以上の枚数でも構
わないし、反射用スリット1の形状も必ずしも台形また
は略台形形状とは限らず、第1、第2の反射面15,16の
うちいずれか一方側が読み出し用反射面として機能し、
他方側が読み出し外反射面として機能すればい。
【0061】さらに、反射用スリット1は上記実施例の
ように、必ずしも100 μmで等間隔に配設されていると
は限らず、反射用スリット1同士の間隔は100 μm以外
でもよく、まちまちでも構わない。例えば、図9に示す
ように、3枚の反射用スリット1a〜1cを配設すると
きに、反射用スリット1aと1bとの間隔を150 μm、
反射用スリット1bと1cとの間隔を100 μmとして50
μm間隔ごとに時系列信号処理を行い、信号の読み始め
位置を反射用スリット1aの位置にすれば、この信号の
ビットパターンは100101となる。このように、反
射用スリット1同士の間隔や時系列信号処理間隔を様々
な間隔にすることにより、光導波路部品のビットパター
ンを様々なビットパターンとしてとらえることができ、
この信号処理方法を利用して、光ファイバや光ファイバ
ケーブルの識別を自在に行うことができるようになる。
【0062】さらに、上記実施例では、反射用スリット
1には空気が充填されていたが、必ずしも空気を充填す
るとは限らず、読み出し用コア12と違う屈折率を持つ物
質が充填されていれば構わない。
【0063】また、光導波路部品4の作製方法は特に限
定されるものではなく、必ずしも火炎堆積法やフォトリ
ソグラフィおよびドライエッチングにより作製するとは
限らないし、導波路チップの大きさやコア7,12の寸
法、材質等も特に限定されるものではなく、接続相手側
の光ファイバ等の光部品に合わせて適宜設計されるもの
である。
【0064】さらに、上記実施例では、薄膜フィルタ10
は波長が1.60μm未満の光は透過し、波長が1.60μm以
上の光は透過するフィルタとしたが、薄膜フィルタ10が
透過および反射する光の波長の範囲は特に限定されるこ
とはなく、例えば、波長が1.40μm未満の光は透過し、
1.40μm以上の光は反射するようなフィルタとし、基幹
コア7の入射側から波長が1.55μmの信号光と波長が1.
3 μmの光を合わせて入射し、波長1.3 μmの信号光を
透過させて波長1.55μmの読み出し光を反射するように
しても構わない。
【0065】さらに、本発明の光導波路部品を利用した
信号処理方法は、上記実施例のように、薄膜フィルタ10
で直接反射した光を基準光として時系列信号処理を行う
とは限らず、例えば、図1の反射用スリット1a〜1c
のうち1番目の反射用スリット1a内に空気以外の別の
屈折率の物質を充填することにより、反射用スリット1
aの第1の反射面15で反射する光のパワーを他の反射用
スリット1b,1cの各第1の反射面15で反射する光の
パワーとは異なるようにして、図10の(a)に示すよう
に、反射用スリット1aの第1の反射面15で反射する光
を基準光とし、その光の位置を基準位置として時系列信
号処理を行ってもよい。
【0066】このようにした場合も、基準位置が明確な
ため、図10の(b)に示したように、ビットパターンを
0101と形成したものとは区別することができるた
め、従来例のように、例えば、1010と0101のビ
ットパターンの区別がつきにくく、正確に信号処理が行
えないといったことはなく、正確に信号処理を行うこと
ができる。
【0067】また、このように、複数配列した反射用ス
リット1のうちの1つの反射用スリットで反射した光を
基準光とする場合に、必ずしも1番目の反射用スリット
の反射光を基準光とするとは限らず、2番目以降の反射
用スリットの反射光を基準光としても構わない。
【0068】さらに、本発明の光導波路部品は、OTD
R3による光ケーブル等の識別にのみ利用されるとは限
らず、光導波路部品の反射光を利用した様々な光通信シ
ステムに利用することが可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、反射用スリットの一方
側の反射面を読み出し用反射面とし、反射光をフィルタ
側に反射して光基幹通路の入射側に逆行させ、他方側の
反射面を読み出し外反射面として、反射光を読み出し用
導波路から外れる方向に反射するように構成したため、
読み出し用反射面で反射した光のみを利用して、光基幹
通路の入射側に設けた信号処理機構により、正確に反射
光の信号処理を行うことが可能となる。すなわち、従来
例のように、反射用スリットの両方の反射面で同様にフ
ィルタ側に反射して、それらの光が干渉し合って打ち消
し合い、光基幹通路の入射側に戻らなくなるといったト
ラブルは完全に防ぐことができる。また、従来例のよう
に、反射用スリットの両反射面間隔と隣り合う反射用ス
リット同士の間隔が近い場合にも、信号処理機構側で反
射用スリットの数等を誤認するといったことも全くな
く、常に正確な判断のもとに信号処理を行うことができ
る。
【0070】また、光導波路部品をハウジング内に収容
して、ハウジングに設けた接続軸合わせ用のピン嵌合孔
により、コネクタの接続用ピンと着脱自在に嵌合できる
ようにした光導波路部品によれば、コネクタとの接続が
容易に、しかも着脱自在に光接続することが可能とな
り、光ファイバ識別システムに組み込みやすくなるし、
複数の光基幹通路を有する光導波路部品を着脱自在に嵌
合できるようにすれば、複数の光ファイバとの光接続も
同時に容易に行え、光導波路部品をより有効に利用する
ことができる。
【0071】また、本発明の光導波路部品を利用した信
号処理方法によれば、フィルタで直接反射する光や、複
数配列した反射用スリットのうちの1つの反射用スリッ
トで反射した光を基準光として、その基準光の位置を基
準位置として時系列信号処理を行うため、各反射用スリ
ットの配設位置を的確に判断することが可能となり、光
導波路部品を利用した信号処理をより正確に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光導波路部品の第1の実施例を光
ファイバ13,14と接続状態で示す断面構成図である。
【図2】上記第1の実施例の動作を示す説明図である。
【図3】上記第1の実施例の光導波路部品4を利用した
信号処理例を示す説明図である。
【図4】異なるビットパターンを形成した光導波路部品
の反射光を薄膜フィルタで直接反射した光を基準光とし
てモニタした例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る光導波路部品4の第2の実施例を
光ファイバ13,14と接続状態で示す断面構成図である。
【図6】上記第2の実施例の動作を示す説明図である。
【図7】本発明に係る光導波路部品の第3の実施例をコ
ネクタ29と接続用のクリップ35と共に示す構成図であ
る。
【図8】上記第3の実施例の光導波路チップ26を示す説
明図である。
【図9】本発明に係る光導波路部品の他の実施例の反射
光の信号処理例を示す説明図である。
【図10】本発明の光導波路部品を利用し、1番目の反射
用スリットで反射した光を基準光として時系列信号処理
した信号処理例を示す説明図である。
【図11】屈折率の低い反射用スリットから屈折率の高い
読み出し用コアへ入射する光の反射および屈折を示す説
明図である。
【図12】光導波路部品を利用した、OTDRによる光ケ
ーブルおよび光ファイバの識別システム例を示す説明図
である。
【図13】従来の光導波路部品を光ファイバ13,14と接続
状態で示す説明図である。
【図14】従来の光導波路部品の動作を示す説明図であ
る。
【図15】光導波路部品を利用した時系列信号処理方法の
一例を示す説明図である。
【図16】従来の異なるビットパターンを形成した光導波
路部品の信号処理例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反射用スリット 3 OTDR 7 基幹コア 10 薄膜フィルタ 12 読み出し用コア 15 第1の反射面 16 第2の反射面 21 頂面 22 底面 23 ハウジング
フロントページの続き (72)発明者 清水 健男 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 柳川 久治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 岩田 秀行 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−159106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/293 G02B 6/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光基幹通路と、この光基幹通路から分岐
    した読み出し用導波路とを形成し、光基幹通路と読み出
    し用導波路との分岐点に、光基幹通路側の入射光の一部
    を透過し、かつ、前記入射光の一部を読み出し用導波路
    側に反射し、さらに読み出し用導波路からの戻り光を反
    射して光基幹通路の入射側に送行させるフィルタを設
    け、前記読み出し用導波路には1個以上の反射用スリッ
    トを間隔を介して配設し、この反射用スリットは入射側
    の第1の反射面と、該第1の反射面の裏面側の第2の反
    射面を有し、第1、第2の反射面のうちの一方側の反射
    面は前記フィルタ側から読み出し用導波路を通って入射
    する光のパワーの一部を前記フィルタ側に反射する読み
    出し用反射面とし、他方側の反射面は前記入射する光の
    パワーの一部を読み出し用導波路から外れる方向に反射
    する読み出し外反射面としたことを特徴とする光導波路
    部品。
  2. 【請求項2】 読み出し用導波路には複数の反射用スリ
    ットが配列され、各反射用スリットは光通過断面が略台
    形形状又は三角形形状を呈しており、その略台形又は三
    角形の両斜面の一方側を第1の反射面とし、他方側を第
    2の反射面として形成されており、隣り合う反射用スリ
    ットは略台形又は三角形形状の頭部と底部を互い違
    いに配設し、読み出し用反射面同士を対向させて配設し
    たことを特徴とする請求項1記載の光導波路部品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の光導波路部
    品がハウジング内に収容され、該ハウジングには接続相
    手のコネクタ側の光ファイバと接続するための接続軸合
    わせ用のピン嵌合孔が形成されていることを特徴とする
    光導波路部品。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに
    記載の光導波路部品を用い、光基幹通路の入射側から光
    を入射し、フィルタで直接反射する光のパワーと各反射
    用スリットで順々に反射する光のパワーを検出して信号
    処理する方法であって、前記各反射用スリットで反射し
    た光のパワーを読み出し信号とし、前記フィルタで直接
    反射した光を前記読み出し信号の読み出し位置を定める
    基準光としたことを特徴とする光導波路部品を利用した
    信号処理方法。
  5. 【請求項5】 基準光はフィルタで直接反射した光の代
    わりに複数配列した反射用スリットのうちの1つの反射
    用スリットで反射した光としたことを特徴とする請求項
    4記載の光導波路部品を利用した信号処理方法。
JP6211810A 1994-08-12 1994-08-12 光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法 Expired - Fee Related JP2857330B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6211810A JP2857330B2 (ja) 1994-08-12 1994-08-12 光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法
US08/509,759 US5649037A (en) 1994-08-12 1995-08-03 Optical waveguide component and a light signal processing method using the same
GB9516818A GB2292229B (en) 1994-08-12 1995-08-14 An optical waveguide component and a light signal processing method using the same
GB9801075A GB2318883B (en) 1994-08-12 1995-08-14 An optical waveguide component and a light signal processing method using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6211810A JP2857330B2 (ja) 1994-08-12 1994-08-12 光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0854533A JPH0854533A (ja) 1996-02-27
JP2857330B2 true JP2857330B2 (ja) 1999-02-17

Family

ID=16611975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6211810A Expired - Fee Related JP2857330B2 (ja) 1994-08-12 1994-08-12 光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2857330B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005049821A (ja) 2003-07-11 2005-02-24 Omron Corp 光合分波器、光集積回路及びそれらを用いた光送受信器
JP6599047B2 (ja) * 2017-05-01 2019-10-30 三菱電機株式会社 端末検出装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62159106A (ja) * 1986-01-08 1987-07-15 Hitachi Ltd 光導波路型フイルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0854533A (ja) 1996-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5329392A (en) Optical communication system with multiple fiber monitoring
JP3092499B2 (ja) 導波路型光合波分波モジュール
US20010046352A1 (en) Fiber-type optical coupler, manufacturing method thereof and optical parts and apparatuses using the same
US7142740B2 (en) Planar lightwave circuit type optical transceiver module
US5583958A (en) Composite optical device
JP3344446B2 (ja) 光送受信モジュール
US5978531A (en) Optical isolator and optical amplifier waveguide device
US8615146B2 (en) Planar optical waveguide
JPH10123373A (ja) 導波路型光モジュール
JP2857330B2 (ja) 光導波路部品および光導波路部品を利用した信号処理方法
JP2000275470A (ja) 入出力ファイバ付き平面型光波回路デバイス
JPH0255304A (ja) 光集積回路
JP2004271803A (ja) 光導波路装置及びそれを用いた光システム
JP3985576B2 (ja) 光コネクタ、光配線システム及び光コネクタの製造方法
US5649037A (en) Optical waveguide component and a light signal processing method using the same
JP3112155B2 (ja) 光導波路と光ファイバとの接続方法
JP2865789B2 (ja) 光伝送モジュール
JP2579092B2 (ja) 双方向光伝送用wdmモジュ−ル
JP2000121867A (ja) 半導体受光装置、双方向光半導体装置及び光合分波装置
KR100403740B1 (ko) 광섬유 정렬장치의 구조
KR101677118B1 (ko) 벤딩 손실을 이용한 광 파워 모니터 장치
KR100485888B1 (ko) 단일 입출력 단자를 구비한 평면 광도파로 소자 모듈
Juichi et al. OPTICAL FIBER DEVICES IN LIGHTWAVE SYSTEMS
JP2818731B2 (ja) 光導波路部品
JP3268700B2 (ja) 光合分岐モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071127

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081127

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081127

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101127

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111127

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees