JP2856815B2 - X線厚み計 - Google Patents

X線厚み計

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、X線量の変動に対しても安定して板厚を測
定できるX線厚み計に関する。
(従来の技術) 鋼板等の圧延工程では厚み測定が必須であり、圧延速
度が向上できる放射線を使用した非接触式の厚み計が使
用されている。従来のシングルビーム形X線厚み計で
は、校正時に校正信号を受けると、内蔵する基準板を順
次X線ビーム中に挿入をする。基準板が挿入される毎に
透過したX線量で得られた検出信号から装置内部に電圧
と板厚の関数である検量線を作成記憶する。校正終了
後、基準板はX線ビーム中からすべて引き抜かれる。測
定されるべき被測定板がX線ビーム中に入ってくると、
得られる検出電圧から検量線を用いて被測定板の厚みを
演算する。
(発明が解決しようとする課題) 上述したX線厚み計においては、発生するX線量の変
化が直接厚み測定値の変動となって検出されるためX線
源の安定化をして測定精度を高める必要がある。
本発明は、X線量の変化に対しても検量線を補正し
て、安定に板厚を測定できるX線厚み計を提供すること
にある。
〔発明の構成〕
(発明が解決しようとする手段) 上記目的を達成するために本発明は、基準板厚値を有
する被測定体に照射されるX線源からのX線透過量を検
出する第1の検出手段と、第1の検出手段からの検出信
号に基づいて厚み基準曲線を作成する作成手段と、X線
源から照射されるX線量の絶対的変化を検出する第2の
検出手段と、被測定体を透過したX線量に基づき基準曲
線から求まる厚み値に対して第2の検出手段からの信号
を補正値とする補正手段で構成する。
(作用) このように構成されたものにおいて、第1の検出手段
が出力する基準板厚値を有する被測定体のX線透過量を
示す信号により厚み基準曲線を作成し、この基準曲線か
ら求まる厚み値に対して、X線源からのX線量の絶対的
変化を検出する第2の検出手段の信号を補正値とする補
正手段で補正することにより、X線量の絶対的変化に対
して安定で高精度な測定が可能となる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は、本発明によるX線厚み計のブロック図であ
る。
1はX線発生器、2と3はX線検出器、4は補正演算
に必要な管電圧データを取るのに最適な状態をつくるフ
ィルタである。
5はスタンダードチェンジャーで、基準となるX線量
と板厚の関数、すなわち検量線を作成するための複数の
基準板が内蔵されている。
6と7は増幅器で、X線検出器2,3の出力信号を増幅
して検出電圧とする。8と9はA/D変換器で、増幅器6,7
の出力信号をデジタル信号に変換する。
10は演算回路で図示しない外部機器によって目標板厚
値が設定されると、目標板厚値を的確に測定できるX線
量が発生されるようにX線制御部11の管電圧制御回路12
と管電流制御回路13を設定する。このとき、管電圧制御
回路12と管電流制御回路13は測定厚や校正厚で決定する
ようにプログラムされている。なお、ここではX線量の
変化に及ぼす影響は管電流に比べ管電圧の方が大きいの
で、管電流制御回路13の設定は行わない。
またスタンダードチェンジャー5を順次駆動させてX
線検出器2の出力から目標板厚値近傍の第1の検量線を
作成する。
次にX線量の絶対的変化に対して補正できるように管
電圧を変化させて板厚値を得るX線検出器2及び管電圧
の変化に伴うX線量の変化を得るX線検出器3の検出量
から第4図のような管電圧の変化に対するX線検出器2
の検出電圧の補正曲線を求める。この補正曲線から管電
圧の変化に対する検出電圧の変化量の係数αを得ると、
管電圧を正常に復帰させて校正動作を終了し測定待状態
になる。被測定板がX線ビームに入り測定を開始する
と、スタンダードチェンジャー5の基準板をX線ビーム
から引き抜く。そしてX線検出器2からの被測定板の厚
み信号を得て検量線と比較演算して板厚値に変換する。
管電圧の変化量が検出電圧の板厚演算で例えば±0.1%
以上になり、補正する場合は次のように補正する。すな
わち、例えば第4図から補正曲線の係数αを で定数とし、X線検出器3の検出電圧βに係数αの逆数
を乗じるとX線の変化量に対するX線検出器2の検出電
圧の変化量γが求まる。このγを第5図のように検量線
のそれぞれの板厚値に対する検出電圧に加えて補正す
る。このように補正した検量線をもとにX線検出器2か
らの厚み信号を比較して板厚値に変換し信号を出力す
る。この操作をサンプリング周期毎に行い、管電圧の変
化による測定結果の変化を打ち消す。
14は記憶回路で、演算処理回路10が作成した検量線及
び補正曲線を記憶する。15はD/A変換器で、演算処理回
路10の板厚値に基づく出力であるデジタル信号をアナロ
グ信号すなわち電圧に変換し、指示計16でその電圧値を
指示する。
次に第2図乃至第3図を参照して演算処理回路10の動
作について説明する。
図示しない外部機器によって目標板厚値が設定され校
正動作が指令されると、演算処理回路10は校正開始する
(ステップ201)。目標板厚値を測定するのに必要な管
電圧をセットする(ステップ202)。次に、スタンダー
ドチェンジャー5を駆動して検量線作成に必要な基準板
をX線ビーム中に挿入する(ステップ203)。この基準
板またはその組合せによる厚み信号は透過X線量として
X線検出器2で検出され、増幅器6で増幅される。増幅
された信号はA/D変換器8を通じてデジタル信号に変換
され検出電圧データとして収集される(ステップ20
4)。収集した検出電圧が検量線を作成するのに十分で
あるかどうかを判別する(ステップ205)。検出電圧の
収集が不十分な場合は、ステップ202にもどり再度管電
圧をセットして十分に検出電圧データを収集できるまで
同様な操作を繰り返す。ステップ205において、データ
収集が十分な場合には、X線検出器2から得られた検出
電圧データで第1の検量線を作成する(ステップ20
6)。
また、検量線作成時に検量線作成には関与しないが、
検量線を補正するために検量線作成時の管電圧に関する
情報をX線検出器3で検出する。第3図において、被測
定板がX線ビームに入り測定が始まるとX線検出器2及
びX線検出器3の検出電圧を収集し(ステップ301)、
管電圧の変化情報から検出電圧の変化を演算して補正曲
線を作成する(ステップ302)。このとき、ステップ202
で第4図のように管電圧を0.1%増加させ、さらに減少
させて厚み情報であるX線検出器2の検出電圧V21,V22,
V23、X線の変化量であるX線検出器3の検出電圧V31,V
32,V33を収集すれば補正曲線が曲線になっても直線とみ
なし係数αを求めることができる。この補正曲線をもと
に検量線を補正する(ステップ303)。
次に検出電圧と補正された検量線を比較演算して板厚
値に変換する(ステップ304)。管電圧の変化量が検出
電圧の板厚演算で±0.1%以上の差になるか否かを判別
する(ステップ305)。差がない場合はその板厚値を出
力する(ステップ308)。差がある場合は、第4図から
補正量を求め、第5図のように検量線を補正する(ス
テップ306)。このようにして補正された検量線から
X線検出器2の検出電圧を、板厚値に変換する(ステッ
プ307)。この板厚値を出力して(ステップ308)測定を
終了する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、管電圧あるいは管電流の変化をX線
量の情報として検出し、測定時は必要に応じて求めた検
量線を補正できるので、X線量の変化に対しても安定で
高精度なX線厚み計を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示すブロック図、第2図及び
第3図は本発明のX線厚み計の動作を示す流れ図、第4
図は補正曲線を示す図、第5図は測定時の検量線の補正
方法を示す図である。 1……X線発生器、2……X線検出器 3……X線検出器 5……スタンダードチェンジャー 10……演算処理回路、14……記憶回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準板厚値を有する被測定体に照射される
    X線源からのX線透過量を検出する第1の検出手段と、 この第1の検出手段からの検出信号に基づいて厚み基準
    曲線を作成する作成手段と、 前記X線源から照射されるX線量の絶対的変化を検出す
    る第2の検出手段と、 前記被測定体を透過したX線量に基づき前記基準曲線か
    ら求まる厚み値に対してこの第2の検出手段からの信号
    を補正値とする補正手段と を有するX線厚み計。
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