JP2855835B2 - ペトリネットに基づくシミュレーション装置 - Google Patents

ペトリネットに基づくシミュレーション装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、システムの性能評価のために離散事象シス
テムをペトリネットによりモデル化し、このペトリネッ
トに基づいてシミュレーションを行う装置に関し、特
に、そのモデルを検証及び修正するのに適したシミュレ
ーション装置に関する。
〔従来の技術〕
生産システムにおける製品の流れ、機械などのリソー
スの状況の変化、制御信号の流れは、時間経過を伴う離
散事象ととらえることができる。
これらシステムの性能評価を行う場合、従来はFORTRA
N等のコンパイラ言語もしくはそれを元に開発されたGPS
S(general purpose simulation system)等のシミュレ
ーション言語を用い、プログラミングを行い、コンパイ
ル後に実行していた。このため、利用者がプログラミン
グに精通している必要があり、利用可能な人間に制限が
あった。また、利用者が新たにプログラムの学習から始
めるとすると、実際にプログラミングができるようにな
るまでに長期間を要するという問題がある。また、この
コンパイラ言語やシミュレーション言語を使用した方法
ではシステムの些細な変更に対しても大幅なプログラミ
ングを必要とし、離散事象システムのモデル化に多大な
時間を要していた。
これに対して、最近グラフの理論の一種であるペトリ
ネットを用いてシステムを性能評価する方法が提案され
ている(たとえば、「計測と制御」,Vol.28,No.9,p745
〜787,1989年9月参照)。
この方法は、システム内の要素を条件と事象に分け、
条件をプレース、事象をトランジションというノードで
表し、条件と事象の関係をアークで結ぶグラフでモデル
を表現するものである。そして、条件の成立をプレース
にトークンを配置することにより表し、このトークンの
移動状態に応じてトランジションを発火させることによ
りシステムのダイナミクスを検証できる。
この方式に、時間概念及びトークン属性の付加を行っ
た拡張ペトリネットを利用し、計算機上で対話的にシミ
ュレーションモデルを記述することによりシステムの性
能解析を行う例も出てきている(上記文献「計測と制
御」参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述の方式では以下の問題点が存在してい
る。
(1) 大規模なモデルを記述すると、事象と条件の関
係が把握しづらいためモデルの修正が煩わしい。
(2) モデル検証時、モデル内部の時計に注目してブ
レークポイントを設定しシミュレーション可能である
が、特定のペトリネット要素に注目してシミュレーショ
ンを行ったり、シミュレーション中の各グラフ要素の内
容を調べることができない。このため、モデル規模が大
きくなるにつれて検証時間が増大する。
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決するため
に、ワークステーションや高機能パーソナルコンピュー
タ上で動作する対話型システムを利用し、利用者が対話
的に離散事象システムのシミュレーションモデルを記
述,修正でき、視覚的にそのモデルを検証することがで
きるシミュレーション装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のペトリネットに基づくシミュレーション装置
は、前記目的を達成するため、評価すべきシステムをモ
デル化した少なくとも時間の概念を導入した拡張ペトリ
ネットグラフを作成する手段と、作成された拡張ペトリ
ネットグラフを表示する手段と、前記ペトリネットグラ
フの中の所望のペトリネット要素にプレークポイントを
設定する手段と、前記拡張ペトリネットグラフに基づい
てシミュレーションを実行しシミュレーション個所が前
記ブレークポイントが設定されたペトリネット要素に至
ったときシミュレーションの実行を一時停止する手段
と、前記ブレークポイントが設定されたペトリネット要
素における事象の変化を連続的に表示する手段とを備え
たことを特徴とする。
〔作用〕
本発明の作用を具体的に例を挙げて説明する。
第1図は、本発明を実施するための概略の構成を示す
ブロック図である。シミュレーションモデルの作成は、
入力編集手段101を利用してグラフの作成に必要な各種
情報を拡張ペトリネットグラフ生成手段103に入力して
少なくとも時間の概念を導入した拡張ペトリネットグラ
フを生成し、それを表示手段102で表示することにより
行う。この際、自動的にシミュレーション管理手段106
が働き、モデルのグラフ構造を計算機内部に蓄える。シ
ミュレーション実行前に、シミュレーションパラメータ
設定手段104を用い、シミュレーションを所望の個所で
一旦停止させるためのブレークポイントを規定する各パ
ラメータを設定し、その情報をシミュレーション管理手
段106で管理する。
シミュレーション実行に際しては、シミュレーション
実行手段105を用い、記述したモデルの離散事象シミュ
レーションを前記設定された各パラメーラに基づいて行
い、表示手段102により結果の表示を行う。このとき、
シミュレーションの実行個所がブレークポイントに達す
るとシミュレーションの実行は一時停止される。そし
て、このブレークポイントが設定された個所における事
象の変化が視覚的に表示される。
〔実施例〕
以下に図面に基づいて本発明の実施例について詳細に
説明する。
第2図は、本発明を実施するためのワークステーショ
ンの全体構成図である。この図において、中央処理装置
200は制御装置201及び主記憶装置202を備えており、中
央処理装置200に対してビットマップディスプレイのよ
うな表示装置203、キーボードのようなデータ入力装置2
04、マウスのようなポインティング入力装置205、磁気
ディスクのような補助記憶装置206が接続されている。
ここで第1図との対応関係を示す。入力編集手段101
及びシミュレーションパラメータ設定手段104は、デー
タ入力装置204とポインティング入力装置205に相当し、
拡張ペトリネットグラフ作成手段103は制御装置201及び
主記憶装置202に相当し、シミュレーション管理手段106
は、制御装置201と主記憶装置202と補助記憶装置206に
相当し、表示手段102は表示装置203に対応する。
本実施例においては、利用者が行う操作を以下の3つ
に分け、それぞれに関し操作及び制御を説明する。
(1) シミュレーションモデル入力・編集 (2) シミュレーションパラメータの設定 (3) シミュレーション実行及び結果表示 本実施例においては、シミュレーションを実行するた
めのプログラムは、上述の三つの操作に対応して第3図
に示すように、三つに分けられている。これらの三種の
操作の選択は、たとえば、シミュレーションプログラム
の立ち上がり時の表示装置203の画面に操作の種類の示
す初期メニュー(図示せず)を表示し、ポインティング
入力装置205を使用して、このメニューの中から所望の
操作を選択し(ステップS101)、目的の操作を選択する
ことにより行う(ステップS102〜103)。
利用者は、表示装置203を見ながらデータ入力装置204
とポインティング入力装置205を利用し各操作を対話的
に行う。制御装置201は、各操作が終了後、入力された
データをグラフ内部構造に変換し、主記憶装置202ある
いは補助記憶装置206に情報を蓄積し、結果を表示装置2
03に表示する。
第4図は、上述の(1)のシミュレーションモデル入
力・編集操作を行なって拡張ペトリネットで記述したシ
ミュレーションモデルの一例である。本実施例において
は、表示装置203の表示画面203a上にペトリネットグラ
フを表すためのモデルウィンドウ305とモデルの検証,
評価を行うためのデバックウィンドウ306の2種類のウ
ィンドウを表示する。
モデルウィンドウ305において、301a〜301d,302a,302
b,303a〜303f,304a,304bはペトリネット要素であり、30
1a〜301dはプレース、302a,302bはトランジション、303
a〜303fはアーク、304a,304bはトークンを表し、本実施
例では、各ペトリネット要素は、モデルウィンドウ305
上にアイコンとして表示される。
また、デバッグウィンドウ306は、ペトリネットの階
層表示ウィンドウ307,シミュレーションモデルにおける
時間の経過を示す時間ウィンドウ308,シミュレーション
条件の設定及びシミュレーション実行のための各種コマ
ンドを入力するためのコマンドウィンドウ309及びシミ
ュレーションの結果を表示するための結果表示ウィンド
ウ310等から構成されている。結果表示ウィンドウ310
は、シミュレーション中の各ノードやアークの属性やシ
ミュレーションの状態を表示するためのものであり、た
とえば、プレース中のトークンの数やその色、トランジ
ションにおける発火所要時間、及びシミュレーションの
開始,終了を示す時間等がある。
なお、第4図の例では、ペトリネットは、階層表示ウ
ィンドウ307に示されるように、一つの上位ペトリネッ
ト「a」と二つの下位ペトリネット「b」,「c」から
なる2層構造を有しており、この中の一方の下位ペトリ
ネット「b」が選択されてモデルウィンドウ305上に表
示されている。
以下、各操作について説明する。
(1) シミュレーションモデル入力・編集 シミュレーションモデル入力・編集の際には、第5図
のフローチャートに示すように、先ず、表示装置203の
表示画面203a上にモデルウィンドウ305を表示する(ス
テップS201)。次に、データ入力装置204とポインティ
ング入力装置205を用いて、モデルウィンドウ305上に各
ペトリネット要素のアイコンを配置することによりモデ
ルの入力を行う。各ペトリネット要素の配置は、ポイン
ティング入力装置205でモデルウィンドウ内のメニュー
(図示せず)から目的の種類のノード(プレース或いは
トランジション)を選択して(ステップS202)アイコン
として表示し(ステップS203)、ポインティング入力装
置205で位置決めする(ステップS204)ことにより実行
することができる。また、アークは、ポインティング入
力装置205で両端のノードを指定することにより作成さ
れる。
これらのプレース,トランジション,アークのアイコ
ンの位置,形状等の属性は、プレースデータ,トランジ
ションデータ,アークデータとしてそれぞれ主記憶装置
202内に格納される。また、プレースデータ及びトラン
ジションデータには、ノードから見て入力関係にあるア
ーク及びノードから見て出力関係にあるアークの情報が
属性の情報として含まれている。これらのデータの集合
がペトリネットデータとなる(ステップS205)。
また編集は、ポインティング入力装置205でモデルウ
ィンドウ305内のアイコンを選択し、入力装置204,205で
各ペトリネット要素の属性、たとえば、プレースに置か
れるトークンの数,色等を記述することで行う。
更に、ペトリネットを階層化する場合には、領域を指
定してペトリネットを階層別に分割する(ステップS20
6)。このとき、階層化された各ペトリネットの関係
は、領域の内外を跨がって存在するアークに対して付与
されたリンクデータにより定義される(ステップS20
7)。
上述の処理をペトリネット図の作成が終了するまで繰
り返し(ステップS208)、作成終了後、最終的なペトリ
ネットデータとして、主記憶装置202或いは補助記憶装
置206に格納する(ステップS209)。
(2) シミュレーションパラメータ設定 本実施例においては、シミュレーションパラメータと
して、シミュレーションを行う全体の期間及びシミュレ
ーションの実行を一時停止させるためのブレークポイン
トの位置を例に挙げて説明する。
このシミュレーションパラメータ設定では、第6図の
フローチャートに示すように、まずデバッグウィンドウ
306を表示し(ステップS301)、シミュレーション期間
及びブレークポイントの位置の設定を、第4図に示すバ
ッグウィンドウ306のコマンドウィンドウ309を利用して
行う。
シミュレーションを実行すべき期間を示すシミュレー
ション期間は、コマンドウィンドウ309のシミュレーシ
ョン期間ボタン(図中、Simulation Timeで示す)320を
利用者がポインティング入力装置205で選択し(ステッ
プS302)、その後、データ入力装置204を使用して時間
ウィンドウ308のシミュレーション期間表示部308aで時
間の設定を行う(ステップS303)。第4図の例では、シ
ミュレーション期間として設定された相対時間「1000
0」がシミュレーション期間表示部308aに表示されてい
る。
次に、ブレークポイントの設定について説明する。ブ
レークポイントには、ペトリネットグラフ中のノードを
設定するノードブレークポイントと、シミュレーション
時間を設定するタイムブレークポイントの2種類があ
る。
前者のノードブレークポイントは、コマンドウィンド
ウ309のストップノードボタン(図中、Stop at Nodeで
示す)314を選択後(ステップS304)、ポインティング
入力装置205を使用して第7図に示すように、ペトリネ
ット要素の選択を行う(ステップS305)。第7図は、ト
ランジション302aを矩形の領域401で囲んだ例を示して
おり、この場合、トランジション302aにブレークポイン
トが設定され、このトランジション302aを表すトランジ
ションデータの属性として、ブレークポイントが設定さ
れたという情報が付加される(ステップS306)。
後者のタイムブレークポイントは、コマンドウィンド
ウ309のストップタイムボタン(図中、Stop at Timeで
示す)316を選択後(ステップS307)、時間ウィンドウ3
08でポインティング入力装置205を使用してシステムの
時刻を設定する(ステップS308)。第4図の例では、シ
ステム時刻「100」及び「200」の2個所に、ブレークポ
イントが設定され、ブレークポイント表示部308bに表示
されている。このタイムブレークポイントの情報は、タ
イムブレークポイントテーブル上に時系列的に配列され
て主記憶装置202或いは補助記憶装置206に格納される
(ステップS309)。なお、ブレークポイントの解除は、
おのおのクリアノードボタン(図中、Clear Nodeで示
す)315とクリアタイムボタン(図中、Clear Timeで示
す)317で行う(ステップS310〜313)。
必要なパラメータの設定が終了するまで上述の操作を
繰り返す(ステップS314)。
(3) シミュレーション実行及び結果表示 この操作は、デバッグウィンドウ306のコマンドウィ
ンドウ309の各種ボタンを使用して行う。
第8図のフローチャートに示すように、まずデバッグ
ウィンドウ306を表示し(ステップS401)、プリントボ
タン(図中、Printで示す)311を選択後(ステップS40
2)、モデルウィンドウ305中のグラフ要素を選択すると
(ステップS403)、その属性値、たとえば、プレースで
あればそこに置かれるトークンの数,色等が表示される
ので(ステップS404)、シミュレーションの実行に先立
って、シミュレーション条件を調べることができる。
ネクストボタン(図中、Nextで示す)312及びステッ
プボタン(図中、Stepで示す)313、シミュレーション
を事象ごとに実行させるものである。ネクストボタン31
2が選択されると(ステップS405)、選択されているモ
デルウィンドウ内の「b」という名称のペトリネットグ
ラフのみにおけるシミュレーション、すなわち、同一階
層内におけるシミュレーションが1事象毎に実行され、
その結果が表示される(ステップS406,S407)。また、
予めアニメーションボタン321が選択されていると、事
象の変化がアニメーションで表示される(ステップS40
8)。なお、このアニメーションの詳細については後述
する。
また、ステップボタン313が選択されると(ステップS
409)、各モデルの階層を考慮してシミュレーションが
実行され(ステップS410)、アニメーションが指示され
ている場合には、事象の変化がアニメーションで表示さ
れる(ステップS411)。
また、ランボタン(図中、Runで示す)319が選択され
ると、シミュレーション実行が初めから行われる。すな
わち、モデル内部の時間が、時刻「0」から、設定され
たブレークポイントの事象が発生するか、或いは、ブレ
ークポイント時刻になるまで進められる(ステップS412
〜S416)。
シミュレーション実行の際に、ブレークポイントが設
定された事象に達したか否かは、各ペトリネット要素の
属性を各事象毎に調べることにより判定できる。また、
ブレークポイント時刻になったか否かは、システムの時
刻と先に説明したタイムブレークポイントテーブル上の
時刻データが一致するかどうかで判定できる。なお、ペ
トリネットに基づくシミュレーションの動作自体につい
ては、特開昭62−277250号公報等に開示されているの
で、本明細書においては詳細には説明しない。
また、シミュレーション実行中のモデルの時間は、時
間ウィンドウ308のアナログ表示部308c及びディジタル
表示部308dで表示される。第4図の例では、時間ウィン
ドウ308のアナログ表示部308c及びディジタル表示部308
dに、現在時間が「3000」であることが表示されてい
る。なお、アナログ表示部308cには、シミュレーション
期間に対する経過時間の割合を示すためのパーセント目
盛りか付されている。
ブレークポイントが設定されたペトリネット要素、す
なわち、ノードにおいては、第9図(a)〜(e)に示
したようにトランジションの発火のアニメーションを表
示する(ステップS417)。
以下、アニメーション表示の処理について、第10図の
フローチャートを参照して説明する。
いま、第9図(a)に示すように、発火前に、入力プ
レース301aと入出力プレース301bの上にそれぞれ1個の
トークンがあるとすると、トークン数表示部304a,304b
にそれぞれ「1」が表示され、出力プレース301cのトー
クン数表示部304cには「0」が表示される。発火が開始
されると(ステップS501)、プレース301a,301b内のト
ークン数を減らし(ステップS502)、発火するトランジ
ション302aの入力プレース301aからトークン305aを入力
アーク303a上に移動させるとともに、入出力プレース30
1bからトークン305cを入力アーク303c上に移動させる
(ステップS503〜S507,第9図(b)参照)。そして、
トランジション302aの発火条件が満足されるとトランジ
ション302aを発火させ、発火中はトランジション302aの
色を変化させる(ステップS508,第9図(c)参照)。
なお、同図(c)において、斜線を付した部分は、色が
たとえば赤に変化した部分を示す。発火が終了すると
(ステップS509)、トランジション302aの色が元に戻さ
れた後(ステップS510)、トークン305b,305dを出力ア
ーク303b,303dに移動させ(ステップS511〜S515,第9図
(d)参照)、最後に出力プレース301c,301bに配分す
る(ステップS516,第9図(e)参照)アニメーション
の表示を行う。
また、継続ボタンが選択された場合は(第8図のステ
ップS418)、次のブレークポイントまでシミュレーショ
ンを進める。この作業をシミュレーションが終了するま
で繰り返す(ステップS419)。
なお、継続ボタン(図中、Contで示す)318及びラン
ボタン319を選択した場合、全事象についてアニメーシ
ョンを表示すると処理時間が長くなるので、ブレークポ
イントにあたる事象のみのアニメーションを行う。
本発明による方式を利用することにより、離散事象シ
ステムのモデル化が対話的にかつ視覚的に可能となり、
プログラム言語を習熟していない利用者でもシステムの
性能解析を行うことが可能となる。さらに、システム実
行モードを複数用意したため、モデルの検証やシステム
の性能解析などの利用者の目的に応じた操作が迅速に行
えるようになる。
また、シミュレーション実行時、トランジションの発
火時間と入出力トークンを記憶装置上に記憶することに
より、生産ラインなどの離散事象システムの評価装置と
して利用可能となる。たとえば、生産ラインにおいて各
部品の状態や機械の状態をトークンで表すことにより、
上述の発火記録からリードタイムや稼働率の算出ができ
る。
更に、システムの挙動変化をアニメーションすること
により、離散事象システムの性能解析結果をプレゼンテ
ーションすることや、ペトリネットを知らない人に対す
る教育ツールとしても利用可能となる。
また、トランジションの属性としてディスパッチング
などのルールを付加することにより生産ラインなどのス
ケジューリングを行うことが可能となる。
〔発明の効果〕
以上の述べたように、本発明によれば、ペトリネット
に基づいてシミュレーションを実行するに際して、ペト
リネット要素に対して一時停止する手段を設定すること
により、シミュレーション結果を表示する部分を限定で
きる。利用者が指定したペトリネット要素をアニメーシ
ョン表示するため、大規模システムのモデルの都合にお
いても、利用者が特定の要素に注目でき、モデルの検
証、修正が効果的かつ迅速に行える。また、アニメーシ
ョンを用いてシミュレーション結果を表示可能のためペ
トリネットを知らない人に対してモデルの説明を視覚的
にできるようになる効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概略構成図、第2図は本発明を実施す
るためのワークステーションの構成図、第3図はシミュ
レーションプログラムの概略を示すフローチャート、第
4図は拡張ペトリネットで記述した離散事象システムの
モデル例を示す説明図、第5図はシミュレーションモデ
ル入力・編集時の処理を示すフローチャート、第6図は
シミュレーションパラメータ設定時の処理を示すフロー
チャート、第7図はブレークポイントの設定作業を示す
説明図、第8図はシミュレーション実行及び結果表示時
の処理を示すフローチャート、第9図(a)〜(e)は
トランジションでの発火状態をアニメーションで表示し
た例を示す説明図、第10図はアニメーション表示処理の
フローチャートである。 101:入力編集手段、102:表示手段 103:拡張ペトリネットグラフ作成手段 104:シミュレーションパラメータ設定手段 105:シミュレーション実行手段 106:シミュレーション管理手段 200:中央処理装置、201:制御装置 202:主記憶装置、203:表示装置 203a:表示画面、204:データ入力装置 205:ポインティング入力装置 206:補助記憶装置 301a〜301d:プレース 302a,302b:トランジション 303a〜303f:アーク 304a〜304c:トークン数表示部 305:モデルウィンドウ、306:デバッグウィンドウ 307:階層表示ウィンドウ 308:時間ウィンドウ 308a:シミュレーション期間表示部 308b:ブレークポイント表示部 308c:アナログ表示部 308c:ディジタル表示部 309:コマンドウィンドウ 310:結果表示ウィンドウ 311:プリントボタン、312:ネクストボタン 313:ステップボタン 314:ステップノードボタン 315:クリアノードボタン 316:ストップタイムボタン 317:クリアタイムボタン 318:継続ボタン、319:ランボタン 320:シミュレーション期間ボタン 321:アニメーションボタン 401:指定領域
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−317805(JP,A) 古宮貴ほか「ネット解析・設計ソフト ウェア開発支援のためのツール」第33回 システム制御情報学会研究発表講演会講 演論文集(1989年5月17日),349、350 頁 長谷川健介「ペトリネットの生産シス テムへの応用」計測と制御,Vol28. No.9(1989年9月),775〜783頁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】評価すべきシステムをモデル化した少なく
    とも時間の概念を導入した拡張ペトリネットグラフを作
    成する手段と、 前記作成された拡張ペトリネットグラフを表示する手段
    と、 ユーザーによる前記ペトリネットグラフ中の所望のペト
    リネット要素の指定を受ける手段と、 前記拡張ペトリネットグラフに基づいてシミュレーショ
    ンを実行しシミュレーション箇所が指定されたペトリネ
    ット要素に至ったときシミュレーションの実行を一時停
    止する手段と、 を備えたことを特徴とするペトリネットに基づくシミュ
    レーション装置。
  2. 【請求項2】前記表示する手段は、前記表示されたペト
    リネットグラフ中の前記指定されたペトリネット要素に
    おける事象の変化を連続的に表示することを特徴とする
    特許請求の範囲1記載のペトリネットに基づくシミュレ
    ーション装置。
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Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
古宮貴ほか「ネット解析・設計ソフトウェア開発支援のためのツール」第33回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集(1989年5月17日),349、350頁
長谷川健介「ペトリネットの生産システムへの応用」計測と制御,Vol28.No.9(1989年9月),775〜783頁

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JPH04130954A (ja) 1992-05-01

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