JP2855804B2 - 金箔入り酒の充填方法 - Google Patents

金箔入り酒の充填方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、金箔入り酒の充填方法に関する。
「従来の技術」 従来、金箔入り酒を容器に充填するには、先ず、グラ
ビティ式充填装置により容器内に所定液面高さの酒すな
わち所定量の酒を充填する。そして次に、手作業により
ガラス棒の先端部を酒に浸したら、その先端部を金箔中
に入れて金箔をガラス棒の先端部に付着させ、さらにそ
の金箔が付着したガラス棒を上記所定量の酒が充填され
た容器内に浸すことにより、酒内に金箔を混合してい
た。
「発明が解決しようとする課題」 このように、従来は酒内に金箔を混合するのに人手を
必要としていたので、その自動化が望まれていた。
ところで、酒内に予め金箔を混合しておき、その金箔
入りの酒を上記グラビティ式充填装置により容器内に所
定液面高さまで充填することが考えられる。しかしなが
らこの場合には、液面高さを一定に維持するためのエア
抜きパイプ内に金箔入り酒が流入し、このエア抜きパイ
プ内に流入した金箔入り酒は次の容器への充填時にその
容器内に排出されるようになる。このように、エア抜き
パイプ内には金箔入り酒が流入し、一時的に貯溜され、
さらに逆流されて排出されるようになるので、エア抜き
パイプ内に金箔が詰まる虞がある。
また、酒内に混合される金箔は微量なので、例えば酒
内に金箔が均等に存在するように酒を撹拌しながら容器
内に充填するようにしたとしても、酒中に金箔を均等に
分散させることが困難となり、したがって各容器毎の金
箔量のバラツキが大きくなる虞がある。
「課題を解決するための手段」 本発明はそのような事情に鑑み、金箔が混合されてい
ない酒をグラビティ式充填装置により容器内に所定液面
高さまで充填する第1充填工程と、この第1充填工程に
よって酒が充填された容器内に、金箔を混合した酒又は
アルコールを所定流量で所定時間だけ充填する第2充填
工程とからなることを特徴とする金箔入り酒の充填方法
を提供するものである。
「作用」 上記構成によれば、第1充填工程は容器内に金箔が混
合されていない酒を所定量だけ充填すれば良いので、従
来周知のグラビティ式充填装置をそのまま用いて当該充
填作業を行なうことができる。
そして第2充填工程では、上記第1充填工程によって
酒が充填された容器内に金箔を混合した酒又はアルコー
ルを充填すればよいので、第1充填工程によって充填し
た分だけ第2充填工程の酒又はアルコール量を少なくす
ることができる。その結果、一定の酒又はアルコール量
に対する金箔の量を多くして、酒又はアルコール量と金
箔量とを両者を均等に分散させるのに好適な比率に設定
することができ、それによって各容器に所要量の金箔を
充填することができるので、各容器毎の金箔量のバラツ
キを小さく維持することが可能となる。
また第2充填工程では、金箔を混合した酒又はアルコ
ールを所定流量で所定時間だけ容器内に注入すればよい
ので、金箔を混合した酒又はアルコールの流れは一方向
のみとなり、上記グラビティ式充填装置に比較して金箔
が詰まる危険性を低減することができる。
「実施例」 以下図示実施例について本発明を説明すると、第1図
において、コンベヤ1によって搬送されてきた容器2は
入口スターホイール3を介して従来周知のグラビティ式
の回転式第1充填機4内に搬入され、この第1充填機4
によって上記容器2内に所定温度に加熱された清酒が所
定液面高さまで充填される。そして第1充填機4によっ
て所定量の清酒が充填された容器2は、出口スターホイ
ール5を介してコンベヤ1上に排出され、ライン式の第
2充填機6に供給される。
上記第2充填機6は、第2図に示すように、コンブヤ
1の一側にガイド部材11を、他側にインフィードスクリ
ュウ12をそれぞれ備えており、コンベヤ1によって搬送
されてきた容器2はインフィードスクリュウ12に係合
し、該インフィードスクリュウ12の回転に伴って容器2
間に所定の間隔があけられた状態で搬送されるようにな
っている。
第2充填機6のフレーム13には、コンベヤ1と平行に
2本のガイドレール14を取付けてあり、このガイドレー
ル14に可動ブロック15を水平方向に往復動自在に取付け
ている。この可動ブロック15は、コネクティングロッド
16を介して図示しない駆動源に連動しており、この駆動
源は上記可動ブロック15をインフィードスクリュウ12に
よって搬送される容器2と同期して前進させ、かつ高速
で後退させることができるようになっている。
上記可動ブロック15には図示しない鉛直方向のガイド
レールを介して昇降ブロック21を昇降自在に取付けてあ
り、この昇降ブロック21に、上記インフィードスクリュ
ウ12によって搬送される容器2の間隔に一致させて複数
の、例えば4本の充填ノズル22を設けている。そして上
記可動ブロック15に鉛直方向に配設して回転自在に軸支
したねじ軸23に、上記昇降ブロック21に取付けたナット
部材24を螺合させ、上記ねじ軸23の上端部に取付けたハ
ンドル25を回転させることにより、昇降ブロック21に設
けた充填ノズル22の高さを容器2の高さに合わせること
ができるようにしている。
さらに上記昇降ブロック21に上記充填ノイズ22と同数
のグリッパ26を設けてあり、各グリッパ26は相互に噛合
するギヤ27を介して互いに逆方向に回転する回転軸28に
取付けている。そして一方の回転軸28をレバー29を介し
てシリンダ装置30に連動させ、このシリンダ装置30の作
動により各グリッパ26を開閉作動させてその閉鎖時に容
器2の口部を把持させることにより。充填ノズル22に対
して容器2の口部をセンタリングすることができるよう
にしている。
上記各充填ノズル22はそれぞれ供給通路35を介して各
充填ノズル22よりも上方に配設した共通の充填液タンク
36に連通させてあり、この充填液タンク36内に金箔を混
合した清酒を貯溜している。また、この充填液タンク36
に金箔と清酒とを撹拌する撹拌手段37と、清酒を所定温
度に加熱するヒータ38とを設けている。
上記昇降ブロック21には各供給通路35を開閉する充填
バルブ39をそれぞれ設けてあり、それら充填バルブ39
は、図示しない制御装置によって所定のタイミングで予
め定めた所定時間だけ開放されるようになっている。そ
して液面制御手段40によって上記充填液タンク36内の液
面の高さを所定範囲内に維持することにより、重力によ
って上記各供給通路35を流動する充填液の流量を実質的
に一定に保つようにし、その一定の流量と上記充填バル
ブ39の予め定めた所定時間の開放とにより、各容器2内
に所定量の金箔入り清酒を充填できるようにしている。
上記充填液タンク36内の液面高さを所定範囲内に維持
する液面制御手段40は、充填液タンク36の下方に配置す
るとともに、その充填液タンク36に補給通路44を介して
接続した補給タンク45と、上記補給通路44の途中に設け
た電磁バルブ46とを備えている。上記補給タンク45内に
は金箔を混合した清酒を入れてあり、さらにこの補給タ
ンク45に金箔と清酒とを撹拌する撹拌手段47と、清酒を
所定温度に加熱するヒータ48とを設けている。
上記補給タンク45内の上部空間はエアバルブ49を介し
てエアコンプレッサ50に接続してあり、補給タンク45内
の上部空間を圧縮空気によって加圧することにより、上
記電磁バルブ46が開放された際に、補給タンク45内の金
箔入り清酒を補給通路44を介して充填液タンク36内に補
給できるようにしている。
さらに上記液面制御手段40は、上記充填液タンク36内
の液面高さを検出する2つのセンサ55、56を備えてお
り、一方のセンサ55によって最高液面高さを、他方のセ
ンサ56によって最低液面高さを検出することができるよ
うになっている。そしてセンサ56によって充填液タンク
36内の液面高さが最低液面高さ以下となったことが検出
されたら、上記電磁バルブ46を開放して補給タンク45内
の金箔入り清酒を補給通路44を介して充填液タンク36内
に補給させ、その補給により充填液タンク36内の液面高
さが最高液面高さ以上となったことがセンサ55によって
検出されたら、上記電磁バルブ46を閉じるようになって
いる。
他方、上記補給タンク45にもその内部の最低液面高さ
を検出するセンサ57を設けてあり、このセンサ57によっ
て補給タンク45内の液面高さが最低高さ以下となったこ
とが検出されたら、警報を発するようになっている。こ
の際には、手動によって、上記エアバルブ49を閉じると
ともに液バルブ58を開き、その状態で供給口59を介して
補給タンク45内に金箔と清酒とを補給することができる
ようになっている。
なお、上記センサ57により補給タンク45内の液面高さ
が最低高さ以下となったことが検出されたら、自動的に
補給タンク45内に金箔入り清酒を補給するようにしても
良いことは勿論である。
以上の構成において、コンベヤ1によって搬送されて
きた空の容器2は、入口スターホイール3を介して第1
充填機4内に搬入され、この第1充填機4によって容器
2内に所定量の清酒が充填される。そして第1充填機4
によって所定量の清酒が充填された容器2は、出口スタ
ーホイール5を介してコンベヤ1上に排出され、第2充
填機6に供給される。
第2充填機6に供給された容器2は、ガイド部材11に
よってガイドされながらインフィードスクリュウ12に係
合し、該インフィードスクリュウ12の回転に伴って容器
2間に所定の間隔があけられた状態で搬送されるように
なる。各充填ノズル22を支持する可動ブロック15はコネ
クティングロッド16を介して往復移動されており、各充
填ノズル22がインフィードスクリュウ12によって搬送さ
れる各容器2の直上位置に位置されてそれと同一速度で
同一方向に前進移送されるようになると、シリンダ装置
30が作動されてグリッパ26を閉じ、各グリッパ26容器2
の口部を把持することにより、各容器2の口部を各充填
ノズル22にセンタリングする。
この状態となると、充填バルブ39が所定時間だけ開放
され、それによって充填液タンク36内に貯溜されていた
金箔入り清酒が供給通路35、充填バルブ39および充填ノ
イズ22を介して容器2内に充填される。このとき、充填
液タンク36内の液面の高さは液面制御手段40によって所
定範囲内に維持されているので、重力によって上記各共
通通路35を流動する充填液の流動は実質的に一定に維持
され、したがってその一定の流量と上記充填バルブ39の
予め定めた所定時間の開放とにより、各容器2内に所定
量の金箔入り清酒が充填されるようになる。
上記所定の時間が経過して各充填バルブ39が閉じられ
ると、上記シリンダ装置30によってグリッパ26が開放さ
れ、この状態となると可動ブロック15が高速で後退され
て、後続のグループの容器2の直上位置で再び前進され
るようになる。
上記容器2内への金箔入り清酒の充填により充填液タ
ンク36内の液面高さが最低液面高さ以下となると、上記
センサ56がそのことを検出し、それによって上記電磁バ
ルブ46が開放される。すると、補給タンク45内の上部空
間はエアコンプレッサ50からの圧縮空気によって加圧さ
れているので、該補給タンク45内の金箔入り清酒は補給
通路44を介して充填液タンク36内に補給され、その補給
によって充填液タンク36内の液面高さが最高液面高さ以
上となると、そのことがセンサ55によって検出されて電
磁バルブ46が閉じられる。これにより、充填液タンク36
内の液面高さを常に所定の範囲内に維持することができ
る。
さらに、上記補給タンク45内に金箔入り清酒を充填液
タンク36に供給することにより、補給タンク45内の液面
が低下して最低高さ以下となると、センサ57がそれを検
出して警報を発するようになる。これにより作業者は、
手動によって、上記エアバルブ49を閉じるとともに液バ
ルブ58を開き、その状態で供給口59を介して補給タンク
45内に金箔と清酒とを補給することができる。
上述したように、コンベヤ1によって搬送されてきた
空の容器2は、第1充填機4と第2充填機6とに順次供
給されて充填作業が終了するが、このとき、総量で1800
mlの金箔入り清酒を充填する場合には、一例として、第
1充填機4によって1795mlの清酒を、第2充填機6によ
って5mlの金箔入り清酒を充填することができる。
したがって、一方の充填機のみで1800mlの金箔入り清
酒を充填する場合に比較して、第2充填機6の金箔入り
清酒における単位容量当りの金箔の密度は、360倍とな
る。このように、一定量の清酒に対して微量の金箔を混
合するよりも、相対的に多くの金箔を入れた方が両者を
均等に撹拌することが容易となり、それによって各容器
2毎の金箔量のバラツキを小さく維持することができ
る。
なお、上記実施例では第2充填機6によって金箔入り
清酒を充填するようにしているが、金箔入りアルコール
を充填するようにしてもよい。また補給タンク45は必ず
しも充填タンク36の下方に配置する必要はなく両者を並
設しても良く、さらに第1図の想像線で示すように、第
2充填機6′を回転式として出口スターホイール5に一
体的に組込むようにしても良い。
「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、各容器毎の金箔量の
バラツキを小さく維持することができるとともに、金箔
が詰まる危険性を低減することができるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略平面図、第2図は
第1図に示す第2充填機6の側面図である。 2……容器、4……第1充填機 6、6′……第2充填機、22……充填ノズル 35……供給通路、36……充填液タンク 37、47……撹拌手段、39……充填バルブ 40……液面制御手段、45……補給タンク 55〜57……センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B67C 3/00 - 3/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金箔が混合されていない酒をグラビティ式
    充填装置により容器内に所定液面高さまで充填する第1
    充填工程と、この第1充填工程によって酒が充填された
    容器内に、金箔を混合した酒又はアルコールを所定流量
    で所定時間だけ充填する第2充填工程とからなることを
    特徴とする金箔入り酒の充填方法。
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