JP2855504B2 - 触媒コンバータ用保持材 - Google Patents

触媒コンバータ用保持材

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JP2855504B2
JP2855504B2 JP5249416A JP24941693A JP2855504B2 JP 2855504 B2 JP2855504 B2 JP 2855504B2 JP 5249416 A JP5249416 A JP 5249416A JP 24941693 A JP24941693 A JP 24941693A JP 2855504 B2 JP2855504 B2 JP 2855504B2
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catalytic converter
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の排気ガス浄化
用の触媒コンバータに適用される保持材に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒コンバータは、軸方向に貫通する多
数の通孔を有する触媒坦体をケーシング内に収納して構
成されており、この場合触媒坦体を外力から保護しつつ
ケーシング内に安定に保持するために、触媒坦体の外面
とケーシング内面との間に保持材を介装するを一般とし
ている。
【0003】この保持材は耐熱性・耐食性が要求され、
そのためセラミック繊維で保持材を形成する試みがなさ
れているが、この場合触媒坦体を安定に保持するために
はケーシングと触媒坦体との間にセラミック繊維を均一
に且つ十分に圧縮して介装する必要がある。
【0004】そのため、従来、特公昭51−42257
号公報に見られるように、ビニール袋にセラミック繊維
を入れて真空引きすることによりセラミック繊維を予圧
縮し、これを触媒坦体に巻付けた状態で触媒坦体を2分
割されたケーシングの両半部間に挾み込み、セラミック
繊維を更に圧縮しつつ両半部を接合してケーミングを組
み立て、その後ビニール袋を熱で消失させるようにした
ものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のもので
は、ケーシングと触媒坦体との間にセラミック繊維を十
分に圧縮して介装できるが、セラミック繊維を予圧縮す
る袋の消失時に多量の有害ガスが発生する問題があり、
また、セラミック繊維が無定形に配向されているため、
触媒坦体の軸方向保持力が不足して、触媒坦体が軸方向
にずれ易くなる不具合がある。
【0006】本発明は、以上の点に鑑み、有害ガスの発
生を防止して且つ触媒坦体の軸方向保持力を向上し得る
ようにした触媒コンバータ用の保持材を提供することを
その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、触媒コンバータのケーシング内に収納する触
媒坦体の外面に巻き付ける保持材であって、長さ30mm
以上のセラミック繊維を触媒坦体の軸方向に沿うように
配向してマット状に積層し、このマット状積層体を熱で
消失する繊維により縫い締めて圧縮したことを特徴とす
る。
【0008】
【作用】セラミック繊維のマット状積層体は熱消失性の
繊維により予圧縮されているため、これを触媒坦体に巻
き付けた状態でケーシングの両半部間に挾み込むことに
よりセラミック繊維を十分に圧縮できる。そして、両半
部を接合してケーシングを組み立てた後にケーミングを
加熱して上記繊維を消失させるが、この繊維は従来例の
予圧縮用の袋と異なり気密性を必要としないため通常の
天然繊維で良く、消失時に有害ガスは発生しない。仮
に、この繊維を合成樹脂としても、その使用量は袋に比
し遥に少量で足り、消失時に発生する有害ガスは微量に
なる。
【0009】また、セラミック繊維が触媒坦体の軸方向
に配向され且つ繊維長が30mm以上と長いため、触媒坦
体の軸方向における保持材の変形を生じにくくなり、触
媒坦体の軸方向保持力が向上する。
【0010】
【実施例】図1は自動車用の触媒コンバータを示してお
り、2分割した1対の半部1a、1bで構成されるケー
シング1内に、軸方向に貫通する多数の通孔を有する触
媒坦体2を該坦体2の外面に巻き付けた保持材3を介し
て収納保持している。
【0011】保持材3は、長さ30mm以上のセラミック
繊維を一方向に配向して積層した図2(a)に示す如き
マット状積層体4で構成されており、該積層体4を、図
2(b)に示す如く、熱で消失する天然繊維等の繊維5
により縫い締めて圧縮する。そして、前記積層体4をセ
ラミック繊維の配向方向の長さが触媒坦体2の軸長と略
等しく、これと直交方向の長さが触媒坦体2の周長と略
等しく、且つ、一端に凸部4aと他端に凹部4bとを有
する形状に截断する。
【0012】このようにして得られたマット積層体4
を、図2(c)に示す如く、触媒坦体2の外周にセラミ
ック繊維の配向方向が触媒坦体2の軸方向に沿うように
巻き付けて凸部4aを凹部4bに嵌め込み、この状態で
触媒坦体2をケーシング1の両半部1a、1b間に挾み
込み、両半部1a、1bによりマット状積層体4を更に
圧縮しつつ該両半部1a、1bを接合してケーシング1
を組み立てその後で、ケーシング1を加熱して前記繊維
5を消失させる。
【0013】これによれば、保持材3たるセラミック繊
維のマット状積層体4はケーシング1と触媒坦体2との
間で均等に且つ十分に圧縮され、而もセラミック繊維の
配向方向が触媒坦体2の軸方向に沿うため、軸方向の保
持材強度が高くなり、触媒坦体2は軸方向のずれを生ず
ることなくケーシング1内に安定に保持される。
【0014】尚、セラミック繊維の素材としては、アル
ミナ、アルミナシリカ、アルミナシリカマグネシアが好
適であり、この場合アルミナのα化率が高いと脆くなる
ため、脆性を改善する上でα化率を3%以下に抑えるこ
とが望ましく、また、繊維中のショット量が多くなると
繊維が切れ易くなるため、50μ以上の径のショットの
繊維中の含有率を5wt%以下に抑えることが望ましい。
【0015】更に、触媒坦体2の軸方向保持力を一層高
めるために、マット状積層体4に焼失しない無機繊維を
縫い込んでセラミック繊維の軸方向ずれを防止するよう
にしても良く、また、保持材の圧縮力を高めるために、
バーミキュライト等の熱膨張性の繊維をマット状積層体
4に混入しても良い。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、保持材たるセラミック繊維のマット状積層体
を予圧縮した状態で触媒坦体に巻き付けられるため、ケ
ーシング内に装着したときセラミック繊維を十分に圧縮
できると共に、予圧縮を積層体に縫い込む繊維で行うた
め、その熱消失時の有害ガスの発生を極力抑制でき、更
に、セラミック繊維が触媒坦体の軸方向に配向されるた
め、触媒坦体を軸方向のずれを生ずることなくケーシン
グ内に安定に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明保持材を具備する触媒コンバータの部
分截断側面図。
【図2】 (a)本発明保持材の一例の展開図、(b)
その一部の拡大截断面図、(c)保持材の巻付状態の斜
視図。
【符号の説明】
1 ケーシング、 2触媒坦体、3 保持
材、 4積層体、5 繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/28 311 B01D 53/87

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒コンバータのケーシング内に収納す
    る触媒坦体の外面に巻き付ける保持材であって、長さ3
    0mm以上のセラミック繊維を触媒坦体の軸方向に沿うよ
    うに配向してマット状に積層し、このマット状積層体を
    熱で消失する繊維により縫い締めて圧縮したことを特徴
    とする触媒コンバータ用保持材。
JP5249416A 1993-10-05 1993-10-05 触媒コンバータ用保持材 Expired - Fee Related JP2855504B2 (ja)

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