JPH07197811A

JPH07197811A - 排気ガス浄化用コンバーター

Info

Publication number: JPH07197811A
Application number: JP35382493A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Sakashita; 敬一阪下; Koji Fukushima; 浩司福島
Original assignee: Ibiden Co Ltd
Current assignee: Ibiden Co Ltd
Priority date: 1993-12-28
Filing date: 1993-12-28
Publication date: 1995-08-01

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】シール層が高温で劣化することなく、かつシ
ール層を損傷させることなく組付けることができる、排
気ガス浄化用コンバーターを提供する。【構成】触媒保持体４とそれを覆うシェル２と、両者
の間に配置した結晶質アルミナファイバー層３１とより
なり、上記結晶質アルミナファイバー層３１は、有機繊
維（気密シート）３２によりニードルパンチされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス浄化用コンバ
ーターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図６に示すごとく、主として車両
に搭載する排気ガス浄化用コンバーター９においては、
触媒保持体９４と該触媒保持体９４の外方を覆う金属製
のシェル９２と、両者の間に配置した緩衝シール材９３
とよりなる。上記触媒保持体９４には白金等の触媒が担
持されている。触媒保持体９４としては、例えばその断
面をハニカム状に成形したコージェライト担体を用い
る。なお、図６において、符号９１０は排気パイプ９５
取付用のフランジである。

【０００３】次に、上記緩衝シール材９３は、図７に示
すごとく、金属ネット９３１により外周部分を補強した
無機シート９３２を用いる。無機シート９３２はバーミ
キュライトとセラミックファイバーとの混合物をシート
状に成形したものである。上記緩衝シール材９３は、自
動車の走行中等において触媒保持体９４が外周の金属製
のシェルと当接した際の損傷を防ぎ、また、シェル９２
と触媒保持体９４との間から排気ガスがリークすること
を防ぐために用いられている。また、近年金属ネット９
３１を用いる事なく、無機シート９３２のみを用いたコ
ンバータも用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記緩
衝シール材９３に使用されているバーミキュライトは、
排気ガスの高い温度において、その内部に含まれている
水分が徐々に蒸発していく。そのため、緩衝シール材は
長期間の使用中に、膨張圧力が低下してしまう。このた
め、シェル９２と触媒保持体９４との間に隙間ができ、
緩衝性及びシール性が低下してしまう。特に、バーミキ
ュライトは、８５０℃を越えると、上記の水分蒸発が著
しい。更に、近年燃費向上の為に普及しつつあるリーン
バーンエンジンにおいては、排気ガス温度が９５０℃を
越えることがある。このため、一層、バーミキュライト
の膨張圧力の低下が問題になる。

【０００５】そこで、耐熱性に優れ、かつ膨張圧力の低
下のない結晶質アルミナファイバー層による緩衝シール
材を使用することが考えられる。この場合には、図８に
示すごとく、結晶質アルミナファイバー層９６により触
媒保持体９４の周囲を布団のようにして覆い、これらを
上シェル９２１と下シェル９２２との間に埋没させよう
とするものである。しかし、結晶質アルミナファイバー
は大変脆い物質である。このため、図９に示すごとく、
上シェル９２１及び下シェル９２２と触媒保持体９４と
の間に結晶質アルミナファイバー層９６を組入れる際
に、強い力を加えたり、擦ったりすると、容易に粉体化
してしまう。特に上記のごとく、触媒保持体９４の周囲
を結晶質アルミナファイバー層９６で覆ったものを、下
シェル９２２と上シェル９２１との間に無理に入れよう
とすると、両シェルの角部９２０と結晶質アルミナファ
イバー層の当接部分９６１において著しい摩擦や押圧力
が働き、その当接部分９６１における結晶質アルミナフ
ァイバー層が崩れてしまい、緩衝シール材としての役目
を果たさなくなってしまう。

【０００６】上記のような問題点に対して、結晶質アル
ミナファイバー層９６を圧縮成型して組み入れる際に、
上記の如く強い力を加えたり、擦ったりすることのない
ような厚みにして組み入れる方法が考えられる。結晶質
アルミナファイバー層９６にミードルパンチし、結晶質
アルミナファイバー層９６の上下に絡みを与え圧縮成型
した結晶質アルミナファイバーミードルマットである。
しかしながら、上記結晶質アルミナファイバーミードル
マットは、大変脆い物質である結晶質アルミナファイバ
ーを絡ませて圧縮成型するため、密度は最大でも０．１
ｇ／ｃｍ³程度のものしかなく、未だ不完全なものであ
った。

【０００７】本発明は、かかる問題点に鑑み、シール層
が高温で劣化することなく、かつシール層を損傷させる
ことなく低コストで組付けることができる、排気ガス浄
化用コンバーターを提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、触媒保持体と
該触媒保持体の外方を覆うシェルと、両者の間に配置し
た結晶質アルミナファイバー層よりなる、排気ガス浄化
用コンバーターであって、上記結晶質アルミナファイバ
ー層は有機繊維とともにニードルパンチされた圧縮結晶
質アルミナファイバー層であることを特徴とする排気ガ
ス浄化用コンバーターにある。また、前記有機繊維は、
綿、麻、羊毛、レイヨン繊維、アセテート繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ塩化ビニル繊
維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリフェノールエチレン
繊維、ポリアクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、
弗素繊維、芳香族ポリアミド繊維、フェノール繊維、あ
るいはポリアミド繊維からなることを特徴とする排気ガ
ス浄化用コンバーターにある。また、前記結晶質アルミ
ナファイバー層は、スパンボンドの形状である有機繊維
とともにニードルパンチされた圧縮結晶質アルミナファ
イバー層であることを特徴とする排気ガス浄化用コンバ
ーターにある。

【０００９】まず、上記触媒保持体としては、例えばハ
ニカム状のものを用いる。また、上記触媒保持体は、例
えばコージェライト、アルミナまたはクロム系ステンレ
ス等により作成する。また、上記シェルは、例えば断面
が長円形、円形の筒である。また、上記シェルは、例え
ば金属製である。また、上記有機繊維は、上記結晶質ア
ルミナファイバー層を圧縮保持しているものであり、後
述のごとく、結晶質アルミナファイバーをシェルの間に
容易に埋没するため、あるいは結晶質アルミナファイバ
ーを触媒保持体に容易に巻き付けるために用いられたも
のである。また、上記構造のコンバーターは、自動車製
造工場において排気ガスパイプに接続される。そして、
試運転の際には高温度の排気ガスによって、上記有機繊
維は焼却されてしまう。或いは、上記有機繊維はコンバ
ーターを排気ガスパイプに接続する前に焼却しても良
い。

【００１０】また、上記排気ガス浄化用コンバーター
は、板状の結晶質アルミナファイバーをその片面あるい
は両面に有機繊維を配設し、ニードルパンチし、次い
で、触媒保持体の周囲に環状に被覆し、その後、これを
下シェルの上部に置き、上シェルを被冠することで製作
できる。

【００１１】上記圧縮結晶質アルミナファイバー層は、
上記結晶質アルミナファイバー層の表面に有機繊維シー
トを積層し、ニードルパンチを施すことにより得られる
が、この結晶質アルミナファイバー層の圧縮後の厚みや
密度は、ニードルパンチの速度、ニードルパンチ針の長
さ・径、有機繊維と結晶質アルミナファイバーの割合、
有機繊維の径・長さの選択により任意に設定することが
できる。

【００１２】例えば、上記圧縮結晶質アルミナファイバ
ー層の組み付け前厚みは、触媒保持体とシェルとのクリ
アランスと同等もしくは若干小さい厚さが好ましい。上
記結晶質アルミナファイバー層の組み付け前厚みが上記
クリアランスより小さいすぎると、コンバーター組立後
の取り扱い、輸送時に、触媒保持体の位置がずれてしま
ったり、セラミック製の触媒保持体の場合、まれには、
破損してしまう為である。また、大き過ぎると、組立て
の作業性が極めて悪くなるばかりか、結晶質アルミナフ
ァイバー層が崩れてしまうからである。

【００１３】また、上記圧縮結晶質アルミナファイバー
層の組み付け前の嵩密度は、０．１５〜０．４０ｇ／ｃ
ｍ³の範囲が好ましい。嵩密度が小さすぎると、結晶質
アルミナファイバー層の復元力が弱く、自動車のエンジ
ン振動または走行振動により、触媒保持体４が踊り、結
晶質アルミナファイバー層が粉化したり、摩滅するばか
りでなく、排気ガスが、結晶質アルミナファイバー層を
貫通してしまうからである。逆に、嵩密度が大きすぎる
と、後工程である加圧組立時の圧力で結晶質アルミナフ
ァイバー層自体が圧壊したり、触媒保持体が、破損、変
形してしまうからである。

【００１４】また、上記有機繊維は、綿、麻、羊毛、レ
イヨン繊維、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリ
オレフィン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリ
デン繊維、ポリフェノールエチレン繊維、ポリアクリル
繊維、ポリビニルアルコール繊維、弗素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、フェノール繊維、あるいはポリアミド繊
維からなることが好ましい。また、上記結晶質アルミナ
ファイバー層はシェルへの装着後に十分なシール性が得
られることが重要であるから、上記有機繊維は、シェル
内でのこの結晶質アルミナファイバー層の復元力に十分
抗する高い強度の材料であることが好ましい。

【００１５】上記結晶質アルミナファイバー層は材料コ
ストを考慮して、高温となる触媒保持体側にのみ配し、
その外側の低温側に若干耐熱性に劣るが安価なシリカ−
アルミナ繊維を配する等の２層構造とすることができ
る。

【００１６】

【作用及び効果】本発明の製造方法による排気ガス浄化
用コンバーターにおいては、触媒保持体とシェルとの間
にシール層として結晶質アルミナファイバー層が設けら
れる。上記結晶質アルミナファイバー層は耐熱性に優れ
ている。このため、この結晶質アルミナファイバー層
は、排気ガス、特に高温のリーンバーン排気ガスに曝さ
れても、従来のバーミキュライト製の緩衝シール材のよ
うに膨張圧力の低下による変形、品質の劣化を起こすこ
とがない。

【００１７】本発明の製造方法にあっては、上記排気ガ
ス浄化用コンバーターにおける上記結晶質アルミナファ
イバーは、有機繊維をニードルパンチして圧縮結晶質ア
ルミナファイバー層とする。そのため、上記結晶質アル
ミナファイバー層はその厚みが減少し、触媒保持体とシ
ェルとの間の間隔と同等もしくはそれより若干小さい厚
みとなる。それ故、上記セラミックファイバー層は複雑
な工程を必要とすることなく、しかも確実容易にシェル
と触媒保持体との間に組み付ける事ができる。

【００１８】また、上記のように厚みが小さくなるた
め、圧縮結晶質アルミナファイバー層の上に容易に上シ
ェルを被冠することができる。下シェルと上シェルの間
に圧縮結晶質アルミナファイバー層を埋没させた後は、
有機繊維は焼却される。この焼却は加熱炉を用いても良
いし、自動車等の場合、車に装着したときのエンジンの
排気ガスの熱で焼却しても良い。

【００１９】上記のごとく、本発明によれば、シール層
が高温で劣化することのない排気ガス浄化用コンバータ
ーを、シール層を損傷させることなく低コストで確実容
易に組付けることができる。

【００２０】

【実施例】

（実施例１）まず、本発明の排気ガス浄化用コンバータ
ーにつき、図１を用いて説明する。図１に示すごとく、
本例の排気ガス浄化用コンバーター１は、触媒保持体４
と、該触媒保持体４の外方を覆うシェル２と、両者の間
に配置した結晶質アルミナファイバー層３１とよりな
り、上記結晶質アルミナファイバー層３１は、有機繊維
３２によりニードルパンチされている。本例では、上記
結晶質アルミナファイバー層３１の外側、即ちシェル側
にシリカ−アルミナセラミックファイバーの層（図示せ
ず）を形成した２層構造、上記有機繊維３２はポリエチ
レン、上記触媒保持体４はコージェライトよりなる。な
お、符号３９は、上記結晶質アルミナファイバー層３１
を配置する際に生じた継目である。上記シェル２は上シ
ェル２１と下シェル２２とからなる。上記上シェル２１
と下シェルと２２は、共に断面が半長円形の殻である。
その両端には、ボルト穴２１１を有するフランジ２１
０、２２０が設けられている。また、上記触媒保持体４
は、断面が格子状のハニカム体である。上記断面は長円
で、その大きさは、長径が１５０ｍｍ、短径が１００ｍ
ｍである。本例の排気ガス浄化用コンバーター１におい
ては、触媒保持体４とシェル２との間にシール層とし
て、結晶質アルミナファイバー層３１を配設している。
また、上記結晶質アルミナファイバー層３１は有機繊維
３２でニードルパンチされている。これにより、耐熱性
に優れてはいるが、脆く、摩擦等に弱い、結晶質アルミ
ナファイバー層３１を損傷することなく、シェル２内に
組付けることができる。このため、本例の結晶質アルミ
ナファイバー層３１は、排気ガス、特に高温のリーンバ
ーン排気ガスに曝されても、従来のバーミキュライト製
の緩衝シール材のように膨張圧力の低下による変形、品
質の劣化を起こすことがない。

【００２１】次に、上記排気ガス浄化用コンバーターの
製作方法を図２から図５に示す。図２（Ａ）に示すごと
く、ポリエチレンよりなるスパンボンドシート３２を準
備する。また、図２（Ｂ）に示すごとく、幅１０００ｍ
ｍ、厚さ２５ｍｍの板状の結晶質アルミナファイバー３
１を準備する。次いで、図２（Ｃ）に示すごとく、結晶
質アルミナファイバー３１の上面に、スパンボンドシー
ト３２を置き、ニードルパンチ針４１０を上下に運動さ
せ、圧縮結晶質アルミナファイバー層３とする。次に、
図３に示すごとく、圧縮結晶質アルミナファイバー層３
は端部に凹状係合部３１０及びこれに噛合させる凸状係
合部３１１を設けるように所定の形状に打抜き加工し、
所定形状の圧縮結晶質アルミナファイバー層４２０とす
る。こうして得られた所定形状の圧縮結晶質アルミナフ
ァイバー層４２０の厚みは、１２．５ｍｍであり、ニー
ドルパンチ処理前に比べ厚みが薄く、かつ密度が上がっ
ているため、引張強度は絶対値で１．５倍以上のものが
得られた。次に、図３（Ａ）に示すごとく、触媒保持体
４を上記所定形状の圧縮結晶質アルミナファイバー層４
２０の上に載置する。次いで、図３（Ｂ）に示すごと
く、該所定形状の圧縮結晶質アルミナファイバー層４２
０を触媒保持体４の周囲に環状に被覆する。この時、上
記結晶質アルミナファイバー層３１の両端の凹状係合部
３１０と凸状係合部３１１を互いに噛合させる。この部
分が継目３９である。次いで、図３（Ｃ）に示すごと
く、上記所定形状の圧縮結晶質アルミナファイバー層４
２０を下シェル２２の上部に置く。更にファイバーシー
ル体３の上に上シェル２１を載置し加圧する。その後、
フランジのボルト穴にボルトを挿入し、上シェル２１と
下シェル２２とを固定する（図１）。上記のごとく、本
例によれば、結晶質アルミナファイバー層３１に損傷を
与えることなく、結晶質アルミナファイバー層３１を容
易にシェル２と触媒保持体４との間に取付けることがで
き、排気ガス浄化用コンバーター１を容易に製作するこ
とができる。尚、このときの、触媒保持体４とシェル２
のクリアランスは１３ｍｍである。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１における排気ガス浄化用コンバーター
の断面斜視図。

【図２】実施例１の製作方法の説明図。

【図３】図２に続く、実施例１の製作方法の説明図。

【図４】図３に続く、実施例１の製作方法の説明図。

【図５】実施例１における所望形状の圧縮結晶質アルミ
ナファイバー層の取付け方法の説明図。

【図６】従来における排気ガス浄化用コンバーターの縦
断面図。

【図７】従来における排気ガス浄化用コンバーターの緩
衝シール材の構成図。

【図８】従来における緩衝シール材の取付に関する説明
図。

【図９】図８に続く、緩衝シール材の取付に関する問題
点の説明図。

【符号の説明】

１：排気ガス浄化用コンバーター２：シェル２１：
上シェル２２：下シェル３：ファイバーシール体
３１：セラミックファイバー層３２：気密シート
４：触媒保持体４２０：所望形状の圧縮結晶質アルミ
ナファイバー層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】触媒保持体と該触媒保持体の外方を覆う
シェルと、両者の間に配置した結晶質アルミナファイバ
ー層よりなる、排気ガス浄化用コンバーターであって、上記結晶質アルミナファイバー層は有機繊維とともにニ
ードルパンチされた圧縮結晶質アルミナファイバー層で
あることを特徴とする排気ガス浄化用コンバーター。
【請求項２】請求項１に於いて、前記有機繊維は、
綿、麻、羊毛、レイヨン繊維、アセテート繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ塩化ビニル繊
維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリフェノールエチレン
繊維、ポリアクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、
弗素繊維、芳香族ポリアミド繊維、フェノール繊維、あ
るいはポリアミド繊維からなることを特徴とする排気ガ
ス浄化用コンバーター。
【請求項３】請求項１に於いて、前記結晶質アルミナ
ファイバー層は、スパンボンドの形状である有機繊維と
ともにニードルパンチされた圧縮結晶質アルミナファイ
バー層であることを特徴とする排気ガス浄化用コンバー
ター。