JP2854260B2 - ラベル付き発泡樹脂製品の製造方法 - Google Patents

ラベル付き発泡樹脂製品の製造方法

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JP2854260B2
JP2854260B2 JP7122743A JP12274395A JP2854260B2 JP 2854260 B2 JP2854260 B2 JP 2854260B2 JP 7122743 A JP7122743 A JP 7122743A JP 12274395 A JP12274395 A JP 12274395A JP 2854260 B2 JP2854260 B2 JP 2854260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インスタントラーメン
のカップ容器、ジュースやホットコーヒー等の飲料用の
カップ、冷菓用容器及びその他の包装容器等に用いられ
ラベル付き発泡樹脂製品の製造方法に係り、特に文字
や模様、デザイン等の表示を予め印刷したラベルを表面
に有するラベル付き発泡樹脂製品の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インスタントラーメンの容器やジュース
等の飲料用のカップ等として、発泡ビーズカップが広く
使用されている。
【0003】この発泡ビーズカップは、一般にポリスチ
レン系樹脂粒子にブタン、ペンタン等の揮発性発泡剤を
含有させた発泡性樹脂粒子(ビーズ)を、予備発泡して
予備発泡粒子を得た後、これを成形型のキャビティー内
に充填し、蒸気等の加熱媒体により加熱発泡させる型内
ビーズ発泡成形法により製造されている。
【0004】かかる発泡ビーズカップには、商品名や製
造元等の文字表示、あるいは、その他の絵や模様等の表
面デザインが表示されたものがある。
【0005】発泡ビーズカップの表面にかかる表示を施
す方法としては、表示内容を発泡ビーズカップの表面に
印刷機により直接印刷する方法、表示内容を予め印刷し
たラベルを発泡ビーズカップに巻き付けて接着する方
法、表示内容を予め印刷した熱収縮性フィルムを発泡ビ
ーズカップに巻き付けた後、加熱収縮させて取り付け
る、いわゆるシュリンクラベル方式と呼ばれる方法が知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、以下のような問題点を有している。
【0007】すなわち、発泡ビーズカップの表面に直接
印刷を行う方法では、グラビア印刷のような鮮明な印刷
や、多色重ね合わせ印刷を行うことが困難である。それ
故に、非常に細かい文字を表示することや、階調の変化
をスムースに移行させて表現する表示がほとんど不可能
であるという問題点を有している。
【0008】発泡ビーズカップに表示内容を予め印刷し
たラベルを接着する方法では、発泡ビーズカップからラ
ベルの部分が厚み分だけ出っ張るので、一体感に乏しく
見苦しい。また、発泡ビーズカップとラベルとの接着が
不充分な場合には、流通あるいは使用段階でラベルが剥
離する虞があり、商品価値の低下を招くという問題点を
有している。
【0009】熱収縮性フィルムを使用するシュリンクラ
ベル方式では、熱収縮性フィルムが熱収縮により単にカ
ップに付着しているに過ぎないため、カップの外周面が
傾斜している場合、フィルムがカップから脱離しやす
い。また、熱収縮性フィルムの収縮が均一でない場合に
は、フィルムが変形するため、予め印刷された表示内容
が見づらくなり、特に細かい文字の表示は読むことがほ
とんど不可能になるという問題点を有している。
【0010】そこで、これらの問題点を解決するため、
特開平4−331132号公報に開示された発泡成形容
器の絵付け方法では、印刷層とヒートシール層とを有し
筒状に形成された紙製印刷シートを雌型のキャビティー
内にセットし、雌型に設けられた脱気通路を通してキャ
ビティー内を脱気することにより、印刷シートを雌型の
キャビティー内面に固定している。それから、雌型と雄
型とを型合わせし、紙性印刷シートと雄型のコアとの間
に発泡性樹脂粒子を充填して発泡成形を行っている。こ
れにより、印刷シートのヒートシール層が筒状発泡成形
容器に融着するので、筒状発泡成形容器に歪みのない鮮
明な印刷の絵付けをすることができる。
【0011】しかしながら、この方法では、脱気通路の
凹みが成形品表面の印刷シートに付くため見た目が悪
く、またこの通路付近では印刷シートを雌型のキャビテ
ィー内面に密着させることができるが、印刷シートの上
下端付近では印刷シートとキャビティー内面との間に隙
間が生じやすいという問題点を有している。隙間がある
と、そこに発泡性樹脂粒子が入り込むため、良好な成形
容器が得られない。
【0012】また、上記の方法では、芯紙の外側に印刷
層を有する紙製印刷シートを使用しているので、防湿
性、ガスバリヤー性に劣る。さらに、発泡樹脂製品を成
形する際に使用する蒸気によって紙が吸湿し、印刷がぼ
やけることがある。それに加え、芯紙の外側に印刷層が
あり印刷層が雌型に直接接するので、印刷インクが熱に
よって雌型に転写しやすい。この転写が起こると、発泡
樹脂製品の印刷が薄くなって印刷不良となる。また、雌
型に転写したインクが次の成形品の表面に再転写される
ので、連続して印刷不良が発生することになる。
【0013】また、印刷シートは筒状紙製印刷シートに
成形することが必要で、シートのままで使用することが
できず、工程が多く問題であった。
【0014】本発明はかかる従来の問題点を解消し、細
かい文字の表示や階調の変化をスムースに表現した鮮明
なデザイン表示等を予め印刷したラベルを有し、しかも
このラベルには脱気通路の凹みがなく、加えてラベルが
発泡樹脂製品の表面から出っ張らず、美麗で、剥がれに
くいラベル付き発泡樹脂製品の製造方法を提供するもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項の発明に係るラ
ベル付き発泡樹脂製品の製造方法は、上記の課題を解決
するために、雄型と雌型とからなる成形型を使用してラ
ベル付きの発泡樹脂製品を製造する方法において、雌型
のキャビティー内面とラベルとの間に水または水溶液を
介在させて該ラベルをキャビティー内面に仮固定した
後、キャビティーに予備発泡粒子を充填して加熱発泡成
形することにより、発泡樹脂製品にラベルを接着したラ
ベル付き発泡樹脂製品を製造することを特徴としてい
る。
【0016】
【作用】請求項の構成によれば、雌型のキャビティー
内面とラベルとの間に水または水溶液を介在させて該ラ
ベルを仮固定しているので、脱気通路を使用することな
くラベルを雌型のキャビティー内面に容易に、しかも、
隙間なく密着させることができるので、該ラベル表面に
脱気通路の凹みが付かない。加えて、予備発泡粒子を充
填しても、予備発泡粒子がラベルと雌型のキャビティー
内面との間に入り込まなくなる。この状態で加熱発泡成
形し、発泡樹脂製品にラベルを接着したラベル付き発泡
樹脂製品を製造しているので、ラベルと発泡樹脂製品と
の間に気泡が入らず、ラベルにしわもできない。つま
り、ラベル表面には脱気通路の凹みがなく、加えてラベ
ルは、発泡樹脂製品の表面から出っ張らず、美麗であ
り、かつ、剥がれにくくなる。さらに、ラベルの仮固定
に水または水溶液を使用しているので、発泡樹脂製品部
にほとんど悪影響がないだけでなく、ラベルを仮固定す
るための脱気通路を雌型に設ける必要がない。これによ
り、細かい文字の表示、階調の変化をスムースに表現し
た鮮明な表示、多色重ね合わせ印刷等による表示を印刷
したラベルを有する容器等の発泡樹脂製品をずれること
なく容易に製造することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により、本発明のラベル付き発
泡樹脂製品の製造方法について、さらに詳細に説明する
が、これにより本発明が限定されるものではない。
【0018】本実施例の表示付きのカップ状の発泡樹脂
製品の製造方法は、側面に空気孔を有する擬似コア(擬
似雄型)に扇形状のラベルを巻き付け空気孔から吸引す
ることによりラベルを擬似コアに密着固定する工程と、
擬似コアに密着固定されたラベルに水を噴霧した状態、
または、雌型のキャビティー内面に水を噴霧した状態で
擬似コアを雌型に挿入する工程と、擬似コアの空気孔か
ら加圧空気を噴射することで擬似コアからラベルを雌型
のキャビティー内面に転移させ前記水を介して雌型のキ
ャビティー内面に仮固定する工程と、雌型から擬似コア
を抜き取り、雌型と成形用コア型(雄型)とを型合わせ
し型締めした後、予備発泡粒子を充填し加熱発泡成形す
ることにより、発泡樹脂製品を製造すると同時に、ラベ
ルを発泡樹脂製品に接着する工程とから構成されてい
る。
【0019】上記のラベルを擬似コアに密着固定する工
程では、図1に示すように、側面に複数の空気孔10b
…を有するラベル挿入用の擬似コア10が使用される。
空気孔10bの形状は、例えば、同図(a)に示すよう
に細長い溝形状であってもよいし、同図(b)に示すよ
うに円形状であってもよい。
【0020】擬似コア10は、成形用コア型より大きめ
に製作されている。擬似コア10の内部には、図2に示
すように、空気室10cが設けられており、擬似コア1
0の底部には、空気室10cを減圧または加圧にするた
めの通路10aが設けられている。これにより、真空弁
を開くと通路10aを介して擬似コア10の空気室10
cを減圧にでき、加圧弁を開くと通路10aを介して擬
似コア10の空気室10cを加圧にできる。前記の空気
孔10b…は空気室10cに通じている。
【0021】これにより、文字、模様、およびデザイン
等の所定内容の表示が予め別途印刷されている扇形状の
ラベル11を擬似コア10の側面に巻き付けて、空気室
10cを700〜740mmHgの圧力に減圧すれば、
ラベル11を擬似コア10の側面に密着固定することが
できる。空気室10cの圧力は、ラベル11の厚さ(重
量)に応じて適宜設定すればよい。
【0022】次の工程では、擬似コア10の側面に密着
固定されたラベル11の透明樹脂層11aにスプレーを
使って水を噴霧する。それから、擬似コア10から雌型
1にラベル11を転移させるために、図3に示すよう
に、擬似コア10を雌型1に挿入し、空気室10cを加
圧にする。これにより、空気孔10b…からの噴射空気
がラベル11を雌型1のキャビティー内面に押圧する。
その結果、ラベル11上に噴霧された水は雌型1のキャ
ビティー内面に広がり、水からなる超薄膜ができる。こ
の水の超薄膜によってラベル11は、図4に示すよう
に、雌型1のキャビティー内面に仮固定される。
【0023】また、本工程において、ラベル11に水を
噴霧する代わりに、雌型1のキャビティー内面に水を噴
霧してもよい。
【0024】さらに、水の代わりに水溶液を使うことも
できる。水溶液としては、デキストリン、アラビアゴ
ム、メチルセルロース、部分鹸化ポリビニールアルコー
ル、尿素系初期縮合物、水溶性フェノール樹脂等の冷水
可溶性材料の水溶液を使用できる。要は、ラベル11及
び雌型1のキャビティー内面に対して濡れ性が高く、ラ
ベル11を雌型1のキャビティー内面に仮固定できる水
溶液であれば、いかなる水溶液でもかまわない。
【0025】次のカップ状の成形品を製造する工程で
は、雌型1から擬似コア10を抜き取り、雌型1と成形
用コア型2とを型合わせし、型締めする。これには、例
えば、ビーズ発泡成形用のプレス装置が使用される。プ
レス装置は、例えば図5に示すように、上部の固定盤4
と、ラム6により上下に移動する下部の移動盤5からな
っており、雌型1は固定盤4に固定されており、コア型
2は移動盤5に固定されている。雌型1とコア型2の型
締めを行うと、これらの間にカップ状のキャビティー部
3が形成される。
【0026】雌型1は、内部に蒸気室1aを有してお
り、原料を通路7を通してキャビティー部3に充填する
ための充填装置(図示されていない)、蒸気および冷却
水の供給口1b、ドレイン排出口1c、成形品をコア型
2に転移させるためのエアー供給口(図示されていな
い)を具備している。また、コア型2は、内部に蒸気室
2aを有しており、蒸気および冷却水の供給口2b、ド
レイン排出口2c、排出エアー口(図示されていない)
を具備している。さらに、図示されていないが、充填エ
アー弁、蒸気弁、キャビティー部3の直接加熱弁、ドレ
イン弁、冷却水弁、排出エアー弁等の各種の減圧弁(レ
ギュレーター)、電磁弁と、それらを制御する制御盤を
具備している。
【0027】成形品は、例示すると図6に示すように、
発泡剤を含有した直径0.25mmのポリスチレン樹脂
粒子を原料として、これを嵩倍率で12倍(直径0.5
7mm)に予備発泡した予備発泡粒子を、型内ビーズ発
泡成形法により製造した発泡倍率12倍の発泡ビーズカ
ップであって、上部がφ96mm、底部がφ69mm、
高さが108mm、胴部厚さが3mm、内容積が460
ccになっている。
【0028】なお、発泡ビーズカップの原料となる発泡
性熱可塑性樹脂を構成する樹脂としては、ポリスチレ
ン、ハイインパクトスチレン、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の
ポリスチレン系樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニール共重合体等のポリオレフィ
ン系樹脂及びこれらの樹脂の混合物等のように、発泡剤
を含有でき、型内ビーズ発泡成形できる樹脂であれば特
に制限はない。
【0029】成形品の製造は、具体的には例えば、表1
にしたがって実施される。
【0030】
【表1】
【0031】まず擬似コア10に扇形状のラベル11を
巻き付ける。すなわち、文字や模様、デザイン等の表示
内容が予め印刷されたロールフィルムを、トムソン刃を
有するプレス機にセットしてトリミングし、成形品の胴
部と同じか、もしくは、成形品の胴部で重なる部分を有
する形状の扇形状のラベル10を作る。そして、擬似コ
ア10の真空弁を開いて空気室10cを減圧にすること
により、ラベル11を空気孔10b…から吸引して擬似
コア10に巻き付ける。
【0032】なお、本実施例では、ラベル11として、
裏面印刷が施された厚さが30μmのポリプロピレン
と、ポリプロピレンの上に形成され厚さが30μmの接
着層である酢酸ビニル・エチレン共重合体とからなり、
総厚さが60μmであるフィルムを使用した。ラベル1
1を構成する樹脂と、発泡ビーズカップを構成する樹脂
とが同質の樹脂の場合や接着性に優れた印刷インクを使
用した場合には、成形時に両者を熱融着させることも可
能である。しかし、発泡ビーズカップとの熱融着が困難
な場合には、発泡ビーズカップとの接着をより確実なも
のとするためにラベル11の裏側に熱融着する接着層を
設けておく。なお、ラベル11の総厚さは10μm〜1
mmで成形が可能であるが、50μm〜100μmのも
のがさらに好ましい。
【0033】この後、上述のようにラベル11または雌
型1のキャビティー内面に水または水溶液を噴霧する。
それから、擬似コア10の前進弁を開いて擬似コア10
を雌型1に挿入し、擬似コア10と雌型1とを閉じる。
次に、擬似コア10の真空弁を閉じて圧空弁を開くこと
によって、空気孔10b…から空気を噴射しラベル11
を擬似コア10から雌型1に転移させる。これにより、
ラベル11を水または水溶液を介在させて雌型1のキャ
ビティー部3の内面に仮固定できる。それから、擬似コ
ア10を後退させて抜き取る。
【0034】続いて、雌型1とコア型2とを閉じ、充填
エアー弁を開き、キャビティー部3に上記の予備発泡粒
子を充填する。それから、雌型1の蒸気室1aおよびコ
ア型2の蒸気室2aに蒸気を導入して加熱する。このと
き、ドレイン弁を開き、凝縮水を排出する。
【0035】次に、直接加熱弁を開き、キャビティー部
3を直接加熱する。発泡粒子同士が融着すると、冷却水
弁を開き、全体を冷却する。冷却後、排出エアー弁を開
き、成形品をコア型2側に転移させ、排出させる。それ
から、ラム6によって、移動盤5を下げ、型開きを行
い、成形品を取り出す。
【0036】このようにして製造された側面全体にラベ
ルを設けた発泡樹脂カップと、同装置を使いラベルを付
けずに製造された発泡樹脂カップとで、防湿性能の比較
実験を行った。
【0037】カップには、予備発泡倍率が12倍の発泡
ポリスチレン粒子を使用し、ラベル11には、厚さが6
0μmで裏面にホットメルト加工したポリプロピレンシ
ートを使用した。製造した各5個のカップにCaCl2
を充填し、カップの開口部をアルミ箔で覆って封蝋した
後、温度40℃、湿度90%の下で、72時間放置し、
吸湿による重量の増加を測定した。結果を表2に示す。
【0038】ラベル付き発泡樹脂カップの24時間平均
の透湿度(x)は、ラベル無し発泡樹脂カップの5分の
1程度であり、防湿性能に優れたラベル付き発泡樹脂カ
ップを製造できることが確認された。
【0039】
【表2】
【0040】以上のように、本実施例の製造方法は、雌
型1のキャビティー内面とラベル11との間に水または
水溶液を介在させてラベル11をキャビティー内面に仮
固定する構成である。このため、ラベル11がキャビテ
ィー内面に密着し、ラベル11とキャビティー内面との
間に隙間が生じにくい。したがって、ラベル11とキャ
ビティー内面との間に予備発泡粒子が入り込みにくくな
るので、良好な成形容器が得られる。しかも、蒸気加熱
により発泡成形を行っているので、水は成形品に対して
全く悪影響を与えない。蒸気以外で加熱する場合にも、
水が成形品に対して悪影響を与えることはほとんどな
い。
【0041】また、水の代わりに濡れ性の高い水溶液を
使用すれば、水をはじきやすいラベル11であってもキ
ャビティー内面に隙間なく密着させて仮固定することが
できる。
【0042】本実施例によれば、少ない工程で効率よく
ラベル付き発泡樹脂製品を一体成形することができ、さ
らに、製品におけるラベル11の位置がずれることもな
く、ラベル11が容易に剥がれたりすることもない。し
かも、細かい文字の表示、階調の変化をスムースに表現
した鮮明な表示、多色重ね合わせ印刷等による表示を印
刷したラベル11を表面に有する容器等を容易に製造で
きる。さらにまた、ラベル11と発泡樹脂製品との間に
気泡がなく、ラベル11にしわもできないので、美麗で
ある。
【0043】また、従来、ラベル11を仮固定するため
に雌型に設けられていた脱気通路及び脱気孔を、本実施
例の雌型1には設ける必要がない。このため、雌型1の
構造が簡素化する。しかも、従来、ラベル11が脱気孔
に吸引されることにより形成されていたラベル11の凹
みがなくなるので、製品の見栄えが格段によくなる。
【0044】さらに、裏面印刷が施されたラベル11を
使用しているので、印刷層のインクが熱によって雌型1
に転写しなくなる。したがって、転写による印刷不良が
起こらなくなり、ラベル付き発泡樹脂製品を効率よく製
造することができる。また、ラベル11に紙ではなく樹
脂を用いることにより、発泡樹脂製品を成形する際、蒸
気加熱を行っても、吸湿されにくくなる。
【0045】ラベル11としてガスバリヤー性に優れた
素材を使用して側面全体にラベル11を一体成形した成
形品は、特に防湿、ガス遮断効果に優れ、長期保管する
ことができる食品容器として好適に使用することができ
る。
【0046】ラベル11は側面全体ではなく部分的に設
けてもよい。例えば、ラベル11の形状を成形品の胴部
の高さより短くした図7のような形状とすることもでき
る。このように成形品の胴部の中央部のみに設けた場合
には、ラーメン等の内容物の吸湿による胴部膨れの防止
ができ、また、成形品の胴部の上部のみに設けた場合に
は、成形品の開口部強度の補強となり、より安価な成形
品を得ることができる。
【0047】以上の実施例において、ラベル11として
は、基材層(裏面に印刷層を有する透明樹脂層)と、必
要に応じて該基材層の裏面側に積層された接着層とから
構成されるもの、さらに、多層構造としたものなどが挙
げられる。このようなラベル11は、金型内で発泡樹脂
粒子と融着する前は扇形状であり、筒状に成形すること
なく、融着後には容器と一体とすることができる。より
具体的には以下に示す構造のラベル11を使用すること
が好ましい。
【0048】ラベル11として用いられる材料として
は、ポリスチレン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミドなどの融点が135〜264℃の熱可塑性樹
脂に、無機微細粉末を8〜65重量%含有させた樹脂フ
ィルム、あるいは、該樹脂フィルムの表面上に無機充填
剤含有ラテックスを塗布させたフィルム、あるいは、前
記樹脂フィルムにアルミニウムを蒸着させたものなどを
挙げることができる。このような基材層は単層であって
も、あるいは、二層以上の積層された構造であってもよ
い。
【0049】前記基材層の裏面側(樹脂容器と接する
側)には、必要に応じて接着層となる低密度ポリエチレ
ン、酢酸ビニール・エチレン共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸共重合体の金属塩などを使用できる。中でも、融点が
85〜135℃のヒートシール性樹脂が好ましく使用で
きる。
【0050】以上のように、樹脂製フィルム(もしくは
シート)からなる透明樹脂層11aの裏面に印刷層11
bを配置したラベル11(図8参照)を用いることによ
り、印刷が汚れにくく、いつまでも美麗であるラベル付
き発泡樹脂製品を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】請求項の発明に係るラベル付き発泡樹
脂製品の製造方法は、以上のように、雌型のキャビティ
ー内面とラベルとの間に水または水溶液を介在させて、
該ラベルをキャビティー内面に仮固定した後、キャビテ
ィーに予備発泡粒子を充填して加熱発泡成形することに
より、発泡樹脂製品にラベルを接着したラベル付き発泡
樹脂製品を製造する構成である。
【0052】これによれば、脱気通路を使用することな
くラベルを雌型のキャビティー内面に容易に、しかも、
隙間なく密着させることができる。これにより、予備発
泡粒子を充填しても、予備発泡粒子がラベルと雌型のキ
ャビティー内面との間に入り込まなくなる。この状態で
加熱発泡成形し、発泡樹脂製品にラベルを接着したラベ
ル付き発泡樹脂製品を製造しているので、脱気通路にラ
ベルが吸引されることで形成されるラベルの凹みがなく
なり、加えてラベルと発泡樹脂製品との間に気泡がな
く、ラベルにしわもできない。つまり、ラベルは、発泡
樹脂製品の表面から出っ張らず、美麗であり、かつ、剥
がれにくくなる。さらに、ラベルの仮固定に水または水
溶液を使用しているので、発泡樹脂製品にほとんど悪影
響がないだけでなく、ラベルを仮固定するための脱気通
路を雌型に設ける必要がない。これにより、細かい文字
の表示、階調の変化をスムースに表現した鮮明な表示、
多色重ね合わせ印刷等による表示を印刷したラベルを有
する容器等の発泡樹脂製品を容易に製造することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、擬似コア
の正面図である。(a)は、細長い溝形状の空気孔を有
する擬似コアを示しており、(b)は、円形状の空気孔
を有する擬似コアを示している。
【図2】擬似コアの構造を示す縦断面図である。
【図3】図2の擬似コアでラベルを雌型のキャビティー
内面に仮固定する様子を示す部分断面図である。
【図4】ラベルがキャビティー内面に仮固定された雌型
を示す部分断面図である。
【図5】ラベル付き発泡ビーズカップの製造装置の概略
の構成を示す部分断面図である。
【図6】図5の装置で製造されたラベル付き発泡ビーズ
カップを示す縦断面図である。
【図7】側面中央部にラベルを設けた発泡ビーズカップ
を示す部分縦断面を含む正面図である。
【図8】本発明に係るラベル付き発泡ビーズカップにお
けるラベルの構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 雌型 1a 蒸気室 2 コア型(雄型) 2a 蒸気室 3 キャビティー部 4 固定盤 5 移動盤 6 ラム 10 擬似コア(擬似雄型) 10b 空気孔 10c 空気室 11 ラベル 11a 透明樹脂層 11b 印刷層
フロントページの続き (72)発明者 辻田 昭夫 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (56)参考文献 実開 平4−79630(JP,U) 特公 昭47−26099(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 44/00 - 44/60,67/20,31/00 - 33/76

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雄型と雌型とからなる成形型を使用してラ
    ベル付きの発泡樹脂製品を製造する方法において、 雌型のキャビティー内面とラベルとの間に水または水溶
    液を介在させて該ラベルをキャビティー内面に仮固定し
    た後、キャビティーに予備発泡粒子を充填して加熱発泡
    成形することにより、発泡樹脂製品にラベルを接着した
    ラベル付き発泡樹脂製品を製造することを特徴とするラ
    ベル付き発泡樹脂製品の製造方法。
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