JP2853275B2 - 液晶光学素子、その製造方法、及び投射型表示装置 - Google Patents

液晶光学素子、その製造方法、及び投射型表示装置

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JP2853275B2
JP2853275B2 JP2147346A JP14734690A JP2853275B2 JP 2853275 B2 JP2853275 B2 JP 2853275B2 JP 2147346 A JP2147346 A JP 2147346A JP 14734690 A JP14734690 A JP 14734690A JP 2853275 B2 JP2853275 B2 JP 2853275B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は透過散乱型の液晶光学素子及びその製造方法
及びそれを用いた投射型表示装置に関するものである。
[従来の技術] 近年、光散乱を動作原理とする液晶光学素子が再び注
目を集めてきている。
英国特許1442360号には液晶とガラス球を用いて屈折
率の一致不一致により透過−散乱を制御する液晶光学素
子が示されており、特表昭58−501631号にはポリビニル
アルコールを使ってマイクロカプセル化したネマチック
液晶を用いて屈折率を一致不一致により透過−散乱を制
御する液晶光学素子が示されている。このほか、透過−
散乱の動作原理を同様に用いた素子の製造方法が公知例
に示されている。例えば、特開昭60−252687号において
は種々のラテックス取り込み液晶により、特表昭61−50
2128号においてはエポキシ樹脂中に液晶を分散硬化させ
る方法により作成されている。
[発明が解決しようとする課題] この液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された透過
−散乱型液晶光学素子は、理論的には電圧非印加時に透
過状態とすることも散乱状態とすることも可能である
が、実用上は電圧非印加時に散乱状態になるものしか高
性能の素子が得られていない。
このため、散乱状態の背景に透過状態の表示ではな
く、透過状態の背景に散乱状態の表示が望まれていたに
もかかわらず、この要求に応じることができなかった。
本発明者らは、これを改善するために、背景部分にも
電極を形成し、背景部分の硬化時に表示用の電極と背景
用の電極の全電極と、それに対向する電極間に電圧を印
加しつつ硬化させることにより、背景部分をほぼ透過状
態とした液晶光学素子を製造することを提案している。
しかし、この素子においても、表示用の電極がパター
ニングされている関係上、電極の絶縁間隙が十〜数十μ
mあり、この部分が硬化中に電圧が印加できなく、その
まま散乱状態で硬化されてしまうことになる。このた
め、パターンや液晶光学素子の大きさ等によっては、こ
の線間の散乱部分が目立ってしまい見栄えを低下させる
ことがある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであ
り、得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶物質の常
光屈折率と一致するように選ばれた光硬化性化合物及び
液晶物質の混合物を一対の電極付基板間に保持し、光硬
化性化合物を硬化させて液晶物質と硬化物との相分離を
固定化した液晶光学素子の製造方法において、一対の電
極付基板の少なくとも一方に、複数の表示用の電極と、
背景部分に特定の配向を形成せしめるための背景用の電
極とを絶縁層を介して積層した2層電極を設け、表示用
パターンの部分に該当する基板上に遮光膜を配置し、少
なくとも背景用の電極とそれに対向する電極との間に電
圧を印加しつつ、遮光膜を配置した側から光を照射して
光硬化性化合物を硬化させ、背景部分に電圧の印加状態
によらず透過状態となるような配向を生じせしめ、次い
で電圧印加をしない状態で遮光膜を除去して光を照射す
るか遮光膜を配置していない側から光を照射して光硬化
性化合物を硬化させて、電圧の印加状態によって透過−
散乱を制御可能な表示用パターンを形成することを特徴
とする液晶光学素子の製造方法、及び、その光硬化性化
合物を硬化させる際に、表示用パターンの部分に該当す
る基板上に遮光膜を配置する代わりに、表示用パターン
の部分に該当しない基板上に遮光膜を配置し、遮光膜を
配置した側から光を照射して光硬化性化合物を硬化さ
せ、電圧の印加状態によって透過−散乱を制御可能な表
示用パターンを形成し、次いで少なくとも背景用の電極
とそれに対向する電極との間に電圧を印加しつつ、遮光
膜を除去して光を照射するか遮光膜を配置していない側
から光を照射して光硬化性化合物を硬化させて、電圧の
印加状態によらず透過状態となるような配向を生じせし
めることを特徴とする液晶光学素子の製造方法、及び、
それらの表示用の電極が、表示用パターンとほぼ同一の
パターンの画素電極とそのリード電極とからなり、背景
用の電極が全面ベタ電極であることを特徴とする液晶光
学素子の製造方法、及び、それらの製造方法により製造
された液晶光学素子、及び、その表示用パターンのほぼ
全周囲が電圧の印加状態によらず透過状態とされ、表示
したい画素パターン以外の画素パターンの電極間に電圧
を印加することを特徴とする液晶光学素子、及び、その
液晶光学素子と光源と投射スクリーンとを有し、光源か
らの光を液晶光学素子で制御して、液晶光学素子の透過
部分が明るく、散乱部分が暗く表示されることを特徴と
する投射型表示装置を提供するものである。
本発明の素子は、液晶と光硬化性化合物を用いて、光
硬化過程を経ることにより、液晶と硬化物とを相分離に
より固定化させ、硬化物のマトリックス中に液晶物質が
散在した構造となるので、液晶と硬化物の分布が一様と
なり、外観品位、生産性に優れている。
本発明では、電圧を印加している状態での液晶物質の
屈折率が、硬化させられた硬化物の屈折率と一致するよ
うにされる。即ち、液晶物質の常光屈折率(no)が硬化
させられた硬化物の屈折率と一致するようにされる。こ
れにより、電圧印加状態で、得られた硬化物の屈折率と
液晶物質の屈折率とが一致し光が透過し、電圧非印加状
態で一致しなく光が散乱(白濁)することになる。
このような素子は、電圧印加時に屈折率が一致するよ
うにすればよいので、電圧印加時の透過率が高くでき、
ムラが生じにくいので、見栄えの良い素子が容易に得ら
れる。
本発明では、この硬化工程の際に遮光膜を用いて、電
圧を印加した状態で硬化させることにより、背景の部分
に特定の配向が形成される。通常、しきい値電圧以上の
電圧を印加した状態で硬化させることにより、その部分
が常に光透過状態となる。
まず、本発明では、少なくとも一方の電極付基板に複
数の表示用の電極と、少なくとも背景部分に特定の配向
を形成せしめるための背景用の電極とを絶縁層を介して
積層した2層電極とを設ける。
第1図及び第2図は、本発明の液晶光学素子の製造時
の状態を示した断面図である。
第1図は、表示用パターンの部分に該当する基板上に
遮光膜を配置して光硬化させる例を示しており、第2図
は、表示用パターン以外の部分に該当する基板上に遮光
膜を配置して光硬化させる例を示している。
第1図及び第2図において、1、2は基板、3Aは表示
用の電極、3Bは背景用の電極、4は表示用の電極3Aと背
景用の電極3Bとの間の絶縁層、5はそれらに対向する電
極、6は液晶が硬化物マトリクスに分散保持された液晶
分散層、7は表示用パターンの部分に該当する基板上に
形成された遮光膜、8は表示用パターン以外の部分に該
当する基板上に形成された遮光膜を示している この基板1、2は、ガラス、プラスチック等の基板で
あり、少なくとも一方の基板は透明とされる。電極3A、
3B、5は通常ITO(In2O3−SnO2)、SnO2等の透明電極と
される。なお、裏側の基板が不透明である場合には、裏
側の電極は不透明な電極であってもよい。
遮光膜は、着色インクの印刷によって形成してもよい
し、着色膜を形成し不必要な部分を除去して形成しても
よいし、開口部を有する着色フィルムや金属板、特定の
パターンに遮光層を形成した透明板等を積層配置しても
よい。なお、この着色は光硬化時に照射する光を遮光で
きるものであればよい。
この遮光膜を配置する面は、上記の例のように表示用
の電極がパターニングされた側の基板に限られなく、反
対側の基板に設けてもよい。
もっとも、位置合わせの点からは表示用の電極がパタ
ーニングされた側の基板に遮光膜を配置する方が生産性
上容易である。
第3図は、本発明の液晶光学素子を7セグメントの日
の字パターンで表示する例の電極のパターン例を示す平
面図である。
第3図において、11A、11B、11C、11D、11E、11F、11
Gは表示用の画素電極のパターン、12A、12B、12C、12
D、12E、12F、12Gは画素電極を外部に取り出すためのリ
ード電極のパターンであり、この両者で表示用の電極を
構成している。
一方、背景用の電極は、少なくともこの表示用の電極
のパターンの存在しない部分には形成される必要があ
る。この場合には、背景部分の硬化時には表示用の電極
と背景用の電極の両方の電極と、それに対向する電極と
の間に電圧を印加して硬化させる必要がある。
また、背景用の電極は、背景部分のみ、即ち、表示用
の画素電極のパターン11A、11B、11C、11D、11E、11F、
11Gのない部分にのみ形成してもよい。この場合には、
背景部分の硬化時には背景用の電極とそれに対向する電
極との間に電圧を印加して硬化させればよいことにな
る。位置合わせ等を考慮すれば、表示用の画素電極のパ
ターンの内側部分にまで背景用の電極を設けておくこと
が好ましくなる。
特には、背景用の電極を単純に全面ベタの電極として
おくことにより、製造も容易であり、かつ、少々位置合
わせずれが生じても、あまり見栄えが低下しない。
本発明では、表示パターンは遮光膜で決定されるの
で、表示用の電極は表示パターンと同じにする必要はな
く、少なくとも表示パターンの部分に電圧が印加できる
ようにパターニングしておけばよい。
第1図の場合には、表示用パターンの部分に該当する
基板上に遮光膜7を配置し、少なくとも背景部分の電極
間に電圧を印加しつつ、遮光膜を配置した側から光を照
射して光硬化性化合物を硬化をさせ、電圧の印加状態に
よらず透過状態となるような配向を生じせしめる。
この例では、背景用の電極3Bが全面に形成されている
ので、背景用の電極5とそれに対向する電極間に電圧を
印加すればよい。
次いで、電圧印加をしない状態で遮光膜を除去して光
を照射するか遮光膜を配置していない側から光を照射し
て光硬化性化合物を硬化をさせる。
これにより、遮光膜を形成した部分では、電圧の印加
状態によって透過−散乱を制御可能な表示用パターンを
形成することができ、その他の背景部分は電圧の印加状
態によらずに透過状態となる。本発明によれば、表示用
パターン以外の部分は、表示用電極が存在しない部分も
全て透過状態とすることができ、見栄えがよい。
なお、この場合、遮光膜を画素電極のパターンよりも
やや小さくしておくことにより、遮光膜のパターンと電
極のパターンの位置合わせが少々ずれても問題にならな
くなり、生産性が良い。
第2図の場合には、表示用パターンの部分に該当しな
い基板上に遮光膜8を配置し、遮光膜を配置した側から
光を照射して光硬化性化合物を硬化させ、電圧の印加状
態によって透過−散乱を制御可能な表示用パターンを形
成する。
次いで、少なくとも背景部分の電極間に電圧を印加し
つつ、遮光膜を配置した側から光を照射して光硬化性化
合物を硬化させ、電圧の印加状態によらず透過状態とな
るような配向を生じせしめる。
この例では、背景用の電極3Bが全面に形成されている
ので、背景用の電極5とそれに対向する電極間に電圧を
印加すればよい。
これにより、遮光膜を形成しない部分では、電圧の印
加状態によって透過−散乱を制御可能な表示用パターン
を形成することができ、その他の背景部分は電圧の印加
状態によらずに透過状態となる。
これらのいずれの場合においても、背景部分を全て透
過状態にせずに、部分的には文字や図形を散乱状態で残
すために、遮光膜を余分に形成したり、一部削ってもよ
い。具体的には、例えば温度計に用いる場合には、
「℃」の文字を日の字表示の背景部に散乱状態で固定表
示したり、バーグラフの周囲を枠状に散乱状態で固定表
示したりすることができる。
また、その際に、低めの電圧を印加した状態で硬化さ
せた部分や、電圧は印加したが短時間であった部分は、
ある程度光が透過して、かつ電圧の印加により光の透過
率が変化するようになる。これにより、中間調の部分を
形成することができる。
また、遮光膜の光の透過率が異なる膜を用いて、部分
的に中間調の部分を形成することもできる。例えば、第
1図の例で、背景用電極の上にも一部に薄い遮光膜を設
け、光照射時に遮光膜のない部分では光硬化性化合物が
ほぼ硬化を完了するが、その薄い遮光膜の下では完全に
は光硬化性化合物が硬化しない程度とし、遮光膜を全て
除去して後に際照射して、本来の遮光膜7の下の部分を
硬化させるとともに、薄い遮光膜の下の半硬化している
部分も硬化を完了させる。これにより、背景部分は完全
に透過の部分の一部に、薄い遮光膜を配置したパターン
で薄く散乱した部分が生じる。本来の遮光膜の一部を薄
くしておくことにより、表示用パターン部分にも中間調
の部分を形成することもできる。第2図の例の場合に
も、逆の操作をすることにより、同様の素子を製造でき
る。
上記の説明では、一方の基板に表示用の電極と背景用
の電極とを設け、他方の電極は全面ベタ電極としている
が、他方の電極も2層化してもよい。
本発明においては、光硬化性化合物と液晶物質との系
により、印加電圧に対する配向形成に差があるため、形
成したい配向状態により、印加電圧は実験的に定めるこ
とが好ましい。
なお、本発明ではこの硬化物の屈折率と、使用する液
晶物質の常光屈折率とを一致させるものであり、この一
致とは完全に一致させることが好ましいものである。も
っとも、硬化物として有機物を用いる場合には、透過状
態に悪影響を与えない程度に、ほぼ一致するようにして
おけば良い。これは、液晶物質により有機物の硬化物が
膨潤して、硬化物が本来持っていた屈折率よりも液晶物
質の屈折率に近ずくため、わずかに差があっても、光は
ほぼ透過するようになる。
本発明で使用される光硬化性化合物は、赤外線、可視
光線、紫外線、電子線によって硬化する化合物であれば
よい。その光の作用も、硬化を促進するものであれば何
でもよく、光子、電子、熱のいずれによってでもよい。
本発明では、これら光硬化性ビニル系化合物の使用が
好ましい。中でも、アクリロイル系化合物を使用するこ
とが、光照射後の液晶と硬化物の相分離状態及びその均
一性にすぐれていること、また光照射による硬化速度が
速く硬化物が安定であることから好ましい。尚ここでい
うアクリロイル系化合物のアクリロイル基は、α位、β
位の水素がフェニル基、アルキル基、ハロゲン原子、シ
アノ基等で置換されていてもよい。
本発明では、これらの光硬化性ビニル系化合物の内、
光照射によって重合硬化するもの、特に重合高分子化す
るオリゴマーを含有するものが好ましい。
具体的には、光硬化性ビニル系化合物としてビニル基
を2個以上含有するアクリルオリゴマーを15〜70wt%含
有することが好ましく、光硬化後の硬化に伴う収縮が少
なく、液晶光学素子に微小なクラックが発生しにくく、
成形性が良好となる。この場合、残りの部分は、ビニル
系のモノマーが使用できる。特に、アクリル系のモノマ
ーがアクリルオリゴマーと相性が良く好ましい。
この光硬化性化合物は、単独もしくは複数混合で用い
てもよく、素子作成に必要な改質剤、作成した素子の改
質剤などを含んでいてもよい。具体的には、架橋剤、界
面活性剤、希釈剤、増粘剤、消泡剤、接着性付与剤、安
定剤、吸収剤、色素、重合促進剤、連鎖移動剤、重合禁
止剤などを含んでいてよい。
本発明で使用される液晶物質は、ネマチック液晶物
質、スメクチック液晶物質等があり、単独で用いても組
成物を用いても良いが、動作温度範囲、動作電圧など種
々の要求性能を満たすには組成物を用いた方が有利とい
える。特に、ネマチック液晶の使用が好ましい。さらに
多色性色素を併用してもよい。
また、使用される液晶物質は、光硬化性化合物に均一
に溶解することが好ましく、硬化後の硬化物とは、溶解
しない、もしくは困難なものが必要であり、組成物を用
いる場合は、個々の液晶物質の溶解度ができるだけ近い
ものが望ましい。
本発明の組成を製造する際、光硬化性化合物と液晶物
質とは5:95〜75:25程度の混合物とすればよく、液状な
いしは粘稠物として使用されればよい。
基板間ギャップは、5〜100μmにて動作することが
できるが、印加電圧、オン・オフ時のコントラストを配
慮すれば、7〜40μmに設定することが適当である。こ
のようにして、基板に保持した混合物を、光照射等によ
り、液晶物質と硬化物との相分離状態で固定化する。
液晶物質の常光屈折率と硬化物の屈折率とが一致する
ように選ばれた場合には、硬化後は、硬化物の屈折率と
液晶物質の屈折率が一致していなく、液晶物質と硬化物
による屈折率散乱のため白濁状態となる。この素子は、
電圧を印加することにより、液晶物質の分子長軸が電界
方向に平行に配列し、硬化物の屈折率と液晶物質の屈折
率が一致するため透過状態となる。
本発明では、この光硬化の際に遮光膜と電圧印加によ
り、背景部分を透過状態とする。これにより、透過状態
の背景に表示パターン部分が散乱状態となっている。
例えば、第3図の例では、透過状態の背景に「日」が
散乱状態で表示されることになる。
この状態で、表示したい画素パターン以外の画素パタ
ーンの電極間に電圧を印加することにより、透過状態の
背景に所望の数字が散乱状態で表示される。
上記例では、「7」を表示したければ、通常の駆動で
はABC(11A、11B、11C)の画素パターンに電圧を印加す
るが、本発明ではDEFG(11D、11E、11F、11G)の画素パ
ターンに電圧を印加すればよい。これにより、DEFGの画
素パターンが透過状態となり、ABCの画素パターンが散
乱状態となり、透過状態の背景にABCの画素パターンが
散乱状態で、「7」が白濁して表示されることになる。
これは、このまま背後に黒色等の濃色の板を配置する
等して反射型で用いれば、黒地に白の表示になる。ま
た、背後に照明を設けて散乱光のみが観察者に見えるよ
うにしても、黒地に白の表示になる。
また、この液晶光学素子と投射型表示装置を組み合わ
せて用いることにより、投射スクリーン上では透過部分
が明るく見え、散乱部分は暗く見えるので、俗に言うポ
ジ型表示が可能になる。
より、具体的には、第4図に示すように、光源21から
の光を集光手段としての鏡22、レンズ23等を適宜用いて
平行光線化し、液晶光学素子24に入射させ、その透過光
を投射光学系であるレンズ25を通して投射スクリーン26
に投射するようにする。この際、余分な散乱光をカット
するためのアパーチャーやスポット27をレンズ25と投射
スクリーン26との間に設けることが好ましい。
観察者は、この投射スクリーンを前面(図の左側)か
らまたは背面(図の右側)から見ればよい。
なお、集光手段や投射光学系は、上記例に限定されな
く、通常の投射型表示装置に使用できる鏡、レンズ、光
ファイバー、導光手段等を適当組み合わせて用いてもよ
い。
もちろん、この場合にカラー光源、カラーフィルタ
ー、ダイクロイックミラーを用いてカラー化したり、複
数の液晶光学素子を用いてマルチカラー化したりしても
よい。
本発明では、液晶物質と光硬化性化合物との混合物
を、一方の電極付基板上に流し込みもしくは塗布した
後、他方の電極付基板を積層し、光硬化性化合物を硬化
させてもよいし、予め2枚の電極付基板を相対向させて
周辺をシールし、セルを形成し、このセルに注入し、光
硬化性化合物を硬化させるようにしてもよい。
このような液晶物質と光硬化性化合物のマトリクスに
よる液晶層を使用することにより、大面積にしても、上
下の透明電極が短絡する危険性が低く、かつ、通常のツ
イストネマチック型の表示素子のように配向や基板間隙
を厳密に制御する必要もなく、液晶光学素子を極めて生
産性良く製造できる。
なお、光の透過状態のムラを少なくするためには、基
板間隙はある程度一定である方がよいので、ガラス粒
子、プラスチック粒子、セラミック粒子等の間隙制御用
のスペーサーを基板間隙に配置する方が好ましい。
このような液晶光学素子は、通常の液晶表示素子のよ
うな小型の表示素子や光シャッター素子としても、スコ
アボード、交通標識、広告体等の大面積の表示素子や、
窓、鏡、ショーウインドウ、ショウケース、家具、電気
製品用等の調光体としても使用可能である。
基板が薄いガラスやプラスチックの場合にさらに保護
のためにプラスチックやガラス等の保護板を積層した
り、基板を強化ガラス、合せガラス、線入ガラス等にし
てもよい等種々の応用が可能である。
この液晶光学素子を駆動するための駆動手段として
は、通常数〜100Vで10〜1000Hz程度の交流電圧を印加す
ることができるものが使用される。光硬化させる際に印
加する電圧は、ほぼ完全に透過状態にしたい場合には、
それよりもやや高い電圧を印加しつつ硬化すればよい。
もっとも、中間調を形成したい場合には中間程度の電圧
を印加することもある。
また、電圧を印加しない時には、電極間をオープンに
するか短絡すればよい。
また、カラーフィルターを併用したり、液晶中に二色
性色素を混入したりしてカラー化したり、他のディスプ
レーであるTN液晶表示素子、エレクトロクロミック表示
素子、エレクトロルミネッセンス表示素子等と積層して
使用してもよく、種々の応用が可能である。
[実施例] 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1 n−ブチルアクリレート1部、2−ヒドロキシエチル
アクリレート1部及びアクリルオリゴマー(東亜合成化
学(株)製「M−1200」)4部、光硬化開始剤としてメ
ルク社製「ダロキュアー1116」を0.6部に液晶(BDH社製
「E−8」)を12部を均一に溶解し、25μmのセルギャ
ップをもったITO付ガラス基板セルに注入し、注入孔を
封止した。
このITO付ガラス基板セルは、一方の基板では基板上
に第1図に示すように全面ベタの背景用の電極が形成さ
れ、SiO2絶縁層を介して第3図のように日の字型の表示
用の電極がパターニングされた基板を用い、他方の基板
の電極は全面ベタ電極とした。
次いで、第1図のようにその表示用のパターンの形状
を有する遮光膜(透明板の下面に遮光膜を表示用のパタ
ーンの形状でパターニングした板)を、基板上に表示用
のパターンに合わせて配置した。
背景用の電極とそれに対向した電極(この例では両方
ともベタ電極であるので、全面に相当することになる)
間に50Hz、40Vの交流電圧を印加しつつ、紫外線照射装
置により、約60秒光照射した。その後、遮光膜を除去
し、電圧を印加せずに、紫外線照射装置により、再度約
60秒光照射した。
これにより、日の字部分を除く背景部分が完全に透過
状態で、日の字部分が散乱により白濁した液晶光学素子
が得られた。この背景部分は完全に透過状態となった。
比較例として、1層の電極で表示用の電極と背景用の
電極とをパターニングした基板を用いたセルを形成し
た。具体的には、第3図の表示用の電極とその周囲に絶
縁間隙として30μmの間隙開けて背景用の電極を1層で
形成した基板を用いた。
この比較例のセルを同様にして光照射したものは、絶
縁間隙の部分が細い散乱状態の部分となった。本発明の
上記実施例のセルは、このような部分を生じないので、
見栄えが極めて良いものであった。
この素子の表示用の電極とそれに対向する電極との間
にAC50V(50Hz)の交流電圧を印加したところ、電圧印
加部分が透過状態となった。
「1」を表示する場合には、「1」に対応する画素
(BC)以外の画素(ADEFG)に電圧を印加すればよかっ
た。
この液晶光学素子を、第4図のような投射型表示装置
に組み込んで使用したところ、前面投射型でも背面投射
型でも使用でき、明るい背景に数字が黒く表示(ポジ型
表示)できた。
実施例2 実施例1の遮光膜を、第2図のようにその表示用のパ
ターンに開口を有する遮光膜(透明板の下面に遮光層を
表示用のパターン以外の形状でパターニングした板)
を、基板上に表示用のパターンに合わせて配置した。
電圧を印加せずに、紫外線照射装置により、約60秒光
照射した。次いで、遮光膜を除去し、全ての対向した電
極間に50Hz、40Vの交流電圧を印加しつつ、紫外線照射
装置により、再度約60秒光照射した。
これにより、実施例1と同様の液晶光学素子及び投射
型表示装置が得られた。
実施例3 バーグラフパターンにパターニングした表示用の電極
と、全面ベタの背景用の電極を絶縁層を介して形成し
て、セルを形成し、実施例1と同様にして注入をした。
その上に遮光膜(バーグラフパターンに対応するパタ
ーンの遮光層、背景部にその目盛りを固定表示するため
の遮光層、背景部にそれらを囲む枠を固定表示するため
の薄い遮光層を有する透明板)を配置した。
これを実施例1と同様にして、硬化させたところ、透
明な背景に薄く白濁した枠及び白濁した目盛りを有する
白濁したバーグラフが表示された液晶光学素子が得られ
た。
このバーグラフ部分は電圧を印加することにより、透
過状態となり、透過状態の背景に白濁したバーグラフ表
示が得られた。これは、投射型表示装置としても同様に
機能した。
実施例4、5 実施例1及び2の遮光膜を印刷法により、基板上に形
成した外は、実施例1または2と同様にして液晶光学素
子を形成した。
これにより、実施例1と同様の液晶光学素子及び投射
型表示装置が得られた。
実施例6、7 実施例1及び2の表示用の電極パターンを表示パター
ンよりも大きく形成した外は、実施例1または2と同様
にして液晶光学素子を形成した。
表示用のパターンが遮光膜のパターンで決定されるた
め、実施例1と同様の液晶光学素子及び投射型表示装置
が得られた。
さらに、表示用の電極のパターンと遮光膜の位置ずれ
が少々あっても、目立たなく、生産性が良いものであっ
た。
実施例8、9 実施例1及び2の背景用の電極をベタ電極とせずに、
表示用のパターン以外の部分は覆うようにパターニング
して、実施例1または2と同様にして液晶光学素子を形
成した。
これによっても、実施例1と同様の液晶光学素子及び
投射型表示装置が得られた。しかし、背景用の電極のパ
ターニングの手間がかかり生産性は低下した。
実施例10 着色硬化として、ベストキュア161(東華色素化学工
業(株)を1.5部加えて分散させた以外は、実施例1と
同様にして素子を作製した。
実施例1の白濁部分が着色白濁した状態となった点を
除き、実施例1と同様の効果が得られた。
[発明の効果] 以上の如く、本発明は、新規な液晶光学素子及びその
製造方法及びそれを用いた投射型表示装置を提供するも
のであり、従来と同様の液晶物質及びその常光屈折率と
硬化物の屈折率がほぼ等しい光硬化性化合物とを用い、
従来とは逆の背景部分を透過状態とした見栄えの良い白
濁表示が得られる。
本発明では、電極の線間の部分が散乱状態として残ら
ないので、背景部分を完全に透過状態にでき見栄えが良
い。さらに、使用時には背景部分の電極に電圧を印加す
る必要がないので、電気的接続及びその駆動も容易であ
る。
本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で
種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の液晶光学素子の製造工程中の断面図
である。 第2図は、本発明の液晶光学素子の他の例の製造工程中
の断面図である。 第3図は、本発明の液晶光学素子の電極のパターニング
例を示す平面図である。 第4図は、本発明の液晶光学素子を用いた投射型表示装
置の正面図である。 基板:1、2 電極:3A、3B、5 絶縁層:4 液晶分散層:6 遮光膜:7、8
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1333

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶
    物質の常光屈折率と一致するように選ばれた光硬化性化
    合物及び液晶物質の混合物を一対の電極付基板間に保持
    し、光硬化性化合物を硬化させて液晶物質と硬化物との
    相分離を固定化した液晶光学素子の製造方法において、
    一対の電極付基板の少なくとも一方に、複数の表示用の
    電極と、背景部分に特定の配向を形成せしめるための背
    景用の電極とを絶縁層を介して積層した2層電極を設
    け、表示用パターンの部分に該当する基板上に遮光膜を
    配置し、少なくとも背景用の電極とそれに対向する電極
    との間に電圧を印加しつつ、遮光膜を配置した側から光
    を照射して光硬化性化合物を硬化させ、背景部分に電圧
    の印加状態によらず透過状態となるような配向を生じせ
    しめ、次いで電圧印加をしない状態で遮光膜を除去して
    光を照射するか遮光膜を配置していない側から光を照射
    して光硬化性化合物を硬化させて、電圧の印加状態によ
    って透過−散乱を制御可能な表示用パターンを形成する
    ことを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】光硬化性化合物を硬化させる際に、表示用
    パターンの部分に該当する基板上に遮光膜を配置する代
    わりに、表示用パターンの部分に該当しない基板上に遮
    光膜を配置し、遮光膜を配置した側から光を照射して光
    硬化性化合物を硬化させ、電圧の印加状態によって透過
    −散乱を制御可能な表示用パターンを形成し、次いで少
    なくとも背景用の電極とそれに対向する電極との間に電
    圧を印加しつつ、遮光膜を除去して光を照射するか遮光
    膜を配置していない側から光を照射して光硬化性化合物
    を硬化させて、電圧の印加状態によらず透過状態となる
    ような配向を生じせしめることを特徴とする請求項1記
    載の液晶光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】表示用の電極が、表示用パターンとほぼ同
    一のパターンの画素電極とそのリード電極とからなり、
    背景用の電極が全面ベタ電極であることを特徴とする請
    求項1または2記載の液晶光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の製造方法によ
    り製造された液晶光学素子であって、表示用パターンの
    ほぼ全周囲が電圧の印加状態によらず透過状態とされ、
    表示したい画素パターン以外の画素パターンの電極間に
    電圧を印加することを特徴とする液晶光学素子。
  5. 【請求項5】請求項1、2もしくは3記載の製造方法で
    製造された液晶光学素子または請求項4記載の液晶光学
    素子と光源と投射スクリーンとを有し、光源からの光を
    液晶光学素子で制御して、液晶光学素子の透過部分が明
    るく、散乱部分が暗く表示されることを特徴とする投射
    型表示装置。
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