JP2685042B2 - 面状調光素子の製造方法 - Google Patents

面状調光素子の製造方法

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JP2685042B2
JP2685042B2 JP6865296A JP6865296A JP2685042B2 JP 2685042 B2 JP2685042 B2 JP 2685042B2 JP 6865296 A JP6865296 A JP 6865296A JP 6865296 A JP6865296 A JP 6865296A JP 2685042 B2 JP2685042 B2 JP 2685042B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電界によって透明
状態と散乱状態とを制御する面状調光素子の製造方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電界によって透明状態と散乱状態
とを制御する面状調光素子としては、誘電率異方性が負
の液晶のダイナミックスキャタリングモード(DSM)
によるものや、液晶とそのマトリックス媒体である高分
子との間のインデックスマッチングによるもの等が知ら
れている。この面状調光素子は、透明状態と散乱状態と
で調光するため、通常は透明と白濁との変化となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような面状調光素
子としては、ポリビニルアルコールと液晶とから液晶を
マイクロカプセル化したものが知られているが、マイク
ロカプセル化のためには、水の蒸発が必要になり、基板
間に挟んだ状態で硬化させることができず、基板間隙を
均一に保つことが困難であった。 【0004】また、ガラスビーズを液晶中に分散したも
のが知られているが、やはり基板間隙を均一に保っての
製造がしずらいという問題点があった。さらに、樹脂の
多孔質マトリックス中に液晶を含浸することも考えられ
ていたが、製造に長時間を要するとか、液晶の含浸され
ていない空隙ができやすいという問題点があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、光硬化性化合物と液晶
の溶解物を形成し、光硬化性化合物を硬化させることに
より相分離を引き起こして硬化物のマトリックスの相と
液晶の相とを形成する面状調光素子の製造方法であっ
て、得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶の常光屈
折率(no )あるいは異常光屈折率(ne )のいずれか
と一致するように光硬化性化合物としてアクリロイル系
化合物を選択し、前記アクリロイル系化合物の少なくと
も一部として水酸基含有アクリロイル系モノマーを用
い、前記アクリロイル系化合物と液晶と光硬化開始剤と
を均一な溶解物とし、前記溶解物を一対の基板間に保持
し、光露光することより、前記アクリロイル系化合物を
重合硬化させて晶と硬化物との相分離を固定化する
ことにより、網目状マトリックスを形成し、この空隙
部に液晶封じ込め、電界によって透明状態と散乱状態
とを制御し得る構造を設けることを特徴とする面状調光
素子の製造方法を提供する。 【0006】図1は、本発明の用途の一例を示す断面図
であり、図2、図3、図4は、他の例を示す断面図であ
る。 【0007】図1、図2、図3、図4において、1、1
1、21、31は面状調光素子、2、12、22、32
は面状調光素子から間隔Lを置いて配置したカラーフィ
ルター、13、23、33は面状調光素子に隣接又は間
隔を置いて配置された第2のカラーフィルターを示して
いる。 【0008】本発明では、このカラーフィルター2、1
2、22、32は、観察者からみて裏側に間隔Lを置い
て配置されている。この間隔Lは、面状調光素子が散乱
状態の時に、表側からみてこのカラーフィルター2、1
2、22、32の色が透過状態の時に比して異なって認
識できる程度とされればよいが、その色がほとんど識別
できない程度とされることが好ましい。具体的には、1
cm以上離して配置されればよい。 【0009】このカラーフィルター、第2のカラーフィ
ルターは、面状のカラーフィルターであれば使用でき、
フィルム又はガラスを染色、印刷、蒸着等で着色したフ
ィルム又はガラス等が使用できる。 【0010】本発明の面状調光素子とは、電界の印加に
より光が透過状態と散乱状態とに変化する面状の素子で
あれば使用できる。この面状とは、一般には平面状であ
るが、用途によっては、曲面状であってもよいし、折れ
曲がっていてもよい。 【0011】図1の例では、カラーフィルターは1枚用
いるのみであり、観察者が図の右側から見るとした場合
に、観察者からみて、面状調光素子が散乱状態のときに
はほぼ白く見え、面状調光素子が透過状態の時にはカラ
ーフィルター2の色が見えることとなる。 【0012】図2と図3の例は、カラーフィルター1
2、22と第2のカラーフィルター13、23を併用し
た例であり、図2では第2のカラーフィルター13が面
状調光素子11の裏面側にほぼ密着して配置され、図3
では第2のカラーフィルター23が面状調光素子21の
表面側にほぼ密着して配置されたところを示している。 【0013】この図2の例では、観察者が図の右側から
見るとした場合に、観察者からみて、面状調光素子が散
乱状態の時には裏面側にほぼ密着して配置された第2の
カラーフィルター13の色が白っぽく見え、面状調光素
子が透過状態の時にはカラーフィルター12と第2のカ
ラーフィルター13との混色が見えることとなる。 【0014】この第2のカラーフィルター13の位置
は、図2の例の場合には、カラーフィルター12よりも
面状調光素子11に近い位置に配置されればよい。もっ
とも、第2のカラーフィルター13を面状調光素子11
に密着するように配置すれば、透過散乱の切替により色
の変化が大きくなるため好ましい。なお、散乱状態であ
る程度色をぼかしたい場合には第2のカラーフィルター
13を面状調光素子11からある程度離して配置すれば
よい。 【0015】また、図3の例では、観察者が図の右側か
ら見るとした場合に、観察者からみて、面状調光素子が
散乱状態のときには表面側にほぼ密着して配置された第
2のカラーフィルター23の色が見え、面状調光素子が
透過状態の時にはカラーフィルター22と第2のカラー
フィルター23との混色が見えることとなる。 【0016】この第2のカラーフィルター23の位置
は、図3の例の場合には、面状調光素子22のカラーフ
ィルター22とは反対側に配置されれば良く、密着して
いても、また、間隔を置いていてもよい。 【0017】この第2のカラーフィルター23と面状調
光素子21との間隔を、カラーフィルター22と面状調
光素子21とほぼ同じとした場合には、両面から異なっ
た色を観察することができる。この例を図4で説明す
る。 【0018】図4の例は、両側に観察者がいる場合に適
した例であり、第2のカラーフィルター33は面状調光
素子31のカラーフィルター32が配置された面と反対
側の面に間隔を置いて配置される。 【0019】この第2のカラーフィルター33と面状調
光素子31との間隔は、通常は面状調光素子31とカラ
ーフィルター32との間隔とほぼ同じとすればよい。も
っとも両カラーフィルターの色によっては散乱状態での
見え方が異なるため、異なる間隔とされる場合もある。 【0020】この場合には、観察者が図の右側から見る
とした場合に、観察者からみて、面状調光素子が散乱状
態のときには右側に間隔を置いて配置された第2のカラ
ーフィルター33の色が見える。 【0021】面状調光素子が透過状態のときにはカラー
フィルター32と第2のカラーフィルター33との混色
が見えることとなり、観察者が図の左側から見るとした
場合に、観察者からみて、面状調光素子が散乱状態の時
には左側に間隔を置いて配置されたカラーフィルター3
2の色が見え、面状調光素子が透過状態の時にはカラー
フィルター32と第2のカラーフィルター33との混色
が見えることとなる。 【0022】なお、この第2のカラーフィルターが面状
調光素子に密着して用いられる場合には、面状調光素子
の基板を兼用していてもよい。 【0023】本発明の面状調光素子とは、前述の如く電
界の印加により光が透過状態と散乱状態とに変化する面
状の素子であり、網目状の樹脂の多孔質マトリックスの
空隙部に液晶が封じ込められた構造である。 【0024】具体的には、得られる硬化物の屈折率が、
使用する液晶の常光屈折率(no )あるいは異常光屈折
率(ne )のいずれかと一致するように選ばれたアクリ
ロイル系化合物、光硬化開始剤及び液晶を含む溶解物を
一対の基板間に保持し、光露光することより、光硬化
合物を硬化させて液晶と硬化物との相分離を固定化し
、網目状マトリックスを形成し、この空隙部に液晶
が封じ込められた構造の面状調光素子である。 【0025】本発明に使用される硬化性化合物とし
て、アクリロイル系化合物を使用する。この光硬化性と
は、赤外線、可視光線、紫外線、電子線によって硬化す
る性質を意味する。その光の作用も、硬化を促進するも
のであれば何でもよく、光子、電子のいずれによってで
もよい。 【0026】したがって、光硬化性化合物は、ビニル重
合、付加重合、縮合重合、カチオン重合、アニオン重
合、リビング重合等何れであってもよいが、水分、腐食
性物質等の液晶を劣化させるおそれのある物質を発生す
る縮合重合は一般的にみて好ましくない。本発明ではア
クリロイル系化合物を採用し、光重合硬化を用いる。 【0027】本発明では、少なくとも一部に水酸基含有
モノマーである水酸基含有アクリロイル系モノマーを用
い、さらに、光硬化開始剤を併用して、その硬化速度を
速める。また、ラジカル種により光硬化可能なアクリロ
イル系化合物を採用するので、外観品位、信頼性に優れ
た素子を作成できる。 【0028】他の光硬化性化合物としては、光照射によ
って、光二量化するものと重合高分子化するものに分け
られる。前者はビニル基の中でも、シンナモイル基やシ
ンナミリデン基をもつものが多く、例えばポリケイ皮酸
ビニル、ポリシンナミリデン酢酸ビニル、フェニレンジ
アクリル酸エステルなどが例示される。 【0029】重合硬化する光硬化性化合物とは、モノマ
ーやオリゴマーが光により活性化されて、相互にあるい
は他のポリマーやオリゴマー、モノマーと重合硬化する
ものであり、ビニル基の中でもアリル系、スピラン系、
ビニルベンゼン系のモノマー、オリゴマー、ポリマーな
どがあげられる。 【0030】そして、アクリロイル系化合物としては、
アルキルアクリレート、ヒドロキシアクリレート、N−
置換アクリルアミド、ポリオールアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ
アクリレート、シリコーンアクリレート、フロロアルキ
ルアクリレート、ポリブタジエン骨格を有するポリアク
リレート、イソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレー
ト、ヒダントイン骨格を有するアクリレートなどに代表
される単官能及び多官能のアクリロイル基を有する化合
物が例示される。 【0031】本発明では、これらの光硬化性のアクリロ
イル系化合物の少なくとも一部に、水酸基含有アクリロ
イル系化合物を使用する。これにより、光露光後の液晶
と硬化物の相分離状態及びその均一性に優れ、また、光
露光による硬化速度が速く硬化物が安定となる。水酸基
含有アクリロイル系化合物としては、2−ヒドロキシエ
チルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレー
トが好ましい。 【0032】なお、ここでいうアクリロイル系化合物の
アクリロイル基は、α位、β位の水素がフェニル基、ア
ルキル基、ハロゲン原子、シアノ基等で置換されていて
もよい。特に、アルキル基がメチル基であるメタクリロ
イル系化合物は耐光性が良いので好ましい。 【0033】また、光硬化性化合物の場合に使用される
光硬化開始剤は、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノ
ン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、アゾビス
系、過酸化物などが例示される。 【0034】 【0035】 【0036】本発明では、溶解物中にアクリロイル系化
合物を複数種類用いてもよく、特に、水酸基含有アクリ
ロイル系化合物と水酸基を有しないアクリロイル系化合
物を併用できる。さらに、素子作成に必要な改質剤、作
成した素子の改質剤などを含んでいてもよい。具体的に
は、架橋剤、界面活性剤、希釈剤、増粘剤、消泡剤、接
着性付与剤、安定剤、吸収剤、色素、重合促進剤、連鎖
移動剤、重合禁止剤などを含んでいてよい。 【0037】また、光硬化性化合物は、前述の要件を満
たした種々の材料の中から、液晶の屈折率、液晶との溶
解性を勘案して選択すればよい。 【0038】本発明で使用される液晶として、種々の液
晶物質が使用できるが、調光装置の使用温度において、
ネマチック相を示すものやスメクチックA相を示すもの
が反応性が速く好ましい。 【0039】また、これらの相が旋光性を示すものであ
ってもよい。また、その誘電異方性は正のものがDSM
効果等を生じないので、より高信頼性の素子が得られ好
ましい。 【0040】この液晶物質は、単独で用いても組成物を
用いてもよいが、動作温度範囲、動作電圧など種々の要
求性能を満たすには組成物を用いた方が有利といえる。 【0041】また、使用される液晶は、硬化性化合物
に均一に溶解し、光露光後の硬化物とは、溶解しない、
又は困難なものが必要であり、組成物を用いる場合は、
個々の液晶物質の溶解度ができるだけ近いものが望まし
い。さらに、これに2色性色素や単なる色素を添加して
もよい。 【0042】この素子を製造する際、調製する硬化性
化合物と液晶との混合物は液状であっても粘稠物であっ
ても均一に溶解していればよく、素子の製造方法によっ
て最適なものを選べばよい。たとえば、In23 −S
nO2 、SnO2 等の透明電極付のガラス基板が、相対
向するように配して周辺をシールしたセルには、液状で
注入した方が一般に便利であり、透明電極付のガラス、
プラスチック等の基板に塗布し、対向する基板を重ね合
わせようとする場合には、一般に粘稠状態の方が便利で
ある。 【0043】基板間ギャップは、5〜100μmにて動
作することができるが、印加電圧、オン・オフ時のコン
トラストを配慮すれば、10〜40μmに設定すること
が適当である。 【0044】この基板は、第2のカラーフィルターを密
着して用いる場合には、色の付いたカラーフィルター基
板としてカラーフィルターを兼用してもよい。 【0045】このようにして、基板に保持した混合物
を、光露光により、液晶と硬化物との相分離状態で固定
化する。光露光前には、基板に保持された内容物は均一
に溶解しているため無色透明であるが、得られた硬化物
の屈折率と使用した液晶の常光屈折率(no )とが一致
するように選定しておけば、光露後は一定方向に配列
していないネマチック液晶と硬化物による屈折率散乱の
ため白濁状態となる。 【0046】すなわち、この硬化により硬化物が網目状
にマトリックスを形成し、この空隙部に液晶が封じ込め
られた構造をとる。これにより、電圧を印加しない状態
で、液晶はマトリックスの硬化物の面に対して特定の配
向を取る。具体的には、正の誘電率異方性のネマチック
液晶を用いた場合には、液晶分子はほぼ網目状のマトリ
ックス硬化物の面に対して平行に配列する傾向がある。 【0047】このため、ある広い範囲で見れば液晶分子
は種々の方向を向いていることとなり、周囲のマトリッ
クスの硬化物の屈折率と、種々の方向を向いている液晶
の屈折率とが異なることにより、散乱を生じ、白濁して
みえることとなる。 【0048】ここで電圧を印加すると、液晶分子が基板
に垂直の方向に揃って配列し、周囲のマトリックスの硬
化物の屈折率と、一定の方向を向いている液晶の屈折率
とが一致することにより、光が透過することとなる。 【0049】この効果は、マトリックスの硬化物が網目
状で連通した空隙を形成するのでなく、夫々独立した空
隙を形成するようにされた場合でも同様である。 【0050】なお、この硬化の際に、この際特定の配向
を生じせしめたい部分のみに電圧を印加しつつ、光露
より硬化性化合物の硬化を行なうことにより、部分
的に特定の配向を生ぜしめて、その部分のみ電界の印加
状態にかかわらず常に透過状態とすることもできる 【0051】具体的には、特定の部分のパターンに対応
する電極を配置し、その間に電圧を印加しつつ、全体に
光を当てて硬化させたり、特定の部分を除く部分に遮光
性のマスクを形成し、少なくとも特定の部分に電圧を印
加しつつ、全体に光を当てて特定の部分のみを硬化さ
せ、次いで、遮光性のマスクを除去して残りの部分を硬
化させたり、レーザー等を走査しながら必要の部分には
電圧を印加して特定の部分にのみ特定の配向を形成させ
たりすればよい。 【0052】また、これらの方法を組み合わせたり、特
定の部分を除いた部分を先に硬化させるように工程を逆
転させてもよい。さらに、前述のごとく、硬化させる際
の電圧をしきい値電圧付近で段階的に変化させたり、光
の照射時間、硬化温度等を制御してして白濁度が低いが
電圧により透過率が変化する中間調の透過部分を形成し
てもよい。 【0053】この面状調光素子は、基板がプラスチック
や薄いガラスの場合にさらに保護のためにプラスチック
やガラスを積層したり、基板を強化ガラス、合せガラ
ス、線入ガラス等にしてもよい等種々の応用が可能であ
る。以下、実施例により本発明を具体的に説明する。 【0054】 【実施例】 (例1)面状調光素子を次のようにして製造した。n−
ブチルアクリレート1部及び2−ヒドロキシエチルアク
リレート5部に液晶(BDH社製E−8)を18部、光
硬化開始剤としてベンゾインイソプロピルエーテル0.
12部を均一に溶解し、25μmのセルギャップをもっ
た全面にIn23 −SnO2 (ITO)付のガラス基
板セルに注入した。 【0055】注入孔を封止した後、紫外線照射装置(東
芝:トスキュアー400)により、約60秒光露光し
た。図1に示すように、この面状調光素子の観察者から
みて裏の面から3cm離して緑色のポリエチレンテレフ
タレートフィルムを配置した。この調光装置の面状調光
素子に電圧を印加しないときには、面状調光素子は散乱
状態であり、観察者側からは薄い緑色に見えるが、50
V50Hzの交流電圧を印加したときには面状調光素子
は透明となり、鮮やかな緑色に見えた。 【0056】(例2)例1の面状調光素子を用い、図2
に示すように2枚のカラーフィルターを配置した。この
面状調光素子の観察者からみて裏の面から3cm離して
配置したカラーフィルターは青色とし、裏面に密着して
配置した第2のカラーフィルターは黄色とした。 【0057】この調光装置の面状調光素子に電圧を印加
しないときには、面状調光素子は散乱状態であり、観察
者側からは若干薄い黄色に見えるが、50V50Hzの
交流電圧を印加したときには面状調光素子は透明とな
り、2枚のカラーフィルターの混色の鮮やかな緑色に見
えた。 【0058】(例3)例2の第2のカラーフィルターを
観察者側に密着配置した外は、例2と同様にして調光装
置を得た。この調光装置の面状調光素子に電圧を印加し
ないときには、面状調光素子は散乱状態であり、観察者
側からはほぼ黄色に見えるが、50V50Hzの交流電
圧を印加したときには面状調光素子は透明となり、2枚
のカラーフィルターの混色の鮮やかな緑色に見えた。 【0059】(例4)例3の第2のカラーフィルターを
面状調光素子の観察者側の面から3cm離して配置した
外は、例3と同様にして調光装置を得た。この調光装置
の面状調光素子に電圧を印加しないときには、面状調光
素子は散乱状態であり、青色の第1のカラーフィルター
側の観察者側からはほぼ青色に見え、反対側の黄色の第
2のカラーフィルター側の観察者側からはほぼ黄色に見
えるが、50V50Hzの交流電圧を印加したときには
面状調光素子は透明となり、どちら側からも2枚のカラ
ーフィルターの混色の鮮やかな緑色に見えた。 【0060】(例5)例1でカラーフィルターを面状調
光素子に密着状態(0cm)、その裏面から0.5c
m、1cm、2cm、3cmと位置を変えて、観察者側
が明るい状態で、面状調光素子が散乱状態の場合のカラ
ーフィルターの見えやすさを測定した。 【0061】この結果、密着状態では色がやや白っぽく
なるがほとんどそのカラーフィルターの色が見えてしま
い、0.5cm離しても色が薄くなってくるが、かなり
見える状態であった。これに対し、1cm以上離した場
合には、色がほとんど見えない状態となった。 【0062】(例6)例1のITO付のガラス基板セル
を硬化させる際に、部分的に窓を空けた黒色のマスクを
その上に配置し、上下基板間のITOに50V50Hz
の交流電圧を印加しつつ紫外線照射装置により約10秒
光露光し、次いで、マスクを取り去って、さらに約60
秒光露光して面状調光素子を製造した。 【0063】この面状調光素子を使用した実施例1と同
様の調光装置は、製造工程でのマスクの窓に当たる部分
は電圧の印加状態の如何にかかわらず常に光が透過して
くるため、裏面のカラーフィルターの色が見えることと
なり、他の部分は電圧の印加状態によって色が変化する
ものであった。 【0064】 【発明の効果】以上の如く、本発明は電界によって透明
状態と散乱状態とを制御する面状調光素子の優れた製造
方法を提供するものであり、均一な基板間隙を得やすい
ので、均一な散乱状態を生じやすい。さらに、光硬化し
ているので、生産性が良く、ゴミ等の不良も生じにく
い。 【0065】従来例のような液晶をポリビニルアルコー
ルマイクロカプセルに封入したものに比較して面状調光
素子を早く製造できる。特に溶媒である水を揮発させる
工程が不要であって、均一性に優れた素子を得ることが
でき、かつ製造工程を生産効率のよい安定したものにで
きる。 【0066】また、本発明は偏光板を必要とせず、外観
品位、生産性に優れた素子であり、表示用、とりわけ大
面積、湾曲状での表示に、また大面積での調光、光シャ
ッター等に広く利用できる。 【0067】このように本発明は、通常の表示素子をは
じめ、大型の公衆表示素子、調光窓、調光鏡、間仕切
り、メモリー素子等種々の応用が可能であり、製品名、
会社名、マーク、数字、その他種々の固定表示等を設け
ることも可能であり、この外、本発明の効果を損しない
範囲内で種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の用途の一例を示す断面図。 【図2】本発明の他の例を示す断面図。 【図3】本発明の他の例を示す断面図。 【図4】本発明の他の例を示す断面図。 【符号の説明】 1、11、21、31:面状調光素子 2、12、22、32:カラーフィルター 13、23、33:第2のカラーフィルター

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.光硬化性化合物と液晶の溶解物を形成し、光硬化性
    化合物を硬化させることにより相分離を引き起こして硬
    化物のマトリックスの相と液晶の相とを形成する面状調
    光素子の製造方法であって、得られる硬化物の屈折率
    が、使用する液晶の常光屈折率(no )あるいは異常光
    屈折率(ne )のいずれかと一致するように光硬化性化
    合物としてアクリロイル系化合物を選択し、前記アクリ
    ロイル系化合物の少なくとも一部として水酸基含有アク
    リロイル系モノマーを用い、前記アクリロイル系化合物
    と液晶と光硬化開始剤とを均一な溶解物とし、前記溶解
    物を一対の基板間に保持し、光露光することより、前記
    アクリロイル系化合物を重合硬化させて晶と硬化物
    との相分離を固定化することにより、網目状マトリッ
    クスを形成し、この空隙部に液晶封じ込め、電界によ
    って透明状態と散乱状態とを制御し得る構造を設ける
    とを特徴とする面状調光素子の製造方法。 2.光硬化開始剤がベンゾインエーテル系、ベンゾフェ
    ノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、アゾビ
    ス系、過酸化物から選択される請求項1記載の面状調光
    素子の製造方法。 3.得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶のno
    一致するように選ばれる請求項1又は2記載の面状調光
    素子の製造方法。 4.液晶の誘電率異方性が正である請求項1、2又は3
    記載の面状調光素子の製造方法。 5.アクリロイル系化合物の一部がn−ブチルアクリレ
    ートである請求項1〜4のいずれか1項記載の面状調光
    素子の製造方法。 6.水酸基含有アクリロイル系モノマーが2−ヒドロキ
    シエチルアクリレートである請求項1〜5のいずれか1
    記載の面状調光素子の製造方法。 7.液晶とアクリロイル系化合物を3:1の比率で用い
    る請求項1〜6のいずれか1項記載の面状調光素子の製
    造方法。 8.液晶がネマチック相を有する液晶である請求項1〜
    のいずれか1項記載の面状調光素子の製造方法。
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