JP2852752B2 - 衛星信号受信システム - Google Patents

衛星信号受信システム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は広い帯域に散在した複数のチャンネルの衛星
信号を受信してチャンネルを再配列して後段へ送出し、
後段において衛星チューナーで選局しテレビ受像機で受
信する様にした衛星信号受信システムに関する。
(従来の技術) 通信衛星を打上げて配信サービスを開始することが予
定されている。そして衛星からの複数のチャンネルの配
信信号(本明細書では衛星信号という)をアンテナで受
信し、CSコンバータで周波数変換し、1本の伝送線で後
段へ送り、後段では衛星チューナーで希望のチャンネル
を選局してテレビ受像機で受信するシステムが考えられ
ている。
(発明が解決しようとする課題) 通信衛星から送られる複数のチャンネルの衛星信号は
約400MHzの帯域にわたり、そのチャンネル全部の受信が
必要とされる例は少ない。従って衛星信号の受信点で受
信した全てのチャンネルの信号を後段へ送ることは少な
く、一般に受信希望のチャンネルの衛星信号だけが抜き
出されて後段へ送られる。しかし周波数をそのままにし
て抜き出したのでは、後段へ送出するための伝送系に広
帯域な特性のものを必要としたり、また伝送線の周波数
対減衰特性を補償する為の余分の等化器等が必要とな
る。
本発明の目的とするところは、複数のチャンネルの衛
星信号を周波数利用効率良く狭帯域に圧縮して後段へ送
出することができ、しかもその送出する信号は周波数軸
上で反転して従来の衛星チューナーでは容易に受信でき
ない様にしてあるから有料化が簡単に行える、便利な衛
星信号受信システムを提供することである。
(課題を解決する為の手段) 上記目的を解決する為に本願発明は前記請求の範囲記
載の通りの手段を講じたものであって、その作用は次の
通りである。
(作用) 通信衛星からは垂直偏波と水平偏波の両方で複数チャ
ンネルの信号が送られて来る。これらの信号は直交偏波
分離分波器によって垂直偏波のチャンネルの信号と水平
偏波のチャンネルの信号とに分離される。そして垂直偏
波の信号の方はCSコンバータにより第1中間周波信号に
変換され、受信を目的とするチャンネル数に分けられて
夫々チャンネル処理器に加えられる。一方上記直交偏波
分離分波器で分離された水平偏波のチャンネルの信号は
上記とは別のCSコンバータにより第1中間周波信号に周
波数変換され、受信を目的とするチャンネル数に分けら
れて夫々上記とは別のチャンネル処理器に加えられる。
上記の各チャンネル処理器においては、夫々各チャン
ネル処理器毎に相互に異なるチャンネルの第1中間周波
信号を選局し、夫々相互に異なる周波数の信号に周波数
変換されて出力される。この選局と周波数変換には、一
方に局部発振信号と信号との和成分の周波数を取り出す
周波数変換が、また他方に局部発振信号と信号の差成分
の周波数を取り出す周波数変換が夫々使用される。この
ことにより各チャンネル処理器からの出力信号は周波数
軸上で反転した、即ち反転を元に戻さないと容易に受信
できない信号となる。また周波数変換の結果の各信号の
周波数帯域が余分の帯域を使用しない様に順次詰められ
て出力信号が配列されている。
上記の各チャンネル処理器の出力信号は混合器により
混合され1本の伝送線で後段へ送られる。後段では伝送
線に衛星チューナーが接続されており、上記の周波数軸
上で反転された各信号の中から1波が選局され復調され
る。この選局には周波数変換が用いられ、局部発振信号
と信号の差成分を取り出す変換あるいは信号と局発信号
の和成分を取り出す変換の両方が用いられる。前者の場
合には周波数軸上で出力信号が反転する為、復調より後
段では通常の信号処理が行われる。また後者の周波数変
換の場合には出力信号が周波数軸上で反転しない為、復
調の際に逆S字形特性のものを用いる等の方法で選局の
出力信号を実質的に周波数軸上で反転して元に戻す。
上記の様にして衛星チューナーに接続されたテレビ受
像機には受信可能な復調出力が送られるので、選局され
たチャンネルの信号をテレビ受像機で受信できる。
(実施例) 以下本願の実施例を示す図面について説明する。
第1図は衛星信号受信システムの系統図を示すもの
で、Sは再送信系、Tは伝送系、Rは受信系を夫々示
す。再送信系Sにおいて、1はCSアンテナで、通信衛星
からの12GHz帯の衛星信号を受信する。2は直交偏波分
離分波器で、OMTとも称される。3,4はCSコンバータを示
し、12GHz帯の信号を1GHz帯のCS第1中間周波信号に周
波数変換するためのものである。5,6は分配器を示す。7
a,7b,7c,7dはチャンネル処理器を示す。これらチャンネ
ル処理器の構成については後述する。8は混合器を示
す。9はBSアンテナで、放送衛星からの11.7〜12.0GHz
の衛星信号を受信する。10はBSコンバータで、上記BSア
ンテナ9からの衛星信号を1.0〜1.3GHz帯のBSの第1中
間周波信号に変換する。11はバンドパスフィルタで、BS
第1中間周波信号を通過させ、BSコンバータ10からCS第
1中間周波信号の帯域内に発生したノイズ成分を除去す
るためのものである。12は分岐器で、12aは入力端、12b
は出力端、12cは分岐出力端を示し、混合用に用いられ
ている。
次に伝送系Tについて説明する。13は伝送線で、例え
ば同軸ケーブルが用いられる。尚伝送線13には上記のBS
第1中間周波信号やCS第1中間周波信号を増幅する増幅
器38が介設される場合もある。14は分岐器を示す。15は
分岐器14と受信系Rとを結ぶ引込線で、例えば同軸ケー
ブルが用いられる。
次に受信系Rについて説明する。16a,16b,・・・は衛
星チューナーを示す。これら衛星チューナー16a,16bの
構成については後述する。17a,17b,・・・はモニターテ
レビ等のテレビ受像機を示す。
尚18は再送信系Sの出力端、19は受信系Rの入力端を
夫々示す。
続いてチャンネル処理器7aの構成について説明する。
第2図はチャンネル処理器のブロック回路図を示すもの
である。図において、20は入力端、21は出力端を夫々示
す。22は広帯域増幅器で、1350〜1750MHzのCS第1中間
周波数帯域の信号を増幅する。23は前段ミキサを示す。
24は可変減衰回路で、制御入力端24aに加わる減衰量制
御信号に基づき、自体の減衰量を設定する。25はバンド
パスフィルタで、例えば385〜415MHzの第2中間周波数
帯域の信号を通過させ、その他の帯域の信号は阻止す
る。26は中間周波増幅器で、第2中間周波の信号を増幅
する。27はAGC制御回路で、上記中間周波増幅器の出力
において信号のレベルが一定となる様に周知のAGCルー
プをかけるためのものである。このAGC制御回路27から
可変減衰回路24の減衰量を設定する減衰量制御信号が出
力される。28は前段可変発振器、29は分周器、30は周波
数制御回路を夫々示す。31は中間周波数増幅器で、中間
周波増幅器26と同様の構成のものであり、必要に応じ設
けられる。32は後段ミキサ、33はバンドパスフィルタを
示す。バンドパスフィルタ33は前述のCS第1中間周波数
帯域の信号を通過させ、その他の帯域の信号は阻止する
ものである。34は広帯域増幅器で、広帯域増幅器22と同
様の構成をしたものであり、必要に応じ設けられる。35
は後段可変発振器、36は前段周波数設定回路、37は後段
周波数設定回路を夫々示す。
次に衛星チューナー16aの構成について説明する。第
3図は衛星チューナーのブロック回路図を示すもであ
る。40は入力端、41は映像信号出力端、42は音声信号出
力端を夫々示す。43はミキサ、44はバンドパスフィルタ
を示す。バンドパスフィルタ44は例えば前述の385〜415
MHzの第2中間周波数帯域の信号を通過させ、その他の
帯域の信号は阻止する。45はFM復調回路で、周波数対復
調出力電圧の関係が周知の逆S字形特性を示すものが用
いてある。また復調の中心周波数は上記バンドパスフィ
ルタ44の通過帯域の中心周波数である400MHzにしてあ
る。46は可変発振器、47は周波数設定回路、48は選局キ
ーを示し、48aはチャンネル設定部、48bは衛星設定部を
示す。49は切替回路で、制御端49aに加わる切替制御信
号に応じて接点X側、あるいは接点Y側を導通とするも
のである。50は極性反転回路を示す。この極性反転回路
としては、例えばトランジスタ1石のビデオ増幅器が用
いられる。51は映像信号処理回路、52は音声信号処理回
路を夫々示す。
次に上記構成の衛星信号受信システムの動作について
説明する。先ず再送信系Sにおいては放送衛星からの1
1.7〜12.0GHz帯のBS衛星信号はBSアンテナ9により受信
され、BSコンバータ10によって1.0〜1.3GHz帯のBS第1
中間周波信号に変換され、バンドパスフィルタ11を通過
して分岐器12に加わる。
また通信衛星からの12.3〜12.7GHz帯の衛星信号は、C
Sアンテナ1により受信され、直交偏波分離分波器2で
垂直偏波のチャンネルの信号と水平偏波のチャンネルの
信号とに分離される。垂直偏波のチャンネルの信号はCS
コンバータ3により1.30〜1.750GHz帯のCS第1中間周波
信号に変換される。また水平偏波のチャンネルの信号は
CSコンバータ4により、同じく1.350〜1.750の第1中間
周波信号に変換される。CSコンバータ3の出力側A点に
おける信号スペクトル波形を第4図(A)に、またCSコ
ンバータ4の出力側B点における信号スペクトル波形を
第4図(B)に示す。次にCSコンバータ3の出力信号は
分配器5により分配され、チャンネル処理器7aでは例え
ば第4図(A)のチャンネルCh1の信号が選局されてか
ら周波数変換される。同様にチャンネル処理器7bでは、
例えば第4図(A)のチャンネルCh10の信号が選局され
てから周波数変換される。またCSコンバータ4の出力信
号は分配器6により分配され、チャンネル処理器7cでは
例えば第4図(B)のチャンネルCh11の信号が、またチ
ャンネル処理器7dでは例えば第4図(B)のチャンネル
Ch19の信号が、夫々選局され、周波数変換される。これ
らの各チャンネル処理器7a,7b・・・における信号の処
理過程を説明すると、前段可変発振器28と後段可変発振
器35とはその発振周波数が夫々前段周波数設定回路36と
後段周波数設定回路37とで設定されている。入力端20に
加わった信号は広帯域増幅器22、前段ミキサ23、可変減
衰回路24と通過し、選局すべきチャンネルの信号のみが
バンドパスフィルタ25を通過し、中間周波増幅器26,31
を通過して後段ミキサ32で周波数変換される。この後段
ミキサ32の出力は、各チャンネル処理器7a,7b,・・・の
出力を混合した時に互いに干渉せず、しかも余分な周波
数間隔を使用しないように前もって定められた周波数に
なっている。後段ミキサ32の出力はバンドパスフィルタ
33、広帯域増幅器34を通り、出力端21から出力される。
尚出力端21の出力信号レベルは制御回路27による周知の
AGCで安定であり、また出力信号の周波数は分周器29と
周波数制御回路30による周知のAFCで安定である。各チ
ャンネル処理器7a,7b,・・・の入出力信号の周波数や可
変発振器28,35の発振周波数の関係の一例を第1表に示
す。
次に各チャンネル処理器7a,7b,・・・の出力信号は混
合器8により混合される。混合後のC点での信号スペク
トル波形を第4図(C)に示す。第4図(C)におい
て、CS第1中間周波数帯の中に受信した4つの信号が効
率よく納められていることがわかる。図中、←印は帯域
内の信号が周波数軸上で反転していることを示してい
る。この様な信号はそのままFM復調してテレビ受像機で
受信した場合、画像が乱れて見ることができないので、
スクランブルがかかっていることになる。次に分岐器14
では前述のBS第1中間周波信号と混合器8からのCS第1
中間周波信号とが混合され、D点において信号スペクト
ル波形は第4図(D)の様になる。PはBS第1中間周波
信号のスペクトル略図であり、QはCS第1中間周波信号
のスペクトル略図である。再送信系Sからはこの第4図
(D)の信号が送出される。
次に伝送系Tでは、伝送線13により上記再送信系Sか
らの信号が伝送され、分岐器14により各受信系Rに配ら
れる。
受信系Rでは衛星チューナー16aにより希望の衛星の
希望のチャンネルの信号が選局される。この際の衛星チ
ューナー16aでの信号の処理について説明する。先ず放
送衛星からの衛星信号のチャンネルを受信する場合に
は、選局キー48の衛星設定部48bで放送衛星を選び、チ
ャンネル設定部48aで希望のチャンネルを選ぶ。切替回
路49は接点Y側を導通とする様に接続され、周波数設定
回路47からは可変発振器46に対し受信希望チャンネルに
対応した発振周波数の信号を発振させる。従って入力端
40に加わったBS第1中間周波信号は、ミキサ43で周波数
変換され、選局希望のチャンネルの中間周波信号のみが
バンドパスフィルタ44を通過する。この信号はFM復調回
路45で復調され、映像信号処理回路51で映像信号が、ま
た音声信号処理回路52で音声信号が夫々処理されて後段
へ向け出力される。
一方通信衛星の衛星信号のチャンネルを受信する場合
には、選局キー48の衛星設定部48bで通信衛星を選び、
チャンネル設定部48aで希望のチャンネルを選択する。
切替回路49は接点X側を導通とする様に接続される。通
信衛星の受信の場合には上記の放送衛星の受信の場合に
比べると、復調回路45,切替回路49の後に極性反転回路5
0が挿入されるだけで、その他は同じである。衛星チュ
ーナー16a内の信号の状態を第2表に示す。
尚上記の衛星信号受信システムを有料化するには、受
信の契約者に実施例で示した衛星チューナー16aを有料
で貸出すことで実施することができる。また衛星チュー
ナー16aの切替回路49の切替えを、キーにより行う様に
し、受信の契約者にそのキーを有料で貸出す様にしても
よい。
以上は衛星信号受信システムの受信系Rが複数設けら
れた例を示したが、1つだけであっても勿論かまわな
い。また受信するチャンネル数が垂直偏波で2波、水平
偏波で2波の例を示したが、それ以上であってもよいこ
とは言うまでもない。
(発明の効果) 以上のように本願にあっては、広い周波数帯域に散在
する衛星信号を夫々選局及び周波数変換して狭い周波数
帯域に圧縮して後段へ送出するので、周波数利用効率が
良く、伝送線に介在させる機器を安価にできる効果があ
る。
しかも上記の選局及び周波数変換の際には信号を周波
数軸上で反転する周波数変換を行うことにより、従来の
BSチューナー等で受信ができない信号をつくることがで
きるので、特にスクランブルする為の回路を別に設けな
くても簡単に有料化ができるという経済上の効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本願の実施例に関するもので、第1図は衛星信号
受信システムの系統図、第2図はチャンネル処理器のブ
ロック回路図、第3図は衛星チューナーのブロック回路
図、第4図はシステム各部の信号スペクトル波形を示す
略図。 1……アンテナ、2……直交偏波分離分波器、3,4……C
Sコンバータ、7a,7b,7c,7d……チャンネル処理器、8…
…混合器、13……伝送線、16a,16b,16c……衛星チュー
ナー、17a,17b,17c……テレビ受像機、45……復調回
路、50……極性反転回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンテナで受信した通信衛星からの信号を
    直交偏波分離器により少なくとも1つの垂直偏波のチャ
    ンネルの信号と少なくとも1つの水平偏波のチャンネル
    の信号に分離し、上記夫々の偏波の信号を各々CSコンバ
    ータにより第1中間周波信号に変換し、更にチャンネル
    処理器により上記垂直偏波のチャンネルの信号の中から
    1波を選局すると共に周波数変換して周波数軸上で反転
    した信号を形成して後段へ送出し、また上記とは別のチ
    ャンネル処理器により上記水平偏波のチャンネルの信号
    の中から1波を選局すると共に周波数変換して周波数軸
    上で反転した上記とは別の周波数の信号を後段へ送出
    し、上記各チャンネル処理器の後段では上記各チャンネ
    ル処理器からの各信号を混合器により混合して1本の伝
    送線で更に後段へ送出し、後段においては衛星チューナ
    ーにより上記チャンネル処理器からの複数の信号のうち
    1波を選局すると共に復調し、極性反転してテレビ受像
    機で受信可能な信号に戻した後、テレビ受像機で受信す
    る様にしたことを特徴とする衛星信号受信システム。
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