JP2852447B2 - スケルチ回路 - Google Patents

スケルチ回路

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JP2852447B2
JP2852447B2 JP5018090A JP5018090A JP2852447B2 JP 2852447 B2 JP2852447 B2 JP 2852447B2 JP 5018090 A JP5018090 A JP 5018090A JP 5018090 A JP5018090 A JP 5018090A JP 2852447 B2 JP2852447 B2 JP 2852447B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、スキャン動作を連動させるスケルチ回路に
関するものである。
(従来の技術) スキャン動作を連動させる従来のスケルチ回路を備え
た無線受信機の一例として、特開昭60−240222号公報に
示されたものがある。この従来のスケルチ回路は、入力
信号のレベルに応じた信号を、基準電圧の異なる2つの
比較手段でそれぞれに比較し、基準電圧が高い方の比較
手段の比較出力でスキャン動作を停止させ、基準電圧が
低い方の比較手段の比較出力でスケルチ手段を開成制御
するように構成されている。
かかる構成によって、スキャン動作が停止した後に入
力信号のレベルが僅かに低下しても、スケルチ手段は閉
成されないので、スキャン停止レベル付近の入力信号の
変動によるオーディオ信号のばたつきがなくなる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記従来技術にあっては、入力信号を比較
手段が比較できる直流信号に変換する検波手段が共通で
ある。そして、この検波手段が備える時定数を小さいも
のとすれば、フェージング等による入力信号の一時的な
僅かなレベル変動でもスケルチ手段が開閉を繰り返し、
オーディオ信号がばたつくという不具合を生じる。そこ
で、検波手段の時定数を大きなものとしてオーディオ信
号のばたつきの改善を図るならば、スキャン動作中に入
力信号のレベル変動の検出が遅れ、スキャン動作が適正
な入力信号の周波数で停止できないという不具合が生じ
る。したがって、オーディオ信号のばたつきの改善と、
スキャン動作の適正な停止という相反する要求から、検
波手段の備える時定数は、双方をある程度満足させる値
に設定せざるを得ない。
本発明は、上述したごとき従来のスケルチ回路の事情
に鑑みてなされたもので、高速スキャンでも入力信号の
適正な周波数で停止できるようにしたスキャン動作を連
動させるスケルチ回路を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するために、本発明のスケルチ回路
は、入力信号のレベルに応じた信号を2つに分岐し、一
方の信号を時定数の大きな第1検波手段で検波し、その
第1検波出力を基準電圧と比較手段で比較し、その比較
手段によってオーディオ信号のスケルチ手段を開成制御
させ、他方の信号を前記第1検波手段より時定数の小さ
い第2検波手段で検波し、その第2検波出力によってパ
ルス出力手段から一定時間幅の1パルスを出力させ、論
理和手段による前記パルスと前記比較出力との論理和出
力によって制御手段で制御されるスキャン動作を停止さ
せるように構成してある。
そして、前記制御手段が中央演算装置からなり、前記
論理和出力が入力されると、その間および前記論理和出
力の入力が無くなってから一定時間が経過するまでスキ
ャン動作を停止させ、また前記論理和出力が入力されて
いる間、スケルチ制御信号を出力し、論理積手段による
前記スケルチ制御信号と前記比較出力との論理積出力に
よって、前記スケルチ手段を開成制御させるように構成
しても良い。
そして、前記比較手段がヒステリシス特性を備え、前
記スケルチ手段を開成させる前記第1検波出力のレベル
より閉成させるレベルが低くなるように構成しても良
い。
さらに、前記中央演算装置は、スキャン動作の停止中
はストローブ信号を出力せず、前記パルス出力手段は、
前記第2検波出力で1パルス出力すると前記ストローブ
信号が前記中央演算装置から与えられるまでパルスを出
力しないように構成することもできる。
そしてさらに、前記パルス出力手段は、前記第2検波
出力をオア回路の一方の入力端子に与え、その出力端子
を第1抵抗を介して他方の入力端子に接続するととも
に、前記出力端子を第2抵抗と第1トランジスタを直列
に順次に介して接地し、さらに前記出力端子を第3抵抗
とコンデンサを直列に順次介して接地し、このコンデン
サの端子電圧で前記第1トランジスタを導通制御し、前
記オア回路の他方の入力端子を前記ストローブ信号で導
通制御される第2トランジスタを介して接地し、前記第
2抵抗と第1トランジスタの接続点からパルスを出力さ
せるように構成しても良い。
(作用) 時定数の小さい第2検波手段の第2検波出力によっ
て、パルス出力手段で入力信号のレベル変動を遅れなし
に検出してスキャン動作を停止させ、時定数の大きな第
1検波手段の第1検波出力によって、比較手段で所定レ
ベルの入力信号の有無を判別してスケルチ手段を開成制
御するので、所定レベルの入力信号の有無を判別する際
はスキャン動作が停止しており、高速スキャンであって
も入力信号の適正な周波数で確実にスキャン動作が停止
される。しかも、スケルチ手段の開成制御は大きな時定
数の第1検波手段の第1検波出力に応じて行なわれるの
で、フェージング等の一時的で僅かな入力信号のレベル
変動に対してオーディオ信号がばたつくような不具合が
生じない。
そして、比較出力とパルスの論理和出力が入力される
と、その間および入力がなくなってから一定時間が経過
するまで、中央演算装置はスキャン動作を停止させるの
で、パルスの入力によりスキャン動作が停止して所定レ
ベルの入力信号が検出されればひき続きスキャン動作は
停止状態が維持されるが、所定レベルの入力信号が検出
されなければスキャン動作が再開される。また、論理和
出力が入力されている間に中央演算装置から出力される
スケルチ制御信号と比較出力との論理積出力でスケルチ
手段を開成制御するならば、スキャン動作中はスケルチ
手段は必ず閉成制御され、スキャン動作中にはオーディ
オ信号として雑音を出力しない。
また、比較手段がヒステリシス特性を備えるならば、
スケルチ手段が開成されるレベル付近で入力信号に僅か
なレベル変動があっても、スケルチ手段は開閉を繰り返
すことなく、オーディオ信号のばたつきを生じさせな
い。
さらに、パルス出力手段を、第2検波出力により1パ
ルス出力した後は、スキャン動作の停止が解除されて中
央演算装置からストローブ信号が与えられるまでパルス
を出力しないようにするならば、1度スキャン動作が停
止すると、以後第2検波出力の変動によってパルスが繰
り返して出力されるようなことがなく、所定レベルの入
力信号が検出されなければ一定時間経過後に中央演算装
置はストローブ信号を出力してスキャン動作の停止を解
除し得る。
そしてさらに、パルス出力手段は、オア回路の出力信
号が一方の入力端子に与えられて自己保持回路が形成さ
れ、この自己保持がストローブ信号の入力で解除され
る。そして、オア回路の出力で充電されるコンデンサの
端子電圧でパルス出力手段の出力側が一定時間後に第1
トランジスタで接地され、出力側に一定時間幅のパルス
が出力される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を第1図ないし第8図を参照し
て説明する。第1図は、本発明のスケルチ回路の一実施
例が用いられた無線受信機のブロック回路図であり、第
2図は、第1図に示すスケルチ回路の具体的回路図であ
り、第3図は、強い入力信号でスケルチ手段が開成制御
される動作を説明するタイムチャートであり、第4図
は、中程度の入力信号でスケルチ手段が開成制御される
動作を説明するタイムチャートであり、第5図は、弱い
入力信号でスケルチ手段が開成制御されない動作を説明
するタイムチャートであり、第6図は、強い入力信号で
スキャン動作が停止するとともにスケルチ手段が開成制
御される動作を説明するタイムチャートであり、第7図
は、中程度の入力信号でスキャン動作が停止するととも
にスケルチ手段が開成制御される動作を説明するタイム
チャートであり、第8図は、弱い入力信号でスキャン動
作が一時的に停止するがスケルチ手段は開成制御されな
い動作を説明するタイムチャートである。
まず、第1図により本発明のスケルチ回路を用いた無
線受信機の構成につき説明する。アンテナ1で受信され
た信号は、RFフィルタ2によって所望周波数帯にある入
力信号が抽出され、抽出された入力信号がRFアンプ3に
よって増幅されて第1ミクサ4に与えられる。この第1
ミクサ4には、PLL回路5から第1局部発振信号が与え
られ、入力信号と混合されてIFアンプ6に与えられる。
なお、PLL回路5から出力される第1局部発振信号は、
制御手段としての中央演算装置7によって周波数が可変
制御される。IFアンプ6の増幅出力は、第2ミクサ8に
与えられ、固定局部発振器9から出力される第2局部発
振信号と混合されて、復調回路10に与えられる。この復
調回路10で復調されたオーディオ信号はAFアンプ11で適
宜に増幅されてスピーカ12から拡声される。そして、こ
のAFアンプ11は、AFスイッチ13によりオーディオ信号を
増幅出力し(スケルチ開成制御)、またはオーディオ信
号の通過を遮断する(スケルチ閉成制御)。このAFアン
プ11とAFスイッチ13でスケルチ手段が形成されている。
また、復調回路10から出力されたオーディオ信号は、
ノイズアンプ14に与えられ、適宜なフィルタでノイズ成
分のみが抽出されるとともに増幅され、そのノイズ信号
が2つに分岐されて第1検波手段15と第2検波手段16に
与えられる。この第1検波手段は、ノイズ信号を検波す
るとともに大きな時定数で平滑し、その第1検波出力を
比較手段17に与える。この比較手段17は、第1検波手段
15の第1検波出力のレベルを基準電圧VSと比較し、第1
検波出力が基準電圧VSより低い場合、すなわちノイズ信
号のレベルが低下したときに“H"レベルの信号を出力す
る。さらに、この比較手段17は、“H"レベルに反転させ
る第1検波出力のレベルより“L"レベルに反転させる第
1検波出力のレベルが高くなるようなヒステリシス特性
を備えている。そして、この比較手段17の比較出力が、
論理積手段18と論理和手段19のそれぞれの一方の入力端
子に与えられる。
第2検波手段16は、第1検波手段15より小さい時定数
で、ノイズ信号を検波平滑し、その第2検波出力をパル
ス出力手段20に与える。このパルス出力手段20は、第2
検波手段16からの第2検波出力のレベルが低下すると、
直ちに一定時間幅のパルスを1ケ出力し、そのパルスが
論理和手段19の他方の入力端子に与えられる。そして、
論理和手段19から出力される論理和出力が、中央演算装
置7に与えられる。この論理和出力が与えられている間
は、中央演算装置7からスケルチ制御信号が論理積手段
18の他方の入力端子に与えられる。また、中央演算装置
7から受信周波数を切り換える際にストローブ信号がPL
L回路5に与えられて第1局部発振信号が切り換えられ
るが、このストローブ信号がパルス出力手段20にも与え
られている。そして、論理和出力が与えられている間お
よび論理和出力が無くなって一定時間経過するまで、中
央演算装置7からのストローブ信号は出力されない。パ
ルス出力手段20は、ストローブ信号が与えられると初期
状態に設定され、第2検波出力の低下により1ケのパル
スを出力し得る状態に復帰する。そして、論理積手段18
の論理積出力がAFスイッチ13に与えられ、AFスイッチ13
は論理積出力が与えられている間、AFアンプ11を開成状
態に制御し、論理積出力が無くなるとAFアンプ11を閉成
状態に切り換えてスケルチ制御がなされる。
次に、第2図に基づき、本発明のスケルチ回路の構成
を具体的に説明する。なお、第2図に示す(a)ないし
(g)および(i)は、種々の信号が現われるそれぞれ
の回路点を示す。
まず、ノイズアンプ14の最終段を構成するトランジス
タ30のコレクタより出力されるノイズ信号(a)が、2
つに分岐される。そして、一方のノイズ信号が、ダイオ
ード31,32およびコンデンサ33を含んで形成された第1
検波手段15に与えられ、他方のノイズ信号がダイオード
34,35を含んで形成された第2検波手段16に与えられ
る。
この第1検波手段15は、平滑のために大きい容量のコ
ンデンサ33を含み大きな時定数を備え、ノイズ信号のレ
ベル変化に対して緩慢にその第1検波出力(b)を変動
させる。これに対して、第2検波手段16は、コンデンサ
を含まず(コンデンサを含んでも小さい容量とする)、
ノイズ信号のレベル変化に対して急峻にその第2検波出
力(d)を変動させる。
そして、第1検波出力が比較手段17としてのコンパレ
ータ36のマイナス入力端子に与えられる。このコンパレ
ータ36の出力端子は、順方向のダイオード37と抵抗38を
直列に介してプラス入力端子に接続される。このプラス
入力端子には基準電圧VSが適宜に与えられる。さらに、
コンパレータ36の出力(c)が論理積手段18としてのア
ンド回路の一方の入力端子に与えられるとともに、論理
和手段19としてのオア回路の一方の入力端子に与えられ
る。
また、第2検波出力がトランジスタ39のベースに与え
られ、そのコレクタから出力される反転出力がオア回路
40の一方の入力端子に与えられる。このオア回路40の出
力端子は、第2抵抗41を介して論理和手段19としてのオ
ア回路の他方の入力端子に接続されるとともに、第1抵
抗42を介して自身の他方の入力端子に接続され、さらに
第3抵抗43とコンデンサ44を直列に順次に介して接地さ
れる。そして、これらの第3抵抗43とコンデンサ44の接
続点が第1トランジスタ45のベースに接続され、この第
1トランジスタ45が論理和手段19としてのオア回路の他
方の入力端子と接地間に介装される。また、オア回路40
の他方の入力端子は、抵抗46と第2トランジスタ47を並
列に介して接地される。この第2トランジスタ47のベー
スに、中央演算装置7から出力されるストローブ信号
(i)が与えられる。なお、トランジスタ39,45,47と抵
抗41,42,43,46とオア回路40およびコンデンサ44によっ
てパルス出力手段20が構成され、第2抵抗41と第1トラ
ンジスタ45の接続点が、パルス出力手段20の出力端とな
り、パルス(e)が出力される。そして、論理積手段18
の出力端子より論理積出力(g)が出力され、論理和手
段19の出力端子より論理和出力(f)が出力される。
かかる構成において、まず比較手段17のヒステリシス
特性を備えた動作について説明する。低い入力信号レベ
ルのためにノイズ信号レベルが高いならば、コンパレー
タ36のマイナス入力端子の電圧はプラス入力端子の基準
電圧VSより高く、出力端子に“L"レベルが出力されてい
る。そして、ノイズ信号レベルが低下すれば、コンパレ
ータ36は反転して出力端子に“H"レベルが出力される。
すると、ダイオード37に順方向電圧が加わり、プラス入
力端子に与えられる電圧は基準電圧VSより高くなる。し
たがって、一度コンパレータ36が反転すると、そのレベ
ル付近でノイズ信号が僅かにレベル変動してもコンパレ
ータ36は再度反転せず、より高いノイズ信号レベルでな
ければ再度“L"レベルの出力とならない。このようなヒ
ステリシス特性を備えたコンパレータ36を用いて比較手
段17を構成すれば、入力信号の僅かなレベル変動で、比
較手段17の比較出力が頻繁に変化するようなことがな
い。
次に、パルス出力手段20が動作について説明する。入
力信号レベルの増加に伴ないノイズ信号レベルは迅速に
低下する。この低下に伴ないトランジスタ39のコレクタ
電圧が“H"レベルに上昇する。すると、オア回路40は、
一方の入力端子が“H"レベルとなることによって、出力
端子も“H"レベルが出力される。そして、出力端子の
“H"レベルが第1抵抗42を介して自身の他方の入力端子
に与えられ、自己保持状態が形成される。この自己保持
状態は、第2トランジスタ47がストローブ信号を与えら
れて導通しオア回路40の他方の入力端子が接地されて
“L"レベルとなるまで維持される。そして、出力端子の
“H"レベルによって、コンデンサ44が所定の時定数で充
電され、その充電端子電圧が所定レベルにまで上昇する
と、第1トランジスタ45が導通する。このようにして、
オア回路40の出力端子が“H"レベルに反転してからコン
デンサ44が所定レベルに充電されるまでの所定時間幅
で、パルス出力手段20の出力端に“H"レベルのパルスが
出力される。そして、一度パルスが出力されると、第2
トランジスタ47がストローブ信号で導通してオア回路40
の自己保持が解除されて初期状態となるまで、コンデン
サ44が放電されないので、入力信号レベルが変動しても
再度パルスは出力されない。
上記のごとき回路動作に基づいて、本発明のスケルチ
回路の動作を、種々の場合に分けて第3図ないし第8図
を参照して説明する。なお、第3図ないし第8図に示す
波形(a)ないし(g)および(i)は、第2図におい
て(a)ないし(g)および(i)で示す回路点の波形
を示す。また、第3図ないし第8図に示す(h)は、ス
ケルチ手段の開成または閉成制御を示す。
まず、ある運用周波数が設定されて第3図(a)にノ
イズ信号を示すごとく、入力信号が無い状態から強い入
力信号が受信され、再度入力信号が無くなったとする。
すると、第1検波出力は、第3図(b)のごとく強い入
力信号が受信された時点から緩慢に電圧が低下し、再度
入力信号が無くなった時点から再び緩慢に上昇する。そ
して、第1検波出力が基準電圧VSより低い間、比較手段
17は、第3図(c)のごとく“H"レベルを出力する。一
方、第2検波出力は、第3図(d)のごとく急峻に立ち
下がるとともに急峻に立ち上がる。そこで、この第2検
波出力の急峻な立ち下がりによってパルス出力手段20
は、第3図(e)のごとく直ちにパルスを1つだけ出力
する。そして、論理和手段19の論理和出力は、第3図
(f)のごときであり、この間“H"レベルのスケルチ制
御信号が中央演算装置より出力される。さらに、論理積
手段18の論理積出力は、第3図(g)のごとくとなり、
この論理積出力が“H"レベルの間にのみ第3図(h)の
ごとくスケルチ手段は開成制御され、オーディオ信号が
拡声される。
同様にして、第4図(a)にノイズ信号を示すごとく
中程度の入力信号が受信されると、第4図(b)のごと
く第1検波出力は、より一層緩慢に低下し、基準電圧VS
を僅かに下まわる。すると、この第1検波出力が基準電
圧VSを下まわっている間は、第4図(h)のごとくスケ
ルチ手段が開成制御される。なお、受信される入力信号
が弱いほどスケルチ手段が開成制御されるまでに時間を
必要とする。
さらに、第5図(a)にノイズ信号を示すごとく、弱
い入力信号が受信されると、第1検波出力は第5図
(b)のごとく緩慢に低下するが基準電圧VSを下まわる
ことがない。このため、比較手段17は第5図(c)のご
とく“H"レベルに反転しない。一方、第2検波出力は第
5図(d)のごとく弱い入力信号の受信であっても急峻
に低下し、パルス出力手段20から第5図(e)のごとき
パルスが1つ出力される。しかしながら、比較手段17が
“H"レベルを出力しないので論理積手段18の出力は第5
図(g)のごとく“L"レベルのままであり、スケルチ手
段は第5図(h)のごとく閉成制御のままである。
次に、スキャン動作において、第6図(a)にノイズ
信号を示すごとく入力信号が無い状態から強い入力信号
が受信され、再度入力信号が無くなったとする。この、
スキャン動作中は、中央演算装置7から所定間隔で第6
図(i)のごときストローブ信号が出力され、その度に
パルス出力手段20は初期状態とされる。ここで、スキャ
ン動作によって新たな運用周波数に切り換えられて強い
入力信号が受信されたとすると、まず第2検波出力が第
6図(d)のごとく急峻に立ち下がり、パルス出力手段
20はパルスを出力し、論理和手段19を経て中央演算装置
7に与えられ、直ちにストローブ信号の出力を停止して
スキャン動作が停止される。また、第1検波出力は、第
6図(b)のごとく緩慢に電圧が低下して基準電圧VS
下まわる。すると、比較手段17は、第6図(c)のごと
く“H"レベルを出力する。この“H"レベルの比較出力は
パルス出力手段20のパルスにひき続いて出力され、第6
図(f)のごとき論理和出力が中央演算装置7に与えら
れてスキャン動作がひき続き停止される。この間は、中
央演算装置7からスケルチ制御信号が論理積手段18に与
えられるとともに、比較出力の“H"レベルも論理積手段
18に与えられることにより、第6図(g)の論理和出力
によってスケルチ手段は開成制御される。
そして、スキャン動作が停止された状態で入力信号が
無くなると、第1検波出力は第6図(b)のごとく緩慢
に上昇し、遅れて比較出力が第6図(c)のごとく“L"
レベルとなる。この比較出力の“L"レベルで論理和出力
も第6図(f)のごとく“L"レベルとなる。すると、中
央演算装置7は、論理和出力が“L"レベルとなった時点
から所定時間tだけ経過すると、第6図(i)のごとく
ストローブ信号を再度出力してスキャン動作が再開され
る。なお、比較出力が“L"レベルになることで、論理積
出力も第6図(g)のごとく“L"レベルとなって、第6
図(h)のようにスケルチ手段は閉成制御される。
同様にして、スキャン動作において、第7図(a)に
ノイズ信号を示すごとく中程度の入力信号が受信される
と、第7図(d)のごとく第2検波出力が急峻に低下し
て、第7図(e)のごとくパルス出力手段20からパルス
が出力され、中央演算装置7はスキャン動作を直ちに停
止させる。一方、第1検波出力は第7図(h)のごとく
きわめて緩慢に低下し、基準電圧VSを下まわったとき
に、第7図(c)のごとく比較出力が“H"レベルに反転
する。この比較出力が“H"レベルに反転する時点は、入
力信号が受信されてからいく分遅れており、論理和出力
は第7図(f)のごとく、パルス出力手段20からのパル
スと比較手段17の“H"レベルの比較出力の間は幾分離れ
ているが、所定時間t以内であれば、中央演算装置7は
その間もひき続いてスキャン動作を停止させている。そ
して、比較出力が“H"レベルとなることで論理積手段18
の論理積出力は、第7図(g)のごとく“H"レベルとな
ってスケルチ手段が開成制御される。そして、入力信号
が無くなると、第1検波出力が第7図(b)のごとく緩
慢に上昇し、比較出力が“L"レベルに反転し、スケルチ
手段が閉成制御される。また、その時点から所定時間t
だけ経過すると、中央演算装置7は、第7図(i)のご
とくストローブ信号を再び入力してスキャン動作が再開
される。
さらに、スキャン動作において、新しい運用周波数に
設定されて、第8図(a)にノイズ信号を示すごとく弱
い入力信号が受信されたとすれば、第2検波出力は第8
図(d)のごとく急峻に低下し、これに伴ないパルス出
力手段20から第8図(e)のごときパルスが出力され
る。そこで、このパルスが論理和出力として中央演算装
置7に与えられ、第8図(i)のごとくストローブ信号
の出力が停止されてスキャン動作が直ちに停止される。
しかるに、第1検波出力は第8図(b)のごとく基準電
圧VSを下まわることがなく、比較出力は第8図(c)の
ごとく“H"レベルとならない。そこで、中央演算装置7
は、第8図(i)のごとくパルス出力手段20からのパル
スが無くなって所定時間tだけ経過するとストローブ信
号を再度出力してスキャン動作を再開させる。そして、
比較出力が“H"レベルとならないので、論理積出力も
“H"レベルとならず、スケルチ手段は第8図(h)のご
とく閉成制御のままである。
なお、本発明のスケルチ回路を構成するに、その具体
的回路は第2図に示す構造に限られないことは勿論であ
る。また、上記実施例では入力信号のレベルに応じた信
号として、強い入力信号で小さいレベルとなり入力信号
が無いときに大きなレベルとなるノイズ信号を用いた
が、これに限られるものでない。すなわち、強い入力信
号で大きいレベルとなり入力信号が無いと零レベルとな
るトーン信号を用いても良い。このトーン信号を用いる
ならば、信号レベルの判別系路に信号反転回路等を適宜
に挿入すれば良い。
(発明の効果) 本発明のスケルチ回路は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。
請求項1記載のスケルチ回路にあっては、スキャン動
作において入力信号を受信すると、直ちにスキャン動作
が停止されて入力信号のレベルが判別されるので、高速
スキャン動作による入力信号の検出遅れ等により入力信
号の存在を見落したりスキャン動作を停止させる運用周
波数にずれを生じさせるようなことがない。したがっ
て、高速スキャン動作であっても所定レベルの入力信号
があれば確実かつ正確にスキャン動作を停止させること
ができる。しかも、入力信号のレベルを判別するのに用
いる第1検波手段に、大きな時定数を用いることがで
き、スケルチ手段が開成制御される付近での入力信号の
僅かなレベル変動によってスケルチ手段が開閉を繰り返
すことがなく、オーディオ信号がばたつくようなことが
ない。
請求項2記載のスケルチ回路にあっては、スキャン動
作で新しい運用周波数が設定されて入力信号が受信され
ると直ちにスキャン動作が停止し、入力信号が所定レベ
ルにあるか否かを判別し、所定レベル以上の入力信号で
あればスキャン動作はひき続いて停止され、また所定レ
ベルの入力信号が無ければスキャン動作が自動的に再開
される。また、入力信号のレベルを判別して出力される
比較出力と、スキャン動作が停止される間に出力される
スケルチ制御信号との論理積出力で、スケルチ手段の開
成制御をするので、スキャン動作中は必ずスケルチ手段
は閉成制御されており、スキャン動作中に雑音を出力す
ることがない。
請求項3記載のスケルチ回路にあっては、入力信号の
レベルを判別する比較手段のヒステリシス特性により、
一度スケルチ手段が開成制御されると、その付近でフェ
ージング等によって入力信号のレベルがいくらか低下し
ても比較出力は変動せず、スケルチ手段が開閉を繰り返
してオーディオ信号をばたつかせるようなことがない。
請求項4記載のスケルチ回路にあっては、パルス出力
手段は、入力信号を受信してパルスを一度出力すると、
ストローブ信号が与えられるまでパルスを出力しないの
で、所定レベルの入力信号が検出されなければ弱い入力
信号を再度受信するようなことがあっても一定時間後に
スキャン動作が再開される。
請求項5記載のスケルチ回路にあっては、パルス出力
手段が、オア回路を用いた自己保持回路と、コンデンサ
を用いた時定数回路によって一定時間後に導通するトラ
ンジスタによって簡単に構成され、しかも自己保持をス
トローブ信号で簡単に解除でき、回路構成が簡単であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のスケルチ回路の一実施例が用いられ
た無線受信機のブロック回路図であり、第2図は、第1
図に示すスケルチ回路の具体的回路図であり、第3図
は、強い入力信号でスケルチ手段が開成制御される動作
を説明するタイムチャートであり、第4図は、中程度の
入力信号でスケルチ手段が開成制御される動作を説明す
るタイムチャートであり、第5図は、弱い入力信号でス
ケルチ手段が開成制御されない動作を説明するタイムチ
ャートであり、第6図は、強い入力信号でスキャン動作
が停止するとともにスケルチ手段が開成制御される動作
を説明するタイムチャートであり、第7図は、中程度の
入力信号でスキャン動作が停止するとともにスケルチ手
段が開成制御される動作を説明するタイムチャートであ
り、第8図は、弱い入力信号でスキャン動作が一時的に
停止するがスケルチ手段は開成制御されない動作を説明
するタイムチャートである。 7:中央演算装置、 11:AFアンプ、13:AFスイッチ、 14:ノイズアンプ、15:第1検波手段、 16:第2検波手段、17:比較手段、 18:論理積手段、19:論理和手段、 20:パルス出力手段、40:オア回路、 41:第2抵抗、42:第1抵抗、 43:第3抵抗、44:コンデンサ、 45:第1トランジスタ、 47:第2トランジスタ、VS:基準電圧。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号のレベルに応じた信号を2つに分
    岐し、一方の信号を時定数の大きな第1検波手段で検波
    し、その第1検波出力を基準電圧と比較手段で比較し、
    その比較出力によってオーディオ信号のスケルチ信号を
    開成制御させ、他方の信号を前記第1検波手段より時定
    数の小さい第2検波手段で検波し、その第2検波出力に
    よってパルス出力手段から一定時間幅の1パルスを出力
    させ、論理和手段による前記パルスと前記比較出力との
    論理和出力によって制御手段で制御されるスキャン動作
    を停止させるように構成したことを特徴とするスケルチ
    回路。
  2. 【請求項2】前記制御手段が中央演算装置からなり、前
    記論理和出力が入力されると、その間および前記論理和
    出力の入力が無くなってから一定時間が経過するまでス
    キャン動作を停止させ、また前記論理和出力が入力され
    ている間、スケルチ制御信号を出力し、論理積手段によ
    る前記スケルチ制御信号と前記比較出力との論理積出力
    によって、前記スケルチ手段を開成制御させるように構
    成したことを特徴とする請求項1記載のスケルチ回路。
  3. 【請求項3】前記比較手段がヒステリシス特性を備え、
    前記スケルチ手段を開成させる前記第1検波出力のレベ
    ルより閉成させるレベルが低くなるように構成したこと
    を特徴とする請求項1記載のスケルチ回路。
  4. 【請求項4】前記中央演算装置は、スキャン動作の停止
    中はストローブ信号を出力せず、前記パルス出力手段
    は、前記第2検波出力で1パルス出力すると前記ストロ
    ーブ信号が前記中央演算装置から与えられるまでパルス
    出力しないように構成したことを特徴とする請求項2記
    載のスケルチ回路。
  5. 【請求項5】前記パルス出力手段は、前記第2検波出力
    をオア回路の一方の入力端子に与え、その出力端子を第
    1抵抗を介して他方の入力端子に接続するとともに、前
    記出力端子を第2抵抗と第1トランジスタを直列に順次
    に介して接地し、さらに前記出力端子を第3抵抗とコン
    デンサを直列に順次に介して接地し、このコンデンサの
    端子電圧で前記第1トランジスタを導通制御し、前記オ
    ア回路の他方の入力端子を前記ストローブ信号で導通制
    御される第2トランジスタを介して接地し、前記第2抵
    抗と第1トランジスタの接続点からパルスを出力させる
    ように構成したことを特徴とする請求項4記載のスケル
    チ回路。
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