JP2852092B2 - 光磁気記録装置及び記録用磁界発生回路 - Google Patents

光磁気記録装置及び記録用磁界発生回路

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は直列共振回路を用いて光磁気方式の記録手段
を構成した光磁気記録装置及び記録用磁界発生回路に関
する。
[従来技術] 従来より、情報の記録が可能な光磁気ディスクが知ら
れている。この光磁気ディスクに情報を記録する方法と
して例えば第9図に示すようないわゆる重ね書き(オー
バライト)が可能な磁界変調による方法が提案されてい
る。この第9図において、1は光磁気ディスクを示し、
この従来例においては、光磁気ディスク1を樹脂基板2
に垂直磁化膜3を被着することによって構成され、この
光磁気ディスク1は軸Lを中心として回転されるように
なっている。また6は光磁気ディスクの垂直磁化膜の3
にレーザ光を照射する光ヘッド部であり、この光ヘッド
部6は半導体レーザ素子4とフォーカシングレンズ5と
を備えると共に、この光ヘッド部6を光磁気ディスク1
の面と所定間隔を保ちつつ、光磁気ディスク1の半径方
向に移動させ得るようなっている。また、この光ヘッド
部6と光磁気ディスク1を介して対抗する位置に電磁石
7を置き、光磁気ディスク1の垂直磁化膜3に磁界を印
加できるようにすると共に、この電磁石7を光ヘッド部
6と連動させて光磁気ディスク1の半径方向上を移動さ
せ得るようになっている。また、電磁石7により発生す
る磁界を記録データにより変調するための磁界変調回路
8を設け、例えば記録信号の“1",“0"に応じて電磁石
7に流れる電流の向きを矢印A又は矢印Bの方向に変化
させ、発生磁界の光磁気ディスク1に対する方向を変化
させるように構成されている。
このように構成された従来例の光磁気記録装置におい
ては、例えば第10図(A)に示すように、記録信号が磁
界変調回路8に入力された時、電磁石7において第10図
(B)に示すように磁界が発生して、光磁気ディスク1
の垂直磁化膜3に印加されることとなる。そして、第10
図(C)に示すような光磁気ディスク1の垂直磁化膜3
の温度をキュリー点以上になし得る一定強度Pのレーザ
光が照射された結果、光磁気ディスク1の垂直磁化膜3
の記録トラックには模式的に第10図(D)に示すような
記録パターンが形成されることになる。この第10図
(D)において印及び印は、各々垂直磁化膜面に対
して上向き及び下向きに磁化されている状態を示すもの
である。このように従来例の光磁気記録装置は光磁気デ
ィスク1の垂直磁化膜3の微少部分を連続的にキュリー
点以上に加熱しながら、回転軸Lを中心に移動させると
共にキュリー点付近になった部分に記録信号に応じて変
調された磁界を印加して磁化し、温度が降下した時、そ
の磁化を保持させることにより、光磁気記録を行うもの
であり、この方式によればすでに記録された磁化情報の
上に新しい情報を重ね書きによって記録することができ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 上記した従来の磁界変調方式を採用した光磁気記録装
置では、光磁気ディスク1の垂直磁化膜3に印加される
磁界が記録信号の信号レベルの変化に応じてその向きを
反転させる場合、第10図(B)に示すような反転時間td
を必要とする。tdの値が大きいとこの反転時間tdの間、
垂直磁化膜3には磁化を磁界方向に配向させるのに必要
な強度|±Hc |の磁界が印加されないにも拘らず、一定
強度Pのレーザ光が連続的に照射されるようになされて
いるので、磁界反転時間tdに対応する記録トラックパタ
ーン上には、第10図(D)のaに示すように再生にエラ
ーの原因となりやすいノイズ領域を発生する。ここで反
転時間tdは、磁気ヘッドコイルのインダクタンスをL、
コイルに流れる電流をI、コイル両端に印加される電圧
をVとすると、コイルが純粋なインダクタンス成分のみ
からなると仮定すれば、td∝LI/Vなる関係が成立する。
一方、ヘッドの発生磁界Hoは、ヘッドの巻線数Nとす
ればHo∝NIであり、ヘッドのインダクタンスL∝N2であ
るから、磁気ヘッドより一定距離Sp離れた光磁気ディス
ク1に一定磁界を印加するには、Hoに関係するN,Iを小
さくできないため、積LIは一定となる。従って一定磁界
Hoを確保しつつtdの小さくするためには印加電圧Vを大
きくすることとなり、磁界駆動回路及びコイルの消費電
力が増大する問題がある。また、コイルに直列に抵抗を
接続して電流駆動する場合も、抵抗の抵抗値をRとする
とtdは、td∝L/Rにより与えられるから、この場合もtd
を小さくするためにはRを大きくする必要があり、抵抗
での消費電力が増大する問題がある。特に高密度記録を
する場合tdはさらに小さくする必要であり、この消費電
力が増大し、コイル、回路での損失による発熱が大きく
なるため、それが高密度記録を困難としている。そこで
この反転時間tdを小さくし高密度記録をするためには、
一般にヘッドを磁気ディスクに接近させ、ヘッド発生磁
界が小さくても磁気ディスクの垂直磁化膜を十分に磁化
できるようにし、かつヘッドを小型化してディスクへの
印加磁界領域を狭くすることで、磁気ヘッドのインダク
タンスL及び消費電流Iを小さくする方法がとられてい
る。しかしこの方法では、高密度記録化に伴い磁気ヘッ
ドとディスクが接近し、浮上型ヘッドを用いる光磁気デ
ィスク装置で見られるようなヘッドとディスク間距離Sp
が数μm単位となる結果となり、光磁気記録の利点であ
る非接触記録及びディスクの交換性をそこなう問題が生
じる。このため磁界を共振条件のもとで一定周波数で印
加し、レーザ光を変調する方式(特開昭63−37842)が
考案されている。この方式では、共振条件のもとで一定
周波数の磁界を印加するため、磁気ヘッド巻線に流れる
電流は磁気ヘッドのインダクタンスLによらず決まり、
かつ反転時間tdも小さくなるが、共振回路のため、広い
周波数範囲に及ぶ変調信号を記録できず、結局光を磁界
変化に同期して変調する方法となっている。そのため、
この方式では光変調回路が必要な上、光と磁界の印加タ
イミングや、ディスク上での光スポット位置と磁界印加
領域を合わせる制御機構が必要となり、構成が単純な磁
界変調方式よりも構成が複雑になる問題があった。
一方、第11図に示す従来例は、浮上型磁気ヘッド11を
用いた方式である。この方式では磁気ヘッド11は小型化
されてスライダ12と一体になっており、光磁気ディスク
1を回転させることによりスライダ12の下部に流れ込む
空気流による圧力を利用して、スライダ12と共に磁気ヘ
ッド11をディスク1より数μm浮上させることにより、
光磁気ディスク1に磁界に印加して磁界変調記録を行う
ものである。この方式によれば、磁気ヘッド11とディス
ク間は数μmの距離で接近しているため、磁界発生コイ
ルより発生する磁界の強度は小さくでき、かつディスク
への印加磁界領域も狭くできるので、固定式の磁気ヘッ
ドと比較して励磁電流及びインダクタンスを小さくする
ことができるので、高速で磁界を反転する高密度記録が
容易になる利点がある。しかしながら、この方式では磁
気ヘッド11と光磁気ディスク1が数μmの距離で接近し
ているため、磁気ヘッド11とディスク1が接触すること
により、ディスク1表面やヘッド11が損傷したり、ヘッ
ド11とディスク1が水分等により吸着する問題があり、
光記録の特徴である非接触記録の利点がそこなわれる。
また、磁気ヘッド11をディスク1上で浮上させ、数μm
の高さに維持させるためには、ヘッド11のスライダ12形
状を浮上に適するように精密に加工すると共にそのスラ
イダ12を空気圧力に抗して安定に支持するための支持機
構も必要となり、浮上型ヘッド11は固定式ヘッドに比べ
構造も複雑で高価なものになる問題がある。
また、第12図に示す従来例は、磁気ヘッド巻線のイン
ダクタンスと外付けのコンデンサにより共振回路を形成
し、共振条件のもと一定周波数磁界を磁気ヘッドより発
生させ、ディスク上に印加された磁界の向きによって記
録データに応じて変調された光パルスを磁界変化に同期
してディスクに照射することにより、基本的な光変調方
式で記録を行う方式である。
この方式では電磁石14のコイル14Aにコンデンサ15を
直列に接続して共振回路16を構成し、電磁石14のコイル
14Aを発振コイルとする発振回路17を設けるようにして
いる。
この場合、この共振回路16の共振周波数foを記録信号
の最高周波数fmの2倍の周波数2fmとするようにコンデ
ンサ15の値Cを設定し、電磁石14により周波数2fmで方
向が反転する磁界を発生させている。
また、発振回路17により得られる発振信号を波形整形
回路18を介して一致回路19の一方の入力端に供給し、他
方の記録入力端に入力される記録信号を光変調器20に供
給するうようにしている。
この方式においては、磁気ヘッドの励磁電流を共振条
件のもとで流すため、ヘッドのインダクタンスが大きく
ても、高周波の大電流をヘッド巻線に与えることがで
き、その結果、磁気ヘッドがディスクから100μm以上
離れてた固定式ヘッドにおいても、第13図(A)に示す
ように高速で反転する媒体を磁化するに十分な大きい磁
界を発生させることができ、その向きにより第13図
(B)に示すような変調されたレーザパルスを照射する
ことにより、第13図(C)に示すような磁化パターンを
ディスク1の垂直磁化膜3に形成され記録できる。
この方式によれば、ディスクから離して固定された磁
気ヘッドを用いて磁界を高速で変化させながら、光変調
記録をするため、従来の一定磁界を与える光変調方式で
不可能であった重ね書きが可能であり、浮上型磁気ヘッ
ドの問題も解決できる。しかしながら、この方式におい
ては、磁界を変化させる機構に加えて磁界の変化とタイ
ミングを合せた光変調回路が必要となるため、従来の磁
界変調方式よりも構造が複雑になる問題がある。
本発明は上述した点にかんがみてなされたもので、固
定式の磁気ヘッドのみで容易に高密度の磁界変調記録を
可能にする光磁気記録装置及び記録用磁界発生回路を提
供することを目的とする。
[問題点を解決する手段] 本発明の光磁気記録装置は第1の方向の極性を有する
バイアス磁界を発生する第1の磁界発生手段と、第2の
方向の極性を有し、単一周波数で、その磁界の振幅が記
録データに応じて変化する直列共振回路で構成した第2
の磁界発生手段と、所定の強度の可集光性の光を光磁気
記録媒体に照射する光の照射手段とを備え、前記直列共
振回路による高速で反転する大きな磁界を光磁気記録媒
体に印加した状態で、その振幅を記録データで変調制御
することにより、インダクタンスが大きい場合にも高速
で且つ記録ヘッドと記録媒体との距離が大きくても高密
度で磁界変調による記録を行えるようにしている。
又、本発明の記録用磁界発生回路では、インダクタン
スとコンデンサとを直列に接続した直列共振回路と、こ
の直列共振回路の共振周波数に同期した励振用信号を供
給して記録用磁界を発生させる駆動信号供給手段と、記
録データに応じた信号を前記共振回路に供給して、前記
インダクタンスに流れる電流を抑圧する抑圧手段とを備
えることにより、インダクタンスが大きくても高速で記
録できる磁界を発生でき、且つその磁界の大きさを記録
データに応じて制御することにより高速で重ね書きので
きる磁界を発生するようにしている。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
第1図ないし第4図は本発明の第1実施例に係り、第
1図は第1実施例の光磁気記録装置の構成図、第2図は
第1図の動作説明図、第3図は記録用磁界発生回路の回
路図、第4図は第3図の動作説明図である。
第1図に示すように第1実施例の光磁気記録装置21は
スピンドルモータ22によって、中心軸Lを中心として回
転駆動される光磁気ディスク23の各面に対向して光ヘッ
ド部24と(記録用)磁界発生回路25とが配設されてい
る。
上記光磁気ディスク23は、透明基板26に垂直磁化膜27
を被着して構成され、光ヘッド部24を構成する半導体レ
ーザ28のレーザ光が対物レンズ29を経て集光されて垂直
磁化膜27に照射される。
上記光ヘッド部24は、光磁気ディスク23の面と所定間
隔を保つようにレンズアクチュエータで制御され、且つ
図示しないヘッド送り機構にて光磁気ディスク23の半径
方向に移動できるようにしてある。
上記光ヘッド部24と反対側となるディスク面に対向し
て、電磁石31が配置され、光ビームが集光照射される垂
直磁化膜27部分に磁界を印加できるように、この電磁石
31は光ヘッド部24と連動して光磁気ディスク23の半径方
向に移動するようにしてある。
この電磁石31には、直流電源Vcより、インダクタLcを
介して第2図(B)に示すような一定の直流電流Idcが
流れる巻線32と、第3図に示すような共振型の磁界変調
回路33により、第2図(A)に示すように振幅が記録信
号により変調された一定周波数の電流Ioが流れる巻線34
とが巻かれている。
従って、電磁石31より発生する磁界は、巻線32,34よ
り発生する磁界が重畳され、垂直磁化膜27には第2図
(C)に示すような磁界±HMが印加される。
ここでインダクタLcはヘッドの巻線32のインダクタン
スより十分大きなインダクタンスを有するインダクタで
あり、この高周波インピーダンスは大きいため、巻線32
に接続された直流回路と巻線34に接続された高周波回路
との干渉は小さい。本実施例においては、光磁気ディス
ク23の垂直磁化膜27の温度をキュリー点以上になし得る
一定強度のレーザ光を照射しながら、回転軸Lを中心に
光磁気ディスク23を移動させると共に、キュリー点付近
以上となった垂直磁化膜27の部分に該垂直磁化膜27を磁
界方向に配向させるのに必要な強度|±Hc|を越える磁
界|±HM|を第2図(C)のように印加し、温度が降
下した時、その磁化を保持させることにより、垂直磁化
膜27の記録トラック上に第2図(D)の印印で模式
的に示すような磁化方向の互いに反対である磁化パター
ンを形成することで、重ね書き可能な磁界変調記録が可
能である。この本実施例では、第2図(A)に示すよう
な共振記録電流を得るためには第3図(A)または
(B)で示すような共振回路による磁界変調回路33が用
いられる。
第3図において、36は第2図の34に相当する磁気ヘッ
ド巻線であり、37は36と直列接続されたコンデンサであ
る。また、共振要素の37または36に並列に接続されたダ
イオードD、抵抗R、スイッチSWからなる回路は、共振
要素の機能を制御するためのものであり、抵抗Rはその
制御量を決めるためのものである。
ここで、第3図(A)または(B)の回路に第4図
(A)で示すような共振クロック信号CKが入力される
と、その周波数f ckがコンデンサ37の容量C及びヘッド
巻線36のインダクタンスLの共振条件の周波数 と一致すると、回路には一方向に変化する共振電流Ioが
流れる。この時、スイッチSWを共振周波数と同期して、
記録信号に応じて、第4図(B)に示すような信号MOに
従って、“1"の時にON、“0"の時にOFFすると、共振電
流Ioは、SWがONの時にはIoMINに抑制され、OFFの時には
共振時の電流ピーク値IoMAXとなり、第4図(C)で示
すように記録変調信号MOに応じて振幅の変化する共振波
形となる。
したがってこの回路を用いることにより、ヘッド巻線
36のインダクタンスLが大きくても、共振条件のもとで
電流の立上がり、立下がりの速度が高速となり、かつ大
電流を容易に流せるため、第2図(C)で示す重畳磁界
HMの反転時間は小さく、かつ磁界強度はヘッドディス
ク間距離Sp(第1図)が例えば100μm以上と大きくて
も、垂直磁化膜を磁化するのに十分大きな値が得られ
る。以上のように本実施例の光磁気記録装置21を用いれ
ば、簡単な機構、回路により重ね書きのできる磁界変調
記録が容易にでき、かつ高密度記録化にも対応できる。
また、磁気ヘッド発生磁界も大きいので、ヘッド、ディ
スク間距離を大きくできるので光磁気記録の非接触記録
の利点をそこなうこともない。
上記第1実施例では一定のバイアス磁界を与える手段
として、電磁石を用いていたが、第5図に示す変形例の
ように永久磁石39を用いて一定のバイアス磁界の発生手
段を構成することもできる。この場合、磁気ヘッドの巻
線は1つでも良く、磁界変調回路33は、第3図(A)又
は(B)で示すものと同様にすれば先述と同様の磁界変
調記録が可能である。さらにこの永久磁石39の代りに光
ヘッド24の対物レンズ29の位置を制御するために用いる
アクチュエータの漏れ磁界を利用しても良く、この場合
より簡単な構成で磁界変調記録ができる利点がある。
上記第1実施例又は変形例によれば、磁気ヘッドと光
磁気ディスク間の距離が大きくても高密度記録ができる
ため、磁気ヘッドも複雑な形状の浮上ヘッドや薄膜ヘッ
ドを用いなくても簡単な構造の固定磁気ヘッドで良く、
ヘッド・ディスク間の距離を制御する必要もない。
次に片電源で構成した磁界発生回路41を第6図に示
す。
本例において、インダクタンスLhの磁気ヘッドの巻線
42は、静電容量C1のコンデンサ43と直列に接続され、ス
イッチング素子(MOSFET)Q1を介して直流電源Vの例え
ば陰極に接続されることにより、片側電源で動作する直
列共振回路を形成している。ここで共振用コンデンサ43
に並列に接続され、且つ直流電源Vの陽極に一端が接続
されたインダクタ44は磁気ヘッドのインダクタンスLhよ
りも十分大きなインダクタンスL1(例えばL1>10Lh)を
有しており、スイッチング素子Q1に直流バイアス電圧を
与えると共にスイッチング素子Q1のOFF時にインダクタ4
4の両端に発生する逆起電圧により、コンデンサ43がス
イッチング素子Q1がON時に蓄積した電荷を放出させ、ON
時と逆極性の電圧により、コンデンサ43を充電させるこ
とで、片電源においても共振状態を持続させることがで
きる。
したがってスイッチング素子Q1のゲートに第7図
(A)に示すように共振条件が成立する周波数 のクロック信号CKを入力すると、ヘッド巻線42には共振
周波数foの電流が流れる。この電流は共振電流のため電
源電圧とLh,C1以外の回路インピーダンスにより大きさ
が決まり、ヘッドインダクタンスLhによらず大きな電流
を流すことが可能となる。一方、ヘッド巻線42の一端に
ダイオードD1、抵抗R1を介してスイッチング素子Q2を接
続し、スイッチング素子Q2のゲートに第7図(B)で示
すような記録データに応じた変調制御信号MOを入力する
ことにより、スイッチング素子Q2がONしている時間、ス
イッチング素子Q1のスイッチ動作により共振状態となっ
ている磁気ヘッド巻線に流れる共振電流I1の振幅は抑制
(抑圧)され、第7図(C)に示す様な変化をする。こ
こで、第7図(c)のI1MAXは抑制されない時の共振電
流ピーク値であり、I1MINはスイッチング素子Q2のスイ
ッチにより抑制された共振電流のピーク値である。ここ
でD1はスイッチング素子Q2に流れる電流を1方向とし
て、Q1とQ2のスイッチ動作の相互干渉を防止するための
ものであり、抵抗R1を調整することにより、I1MINの大
きさを変化させることができる。R1を小さくすることに
よりI1MAX/I1MINは3以上にすることも可能である。こ
のようにヘッド巻線42に記録データに応じて振幅の変化
する電流I1が流れると、ヘッドの主磁極からは、ディス
ク23の垂直磁化膜27に第7図(D)に示すようなH1MIN
からH1MAXに振幅の変化する一方向の磁界が印加され
る。この磁界と反対の方向に他の磁石により一定の大き
さのバイアス磁界−Hz印加すると、垂直磁化膜27上での
重畳された磁界は第7図(E)に示すH1のように変化す
る。ここで変化する磁界の最小値を磁界方向により各々
+HM,−HMとすると、垂直磁化膜27の磁化を磁界方向
に配向させるために必要な強度±Hc1に対して、|HM|
>|Hc1|となるようにヘッド発生磁界H1及びバイアス磁
界H2を設定すれば、垂直磁化膜27は記録信号に応じて第
7図(F)に示すように磁化される。この磁化パターン
図で斜線部印の部分と印の空白部は互いに反対方向
の磁化領域を模式的に示したものである。以上この方式
によれば簡単な回路構成ですでに記録された磁化情報の
上に新しい情報を重ね書きによって記録することが可能
である。
第8図は第6図とは異なる記録用磁界発生回路51の構
成を示す。
第8図において、ダイオードD2、抵抗R2は第6図の実
施例に新たに加えられた回路で、ヘッド巻線42の両端を
ダイオードD1,D2、抵抗R1,R2を介してスイッチ素子Q2に
接続したものである。ここでD1,D2はスイッチング素子Q
1,Q2の動作の相互干渉を防止するためのものであり、抵
抗R1,R2を調整することにより、第7図(C)に示すI1
MINの大きさを設定するためのものである。この実施例
は、第6図の実施例と同様にスイッチング素子Q1のゲー
トに第7図(A)で示すような共振クロックCKを印加
し、コンデンサ43及び磁気ヘッド巻線42を共振状態と
し、スイッチング素子Q2のゲートに第7図(B)で示す
ような記録データに応じた変調制御信号MOを入力するこ
とにより、磁気ヘッド巻線42に流れる共振電流I1の振幅
を制御する回路であるが、Q2のON時に同時にヘッド巻線
42の両端2a,2bを電源Vの陰極と接続することで第6図
の実施例の場合よりも、共振電流の振の抑制効果をさら
に高めたものである。すなわち、第7図(C)に示す共
振電流I1MAX,I1MINの比率I1MAX/I1MINを第6図の実施
例よりさらに大きくできるため、第7図(E)で示すよ
うなバイアス磁界との重畳磁界の振幅|Hc1|大きくな
り、より小さな電源電圧で容易に磁界変調記録ができ
る。
また、本発明の回路を用いれば、一般のLC共振回路よ
りも共振周波数での電流ピーク形状も広がるため、安定
した電流が供給できる上、片電源で動作し、回路も簡単
であるため容易に磁界変調回路が構成できる。
尚、本発明はコンデンサとして可変容量コンデンサを
用いたり、磁界発生コイルとして可飽和トランスを用い
て、各素子の容量やインダクタンスを外部より変化させ
る方法によっても実現できる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、磁界発生用コイル
とコンデンサとを直列に接続して直列共振回路を構成
し、この直列共振回路の共振周波数に同期した信号で励
振し、且つ記録データに応じた信号で共振を抑圧するよ
うにして、記録データに応じた磁界を光磁気記録媒体に
印加するようにしているので、インダクタンスが大きく
ても記録データに応じて高速で記録することのできる磁
界を発生でき、重ね書きのできる高密度記録を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の第1実施例に係り、第1
図は第1実施例の光磁気記録装置の構成図、第2図は第
1図の動作説明図、第3図は記録用磁界発生回路の回路
図、第4図は第3図の動作説明図、第5図は記録用磁界
発生回路の変形例の構成図、第6図は本発明の第2実施
例における磁界発生回路の回路図、第7図は第2実施例
の動作説明図、第8図は本発明の第3実施例における磁
界発生回路の回路図、第9図は従来例の構成図、第10図
は第9図の動作説明図、第11図は他の従来例の斜視図、
第12図はさらに他の従来例の構成図、第13図は第12図の
動作説明図である。 21……光磁気記録装置、23……光磁気ディスク 24……光ヘッド部、25……磁界発生回路 27……磁化膜、28……半導体レーザ 29……対物レンズ、31……電磁石 32,34……巻線、33……磁界変調回路 36……磁気ヘッド巻線、37……コンデンサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の方向の極性を有するバイアス磁界を
    発生する第1の磁界発生手段と、第2の方向の極性を有
    し、単一周波数で、その磁界の振幅が記録データに応じ
    て変化する直列共振回路で構成した第2の磁界発生手段
    と、所定の強度の可集光性の光を光磁気記録媒体に照射
    する光の照射手段と、 を設けたことを特徴とする光磁気記録装置。
  2. 【請求項2】インダクタンスと静電容量とが直列に接続
    された共振回路と、前記共振回路の共振周波数に同期し
    た励振用信号を供給して記録用磁界を発生させる駆動信
    号供給手段と、記録データに応じた信号を前記共振回路
    に供給して、前記インダクタンスに流れる電流を抑圧す
    る抑圧手段と、 から構成される記録用磁界発生回路。
  3. 【請求項3】記録用磁界発生コイルにコンデンサを直列
    接続した直列共振回路と、該直列共振回路にその共振周
    波数でスイッチングされる第1のスイッチング素子を介
    して直列に接続された片極性の電源と、前記コンデンサ
    と並列に接続され、前記記録用磁界発生コイルのインダ
    クタンスより十分大きいインダクタンスを有するインダ
    クタと、前記磁界発生用コイルの少なくとも一端に、共
    振を抑圧するダンピング素子と共に接続された第2のス
    イッチング素子と、 から構成される記録用磁界発生回路。
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