JP2851651B2 - 耐溶融亜鉛めっきわれ性に優れた高張力鋼 - Google Patents

耐溶融亜鉛めっきわれ性に優れた高張力鋼

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JP2851651B2 JP26386589A JP26386589A JP2851651B2 JP 2851651 B2 JP2851651 B2 JP 2851651B2 JP 26386589 A JP26386589 A JP 26386589A JP 26386589 A JP26386589 A JP 26386589A JP 2851651 B2 JP2851651 B2 JP 2851651B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は溶接後に溶融亜鉛めっきされる鋼構造物(橋
梁、鉄塔、建築物など)において、特に溶接部の耐溶融
亜鉛めっきわれ性の優れた鋼に関するものである。
(従来の技術) 従来より上記した鋼構造物は、耐食性の観点から溶融
亜鉛めっきされることが多い。構造部材が大型になる
と、この溶融亜鉛めっき時に主として溶接部にわれが発
生する場合があり、構造物の安全上その防止対策が求め
られており、これまでにもいくつかの提案がなされてい
る。
例えば、特開昭59−50157号公報では鋼中の〔S〕量
を0.030〜0.060%に規制することによる対策、特開昭61
−133363号公報、特開昭61−231141号公報、特開昭62−
5044号公報等では鋼材の合金元素量に一定の関係を満足
させることによる対策が提案されている。
しかし、これらの提案技術はわれを完全に防止する点
で必ずしも充分でなく、新たなる技術が求められてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 従来、溶接鋼構造物は、鋼材を使用目的に応じて溶接
組立をした後、防錆のため溶融亜鉛めっきを施した溶接
鋼構造物として広く用いられているが、溶融めっき時に
溶接止端部に亜鉛脆化われが発生する場合がある。この
亜鉛脆化われは、溶接止端部に主として溶接残留応力に
よる大きな引張り応力が付加されているために発生する
ものと考えられている。
従来より公知な通り溶接残留応力は溶接部を加熱する
ことにより減少する性質を有しており、450℃の溶融亜
鉛浴中に浸漬するめっき工程においても、同様の現象が
起こることが確認されている。
しかし、前述した従来の対策では溶融亜鉛に浸漬し、
めっきする工程での溶接残留応力の低減は充分なもので
なく、亜鉛脆化われを確実に防止することはできなかっ
た。
本発明はこのような現状に鑑み、溶融亜鉛めっきの工
程において溶接部で亜鉛脆化われを生じない鋼を提案す
るものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、その
要旨とするところは、重量%でC:0.10〜0.20%、Si:0.3
5%以下、Mn:0.80〜2.0%、Al:0.005〜0.10%、B:0.000
2%以下を含有し、更に、Cu:2.0%以下、Ni:2.0%以
下、Cr:0.5%以下、Mo:0.3%以下、V:0.1%以下、Nb:0.
1%以下、Ti:0.03%以下の1種又は2種以上を含有し、
残部Fe及び不純物からなり、同時に Ceq(Z)=C+Si/30+Mn/4+Cu/6+Ni/11+Cr/6 +Mo/3+V/2+Nb/2−Ti/2≦0.52% を満足し、且つ450℃における母材降伏強度が117−174
・Ceq(Z)以下であることを特徴とする耐溶融亜鉛め
っきわれ性に優れた高張力鋼にある。
以下に本発明における限定理由を説明する。
本発明の限定要件は上記した通り、各種合金元素の含
有量およびこれらの組合せによるCeq(Z)%の制限、
更には、450℃に於ける母材降伏強度の限定にある。
本発明の効果はこれらの要件をすべて満足して初めて
発揮されるもので、いずれかの要件を満たさない時には
その効果は発揮されない。
まず、合金元素含有量を前記範囲に限定した理由を述
べる。
Cは強度確保のために添加するが、0.10%未満では効
果が不十分であり、0.20%を超えると鋼材と靭性と溶接
性を損なうばかりか、耐亜鉛めっきわれ性を著しく損な
うので0.10〜0.20%とした。
Siは強度確保と脱酸のために添加するが、0.35%を超
えると靭性が劣化すると共にめっき面の健全性を損なう
のでこれを上限とした。
Mnは強度確保のために添加するが、0.80%未満では効
果が不足し、2.0%を超えて添加すると溶接性および耐
亜鉛めっきわれ性を著しく損なうので0.80〜2.0%とし
た。
Alは通常脱酸元素として用いられている範囲である0.
005〜0.100%に限定した。
Bは微量の添加で強度上昇に有効であるが、0.0002%
を超えて添加すると耐亜鉛めっきわれ性を著しく損なう
ので、これを上限とした。
Cu,Ni,Cr,Mo,V,Nb,Tiは各々強度・靭性向上を目的と
して添加される元素であるが、上記限定範囲を超えて添
加すると溶接性および耐亜鉛めっきわれ性が損なわれる
のでこれを上限とした。
本発明では上記したごとく、個々の合金元素添加量を
制限すると共に、これらを組み合わせた総合的添加量:C
eq(Z)値が特定の式を満足すると共に、450℃におけ
る母材降伏強度が一定の式を満足するときに初めてその
効果を発揮するものであり、この点について以下に実験
結果をもって説明する。
使用鋼材の化学組成を総合的添加量として Ceq(Z)=C+Si/30+Mn/4+Cu/6+Ni/11+Cr/6 +Mo/3+V/2+Nb/2−Ti/2 からなる式で限定した理由であるが、該炭素当量式は溶
接熱影響部の亜鉛脆化に及ぼす各種合金元素の影響を定
量化し成したもので、この値が低いほど亜鉛脆化は起こ
りにくく、鋼材成分は母材強度を満足する範囲内で上記
Ceq(Z)値を低くすることが望ましい。
しかし、前述した通り実構造物の亜鉛めっき工程にお
いては、この制限条件のみでは亜鉛脆化に基づくわれを
完全には防止できず、本発明者らはこの現状を打破すべ
く、亜鉛脆化に基づくわれの新たなる要因の解析を行っ
た結果、Ceq(Z)%と450℃における母材降伏強度が、
ある一定の関係を満足するときに、われを完全に防止で
きることを見い出した。
この新たなる知見を得た実験方法及び実験結果を第1
図、第2図に示す。
実験方法を第1図に示す。
第1図において1は試験板、2は試験ビード、3は試
験ビードに残留応力を付与するための拘束ビードであ
る。
本実験は拘束ビード3により試験ビード2止端部に応
力を付与した後、同試験片を亜鉛浴中に浸漬することに
より、試験ビード止端部での液体金属脆化に基づくわれ
発生の有無により、鋼材の耐亜鉛めっきわれ性を評価す
るものである。
なお、亜鉛めっきわれは同一鋼材であれば付与する応
力が高いほど発生し易いが、拘束ビードで付与された応
力は、亜鉛浴中(450℃)に浸漬されることにより、母
材の450℃での降伏応力レベルまで低下するため、われ
の発生はこのレベルによって大きく左右される。
本実験方法によれば、拘束ビード数5パスで、試験ビ
ード止端部近傍に試験板の室温での降伏強度に相当する
残留応力の付与が可能であるため、本実験での拘束ビー
ド数はすべて5パスとした。
試験、拘束ビードの溶接条件は下記の通りである。
以上の条件下で、Ceq(Z)および450℃における母材
降伏強度の異なった鋼材により試験片を製作し、450℃
の亜鉛浴中に浸漬した後、試験ビード止端部におけるわ
れ発生の有無を調査した。
実験結果を第2図に示す。
図に明らかな通り、Ceq(Z)%が0.52%以下で450℃
における母材降伏強度が117−174・Ceq(Z)以下であ
れば、亜鉛めっきわれの発生を防止できることが明らか
である。
なお、450℃における降伏強度を117−174・Ceq(Z)
以下とするための鋼材の製造方法としては、特願昭63−
301783号明細書(特開平2−145721号公報)で本発明者
らが提案した方法(1)「オーステナイト再結晶域で30
%以上の圧下率で圧延し、その後Ar3点以上から5℃/se
c以上15℃以下の冷却速度で600℃〜400℃迄を冷却す
る」、(2)「オーステナイト再結晶域で30%以上の圧
下率で圧延し、その後Ar3点以上から5℃/sec以上15℃
以下の冷却速度で400℃以下迄冷却後、400℃以上Ac1
下で焼戻しする」等があるが、他の方法によっても本発
明の効果は損なわれるものではない。
(実 施 例) 以下実施例により本発明の効果を具体的に示す。
なお、耐亜鉛めっきわれ性は第3図に示す実物大の板
桁のウェブ材に、第1表の供試材を用い、溶融亜鉛めっ
き後に溶接HAZ部におけるわれの有無を調査し評価し
た。
第1表に供試した鋼の組成、Ceq(Z)、母材強度、
及び耐亜鉛めっきわれ性評価試験結果を示す。
鋼1,2及び鋼3,4は同一成分であるが、製造方法を違え
母材の450℃での降伏強度を変化させた鋼材である。鋼
2,4は母材の450℃での降伏強度が本発明の要件である11
7−174・Ceq(Z)以下を満足しておらずわれの発生が
認められる。また、鋼7,10,11,12,13はいずれも表中に
アンダーラインで示した項目が本発明の要件を満足して
おらずわれの発生が認められた。
一方、本発明の要件をすべて満たす鋼1,3,5,6,8,9は
実物大の構造物においても、優れた耐亜鉛めっきわれ性
を発揮しわれの発生は認められない。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、個々の合金元素添加
量を制限すると共に、これらの総合的添加量を制限し、
且つ450℃における母材降伏強度を合金元素の総合的添
加量との関係において制限することにより、優れた耐亜
鉛めっきわれ性を有する鋼材の製造が可能であることが
明らかである。従って、本発明は産業上大きな効果を有
するものであるといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は小型亜鉛めっきわれ性評価試験法を示す説明
図、第2図はCeq(Z)値と450℃での母材降伏強度によ
る耐亜鉛めっきわれ性の変化を示す図表、第3図は実物
大での亜鉛めっきわれ性を評価した試験体を示す説明図
で、(b),(c)は各々(a)におけるA−Aおよび
B−B断面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船津 裕二 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社大分製鐵所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C :0.10〜0.20%、 Si:0.35%以下、 Mn:0.80〜2.0%、 Al:0.005〜0.10%、 B :0.0002%以下 を含有し、更に、 Cu:2.0%以下、 Ni:2.0%以下、 Cr:0.5%以下、 Mo:0.3%以下、 V :0.1%以下、 Nb:0.1%以下、 Ti:0.03%以下、 の1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不純物からな
    り、同時に Ceq(Z)=C+Si/30+Mn/4+Cu/6+Ni/11+Cr/6 +Mo/3+V/2+Nb/2−Ti/2≦0.52% を満足し、且つ450℃における母材降伏強度が117−174
    ・Ceq(Z)以下であることを特徴とする耐溶融亜鉛め
    っきわれ性に優れた高張力鋼。
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