JP2850642B2 - 分子線エピタキシー装置の水銀カドミウムテルル薄膜用基板ホルダー - Google Patents

分子線エピタキシー装置の水銀カドミウムテルル薄膜用基板ホルダー

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JP2850642B2 JP14517992A JP14517992A JP2850642B2 JP 2850642 B2 JP2850642 B2 JP 2850642B2 JP 14517992 A JP14517992 A JP 14517992A JP 14517992 A JP14517992 A JP 14517992A JP 2850642 B2 JP2850642 B2 JP 2850642B2
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substrate
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子線エピタキシー(M
BE)装置の水銀カドミウムテルル(HgCdTe)薄
膜用基板ホルダーにおいて、同薄膜堆積中に起こる基板
温度低下による同薄膜結晶性の低下および不均一化を防
止し、結晶性を向上させ、高品質なHgCdTe薄膜を
作製することを可能にする基板ホルダーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】MBE法によりHgCdTe薄膜を成長
する場合の概念図を図3に示す。同図において、るつぼ
7には、HgCdTeの分子線源の元素Hg、Te及び
化合物のCdTeが入っている。シャッター6を開ける
ことにより、加熱されたるつぼ7から分子線が被成長基
板2へ照射され、同基板上にHgCdTeが堆積する。
ここで1はホルダー、8はバイロメーターである。
【0003】同図の基板ホルダー周辺を拡大したのが図
4である。被成長基板2はガリウムのような低融点金属
3で固定され、基板ホルダー1の裏面からヒータ9で加
熱される構造になっている。しかしながら、Journ
al of VacuumScience and T
echnology B5(1987)734頁におい
てW.E.Hokeらが述べているように、基板ホルダ
ー表面は凸凹が大きい粗面であるため、基板ホルダーの
基板外の占める表面積が大きいほど、(吸収係数のとり
わけ大きいHgCdTeでは)薄膜堆積とともに同表面
部分からの放射冷却が大きくなり、熱電対10に表示さ
れる温度は一定にもかかわらず実際の基板温度(基板ホ
ルダーの表面温度にほぼ等しい)は堆積が進行するにつ
れ低下することが示されている(図5(b)参照)。H
gCdTe薄膜の作製では均一な結晶性を得るために、
1℃以内の基板温度安定性が要求され(Applied
Physics Letters 52(1988)9
78頁 M.D.Langeら)、約1℃変化しただけ
でも単結晶が得られなくなる場合があった。基板温度を
安定化するためには薄膜堆積にともない、一定の割合で
ヒータへの供給電力を増加させる方法が採らされており
(例えばJournal of Crystal Gr
owth 111(1991)698頁J.P.Fau
rieら)、これにより実際の基板温度は安定化され、
膜厚方向の薄膜結晶性が均一になるように制御されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の基板
ホルダーを用いた場合および上記の方法において、薄膜
の成長速度を変えた場合、あるいは基板の大きさ(面
積)が異なる場合、放射冷却により基板ホルダー表面か
ら放射される熱量が複雑に変化するため、ヒータへの供
給電力量の制御が容易でなかった。このため、HgCd
Te薄膜の結晶性、及び再現性は著しく低く、結晶の電
気特性やこの薄膜材料により製造される赤外線検出器の
検出波長帯が結晶ごとにばらつくという問題があった。
【0005】本発明の目的は、HgCdTe薄膜成長時
の基板温度の低下を防止して高品質な結晶性を有し、均
一の高いHgCdTe薄膜を製造するための基板ホルダ
ーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、基板ホルダー上にガ
リウムと基板ホルダー材質であるモリブデンの化合物皮
膜を形成したことにより、基板加熱ヒータからの放熱効
果を高め、HgCdTe堆積中の基板温度低下を防止す
るものである。
【0007】さらに詳しくは、モリブデン製基板ホルダ
ーにガリウムを塗布し、同ホルダーを真空中で約600
℃において加熱処理して同ホルダー表面をガリウムとモ
リブデンの化合物で皮膜することにより、基板加熱ヒー
タからの放熱効果を高め、HgCdTe堆積中の基板温
度低下を防止するものである。
【0008】
【0009】
【作用】 ガリウムとモリブデンの化合物皮膜の放熱効果
のため、あたかも薄膜がすでに堆積したかのような状態
にあるため、基板温度が低下して安定しており、HgC
dTe薄膜堆積中は基板温度が変化することはない。
【0010】
【実施例】以下、実施例により分子線エピタキシー装置
の水銀カドミウムテルル薄膜用基板ホルダーを説明す
る。
【0011】モリブデンからなる基板ホルダー(通常直
径は2または3インチ)へ真空蒸着のような方法にて炭
素膜を形成する。炭素皮膜4が形成された同ホルダー1
へHgCdTe堆積用の基板を図1に示すように低融点
金属3で固定する。このような基板ホルダーにてHgC
dTe薄膜を同基板上へ堆積させる。図5(b)は物体
から輻射される赤外線を利用した温度計(パイロメー
タ、図3中の記号8)により、従来の基板ホルダーを使
用して、HgCdTe薄膜成長中の基板温度変化をモニ
ターしたときのものである。MBE法でのHgCdTe
の成長温度は通常190℃程度であるが、従来の場合は
1時間成長して約21℃の基板温度の低下が見られた。
本発明によりHgCdTeを成長すると、図5(a)に
示したように1時間でわずかな数℃程度の変化だけで、
被成長基板周辺部からの放射冷却が非常によく抑えられ
ていることがわかった。従って、被成長基板の温度はH
gCdTe薄膜成長中、ほぼ一定なので、成長している
HgCdTe薄膜の結晶特性は温度による擾乱をほとん
ど受けなくなった。二結晶X線回折で調べた同薄膜の結
晶性は従来、半値幅が数100秒以上(図6(b))で
あったが本発明により30秒(図6(a))以下に改善
できた。すなわち、HgCdTeは成長中に基板温度の
低下にともなう結晶の劣化(双晶)を起こすこともな
く、結晶の均一性が従来の方法に比べて格段に向上し
た。基板温度が安定化されたことにより、結晶の電気特
性を示す、キャリア濃度,電子もしくは正孔移動度の膜
厚方向における均一性が1桁近く改善された。さらに、
HgとCdの混晶比が膜厚方向で均一化された結果、図
7(a)に示すようにHgCdTe薄膜の光学特性を示
す赤外透過波形において、従来の方法(図7(b))に
比べて非常に急峻な立ち上がり特性を示すようになっ
た。
【0012】さらに、基板ホルダーにガリウムを塗布
し、真空中、約600℃10分の処理をするとホルダー
表面にはガリウムとモリブデンの化合物5が形成され
る。図2に示すように同ホルダー上に基板を固定する。
このような基板ホルダーを使用してHgCdTe薄膜を
同基板上へ堆積させれば、上述したのと同様な効果が上
げられることがわかった。
【0013】
【発明の効果】以上詳述したように本発明により実施し
た分子線エピタキシー装置の水銀カドミウムテルル薄膜
用基板ホルダーによりば、基板温度がHgCdTeの成
長中、極めて安定であり、均一性の高い良質な結晶性を
有するHgCdTe薄膜形成が可能となった。また、本
発明により基板ホルダーへ固定する基板の大きさ(面
積)に制限が亡くなり、いかなる面積の基板においても
同様な効果を期待することが可能となった。本基板ホル
ダーを利用して作製した結晶を用いれば良好な動作特性
を得ることのできるHgCdTe赤外線検出器の製造が
行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分子線エピタキシー装置の水銀カ
ドミウムテルル薄膜用基板ホルダーを説明するための基
板ホルダー周辺図である。
【図2】本発明による分子線エピタキシー装置の水銀カ
ドミウムテルル薄膜用基板ホルダーを説明するための基
板ホルダー周辺図である。
【図3】分子線エピタキシー装置の水銀カドミウムテル
ル薄膜の製造方法を説明するための装置構成図である。
【図4】従来の分子線エピタキシー装置温水銀カドミウ
ムテルル薄膜用基板ホルダーを説明するための基板ホル
ダー周辺図である。
【図5】HgCdTe成長中の基板温度の時間変化を示
した図である。
【図6】HgCdTeの結晶性を示す二結晶X線回折の
回折曲線を示す図である。
【図7】HgCdTe膜の赤外透過スペクトルを示す図
である。
【符号の説明】
1:基板ホルダー 2:HgCdTe成長用基板 3:基板接着用低融点金属 4:炭素膜 5:ガリウムとモリブデンの化合物皮膜 6:セルシャッター 7:セルるつぼ 8:基板温度計測用パイロメータ 9:基板加熱用ヒータ 10:基板温度測定用熱電対

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子線エピタキシー(MBE)装置の水銀
    カドミウムテルル薄膜用基板ホルダーにおいて、基板ホ
    ルダー上にガリウムと基板ホルダー材質であるモリブデ
    ンの化合物皮膜を形成したことを特徴とする分子線エピ
    タキシー装置の水銀カドミウムテルル薄膜用基板ホルダ
    ー。
JP14517992A 1992-06-05 1992-06-05 分子線エピタキシー装置の水銀カドミウムテルル薄膜用基板ホルダー Expired - Lifetime JP2850642B2 (ja)

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