JP2850623B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランジスタ・インバ
ータ装置などを実施対象に、複数個のパワートランジス
タモジュールを並列接続して使用する半導体装置、特に
モジュール間を並列接続する外付け接続導体の構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近では、パワートランジスタで構成し
たインバータ装置が多く採用されている。図2はパワー
トランジスタ・インバータ回路を例示したものである。
図において、1は電源の整流回路、2は負荷(電動
機)、3はブリッジ回路を構成するパワートランジス
タ、4はスナバ回路である。
【0003】また、かかるインバータ装置の大容量化を
図るために、複数個のパワートランジスタモジュールを
並列接続して使用することが一般に行われており、その
並列接続回路を図3に示す。なお、図中で5は複数のパ
ワートランジスタ3のコレクタ電極間を相互接続する外
付けの接続導体、6はエミッタ電極の間を相互接続する
接続導体、7はベースとインバータのドライブ回路との
間を接続する配線である。
【0004】次に、複数個のパワートランジスタモジュ
ールの相互間を前記の接続導体5,6で並列接続した半
導体装置の従来における具体的な接続構造を図4,図5
に示す。まず、図4はパワートランジスタモジュールの
外形図を示すものであり、図において、8はパッケージ
9内に複数個のパワートランジスタを組み込んで構成し
たパワートランジスタモジュール、10,11,12,
13はそれぞれパッケージ9の上面に引出して配列した
コレクタ電極,エミッタ電極,ベース電極,エミッタ補
助電極の各外部導出端子である。また、図5は3個のパ
ワートランジスタモジュール8の間でコレクタ,エミッ
タ,ベース電極同士の間を接続導体5,6,および接続
配線7で並列接続した接続構造を示したものであり、こ
こで接続導体5,6は平角状の導体バーとしてなり、図
4のパッケージ9に装備した外部導出端子10,11の
上に重ね合わせて端子ねじ14で締結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したトランジスタ
・インバータ装置のようにトランジスタをスイッチング
素子として用いる回路では、回路配線のインダクタンス
が基でトランジスタのターンオフ時に誘起するスパイク
電圧で素子が逆バイアス安全動作領域を逸脱して破壊す
るおそれがあり、これを保護する手段として、図2のよ
うに各トランジスタごとにスナバ回路4を接続してター
ンオフ時のサージ電圧を吸収するようにしている。な
お、このスナバ回路4は実際にはプリント配線基板で構
成してトランジスタモジュールに組合わせるようにして
いる。
【0006】ところで、図3のように複数個のトランジ
スタモジュールを並列接続して使用する半導体装置で
は、モジュールの並列接続個数が多いと前記スナバ回路
もそれだけ複雑,かつ大形化するほか、パワートランジ
スタのスイッチング周波数が高い場合には、前記した接
続導体5,6のインダクタンスが並列接続されたトラン
ジスタのスイッチング特性のばらつき,およびトランジ
スタ相互間での電流平衡に大きな影響を及ぼすことが知
られている。
【0007】そこで、従来では図5に示した外付けの接
続導体5,6として板厚,幅を広げた導体バーを採用
し、接続導体の配線インダクタンスをできるだけ低値に
抑えるようにしている。しかして、接続導体5,6は図
4に示した各外部導出端子10,11の寸法,配列など
のレイアウトによって規制されるために導体バーの板
厚,幅の拡大化には限界があり、この方法では接続導体
5,6のインダクタンス値を十分低く抑えることが中々
困難である。
【0008】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は接続導体に改良の手を加えることに
より、前記課題を解決して配線インダクタンスを低減
し、半導体モジュールを並列接続して使用する場合の動
作安定化が図れるようにした半導体装置、特にその外付
け接続導体の構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、半導体モジュールの相互間を並列接続す
る平角状導体バーに対し、その板面に電流の通電方向と
平行にスリット状の溝を形成するものとする。また、前
記構成におけるスリット状の溝は、導体バーに穿孔した
端子ねじ穴の周域を除く長手領域に形成するものとし、
かつ、インダクタンスの低減効果を高めるためには、導
体バーに複数条のスリット状溝を平行に切込み形成する
のがよい。
【0010】
【作用】上記の構成のように接続導体の平角導体バーに
スリット状の溝を切込み形成することにより、導体バー
の板厚,幅を変えずに通電路の表面積が増大する。一
方、金属導体に周波数の高い交番電流を流した場合に、
電流は表皮効果により導体の表面部分に集中して流れ
る。したがって導体バーに通電方向に沿ってスリット状
の溝を形成することで、導体バーの板厚,幅を変えずに
表面積を増して配線インダクタンスを低減し、当該接続
導体を介して並列接続された各半導体モジュールの動作
安定が図れる。なお、この場合にスリットの溝幅を狭く
して導体バーに複数条の平行な溝を形成すれば通電路の
表面積がより一層増大するのでインダクタンスの低減効
果が増す。また、スリット状の溝を導体バーに穿孔した
端子ねじ穴の周域を除く長手領域に形成することで、溝
を隔てて分割された各導体部分に電流がほぼ均等に分流
するようになる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の実施例を示すものであり、図
5と対応する同一部材には同じ符号が付してある。図示
実施例において、パワートランジスタモジュール8の相
互間にまたがり、端子にねじ14を介して各モジュール
8の外部導出端子に締結した接続導体5,6に対して、
本発明により平角状導体バーの板面には電流の通電方向
と平行して複数条(図示例では2条)に並ぶスリット状
の溝15が端子ねじ穴16の周域を除く長手領域に切込
み形成されている。
【0012】かかる構成により、図5に示した従来の接
続導体(スリット溝なし)と比べて接続導体5,6の表
面積が増加し、そのインダクタンスが大幅に低減する。
なお、発明者が同じ板厚,幅寸法の平角導体バーについ
て、スリット状溝を形成したものと、溝無しのものとの
インダクタンス値を実測して比較したところ、スリット
状の溝15を形成することによりインダクタンス値がほ
ぼ半減することが確認されている。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、トランジスタ・インバータ装置などを実施対象に、
半導体モジュールの相互間を並列接続する外付け接続導
体のインダクタンスを大幅に低減することができ、これ
により半導体モジュールに装備のスナバ回路と協同して
トランジスタのスッイチング動作に伴うサージ電圧, お
よび半導体モジュール相互間の電流不平衡を低減して動
作の安定化が図れるとともに、スナバ回路の簡略化も可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の構成図であり、(a)は外付け
の接続導体を介して半導体モジュールの相互間を並列接
続した半導体装置の平面図、(b)は(a)図における
接続導体の外形斜視図
【図2】本発明の実施対象となるトランジスタ・インバ
ータの回路図
【図3】パワートランジスタの並列接続回路図
【図4】パワートランジスタモジュールの外形図
【図5】外付けの接続導体を介して半導体モジュールの
間を並列接続した従来における半導体装置の接続構造を
示した平面図
【符号の説明】
5 接続導体(コレクタ電極用) 6 接続導体(エミッタ電極用) 8 パワートランジスタモジュール 10 外部導出端子 11 外部導出端子 14 端子ねじ 15 端子ねじ穴 16 スリット状溝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の半導体モジュールの相互間を外付
    け接続導体を介して並列接続した半導体装置であり、各
    半導体モジュールの外部導出端子の間にまたがって平角
    状の導体バーを架け渡し、かつ端子ねじで導体バーを外
    部導出端子に締結したものにおいて、前記導体バーの板
    面に電流の通電方向と平行にスリット状の溝を切込み形
    成したことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体装置において、スリ
    ット状の溝を導体バーに穿孔した端子ねじ穴の周域を除
    く長手領域に形成したことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1,2記載の半導体装置において、
    導体バーに複数条のスリット状溝を平行に切込み形成し
    たことを特徴とする半導体装置。
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