JP2850400B2 - 鉛蓄電池の電解液注液装置及び注液法 - Google Patents

鉛蓄電池の電解液注液装置及び注液法

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JP2850400B2 JP1243802A JP24380289A JP2850400B2 JP 2850400 B2 JP2850400 B2 JP 2850400B2 JP 1243802 A JP1243802 A JP 1243802A JP 24380289 A JP24380289 A JP 24380289A JP 2850400 B2 JP2850400 B2 JP 2850400B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は鉛蓄電池、とくに小形の塩蓄電池に所定量の
電解液を注液する注液装置及び注液法に関するものであ
る。
従来の技術 近年、鉛蓄電池は電池応用商品の小形化に伴い、小形
化,高容量密度化の方向にあり、これにつれて注液口の
小形化、電池内部の空間スペースの減少、各極板への電
解液の浸透性の悪化などがおこっている。自然放置によ
る注液法でも注液口が大きく、電池内部のスペースが大
きなものは、電解液と残存空気や反応ガスとの置換はす
みやかに行われ、短時間に注液できるが、注液口が小さ
く、電池内部の空間スペースが少ない電池の場合、短時
間で効率よく注液するには、強制的に注液する真空注液
法や遠心注液法がとられてきた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記の従来の注液法では、強制的に注液
しようとする注入圧が電解液と各極板との反応により発
生する反応ガスの圧力よりも小さい場合、反応ガスによ
り電解液が押し上げられ、電解液が電池の注液口から外
部へ溢れてしまうという欠点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、遠心
力を利用して所定量の電解液をすみやかに溢れることな
く、効率よく被注液電池内に注液することを目的とす
る。
課題を解決するための手段 この目的を達成するために本発明の電解液注液装置
は、上部に一定量の電解液が供給される供給穴を有し、
鉛蓄電池の注液口に挿入する針状の注液ノズルを先端に
設けた注液ホッパーと、このホッパーを回転させる回転
機構と、回転するホッパーがある遠心力に達したことを
検知する回転検知センサーと、センサーの検知信号によ
り、注液ホッパー内の電解液を被注液電池に注入するタ
イミングを制御するロッド開閉機構と、注液ホッパーと
ロッド開閉機構との間にシール構造を有し、注液ノズル
の穴を開閉する開閉ロッドから構成されている。
作用 この構成によって、注液ホッパーが回転してある遠心
力に達したとき、ノズルの穴が開放されて強い圧力で電
解液が電池内へ注入されるので、注入する電解液と残存
空気との置換がすみやかに行われる。また、注入後、各
極板と電解液との反応により発生する反応ガスのガス圧
よりも電解液の注入圧力の方が高くなり、ガス圧による
電解液の押し上げはなく、電解液の電池注液口からの溢
れ出ることのない注液ができるものである。
実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら
説明する。
第1図は本発明の第1の実施例における被注液電池を
遠心注液型注液装置にセットした一部破断斜視図であ
り、第2図は第1図の要部の断面図である。小形密閉蓄
電池用電槽に6の正極板と8のセパレータと7の負極板
を装填した被注液電池9を、電池ホルダー10にセットす
る。一方電解液貯蔵タンク12より定量ポンプ11によって
所定の電解液をくみ上げ注液治具20を用いて注液ホッパ
ー1に供給する。ホッパー1の先端には注液ノズル2が
設けられ、ノズル2と注液ホッパー1とは4の開閉ロッ
ドの先端に装着されたOリング3によって常時シールさ
れていて、弱い遠心力が加わってもノズルから流れ出る
ことはない。
これら被注液電池9と注液ホッパー1とは第2図に示
す如く、放射状に複数本設けられた回転アーム30上に、
ノズル2が電池9の注液口5に入り込んだ状態でアーム
30の回転によって全体に遠心力が作用するよう設置され
る。
注液ホッパー1の手前にはロッド4の開閉機構がそれ
ぞれ設けられている。この開閉機構13は、ロッド4の後
端側に連結されたコンロッド14と、このコンロッド14を
介してロッド4を引き戻すリンク機構15と、リンク機構
15を揺動させるための上下動するシャフト16とから構成
されている。
この装置によって被注液電池9に注液する場合を次に
説明する。
まず装置全体を回転させ遠心力を与える。遠心力があ
る値に達したならば、これを回転検知センサー(図示せ
ず)で検知し、その検知信号によってシャフト16をエア
シリンダーの駆動で下降させる。シャフト16には複数の
リンク機構を揺動させるためのリンク状フランジ17が設
けられていて、このフランジ17が下がることでリンク機
構15がピボット18を中心に矢印方法へ揺動される。この
リンク機構15の揺動により開閉ロッド4はコンロッド14
を介して後退させられOリング3によるノズルの閉塞が
解除されて、ホッパー1内の電解液は遠心力により圧力
を加れられた状態で電池9内に注入され、電池内のガス
圧力に打ち勝って、強制的に気液置換を図った状態でそ
の全量が速やかに電池9内に注入される。
第3図は本発明の第2の実施例を示す注液装置の断面
図である。第1の実施例では開閉ロッド4の後退操作
を、シャフト16をエアシリンダーで下降するよう駆動
し、リンク機構を介しておこなっていたが第3図におい
ては、開閉ロッド4に磁性体19Aを埋め込み、磁性体を
電磁石19Bの磁力で吸引して開閉ロッドを開くようにし
たものである。
この本実施例によれば、回転検知センサーの検知信号
を直接電磁石に送ってロッドを開閉することができ、ロ
ッド開閉構造はリンク機構やその操作フランジ等を必要
としない単純且つ軽量なものにできる。
さらに、本発明の第3の実施例について説明する。
鉛蓄電池は電解液注入後、電解液と各極板とが反応し
反応ガスを発生するが、その反応ガスの発生に応じ、電
解液注液装置を利用しその回転中に注液,停止,注液,
停止を繰り返し電解液を注液するものである。こうする
ことにより、被注液電池内部の注液に起因したガス圧を
制御して、溢液のない注液ができる。また、鉛蓄電池の
サイズに応じいろいろな注液モードが選べる。たとえ
ば、第4図のような注液モードが考えられる。即ち、回
転を開始し一定遠心力になると同時に、第1注液により
ある量の注液を行う。そして、反応ガスが発生しある圧
力まで低下する。そのとき、その圧力は遠心力よりも弱
く、液漏れは発生しない。次に、圧力が低下したら残り
の注液量を第2注液により注液し、全量の注液が完了す
る。
なお、第1の実施例においては遠心注液装置は1ヘッ
ドのみを示したが、能率を考えたら複数ヘッドとしても
よいことは言うまでもなく、機構の単純化の上からはバ
ランスウエイトをつけて1ヘッドとすることもできる。
発明の効果 以上のように本発明は、小形化,高密度化する小形鉛
蓄電池において、自動開閉機構を設けることにより、電
解液の注液圧を被注液電池の大きさに応じて自由に選
択,設定することができ、残存空気や反応ガスとの置換
をすみやかに行うことができ、所定量の電解液を溢れる
ことなく効率よく注液することができる優れた注液装
置、注液法を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における被注液電池を遠
心注液装置にセットした状態を示す斜視図、第2図は第
1図の要部断面図、第3図は本発明の第2の実施例にお
ける遠心注液装置の断面図、第4図は本発明の遠心注液
装置を利用した注液法の注液モード図である。 1……注液ホッパー、2……注液ノズル、3……Oリン
グ、4……開閉ロッド、5……注液口、6……正極板、
7……負極板、8……セパレータ、9……電池、10……
ホルダー、11……定量ポンプ、12……電解液タンク、13
……シャフト、14……リンク機構、19A……磁性体、19B
……電磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳本 忠寛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−134558(JP,A) 特開 昭55−133763(JP,A) 特開 平2−201869(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 2/36 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に一定量の電解液が供給される供給穴
    を有し、被注液鉛蓄電池の注液口に挿入する針状の注液
    ノズルを先端に設けた注液ホッパーと、注液ホッパーを
    回転させてこれに遠心力を与える回転機構と、注液ホッ
    パーがある遠心力に達したことを検知する回転検知セン
    サーと、前記センサーの検知信号により、注液ホッパー
    内の電解液を被注液鉛蓄電池に注入するタイミングを制
    御するロッド開閉機構と、注液ホッパーとロッド開閉機
    構との間にシール構造を有し、注液ノズルの穴を開閉す
    る開閉ロッドとを備えた鉛蓄電池の電解液注液装置。
  2. 【請求項2】請求項1におけるロッド開閉機構が電磁石
    と、この電磁石に対向してロッド部に埋め込まれた磁性
    体とからなる鉛蓄電池の電解液注液装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の注液装置を用いて、被注
    液鉛蓄電池の電解液浸透条件に応じて、注液ホッパーの
    回転中に注液,停止を繰り返すことを特徴とする鉛蓄電
    池の電解液注液法。
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