JP2849974B2 - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

Info

Publication number
JP2849974B2
JP2849974B2 JP24753793A JP24753793A JP2849974B2 JP 2849974 B2 JP2849974 B2 JP 2849974B2 JP 24753793 A JP24753793 A JP 24753793A JP 24753793 A JP24753793 A JP 24753793A JP 2849974 B2 JP2849974 B2 JP 2849974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
piezoelectric element
pressure
diaphragm
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24753793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0777475A (ja
Inventor
和夫 的場
重男 大隈
誠男 石谷
祥一 堺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP24753793A priority Critical patent/JP2849974B2/ja
Publication of JPH0777475A publication Critical patent/JPH0777475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2849974B2 publication Critical patent/JP2849974B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用エンジ
ン等の燃焼圧を検出する燃焼圧センサに用いて好適な圧
力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーシングと、該ケーシングの
先端側に設けられ、該ケーシングの先端側に外部から作
用する圧力に応じて軸方向に変位するダイヤフラムと、
該ダイヤフラムに当接するように、前記ケーシング内に
設けられた受圧ロッドと、該受圧ロッドを介して伝達さ
れるダイヤフラムの変位を圧力に応じた電圧信号として
出力する圧電素子とからなる圧力センサとしての燃焼圧
センサは、例えば実開昭60−535号公報等によって
知られている。
【0003】そこで、この種の燃焼圧センサに用いられ
る圧電素子1を図10ないし図13に基づいて説明す
る。
【0004】図中、1は従来技術による圧電素子で、該
圧電素子1はチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電材料からな
る素子本体2と、該素子本体2の上下面に導電性ペース
ト等から形成された一対の電極3,3とから構成されて
いる。そして、該圧電素子1は燃焼圧によるダイヤフラ
ムの変位を受圧ロッドを介して受承し、この燃焼圧に応
じた電圧信号をコントロールユニット(いずれも図示せ
ず)に向けて出力するようになっている。また、圧電素
子1は製造時に該各電極3を介して高電界が加えられる
ことにより、自発分極の向きがある程度揃えられて分極
軸Pが上下方向(軸方向)に形成される。そして、使用
時において、分極軸Pに対して平行な応力軸Fから圧力
(応力)が作用すると、素子本体2の内部に歪みが生
じ、この圧力に応じた電荷(電圧信号)を各電極3を介
して信号軸Vの方向に出力するようになっている。
【0005】この種の従来技術による圧電素子1は、例
えばエンジンの燃焼室に取付けられる燃焼圧センサとし
て用いられ、圧電素子1は燃焼圧センサのダイヤフラム
付きケーシング内に組込まれる。そして、燃焼圧センサ
は燃焼室内で燃料が燃焼する時の高い圧力(燃焼圧)を
ダイヤフラムで受承し、該ダイヤフラムの軸方向の変位
を受圧ロッドを介して圧電素子1に伝えることにより、
該圧電素子1は燃焼圧に応じた電圧信号をコントロール
ユニット等に出力し、コントロールユニットはこの電圧
信号に基づいて燃焼圧の大小を判定し、エンジンへの燃
料噴射時期や点火タイミング等を制御するようになって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による圧電素子1は図11に示すような等価回路
で表すことができる。即ち、素子本体2を構成する微細
な粒子(図示せず)のひとつひとつが、三次元的に配列
されるため、内部容量C0 ,C1および内部抵抗R1、
自己インダクタンスL1の成分を有している。
【0007】ここで、圧電素子1に作用する圧力と検出
(電圧)信号との関係を示す圧電d33定数および圧電g
33定数を考えると、圧電素子1の内部容量C0 ,C1、
内部抵抗R1、自己インダクタンスL1との間に、次の
ような関係が成り立つ。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】然るに、内部容量C0 ,C1、自己インダ
クタンスL1の値は圧電素子1の温度変化に伴って大き
く変化するため、燃焼室内の高温がケーシング等を介し
て圧電素子1に伝わると、圧電d33定数,圧電g33定数
が図12,図13に示す特性線4,5の如く大きく変動
してしまい、圧力センサの出力から温度変化分を補正し
ない限り、ダイヤフラムに作用した燃焼圧を正確に検出
することができないという問題がある。
【0011】このため、従来技術では、圧電素子1の近
傍に熱電対やサーミスタ等の温度センサを設け、該温度
センサによって圧電素子1の周囲温度を検出し、コント
ロールユニットはこの検出温度に基づいて該圧電素子1
の検出信号を補正するようになっている。しかし、温度
センサと圧電素子1からの異なる信号を処理する必要か
ら、コントロールユニットの電子回路や補正プログラム
等が複雑化してコストが大幅に増大するばかりか、温度
センサを取付ける分だけ燃焼圧センサ全体が大型化して
取付け自由度が低下する上に、温度センサが経年劣化し
た場合は正確に補正することが出来ないという問題があ
る。
【0012】本発明は上述した従来技術による問題に鑑
みなされたもので、本発明は圧電素子の温度が変化した
場合でも、温度依存性の小さい安定した電圧信号を出力
できるようにした圧力センサを提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による圧力センサはケーシングと、該ケ
ーシングの先端側に設けられ、該ケーシングの先端側に
外部から作用する圧力に応じて軸方向に変位するダイヤ
フラムと、該ダイヤフラムに当接するように前記ケーシ
ング内に設けられた受圧ロッドと、該受圧ロッドを介し
て伝達される前記ダイヤフラムの変位を圧力に応じた電
圧信号として出力する圧電素子とを備えている。
【0014】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
前記圧電素子を、温度変化に対して静電容量が一方の温
度特性をもって変化する圧電体材料と、該圧電体材料と
は逆の温度特性をもって静電容量が変化する誘電体材料
とを混合して成型したことにある。
【0015】
【作用】上記構成により、ダイヤフラムが外部の圧力を
受圧し、該ダイヤフラムの軸方向の変位を受圧ロッドを
介して圧電素子に伝えることにより、該圧電素子が検出
した外部圧力に応じた電圧信号を出力する。
【0016】この際、圧電素子を構成する圧電体材料の
静電容量が温度変化によって、正または負の温度特性の
うち一方の特性をもって変化しても、圧電体材料に混合
した誘電体材料の静電容量が圧電体材料の静電容量とは
逆の特性をもって変化するため、圧電体材料の静電容量
の変化分を誘電体材料の静電容量の変化分で相殺でき、
外部圧力を検出するときに圧力センサの出力が温度変化
の影響を受けるのを防止する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例による圧力センサを、
燃焼圧センサとして用いた場合を例に挙げ、図1ないし
図9に基づき説明する。
【0018】図中、11はケーシング、12は後述する
ダイヤフラム13、上カバー14と共に該ケーシング1
1を構成するケーシング本体を示し、該ケーシング本体
12は、その上端側が上カバー14によって施蓋され、
後述のコンタクトプレート17、圧電素子20等を収容
した大径筒部12Aと、該大径筒部12Aの下端側から
下向きに縮径するテーパ状の肩部12Bとから構成さ
れ、該肩部12Bの下端側には下向きに伸長し後述の受
圧ロッド15を収容する小径筒状のダイヤフラム13が
一体的に設けられている。そして、該ケーシング本体1
2はダイヤフラム13がエンジン本体の燃焼室内に臨む
ように、エンジン本体のシリンダヘッドに設けられた段
付穴の段部(いずれも図示せず)に肩部12Bを当接さ
せて取付けられる。
【0019】13はケーシング本体12の肩部12Bの
下端側に一体形成されたダイヤフラムを示し、該ダイヤ
フラム13は薄肉な円筒状に形成された小径部13A
と、該小径部13Aの先端部に形成され、燃焼室内に臨
む厚肉円板状の受圧部13Bとからなり、燃焼室内の圧
力(燃焼圧)を受圧すると、この圧力に応じて小径部1
3Aが軸方向(上,下方向)に撓み、受圧ロッド15を
軸方向に変位させるものである。
【0020】14はケーシング本体12の大径筒部12
Aの上端側にレーザ溶接等の手段を用いて固着された段
付円筒状の上カバーを示し、該上カバー14の上側には
シリンダヘッド外へと上向きに突出する縮径部14Aが
形成され、該上カバー14内には後述のリード線19が
上向きに伸長して設けられている。
【0021】15はケーシング本体12のダイヤフラム
13内に位置して軸方向に変位可能に設けられたステン
レス鋼等からなる受圧ロッドを示し、該受圧ロッド15
は、小径部15Aと、該小径部15Aの先端側に形成さ
れ、ダイヤフラム13の上面側に当接する半球面状の球
面部15Bと、前記小径部15Aの基端側にテーパ部1
5Cを介して形成された大径の押圧部15Dとから構成
されている。そして、該受圧ロッド15は、燃焼圧によ
ってダイヤフラム13が軸方向に撓むと、ケーシング本
体12内を軸方向に変位し、このダイヤフラム13の変
位を後述のロアプレート16等を介して後述の圧電素子
20に伝達するようになっている。
【0022】16は前記受圧ロッド15と圧電素子20
との間に設けられたロアプレートを示し、該ロアプレー
ト16は硬質のセラミック材料等から厚肉の円板状に形
成され、受圧ロッド15の押圧部15D上に配設されて
いる。そして、該ロアプレート16は前記受圧ロッド1
5と一体的に変位して燃焼圧を圧電素子20に伝達する
と共に、ケーシング11,受圧ロッド15と後述のコン
タクトプレート17とが短絡しないように電気的に絶縁
し、エンジンの燃焼室内の高温が受圧ロッド15を介し
て直接圧電素子20に伝わらないようにしている。
【0023】17はケーシング本体12の大径筒部12
A内に設けられた導電性材料からなるコンタクトプレー
トを示し、該コンタクトプレート17は圧電素子20の
下側電極22Bと組立時に接触する円板状のコンタクト
部17Aと、該コンタクト部17Aの上側面中央から上
向きに伸長する軸部17Bとによって構成されている。
ここで、軸部17Bはその外周が絶縁チューブ18によ
って被覆され、該絶縁チューブ18はコンタクトプレー
ト17と後述する止めねじ24,上カバー14との間等
を絶縁している。また、軸部17Bの上端側は上カバー
14の縮径部14A内に伸長して図示しないコントロー
ルユニット側に接続されるリード線19にカシメ固定さ
れている。
【0024】20はケーシング本体12の大径筒部12
A内に位置して、コンタクトプレート17のコンタクト
部17A上に設けられた本実施例による圧電素子を示
し、該圧電素子20は従来技術で述べた圧電素子1とほ
ぼ同様に、チタン酸ジルコン酸鉛等から環状に形成され
た素子本体21と、該素子本体21の上,下両端面に形
成された上側電極22A,下側電極22Bとから構成さ
れている。
【0025】ここで、前記圧電素子20はコンタクトプ
レート17の軸部17Bの外側に絶縁チューブ18を介
して挿通される形で、コンタクト部17Aと後述のアッ
パープレート23との間に止めねじ24によって挟持さ
れ、該圧電素子20の上側電極22Aは後述のアッパー
プレート23,止めねじ24を介してケーシング本体1
2側にアースされている。また、下側電極22Bはコン
タクトプレート17のコンタクト部17Aの上面に当接
し、軸部17Bを介してリード線19に接続されてい
る。
【0026】そして、該圧電素子20は受圧ロッド1
5,ロアプレート16を介して上下方向に圧力が伝達さ
れると圧縮歪によって分極を生じ、圧力に対応した電圧
を各電極22A,22Bから発生するようになってい
る。
【0027】23は圧電素子20の上側電極22Aに当
接するアッパープレートを示し、該アッパープレート2
3は薄肉の金属から環状に形成され、止めねじ24によ
って圧電素子20を押圧して固定し、止めねじ24で圧
電素子20等が損傷するのを防止し、該圧電素子20の
上側電極22Aとケーシング本体12とを止めねじ24
を介して電気的に接続するものである。
【0028】24はケーシング本体12の大径筒部12
A内に螺着され、先端部がアッパープレート23の上面
側に当接した止めねじを示し、該止めねじ24は、アッ
パープレート23,コンタクトプレート17を介して圧
電素子20を上下から所定の荷重で押圧して初期荷重を
加えると共に、該圧電素子20、受圧ロッド15等をダ
イヤフラム13との間に挟持して固定するものである。
【0029】本実施例による圧力センサは上述の如き構
成を有するもので、次に圧電素子20の製造方法につい
て図4に基づいて説明する。ここで、圧電素子20の素
子本体21は、圧電体材料としての圧電体粉と、誘電体
材料としての誘電体粉とを混合して形成されるもので、
圧電体粉製造工程、誘電体粉製造工程、混合工程、成型
工程、焼結工程、電極形成工程および分極工程からなる
製造方法によって製造されるものである。
【0030】まず、圧電体粉製造工程では、仮焼成す
ることによって、41.5mol%のPbZrO3 、48.5mol
%のPbTiO3 、10mol%のPb(Mn1/3 ,Sb2/3)O3をもった成
分となるように、PbO , ZrO2 , TiO2 ,MnCO3 ,Sb2O
3 の基本原料101を秤量し、この基本原料101全体
に対して0.1wt% の NiOを添加し、アセトンを加えて
ボールミルにて20時間の湿式混合を行い、加熱炉10
2によって大気雰囲気中で850℃,2〜5時間の仮焼
成を行って圧電体粉を得る。
【0031】そして、この圧電体粉を自動乳鉢103お
よびボールミルで粉砕し、平均粒径5μmの粒子からな
る粉体を得る。ここで、上記成分からなる圧電体粉は、
温度の上昇に伴ってその静電容量が増加する正の温度特
性を有するものである。
【0032】次に、誘電体粉製造工程では、仮焼成す
ることによって、81〜87mol%のPb(Mg1/3 ,Nb2/3)O3
,9〜14mol%のBaTiO3 ,4〜6mol%のPb(Co1/3 ,Nb
2/3)O3をもった成分となるように、PbO , TiO2 ,MgO
,Nb2O5 ,BaCO3 , CoO ,SrCO3 の基本原料104を秤
量し、この基本原料104全体に対して2wt% の SrTiO
3 を添加し、アセトンを加えてボールミルにて20時間
の湿式混合を行い、加熱炉105によって大気雰囲気中
で850〜950℃,2〜5時間の焼成を行って誘電体
粉を得る。
【0033】そして、この誘電体粉を自動乳鉢106お
よびボールミルで粉砕し、平均粒径5μmの粒子からな
る粉体を得る。ここで、上記成分からなる誘電体粉は、
温度の上昇に伴ってその静電容量が減少する負の温度特
性を有するものである。
【0034】次に、混合工程では、前記圧電体粉が2
0〜80wt% 、残りの20〜80wt% が誘電体粉となる
ように、自動乳鉢107にて圧電体粉と誘電体粉とを均
一に混合し、この混合物にさらにバインダーとしてポリ
ビニルアルコール(PVA)を加える。
【0035】ここで、最良な形態として図5に示す如
く、圧電体粉粒子25と誘電体粉粒子26の双方の粒径
を0.5〜50μmとし、両者を50wt% ずつの割合で
混合した場合、後の焼結工程では図6に示す状態で結合
し、これらの粒子25,26が緻密に焼結し、素子本体
21に十分な強度をもたせると共に、良好な電気特性を
もたせることができる。
【0036】次に、成型工程では、均一に混合された
混合物をプレス成型機108によって厚さ1〜5mmの
ペレット状体109に加圧成型する。
【0037】次に、焼結工程では、ペレット状体10
9に成型された圧電体粉と誘電体粉との混合物をMgO 製
の坩堝に密閉し、加熱炉110により1200〜125
0℃で4時間焼成して焼結体111を形成する。
【0038】次に、電極形成工程(図示せず)では、焼
結工程で得られた焼結体111の両端面を800番の
SiC 研磨剤で研磨し、円周側面を1200番の紙やすり
を用いて研磨した後、該焼結体111の両端面に例えば
金薄膜等からなる電極を形成する。
【0039】さらに、分極工程(図示せず)では、前記
焼結体111をシリコンオイル中で110℃に保ちなが
ら各電極22A,22Bに20KV/cm の直流電界を加え
て分極処理を行い、図3中に示す如く上下方向に分極軸
Pを形成する。
【0040】本実施例による圧力センサは以上に述べた
構成を有するもので、エンジンの燃焼圧を検出する燃焼
圧センサとして用いる場合、エンジンの燃焼室内の混合
気が点火されて燃焼圧が発生し、この燃焼圧によりダイ
ヤフラム13が軸方向に撓むと受圧ロッド15が軸方向
に変位し、この変位は押圧部15Dおよびロアプレート
16を介してコンタクトプレート17のコンタクト部1
7Aに上向きに伝達される。
【0041】これにより、コンタクト部17Aと止めね
じ24との間で圧電素子20が圧縮され、圧電素子20
の素子本体21に図3中に示す応力軸F方向の圧力が作
用することにより、該素子本体21の内部にひずみが生
じて圧力に対応した電荷が発生し、この電荷は信号軸V
方向両端の各電極22A,22Bからコンタクトプレー
ト17,リード線19を介して外部に導出され、図示し
ないコントロールユニットに向けて出力されるようにな
っている。
【0042】而して、本実施例では圧電素子20を温度
の上昇に伴ってその静電容量が増加する圧電体粉と、温
度の上昇に伴ってその静電容量が減少する誘電体粉とを
混合した素子本体21に電極22A,22Bを設けて構
成している。
【0043】この結果、圧電体粉の各粒子に対し、直列
かつ並列に該各圧電体粉の粒子とは逆の温度特性をもっ
たコンデンサを接続したのと同じ作用を与えることがで
きる。
【0044】即ち、周囲の温度が上昇し、素子本体21
を構成する圧電体粉の静電容量が上昇した場合には、該
素子本体21に混合された誘電体粉の静電容量が減少
し、素子本体21全体として圧電d33定数を一定に保持
することができる。また、圧電素子20の温度が低下
し、素子本体21を構成する圧電体粉の静電容量が低下
した場合には、該素子本体21に混合された誘電体粉の
静電容量が増加し、素子本体21全体として圧電d33定
数を一定に保持することができる。
【0045】従って、圧電素子20は図7中の特性線2
7,図8中の特性線28としてそれぞれ示す如く、従来
技術による圧電素子1の特性線4,5に比し、温度依存
性の小さな安定した圧電d33定数と圧電g33定数を示す
ようになる。この結果、圧電素子20からは温度依存性
の小さい検出信号を出力でき、温度変化の激しい環境下
でも正確に圧力を検出することができる。
【0046】さらに、本実施例と同様な作用を得るため
に、コンタクトプレート17とアッパープレート23と
の間に例えば従来技術と同様な圧電素子と、該圧電素子
とは別個に製造され、温度の上昇に伴ってその静電容量
が減少する誘電素子とを軸方向に重ねて設けることも考
えられる。
【0047】しかし、この場合には、該誘電素子や圧電
素子の電極面と、コンタクトプレート17やアッパープ
レート23の接触面との間に隙間が生じやすく、この隙
間が圧力伝達の障害、電気的接触不良の原因となった
り、さらにはこの隙間による浮動容量が問題となる。こ
のため、圧電素子、誘電素子、コンタクトプレート1
7、アッパープレート23等は、各部材が互いに接触す
る面が平行、平面をなすように形成する必要が生じ、表
面加工等の手間が大幅にかかる。
【0048】然るに、本実施例によれば、圧電体粉と誘
電体粉を混合して単一の圧電素子20を成型したから、
部品点数を削減でき、圧力センサの組立作業を大幅に簡
略化することができる。
【0049】かくして、本実施例によれば、燃焼室内の
燃焼圧を長期に亘り高精度に検出できると共に、温度補
正機能を有する燃焼圧センサをコンパクトに構成できる
から、従来技術で用いた温度センサや補正用の電子回路
等を不要にでき、コントロールユニットの回路構成を大
幅に簡略化できる。
【0050】なお、前記実施例ではケーシング本体12
と一体に設けられるダイヤフラム13を薄肉円筒状の小
径部13Aと該小径部13Aの先端側に形成される厚肉
の受圧部13Bとから構成するものとして述べたが、図
9に示す変形例の如く、ダイヤフラム13′はケーシン
グ本体12の肩部12Bの下端側から下向きに伸長する
小径部13A′と、該小径部13A′の下端側を閉塞す
る薄肉円板状の受圧部13B′とから構成し、受圧ロッ
ド15の球面部15Bを該受圧部13B′の中央に当接
させるように配設してもよい。
【0051】さらに、前記実施例では、圧力センサを燃
焼圧センサに用いた場合を例に挙げて説明したが、本発
明はこれに限らず、例えば空気、工業用ガス等の気体や
燃料、水等の液体の圧力を検出する圧力センサにも適用
することができる。一方、車輌のノッキングを検出する
ノッキングセンサに用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の圧力センサ
は、ケーシング内にダイヤフラムの変位を受圧ロッドを
介して変位し、圧力に応じた電圧信号を出力する圧電素
子を設け、この圧電素子は、温度上昇と共に正の温度特
性をもって静電容量が増加する圧電体粉と、温度上昇と
共に負の温度特性をもって静電容量が減少する誘電体粉
とを混合してなる構成としたから、温度変化によって圧
電体粉の静電容量が変化しても、圧電体粉に混合した誘
電体粉の静電容量が圧電体粉の静電容量とは逆の特性を
もって変化するため、圧電体粉の静電容量の変化分を誘
電体粉の静電容量の変化分で相殺でき、圧電素子全体の
静電容量を広い温度範囲に亘ってほぼ一定にすることが
できる。
【0053】従って、温度センサや補正用の電子回路等
を用いなくても、構造を複雑にすることなく温度補正機
能を有する圧力センサとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による圧力センサを示す縦断面
図である。
【図2】図1中の圧電素子を示す拡大斜視図である。
【図3】図2中の矢示III −III 方向の拡大断面図であ
る。
【図4】圧電素子の製造方法を示す説明図である。
【図5】圧電体粉の粒径と誘電体粉の粒径が共に平均5
μmで、両者を50wt% ずつの割合で混合した状態を示
す説明図である。
【図6】図5に示す圧電体粉と誘電体粉を焼結した後の
状態を示す説明図である。
【図7】実施例の圧電素子の温度と圧電d33定数との関
係を従来技術による圧電素子との対比で示す特性線図で
ある。
【図8】実施例の圧電素子の温度と圧電g33定数との関
係を従来技術による圧電素子との対比でを示す特性線図
である。
【図9】変形例によるダイヤフラムおよび受圧ロッドを
示す要部拡大図である。
【図10】従来技術による圧電素子を示す縦断面図であ
る。
【図11】圧電素子の電気的な等価回路図である。
【図12】従来技術による圧電素子の温度と圧電d33定
数との関係を示す特性線図である。
【図13】従来技術による圧電素子の温度と圧電g33定
数との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
11 ケーシング 12 ケーシング本体 13 ダイヤフラム 15 受圧ロッド 20 圧電素子 21 素子本体 22A 上側電極(電極) 22B 下側電極(電極) 25 圧電体粉粒子(圧電体材料) 26 誘電体粉粒子(誘電体材料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堺 祥一 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社 ユニシアジェックス内 (56)参考文献 特開 昭62−140038(JP,A) 特開 平7−79023(JP,A) 特開 平7−77474(JP,A) 実開 平4−115042(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 23/10 G01L 9/08 G01L 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングの先端側に
    設けられ、該ケーシングの先端側に外部から作用する圧
    力に応じて軸方向に変位するダイヤフラムと、該ダイヤ
    フラムに当接するように前記ケーシング内に設けられた
    受圧ロッドと、該受圧ロッドを介して伝達される前記ダ
    イヤフラムの変位を圧力に応じた電圧信号として出力す
    る圧電素子とからなる圧力センサにおいて、前記圧電素
    子は、一方の温度特性をもって静電容量が変化する圧電
    材料と、該圧電体材料と逆の温度特性をもって静電容量
    が変化する誘電体材料とを混合して成型したことを特徴
    とする圧力センサ。
JP24753793A 1993-09-08 1993-09-08 圧力センサ Expired - Fee Related JP2849974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24753793A JP2849974B2 (ja) 1993-09-08 1993-09-08 圧力センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24753793A JP2849974B2 (ja) 1993-09-08 1993-09-08 圧力センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0777475A JPH0777475A (ja) 1995-03-20
JP2849974B2 true JP2849974B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=17164978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24753793A Expired - Fee Related JP2849974B2 (ja) 1993-09-08 1993-09-08 圧力センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2849974B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016181449A1 (ja) * 2015-05-11 2016-11-17 理化工業株式会社 圧力センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0777475A (ja) 1995-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05264391A (ja) 圧力センサ
US4620438A (en) Cylinder pressure transmitter for an internal combustion engine
JP4510966B2 (ja) 圧電体セラミックス
US20070176516A1 (en) Piezoelectric sensor
EP2099082B1 (en) Piezoceramic material, piezoelectric element and non-resonance knock sensor
JP4878133B2 (ja) 圧電アクチュエータ
EP1469293A1 (en) Engine cylinder pressure sensor
JP2849974B2 (ja) 圧力センサ
JPH0777474A (ja) 圧力センサ
JP3365832B2 (ja) 圧電素子
EP0145480A2 (en) Cylinder pressure transmitter for an internal combustion engine
JPH0779023A (ja) 圧電素子
JP5222120B2 (ja) 圧電磁器組成物、それを用いた圧電素子、及び非共振型ノッキングセンサ
JP5164882B2 (ja) 圧力センサー用圧電素子およびそれを用いた圧力センサー
JPH08151264A (ja) 磁器組成物
JP5669985B2 (ja) 圧力センサー用圧電素子
JP5170905B2 (ja) 非共振型ノッキングセンサ
JP6297820B2 (ja) 圧電磁器組成物、圧電素子、内燃機関用センサ、及び圧電磁器組成物の製造方法
JPH05164645A (ja) 圧力センサ
JP3674169B2 (ja) ノッキング検出装置
JP2575184Y2 (ja) 圧力センサ
JPH05164644A (ja) 圧力センサ
JPS6225228A (ja) 内燃機関の圧力センサ−
JP2004093197A (ja) 非共振型ノッキングセンサ
JP2526246Y2 (ja) 圧力センサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees