JP2849642B2 - 化合物半導体の気相成長装置 - Google Patents

化合物半導体の気相成長装置

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正宏 小滝
道成 佐々
史郎 山崎
勇 赤崎
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NAGOYA DAIGAKU GAKUCHO
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Toyoda Gosei Co Ltd
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は化合物半導体の気相成長装置に関する。
【従来技術】
従来、有機金属化合物気相成長法(以下「MOVPE」と
記す)を用いて、窒化ガリウム系化合物半導体(AlxGa
1-xN;X=0を含む)薄膜をサファイア基板上に気相成長
させることや、その窒化ガリウム系化合物半導体薄膜を
発光層とする発光素子が研究されている。 窒化ガリウム系化合物半導体の単結晶ウエハーが容易
に得られないことから、窒化ガリウム系化合物半導体を
それと格子定数の近いサファイア基板上にエピタキシャ
ル成長させることが行われている。 そして、GaAsでは、円錐形状のバレル型のMOVPE法に
よる気相成長装置を用いて、一度に多数枚のウエハの気
相成長を行っている。
【発明が解決しようとする課題】 ところが、窒化ガリウム系化合物半導体を異物質で格
子定数の異なるサファイア基板に結晶成長させる場合に
は、結晶成長が困難であるため、反応ガスの微妙な乱れ
が直ちに格子欠陥につながる。又、窒化ガリウム系化合
物半導体の気相成長の場合には、成長温度が高いためV
族元素の蒸気圧が高くなり、化学量論数のバランスがく
ずれやすく、均質な大面積の結晶膜を得ることが困難で
ある。従って、反応ガスの層流をくずさずに、流速を向
上させることが必要となる。 ところが、従来のバレル型の気相成長装置では、均一
なガス流が得難く、化学量論数のバランスがくずれ易い
GaN等では、均質な大面積の結晶膜を得ることが困難で
あり、結晶にピットが発生し易く、表面モホロジーも悪
いという問題があった。 本発明は、上記の課題を解決するために成されたもの
であり、その目的とするところは、バレル型の気相成長
装置において、化合物半導体、特に、サファイア基板上
に窒化ガリウム系化合物半導体を結晶成長させる場合に
おいて、成長速度及び結晶の質に場所依存性の少ない結
晶成長を多量に行うための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための発明の構成は、有機金属化
合物ガスを用いた化合物半導体薄膜を気相成長させる装
置において、 反応ガス流の上流側に向かって先鋭な円錐形状をし、
化合物半導体薄膜を成長させる基板を多数その側面に配
設するバレル型のサセプタと、 前記サセプタの基板の配設される側面部の上部を微小
間隙を空けて覆うと共に前記サセプタを前記反応ガスの
上流側から覆うライナー管と、 前記ライナー管の内部に反応ガスを分離して導く複数
の導入管と、 を有することをである。
【作用】
結晶成長の基板は円錐形状をしたバレル型のサセプタ
に載置される。そのサセプタは円錐形状のライナー管に
より、基板の載置される側面部で微小間隙を空けて覆わ
れている。従って、ライナー管に導入管で導かれた反応
ガスは、ライナー管の上流部で混合されると共に、基板
の上部では、ガス流が絞られ円周方向及び径方向に均一
な高速の層流が得られる。
【発明の効果】
この結果、円錐形状のサセプタの側面部の位置によら
ず均一な結晶の成長が可能となり、一度に多数枚の結晶
成長したウエハを得ることができる。
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。 第1図において、石英管10はその上端でOリング15で
シールされてフランジ14に当接し、緩衝材38と固定具39
を用い、ボルト46,47とナット48,49等により数箇所にて
フランジ14に固定されている。又、石英管10の下端はO
リング40でシールされてフランジ27に螺子締固定具41,4
2により固定されている。 石英管10で囲われた内室11には、反応ガスを導くライ
ナー管12が配設されている。 ライナー管12はガスの下流方向に広がった円錐形状を
している。従って、そのライナー管12の軸に垂直な断面
は、第2図〜第5図に示すように、ガス流の方向である
X軸方向に沿って半径の大きくなる円形をしている。 又、ライナー管12は、その下流側において、円錐形状
をしたバレル型のサセプタ20を上流側から覆っている。
そして、多数のサファイア基板50が載置されるサセプタ
20の側面部では、ライナー管12はサセプタ20を微小間隙
を隔てて覆っている。即ち、サファイア基板50とそれに
面するライナー管12の上部管壁24との間隙は、サファイ
ア基板50の上流部で12mm,下流部で4mmに構成されてい
る。このように、本実施例では、微小間隙を下流側に沿
って絞っている。このようにすることで、サファイア基
板50上で反応ガスの高速な均一な層流を得ることができ
る。 サセプタ20には操作棒26が接続されており、フランジ
27を取り外してその操作棒26により、サファイア基板50
を載置したサセプタ20をライナー管12の内部に設置した
り、結晶成長の終わった時に、ライナー管12からサセプ
タ20を取り出せるようになっている。 又、ライナー管12の上流側には、第1ガス管28と第2
ガス管29とが配設されている。第1ガス管28は第2ガス
管29の内部にあり、それらの両管28,29は同軸状に2重
管構造をしている。第1ガス管28の第2ガス管29で覆わ
れていない部分の周辺部には多数の穴30が開けられてお
り、第2ガス管29にも多数の穴30が開けられている。そ
して、第1ガス管28により導入された反応ガスはライナ
ー管12内へ吹出し、その場所で、第2ガス管29により導
入されたガスと初めて混合される。 その第1ガス管28は第1マニホールド31に接続され、
第2ガス管29は第2マニホールド32に接続されている。
そして、第1マニホールド31にはキャリアガスの供給系
統Iとトリメチルガリウム(以下「TMG」と記す)の供
給系統Jとトリメチルアルミニウム(以下「TMA」と記
す)の供給系統Kとジエチル亜鉛(以下「DEZ」と記
す)の供給系統Lとが接続され、第2マニホールド32に
はNH3の供給系統Hとキャリアガスの供給系統Iとが接
続されている。 又、石英管10の外周部には冷却水を循環させる冷却管
33が形成され、その外周部には高周波電界を印加するた
めの高周波コイル34が配設されている。 又、ライナー管12はフランジ14を介して外部管35と接
続されており、その外部管35からはキャリアガスが導入
されるようになっている。 又、サセプタ20の側面部の試料載置面20aには、試料
の温度を測定する熱電対43が配設されており、その熱電
対43に接続された導線44,45が操作棒26に沿って、外部
に延びており、それにより、試料の温度を外部から測定
できるように構成されている。 このような装置構成により、第1ガス管28で導かれた
TMGとTMAとDEZとH2との混合ガスと、第2ガス管29で導
かれたNH3とH2との混合ガスがそれらの管の出口付近で
混合され、その混合反応ガスはライナー管12によりサセ
プタ20の側へ導かれ、サファイア基板50とライナー管12
の上部管壁24との間で形成された間隙を通過する。この
時、サファイア基板50上の反応ガスの流れは、微小間隙
により、円錐の円周方向及び高さ方向に均一化された層
流となる。この結果、基板上での場所依存性の少ない良
質な結晶が成長する。 尚、N型のAlxGa1-xN薄膜を形成する場合には、DEZを
停止させて第1ガス管28と第2ガス管29から混合ガスを
流出させれば良く、I型のAlxGa1-xN薄膜を形成する場
合には、DEZを供給して第1ガス管28と第2ガス管29と
からそれぞれの混合ガスを流出させれば良い。I型のAl
xGa1-xN薄膜を形成する場合には、DEZはサファイア基板
50に吹き付けられ熱分解し、ドーパント元素は成長する
AlxGa1-xNにドーピングされて、I型のAlxGa1-xNが得ら
れる。 次に本装置を用いて、サファイア基板50上に次のよう
にして結晶成長をおこなった。 まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄した(0001)面
を主面とする単結晶のサファイア基板50をサセプタ20に
装着する。次に、H2を3/分で、第1ガス管28及び第
2ガス管29及び外部管35を介してライナー管12に流しな
がら、温度1100℃でサファイア基板50を気相エッチング
した。次に温度を400℃まで低下させて、第1ガス管28
からH2を10/分、15℃のTMA中をバブリングしたH2を5
0cc/分、第2ガス管29からH2を10/分、NH3を10/
分で2分間供給した。 この成長工程で、第6図に示すように、AlNのバッフ
ァ層51が約250Åの厚さに形成された。次に、TMAの供給
を停止して、試料温度を1150℃に保持し、第1ガス管28
からH2を10/分、−15℃のTMG中をバブリングしたH2
を100cc/分、第2ガス管からH2を10/分、NH3を10
/分で60分間供給し、膜厚約7μmのN型のGaNから成
るN層52を成長させた。 このN層52のSEM像及びRHEED像を測定した結果、良好
な結晶が得られていることが分かった。 又、サファイア基板50の幅方向(ガス流に垂直な方
向)及び長さ方向(ガス流に平行な方向)の膜厚を測定
したが、均一な膜厚が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の具体的な一実施例に係る気相成長装置
の構成図、第2図、第3図、第4図、第5図はX軸に垂
直なライナー管及びその内部の断面図、第6図はサファ
イア基板に成長する薄膜の構造を示した断面図である。 10……石英管、12……ライナー管 20……サセプタ 28……第1ガス管、29……第2ガス管 50……サファイア基板 51……AlNバッファ層 52……N層 H……NH3の供給系統 I……キャリアガスの供給系統 J……TMGの供給系統、K……TMAの供給系統 L……DEZの供給系統
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小滝 正宏 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 佐々 道成 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 山崎 史郎 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 赤崎 勇 愛知県名古屋市千種区不老町(番地な し) 名古屋大学内 (56)参考文献 特開 昭56−37296(JP,A) 特開 昭58−223695(JP,A) 特開 昭63−292620(JP,A) 特開 平2−146725(JP,A) 実開 昭63−124733(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/205 H01L 33/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機金属化合物ガスを用いた化合物半導体
    薄膜を気相成長させる装置において、 反応ガス流の上流側に向かって先鋭な円錐形状をし、化
    合物半導体薄膜を成長させる基板を多数その側面に配設
    するバレル型のサセプタと、 前記サセプタの基板の配設される側面部の上部を微小間
    隙を空けて覆うと共に前記サセプタを前記反応ガスの上
    流側から覆うライナー管と、 前記ライナー管の内部に反応ガスを分離して導く複数の
    導入管と、 を有することを特徴とする化合物半導体の気相成長装
    置。
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