JP2845880B2 - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JP2845880B2 JP63006659A JP665988A JP2845880B2 JP 2845880 B2 JP2845880 B2 JP 2845880B2 JP 63006659 A JP63006659 A JP 63006659A JP 665988 A JP665988 A JP 665988A JP 2845880 B2 JP2845880 B2 JP 2845880B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐熱性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは機
械的特性,耐熱性,耐冷媒性および電気絶縁特性に優れ
たエナメル線を与える耐熱性樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 従来,エナメル線の被膜形成物として種々の樹脂が知
られているが,近年電気機器の小型軽量化,高性能化に
伴い,エナメル線の耐熱性,耐摩耗性,耐熱衝撃性およ
び耐冷媒性等を一層向上させることが要求されている。
現在最も使用されている樹脂は,テレフタル酸系ポリ
エステル樹脂およびポリエステルイミド系樹脂である。
テレフタル酸系ポリエステル樹脂は耐摩耗性,耐熱衝撃
性および耐熱性に劣り,ポリエステルイミド系樹脂はこ
れらの性質においてはポリエステル系樹脂よりも優れて
いるが,耐冷媒性およびクレージング性において十分と
はいえないものである。さらにポリアミドイミド系樹脂
およびポリイミド系樹脂も知られているが,これらの樹
脂は高価であり,またその取扱いも煩雑であるため,汎
用性に欠け,一部の特殊な用途に使用されているにすぎ
ない。さらにアミド基およびイミド基を有する二塩基酸
をポリエステルの酸成分とするポリアミドイミドエステ
ル系樹脂を主成分とする樹脂組成物も知られている(例
えば特公昭45−13597号,特公昭45−18316号,特公昭46
−5089号,特公昭47−26116号,特公昭51−7689号およ
び特公昭51−15859号公報等)が,これら樹脂からなる
被膜形成物はある程度の性能は発揮するものの,その機
械的特性,耐熱性,特に耐冷媒性において不十分なもの
である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は,前記従来技術の欠点を除去し,機械
的特性,耐熱性,耐冷媒性,電気絶縁特性および密着性
に優れたエナメル線を与える耐熱性樹脂を提供すること
にある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,鋭意研究の結果,特定のアミドイミド
オリゴマを分子鎖中に導入して得られる特定の構造を有
するポリアミドイミドエステル系樹脂と特定の化合物を
組合せることにより前記目的が達成されることを見出し
て本発明に到達した。
本発明は,イソシアネート化合物,三塩基酸無水物,
二塩基酸およびラクタムを反応させた後,更に三塩基酸
無水物を反応させて得られる分子鎖中にアミド結合とイ
ミド結合とを有するアミドイミドオリゴマに,多価カル
ボン酸及び多価アルコールを反応させて得られるポリア
ミドイミドエステル系樹脂ならびに一般式(A) (ただし式中 は5員環または6員環の複素環を形成しており、Yは単
結合または二重結合によって結合される2個または3個
の炭素原子を含む炭化水素基、 〔ただし、これは芳香族環を形成しており、Zは芳香族
基の残基を示す〕又は 〔ただし、 は単結合又は二重結合を示し、 は芳香族基を形成し、Zは芳香族基の残基を示し、ま
た、 において、Xを含む環は、芳香族環を形成していてもよ
い〕、−N=C(NH2)−あるいは−NH−CH=からな
り、Xは酸素、硫黄、−CH−、窒素またはNR〔ただし、
Rは水素または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基で
ある〕である)で示される複素環状メルカプタン類,ア
ミノイミダゾール類,アミノチアゾール類およびバルビ
ツール酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種の化
合物を含有してなる耐熱性樹脂組成物に関する。
本発明に用いられるアミドイミドオリゴマはイソシア
ネート化合物,三塩基酸無水物,二塩基酸およびラクタ
ムを,クレゾール,フエノール,N−メチルピロリドン等
の極性溶媒中で反応させた後,更に三塩基酸無水物を反
応させることにより得られる。これらの極性溶媒のうち
フエノール系溶剤,特にクレゾールが好ましい。
イソシアネート化合物としては,脂肪族,脂環族,芳
香脂肪族,芳香族及び複素環ジイソシアネート,例えば
エチレンジイソシアネート,1,4−テトラメチレンジイソ
シアネート,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート,1,1
2−ドデカンジイソシアネート,シクロブテン−1,3−ジ
イソシアネート,シクロヘキサン1,3−及び1,4−ジイソ
シアネート,イソフオロンジイソシアネート1,3及び1,4
−フエニレンジイソシアネート,2,4−及び2,6−トリレ
ンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物,ジフ
エニルメタン−2,4′−ジイソシアネート,ジフエニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート,ジフエニルエーテ
ル−4,4′−ジイソシアネート,キシリレンジイソシア
ネート,ナフタレン−1,4−ジイソシアネート,ナフタ
レン−1,5−ジイソシアネート,1−メトキシベンゼン−
2,4−ジイソシアネート,ジフエニルスルフオン−4,4′
−ジイソシアネート等のジイソシアネートがあげられ
る。必要に応じて3価以上のポリイソシアネートを併用
することができ,その例として上記のジイソシアネート
類を多量化して得られる一分子中に三個以上のイソシア
ネート基を有する化合物,ポリフエニルメチレンポリイ
ソシアネート(例えばアニリンとホルムアルデヒドの縮
合物をホスゲンで処理して得られる)等があげられる。
三塩基酸無水物としては,例えば式(2)又は(3)
で示される化合物が用いられる。
(Xは−CR2−(RはH又はCH3),−CO−,−SO2−,
−O−等である) 式(2)又は式(3)の構造式で示される化合物の具
体例としてはトリメリツト酸無水物,2−(3,4−ジカル
ボキシフエニル)−2−(3−カルボキシフエニル)プ
ロパン無水物,(3,4−ジカルボキシフエニル)(3−
カルボキシフエニル)メタン無水物,(3,4−ジカルボ
キシフエニル)(3−カルボキシフエニル)エーテル無
水物,3,3′,4−トリカルボキシベンゾフエノン無水物等
がある。そのほか,1,2,4−ブタントリカルボン酸無水
物,2,3,5−ナフタレントリカルボン酸無水物,2,3,6−ナ
フタレントリカルボン酸無水物,1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸無水物。2,2′,3−ビフエニルトリカルボン
酸無水物等があげられる。耐熱性,コストの点からトリ
メリツト酸無水物を用いることが好ましい。
二塩基酸としては,例えばテレフタル酸,イソフタル
酸,フタル酸,アジピン酸,セバシン酸等が用いられる
が,芳香族二塩基酸が好ましい。
ラクタムとしてはβ−プロピオラクタム,γ−ブチロ
ラクタム,δ−バレロラクタム,ε−カプロラクタムな
どが用いられるが,ε−カプロラクタムが好ましい。ラ
クタムの使用量は,エナメル線外観,組成物の均一透明
性および耐熱性の点から全イソシアネート当量の5〜50
当量%が好ましく,10〜40当量%が特に好ましい。この
際ラクタムは1モルを2当量として計算する。
また,イソシアネート化合物,三塩基酸無水物,二塩
基酸及びラクタムを反応させる際のイソシアネート基1
に対するカルボキシル基の配合当量比は0.8〜1.2が好ま
しく,0.9〜1.1がより好ましい。配合当量比が0.8未満の
場合は耐熱性が劣り,1.2を越えると樹脂溶液の溶解性が
劣る傾向がある。更に,二段目に添加される三塩基酸無
水物のカルボキシル基の配合当量比はイソシアネート基
1に対して0.1〜0.5とすることが好ましく,配合当量比
が0.1未満の場合はエナメル線の外観が十分でなく、0.5
を越えると耐熱性が低下する傾向がある。最終的なイソ
シアネート基1に対する全カルボキシル基の配合当量比
は0.9〜1.7が好ましく,1.1〜1.5がより好ましい。な
お,この場合,三塩基酸無水物のカルボキシル基は三塩
基酸無水物1モルを2当量として計算する。
アミドイミドオリゴマを製造するに際し,一段目の反
応はイソシアネート化合物,三塩基酸無水物,二塩基酸
及びラクタムを同時に仕込んでもよいし,目的に応じて
段階的に仕込み,反応を進めてもよい。主反応は190〜2
20℃で行うことが好ましい。目的に応じて必要な分子量
になるまで反応を進めた後,冷却し,必要量の三塩基酸
無水物を添加して再び昇温して反応させる。反応温度は
190〜220℃が好ましい。
本発明において用いられる多価カルボン酸としては通
常2価以上のポリカルボン酸又はその誘導体が用いられ
る。ジカルボン酸又はその誘導体としては,テレフタル
酸ジメチル,テレフタル酸,イソフタル酸ジメチル,イ
ソフタル酸,アジピン酸等があげられ,3価以上のポリカ
ルボン酸又はその誘導体しては,無水トリメリツト酸,
トリメリツト酸,トリメシン酸,3,3′,4,4′−ベンゾフ
エノンテトラカルボン酸,1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸,1,2,4−ブタントリカルボン酸等が用いられる。特
性,価格のバランスからは,テレフタル酸ジメチル又は
テレフタル酸の使用が好ましい。
また,耐熱性等の点から多価カルボン酸の一部又は全
部として分子鎖中にイミド結合を有するいわゆるイミド
酸を用いることが特に好ましく,その際,別途イミド酸
を合成単離して用いても良いが,次に示すように公知の
方法によつてイミド酸形成成分として用いることが好ま
しい。すなわち,イミド酸形成成分は,例えば2個の隣
接カルボキシル基を有する三塩基酸無水物とジアミンと
からなる。これらの両成分は次式のように反応してイミ
ド酸を形成する。
前記式から明らかなように,ジアミン1モルに対して
三塩基酸無水物約2モル,好ましくは正確に2モルが用
いられる。
三塩基酸無水物としては,例えば無水トリメリツト
酸,ブタントリカルボン酸無水物等が用いられ,無水ト
リメリツト酸が好ましい。
ジアミンとしては,例えば4,4′−メチレンジアニリ
ン,4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフエニルメタ
ン,4,4′−ジアミノジフエニルメタン,4,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテル,4,4′−ジアミノジフエニルスルホ
ン,3,3′−ジアミノジフエニルスルホン,パラフエニレ
ンジアミン,メタフエニレンジアミン,2,4−トリレンジ
アミン,2,6−トリレンジアミン,メタキシレンジアミン
等の芳香族ジアミンが用いられ,4,4′−ジアミノジフエ
ニルメタン,4,4′−ジアミノジフエニルエーテルが好ま
しい。
イミド酸形成成分としては,このほか,三塩基酸無水
物とアミノカルボン酸との組合せ等も用いることがで
き,特に制限はない。
本発明において用いられる多価アルコールとしては特
に制限はないが,通常2価以上のアルコールが使用され
る。2価のアルコールとしてはたとえば,エチレングリ
コール,ネオペンチルグリコール,1,4−ブタンジオー
ル,1,6ヘキサンジオール,1,6シクロヘキサンジメタノー
ル等が用いられ,3価以上のアルコールとしては,たとえ
ばグリセリン,トリメチロールプロパン,トリス−2−
ヒドロキシエチルイソシアヌレート,トリス−2−ヒド
ロキシプロピルイソシアヌレート,ペンタエリスリトー
ル等が用いられる。耐熱性の点から全アルコール成分の
うち,30当量%以上は3価以上のアルコールを使用する
のが好ましく,50当量%以上がより好ましい。また耐ク
レージング性の点からはグリセリンの使用が,耐熱性お
よび耐冷媒性の点からはトリス−(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートの使用が特に好ましい。
イミド酸形成成分を含む酸とアルコールとの反応量比
は,アルコール過剰率20〜100%,好ましくは30〜70%
である。
アミドイミドオリゴマと多価カルボン酸及び多価アル
コールとを反応させるに際し,加熱反応の条件は,実質
的にイミド化反応,エステル化反応,エステル交換反
応,アミドエステル交換反応等の反応が生じる条件であ
ればよく,特に制限はない。通常は例えばテトラブチル
チタネート,酢酸鉛,ジブチル錫ジラウレート等の触媒
の微量の存在下に,120〜240℃の範囲で3〜10時間行わ
れる。粘度に合わせてクレゾール等の溶媒を追加して合
成することもできる。この際アミドイミドオリゴマの使
用割合は生成ポリアミドイミドエステル系樹脂に対して
好ましくは10〜80重量%,より好ましくは20〜50重量%
である。この使用割合が10重量%未満の場合には得られ
る樹脂の耐熱衝撃性,耐冷媒性等の性能が80重量%を越
える場合には樹脂の耐軟化性等が不十分となる傾向があ
る。
このようにして得られるポリアミドイミドエステル系
樹脂は,エナメル線の製造を容易にするために適当な溶
剤で希釈される。この際溶剤としては,例えばフエノー
ル,クレゾール,キシレノール等のフエノール系溶剤が
主として用いられ,さらにこれらの溶剤に例えばトルエ
ン,キシレン,ソルブントナフサ,石油ナフサ,カルビ
トール類等の希釈溶剤を混合して用いることもできる。
このようにして得られたポリアミドイミドエステル系
樹脂と共に上記の一般式(A)で示される化合物が用い
られる。
この化合物は樹脂分100重量部当り通常0.001〜0.5重
量部,好ましくは0.01〜0.15重量部,より好ましくは0.
03〜0.1重量部の量で用いられる。添加量が0.001重量部
未満では本発明の目的の一つである電気導体への密着性
向上効果が乏しく,また,0.5重量部を越えた場合には,
密着性は良好であるが,エナメル線の加熱劣化後の可と
う性が低下するなどの不都合が生じる。これらの化合物
の二種以上を併用してもよい。
一般式(A)の中で示されるYの部分の構造の代表的
なものは−CH2CH2−,−CH=CH−,−N=C−,フエニ
レン,ナフタレンであり,一般式(A)で示される複素
環状メルカプタン類の例としては2−メルカプト−チア
ゾリン,2−メルカプト−イミダゾリン,2−メルカプト−
1−メチル−イミダゾール,2−メルカプト−ベンゾオキ
サゾール,2−メルカプト−ベンゾイミダゾール,2−メル
カプト−ベンゾチアゾール,5−アミノ−1,3,4−チアジ
アゾール−2−チオール,1H−1,2,4−トリアゾール−3
−チオール,2−メルカプト−キノリン,2−メルカプト−
ピリジン,1,2−ナフチル(2−メルカプト)オキサゾー
ルなどがあげられる。また,アミノイミダゾール類,ア
ミノチアゾール類,バルビツール酸類の例として2−ア
ミノイミダゾール,2−アミノ−ベンゾイミダゾール,2−
アミノ−ナフチルイミダゾール,2−アミノチアゾール,2
−アミノ−ベンゾチアゾール,2−アミノ−ナフチルチア
ゾール,バルビツール酸,2−チオバルビツール酸,チオ
ペンタールなどがあげられる。これらの各種化合物のう
ち,特に好適なものとして,1H−1,2,4−トリアゾール−
3−チオール,5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2
−チオール,2−アミノ−ベンゾチアゾール,2−アミノ−
ベンゾイミダゾールおよび2−チオバルビツール酸があ
げられる。
このようにして得られた本発明になる耐熱性樹脂組成
物は必要に応じて,各種の添加剤を含むことができる。
例えば硬化性や硬化時の流動特性の改善のために加えら
れる各種の金属化合物例えば,テトライソプロピルチタ
ネート,テトラブチルチタネート,テトラヘキシルチタ
ネートなどのチタン化合物,オクテン酸亜鉛,ナフテン
酸亜鉛,オクテン酸マンガン,ナフテン酸コバルト,オ
クテン酸鉄などの金属石けん類などが加えられる。
これらの添加剤をポリアミドイミドエステル系樹脂分
に対して0.1〜25重量%の割合で加え,電気導体上に直
接または他の絶縁被膜とともに塗布焼付けてエナメル線
とされる。エナメル線の製造に際しては通常行われる条
件が採用され,特に制限はない。
(発明の効果) 本発明になる耐熱性樹脂組成物によつて,機械的特
性,耐熱性,耐冷媒性,電気絶縁性および密着性に優れ
たエナメル線を得ることができる。
(実施例) 本発明の実施例を説明する。
製造例A 温度計,窒素導入管,冷却管および撹拌機付き3四
つ口フラスコに,クレゾール793g,ε−カプロラクタム9
9.1gおよび4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート5
48.2gを入れ,160℃で1時間加熱した後,無水トリメリ
ツト酸294.7gおよびイソフタル酸109.2gを加え,210℃で
4時間反応させた。次いで150℃まで冷却し,この溶液
にさらに無水トリメリツト酸42.1gを加え,210℃で15時
間反応させた後クレゾールを加えて樹脂分30%の透明な
アミドイミドオリゴマ(A)を得た。このものの赤外吸
収スペクトルを測定したところ,アミド基およびイミド
基の吸収を示した。
製造例B 温度計,窒素導入管,冷却管および撹拌機付き3四
つ口フラスコに,クレゾール819g,ε−カプロラクタム4
7.5gおよび4,4′−ジフエニルメタンジイセシアネート5
25.9gを入れ,160℃で1時間加熱した後,無水トリメリ
ツト酸302.9gおよびイソフタル酸87.5gを加え,210℃で
4時間反応させた。次いでこの溶液にさらに無水トリメ
リツト酸121.2gを加え,210℃で15時間反応させた後,ク
レゾールを加えて樹脂分30%の透明なアミドイミドオリ
ゴマ(B)を得た。
製造例A2 温度計,窒素導入管,分留管及び撹拌機付き5四つ
口フラスコに製造例Aで得られたポリアミドイミドオリ
ゴマ溶液1461g,4,4′−ジアミノジフエニルメタン201.9
g,無水トリメリツト酸391.1g,テレフタル酸ジメチル29
6.5g,エチレングリコール62.9g,トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート531.7g及びテトラブチルチ
タネート1.2gを加え,2時間で200℃まで昇温し,同温度
で5時間加熱反応させた。その後,クレゾールとキシレ
ンの80/20(重量比)混合液を用いて樹脂分濃度が35重
量%になるように希釈し,更に金属分としてそれぞれ樹
脂分の0.8重量%と0.2重量%に相当する量のテトラブチ
ルチタネート及びナフテン酸亜鉛を加えた。
製造例B2 製造例A2と同様にして製造例Bで得られたポリアミド
イミドオリゴマ溶液1461gと4,4′−ジアミノジフエニル
メタン183.3g,無水トリメリツト酸355.6g,テレフタル酸
ジメチル333.2g,エチレングリコール65.6g,トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート552.0gとをテト
ラブチルチタネート1.2gの存在下に加熱反応させ,樹脂
分濃度が35重量%の溶液を得た。この溶液に金属分とし
てそれぞれ樹脂分の0.8重量%及び0.15重量%に相当す
る量のテトラブチルチタネート及びオクテン酸亜鉛を加
えた。
実施例1〜6 製造例A2及びB2で得られたポリアミドイミドエステル
系樹脂に対して本発明で用いられるヘテロ環状メルカプ
タン類,アミノイミダゾール類,アミノチアゾール類お
よびチオバルビツール酸類からなる群から選ばれるいく
つかの化合物を添加して最終的な組成物とした。樹脂分
に対するこれらの化合物の配合組成比を表1に示した。
比較例1 製造例A2で得られた組成物を比較例1として用いた。
比較例2 製造例B2で得られた組成物を比較例2として用いた。
比較例3 製造例Aと同様な3四つ口フラスコに,クレゾール
548g,4,4′−ジアミノジフエニルメタン228g(2.30当
量),無水トリメリツト酸442g(4.60当量),ジメチル
テレフタレート335g(3.45当量),エチレングリコール
103g(3.32当量),トリス−(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレート537g(6.17当量)およびテトラブチル
チタネート0.8gを入れ,徐々に200℃まで加温し,さら
に200℃で5時間反応させてポリエステルイミド樹脂溶
液を得た。この樹脂溶液にクレゾールを加えて樹脂分35
%にし,さらに製造例Aと同量のテトラブチルチタネー
トおよびナフテン酸亜鉛を添加して樹脂組成物を得た。
試験例 実施例1〜6および比較例1〜3で得られた樹脂組成
物を用い,常法により直径1mmの銅線に焼付けてエナメ
ル線を得た。
得られたエナメル線の特性評価の結果を表1に示し
た。エナメル線の特性評価の方法はポリエステルイミド
銅線JIS C 3214に準じて測定した。
表1に示したように,本発明になる耐熱性樹脂組成物
を用いる場合には,特定の化合物を添加しない場合(比
較例1および比較例2)及びポリエステルイミド樹脂
(比較例3)と比較して,塗膜の密着性が著しく改善さ
れており,更に,ポリエステルイミド樹脂と比較して耐
熱性,耐摩耗性,耐冷媒性が優れ,エナメル線製造の用
途のほか,耐熱性塗料などにも使用することができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート化合物、三塩基酸無水物、
    二塩基酸およびラクタムを反応させた後、更に三塩基酸
    無水物を反応させて得られる分子鎖中にアミド結合とイ
    ミド結合とを有するアミドイミドオリゴマに、多価カル
    ボン酸及び多価アルコールを反応させて得られるポリア
    ミドイミドエステル系樹脂ならびに一般式(A) (ただし式中は は5員環または6員環の複素環を形成しており、Yは単
    結合または二重結合によって結合される2個または3個
    の炭素原子を含む炭化水素基、 〔ただし、これは芳香族環を形成しており、Zは芳香族
    基の残基を示す〕又は 〔ただし、 は単結合又は二重結合を示し、 は芳香族基を形成し、Zは芳香族基の残基を示し、ま
    た、 において、Xを含む環は、芳香族環を形成していてもよ
    い〕、−N=C(NH2)−あるいは−NH−CH=からな
    り、Xは酸素、硫黄、−CH−、窒素またはNR〔ただし、
    Rは水素または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基で
    ある〕である)で示される複素環状メルカプタン類、ア
    ミノイミダゾール類、アミノチアゾール類およびバルビ
    ツール酸類からなる群から選ぱれる少なくとも1種の化
    合物を含有してなる耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】一般式(A)で表わされる複素環状メルカ
    プタンが5−アミノ−1,3,4−チアゾール−2−チオー
    ルである第1項記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】アミノイミダゾール類が2−アミノイミダ
    ゾール、2−アミノ−ペンゾイミダゾールまたは2−ア
    ミノ−ナフチルイミダゾールである第1項記載の耐熱性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アミノチアゾール類が2−アミノチアゾー
    ル、2−アミノ−ベンゾチアゾールまたは2−アミノ−
    ナフチルチアゾールである第1項記載の耐熱性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】バルビツール酸類がバルビツール酸、2−
    チオバルビツール酸またはチオペンタールである第1項
    記載の耐熱性樹脂組成物。
JP63006659A 1988-01-14 1988-01-14 耐熱性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2845880B2 (ja)

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