JP2845712B2 - バッチ式編織物製品の減量加工方法 - Google Patents
バッチ式編織物製品の減量加工方法Info
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量加工方法に関する。
以て処理する方法については、古くから公知である。例
えば、特公昭37−3946号公報に開示されている。
苛性ソーダ水溶液中でポリエステル繊維を加熱処理する
と加水分解反応を起こし、繊維の外層が溶解し、繊維自
体が細くなって柔らかく絹のような光沢を出すことがで
きるので、アルカリ減量加工として広く応用されてき
た。このアルカリ減量加工において、特に得られる減量
率のコントロールをどうするかについても種々の研究が
なされ、(イ) 処理浴中の苛性ソーダの濃度、(ロ) 処理浴
中の助剤の種類と濃度、(ハ) 処理温度、(ニ) 処理時間、
(ハ) 浴比等による変化についても種々の文献が存在す
る。
ステル繊維の減量加工について」田中 博著染色工業
Vol.29 No.12「ポリエステル繊維のアクリル減量加工に
ついて」長谷川 元治著、等がある。又、処理浴中の塩
基性物質の濃度の減少または加水分解生成物の濃度の増
加を経時的に測定し、この測定値に基づいて減量加工の
終点を決定する、とした特公平4−24461号公報が
ある。
特公昭37−3946号公報では、助剤としてアミンを
用い繊維の性質を改善したものであり、又、染色工業
Vol.25及びVol.26の文献では、減量加工の各コントロー
ル方法による得失についての研究成果は認められるもの
の、実用化に際しての現場的な制御手段については、何
等開示されていない。
では、処理浴中の塩基性物質の濃度の減少または加水分
解生成物の濃度の増加を経時的に測定し、これら濃度変
化を指標として「減量加工の終点」を決定している。し
かし、この発明では処理浴中の濃度が変化するので、減
量加工による風合いが濃度変化と共に変わってしまうの
で、所望の風合いに加工できず、且つ、濃度が低下する
に従って、減量加工効率が低下し時間がかかると共に濃
度変化に伴う加工斑が発生するという欠陥があった。
又、処理浴の温度変化による影響、特に高温高圧下での
減量加工については開示されておらず、又、理論として
の減量加工反応の終点と現実の減量加工運転の終結との
間に差が認められるにも拘らず補正手段を用いていない
ので、目標とする減量率にする上で、誤差が大きいとい
う問題点がみられる。
し、苛性ソーダの濃度を一定の最適濃度に維持しなが
ら、目標減量率に応じた減量加工に供する苛性ソーダ量
を精密に制御し、又、高温高圧下における処理について
特に冷却工程における経験値に基づく補正を加えて、よ
り精確な減量加工を実現し、所望の風合いに加工すると
共に処理時間の大幅な短縮、加工ムラの防止並びに処理
液の再利用化を容易にすることのできる減量加工方法を
提供しようとするものである。
1発明では、ポリエステル繊維を含む編織物製品を苛性
ソーダその他のアルカリ水溶液に溶解させて処理する高
温高圧下の減量加工方法において、処理槽内へ編織物製
品を投入して処理液中の苛性ソーダの濃度を一定の最適
濃度に設定し、昇温し、一定温度の保持をして加水分解
反応中、前記最適濃度を維持するよう苛性ソーダを補給
すると共に補給された苛性ソーダの量を連続して積算
し、前記繊維製品の投入量と目標減量率から予め苛性ソ
ーダの必要量を算出し、冷却工程開始後も最適濃度を維
持するよう補給される苛性ソーダの量を経験値(1)と
し、苛性ソーダの補給を停止し、処理液の排出および洗
浄水を供給して加水分解反応の停止に至る迄に消費され
る量を経験値(2)とし、前記経験値(1)と(2)を
合わせた苛性ソーダの量を、前記苛性ソーダの必要量か
ら差し引いて補正必要量として算出し、この補正必要量
と前記補給された苛性ソーダの積算量とが一致した時点
を、冷却開始点とするバッチ式編織物製品の減量加工方
法とした。
を、処理液中の導電率を電導度計で行うようにしたバッ
チ式編織物製品の減量加工方法とした。
最適濃度と実際の測定値とを比較し、許容偏差値を越え
た場合、苛性ソーダを補給するようにしたバッチ式編織
物製品の減量加工方法とした。
を、積算電磁流量計で行うようにしたバッチ式編織物製
品の減量加工方法とした。
濃度に設定することにより、ポリエステル繊維の種類や
編織物の組織等に応じ、所望する風合いになるよう加水
分解反応を進行させることができるようになった。最適
濃度を維持するため濃度に変動が生じないよう連続的に
測定すると共に苛性ソーダの補給調整をするようにし
た。
時点までに減量加工に供された苛性ソーダの積算量であ
り、投入される編織物製品の重量と目標減量率からあら
かじめ算出される苛性ソーダの必要量(理論減量率によ
る)を求める。高温高圧処理による減量加工であるの
で、昇温、一定温度保持及び冷却工程の進行中に行われ
る加水分解反応につき、最も重要な操作となる冷却工程
の開始点を制御するようにした。 そして、制御手段とし
て、冷却工程に入った後も、加水分解の進行に対応して
最適濃度維持のため補給される苛性ソーダの量を予め算
定して経験値(1)とし、さらに、苛性ソーダの補給を
停止した後、加水分解の続行による苛性ソーダの消費量
を経験値(2)として上記経験値(1)と経験値(2)
との合計を補正必 要量とした。前記苛性ソーダの必要量
と前記補給量とを比較して、一致した時点で冷却開始を
することとした。
計で行うようにしたので、迅速且つ精密に濃度変化がな
いように観測できる。
実際の測定値との許容偏差値を設けて、これを越えると
苛性ソーダを補給する。
を積算電磁流量計で行うので、極めて精確に積算され
る。
を投入し、減量用制御盤に〈仮〉処理液量(l)、生地
投入量(Kg) 、目標減量率(%)、〈仮〉初浴濃度(g/
l)及び経験値(%)を条件入力する。
類、組織及び所望する風合いに応じた最適濃度に設定し
偏差許容値を決定する。 (供給開始) 入力された処理液量と〈仮〉初浴濃度に基づいて、水と
苛性ソーダ又は回収液が処理槽に供給される。
ていた水が加算されて希釈されるので、全体を攪拌した
後、再度濃度を測定し、一定保持濃度を決定する。 (2) 加工開始 減量加工装置をプログラムパターンに基づき作動させ処
理を開始する。
センサーへ、そして処理槽へ戻るよう循環させ、センサ
ーにより濃度をリアルタイムで連続測定する。 (補給調整) 濃度計からの測定値と前記一定保持濃度とを比較し、許
容偏差値を維持するように常時苛性ソーダを補給調整す
る。
される。 (積算量と苛性ソーダの必要量との比較) 生地投入量と目標減量率より算出される必要量をあらか
じめ算出しておく。 必要量=生地投入量×目標減量率×(80/192) これはポリエチレンテレフタレート(PET)1モルの
NaOHによる加水分解にはNaOHが2モル必要とな
ることから容易に計算される。
が最初に条件入力された生地重量と目標減量率からあら
かじめ算出された必要量から、経験値に基づく冷却工程
中に消費される量を差引いた量に一致した時点を冷却工
程の開始点とする。
号が出てから実際に冷却を始めるまでの時間(クッショ
ン時間)とのペアの値をあらかじめ設定しておく。
し、積算も継続する。この際、冷却工程中の減量率には
一定温度保持の場合に比して差異が認められ、これを経
験値(1) としてあらかじめ入力しておく。次いで、苛性
ソーダの補給を停止した時点から排液又は回収し、次い
で洗浄水を供給して完全に加水分解反応が終結する迄の
間に消費される苛性ソーダの量を経験値(2) としてあら
かじめ入力しておく。これら経験値(1) と(2) とに基づ
いて冷却開始時点を設定した。
処理液を排出する。
で、回収槽へ回収して次回の加工に再利用できるように
する。 (水洗) 生地を洗浄し、取出可能な状態にする。 (生地取出) 生地の引出装置を用いて生地を取出す。
につき説明する。1は処理槽、2は移送管で、相互に両
端で接続されて環状処理装置を構成している。3は処理
液循環路で、ポンプ4および熱交換器5を備え、処理槽
1の数個所から処理液を引抜き、ポンプ4、熱交換器5
を経て処理槽1に戻る系路としている。
定器で、処理液中の導電率を電導度計で直接測定するよ
うにした。処理槽1からクーラ7を経て濃度測定器6に
至り、再び、移送管2へ戻る環状系路をとり、常時処理
槽の苛性ソーダ濃度を連続して測定するようになってい
る。8は苛性ソーダのストックタンク、9はポンプ、10
は積算電磁流量計で、8〜10は補給調整手段となってい
る。11は中央演算装置(CPU)で、苛性ソーダの必要
量を算出する計算手段、経験値に基づく消費量を必要量
から差引いた補正必要量と積算量との比較手段、苛性ソ
ーダの補給を停止させる停止手段等につき計算し指令を
出すようになっている。12は回収槽で、減量加工終了後
の処理液を回収するようになっている。尚、ポンプ9は
定量ポンプを使用し、流量計10を省略する場合もある。
中の苛性ソーダ濃度を一定の最適濃度に設定し、常時濃
度測定器6により濃度を測定し、偏差許容値の範囲内で
一定に維持されるよう、CPU11の指令により苛性ソー
ダのストックタンク8より、ポンプ9、積算電磁流量計
10を経て常時苛性ソーダを補給するように制御される。
苛性ソーダの補給による積算量は、処理槽1内での加水
分解反応に連動し、消費された苛性ソーダの量と同一量
常時補給されている。濃度は偏差許容範囲を出ないよう
制御されているので、補給された積算量はポリエステル
繊維の加水分解反応に供された苛性ソーダの量と一致す
る。
最適濃度に設定できるので、編織物製品の種類や組織及
び要求される風合いに適した苛性ソーダの濃度を適宜設
定することができるので、同じシルクタッチに仕上げる
場合でも、キメの荒さ、光沢の具合をコントロールする
ことができ、又、濃度を高くして処理時間を1/2〜1
/3に短縮したり、あるいは濃度は比較的低く設定して
時間をかけて柔軟性のある風合いに仕上げる等、減量に
よる風合い加工の選択の幅が大きくなった。
加工率もほとんど変化なく、一定の条件下で減量加工を
進行させることができるので、減量斑などの不具合が解
消できる。高温高圧装置を用いているので、昇温、一定
温度保持、冷却等の工程中、特に冷却工程に入ると減量
率も異なってくるので、冷却工程開始後、消費される苛
性ソーダの量をあらかじめ経験値として入力しておくこ
とにより、理論減量率から算出される苛性ソーダの必要
量から経験値を差引いた補正必要量が得られ、より精確
な減量率を達成することが可能となった。さらに経験値
の入力に際して、苛性ソーダの補給を継続した状態での
減量率の変化を経験値(1) とし、補給を停止した後に加
水分解反応が終結するまでの間の量を経験値(2) として
入力することにより、減量加工の終了まで制御できるこ
ととなり、より精密な目標減量率に加工することができ
るようになった。又、冷却開始点を上記補正必要量と補
給した積算量との対比により、連続的に正確に刻々の加
水分解反応の進行を見極めつつ、冷却開始点の設定と実
行を可能にした。
物製品について説明しているが、アセテート等、アルカ
リ水溶液によって溶解される繊維を減量加工する場合に
も適用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステル繊維を含む編織物製品を苛
性ソーダその他のアルカリ水溶液に溶解させて処理する
高温高圧下の減量加工方法において、 処理槽内へ編織物製品を投入して処理液中の苛性ソーダ
の濃度を一定の最適濃度に設定し、昇温し、一定温度の保持をして加水分解反応中、 前記最
適濃度を維持するよう苛性ソーダを補給すると共に補給
された苛性ソーダの量を連続して積算し、 前記繊維製品の投入量と目標減量率から予め苛性ソーダ
の必要量を算出し、冷却工程開始後も最適濃度を維持するよう補給される苛
性ソーダの量を経験値(1)とし、 苛性ソーダの補給を停止し、処理液の排出および洗浄水
を供給して加水分解反応の停止に至る迄に消費される量
を経験値(2)とし、 前記経験値(1)と(2)を合わせた苛性ソーダの量
を、前記苛性ソーダの必要量から差し引いて補正必要量
として算出し、 この補正必要量と前記補給された苛性ソーダの積算量と
が一致した時点を、冷却開始点とすること を特徴とする
バッチ式編織物製品の減量加工方法。 - 【請求項2】 苛性ソーダの濃度の測定を、処理液中の
導電率を電導度計で行うようにした請求項1記載のバッ
チ式編織物製品の減量加工方法。 - 【請求項3】 苛性ソーダの濃度を一定の最適濃度と実
際の測定値とを比較し、許容偏差値を越えた場合、苛性
ソーダを補給するようにした請求項1記載のバッチ式編
織物製品の減量加工方法。 - 【請求項4】 補給される苛性ソーダの量を、積算電磁
流量計で行うようにした請求項1記載のバッチ式編織物
製品の減量加工方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5045450A JP2845712B2 (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | バッチ式編織物製品の減量加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5045450A JP2845712B2 (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | バッチ式編織物製品の減量加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264363A JPH06264363A (ja) | 1994-09-20 |
JP2845712B2 true JP2845712B2 (ja) | 1999-01-13 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5045450A Expired - Fee Related JP2845712B2 (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | バッチ式編織物製品の減量加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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JP4540189B2 (ja) * | 2000-06-30 | 2010-09-08 | 福伸工業株式会社 | ポリエステル繊維の減量加工方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0694623B2 (ja) * | 1984-12-28 | 1994-11-24 | 和興技研株式会社 | ポリエステル繊維編織物の減量加工法 |
JPH0424461A (ja) * | 1990-05-17 | 1992-01-28 | Mitsubishi Electric Corp | 空気調和機 |
-
1993
- 1993-03-05 JP JP5045450A patent/JP2845712B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06264363A (ja) | 1994-09-20 |
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