JP2845598B2 - 繊維用ポリ1―ブテン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
繊維用ポリ1―ブテン樹脂組成物の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物の製造方法
に関し、特に、高速紡糸性および延伸性に優れる繊維用
ポリ1−ブテン樹脂組成物の製造方法に関する。
に関し、特に、高速紡糸性および延伸性に優れる繊維用
ポリ1−ブテン樹脂組成物の製造方法に関する。
<従来の技術> ポリ1−ブテン樹脂は、耐熱性、耐クリーブ性、耐ス
トレスクラッキング性、柔軟性等に優れるため、温水用
パイプ、食品包装用フィルム等に用いられている。近
年、ポリ1−ブテン樹脂の前記のような優れた特徴を生
かして、これを繊維化して種々の用途に用いるべく、検
討がなされている。
トレスクラッキング性、柔軟性等に優れるため、温水用
パイプ、食品包装用フィルム等に用いられている。近
年、ポリ1−ブテン樹脂の前記のような優れた特徴を生
かして、これを繊維化して種々の用途に用いるべく、検
討がなされている。
ところで、ポリ1−ブテン樹脂は、同種のポリオレフ
ィン樹脂であるポリエチレンやポリプロピレンに比べて
結晶化速度が遅いという特徴を有する。そのため、ポリ
1−ブテン樹脂を繊維化する場合、溶融させたポリ1−
ブテンを多数の微細ノズルから押出し冷却しながら巻取
る紡糸工程において、それぞれの糸が結晶化する前に糸
同士が接触すると、くっついてしまうという欠点を有
し、これは、特に高速で溶融紡糸する場合に問題とな
る。
ィン樹脂であるポリエチレンやポリプロピレンに比べて
結晶化速度が遅いという特徴を有する。そのため、ポリ
1−ブテン樹脂を繊維化する場合、溶融させたポリ1−
ブテンを多数の微細ノズルから押出し冷却しながら巻取
る紡糸工程において、それぞれの糸が結晶化する前に糸
同士が接触すると、くっついてしまうという欠点を有
し、これは、特に高速で溶融紡糸する場合に問題とな
る。
また、溶融紡糸して巻取った糸は、延伸しないで、そ
のまま未延伸糸として使用することもあるが、さらに20
0〜400%延伸して、細い繊維にしたり、強度を向上させ
る処理も行なわれる。
のまま未延伸糸として使用することもあるが、さらに20
0〜400%延伸して、細い繊維にしたり、強度を向上させ
る処理も行なわれる。
<発明が解決しようとする課題> しかし、従来、ポリ1−ブテン樹脂は、チーグラー触
媒を用いる重合方法によって製造されており、立体規則
性が低すぎたり、立体規則性は高くても分子量分布が広
すぎるものであるため、高速での溶融紡糸性と延伸性を
両立させることができなかった。
媒を用いる重合方法によって製造されており、立体規則
性が低すぎたり、立体規則性は高くても分子量分布が広
すぎるものであるため、高速での溶融紡糸性と延伸性を
両立させることができなかった。
そこで本発明の目的は、高速紡糸性および延伸性に優
れる繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を得ることができ
る方法を提供することにある。
れる繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を得ることができ
る方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、前記課題を解決するために、アイソタクチ
ック値が93%以上、かつメルトフローレートが0.01〜5g
/10minであるポリ1−ブテン樹脂およびプロピレン系樹
脂を含む組成物を、有機過酸化物の存在下に加熱して反
応させる工程を含む繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物の
製造方法を提供するものである。
ック値が93%以上、かつメルトフローレートが0.01〜5g
/10minであるポリ1−ブテン樹脂およびプロピレン系樹
脂を含む組成物を、有機過酸化物の存在下に加熱して反
応させる工程を含む繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物の
製造方法を提供するものである。
前記プロピレン系樹脂が、融点125℃以上、かつメル
トフローレート(ASTM D1238.E)が0.1〜20g/10minのも
のであると、好ましい。
トフローレート(ASTM D1238.E)が0.1〜20g/10minのも
のであると、好ましい。
以下、本発明の繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物の製
造方法について詳細に説明する。
造方法について詳細に説明する。
本発明の方法に用いられる組成物の主成分であるポリ
1−ブテン樹脂は、1−ブテンを主成分とし、1−ブテ
ン以外の炭素数2〜12のα−オレフィンを0〜5モル%
含有するものである。
1−ブテン樹脂は、1−ブテンを主成分とし、1−ブテ
ン以外の炭素数2〜12のα−オレフィンを0〜5モル%
含有するものである。
このポリ1−ブテン樹脂の立体規則性の指標であるア
イソタクチック値(II)は、93%以上であり、溶融紡糸
安定性に優れる繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物が得ら
れる点で、95%以上であるのが好ましい。
イソタクチック値(II)は、93%以上であり、溶融紡糸
安定性に優れる繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物が得ら
れる点で、95%以上であるのが好ましい。
このアイソタクチック値(II)は、以下の方法により
測定されるものである。
測定されるものである。
ポリ1−ブテン樹脂1gをn−デカン100mlに溶解した
後、0℃に冷却し、0℃で24時間放置して高立体規則性
成分を析出させ、不溶部の重量%を(II)とした。
後、0℃に冷却し、0℃で24時間放置して高立体規則性
成分を析出させ、不溶部の重量%を(II)とした。
また、このポリ1−ブテン樹脂のメルトフローレート
は、0.01〜5g/10minであり、有機過酸化物を用いる熱分
解におけるメルトフロレートの制御が容易である点で、
0.01〜1g/10minであるのが好ましい。このメルトフロー
レートは、ASTM D1238,Eに準じて測定される値である。
は、0.01〜5g/10minであり、有機過酸化物を用いる熱分
解におけるメルトフロレートの制御が容易である点で、
0.01〜1g/10minであるのが好ましい。このメルトフロー
レートは、ASTM D1238,Eに準じて測定される値である。
このポリ1−ブテン樹脂の分子量分布を表す重量平均
分子量(w)と数平均分子量(n)の比(w/
n)は、通常、4〜20程度であり、熱分解によって繊維
用として、適切なメルトフロレートおよび分子量分布を
有する繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物が得られる点
で、4〜15程度であるのが好ましい。
分子量(w)と数平均分子量(n)の比(w/
n)は、通常、4〜20程度であり、熱分解によって繊維
用として、適切なメルトフロレートおよび分子量分布を
有する繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物が得られる点
で、4〜15程度であるのが好ましい。
また、本発明の方法に用いられる組成物のもう一つの
主成分であるプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重
合体、プロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の化
合物との共重合体からなるものである。
主成分であるプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重
合体、プロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の化
合物との共重合体からなるものである。
前記プロピレンと共重合可能な他の化合物としては、
例えば、エチレン、ブテン等が挙げられる。これらは1
種単独でも2種以上がプロピレン系樹脂に含まれていて
もよい。プロピレン系樹脂が、この共重合可能な化合物
を含む場合、その含有量は、1〜20モル%程度である。
例えば、エチレン、ブテン等が挙げられる。これらは1
種単独でも2種以上がプロピレン系樹脂に含まれていて
もよい。プロピレン系樹脂が、この共重合可能な化合物
を含む場合、その含有量は、1〜20モル%程度である。
このプロピレン系樹脂は、ポリ1−ブテン樹脂の結晶
化速度が促進される点で、融点が125℃以上、さらに130
℃以上のものが好ましい。
化速度が促進される点で、融点が125℃以上、さらに130
℃以上のものが好ましい。
また、このプロピレン系樹脂は、ポリ1−ブテン樹脂
との溶融特性が類似している点で、メルトフローレート
が0.1〜20g/10min、さらに1〜10g/10minのものが好ま
しい。
との溶融特性が類似している点で、メルトフローレート
が0.1〜20g/10min、さらに1〜10g/10minのものが好ま
しい。
本発明の方法で用いられる組成物中における前記ポリ
1−ブテン樹脂/プロピレン系樹脂の含有比率は、通
常、60/40〜98/2であり、ポリ1−ブテン樹脂の特性を
維持しつつ、かつ結晶化速度が促進される点で、70/30
〜95/5であるのが好ましい。
1−ブテン樹脂/プロピレン系樹脂の含有比率は、通
常、60/40〜98/2であり、ポリ1−ブテン樹脂の特性を
維持しつつ、かつ結晶化速度が促進される点で、70/30
〜95/5であるのが好ましい。
また、この組成物には、酸化を防止するために、ポリ
オレフィンに通常添加される酸化防止剤を含有していて
もよい。
オレフィンに通常添加される酸化防止剤を含有していて
もよい。
この酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデシル
−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエー
ト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5
−トリス(t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルフェニル)イソシアネート、トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアネート、n
−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルホスホン酸)モ
ノエチルエステルのニッケル塩、2,2′−ジヒドロキシ
−3,3′−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5′−ジ
メチル−ジフェニルメタン、4,4−チオ−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−フェ
ニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−フェノ
ール)、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホ
スファイト、ビタミンE等のフェノール系、リン系など
の酸化防止剤が挙げられる。これらは1種単独でも2種
以上を組合せても用いられる。
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデシル
−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエー
ト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5
−トリス(t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルフェニル)イソシアネート、トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアネート、n
−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルホスホン酸)モ
ノエチルエステルのニッケル塩、2,2′−ジヒドロキシ
−3,3′−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5′−ジ
メチル−ジフェニルメタン、4,4−チオ−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−フェ
ニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−フェノ
ール)、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホ
スファイト、ビタミンE等のフェノール系、リン系など
の酸化防止剤が挙げられる。これらは1種単独でも2種
以上を組合せても用いられる。
酸化防止剤を含有する場合、その含有量は、通常、組
成物中のポリ1−ブテン樹脂100重量部に対して0.05〜
0.8重量部程度、好ましくは0.1〜0.5重量部程度であ
る。
成物中のポリ1−ブテン樹脂100重量部に対して0.05〜
0.8重量部程度、好ましくは0.1〜0.5重量部程度であ
る。
さらに、この組成物は、上記の酸化防止剤に加えて、
必要に応じて紫外線吸収剤、結晶核剤、防かび剤、発錆
防止剤、滑剤、充填剤、顔料、耐熱安定剤等の添加剤
を、本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよ
い。
必要に応じて紫外線吸収剤、結晶核剤、防かび剤、発錆
防止剤、滑剤、充填剤、顔料、耐熱安定剤等の添加剤
を、本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよ
い。
また、この組成物は、成形性の改良、あるいは各種物
性を調整するために、ポリエチレンやオレフィン系エラ
ストマーを、本発明の目的を損なわない範囲で含んでい
てもよい。これらのオレフィン系エラストマーを含む場
合、その含有量は、通常、ポリ1−ブテン樹脂100重量
部に対して、20重量部以下である。
性を調整するために、ポリエチレンやオレフィン系エラ
ストマーを、本発明の目的を損なわない範囲で含んでい
てもよい。これらのオレフィン系エラストマーを含む場
合、その含有量は、通常、ポリ1−ブテン樹脂100重量
部に対して、20重量部以下である。
本発明の方法は、前記の組成物に、有機過酸化物を加
え加熱反応させて繊維用のポリ1−ブテン樹脂組成物を
製造する方法である。
え加熱反応させて繊維用のポリ1−ブテン樹脂組成物を
製造する方法である。
用いられる有機過酸化物としては、例えば、3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オクタノイルパ
ーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパー
オキシド、こはく酸パーオキシド、アセチルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)、メタ−トルオイルパーオキシド、ベンゾイルパー
オキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−
ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−
3,3−5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノ
ンパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ルボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、
2,2−ビス(t−パーオキシ)ブタン、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルジパーオ
キシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキシ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルクミルパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒド
ロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メ
ンタンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル
ヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド、クメンヒドロ
パーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド等が挙げ
られる。
トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オクタノイルパ
ーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパー
オキシド、こはく酸パーオキシド、アセチルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)、メタ−トルオイルパーオキシド、ベンゾイルパー
オキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−
ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−
3,3−5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノ
ンパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ルボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、
2,2−ビス(t−パーオキシ)ブタン、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルジパーオ
キシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキシ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルクミルパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒド
ロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メ
ンタンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル
ヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド、クメンヒドロ
パーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド等が挙げ
られる。
これらの中では、長期保存安定性が良好であり、かつ
分解温度があまり高くなく、ポリ1−ブテン樹脂を安定
して分解できる点で、ジクミルパーオキシド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼンが好ましい。
分解温度があまり高くなく、ポリ1−ブテン樹脂を安定
して分解できる点で、ジクミルパーオキシド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼンが好ましい。
この有機過酸化物の使用量は、通常、組成物中のポリ
1−ブテン樹脂とプロピレン系樹脂の合計100重量部に
対して、0.01〜0.3重量部、好ましくは0.02〜0.1重量部
の割合である。
1−ブテン樹脂とプロピレン系樹脂の合計100重量部に
対して、0.01〜0.3重量部、好ましくは0.02〜0.1重量部
の割合である。
加熱反応は、前記組成物および有機過酸化物を、例え
ば、押出機に供給して、加熱溶融させて反応させればよ
い。押出機の出口に紡糸ノズルを設けて、紡糸を連続し
て行なえば、生産性の向上に好都合である。
ば、押出機に供給して、加熱溶融させて反応させればよ
い。押出機の出口に紡糸ノズルを設けて、紡糸を連続し
て行なえば、生産性の向上に好都合である。
有機過酸化物は、組成物と予め混合し、混合物を押出
し機に供給してもよいし、組成物と有機過酸化物とを、
それぞれ別個に押出機に所定の割合で供給して押出機内
で混合するようにしてもよい。
し機に供給してもよいし、組成物と有機過酸化物とを、
それぞれ別個に押出機に所定の割合で供給して押出機内
で混合するようにしてもよい。
押出機における加熱温度は、使用する有機過酸化物の
種類、量等に応じて適宜選択され、組成物が有機過酸化
物によって分解される温度であればよく、特に限定され
ないが、通常、180〜250℃程度であり、好ましくは180
〜230℃程度である。
種類、量等に応じて適宜選択され、組成物が有機過酸化
物によって分解される温度であればよく、特に限定され
ないが、通常、180〜250℃程度であり、好ましくは180
〜230℃程度である。
以上の方法によって得られる繊維用ポリ1−ブテン樹
脂組成物は、通常、1〜50g/10min程度の高いメルトフ
ローレートを示し、かつ分子量分布を表わす(w/
n)が2〜6程度の狭い分子量分布のものである。その
ため、本発明の方法によって得られる繊維用ポリ1−ブ
テン樹脂組成物は、30m/min以上の高速での溶融紡糸が
可能となり、高い生産性でポリ1−ブテン樹脂を含む繊
維を得ることができる。また、得られる繊維は、200%
以上の延伸にも耐えることができる。
脂組成物は、通常、1〜50g/10min程度の高いメルトフ
ローレートを示し、かつ分子量分布を表わす(w/
n)が2〜6程度の狭い分子量分布のものである。その
ため、本発明の方法によって得られる繊維用ポリ1−ブ
テン樹脂組成物は、30m/min以上の高速での溶融紡糸が
可能となり、高い生産性でポリ1−ブテン樹脂を含む繊
維を得ることができる。また、得られる繊維は、200%
以上の延伸にも耐えることができる。
本発明によって得られる繊維用ポリ1−ブテン樹脂組
成物は、単独で繊維にすることもできるが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の他の
熱可塑性樹脂を共押出することによって複合繊維を得る
ことも可能である。
成物は、単独で繊維にすることもできるが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の他の
熱可塑性樹脂を共押出することによって複合繊維を得る
ことも可能である。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を
具体的に説明する。
具体的に説明する。
(実施例1〜3) 表1に示すアイソタクチック値(II)、メルトフロー
レートおよびw/nを有するポリ1−ブテン樹脂と、
プロピレン系樹脂とからなる原料組成物に、有機過酸化
物としてα,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン(化薬ヌーリー社製、パーカドックス
14)を混合し、得られた混合物を押出機(スクリュー
径:65mm)に供給して、温度:230℃で溶融、混練し、反
応させながら押出し、繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物
を得た。
レートおよびw/nを有するポリ1−ブテン樹脂と、
プロピレン系樹脂とからなる原料組成物に、有機過酸化
物としてα,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン(化薬ヌーリー社製、パーカドックス
14)を混合し、得られた混合物を押出機(スクリュー
径:65mm)に供給して、温度:230℃で溶融、混練し、反
応させながら押出し、繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物
を得た。
得られた繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物のメルトフ
ローレート(MFR)および重量平均分子量(w)と数
平均分子量(n)の比(w/n)を測定し、ならび
に高速紡糸性および延伸性を、下記の方法に従って評価
した。結果を表1に示す。
ローレート(MFR)および重量平均分子量(w)と数
平均分子量(n)の比(w/n)を測定し、ならび
に高速紡糸性および延伸性を、下記の方法に従って評価
した。結果を表1に示す。
高速紡糸性: 繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を押出機(スクリュ
ー径:40mm)に供給して200℃で溶融、混練し、口径0.5m
mの細孔を多数有するダイから押出し、エアーで冷却し
ながら引取ロールに300m/mmの引取速度で巻き取り、繊
維径30〜50μmの糸を得た。
ー径:40mm)に供給して200℃で溶融、混練し、口径0.5m
mの細孔を多数有するダイから押出し、エアーで冷却し
ながら引取ロールに300m/mmの引取速度で巻き取り、繊
維径30〜50μmの糸を得た。
この溶融紡糸工程における糸切れおよび糸同士の融着
状態を観察するとともに、巻き取られた糸同士の融着状
態を調べた。糸切れがなく溶融紡糸可能であり、糸同士
の融着もわずかな場合に、高速紡糸性が良好であるとし
た。
状態を観察するとともに、巻き取られた糸同士の融着状
態を調べた。糸切れがなく溶融紡糸可能であり、糸同士
の融着もわずかな場合に、高速紡糸性が良好であるとし
た。
延伸性: 溶融紡糸により得られた糸を、80〜100℃の温水槽に
通しながら延伸した。延伸は送り速度を200m/minとし
て、引取速度を変えることにより、糸切れするまでの最
高の延伸倍率: を測定し、延伸倍率200%以上の延伸が可能である場合
を、延伸性が良好であるとした。
通しながら延伸した。延伸は送り速度を200m/minとし
て、引取速度を変えることにより、糸切れするまでの最
高の延伸倍率: を測定し、延伸倍率200%以上の延伸が可能である場合
を、延伸性が良好であるとした。
(比較例1) 表1に示すアイソタクチック値(II)、メルトフロー
レートおよびw/nを有するポリ1−ブテン樹脂を使
用し、プロピレン系樹脂および有機過酸化物を使用しな
い以外は実施例1と同様にして繊維用ポリ1−ブテン樹
脂組成物を得た。
レートおよびw/nを有するポリ1−ブテン樹脂を使
用し、プロピレン系樹脂および有機過酸化物を使用しな
い以外は実施例1と同様にして繊維用ポリ1−ブテン樹
脂組成物を得た。
実施例1と同様にして、得られた繊維用ポリ1−ブテ
ン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)および重量
平均分子量(w)と数平均分子量(n)の比(w/
n)を測定し、ならびに高速紡糸性および延伸性を評
価した。結果を表1に示す。その結果、高速紡糸性は良
好であったが、最高延伸倍率が110%であり、延伸性が
不十分であった。
ン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)および重量
平均分子量(w)と数平均分子量(n)の比(w/
n)を測定し、ならびに高速紡糸性および延伸性を評
価した。結果を表1に示す。その結果、高速紡糸性は良
好であったが、最高延伸倍率が110%であり、延伸性が
不十分であった。
(比較例2) 表1に示すアイソタクチック値(II)、メルトフロー
レートおよびw/nを有するポリ1−ブテン樹脂を使
用し、プロピレン系樹脂を使用しない以外は実施例1と
同様にして繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を得た。
レートおよびw/nを有するポリ1−ブテン樹脂を使
用し、プロピレン系樹脂を使用しない以外は実施例1と
同様にして繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を得た。
実施例1と同様にして、得られた繊維用ポリ1−ブテ
ン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)および重量
平均分子量(w)と数平均分子量(n)の比(w/
n)を測定し、ならびに高速紡糸性および延伸性を評
価した。結果を表1に示す。その結果、紡糸時に糸同士
の融着が激しく、良好な糸が得られなかった。そのた
め、延伸性を評価することはできなかった。
ン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)および重量
平均分子量(w)と数平均分子量(n)の比(w/
n)を測定し、ならびに高速紡糸性および延伸性を評
価した。結果を表1に示す。その結果、紡糸時に糸同士
の融着が激しく、良好な糸が得られなかった。そのた
め、延伸性を評価することはできなかった。
<発明の効果> 本発明の方法によれば、高速紡糸性および延伸性に優
れた繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を得ることができ
る。
れた繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物を得ることができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/04 D01F 6/04 Z
Claims (2)
- 【請求項1】アイソタクチック値が93%以上、かつメル
トフローレートが0.01〜5g/10minであるポリ1−ブテン
樹脂およびプロピレン系樹脂を含む組成物を、有機過酸
化物の存在下に加熱して反応させる工程を含む繊維用ポ
リ1−ブテン樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項2】前記プロピレン系樹脂が、融点125℃以
上、かつメルトフローレートが0.1〜20g/10minのもので
ある請求項1に記載の繊維用ポリ1−ブテン樹脂組成物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25984290A JP2845598B2 (ja) | 1990-09-28 | 1990-09-28 | 繊維用ポリ1―ブテン樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25984290A JP2845598B2 (ja) | 1990-09-28 | 1990-09-28 | 繊維用ポリ1―ブテン樹脂組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04139246A JPH04139246A (ja) | 1992-05-13 |
JP2845598B2 true JP2845598B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=17339745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25984290A Expired - Fee Related JP2845598B2 (ja) | 1990-09-28 | 1990-09-28 | 繊維用ポリ1―ブテン樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2845598B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100267305A1 (en) * | 2007-12-24 | 2010-10-21 | Basell Poliolefine Italia S.R.L. | Polyolefin fibres |
KR101877744B1 (ko) * | 2016-11-28 | 2018-07-13 | 주식회사 일렘테크놀러지 | 유동 제어된 폴리부텐-1 수지의 제조방법 |
-
1990
- 1990-09-28 JP JP25984290A patent/JP2845598B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04139246A (ja) | 1992-05-13 |
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