JP2845590B2 - 密閉型圧縮機のバルブ装置 - Google Patents

密閉型圧縮機のバルブ装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は密閉型圧縮機のバルブ装置に関するものであ
る。
従来の技術 近年密閉型圧縮機は高効率と共に低騒音が望まれてお
り、その圧縮機のバルブ装置はその達成のための研究が
進んできている傾向にある。
以下図面を参照しながら、従来のバルブ装置について
説明する。
第3図は特公昭64−5187号公報に示されているパルブ
装置で、第4図、第5図はバルブプレートを示す平面
図、第6図は第4図のA−A線で切ったバルブプレート
の断面図で、1はシリンダ、2はピストン、3はバルブ
プレート、4はシリンダヘッド、5はヘッドガスケッ
ト、6はプレートガスケット、7はシリンダボデー、8
は吸入口、9及び10は放出口、11はバルブリード、12は
放出バルブ、13は掛止片、14はピン、15は横部材、16は
保持ばね、17は放出室、18は吸引室、19はピン穴であ
る。
シリンダ1内を往復するピストン2によって、吸引室
18の冷媒は吸入口8を通りシリンダ1内に入り、圧縮さ
れた冷媒は放出口9及び10を通ってバルブリード11を圧
力により弾性変形させながら放出室17に達する。そして
圧縮が止った時にバルブリード11は弾性復帰し、放出口
10をふさぐ。シリンダヘッド4とバルブプレート3のシ
ールは、ヘッドガスケット5によって、バルブプレート
3とシリンダボデーのシールは、プレートガスケット6
によってなされている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、放出バルブ12の
バルブリード11の非対称弾性変形を作り出すため、放出
口9,10のうち一方を小さくせねばならない。放出口の総
面積は、放出口を通過する圧縮された冷媒の通過抵抗に
関係し、総面積が小さい時には、抵抗が大きく、圧縮機
の効率を低下させる。すなわち上記構成では、放出口9
の径を小さくするために、放出口総面積が減少してしま
う。またそれを補うため、もう一方の放出口10の径を大
きくすると、放出バルブ12のバルブリード11でのシール
が困難となるため、バルブリード11の幅を拡げる必要が
あり、放出バルブ12が大型化してしまう。さらに放出口
9,10の径の違いを小さくすれば、バルブリード11への非
対称弾性変形を作り出す効果を失い騒音を減少させる効
果を失うという課題を有していた。
本発明は上記課題に鑑み、吐出抵抗を損することなく
高効率で騒音を減少させることのできる密閉型圧縮機の
バルブ装置を提供するものである。
課題を解決するための手段 以上のような課題を解決するために本発明の密閉型圧
縮機のバルブ装置は、往復動作するピストンを内蔵する
シリンダの上端面を閉鎖するとともに等径の2個の放出
口を有する板状のバルブプレートと、前記放出口の上方
をおおう薄板状のバルブリードと、前記バルブリードの
両端を前記プレートとの間で挟持する掛止片とを有し前
記バルブプレートの、前記2個の放出口の径中心の位置
は、前記バルブリードの長手方向の中心線に対し、前記
2個の放出口の径中心を結ぶ直線が、一致せず角度を有
するような関係になっている。
作用 本発明は、上記した構成により、バルブプレートの2
つ放出口の径を同径とすることで、放出口の合計総面積
を確保することができるために、圧縮された冷媒が放出
口を通過する際の抵抗を軽減し、効率が向上することに
なる。放出口がバルブリードに対して、その中心線から
ずれているので、圧縮された圧力によってバルブリード
を押し上げ弾性変形させる時、バルブリードには斜めに
弾性変形されるような力を生じることになる。この斜め
の弾性変形は、圧縮が止った時に復帰するが、この動き
は斜め変形のためひねり効果を生じる。故に、バルブリ
ードの変形が漸進的に行なわれるために圧縮機の圧縮の
サイクル毎にバルブリードの動きが安定したくり返しに
なると共に、バルブプレートへの接触も衝撃的要素が軽
減されるために、バルブ装置で発生する騒音を低減させ
ることになる。
実 施 例 以下本発明の一実施例の密閉型圧縮機のバルブ装置に
ついて説明する。尚、従来例と同一部品は同一符号を用
いて説明し、構成動作の同じところは省略する。
第1図において、3はバルブプレート、20及び21はそ
れぞれの径がほぼ等しい放出口である。
以上のような構成において、従来例と同様に圧縮され
た冷媒は放出口20及び21を通ってバルブリード11を押し
上げる。放出口の径中心の位置はバルブリード11の長手
方向の中心線に対し、前記2個の放出口の径中心を結ぶ
直線と一致せずある角度を有するような関係になってい
るようにずれている。
従って、バルブリード11は放出口20及び21を通った圧
縮圧力によって押し上げ弾性変形させられるが、放出口
20及び21の径中心位置がずれているために、斜めにひね
るように弾性変形することになる。弾性変形の斜方向
は、圧縮の毎に同方向であり安定したものになる。また
バルブリード11が閉じる時も、安定した漸進的なものに
なる。従ってバルブプレート3への接触も衝撃的要素が
軽減されることになる。また放出口20及び21を異径にす
る必要がなく放出口の合計総面積を確保することがで
き、放出口の通過抵抗を軽減でき、圧縮機の効率を向上
させることになる。
従って、吐出抵抗を損することなく高高率で騒音を減
少させることができる。
発明の効果 以上のように本発明は、密閉型圧縮機のバルブ装置に
用いるバルブプレートの2個の放出口を等径とし、それ
ぞれの径の中心の位置は、バルブリードの長手方向の中
心線に対し、放出口の径中心を結ぶ直線が一致せず、角
度を有するようにずらせることによって、放出口の合計
面積を必要十分に確保し、圧縮した冷媒の通過抵抗を減
少させ、バルブリードに斜めのひねりの力を加えること
で、バルブリードの変形を暫進的で安定した動きにする
ことになるので圧縮機の効率を高め、バルブ装置で発生
する騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における密閉型圧縮機のバル
ブプレート及びバルブ装置の平面図、第2図は第1図の
バルブプレートの平面図、第3図は従来の密閉型圧縮機
のバルブ装置の断面図、第4図は第3図のバルブプレー
ト及びバルブ装置の平面図、第5図は第3図のバルブプ
レートの平面図、第6図は第4図のA−A線で切ったバ
ルブプレートの断面図である。 3……バルブプレート、11……バルブリード、 15……掛止片、20,21……放出口。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】往復動作するピストンを内蔵するシリンダ
    の上端面を閉鎖するとともに等径の2個の放出口を有す
    る板状のパルブプレートと、前記放出口の上方をおおう
    薄板状のバルブリードと、前記バルブリードの両端を前
    記プレートとの間で挟持する掛止片とを有し、前記バル
    ブプレートの前記2個の放出口の径中心の位置を、前記
    バルブリードの長手方向の中心線に対し、前記2個の放
    出口の径中心を結ぶ直線が、一致せず角度を有するよう
    な関係になっていることを特徴とする密閉型圧縮機のバ
    ルブ装置。
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