JP2844020B2 - 管曲り部形成機構 - Google Patents

管曲り部形成機構

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JP2844020B2
JP2844020B2 JP2404619A JP40461990A JP2844020B2 JP 2844020 B2 JP2844020 B2 JP 2844020B2 JP 2404619 A JP2404619 A JP 2404619A JP 40461990 A JP40461990 A JP 40461990A JP 2844020 B2 JP2844020 B2 JP 2844020B2
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孝久 河口
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Nemoto Kikaku Kogyo KK
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特開昭 59-123636号
公報にて提案された曲り管製造装置のダイ又は芯金の移
動部分を改良した管曲り部形成機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の曲り管を製造する方法は、先ず、
押出機で直管素形材を押し出し、次にこれを所望の曲り
形状を有しほぼこの直管素形材の内径に近い寸法の芯金
に通し、くせづけを行なった後この芯金から抜き取って
製品としたり、前記直管素形材を所望の形状を有する外
型と中型から成る金型に圧入し、くせづけを行なった後
中型を抜き取り製品としたり、外型のみを用いて素材を
注入し、エア、ガス、液体等の加圧流体を封入するイン
フレーション工法等により製造するものであった。とこ
ろが、これらの方法では、手作業によるところや工程数
が多いので作業性が悪く、直管素形材を曲げるため曲り
部の外側が肉薄となり加圧液体等に使用するとこの肉薄
部から破裂するおそれがあり、又、金型、芯金等の老朽
化により製品にバラつきが発生し、型その他の製作費も
高く、経済的に得にくい欠点を有していた。
【0003】そこで、特開昭 59-123636号公報にて曲り
管の製造方法及び装置が提案された。
【0004】この製造方法及び装置は、流動性材料を押
出し成形して管状体を形成するためのダイ及び芯金を有
し、このダイ又は芯金を押出方向に対し横方向に移動可
能に形成すると共に、プログラムに応じサーボモーター
の駆動回転を制御することで駆動杆を介しダイ又は芯金
を制御移動できるようにした装置を使用し、ダイ又は芯
金を移動することでダイと芯金とのすき間を全周均一に
するか、或いは不均一にするかして直管部或いは曲り部
を形成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この装置
は、主にダイ又は芯金を管状体の押出方向に対して横方
向に移動させるようにしたものであり、ダイ又は芯金を
管状体の押出方向に対して縦方向にも移動可能な手段が
具体的に解決されていない。又、三次元的に変化するあ
らゆる形状の曲り管を形成するときには、その形成する
三次元のそれぞれの角度に対応してそれぞれ別個に前記
横方向に対して所望の角度で交差する方向へ各々ダイ又
は芯金が移動するように複数個の駆動杆を設け、この駆
動杆を作動させるようにするものである。そのため機構
上非常に複雑となり、駆動力の伝達の際に、その伝達機
構のバックラッシュが、非常に正確な作動を必要とする
芯金移動に悪影響を及ぼすものである。又、三次元の角
度が多様化した曲り管を形成するために多数の駆動杆を
設けなければならないから曲り管の形状によってはスペ
ース的に駆動杆等を配することが不可能となる場合が多
くなる問題点があった。
【0006】更には、上述したような構造の場合、外側
からダイ又は芯金のどちらか一方を外側から押圧してダ
イと芯金との隙間を変化させるようにする構造であるの
と共に、ダイや芯金を構成する複数の部材、或いは、そ
れらを支持する部材の間に流動性の材料が漏れるのを防
ぐために、強圧で締付けてあるから、ダイ又は芯金のど
ちらか一方を外側から押圧するに際して、非常に大きな
力が必要となる。そのため、その大きな力で押す装置
は、支持する基部や駆動装置の強度の面を含めておおが
かりなものとなり、いきおい、大型の装置とならざるを
得ない問題点もあった。
【0007】この発明は、上述した問題点等に鑑みて創
出されたもので、構造的に簡単且つ小型のものでダイ又
は芯金の移動を正確に行ないうるようにし、三次元的に
変化するあらゆる形状の曲り管を形成できるような管曲
り部形成機構を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、略筒状のダ
イと、このダイ内に挿入した芯金とを有し、このダイ内
周と芯金とのすき間から流動性のある材料を押出して硬
化させ成形することで管状体を形成し、ダイ又は芯金を
移動させ前記すき間の間隔を材料押出し口の周方向で不
均一にすることで曲り管を成形する曲り管製造装置にお
いて、ダイ又は芯金を固定し、このダイ又は芯金のうち
の移動可能な部材は、その少なくとも一部を断面円形の
外周とし、このダイ又は芯金のうちの移動可能な部材の
断面円形外周には、内周と外周とが偏心している内側移
動環を回転自在に外嵌し、この内側移動環には、内周と
外周とが偏心している外側移動環を回転自在に外嵌し、
この外側移動環は、円形内周を有して固定されている基
部材内に回転自在に嵌入され、内側移動環と外側移動環
とは、その偏心位相を適宜ずらして配すると共に、駆動
装置により、適宜角度にて別個に回転可能に形成したこ
とにより上述した課題を解決する。
【0009】その時に、駆動装置を、それぞれバックラ
ッシュのない減速装置を介して雌ネジを回転させこれに
螺合するネジ棒を直線運動させて内側移動環と外側移動
環とを別個に押動して回転させるべく形成し、バックラ
ッシュのない減速装置は、入力側伝導体としてのウォー
ムと、出力側伝導体としてのウォームホイールとからな
り、このウォームホイールは、ウォームと噛合う歯の代
りにウォームの溝に噛合って回転する回転体を周面に軸
支して形成したことにより、上述した課題を解決するも
のである。
【0010】
【作用】この発明に係る管曲り部形成機構は、略筒状の
ダイと、このダイ内に挿入した芯金とを有し、このダイ
内周と芯金とのすき間から流動性のある材料を押出して
硬化させ成形することで管状体を形成し、ダイ又は芯金
を移動させ前記すき間の間隔を材料押出し口の周方向で
不均一にすることで曲り管を成形する曲り管製造装置に
おいて、先ず、固定されている基部材内で外側移動環を
駆動装置によって適当な角度、実際には若干の角度回転
させる。そうすると、外側移動環は、内周と外周とが偏
心しているから外周に対して内周が偏心した状態で回転
し、それにより、内側移動環及びこの内側移動環が外嵌
されているダイ又は芯金のうちの移動可能な部材をその
偏心の分一方向に移動させる。
【0011】又、外側移動環内で内側移動環の方を駆動
装置によって適当な角度、実際には若干の角度回転させ
る。そうすると、基部材と外側移動環とが回転しない状
態では、内側移動環は、内周と外周とが偏心しているか
ら外周に対して内周が偏心した状態で回転し、それによ
り、この内側移動環が外嵌されているダイ又は芯金のう
ちの移動可能な部材をその偏心の分外側移動環とは別方
向で移動させる。
【0012】そして、内側移動環と外側移動環とを、そ
の偏心位相を適宜ずらして配すると共に、駆動装置によ
り別個に回転可能に形成してあるため、その偏心位相
を、例えば、90°ずらした場合、XとY方向に自在に移
動可能となり、それにより、ダイ又は芯金を移動させこ
れらのすき間の間隔を材料押出し口の周方向で自在に不
均一にし、すき間から流動性のある材料を押出して硬化
させることで自在に曲り管を形成するものである。
【0013】その時に、駆動装置にあっては、それぞれ
バックラッシュのない減速装置を介して雌ネジを回転さ
せこれに螺合するネジ棒を直線運動させて内側移動環と
外側移動環とを別個に押動して回転させるべく形成し、
そのバックラッシュのない減速装置を、入力側伝導体と
してのウォームと、出力側伝導体としてのウォームホイ
ールとからなり、このウォームホイールは、ウォームと
噛合う歯の代りにウォームの溝に噛合って回転する回転
体を周面に軸支して形成することで、回転体が、噛合い
の媒体となるためバックラッシュがなくとも噛合減速さ
れ、その回転を利用してネジ棒を直線運動するものであ
る。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明すると次の通りである。
【0015】すなわち、図に示す符号1は曲り管製造装
置であり、この曲り管製造装置1は、略筒状のダイ21
と、このダイ21内に挿入した芯金22とを有し、この
ダイ21内周と芯金22とのすき間から流動性のある材
料を押出して硬化させ成形することで管状体を形成し、
ダイ21又は芯金22を作動装置2によって移動させ前
記すき間の間隔を材料押出し口の周方向で不均一にする
ことで曲り管を成形するようにした装置である。
【0016】そして、この実施例の場合、芯金22を固
定し、移動可能な部材としてのダイ21は、その少なく
とも一部を断面円形の外周となるように形成し、作動装
置2は、ダイ21の断面円形外周に回転自在に外嵌され
且つ内周と外周とが偏心している内側移動環4と、この
内側移動環4に回転自在に外嵌され且つ内周と外周とが
偏心している外側移動環5と、この外側移動環5を回転
自在に嵌入する円形内周を有して固定されている基部材
6とからなり、内側移動環4と外側移動環5とは、その
偏心位相を適宜ずらして、図示の場合には90°ずらして
配すると共に、駆動装置により、適宜角度にて別個に回
転可能に形成されている。
【0017】この駆動装置は、内側移動環4の回転用
と、外側移動環5の回転用との 2組設けてあり、それぞ
れが作動腕7,8と、ネジ棒9a,10aと、そしてバ
ックラッシュのない減速装置11とにてなる。
【0018】そして、内側移動環4の回転用としては、
内側移動環4に固定されている第1作動腕7と、この第
1作動腕7を、例えば上下方向へ回転作動させるべく滑
節9を介して連結されているネジ棒9aと、このネジ棒
9aを上下方向に直線運動させる前記減速装置11とに
てなる。
【0019】又、外側移動環5の回転用としては、外側
移動環5に固定されている第2作動腕8と、この第2作
動腕8を、例えば上下方向へ回転作動させるべく滑節1
0を介して連結されているネジ棒10aと、このネジ棒
10aを上下方向に直線運動させる前記減速装置11と
にてなる。
【0020】これらの減速装置11は、基台23上に、
例えば、滑節の如き機構を有する支持部13によってそ
れぞれ支持されており、減速機構を介して雌ネジ(図示
せず)を回転させ、それによって前記それぞれのネジ棒
9a,10aを直線運動させるべく形成されている。こ
の場合に、ネジ棒9a,10aを使用せず、例えば、カ
ム(図示せず)を用いることで前記内側移動環4、外側
移動環5を回転させるようにしても良く、その構造に限
定されることはない。
【0021】前記減速装置11は、第6図に示すよう
に、入力側伝導体としてウォーム17、そして出力側伝
導体としてウォームホイール18を配し、このウォーム
ホイール18は、ウォーム17と噛合う歯の代りにウォ
ーム17の溝に噛合って回転する回転体19を周面に軸
支してある。そして、ウォーム17とウォームホイール
18とは、その間に前記したように回転体19を介して
噛合するように形成されているものである。従って、こ
の変速装置11は、噛合の摩擦抵抗が少ないためバック
ラッシュを持たせなくとも回転体19によって噛合回転
することが可能なので、非常に正確な動力伝達が可能に
なるものである。つまり、バックラッシュのない減速装
置11となるものである。
【0022】このように形成された駆動装置によって内
側移動環4と外側移動環5とが前述したように位相をず
らした状態でそれぞれ別個に回転させるりであるが、第
3図、及び第5図(A)の基準状態から先ず外側移動環
5を回転させると、第5図(B)に示すように、この外
側移動環5は、内周と外周とが偏心しているから、固定
状態の基部材6内に嵌入されている外周に対して内周が
偏心した状態で回転し、それにより、内側移動環4及び
及びこの内側移動環4が外嵌されているダイ21をその
偏心の分一方向に移動させることができる。この場合
に、ダイ21と芯金22とは若干の隙間の差をもたらす
ようにその隙間の幅を変化させれば良いから、外側移動
環5の回転も僅かで良く、この様な微小作動に際しての
正確さが要求される部位にあって、前述したバックラッ
シュのない減速装置11がその効果を発揮するものであ
る。
【0023】上記外側移動環5の回転と同様に内側移動
環4を回転させると、第5図(C)に示すように、基部
材6と外側移動環5とを回転しない状態に保持してお
き、内側移動環4は、内周と外周とが偏心しているから
外周に対して内周が偏心した状態で回転するから、それ
により、この内側移動環4が外嵌されているダイ21を
その偏心の分外側移動環5とは別方向で移動させること
ができる。この場合も、内側移動環4の回転は外側移動
環5と同様に微小で良い。
【0024】この様にして内側移動環4と外側移動環5
とを、その偏心位相を、例えば、90°ずらして配する
と、XとY方向に自在に移動可能となり、それにより、
ダイ21を移動させこれらのすき間の間隔を材料押出し
口25の周方向で自在に不均一にすることができる。
【0025】その結果、ダイ21と芯金22との間のす
き間から流動性のある材料を押出して管状体を成形する
時に、前述の如くダイ21を横方向に移動させれば前記
すき間の間隔が横方向で不均一になり、すき間の間隔が
大きくなった側は、管状体の肉厚が厚くなり、すき間の
間隔が小さくなった側は、管状体の肉厚が薄くなる。そ
のため、管状体は、肉厚が厚くなった方が屈曲外側とな
って横方向に曲った曲り管となる。
【0026】そして、ダイ21を縦方向に移動させれ
ば、前述と同じ原理で、管状体は縦方向に曲った曲り管
となり、同じく斜め方向の場合も同様に斜め方向に曲っ
た曲り管を形成するものである。しかも、これらのダイ
21の移動を材料の押出し成形中に適宜行なえば、三次
元的に屈曲した管状体が容易に形成することができる。
そして、管状体が取付けられる場所の形状に応じてこの
管状体を三次元的に屈曲させなければならない場合に、
予めその曲りを設定しておき、この曲りに応じて管状体
を屈曲させるべく制御装置によって連続的に数値制御す
れば、屈曲外側が肉厚となる強度的に非常に優れた管状
体を、従来の芯金によるくせずけを行なわないで、その
場で連続的に成形することが可能になるものである。
【0027】この様にして作動させる作動装置2、及
び、ダイ21と芯金22との具体的構造は、第4図に示
すように、芯金22は固定されているが、ダイ21は、
移動ダイ21aと固定ダイ21bとの二つの部材によっ
て構成し、固定ダイ21bに移動ダイ21aを、スプリ
ング14の弾撥力を利用して締付けネジ15により押圧
して形成する。この時の押圧力は、移動ダイ21aと固
定ダイ21bとの間に流動性のある材料が入り込まない
ように強力な押圧力とする必要がある。
【0028】そして、内側移動環4と外側移動環5との
間、及び、外側移動環5と基部材6との間には、それぞ
れ転動体16を多数配してスムーズにそれぞれが回転す
るように形成し、この転動体16は、少なくとも中空、
実際には円筒体を用いる。この円筒体の転動体16を用
いる理由は、前記流動性のある材料を材料押出し口25
から押し出して硬化させる場合、一般的には、材料押出
し口25から押し出される前は適当な温度によってその
材料を加熱しておき、材料押出し口25から押し出され
ると自然、或いは強制的に冷却することで硬化させるの
であるが、その加熱によって内側移動環4、外側移動環
5、基部材6、ダイ21の熱膨張度合いがそれぞれ異な
るためそれぞれの回転がスムーズに行われない欠点を解
消するためのもので、その時の熱膨張度合の差を、前記
円筒体の転動体16の弾力によって吸収し、回転をスム
ーズに行わせるものである。
【0029】又、前述したように、ダイ21を構成する
移動ダイ21aと固定ダイ21bとが強力な力によって
押し付けられているため、単なる外部からの二方向の押
圧手段を用いるとすると強力な押圧力が必要となるか
ら、それに対する周囲の構造物の強度を大きくとらなけ
ればならなくなり、いきおい装置全体が大型化してしま
うが、前述した内側移動環4、外側移動環5、基部材6
による構造の場合、それぞれの回転力が内圧となってダ
イ21の移動ダイ21aを押動させるので、構造的にコ
ンパクトなものとすることができる。
【0030】尚、この場合に、ダイ21の移動は、ダイ
21と芯金22とのすき間の間隔を均一にした時の位置
があくまで0点であり、直管部を形成する時にはダイ2
1を0点に戻せば良い。又、前述とは逆に、ダイ21を
固定し、芯金22を移動させるように形成しても良く、
その時には、図示はしないが、ダイ21を適宜固定して
おいて、芯金22の方を適宜押圧部材を介して移動する
ように設計変更すれば良く、その場合には、押圧部材に
内側移動環4を外嵌するように形成するものである。
【0031】又、その他の構造にあっても、前述した実
施例に限定されることがないことはいうまでもない。
【0032】
【発明の効果】上述の如く構成したこの発明によれば、
ダイ21又は芯金22のどちらか一方を他方に対して自
由に移動させることができるから、材料押出し口25を
所望の間隔で不均一にすることができる。
【0033】従って、前述したように、その材料押出し
口25から流動性のある材料を押し出して硬化させるこ
とで自在な曲り管を成形することができる。
【0034】そして、そのダイ21又は芯金22のどち
らか一方を他方に対して移動させる作動手段として、ダ
イ21又は芯金22のどちらか一方を固定し、ダイ21
又は芯金22のうちの移動可能な部材は、その少なくと
も一部を断面円形の外周とし、このダイ21又は芯金2
2のうちの移動可能な部材の断面円形外周には、内周と
外周とが偏心している内側移動環4を回転自在に外嵌
し、この内側移動環4には、内周と外周とが偏心してい
る外側移動環5を回転自在に外嵌し、この外側移動環5
は、円形内周を有して固定されている基部材6内に回転
自在に嵌入され、内側移動環4と外側移動環5とは、そ
の偏心位相を適宜ずらして配すると共に、駆動装置によ
り、適宜角度にて別個に回転可能に形成してあるから、
先ず、固定されている基部材6内で外側移動環5を駆動
装置によって適当な角度、実際には若干の角度回転させ
る。そうすると、外側移動環5は、内周と外周とが偏心
しているから外周に対して内周が偏心した状態で回転
し、それにより、内側移動環4及びこの内側移動環4が
外嵌されているダイ21又は芯金22のうちの移動可能
な部材をその偏心の分一方向に移動させることができ、
一方、外側移動環5内で内側移動環4の方を駆動装置に
よって適当な角度、実際には若干の角度回転させと、基
部材6と外側移動環5とが回転しない状態では、内側移
動環4は、内周と外周とが偏心しているから外周に対し
て内周が偏心した状態で回転し、それにより、この内側
移動環4が外嵌されているダイ21又は芯金22のうち
の移動可能な部材をその偏心の分外側移動環5とは別方
向で移動させることができる。
【0035】そして、これらの内側移動環4と外側移動
環5とを、その偏心位相を適宜ずらして配すると共に、
駆動装置により別個に回転可能に形成してあるため、そ
の偏心位相を、例えば、90°ずらした場合、XとY方向
に自在に移動可能となり、それにより、ダイ21又は芯
金22を移動させこれらのすき間の間隔を材料押出し口
25の周方向で自在に不均一にすることになるから、前
述したように、自在な曲り管を成形することができる。
【0036】そして、この様な構造に形成してあると、
流動性のある材料を取り扱う関係上、ダイ21を構成す
る移動ダイ21aと固定ダイ21bとが強力な力によっ
て押し付けられている構造となっているため、単なる外
部からの二方向の押圧手段を用いるとすると強力な押圧
力が必要となるから、それに対する周囲の構造物の強度
を大きくとらなければならなくなり、いきおい装置全体
が大型化してしまうが、前述した内側移動環4、外側移
動環5、基部材6による構造の場合、それぞれの回転力
が内圧となってダイ21を押動させるので、構造的にコ
ンパクトなものとすることができる。
【0037】又、駆動装置は、モーター12の駆動回転
力を伝達し作動装置2を作動させる減速装置11を有
し、この減速装置11は、入力側伝導体としてのウォー
ム17と、出力側伝導体としてのウォームホイール18
とからなり、このウォームホイール18は、ウォーム1
7と噛合う歯の代りにウォーム17の溝に噛合って回転
する回転体19を周面に軸支したバックラッシュのない
ものであるから、非常に正確な動力伝達ができるもので
ダイ21と芯金22との間の隙間の間隔、つまり、材料
押出し口25の間隔の微調整をも正確に行ないうるもの
である。
【0038】これは、この種の材料押出し時にダイ21
と芯金22との間の隙間を適宜不均一に変化させること
で押出される材料の量を適宜調節し曲り管を製造する原
理において、その製造される管の曲り状態をその隙間で
調節するためには、非常に微妙な隙間調節の必要があ
り、通常の単なる減速装置を使用するだけでは正逆回転
においてバックラッシュの分大きな誤差となって曲りに
影響するが、上述したバックラッシュのない減速装置1
1を使用することで、その誤差を非常に少なくすること
ができ、所望の三次元の曲りを有する曲り管を確実に製
造することができる。
【0039】以上説明したように、この発明によれば、
非常に簡単で且つ小型化が図られた構造のもので、あら
ゆる形状で三次元的に屈曲した曲り管を制御装置の設定
制御によって容易に且つ正確に、そして連続的に形成す
ることが可能になり、構造的にも強度精度の優れた曲り
管の量産或いは多種少量生産等のあらゆる生産体制に適
応できる等の実用上有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す正面図である。
【図2】この発明の実施例を示す側面図である。
【図3】この発明の実施例を示す要部拡大正面図であ
る。
【図4】この発明の実施例を示す要部拡大側断面図であ
る。
【図5】作動状態を示す要部概略図である。
【図6】変速装置の要部正断面図である。
【符号の説明】
1 曲り管製造装置 2 作動装置 4 内側移動環 5 外側移動環 6 基部材 7 第1作動腕 8 第2作動腕 9 滑節 9a ネジ棒 10 滑節 10a ネジ棒 11 減速装置 12 モーター 13 支持部 14 スプリング 15 締付けネジ 16 転動体 17 ウォーム 18 ウォームホイール 19 回転体 21 ダイ 21a 移動ダイ 21b 固定ダイ 22 芯金 23 基台 25 材料押出し口

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略筒状のダイと、このダイ内に挿入した
    芯金とを有し、このダイ内周と芯金とのすき間から流動
    性のある材料を押出して硬化させ成形することで管状体
    を形成し、ダイ又は芯金を移動させ前記すき間の間隔を
    材料押出し口の周方向で不均一にすることで曲り管を成
    形する曲り管製造装置において、ダイ又は芯金を固定
    し、このダイ又は芯金のうちの移動可能な部材は、その
    少なくとも一部を断面円形の外周とし、このダイ又は芯
    金のうちの移動可能な部材の断面円形外周には、内周と
    外周とが偏心している内側移動環を回転自在に外嵌し、
    この内側移動環には、内周と外周とが偏心している外側
    移動環を回転自在に外嵌し、この外側移動環は、円形内
    周を有して固定されている基部材内に回転自在に嵌入さ
    れ、内側移動環と外側移動環とは、その偏心位相を適宜
    ずらして配すると共に、駆動装置により、適宜角度にて
    別個に回転可能に形成したことを特徴とする管曲り部形
    成機構
  2. 【請求項2】 駆動装置は、それぞれバックラッシュの
    ない減速装置を介して雌ネジを回転させこれに螺合する
    ネジ棒を直線運動させて内側移動環と外側移動環とを別
    個に押動して回転させるべく形成し、バックラッシュの
    ない減速装置は、入力側伝導体としてのウォームと、出
    力側伝導体としてのウォームホイールとからなり、この
    ウォームホイールは、ウォームと噛合う歯の代りにウォ
    ームの溝に噛合って回転する回転体を周面に軸支して形
    成した請求項1記載の管曲り部形成機構
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