JP2843533B2 - 床面等の洗浄管理方法 - Google Patents

床面等の洗浄管理方法

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JP2843533B2 JP7254540A JP25454095A JP2843533B2 JP 2843533 B2 JP2843533 B2 JP 2843533B2 JP 7254540 A JP7254540 A JP 7254540A JP 25454095 A JP25454095 A JP 25454095A JP 2843533 B2 JP2843533 B2 JP 2843533B2
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    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/46Measurement of colour; Colour measuring devices, e.g. colorimeters
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフィスビル、ホテ
ル、大型店舗、病院、船舶、旅客機等の床面や壁面(以
下、床面等という)の汚れ、殊にカーペット等の繊維床
の汚れを数値的に客観的に測定し、汚れ部分の洗浄の管
理を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オフィスビル、ホテル、病院、その他大
規模な施設の清掃は時間的な制約もあり清掃の専門業者
に委託される場合が多い。清掃の目的は衛生的環境の維
持と塵埃や汚れを除去し美観を維持することにある。衛
生環境の維持についてはいわゆる「ビル管法」によって
管理基準が示されており、一応の基準があるが、美観の
維持、殊に汚れの除去については未だ客観的な目安とな
る基準も測定方法も全く確立されていない。従って、清
掃の点検、管理に当っても、汚れの除去については、汚
れ除去の度合よりも、清掃マニュアルを重視し、清掃プ
ロセス、かけた時間の適否等により点検、管理するいわ
ゆるインプット管理とならざるを得ない実情にある。
【0003】これに対して、最近、汚れを数値的、客観
的に把握するために床面等の光反射率を測定することが
試みられている。然しながら、光反射率は床面等の汚れ
の状態だけではなく、床面等の他の表面状態、殊に表面
の粗さの状態によって大きく変化する。殊に、カーペッ
ト等の繊維床の場合は反射特性が複雑で、見る方向によ
っては異なる色に見えたりする。従って仮りに汚れによ
り光反射率が下っても例えば摩耗により表面粗さが少な
くなれば光反射率が上り、汚れと光反射率の経時変化と
は必ずしも相関しない。更に、光反射率では美観維持に
重要なファクターである汚れによる色相の変化がわから
ない等、床面等の汚れを殊に表面が平滑でないカーペッ
ト等の繊維床を床面等の光反射率により測定し把握する
ことは不都合が多く、困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたもので、本発明は床面等洗浄管理対象域の
汚れを、殊に繊維床の汚れをも、数値的に客観的に把握
することを可能とする床面等の汚れを測定法を利用し
て、床面等の洗浄管理対象域の洗浄を行う時期を決定し
たり、洗浄後の汚れ除去の良否を判定したりする清掃に
ついての新規な洗浄管理方法を提案することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の洗浄管理対象域の洗浄管理方法は、使用による汚れ
の度合が相互に異別すると考えられる複数の被測定面を
含む一つの洗浄管理対象域の洗浄管理方法であって、そ
の方法は、当該管理対象域内の最も汚れが進むと考えら
れる被測定面と、最も汚れが少ないと考えられる被測定
面を適宜選出して色差値を求めること、上記の被測定面
間の相対色差値を求めること、次いで、この相対色差値
が所定値を超えないよう洗浄をすることを含むことを特
徴とするものである。さらに、本発明の方法には、相対
色差値が所定値を超えない洗浄が、少なくとも最も汚れ
の進んだ被測定面をスポット洗浄することよりなる方法
も含む。
【0006】本発明の床面等の管理方法において色差の
値は、次のようにしてもとめられる。光学的に遮蔽され
たスペース内で被測定面を拡散光によってあらゆる方向
から照射し、被測定面に垂直に反射光を受光すること、
受光光について測定して求めた被測定面の表面色と、同
様に測定して求めた標準板の表面色との色差の値を求め
るものである。色差の値は、反射光の表面色は、XYZ
表色系の三刺激値X、Y、Zを測定して求められ、被測
定面と、同様に測定して求めた標準板との表面色との色
差の値が利用され、色差値には、好ましくはΔE*ab
系が利用できる。
【0007】本発明において、上記測定した被測定面の
標準板に対する色差値を以て被測定面の汚れを数値的に
表示し、相対的色差値は、複数の被測定面の色差値の差
を言い、最も汚れが少ないと考えられる被測定面に対す
る相対的色差値が所定値を超えるとその相対的色差値を
示す汚れた被測定面をスポット洗浄することにより、洗
浄管理対象域を清浄な状態に維持するものである。
【0008】また、本発明においては、色差値は、該被
測定面からの受光光について測定して求めた表面色と、
或る期間経過後に該被測定面の同一個所について同様に
測定して求めた表面色との色差の値を求めることにより
求められてもよい。さらに、本発明においては、受光光
について測定して求めた被測定面の表面色と、或る期間
経過後に該測定面の同一個所について同様に測定して求
めた表面色との色差の値を求めること、より色差の値を
求められるが、当該色差値が所定値を超えたときに該被
測定面を洗浄することがなされてもよい。
【0009】本発明においては、色差値は、該被測定面
からの受光光について測定して求めた表面色と、同様に
測定して求めた標準板の表面色との色差の値を求めるこ
と、より求められるが、さらに、本発明の方法により洗
浄した後には、当該色差値の床面等の洗浄前後における
変化により被測定面の洗浄による汚れ除去の良否を数値
的に判定することが含まれる。
【0010】上記色差の測定法について、詳しくは、床
面等の被測定面を拡散光によりあらゆる方向から照明
し、反射光を被測定面に垂直に受光する、すなわち被測
定面で反射する光のうち被測定面に垂直な方向の反射光
を受光し、これを直接に、通常は後記の実施例に示すよ
うに光ファイバで導光してセンサにより床面等の被測定
面の表面色(不透明な物体から反射する光の色)を測定
するので、床面等の表面状態の影響を受けることなく床
面等の表面色を測定することができ、カーペット等の繊
維床においても表面色を支障なく測定できる。この場合
の照明光にはJISZ8720に規定の標準の光C(昼
光)を通常用いるが、必ずしもこれに限る必要はなく、
例えば床面等の測定場所によっては、JISZ8720
に定める他の標準の光を用いることもできる。
【0011】上記した受光光から測定した床面等の被測
定面の表面色と、同様に測定した標準板の表面色とから
求めた両者の色差(表面色及び色差の測定、計算につい
ては後記の実施例において詳細説明する)は、後記の実
施例においてデータを示している通り、床面等における
日々の汚れの累積に伴って、或は床面等の洗浄すなわち
汚れの除去に伴って、増減し、上記の色差の値の経時的
な変化は汚れの累積或は除去と相関している。従って、
上記の色差の経時的な変化例えばオフィスビル床面の6
ヶ月経過前後における色差の値の変化或はカーペット床
面の洗浄前後における色差の値の変化を求めることによ
り床面等の汚れの度合を数値的に測定し、表示すること
ができる。
【0012】また、本発明に利用する床面等の汚れ測定
方法は、上記した受光光から測定した床面等の被測定面
の表面色と、或る期間経過後また洗浄等の作業遂行後
に、該床面等の同一個所について測定した表面色との色
差が汚れのその期間における累積或は除去と相関するの
で、該色差値により床面等の汚れの度合を数値的に測定
し、表示することができる。
【0013】そして、本発明により床面等の汚れを数値
的に測定することが可能となることから、床面等の清掃
の管理を数値的、客観的な基準に基づいて行うことが可
能となる。すなわち、上記の色差値の経時変化又は或る
期間経過前後における同一個所の表面色の色差が所定値
を越えたときに、すなわち数値的に把握された床面等の
汚れが所定の値を越えたときに床面を洗浄するようにす
ることができ、従来のように床面の汚れについての主観
的な判断で床面を洗浄することを決めるのではなく、数
値的、客観的な基準に基づいて床面の洗浄を決めること
が可能となる。同様に、床面等を洗浄したときの洗浄効
果すなわち汚れ除去の良否の判定も、従来のような主観
的な判定ではなく、数値的、客観的に判定することが可
能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を実施の形態に基づ
き以下に説明する。まず、本発明において、床面等の被
測定面の表面色及び被測定面と標準板との表面色の色差
の値の求め方について説明すれば、図1は本発明による
床面等の汚れの測定方法において用いる照明・受光装置
の一例の説明図(断面図)であり、図2は本発明におい
て用いる表面色及び色差を測定、計算する装置の一例の
系統図である。
【0015】図1において、照明・受光装置1は光源と
してJISZ8720に規定する標準の光Cの要件を満
足するパルスキセノンランプ11を拡散室12の中央部
に設け、該ランプ11の光は拡散キャップ121内の拡
散室12の壁面により反射されてあらゆる方向に拡散さ
れ、更に例えばアクリル樹脂よりなる拡散板13を通過
して均一に拡散され床面Fの被測定面Sを照明する。従
って被測定面Sは拡散光によりあらゆる方向から照明さ
れる。パルスキセノンランプ11の下方、拡散板13の
上方側にはパルスキセノンランプ11の拡散されていな
い直射光が拡散板13を通って床面を照明することがな
いように遮光板14を設けている。なお、図において1
6は被測定面Sを外部の光から遮蔽する円筒状の遮光キ
ャップでその頭部15は拡散キャップ121の保持部を
なしている。
【0016】受光用の光ファイバ束2は拡散板13を垂
直に貫通してその開口端部21が被検査面Sに対し垂直
になるように配設されている。従って床面Fの被検査面
Sで反射した照明光のうち、被検査面Sにほぼ垂直な方
向の反射光が光ファイバ束2に入光し、受光される。一
方、パルスキセノンランプ11の拡散された照射光を受
光する光ファイバ束3は上記の光ファイバ束2と平行に
延長し、遮光板14を貫通し、遮光板14の下方、拡散
板13の上方側に開口端部31が配設されている。拡散
室12内の拡散光が開口端部31に入光し、受光され
る。かかる照明・受光装置1は、JISZ8722(物
体色の測定方法)の「4.3.1照明及び受光の幾何学
的条件」の条件cを満すものである。
【0017】光ファイバ束2によって導光される被測定
面Sからの反射光と、光ファイバ束3によって導光され
るパルスキセノンランプ11の拡散光とは、図2に示す
ように測定装置4に導かれ、測定装置4内のセンサによ
り測定され、その出力が演算装置5に送られ、計算され
た結果の表面色或は色差の値等が表示装置6に表示さ
れ、またプリント出力7によりプリントされる。
【0018】上記した被測定面Sにおける反射光による
反射物体色すなわち表面色の測定はJISZ8722の
5.2に定められた条件を満足する光電色彩計を用いる
刺激値直読方法により行うのが便利で、該光電色彩計の
指示からXYZ表色系(2度視野XYZ表色系)の三刺
激値X、Y、Z又はX101010表色系(10度視野X
YZ表色系)の三刺激値X10、Y10、Z10を求める(以
下、原則として、2度視野、10度視野の別なく、XY
Z表色系、三刺激値X、Y、Zと表記する)。そしてこ
の三刺激値からYxy表色系、L* * * 表色系等の
種々の表色系による表面色を計算することができる。例
えばL* * * 表色系の明度指数L*及びクロマティ
ネクス指数a* 、b* の値を上記の三刺激値X、Y、Z
から計算する方法はJISZ8729或はJISZ87
30の6項に示されている。また三刺激値の測定は上記
の光電色彩計からの三刺激値直読方法に限られるもので
はなく、分光測色法(JISZ8722の4項)によっ
て求めることもできる。
【0019】上記と同様にして標準板の表面色を求め
る。そして、床面の被測定面について求めた表面色と標
準板について求めた表面色との色差を求める。色差の計
算方法についてはJISZ8730「色差表示方法」の
「6.色差の計算方法」にL** * 表色系における
色差の計算方法をはじめ各表色系による色差の計算方法
が示されており、これに従って計算することができ、例
えばL* * * 表色系における色差は下式によって計
算する。 △E* ab=〔(△L* 2 +(△a* 2 +(△b* 2 1/2 ここに△E* abはL* * * 表色系による色差 △L* 、△a* 、△b* はL* * * 表色系における
二つの表面色、今の場合で言えば床面等の被測定面の表
面色と標準板の表面色の間における明度指数L*及びク
ロマティネクス指数a* 、b* の差である。
【0020】以上説明した表面色及び色差の測定は、実
際は、市販の色彩色差計を利用して行うことができ、こ
の場合は表面色、色差の値が自動的に測定され、計算さ
れ、印字されるので、効率的かつ便利に色差値を測定す
ることができる。以下に述べるカーペット繊維床につい
ての表面色及び色差の測定は、全て、ミノルタ株式会社
の色彩色差計CR−210を用いて行ったものであり、
* * * 表色系で表示している。
【0021】
【実施例】(実施例1) 以上の汚れの数値的測定方法及び洗浄の良否判定方法を
利用して、本発明の洗浄管理方法により、実際のビルの
洗浄管理をする要領について述べる。通常の商業的洗浄
管理は、例えば床カーペットを敷きつめたビルの部屋毎
の床面の洗浄を部屋毎の清浄度を維持して最も経済的に
実施することを請負うことにあるが、例えば図4に示し
たようなビルの一室の床面は使用(人の出入り)による
汚れの度合が相互に異別すると思われる複数のスポット
からなる。
【0022】図4はオフィスビル内の事務室の平面図を
示し、Eは部屋出入口のドアであり、T、T、・・・は
事務机、H、H、・・・は椅子である。Fは応接室であ
り、Gはその出入口のドアであり、Jは会議用のテーブ
ルである。図中の動線は人が動く経路を示す動線であ
り、動線が多い部分でかつ出入口Eに近い部分が最も汚
れが進む。部屋の床面全体にグレイのカーペットタイル
が敷きつめられている。
【0023】本発明による床面の汚れ測定のサンプルス
ポットとして図4に示すA1 、B1、B2 、B3
1 、D1 の6地点を選んだ。A1 点はこの部屋の中で
も最も人の通りが多く、最も汚れが進む出入口付近であ
り、B1 、B2 及びB3 の各点は出入口からは離れてい
るが、人の通りが比較的多い地点を選んでいる。C1
は応接室内の一地点で殆んど人が通らない地点である。
1 点も殆んど人の通りがなく、しかも窓Kを通して直
射入光を多く受ける地点である。
【0024】上記のA1 、B1 、B2 、B3 、C1 、D
1 の6地点それぞれについて、床面の洗浄後、その後3
ヶ月経過時、6ヶ月経過時、9ヶ月経過時、12ヶ月経
過時及びこのとき行った再洗浄後、その再洗浄後3ヶ月
経過時の各時点において測定した床面のグレイのカーペ
ットタイルと標準板として用いる該カーペットタイルの
新品とのL* * * 表色系における色差値を表1並び
に図5に示す。なお、標準板たるカーペットタイル新品
の表面色はL* :39.67、a* :1.31、b*
−0.12である。
【0025】
【表1】
【0026】上記の表1の各測定値は、図3に示すよう
な半径r(色彩色差計CR−210の場合r=25m
m)の測定スポット3ヶ所についての測定値の算術平均
値である。各測定スポットの中心点O1 、O2 及びO3
は正三角形を形成し、それらの中心点間の間隔Dは、3
個の測定スポットに外接する半径Rの円の面積と各測定
スポットの面積との比が10対1となるように選ばれ、
中心点O1 、O2 、O3間の間隔Dと測定スポットの半
径rとの間には D=3.745r の関係があり、CR−210を用いた上記測定ではD=
94mmに選ばれている。
【0027】上記の表1及び図5から、1日に1〜2回
パワーブラシを備えた真空掃除機をかけ、カーペットの
表面や内部に沈降している塵埃を除去するという日常の
清掃だけでは、全ての測定スポットにおいて汚れが蓄積
し、時の経過とともに色差の値が増大すること、色差値
の経時的増大は部屋の出入口付近にあり人の通りが多い
1 地点において最も顕著であること、次いでB1 、B
2 及びB3 点において大きいが、これらの地点とA1
点との間では色差値で2.0以上の大きな差があり、一
方、B1 、B2 及びB3 地点相互間では色差値の相違は
きわめて僅かであること、C1 及びD1 地点においては
色差の値の経時変化が僅かであることがわかる。
【0028】以下の説明では同一スポット間の色差値と
色差値との間の差域は異なるスポット間の色差値の差を
相対色差値と呼ぶことにする。この命名に従って上記文
節を言い換えると、時の経過とともにA1 のB1
2 、B3 、C1 及びD1 の夫々に対する相対色差値が
増加すると言うことになる。
【0029】また、カーペットタイル床面を再洗浄する
ことにより、全ての測定スポットにおいて色差値がほぼ
前回の洗浄時の値に迄減少すること、A1 点以外の
1 、B2 、・・・D1 点の色差値はほぼ同一値に収斂
し、A1 点の色差値は再洗浄により急減するが、他の地
点の色差値よりもなお大きな値に留まっていること等が
わかる。このような色差値E* abの値の経時的変化は
汚れの進行、蓄積或は洗浄による汚れの除去の状態、度
合とよく相関しており、従って色差の値の経時的変化に
より汚れの度合の変化を数値的に表示し、かつ把握する
ことができる。
【0030】L* * * 表色系においては色差値△E
* abの大きさと色差の程度の評語との間には、一般
に、下記の表2に示すような関係があるとされている。
この評語は相対色差値に対してもほぼ妥当するが、表1
によれば、A1 点においては洗浄時から9ヶ月経過時に
おいて既に相対色差値が3.0を越えており、またD1
点に対する相対色差値も3.0を越えている。すなわち
洗浄後9ヶ月を経過したとき既にA1 点におけるカーペ
ットの色は汚れにより洗浄時とは著しく異なったものと
なっており、また、D1 点におけるカーペットの色とも
著しく異なるものとなっており、既に美観の維持上好ま
しくない汚れの状態に達しているものと判定される。従
って表1の測定データからみると、洗浄後9ヶ月の時点
で全スポットを再洗浄するのが好ましい。万一、経済的
理由から洗浄コストを節約したい向きに対しては、少な
くともスポットA1 についてスポット洗浄をすることに
よりD1 に対する相対色差値を3以下にすればよい。
【0031】
【表2】
【0032】上記の通り、本発明によれば色差値の変化
が所定の値を越えたとき、例えば△E* abの変化が
3.0を越えたときに床面を洗浄することとすれば、数
値的に表示された客観的な床面の汚れの度合に応じて床
面洗浄の時機を決定することができ、従来に較べて床面
等の清掃の管理を著しく合理化することができる。
【0033】なお、上記したカーペット床の洗浄の方法
は次の通りである。すなわち、先ず洗剤を撒きながらナ
イロンブラシでカーペットの表面を擦って汚れを除去
し、次いで、エクストラクター型のカーペット洗浄機を
利用してカーペット表面に水を噴射させて表面を水洗い
すると同時に汚水を吸引する。そしてカーペットを自然
乾燥させる。
【0034】(実施例2) 他のオフィスビルの事務室のグレイのタイルカーペット
を敷きつめた床面の出入口付近の4地点について測定し
た洗浄前後の表面色の値L* 、a* 、b* 及び新品のグ
レーの標準板との色差の値△E* abを表3及び図6に
示している。記載の測定値は表1、図5の場合と同じ
く、3スポットの測定値の算術平均値である。また洗浄
も前記した所と同様な方法で行っている。
【0035】
【表3】
【0036】表3及び図6から洗浄による汚れの除去、
変化が色差△E* abの変化としてよく表れていること
がわかる。また表3及び図6で注目されるのは、スポッ
ト番号1及び2においては洗浄前後の色差値の変化が
3.3〜3.4と大きく洗浄前後においてタイルカーペ
ットの色が著しく異なるのに対し、スポット番号3及び
4においては洗浄前後の色差値の変化が2.7〜2.9
に止まり、洗浄前後におけるカーペットの色の変化がス
ポット番号1及び2に較べて少ないことである。
【0037】これは、洗浄効果の相違の表れであり、ス
ポット番号1及び2においてはスポット番号3及び4に
おけるよりも洗浄により汚れがよく除去されている。こ
のように本発明によれば、洗浄前後における色差値の変
化の大小により洗浄の効果すなわち汚れの除去の良否を
数値的に客観的に判定することができ、清掃の管理を従
来のいわゆるインプット管理から清掃結果を重視する客
観的な管理に改善することができる。
【0038】以上説明した床面等の汚れの測定方法は、
床面等の汚れを、床面等の表面色と標準板の表面色との
色差の経時的な変化として測定し、表示するものである
が、本発明による床面等の汚れ測定方法においては、汚
れを、床面等の当初の表面色と或る期間経過後(洗浄等
の作業遂行後をも含む)における該床面等の同一点の表
面との色差として測定し、表示することもできる。すな
わち、床面等の同一点であっても、その表面色は汚れの
累積により表面色が経時的に変化するので、この経時的
に変化した表面色と当初の表面色との色差として汚れを
測定するものである。
【0039】表4は、表3に示す4地点についての洗浄
前及び洗浄後の表面色のL* 、a*、b* とこれから計
算した洗浄前と洗浄後との色差とを示している。表から
明らかな通り、4地点の表面色の洗浄前後における色差
値は、表3に示す色差値の洗浄前後における変化値とほ
ぼ一致している。
【0040】
【表4】
【0041】なお、本発明は、上記説明した通り、床面
等の汚れを床面等と標準板との色差の経時的な変化或は
床面等の経時的に変化した表面色と元の表面色との色差
値すなわち経時的な相対値により測定し把握するもので
あるが、例えば表1及び表3に示すように、色差の経時
的変化の関係、状態が一度び測定され、把握されれば、
これに基づいて色差の値そのもの(絶対値)によっても
汚れの度合を測定し、把握することが可能になる。本発
明の構成において色差値の経時的変化により床面等の汚
れを数値的に測定するとはかかる場合をも包含するもの
である。
【0042】以上、詳細説明した本発明の方法は、上記
説明した実施例、変形例以外にも種々の変形が可能であ
る。例えば、上記実施例においては専らカーペットを敷
いた床、繊維床について説明したが、ビニル床タイル、
ビニル床シート、ゴム床タイル等を利用した床、弾性床
或は陶磁器質、タイル等を利用した床、硬質床等にも適
用できるし、表面色及び色差はL* * * 表色系に限
らず、L* * * 表色系等の他の表色系により表示す
ることもできる。
【0043】
【発明の効果】以上詳説した通り、本発明の洗浄管理方
法によれば、床面等の汚れを数値的に客観的に色差値を
測定し、複数過箇所の被測定面を比較して、その相対色
差値をもって、各被測定面の汚れ具合を表示することが
でき、相対色差値が所定値を超えた被測定面だけを洗浄
すれば、床面全体を一定の清浄な状態に常に維持するこ
とができ、しかも、洗浄に要する時間労力を低減でき効
果がある。さらに、床面等の洗浄時期の決定或は床面等
の洗浄の効果、汚れ除去の良否の判定を数値データに基
づいて客観的に決定し、判定することができるので、従
来に較べて床面等の清掃の管理を著しく合理化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる照明・受光装置の一例の
説明図(断面図)である。
【図2】本発明において用いる表面色及び色差を測定、
計算する装置の一例の系統図である。
【図3】測定スポットを説明する説明図である。
【図4】カーペットを敷いた事務室の動線入り平面図で
ある。
【図5】図4に示す6地点についての色差値の経時的変
化を示すグラフである。
【図6】カーペット床上の4地点について洗浄前後の色
差値の変化を示す棒グラフである。
【符号の説明】
2、3 光ファイバ束 11 パルスキセノンランプ 12 拡散室 13 拡散板 14 遮光板 S 被測定面
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/88 A47L 11/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面若しくは壁面の使用による汚れの度
    合が相互に異別すると考えられる複数の被測定面を含む
    一つの洗浄管理対象域の洗浄管理方法において、 当該管理対象域内の最も汚れが進むと考えられる被測定
    面と、最も汚れが少ないと考えられる被測定面とを適宜
    選出してそれぞれ色差値を求めること、 上記の被測定面の間の相対色差値を求めること、及び、 この相対色差値が所定値を超えないよう洗浄をするこ
    と、を含み、 各被測定面の色差値が、光学的に遮蔽されたスペース内
    で被測定面を拡散光によってあらゆる方向から照射し被
    測定面からの垂直の反射光を受光した受光光について測
    定したXYZ表色系の三刺激値X、Y、Zから求めた表
    面色と、同様に測定して求めた標準板の表面色との色差
    の値であることを特徴とする床面等の洗浄管理方法。
  2. 【請求項2】 相対色差値が所定値を超えない洗浄が、
    少なくとも最も大きい相対色差値を有する被測定面をス
    ポット洗浄することよりなる請求項1記載の洗浄管理方
    法。
  3. 【請求項3】 一つの洗浄管理対象域が実質的に同一平
    面域内にある床面である請求項1又は2記載の洗浄管理
    方法。
  4. 【請求項4】 床面が繊維床である請求項1ないし3の
    いずれかに記載の洗浄管理方法。
  5. 【請求項5】 さらに、洗浄後の被測定面の色差値を測
    定し、当該色差値の床面等の洗浄前後における色差値の
    変化により被測定面の洗浄による汚れ除去の良否を数値
    的に判定することを含む請求項1ないし4何れかに記載
    の洗浄管理方法。
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