JP2843474B2 - 発泡ポリプロピレンシートの成形方法 - Google Patents

発泡ポリプロピレンシートの成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発泡ポリプロピレン
シートの成形方法に関し、詳しくは、生産性よく、しか
も品質のよい成形品を得るための成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、発泡ポリプロピレンシート
(以下、「発泡PPシート」という。)の成形方法は、
発泡PPシートをオーブンによって予め加熱し成形可能
な状態に軟化させて、次いで、成形ゾーンで成形して成
形品を得る方法が知られている。上記オーブンは、通
常、発泡PPシートと非接触状態になる赤外線ヒーター
等による輻射加熱が利用されている。
【0003】発泡PPシートを加熱する際、ポリプロピ
レン樹脂が160℃付近に溶融点を有するため、この温
度を大きく越えると発泡PPシート自体が溶け出して発
泡層がなくなってしまう。この状態で発泡PPシートを
成形すると、成形品の所々に薄肉な部分ができることに
なり、品質のよい成形品を得ることができない。従っ
て、上記オーブン等によって発泡PPシートを加熱する
際には、発泡PPシートの温度が160℃を大きく越え
ないように加熱しなければならない。
【0004】しかし、発泡PPシートの場合では非発泡
PPシートとは異なり、厚みを有するうえ加熱による2
次発泡を伴うことからその厚み方向の熱伝導が悪く、発
泡PPシートの加熱時間を多く要する。このため、発泡
PPシートを成形して成形品を得る場合、成形サイクル
が長くなって生産性を低下させていた。そこで、この生
産性を向上させるため、発泡PPシートの加熱時間を短
縮すべく、上記オーブンのヒータ温度を例えば、300
℃付近の高温度にして加熱することが試みられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記オ
ーブンのヒーター温度を高温度にすると、以下のような
成形不良が発生するという問題があった。まず、発泡P
Pシートを高温で加熱すれば、これに比例して発泡PP
シートの昇温速度が増すことになる。このとき、オーブ
ンに取付けられたヒーターの配列や性能、またその温度
管理状態によっては、発泡PPシートには加熱ムラが発
生し易くなる。そして、この加熱ムラのある状態で発泡
PPシートを成形すると、発泡PPシートの所々で延び
る割合が異なって、成形延伸時に亀裂が発生し成形品の
外観不良を起こすことがあった。
【0006】また、輻射加熱によるオーブンのヒーター
温度が高い割にはオーブン内の雰囲気温度が低い場合
や、半解放のオーブン形状においては、外気の流入速度
が速まることになる。このため、空気の流れによって発
泡PPシートの表面温度が下げられることになり、発泡
PPシートを安定して加熱することが困難となる。そし
て、発泡PPシートの表面温度が155℃より低くなる
と、上記同様に、成形延伸時に亀裂が発生し成形品の外
観不良を起こすことがあった。
【0007】即ち、発泡PPシートを高温加熱したと
き、雰囲気温度が低いと発泡PPシートの表面が空気の
流れによって冷やされるため、中心部の方の温度が高く
なる現象が発生している。そのため、発泡PPシートの
中心部が成形に適した温度に達したとき、表層部はその
温度より低く、また表層部が成形に適した温度に達した
とき、中心部は既にその温度より高くなってしまう。従
って、成形に適するような発泡PPシートが均一加熱さ
れた状態である、発泡PPシートの表層部と中心部で温
度差が少ない状態を見付けることが困難だからである。
特に発泡PPシートの特徴として表層部も発泡膜より構
成されているため外気温度の影響を強く受ける。また、
ポリプロピレン樹脂の場合には、高温で加熱すればその
加熱時間の時間軸に対して発泡PPシートの軟化速度が
急激に上昇するため成形に適した状態に軟化された範囲
が非常に狭くなることにもよる。
【0008】そこで、この発明の目的は、発泡PPシー
トの加熱時間を短縮するとともに、成形不良の発生を防
止し品質のすぐれた成形品を得ることができる発泡PP
シートの成形方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の発泡PPシートの成形方法は、発泡PP
シートをオーブン内で加熱して成形可能な状態に軟化さ
せた後に、次の成形ゾーンにて所望形状に成形する方法
において、上記オーブンは発泡ポリプロピレンシートに
対して入口と出口とを除いて密閉状にしたものを用い
て、上記オーブン内の雰囲気温度を155℃以上で20
0℃以下の温度範囲に保った状態で上記発泡PPシート
を徐々に昇温させつつ、その表面温度を160℃±5℃
の温度範囲に保持しながら上記成形ゾーンにて成形する
ことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記構成による、この発明の発泡PPシートの
成形方法によれば、発泡ポリプロピレンシートに対して
入口と出口とを除いて密閉形状にしてあるオーブン内の
雰囲気温度を155℃以上で、200℃以下の温度範囲
に保つことで、外気の流入を抑制しながら、ヒーターに
よる輻射加熱と対流する空気による伝熱加熱とを併用し
て発泡PPシートを加熱することができる。この温度範
囲にオーブン内の雰囲気温度を保った状態で、発泡PP
シートを徐々に昇温させることで、発泡PPシートの加
熱不足や加熱オーバーすることなく発泡PPシートが加
熱軟化される。これにより、発泡PPシートは効率良く
短時間で加熱される。即ち、上記雰囲気温度が155℃
に満たない場合は、オーブン内の空気の流れが速くなっ
て発泡PPシートの表面温度を低下させることになり、
逆に200℃を超える場合は、発泡PPシートの軟化速
度が急激に速くなり過ぎて成形可能な状態に軟化された
範囲を見つけだすことが困難になる。
【0011】また、発泡PPシートを徐々に昇温させる
ことによって、発泡PPシートの二次発泡の割合を少な
く抑えることができ、発泡PPシートの表層部と内部と
に大きな温度差を生じるとなく発泡PPシートが加熱さ
れる。さらに、発泡PPシートの表面温度を160℃±
5℃の温度範囲に保持しながら成形することで、発泡P
Pシートの延びる割合を略均一にすることができるとと
もに樹脂の溶融による発泡層の破壊を防止することがで
きる。これにより、成形ゾーンで成形された成形品に亀
裂模様や部分的に薄くなる現象を防止し品質の良い成形
品を得ることができる。即ち、上記発泡PPシート表面
温度が155℃(160℃−5℃)に満たない場合は、
発泡PPシートの延びる割合が異なるおそれがあり、逆
に165℃(160+5℃)を超える場合は、PP樹脂
の融点を超えて発泡PPシートが溶融しその発泡層が破
壊されるおそれがあるからである。
【0012】
【実施例】この発明の実施例を、添付図面を参照しなが
ら以下に説明する。図1は、この発明の一実施例に係る
発泡PPの成形方法の成形工程を示す概略図である。図
1に示した成形工程は、発泡PPシート21を成形可能
な状態に加熱軟化する予備加熱ゾーンAと、予備加熱ゾ
ーンAで加熱軟化された発泡PPシート21を成形する
成形ゾーンBとを有する。そして、各ゾーンにおいて
は、図示していないが、精度の良い送り機構を用いて誤
差なく各ゾーンへ発泡PPシートが送られている。
【0013】予備加熱ゾーンAは、原反20から繰り出
された発泡PPシート21を加熱するオーブン10が備
えられている。このオーブン10の形態は、発泡PPシ
ート21の入口と出口を除く密閉形状をしたものであ
る。オーブン10内には、発泡PPシート21と非接触
状態にされたヒーター12が備えられている。ヒーター
12は、例えば、遠赤外線ヒーター等が使用され、発泡
PPシート21の上下にそれぞれ配置されている。発泡
PPシート21は、このヒーター12からの輻射熱によ
って成形可能な状態に加熱軟化される。このときのヒー
ター温度としては、発泡PPシート21の加熱を短縮
し、また発泡PPシート21が溶融しないように、22
0〜260℃程度に設定される。このヒーター12の温
度は、上下で異なっていてもよく、この場合、好ましく
は上側のヒーター12の温度を高く設定する。即ち、上
側に配置されたヒーター12の熱は、オーブン10内の
空気の対流によって上昇されて発泡PPシート21に伝
わり難くなるおそれがあるからである。また、オーブン
10の側面部には、図1では一部切欠しているがオーブ
ン10全体を覆うカバー11が取付けられている。この
カバー11によって、オーブン10が略閉塞された状
、即ち、図1に示すように入口と出口とを除いて密閉
にして外気の流入を防止できるので、オーブン10内
の雰囲気温度が調整される。この雰囲気温度としては、
155℃〜200℃、好ましくは、155℃〜175℃
の範囲にあるよう設定される。この雰囲気温度が155
℃に満たない場合は、空気の対流によってオーブン10
内の空気の流れが速くなって発泡PPシート21の表面
温度を低下させることになり、逆に200℃を超える場
合は、発泡PPシート21の軟化速度が急峻になり過ぎ
て成形可能幅を見つけることが困難になる。ここで、成
形可能幅とは、成形可能な状態に軟化された発泡PPシ
ートを成形したとき成形品に亀裂模様や部分的に薄くな
るという現象が発生しない加熱時間幅をいう。なお、雰
囲気温度の測定位置としては、発泡PPシートの上下1
00〜200mmの辺りの温度を指す。また、発泡PP
シート21の加熱は、その表面温度が160℃±5℃の
範囲にあるように、徐々に昇温される。この発泡PPシ
ート21の表面温度が155℃(160℃−5℃)に満
たない場合は、発泡PPシート21を成形する際にその
延びる割合が異なって亀裂模様が発生するおそれがあ
り、逆に165℃(160+5℃)を超える場合は、発
泡PPシートが21溶融して発泡層が破壊されて成形品
に薄肉な部分ができるおそれがある。この予備加熱ソー
ンAで加熱軟化された発泡PPシート21は、次に成形
ゾーンBに搬送される。
【0014】成形ゾーンBは、上記予備加熱ゾーンAで
加熱軟化された発泡PPシート21を成形する、成形金
型が備えられている。成形金型は、凸部を有するプラグ
型31と凹部を有するキャビティー型30とを組合せた
一対の成形金型であり、図1中では、同形のものが2つ
有する。この成形金型は、コールドプレス用の金型であ
り、金型温度は、室温から約40℃以下の範囲内に保た
れていればよい。成形金型は、プラグ型31とキャビテ
ィー型30とが発泡PPシート21に接触または接圧す
るマッチモールド型である。これらプラグ型31とキャ
ビティー型30は、それぞれ進退自在なシリンダ機構3
4,35が取付けられた成形プレス盤32,33に固定
されている。成形金型は、シリンダ機構34,35を駆
動させることで、互い対向するプラグ型31とキャビテ
ィー型30が上下動されて嵌合または離形される。な
お、キャビティー型30には、真空吸引機能を有してお
り、真空吸引管36が取付けられている。この真空吸引
管36には、図示していないが真空ポンプと連結されて
いる。この真空ポンプを作動させることで、軟化された
発泡PPシート21はキャビティー型30に真空吸引さ
れて型窩面に沿って良好に密着される。この成形金型の
動作としては、まず、キャビティー型30が上昇し発泡
PPシート21を真空吸引して型窩面に密着させた後
に、プラグ型31を下降させて発泡PPシート21を成
形するようにしてある。
【0015】このようにして、予備加熱ゾーンAにて加
熱軟化された発泡PPシート21は、成形金型によって
所望形状の成形品22に成形される。そして、成形ゾー
ンBによって成形されたシート成形品22は、一対のカ
ッター4によって各々の成形品23にカットされて回収
される。上述のように、予備加熱ゾーンAでは、オーブ
ン10内の雰囲気温度を155℃以上で、200℃以下
の温度範囲に保った状態にしてあるので、ヒーター12
の輻射加熱と対流する空気による伝熱加熱とを併用し
て、発泡PPシート21を徐々に昇温させることができ
る。これにより、発泡PPシート21の加熱時間を短縮
することができるので、成形の生産性を向上することが
できる。
【0016】また、この予備加熱ゾーンAでは、発泡P
Pシート21の表面温度を160℃±5℃の温度範囲に
保持されるので、成形ゾーンBで発泡PPシート21の
加熱不足や加熱オーバーによって、成形品23表面に亀
裂模様や部分的に薄肉になる等の発生を防止できる。ま
た、発泡PPシート21を徐々に昇温することで、発泡
シートに伴う二次発泡の割合を急激に大きくすることな
く滑らかにすることができ、発泡PPシート21の表層
部と内部とに大きな温度差を生じることなく加熱でき
る。これにより、成形品23の外観不良発生を防止する
ことができ、品質のすぐれた成形品23を得ることがで
きる。
【0017】従って、発泡PPシート21の成形方法に
おける、予備加熱ゾーンAでの雰囲気温度および発泡P
Pシート21表面温度を一定範囲に設定することによっ
て、生産性を向上させるとともに品質のすぐれた成形品
23を得ることができる。なお、この発明の発泡PPシ
ートの成形方法は、上記実施例に限定されない。例え
ば、予備加熱ゾーンAにおいては、雰囲気温度の調整手
段として、オーブン10内に一定温度の温風を送り込む
ようにしてあってもよい。
【0018】成形ゾーンBにおいては、成形金型の動作
が、キャビティー型30とプラグ型31とによって発泡
PPシート21を挟んで型締めした後にキャビティー型
30から発泡PPシート21を真空吸引するようにして
あってもよい。また、上記成形金型には、シート成形品
22の離形が円滑に行われるようにシート成形品22を
一定位置に保持するためのクランプが内蔵されてあって
も良い。さらに、成形金型の面数としては、上記実施例
では2個備えているが、1個でも、また2個以上の多数
備えたものでもよい。この場合、成形金型が多数の面数
を備えた多数個取りにすれば生産性をさらに向上するこ
とができる。さらにまた、成形方法としては、プラグア
シスト成形や、プラグ型31にも真空吸引機能を有する
両面真空成形、真空に代えて圧空成形または単なる加圧
成形等その他既知の方法を採用することができる。
【0019】その他に、成形ゾーンBを通過した後のシ
ート成形品22が素早く冷却されるようにエアー等を上
下から吹きかけるようにしてあってもよく、この発明の
要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可
能である。次に、以下の実験を行った。図2に示した、
成形機を用いて、下記表1に示した条件の下でそれぞれ
実験例および比較例を行った。
【0020】
【表1】
【0021】<実験方法>坪量350g/m2 ,一次厚
み1.5mmの発泡ポリプロピレンシート(s)をクラ
ンプ台(a)に固定し、角材(b)から延設された取手
(m)をつかんでレール(i)上をスライドさせて加熱
炉に入れる。この加熱炉内の上下には、ヒーター(h)
が取付けられており、発泡PPシート(s)は、このヒ
ーター(h)によって輻射加熱される。また、加熱炉の
側面部には、開閉自在なカバー(n)が取付けられてお
り、このカバー(n)を開閉することで加熱炉内の雰囲
気温度が調整できるようにしてある。
【0022】そして、設定加熱時間後、クランプ台
(a)に付いている角材(b)を、近接スイッチ(c)
が感知して、発泡PPシート(s)の上下に配置された
表面温度計〔株式会社キーエンス製の赤外線放射温度
計、型番「IT−1600」〕(d)が、発泡PPシー
ト(s)の表面温度測定を開始する。また、雰囲気温度
は、加熱炉内に発泡PPシート(s)の上下に配置され
た熱電対(e)によって測定する。
【0023】一方、成形ゾーンにおける成形方法は、上
プラグ(f)、下キャビティ(g)で、キャビティ
(g)先行で真空成形開始後、上プラグ(f)を閉じる
タイミングの完全マッチモールド成形である。(j)
は、それぞれ上プラグ(f)および下キャビティ(g)
を昇降させる油圧シリンダである。また、(k)は、下
キャビティ(g)の真空成形のための、図示していない
真空ポンプと連結された管である。
【0024】そして、上記実験例1および比較例1〜4
の条件下で、所定の加熱時間ごとに、成形ゾーンにて成
形して外観不良を生じなかった加熱時間の幅である成形
可能幅を探すとともに、この成形可能幅までの時間を調
べた。また、この加熱時間ごとのシート表面温度および
二次厚みを測定した。これらの関係を、横軸に加熱時間
(秒)、縦軸にシート表面温度(℃)および二次厚み
(mm)を採って、シート表面温度を点線で、二次厚み
を実線でそれぞれ描いたグラフを図3〜7に示すととも
に、成形可能幅までの時間(秒)、成形可能幅(秒)お
よびシート表面温度(℃)を、上記雰囲気温度とともに
表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】表2および図3〜7の結果より、比較例
1,2は、成形可能幅が長く安定して成形を行うことは
できるが、成形可能幅までの時間が長く、成形サイクル
が遅い。逆に比較例3は、成形可能幅までの時間が短く
生成サイクルが速いが、成形可能幅が短く安定して成形
を行うことができない。なお、雰囲気温度の低い比較例
4は、良い成形品が得られる成形可能幅が見つからなか
った。
【0027】これに対して、雰囲気温度が155℃〜2
00℃の範囲にある実験例1では、成形可能幅までの時
間が短く、かつ成形可能幅が長い、高生産性かつ高品質
の成形品が得られる条件であることが判った。
【0028】
【発明の効果】以上のように、この発明の発泡PPシー
トの成形方法によれば、発泡PPシートに対して入口と
出口とを除いて密閉状にしたオーブン内の雰囲気温度を
155℃以上で、200℃以下の温度範囲に保った状態
で発泡PPシートを徐々に昇温させることによって、発
泡PPシートの加熱時間を短縮することができる。これ
により、発泡PPシートの成形における生産性を向上す
ることができる。
【0029】また、発泡PPシートの表面温度を160
℃±5℃の温度範囲に保持しながら成形することによっ
て、発泡PPシートの加熱不足や加熱オーバー等に起因
する成形品の外観不良の発生を防止することができるの
で、品質のすぐれた成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の発泡ポリプロピレンシー
トの成形方法の成形過程を示す概略図である。
【図2】この発明の発泡ポリプロピレンシートの成形方
法の実験に用いた成形機を示す概略図である。
【図3】図2で示した成形機にて実験した、実験例1の
加熱時間に対する発泡ポリプロピレンシートの二次厚み
とシート表面温度の関係を示すグラフである。
【図4】図2で示した成形機にて実験した、比較例1の
加熱時間に対する発泡ポリプロピレンシートの二次厚み
とシート表面温度の関係を示すグラフである。
【図5】図2で示した成形機にて実験した、比較例2の
加熱時間に対する発泡ポリプロピレンシートの二次厚み
とシート表面温度の関係を示すグラフである。
【図6】図2で示した成形機にて実験した、比較例3の
加熱時間に対する発泡ポリプロピレンシートの二次厚み
とシート表面温度の関係を示すグラフである。
【図7】図2で示した成形機にて実験した、比較例4の
加熱時間に対する発泡ポリプロピレンシートの二次厚み
とシート表面温度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A 予備加熱ゾーン B 成形ゾーン 10 オーブン 11 カバー 12 ヒーター 21 発泡PPシート 22 シート成形品 23 成形品 30 キャビティー型 31 プラグ型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 51/00 - 51/46 B29C 35/00 - 35/14 B29K 23:00 B29K 105:04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡ポリプロピレンシートをオーブン内で
    加熱して成形可能な状態に軟化させた後に、次の成形ゾ
    ーンにて所望形状に成形する方法において、上記オーブンは、発泡ポリプロピレンシートに対して入
    口と出口とを除いて密閉状にしたものを用いて、 上記オ
    ーブン内の雰囲気温度を155℃以上で200℃以下の
    温度範囲に保った状態で上記発泡ポリプロピレンシート
    を徐々に昇温させつつ、その表面温度を160℃±5℃
    の温度範囲に保持しながら上記成形ゾーンにて成形する
    ことを特徴とする発泡ポリプロピレンシートの成形方
    法。
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