JP2842633B2 - 弾性糸の自動切替方法 - Google Patents

弾性糸の自動切替方法

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JP2842633B2
JP2842633B2 JP1229548A JP22954889A JP2842633B2 JP 2842633 B2 JP2842633 B2 JP 2842633B2 JP 1229548 A JP1229548 A JP 1229548A JP 22954889 A JP22954889 A JP 22954889A JP 2842633 B2 JP2842633 B2 JP 2842633B2
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments
    • B65H2701/319Elastic threads

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  • Replacing, Conveying, And Pick-Finding For Filamentary Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、弾性糸の巻取の自動切替に関し、さらに詳
しくは、連続的に紡出される弾性糸の巻き取りにおい
て、糸をすでに巻いた満ボビンから空ボビンへ糸を自動
的に付け替えるに際し、その糸の自動的付け替え、すな
わち自動切替成功率を向上させるための方法に関する。
〔従来の技術〕
従来から弾性糸は、ポリアミド、ポリエステル等の汎
用合成繊維に比べて、その特殊な機能(高伸縮性、高摩
擦性)のため、弾性糸独自の巻取の自動切替技術が必要
となる。例えば、特にその弾性糸を対象とした従来技術
で注目すべきものに、特開昭49−27634号公報に記載さ
れたものと、特公平1−22195号公報に記載されたもの
がある。
まず特開昭49−27634号公報に記載された自動切替技
術は、連続的に紡出される糸を空ボビンの上に巻き取り
満ボビンとし、満ボビンから空ボビンに糸を付け替える
に際し、フリクションロールによりフリクションドライ
ブされていた満ボビンをフリクションロールから引き離
し、ついで空ボビンをフリクションロールに接触させて
充分加速された時点で、満ボビンの回転を止め、たるん
でくる糸を空ボビンに巻き付かせて満ボビンと空ボビン
の間で糸を引張り合って切断し自動的に空ボビンに巻き
付かせるものである。
ここで、弾性糸の特徴の1つに、高伸縮性により引張
り合って切断が終了すると、切断前に較べて長さが元の
長さに回復しながら空ボビンの円周表面上を滑走し、急
激に空ボビン表面上の糸の張力が零に近づく現象を生じ
る。この際空ボビンの表面上で糸がボビン円周表面にと
ころどころ衝突して波打ち、結果として部分的に糸が瞬
間的に空ボビン表面上から遊離する部分を生じるものと
考えられる。
通常、糸はすぐにボビン表面上に再び装着し、空ボビ
ンの円周表面上に巻き取られ続ける場合が多いが、近
年、高速紡糸のようにフリクションロールや空ボビンの
表面速度を従来よりも速くしたり、細物指向によって弾
性糸の太さ(デニール)が細くなったりすると空ボビン
へ糸を付け替えた瞬間、空ボビンの表面に糸が巻き取ら
れずにフリクションロールの表面に巻き取られ、結果と
して弾性糸の巻き取りの自動切替が失敗することが多く
なってきた。
その原因は、つぎのように考えられる。すなわち、空
ボビンの円周表面上で糸が波打つ際、ボビン表面から遊
離した部分が、フリクションロールの円周表面上に接触
し、フリクションロールへの糸の接触長が長くなり、フ
リクションロールへ糸が巻き取られてしまう。
また、満ボビンから空ボビンへ糸を付け替える瞬間に
おいても、糸はトラバース装置から解放され、走行路を
規制されているわけではないので、糸は空ボビンの円周
表面上をボビン軸に平行な方向にも絶えず引っ張られて
いることになり、これによりなお一層ボビン表面上に巻
き取られるのを妨げていることになり、高速紡糸、細物
指向の時はフリクションロール1の方へ糸が巻き取られ
自動切替の失敗が増える。
つぎに、特公平1−22195号公報に開示された技術
は、2本のボビン軸と該ボビン軸を180゜間隔に回動自
在に支承した回転ドラムと、ボビン軸を接触駆動するフ
リクションロールと、縦振りを行うトラバース装置とよ
り構成された自動切替巻取機において、トラバース装置
の上流に糸位置規制板を設け、該糸位置規制板の接糸部
の形状が相反する2つの傾斜面より構成され、該傾斜面
の開口部がトラバース幅より広く、かつ傾斜角が20゜以
上であり、該糸位置規制の自動切替時の位置を相反する
傾斜面の交点で、糸位置を規制しつつ糸をトラバース装
置より解放するごとく作動せしめるものである。この場
合、空ボビンには、供給糸を把持する目的でブレードカ
ットが切り込まれている。
上記従来技術においては、空ボビンにブレードカット
を入れているため、空ボビンの製作コストおよび強度的
に、ブレードカットの入っていないボビンに較べて不利
である。また、空ボビンに供給糸Yを巻き付けたのち
も、満ボビンの最内層の弾性糸がブレードカット内に何
回もかみ込み、最内層の弾性糸の解舒が困難となる問題
がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上、従来技術には弾性糸が高速紡糸で、細物指向の
時には必ずしも自動切替成功率が完全なものとはなら
ず、本発明ではこの点を解放するための方法を提供す
る。
よって、本発明の第1の目的は、フリクションドライ
ブ方式の弾性糸を巻き取り装置でボビンに糸付けすると
きに、糸がボビンに巻き付かずにフリクションロールに
取られるのを防止し、糸付け成功率を向上させる弾性糸
の自動切替方法を提供することにある。
また、従来技術によっては空ボビンの円周表面上に、
ブレードカット等の糸把持の工夫を実施しなければ実施
不可能なものもあり、この点も普通の空ボビンが使えな
いという問題があるので、本発明ではこの点を解決する
ための方法を提供する。よって、本発明の第2の目的
は、弾性糸の巻取の自動切替を、ブレードカット等の糸
把持の工夫のない普通のボビンで実施可能とならしめる
弾性糸の自動切替方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記第1、第2の目的を達成するため、特願昭63−22
3288号において、回転体の円周上に間隔をおいて複数本
のボビン軸を取付け、各ボビン軸に弾性糸である供給糸
の数に対応させて空ボビンを取付け、前記空ボビンまた
は満ボビンをフリクションロールに接触させて回転駆動
するとともに、各供給糸をトラバースさせ、供給糸に対
応するボビンに供給糸を巻き取り、満ボビンをボビン軸
を介してフリクションロールと接触しない位置に移動さ
せると同時に、他のボビン軸に予め装着されて待機中の
空ボビンをフリクションロールと接触する位置に移動さ
せ、供給糸をこれに対応するトラバース装置から解放
し、前記フリクションロールと接触する位置に移動させ
た空ボビンに供給糸を巻き取る巻取自動切替において、
前記フリクションロールと接触しない位置で満ボビンの
回転を急停止させ、前記空ボビンに供給糸を付着させて
巻き付け、かつ満ボビンと空ボビン間で引きちぎり、つ
いで供給糸に対応するトラバース装置に供給糸を導き始
めるときから供給糸に対応するトラバース装置に供給糸
が捕捉されるまでの間、トラバース装置の配列方向に隣
接する供給糸間に仕切りを挿入し、供給糸に対応するト
ラバース装置に各供給糸が捕捉されたのち、前記仕切り
を除去し、前記空ボビンに巻き付いた供給糸を巻き続け
る弾性糸の巻取自動切替方法を提案した。
この方法は、満ボビンの回転を急停止させて、空ボビ
ンに糸を切替える際に、糸をトラバース装置から解放し
ている点に、トラバース装置に再び糸を導く時に仕切り
を挿入する点で、特開昭49−27634号公報よりは改善さ
れてはいるものの、最大のポイントである満ボビンから
空ボビンに糸を付け替える際に糸がフリクションロール
に巻き付くことがあり、特開昭49−27634号公報と同様
な理由で、特に弾性糸が高速紡糸、細物指向の時は自動
切替成功率は完全なものではなかった。
本発明方法は、上記先願発明をさらに改善したもの
で、 (1)可動のボビンキャリアと、該ボビンキャリアに回
転可能に載せられ、満ボビンと空ボビンとを搭載する第
1および第2ボビン軸と、動力源に連結された、垂直方
向に可動のフリクションロールと、ボビン上に巻き取ら
れるように弾性糸をトラバース運動させるトラバース装
置とを具備した巻取装置上で前記満ボビンに巻き取られ
た弾性糸を満ボビンから空ボビンに自動的に切り替える
弾性糸の自動切替方法であって、下記(a)〜(k)の
各工程を有することを特徴とする。
(a)弾性糸をボビン上に巻き付けるためにフリクショ
ンロールを第1ボビン軸に搭載されたボビンに接触させ
る工程、 (b)ボビン上に弾性糸が巻き付けられている間、トラ
バース装置で前記弾性糸をトラバースさせる工程、 (c)満ボビンが第1ボビン軸上で巻き上がった次に、
第2ボビン軸上の空ボビンをフリクションロールの回転
速度と実質的に同一速度で回転させる工程、 (d)フリクションロールと満ボビンの間に間隙が生じ
るように前記フリクションロールを上方に動かす工程、 (e)満ボビンの回転速度をフリクションロールの速度
と実質的に同一速度で維持する工程、 (f)フリクションロールに対し満ボビンと空ボビンの
位置を入れ替え、フリクションロールと満ボビンとの間
で伸長された弾性糸に空ボビンを接触させるためにボビ
ンキャリアを動かす工程、 (g)トラバース装置から弾性糸を外す工程、 (h)弾性糸から切断されるように満ボビンの回転を急
停止する工程、 (i)空ボビン上に弾性糸を巻き付け始めるために、空
ボビンに弾性糸の切断端を接触させる工程、 (j)トラバース装置に弾性糸を捕捉させる工程、 および(k)フリクションロールを空ボビンに接触させ
る工程。
本発明において、ボビンキャリアが回転可能なターレ
ットタイプであり、ボビンキャリアを動かす工程が、空
ボビンと軸ボビンの位置を切り替えるために前記ターレ
ットタイプのボビンキャリアを回転させる副工程を含む
ことが好ましい。
また、ボビンキャリアを動かす工程が、空ボビンとフ
リクションロールの距離を少なくとも約5mmに保ちなが
ら弾性糸と空ボビンを接触させる副工程を含むことが好
ましい。
本発明において、トラバース装置から弾性糸を外す工
程が、凹形状の糸位置規制板に弾性糸を入れ、トラバー
ス装置から弾性糸を外すために糸位置規制板を動かす副
工程を含むことが好ましい。
また、フリクションロールを空ボビンに接触させる工
程が、空ボビン上に弾性糸が50〜1000回巻き付けられる
まで、空ボビンを積極的に回転させる副工程を含むこと
が好ましい。
〔作用および実施例〕
第1図は本発明方法を実施するための装置の一例を示
す斜視図である。
第1図において、この自動切替装置は、巻取機本体10
と、これに取付けられた昇降座板9と、トラバースボッ
クス2と、糸位置規制装置7と、供給糸の数に対応させ
て配列されたトラバース装置3と、フリクションロール
1と、ターレット板4と、これの円周上にこの例では18
0゜の間隔をおいて取付けられたボビン軸5、6と、各
ボビン軸5、6に供給糸の数に対応させて取付けられた
ボビン8とを備え、他にゴデットロール12等を有してい
る。
つぎに第3図(A)〜(G)は巻取装置を正面から見
た作用説明図である。第3図(A)において、供給糸Y
(弾性糸)は、トラバース装置3を介し、フリクション
ロール1を通り空ボビン8の上に満ボビン8′として巻
き取られる。そして、満ボビン8′から待機中の空ボビ
ン8へ糸を付け替えるに際し、まず第3図(B)に示す
ように満ボビン8′とフリクションロール1を引き離
す。
つぎに満ボビン8′と空ボビン8の位置を置き換える
工程は、第3図(C)と(D)で示されるようにターレ
ット板4を時計方向に180゜回転させて行う、そして最
後に第3図(E)に示すようにトラバース装置3から糸
を解放し、空ボビンを回転させておき満ボビンへの糸の
供給を停止する一つの方法として満ボビン8′の回転を
実質的に停止してボビン8に糸を巻き付けるのである
が、その状態は第3図(F)で示される。
本発明の技術的な作用ポイントは、まさに第3図
(F)の状態にする。すなわち、従来技術のところで記
載した通り、満ボビン8′とボビン8との間で糸を引張
り合って切断すると、弾性糸の1つの特徴である高伸縮
性のため、切断前に較べて糸の長さがもとの長さに回復
しながら空ボビン円周表面上を滑走し、糸は空ボビン円
周表面に対してところどころ衝突して波打つことにな
る。糸がその高い摩擦性でフリクションロール1と空ボ
ビン8とどちらに装着するかは、糸と対象物との摩擦係
数と接触長の大小関係で決まる。
通常、弾性糸には仕上げ調剤を付着させているため摩
擦係数はフリクションロールのほうが高いが、接触長は
ボビンのほうが長くなるようにして糸付けする。
本発明においては、空ボビン8とフリクションロール
1とが引き離されたままになっているので、これらの間
には糸が衝突しながら滑走するところがない。従ってフ
リクションロールと空ボビンの間の糸が波打つことはな
く、また空ボビン8上で幾ら大きく空ボビン表面から糸
が波打って遊離してもフリクションロール1まで届か
ず、結果として糸のフリクションロール1への接触長が
大きくなることはないので、フリクションロール1に糸
が取られて巻き付くことはない。その結果、空ボビンへ
の糸付けが成功することになる。
つぎに、トラバース装置から糸を解放した後に、糸を
切替える点の作用を説明する。
すなわち、第3図(E)で示すように、例えば糸位置
規制装置7で糸をトラバース装置3から解放した状態
で、前記した作用により糸を満ボビン8′と空ボビン8
の間で切断すると、その時切断点の片方の端糸をGとす
ると第4図(A)に示すように、Gはずっと曲線l0上に
装着し巻き付こうとする。この時、供給糸Yのトラバー
ス運動が停止されているため端糸Gに続く糸も同じ曲線
l0上にあるため、Gはl0上に存在し続けることができ、
さらには空ボビン8が1回転以上すると、Gの上に重ね
て後続の糸が巻き付けられるため、Gがボビン表面から
離脱してフリクションロール1に巻き付くことがなく、
弾性糸の空ボビン8への糸の付け替え、すなわち自動切
替に成功し易く、より好ましい。
これに対して、糸がトラバース装置から解放されずに
トラバース運動しながら、空ボビン8へ付け替えられる
場合は、第4図(B)のようになり端糸Gが曲線l1上に
とどまろうとしているのに後続する糸が曲線l0の方向に
Gを引っ張るため、空ボビン8表面上でGがしっかり付
着せず浮き上がりやすくなり、結果としてボビン表面か
ら離脱してフリクションロール1に巻き付き、弾性糸の
自動切替に失敗する場合が多くなる。糸をトラバース装
置3に再度捕捉させ、フリクションロール1を空ボビン
8に接触させることにより、一応、自動切替は終了する
が、終了した時の状態を第3図(G)に示す。
なお、第3図(G)では、フリクションロール1は、
すでに空ボビン8に接触しているが、フリクションロー
ル1の空ボビン8への接触は、糸を再度トラバース装置
3に捕捉させるのと同時、または前、もしくは後いずれ
でもでもかまわない。
なお、糸を再度トラバース装置3に捕捉させるに際
し、第5図に示すようにトラバース幅の端部に仕切り部
材11を存在させてトラバース装置3から解放されていた
糸を再びトラバース装置3に復帰させることは一層好ま
しい。
すなわち、第3図(F)に示すように、トラバース装
置から距離をはなして糸を走行させてトラバース装置か
ら糸を解放される方法がよく採用されるが、この場合、
第3図(G)に示すように糸を再びトラバース装置に接
近させトラバース装置に復帰させると、一時的に糸がた
るみ本来糸が走行すべきトラバース装置のトラバース幅
の外へ出てしまい復帰がうまくいかない場合が多い。そ
こで、第5図の11で示すように、仕切り部11をトラバー
ス幅の端部に存在させると、そのようなトラブルはなく
結果として自動切替の成功率が向上してより好ましい。
満ボビンを空ボビンに入れ替えるに際して、ターレッ
ト式切替装置を用いると装置がコンパクトになり、機械
的作業精度も向上しより好ましい。満ボビンへの糸の供
給停止において、満ボビンの回転を実質的に停止する方
法は、他の方法に比べてカッター等の余分な部品を準備
しなくて済み、装置がシンプルになりより好ましい。
トラバース装置から糸を解放するに際し、トラバース
装置に捕捉されている糸は常に往復運動しているので、
そのトラバース幅以上の開口部を有する凹形状の糸ガイ
ドを用いれば、常に凹形状のくぼみ部内に糸を捕捉する
ことが可能となり、しいてはトラバース装置からの糸外
しが100%成功するのでより好ましい。
第3図(G)で再びフリクションロール1と空ボビン
8を接触させた後も、さらに引き続きフリクションロー
ル1からのフリクションドライブによらない他の手段
で、空ボビン8の表面速度をフリクションロール1の表
面速度に合わせて空ボビン8を回転させると、以下の点
で一層好ましい。
すなわち、空ボビン表面に回転しているフリクション
ロールを接触させると同時に、ボビンの回転を空ボビン
回転用駆動手段からフリクションロールからのフリクシ
ョンドライブのみに切替えると、一時的にボヒンの回転
数(表面速度)が低下する場合が往々にしてあり、この
場合は一旦ボビン表面に巻かれていた糸が再びフリクシ
ョンロールの方に取られてしまい、結果として自動切替
が失敗することが多い。そこで、フリクションロールか
らのフリクションドライブに切替えた時もボビンの表面
速度が低下しないように、ボビン表面に回転しているフ
リクションロール表面を接触させた後も、フリクション
ロールからのフリクションドライブによらない他の手
段、例えばボビン回転用駆動手段で引き続きボビンの表
面速度をフリクションロールの表面速度に合わせて回転
させつづけると、自動切替成功率が飛躍的に向上してよ
り好ましい。
ここで、ボビン表面に回転しているフリクションロー
ルを接触させた後、どの程度フリクションドライブによ
らない他の手段でボビンの表面速度をフリクションロー
ルの表面速度に合わせて回転させつづければよいかとい
う点であるが、通常、ボビンが50回〜1000回程度回転す
る間、回転させつづけるのが好ましい。
本発明において、満ボビンとは、空のボビンに弾性糸
を巻き付けたもので、巻き付け量はどの程度でもよい。
自動的に切替えられるとは、満ボビンに巻かれていた糸
が、空のボビンの方へ移り替わるに際し、人間が一旦糸
を切断して、切断した糸を空ボビンの方へ付けることは
せずに、巻取装置がその操作を実施して切替えることを
意味する。
フリクションドライブ方式の巻取装置とは、第1図
(A)に示すように、フリクションロール1を回転させ
て満ボビン8′に接触させ、フリクションロールと満ボ
ビンの間のフリクションにより満ボビン8′の回転を実
施するというものである。
弾性糸とは、ポリウレタン系弾性糸、ポリエステル系
弾性糸、ポリアミド系弾性糸、ポリカーボネート系弾性
糸、これらの複合または混合系弾性糸の他、前記弾性ポ
リマーを主体とした他ポリマーとの複合または混合系弾
性糸等があげられる。これらのうち特にポリウレタン系
弾性糸が好適である。ポリウレタン系弾性糸としては、
ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリカプロラクトン、ポリエーテルポリエステ
ル等およびこれらの混合成分をソフトセグメントとする
ポリウレタンから得られる弾性糸がある。
空ボビンをフリクションロールに対して間隔をあける
とは、ような空ボビンの表面とフリクションロールの表
面とを実質的に接触させないということで、その具体的
な方法は、フリクションロールを空ボビンに接触しない
よう、持ち上げる方法、空ボビンをフリクションロール
に接触しないような位置に置く方法等いろいろあるがど
んな方法でもよい。
そして、フリクションロールと空ボビンの表面間の最
短距離を第3図(F)に示すAとすると、例えばA≦5m
mでは弾性糸の巻取自動切替は失敗する場合が多い。本
発明者等が種々検討した結果、A≧10mm、特にA≧20mm
が好ましい。
満ボビンへの糸の供給を停止するとは、第3図(E)
の状態で空ボビン8と満ボビン8′の間で、糸を切断す
るか、または満ボビン8′の回転そのものを停止する
等、要するに連続的に供給されてくる糸が満ボビンに巻
き取られないようにすればよい。
弾性糸の特性とは、高伸縮性と高摩擦性であり、特に
糸を引きちぎった時に最大限に伸びた糸が急激に元の長
さにもどり、また糸そのものの表面の摩擦係数が高く、
接触物に付着し易いことをいう。
切断端糸を空ボビンに固定するとは、第4図(A)に
示すような端糸Gが空ボビン8の円周表面上から浮き上
がらないようにすることであり、空ボビン表面上に接着
剤等を存在させておいて浮き上がらないようにしてもよ
いし、また第4図(C)に示すように端糸Gの上に何回
も糸を重ね巻きして浮き上がらないようにしてもよい。
つぎに、フリクションロールを空ボビンに接触しない
ように持ち上げる方法を実施する一実施例を第2図
(A)により説明する。すなわちフリクションロール1
およびトラバースボックス2が取り付けられた昇降座板
9にエアーシリンダー21を取り付け、これに圧気配管22
を通じて圧気を導入し、シリンダーを押し上げることに
より実施する。
ターレット式切替装置とは、第3図(A)から同
(D)に示すように、ターレット板4に満ボビン8′と
空ボビン8を取り付けており、ターレット板を回転させ
ることにより満ボビンと空ボビンの位置を入れ替えると
いうものである。
ここで、ターレット板4の回転を実施する一実施例と
して、第2図(B)に示す方法をあげる。
すなわち、同図においてターレット板4には、空ボビ
ン8がはめられているボビン軸5と、満ボビン8′がは
められているボビン軸6とが取り付けられており、また
回転の中心には回転軸36が設けられている。そしてこの
回転軸36にはターレット専用モーター31が直結され、こ
のモーターの回転でターレット板が回動される。
つぎに、空ボビン8をフリクションロール1より切り
離している時に、空ボビン8を積極的に回転させるに
は、例えば第2図(B)に示すように空ボビン8のはま
ったボビン軸5に直結した空ボビン駆動専用ビルトイン
モーター33に通電して実施すればよい。
満ボビンの回転を実質的に停止するとは、要するに満
ボビン8′の表面速度がボビン8の表面速度より格段に
小さく、糸が満ボビン8′からボビン8へ移りさえすれ
ばよいのであり、別に満ボビン8′の回転が完全に停止
しなくてもよい。しかし、通常は、バラツキをなくし品
質を揃えるため満ボビン8′の回転は数秒以内で完全に
停止する方法を採用する場合が多い。
そして、具体的な満ボビンの回転を停止する一実施例
としては、第2図(B)、(C)で示すように満ボビン
8′のボビン軸6に取付けた円板34に対し、それをはさ
み付ける形で取り付けられたエアーピストン35を円板の
両側から押し付ける方法が一般的である。エアーピスト
ン35へは、圧気配管36を通じて圧気を導入して作動させ
る。
トラバース装置から糸を解放するとは、第1図(B)
に詳細を示すトラバース装置3に捕捉されている糸を、
トラバース装置からはずすことであり、その方法は、一
般的にはトラバース装置の捕捉範囲外に糸を持ち上げて
やる方法が多く採用される。その場合の一実施例形態と
して、トラバース幅以上の開口部を有する凹形状の糸ガ
イドを用いて実施する場合を図面を用いて説明する。
すなわち、この糸ガイドは、第1図(A)に糸位置規
制装置7として示されているもので、その部分拡大図を
第6図に示す、作動時は第6図に示すように供給Yが走
行する。その糸位置規制装置7の作動状態は第3図
(E)、(F)に、その作動機構は、第2図(D)に示
すとおりである。第2図(D)において、41、42、43は
ピンを中心にして糸位置規制装置7、ピストンロッド4
6、エアーピストン本体44が回転できる構造を示してい
る。エアピストン本体44に圧気配管45を通じて圧気を、
エアーピストン44が突き出すように導入することによ
り、トラバース装置から糸を外すことができる。
〔実施例〕
常法により、ポリウレタン弾性糸を紡糸して、本発明
法、比較例1(特開昭47−27634号公報)、比較例2
(特公平1−22195号公報)、参考例(非公知の先願で
ある特願昭63−223288号)の4方法で、自動切替成功率
を比較した。
その結果を第1表に示す。
なお、本発明方法では巻取装置としては第1図(A)
に示すようなものを用い、空ボビンとフリクションロー
ルとの間隔としてA=58mmを採用した。
また、満ボビンへの糸の供給停止としては、第2図
(B)、(C)で示すようなブレーキを用いて満ボビン
の回転を0.5秒未満で完全停止させる方法を採用した。
また、切断端糸を空ボビン上に固定させるに際しては、
第1図(A)、第6図に示すような糸位置規制装置を用
いて実施した。
また、フリクションロールを空ボビンに接触させた後
も空ボビンに糸が約300〜400回巻き付くまで空ボビンの
回転を、第2図(B)に示す空ボビン駆動専用ビルトイ
ンモーター33によって実施した。
また、自動切替が終了してトラバース装置から解放さ
れていた糸を再びトラバース装置に復帰させるに際して
は、第5図に示す仕切り部材11を使用した。
以上、実施例よりわかるように、ブレードカットのな
い普通のボビンを用いて、弾性糸の巻き取りの自動切替
成功率を完全なもの(100%)にし、ひいてはボビンの
製作コストを低減でき、ボビンの強度の向上も図り得る
利益がある。
〔発明の効果〕
本発明による弾性糸の自動切替方法によれば、ブレー
ドカット等の糸把持の工夫のない普通のボビンを用い
て、巻き玉からボビンへの糸の付け替え、すなわち自動
切替の成功率が飛躍的に向上し、結果として糸付け失敗
時のフリクションロールへの糸巻き付きのトラブルを著
しく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は、本発明方法を実施するための装置の一
例を示す斜視図、第1(B)図はトラバース装置の概念
図、第2図(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明
方法を具体的に実施するための装置の機構、構造を示す
説明図、第3図(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)、(F)、(G)は、本発明方法を説明する作用
説明図、第4図(A)、(B)、(C)、(D)は、糸
断端糸Gの空ボビン上への固定について説明した説明
図、第5図は、仕切り部材が作動している様子を説明す
る本発明方法を実施する装置の一例を示す斜視図、第6
図は、本発明に係る糸位置規制装置が作動している時の
糸の走行位置を説明する説明図である。 1……フリクションロール、2……トラバースボック
ス、3……トラバース装置、4……ターレット板、5、
6……ボビン軸、7……糸位置規制装置、8……空ボビ
ン、8′……満ボビン、9……昇降座板、10……巻取装
置本体、12……ゴデットロール、13……ハウジング。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動のボビンキャリアと、該ボビンキャリ
    アに回転可能に載せられ、満ボビンと空ボビンとを搭載
    する第1および第2ボビン軸と、動力源に連結された、
    垂直方向に可動のフリクションロールと、ボビン上に巻
    き取られるように弾性糸をトラバース運動させるトラバ
    ース装置とを具備した巻取装置上で前記満ボビンに巻き
    取られた弾性糸を満ボビンから空ボビンに自動的に切り
    替える弾性糸の自動切替方法であって、下記(a)〜
    (k)の各工程を有することを特徴とする弾性糸の自動
    切替方法。 (a)弾性糸をボビン上に巻き付けるためにフリクショ
    ンロールを第1ボビン軸に搭載されたボビンに接触させ
    る工程、 (b)ボビン上に弾性糸が巻き付けられている間、トラ
    バース装置で前記弾性糸をトラバースさせる工程、 (c)満ボビンが第1ボビン軸上で巻き上がった時に、
    第2ボビン軸上の空ボビンをフリクションロールの回転
    速度と実質的に同一速度で回転させる工程、 (d)フリクションロールと満ボビンの間に間隙が生じ
    るように前記フリクションロールを上方に動かす工程、 (e)満ボビンの回転速度をフリクションロールの速度
    と実質的に同一速度で維持する工程、 (f)フリクションロールに対し満ボビンと空ボビンの
    位置を入れ替え、フリクションロールと満ボビンとの間
    で伸長された弾性糸に空ボビンを接触させるためにボビ
    ンキャリアを動かす工程、 (g)トラバース装置から弾性糸を外す工程、 (h)弾性糸から切断されるように満ボビンの回転を急
    停止する工程、 (i)空ボビン上に弾性糸を巻き付け始めるために、空
    ボビンに弾性糸の切断端を接触させる工程、 (j)トラバース装置に弾性糸を捕捉させる工程、 および(k)フリクションロールを空ボビンに接触させ
    る工程。
  2. 【請求項2】前記ボビンキャリアが回転可能なターレッ
    トタイプであり、前記ボビンキャリアを動かす工程が、
    空ボビンと満ボビンの位置を切り替えるために前記ター
    レットタイプのボビンキャリアを回転させる副工程を含
    むことを特徴とする請求項1記載の弾性糸の自動切替方
    法。
  3. 【請求項3】前記ボビンキャリアを動かす工程が、空ボ
    ビンとフリクションロールの距離を少なくとも約5mmに
    保ちながら弾性糸と空ボビンを接触させる副工程を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の弾性糸の自動切替方
    法。
  4. 【請求項4】前記トラバース装置から弾性糸を外す工程
    が、凹形状の糸位置規制板に弾性糸を入れ、トラバース
    装置から弾性糸を外すために糸位置規制板を動かす副工
    程を含むことを特徴とする請求項1記載の弾性糸の自動
    切替方法。
  5. 【請求項5】前記フリクションロールを空ボビンに接触
    させる工程が、空ボビン上に弾性糸が50〜1000回巻き付
    けられるまで、空ボビンを積極的に回転させる副工程を
    含むことを特徴とする請求項1記載の弾性糸の自動切替
    方法。
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