JP2842364B2 - カラーグラフィック描画システム及び描画方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、カラーグラフィッ
ク描画システムに関し、特に様々な色から色へと変化す
る任意のグラフィックを容易に描画することを可能とす
るカラーグラフィックス描画システム及び描画方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンピュータグラフィックシステ
ムにおいては、グラフィックの作成者がカラーＣＲＴ等
の表示装置に表示される色を見ながらグラフィックを作
成することを基本としたシステムが一般的であるため、
グラデーション等で色を微妙に変化させる場合には、グ
ラフィックシステムが予め備えている色パターンを使用
することにより描画を行なっている。すなわち、ある特
定の色と色の変化のパターンを、予め用意されているパ
ターンから選択することによって描画を行なっていた。

【０００３】なお、システムが予め備えている色パター
ンを使用することにより描画を行う技術に関する記述と
しては、例えば、特開平３−１０３９０３号に開示され
るものが存在する。この特開平３−１０３９０３号にお
いては、３次元グラフィックの対象である加工物の各面
に、指定パターンによって色を描画する内容が開示され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のグラフィックシステムにあっては、予め決められた色
のパターンを選択して組み合わせる方法であるため、任
意の色の組合せによって色が微妙に変化するグラフィッ
クを描画することが困難であった。

【０００５】また、従来のグラフィックシステムにあっ
ては、色の変化のパターンが予め用意されているだけで
あるため、任意の色の変化パターンを容易に描画するこ
とが困難であった。

【０００６】本発明は、上記従来の欠点を解消し、様々
な色から色へと変化する任意のグラフィックを容易に描
画することを可能とするカラーグラフィック描画システ
ム及び描画方法を提供することを目的とする。

【０００７】また、本発明の他の目的は、ある任意の位
置を基点として周囲に向かって色が変化するようなグラ
フィックを容易に描画することのできるカラーグラフィ
ック描画システム及び描画方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のカラーグラフィック描画システムは、色の
描画範囲を指定する範囲指定手段と、指定された範囲内
において基準位置と基準色を含む色の基準を設定する基
準設定手段と、前記色の基準からの相対位置による色の
変化をＲＧＢの数値で表わす演算式を設定する演算式設
定手段と、前記描画範囲内の画素について前記演算式に
基づいてＲＧＢ値を算出する演算手段とを備えることを
特徴とする。

【０００９】請求項２の本発明のカラーグラフィック描
画システムは、前記基準設定手段は、前記色の基準とし
て、前記描画範囲内の任意の少なくとも１つの点におけ
る位置情報とＲＧＢ値を指定することを特徴とする。

【００１０】請求項３の本発明のカラーグラフィック描
画システムは、前記基準設定手段は、前記色の基準とし
て、前記描画範囲の境界線を示す位置情報とＲＧＢ値を
指定することを特徴とする。

【００１１】請求項４の本発明のカラーグラフィック描
画システムは、前記描画範囲内の全画素について、前記
演算手段によるＲＧＢ値の演算が終了したか否かを判断
する判断手段を備え、前記判断手段が前記描画範囲内の
全画素のＲＧＢ値の演算が終了したことを判別した時点
で、算出されたＲＧＢ値によって前記描画範囲に色を描
画することを特徴とする。

【００１２】請求項５の本発明のカラーグラフィック描
画方法は、色の描画範囲を指定するステップと、指定さ
れた範囲内において基準位置と基準色を含む色の基準を
設定するステップと、前記色の基準からの相対位置によ
る色の変化をＲＧＢの数値で表わす演算式を設定するス
テップと、前記描画範囲内の画素について前記演算式に
基づいてＲＧＢ値を算出するステップとを備えることを
特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して詳細に説明する。図１は、本発明の一実施
例によるカラーグラフィック描画システムの構成を示す
ブロック図である。図１において、本実施例のカラーグ
ラフィック描画システムは、カラーグラフィックの描画
範囲を指定する範囲指定手段１１と、指定した範囲内に
おいて色の基準（基準位置と基準色）を設定する基準設
定手段１２と、色基準からの相対位置による色の変化を
ＲＧＢで表わす演算式を設定する演算式設定手段１３
と、設定された演算式に基づいてＲＧＢ値を算出するＲ
ＧＢ演算手段１４と、指定範囲内の全ての画素について
演算式によるＲＧＢ値の算出が終了したかを判断する判
断手段１５と、算出されたＲＧＢ値に基づいて色を表示
するカラーＣＲＴ等の表示手段１６とで構成される。

【００１４】次いで、上記カラーグラフィック描画シス
テムによる描画処理について、図２のフローチャートを
参照して説明する。

【００１５】まず、範囲指定手段１１により、描画を行
なう範囲を表示手段１６の表示画面上で指定する（ステ
ップ２０１）。この範囲指定は、ポインティングデバイ
ス等を用いて実行される。また、範囲は、四角、丸、楕
円等の形によって指定することができる。

【００１６】次に、指定した範囲内において、基準設定
手段１２によって色変化の基準を指定する（ステップ２
０２）。例えば、色変化の基準を点で指定する倍には、
指定範囲内の任意の基点Ｐｔ（Ｘ＝ｓ，Ｙ＝ｔ）とその
基点Ｐｔに位置する画素の赤、緑、青の輝度を表わすＲ
ＧＢ値の初期値（Ｒ１，Ｇ１，Ｂ１）を指定する。

【００１７】図３に、指定範囲３０内で基点Ｐｔ（Ｘ＝
ｓ，Ｙ＝ｔ）とその基点Ｐｔに位置する画素のＲＧＢ値
の初期値（Ｒ１，Ｇ１，Ｂ１）を指定した状態を示す。

【００１８】さらに、基準設定後に、演算式設定手段１
３によって、指定範囲内で描画する色変化の演算式を指
定する（ステップ２０３）。この演算式としては、例え
ば、上記の基点Ｐｔからの相対位置による色の変化をＲ
ＧＢで表わす演算式Ｒ＝Ｒ（Ｘ−ｓ，Ｙ−ｔ）、Ｇ＝Ｇ
（Ｘ−ｓ，Ｙ−ｔ）、Ｂ＝Ｂ（Ｘ−ｓ，Ｙ−ｔ）を指定
する。

【００１９】上記基点Ｐｔ（Ｘ＝ｓ，Ｙ＝ｔ）から１０
画素毎に、赤の輝度Ｒが「１」変化する演算式は、以下
のように指定することができる。緑の輝度Ｇ及び青の輝
度Ｂについても同様である。

【００２０】

【数１】

【００２１】また、上記基点Ｐｔ（Ｘ＝ｓ，Ｙ＝ｔ）か
ら１画素毎に、赤の輝度Ｒが「１」変化する演算式は、
以下のように指定することができる。

【００２２】

【数２】

【００２３】図４に、指定範囲３０内での色の基準とし
てＸ座標値（Ｘ１）でＸ軸に垂直な境界線４０（指定範
囲３０の境界線）を指定した例を示す。ここでは、初期
値（Ｒ１、Ｇ１、Ｂ１）の基準線を基準にＸ軸方向にそ
ってＲＧＢ値が変化する演算式を以下のように指定す
る。

【００２４】Ｒｘ＝０．１×（Ｘ−Ｘ１）＋Ｒ１ さらに、指定範囲内で、２点或はそれより多い基点を指
定することも可能である。この場合、各基点毎にＲＧＢ
の初期値を指定する。また、基準として基準線と基点を
指定することも可能である。この場合、基点からの相対
位置による色の変化をＲＧＢで表わす演算式の算出結果
と基準線からの相対位置による色の変化をＲＧＢで表わ
す演算式の算出結果との合成によって色が決定する。

【００２５】演算式設定手段１３による演算式の設定に
おいては、利用者が直接演算式を入力することにって設
定してもよいし、予め設定されている複数種類の演算式
から利用者が選択して設定するように構成してもよい。

【００２６】演算式の設定後は、指定した範囲内の全て
の画素についてＲＧＢ値の演算が終了したかどうかを判
断手段１５によって判断しながら（ステップ２０４）、
ＲＧＢ演算手段１４によって上記設定された演算式に基
づいてＲＧＢ値を算出する（ステップ２０５）と共に、
その演算によって求められたＲＧＢ値に基づいて色を表
示手段１６上に表示する（ステップ２０６）。

【００２７】これにより、指定範囲内において設定した
基準を中心に、ＲＧＢの演算式によって算出された色の
変化を描画することが可能となる。従って、画素単位で
色の変化を制御することができると共に、色が自然にか
つなめらかに変化する様々な色の組合せからなるグラフ
ィックを自在に描画することができるようになる。

【００２８】なお、本発明は上述した例に限定されるも
のではなく、その技術思想の範囲内において様々に変形
して実施することができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のカラーグ
ラフィック描画システム及び描画方法によれば、ＲＧＢ
値の演算式によって各画素の色を算出する構成としたの
で、様々な色から色へと変化する任意のグラフィックを
容易に描画することが可能となる。また、ある任意の位
置を基準として周囲に向かって色が変化するようなグラ
フィックを容易に描画することのできるようになる。

【００３０】また、本発明によれば、色の基準となる基
点や境界線を任意に指定することができるので、描画範
囲の任意の場所に色の極を設定することができる。従っ
て、プレゼンテーション資料等のグラフィックにおいて
本発明を適用すれば、最も強調したい対象に色の極を設
定することができ、説得力のある資料を作成することが
できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例によるカラーグラフィック
描画システムの構成を示すブロック図である。

【図２】 本発明の一実施例によるカラーグラフィック
描画システムによる描画処理の内容を説明するフローチ
ャートである。

【図３】 指定範囲内で基点Ｐｔ（Ｘ＝ｓ，Ｙ＝ｔ）と
その基点Ｐｔに位置する画素のＲＧＢ値の初期値（Ｒ
１，Ｇ１，Ｂ１）を指定した状態を示す図である。

【図４】 指定範囲内での色の基準としてＸ軸に垂直な
基準線（指定範囲の境界線）を指定した例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１１ 範囲指定手段 １２ 基準設定手段 １３ 演算式設定手段 １４ ＲＧＢ演算手段 １５ 判断手段 １６ 表示手段

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 色の描画範囲を指定する範囲指定手段
   と、 指定された範囲内において基準位置と基準色を含む色の
   基準を設定する基準設定手段と、 前記色の基準からの相対位置による色の変化をＲＧＢの
   数値で表わす演算式を設定する演算式設定手段と、 前記描画範囲内の画素について前記演算式に基づいてＲ
   ＧＢ値を算出する演算手段とを備えることを特徴とする
   カラーグラフィック描画システム。
2. 【請求項２】 前記基準設定手段は、前記色の基準とし
   て、前記描画範囲内の任意の少なくとも１つの点におけ
   る位置情報とＲＧＢ値を指定することを特徴とする請求
   項１に記載のカラーグラフィック描画システム。
3. 【請求項３】 前記基準設定手段は、前記色の基準とし
   て、前記描画範囲の境界線を示す位置情報とＲＧＢ値を
   指定することを特徴とする請求項１に記載のカラーグラ
   フィック描画システム。
4. 【請求項４】 前記描画範囲内の全画素について、前記
   演算手段によるＲＧＢ値の演算が終了したか否かを判断
   する判断手段を備え、前記判断手段が前記描画範囲内の
   全画素のＲＧＢ値の演算が終了したことを判別した時点
   で、算出されたＲＧＢ値によって前記描画範囲に色を描
   画することを特徴とする請求項１に記載のカラーグラフ
   ィック描画システム。
5. 【請求項５】 色の描画範囲を指定するステップと、 指定された範囲内において基準位置と基準色を含む色の
   基準を設定するステップと、 前記色の基準からの相対位置による色の変化をＲＧＢの
   数値で表わす演算式を設定するステップと、 前記描画範囲内の画素について前記演算式に基づいてＲ
   ＧＢ値を算出するステップとを備えることを特徴とする
   カラーグラフィック描画方法。