JP2841306B2 - 液晶ディスプレイ - Google Patents

液晶ディスプレイ

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JP2841306B2
JP2841306B2 JP2156599A JP15659990A JP2841306B2 JP 2841306 B2 JP2841306 B2 JP 2841306B2 JP 2156599 A JP2156599 A JP 2156599A JP 15659990 A JP15659990 A JP 15659990A JP 2841306 B2 JP2841306 B2 JP 2841306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、強誘電性液晶(FLC)をはじめとする液晶
を用いたディスプレイに関する。
液晶ディスプレイは、例えば入射光(場合により反射
光)を電気的スイッチングによって調整することによっ
て、光透過特性を変化させるデバイスである。液晶ディ
スプレイは、よく知られているように、時計や電卓の表
示部や、OA(オフィスオートメーション)やTV(テレビ
ジョン)の表示部として使われている(液晶デバイスハ
ンドブック,日刊工業新聞社,1989,ISBN 4−526−02590
−9 C 3054、及びここに引用されている文献を参照のこ
と)。
強誘電性液晶組成物を使った電気光学的スイッチング
素子、ディスプレイ素子は、例えば、欧州特許第0,032,
362号(=米国特許第4,367,924号)等に例示され、良く
知られている。FLCディスプレイ素子は、少なくとも一
つの配向膜、電極、ガラス等の外板の順に並べられた基
板としてFLC層からなり、FLC層を上記基板により挟持す
る構造をとる。そのほかゲスト・ホスト方式あるいは反
射方式で使用する場合には1枚の偏光子を、復屈折方式
で使用する場合には2枚の偏光子を含む。スイッチング
素子、ディスプレイ素子は、希望によっては例えば拡散
防止層、絶縁層等の補助層を有していてもよい。
配向膜を有機物質(例えばポリイミド、ポリアミド)
又は無機物質(例えばSiO)によって形成し、電極基板
の間隔を充分に小さくなるように選択すると、FLC分子
は長軸方向に互いに平行に並んだ配置をとり、スメクチ
ック平面は配向膜に対して垂直又は斜めに配置される。
この配置において分子は公知のように2種類の等価の配
向を有し、パルス化電場を与えることによってこれらの
配向が切換えられる、すなわちFLCディスプレイは2種
類の双安定スイッチングが可能である。スイッチング時
間はFLC混合物の自発分極に逆比例し、マイクロ秒のオ
ーダーである。
このような、強誘電性液晶ディスプレイの一番の長所
は、現在工業的に生産され、ほぼ入手可能なLCディスプ
レイと比較して、マルチプレックス容量、すなわち、時
分割マルチプレックス駆動においてアドレス指定できる
ターゲットの数が、従来のLCディスプレイよりもはるか
り多いということである。この電気的アドレス法は、本
質的に前記のパルスによるアドレス指定に基づいてお
り、例えばSID 85 DIGEST p.131(1985)に一つの例が
記載されている。
スメクチックC*層の液相材料は粘度が低く、従って
スイッチング時間が短いため、FLCディスプレイに用い
るのに適当である。
FLCディスプレイの特性を示す重要なパラメーターは
次の通りである。
(a) 最大明度(明状態における透過) (b) 最大コントラスト(明状態における最大透過と
暗状態における最大透過の比) (c) 画像発生速度(あるいは画素のアドレス速度) 本発明の目的は、改良された明るさ、改良されたコン
トラスト及び改良されたスイッチング時間を有する液晶
ディスプレイ、特に強誘電性液晶ディスプレイ素子を提
供することがある。
この目的をより詳細に明らかにするために、FLCディ
スプレイを例にとり、その明度(又は明状態における透
過)、コントラスト及びスイッチング時間について以下
により詳細に説明する。
(a) FLCディスプレイにおいては明状態における最
大透過T(明)は周知のように等式(E)によって良く
近似される。
T(明)=sin2(πΔnd/λ)・ sin2(4Θeff) (E) 式中、Δn =復屈折率(単軸近似) d =FLCの層の厚さ λ =真空中の光の波長 Θeff=有効傾斜角 理想的な場合においてはT(明)は1(又は100%)
である。
等式(E)のsin2(πΔnd/λ)は、Δn及びdを可
視光線の波長に合わせることによって容易に最適化でき
るが、Θeffは通常は最適値である22.5゜より相当小さ
いため、材料の変更によってsin2(4Θeff)を最適化
することは難かしい。
いわゆるシェブロン構造(T.Rieker et al.,1986,Abs
t.11th Int.Liq.Cryst.Cotf.,(Berkeley,1986)等を参
照のこと)においては、周知のように現在入手可能な材
料のΘeffは約8゜以下しかなういため、最大透過T
(明)が0.28%となり、これはFLCディスプレイの光出
力の72%のロスに対応する。
傾斜角の点に関しては、例外として酸化ケイ素(Si
O)を斜方蒸着した配向膜を有するFLCディスプレイがあ
るが、これを形成するためにはコストの高い工程が必要
である。
後述のように、本発明によるFLCディスプレイは非常
に高い有効傾斜角を有し、そのため明状態において非常
に高い透過が得られ、かつ、その製造において経済的に
好ましくない蒸着工程を必要としない。
(b) コントラストは、明状態と暗状態における透過
の比である。現在、FLCディスプレイでは最大5〜10の
コントラスト値が得られる。これらの値は、多くの用
途、例えばTVに用いるには小さすぎるが、これは明状態
における不充分な透過ばかりでなく暗状態における高い
残留透過のためである。直交する偏光子第合の残留透過
は、液晶組織が青みを帯びることによって容易に検出で
きる。この現像は、ラビングしたポリイミド、ポリアミ
ド等の勇気配向膜が使用されている限り、これまでに知
られたすべてのFLC材料において見られる。
繰り返すが、真空斜方蒸着という高価な処理を行った
SiOは例外的なものである。この場合、暗状態における
非常に低い透過と非常に高いコントラスト値を得ること
が可能であり、技術文献においては100%の値すら報告
されている。
後述のように、本発明によるFLCディスプレイは、ポ
リイミド、ポリアミド等の低コストで製造できる通常の
配向膜を基にしているにかかわらず、TVへも充分に適用
できるような高いコントラスト値を有する。
(c) 画像発生の速度あるいは画像信号周波数は、FL
Cディスプレイの走査線の数及び電気的スイッチング・
パルスの持続時間によって表される。そのスイッチング
・パルス幅が短いほど画像発生は早くなる。一方、スイ
ッチング時間は、FLC材料、特にその自発分極(P)及
び粘度(γ)に依存する。
回転変形の粘度係数(γ)は充分に低い値には減少で
きないため、スイッチング時間を短くするためにはPを
増加させることが適当である。しかし現在のところPの
増加は、おそらくはイオン不純物によって生ずる逆スイ
ッチング効果のために阻害されている。このことは関連
文献に「表面メモリー効果」、「逆スイッチング」、
「残像」等の用語で記載されている(J.Dijon et al.,S
ID conference, San Diego,1988,p2−249等)。
イオン不純物が存在するために、以前に書き込まれた
画像(残像)を完全に消すためには画像を数回書き込ま
なければならない。この現像はFLCディスプレイの経済
的可能性をかなり制限し、FLC材料の自発分極が高くな
ればなるほどより強くなる。
驚くべきことに、親油性化合物又は親油化化合物(以
下、親油性化合物という)が、液晶ディスプレイ中のイ
オン不純物を捕らえ、かつ、例えばディスプレイにおけ
る配向膜と液晶層との間の親水性相互作用を低下せ、そ
のことによってFLCスイッチング素子、ディスプレイ素
子のコントラストと明度を大幅に改善することが明らか
になった。
従って本発明は、液晶ディスプレイの構成要素の少な
くとも1つに親油性化合物が1種類もしくは2種類以上
含まれる液晶ディスプレイに関する。特に、本発明は少
なくとも1つの配向膜を含む液晶ディスプレイにおい
て、上記配向膜が、その表面もしくは内部に、配向膜と
液相層との間の親水性相互作用を低下させる(すわなち
配向膜と液相層との界面張力を実質的に減少させる(成
分を含む液相ディスプレイに関する。本発明による液相
ディスプレイは、特にFLCディスプレイに適している。
上記においては、液晶ディスプレイの構成要素として
は、透明支持板、電極、配向膜、液晶、スペーサー、シ
ール部、カラーフィルター、保護膜、絶縁層、中間層、
偏光子が挙げられる。
親水性相互作用が減少することによって、FLCディス
プレイのコントラストが実質的に高くなり、画面が非常
に明るくなる(相互作用に関しては、ノイミラー(O.A.
Neumiiller)、レンプス・ケミー・レキシコン(Rmp
ps Chemie Lexikon,8th Ed.Frankh′ sche Verlagsbuch
handlung,Stuttgart 1988,p.1795−96,2379,4469,460
3)及びその中に引用された文献を参照のこと)。又、F
LC以外の液晶の場合においても本発明によれば、液晶デ
ィスプレイ中のイオンがとれらえためコントラストの向
上が図られる。
以上のように、本発明の液状ディスプレイにおいて
は、適当な物質もしくはそれらの混合物(以下に詳細に
述べる)を配向膜等の液晶ディスプレイの構成要素の少
なくとも1つに適用し、配向及び/又はスイッチング挙
動に影響を与えることによって、高いコントラスト及び
明度が得られ、特にFLCディスプレイにおいては高価なS
iO斜方蒸着法を選択せずに所望の高いコントラスト及び
明度が達成できる。
この方法に有用な物質は、配向膜への適用に際し、配
向膜に化学的に結合させることも、あるいは強い若しく
は弱い物理吸着層として単に塗布することもできる。
親水性相互作用を減少させるディスプレイ内の成分
(親油性物質)は、配向膜と液晶層との間に追加的な中
間層として加えることもできるが、単純な混合成分とし
て配向膜の材料に添加してもよい。更に、化学反応によ
り該物質を配向膜の材料に結合させることも可能であ
る。
例えば、適当な化合物をアセント、トルエン、N−メ
チルピロリドン等の溶液として印刷、浸漬、散布、スピ
ンコート等をすることにより有効な上記中間層を形成す
ることができる。単純蒸着法又は反応性蒸着法(例えば
「化学蒸着(CVD)」等の真空蒸着法も適当である。
この有効中間層は、FLCディスプレイ製造プロセスの
幾つかの段階、例えば配向膜の硬化又は乾燥の直後、ラ
ビング工程の前又はセルを相互接合する直前に貼り付け
ることができる。同様に、この物質の又はその混合物を
配向膜の湿膜に塗布し、配向膜との同時に硬化すなわち
加熱してもよい。
この有効物質又はその混合物を配向膜の製造用に調整
されたポリマー溶液又はポリマー前駆体溶液中に混合
し、一工程で一緒に配向膜を形成することも有利であ
る。
この有効化合物は、原則として、モノマー、オリゴマ
ー又はポリマー化合物の何れかである。一般に、この化
合物は高い新油性と低い極性を有する。使用される配向
膜は、基本成分としてポリイミド又はポリアミドを含む
ことが好ましい。この場合、配向膜はポリイミド又はポ
リアミドを50〜99.99重量%、1種以上の有効化合物を
合計0.01〜50重量%含有することが好ましい。ポリアミ
ド、ポリイミド等の一般に配向膜として適する材料は、
例えばバハデウール(Birendra Bahadur),Mol.Cryst.L
iq.109.1(1984)に記載されている。
本発明の親油性化合物は、配向膜以外にも、絶縁層、
電極、透明支持板、又は偏光子等に添加してもよい。
以下に本発明において用いられる親油性化合物の好ま
しい例を示す。
本発明において使用される親油性化合物は、好ましく
は環状の又は環状あるいはかご状を形成しうる構造を有
する親油性化合物、さらに好ましくはイオンに対する錯
体配位子であって、一般式(I): 〔式中、a,b,c,d,e,fは互いに独立に0〜4の整数であ
り、a+b+c+d+e+>7であり、 −A−,−B−,−C−,−D−,−E−,−F−は
同一もしくは異なる基であって、 −CH2−,−CHR−,−CH=CH−,−CR=CR′−,−C
≡C−, (上記式中、RはC1〜C12のアルキル基であり、R′はC
1〜C12のアルキル基であって、−CH2−基が−O−,−C
OO−もしくは−OCO−によって置換されていてもよく、
又はフェニル基、Cl,FもしくはCN基である)のいずれか
の基である。〕 で示される、1種類もしくは2種類以上の大環状化合物
である。
好ましくは、式(I)において、a,b,c,d,e,f,R,R′
は上述の通りであり、−B−,−C−,−E−,−F−
は−CH2−であり、−A−,−D−は同一もしくは異な
る基であって、 −CH2−,−CHR−,−CH=CH−,−CR=CR′−, のいずれかの基である。
特に好ましくは、一般式(I)において、a,b,c,d,e,
fが互いに独立に、0〜3の整数であり、 −B−,−C−,−E−,−F−は−CH2−であり、
−A−,−D−は同一もしくは異なる基本であって、 (式中、RがC1〜C12のアルキル基であり、R′がC1〜C
12のアルキル基又はフェニル基である)のいずれかの基
である。
さらに好ましくは、−A−,−D−は のいずれかの基である。
一般に、本発明による配向膜等は、上記の大環状化合
物を0.01〜10モル%、特に0.1〜10モル%含む。
又、本発明において用いられる親油性化合物は、イオ
ンフォアとして作用する一般式(II): (式中、R1,R2,R3,R4は互いに独立に1つの−CH2−基が
−COO−,−CO−又は−O−によって置換されうるC1〜C
15のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベ
ンジル基であり; ΧはC2〜C9のアルキレン基であって、1個もしくは2
個の非隣接−CH2−基が−O−によって置換されていて
もよく、2個の隣接−CH2−基が1,2−フェニレンもしく
は1,2−シクロヘキシレンによって置換されていてもよ
く、2個の隣接−CH2−基は−CH(CH3)−CH(CH3)−
によって置換されていてもよく、又−CH2−基の水素原
子がR5もしくはR6によって置換されていてもよく、R5
C1〜C15のアルキル基、R6はC1〜C15のアルキル基又は−
CH2−O−CH2−CO−NR1−R2である) で示される1種類もしくは2種類以上のアミドでもよ
い。
一般式(II)で示されるアミドは、好ましくは一般式
(II)において、R1,R2,R3,R4が互いに独立に、1つの
−CH2−基が−COO−もしくは−O−によって置換されう
るC1〜C15のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニ
ル基であり; ΧがC2〜C9のアルキレン基であって、1個又は2個の
非隣接−CH2−基が−O−によって置換され、2個の隣
接CH2が1,2−フェニレンもしくは1,2−シクロヘキシレ
ンによって置換され、2個の隣接−CH2−基が−CH(C
H3)−CH(CH3)−によって置換されていてもよく、CH2
基の水素原子がR5又はR6(R5,R6は互いに独立にC1〜C15
のアルキル基である)によって置換されていてもよい。
特に好ましいのは、式(II)において、R1,R2,R3,R4
が互いに独立に、1個の−CH2−基が−COO−によって置
換されうるC1〜C15のアルキル基、又はシクロヘキシル
基であり; ΧがC2〜C9のアルキレン基であって、1個もしくは2
個の非隣接−CH2−基が−O−によって置換され、2個
の隣接CH2基が1,2−フェニレンによって置換され、2個
の隣接−CH2−基がCH(CH3)−CH(CH3)−によって置
換されていてもよい場合である。
さらに好ましくは一般式(II)において、−Χ−は (式中、R1〜R6は上記の意味を有する)のいずれかの基
である。
非常に好ましくは、−Χ−は のいずれかの基である。
原則として、広範囲なイオノファアが配向膜等への使
用に適しているが、上記の式(II)のアミドが、ツイス
ト状態に抑制に特に適している。
本発明による配向膜等は、一般式(II)の化合物を0.
01〜10モル%、好ましくは0.1〜10モル%含む。
さらに又、本発明において用いられる親油性化合物
は、一般式(III): 〔式中、−Z−は−O−又は−S−であり; m,nは0より大きい整数であり、m+nは2〜6であ
る; −Χ−,−Χ−は同一もしくは異なる基であっ
て、 のいずれかの基であるか、又は−Χ−及び−Χ−が
一緒になって、 N−CH2(−CH2−Z−CH2−CH2−N 又は N−CH(−CH2−Z−CH2−CO−N (式中、−RはC1〜C15のアルキル基、アルカノイル
基、フェニル基、ベンジル基又は、ベンゾイル基であ
り、iは1又は2である)のいずれかの基である。〕、 又は一般式(IV): (式中、R1,R2,R3,R4は互いに独立に、 のいずれかの基であって、p,q,r,sは互いに独立に、2
〜4の整数であり、p+q+r+sは8〜16である。) で示される1種類もしくは2種類以上の化合物でもよ
い。
好ましくは、この化合物は一般式(IV)において、m,
nが0より大きい整数であり、m+nが2〜4であり、 −Χ−,−Χ−が同一もしくは異なる基であっ
て、 のいずれかの基であるか、又は−Χ−及び−Χ−が
一緒になって、 N−CH2(−CH2−O−CH2−CH2N (式中、−RはC1〜C15のアルキル基、アルカノイル
基、フェニル基、べンジル基又はベンゾイル基であっ
て、iは1又は2である。)であり、又、一般式(IV)
において、好ましくは−R1,−R2,−R3がともに−Hであ
り、−R4が、 のいずれかの基である。
本発明による配向膜等は、一般式(III)及び/又は
(IV)で示される親油性化合物を0.01〜10モル%、特に
0.1〜10モル%含むことが好ましい。配向膜等の中には
2種類以上の親油性化合物を含むこともでき、この場合
にはこれらの総量が0.01〜10モル%であり、好ましくは
0.1〜10モル%である。
極めて一般的には、本発明において、下記の3つのタ
イプの化合物が適している。
I 配向膜に好ましくは共有結合によって化学的にカッ
プリング可能な親油性化合物 この場合のカップリング官能基は、例えば−OH,−COO
H,−NH2,−SH,−NHR′,−COOR′,−COR′,−CHO,−C
N,−CNS,−CNO、又は−CH=CH2である。これらのカップ
リング可能な化合物は、環状の親油性基を含んでいても
よく、開鎖構造を有していてもよい。
さらに詳細には、開鎖化合物は一般式: X−R (V) (式中、RはC4〜C30のアルキル基又はアルケニル基で
あり、その中の非隣接CH2基が−O−,−CO−,−S
−,−COO−又は−Si(R′)によって置換されてい
てもよく、又はそのアルキル基又はアルケニル基のCH3
基は−CF3,−CF2Cl,−CFCl2,−CCl3又は−COORによって
置換されていてもよい; R′はC1〜C15のアルキル基であり; −Χは−OH,−COOH,−NH2,−SH,−NHR′,−COOR′,
−COR′,−CHO,−CN,−CNS,又は−CNOである。
II 物理的に吸着する環状親油性化合物 この場合、親油性化合物は、化学的な結合ではなく、
強い又は弱い分子間引力により配向膜の表面に保持され
る。表面へのカップリング強度は、極性基又は分極性基
の導入により増加させることができる。
III 脂肪族環を含むポリマー これは脂肪族環自身がヘテロ原子(O,S,N等)を含む
ことができるものである。このポリマーの一例は下記の
ものである。
(但しnは3〜1,000である)。
さらに、上記のIからIIIに属する親油性化合物は、1
00℃を越える温度が発生するLCディスプレイの製造及び
充填の工程において共通の特徴を有する。
すなわち、これらの化合物は、この工程中に蒸発しな
いように100℃より充分に高い沸点を有するべきであ
る。この点に関しては、8員環以上の環状化合物が好ま
しい。
実 施 例 以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。
(テストセルの構成) 本発明によりFLCディスプレイの有利な特性を説明す
るために、テストセルを作成し、セルにFLC混合物を充
填して試験を行った。テストセルの作成においては、4
×4mm2の電極面積を有するインジウム/錫酸化物(IT
O)で被覆したガラス基板を界面活性剤水溶液、続いて
エタノールで洗浄し、次にポリアミドカルボン酸のN−
メチルピロリドン(NMP)溶液を含む湿潤フィルムで被
覆した。被覆は「スピンコーター」法で行ったが、他の
方法、例えば圧力法や浸漬法によっても行うことができ
る。配向膜をベルベット様の布でラビングし、ガラス基
板を一緒に結合してテストセルを作成した。
以下の実施例においては、配向膜の親水性を減少させ
る物質を次に示す3つの方法によって配向膜の上に塗布
するか膜内に取り込ませることが好ましい。
(A) 親油性化合物を配向膜の材料であるモノマー前
駆体溶液中に混合するかあるいは配向膜の材料であるポ
リマー溶液と混合し、これらの溶液とともにスピンコー
トする。モノマー前駆体の場合はそのあと重合する。
(B) 配向膜の材料であるモノマー前駆体もしくはポ
リマーをスピンコートし、次に配向膜に化学的に結合で
きるような反応性基を有する親油性化合物を被覆する。
モノマー配向膜前駆体(ポリイミド)の場合には、化学
結合反応はイミド化反応と競合する。一方、あらかじめ
重合した配向膜を用いる場合には、ポリマー中に遊離官
能基(遊離カルボキシル基、水酸基、エステル基等)を
加えなくてはならない。
(C) あらかじめ被膜してラビングした配向膜に親油
性化合物をスピンコートする。この場合、接着は物理的
相互作用に基づいている。
ガラス基板を、ラビングの方向が平行になり、スペー
サーを用いて基板間隔が2μmとなるように結合し、液
晶テストセルを作成した。このようにして得られたテス
トセルを用いて、多くの異なった親油性化合物について
その電気光学的性質を検討した。
上記のA及びBの場合には、ラビングは中間層を塗布
した後に行われ、Cの場合には塗布前に行われる。
本発明によるディスプレイにおいては配向膜へ(中間
層として)適用された化合物の例を以下に示す。
下記の前駆体から重合によって得られたポリイミド層
は(Encyclopedia of Polymer Science and Engineerin
g,2nd Ed.,Vol.12,p.364−383,John Wiley & sons,New
York,1988,Eds.H.F.Mark,N.M.Bikalis,C.G.Overberge
r,G.Mengesを参照のこと)、本発明によるディスプレイ
の配向膜の一例である。
使用したFLC混合物Mは以下の組成(モル%)を有す
る。
Mの相系列はSC*61゜SA*69゜N*85゜Iであり、自
発分極は20℃において30nC・cm-2であった。
Z1からZ6までの化合物と前述の配向膜を用いて、本発
明のSSFLCテストセルを構成し、前述のFLC混合物を充填
した。FLC混合物を通常のSSFLCセルに注入すると、暗状
態でやや高い透過を示し、青味を帯びた外観を呈する。
この現象は、液晶のダイレクターが均一に分布していな
いことに起因する。このテストセルについて、2つの安
定なスイッチング状態における透過、これに関連する光
学的コントラスト、及びスイッチング角2Θeffあるい
は傾斜角Θeffを測定した。テストセルを偏光顕微鏡の
下におき、高速フォトダイオードを用いてスイッチング
のプロセスを記録した。自由にプログラムできるパルス
発振器を用いて、テストセルに両極性パルスもしくは同
様の形のパルスを与えた。必要な増幅度を得るために増
幅器を使用した。傾斜角は、顕微鏡の回転台にゴニオメ
ーターを装着して測定した。
(実施例1) 前記手法(A)に従って、配向膜中に親油性化合物を
含ましめたディスプレイに関して測定した。親油性化合
物はポリイミドは配向膜の前駆体溶液に加えた。すなわ
ち、各場合において、10重量%のZ2あるいは5重量%Z5
(固体量基準)をポリイミド前駆体に加え、2.5%のN
−メチルピロリドン溶液とした。つぎにこの溶液をスピ
ンコーティングによってガラス基板に塗布し、ITO電極
で被覆した。この混合物を200℃で1〜2時間加熱して
重合し、さらにイミド化してポリイミドを得た。ガラス
基板をラビングし、基板と共に結合してテストセルを作
成した。セルギャップは、ガラススペーサーを用いて2
μmに設定した。
FLC混合物Mを含むテストセル(対照セル)及びこの
セルの配向膜中に親油性化合物(Z2又はZ5)を含むセル
を用いて測定したスイッチング角を表1に示す。
本発明によるテストセルにおいては、親油性化合物を
含む配向膜を有するFLC混合物は著しく大きいスイッチ
ング角を示し、明状態において高い明度が得られた。同
時に、暗状態における透過も又減少し、光学的コントラ
ストは著しく改良された。
すなわち、上記セルの配向膜中のイオン不純物をZ2又
はZ5に取り込ませることにより、配向膜中のイオン不純
物の移動度を極度に低下させることができた。従って、
配向膜からの拡散によるネマチック液晶組成物中へのイ
オン不純物の侵入を、錯体化によって防ぐことができ
た。これにより、上記セルを用いたディスプレイにおい
て、残像現象を伴わない良好な表示が得られた。
(実施例2) 上記手法(B)に従って、配向膜に化学結合によって
追加層を塗布したセルに関して測定した。実施例1のポ
リイミドにおいて、親油性化合物を結合するための遊離
の能基を残すために不完全なイミド化を行った。100℃
においてZ3及びZ6は数秒間、Z5は20分間予備イミド化を
行った。次に各場合においてこの化合物の3%メチルエ
チルケトン溶液をガラス基板にスピンコートし、200℃
で1時間加熱処理して配向膜のイミド化と追加膜の化学
結合を終了させた。
本発明によれSSFLCセルにFLC混合物Mを注入し、その
測定結果を通常のテストセルを用いた測定値と比較し
た。
スイッチング角(2Θeff)とともに、非常に暗い均
一領域の面積と青味を帯びたツイスト領域の面積の比を
測定した。この測定結果を表2に示す。
この実施例においても、本発明によるテストセルは大
きいスイッチング角及び著しく小さいツイスト領域面積
(周知のようにツイスト状態はコントラストを弱くす
る)を示した。さらに、上記セルにより、実施例1と同
様に残像現像を伴わない良好な表示が得られた。
(実施例3) 前記手法(C)に従って、あらかじめラビングした配
向膜に中間層を塗布した試験を行った。実施例1のポリ
イミド前駆体をN−メチルピロリドンに溶解し、ガラス
基板にスピンコートした。次に200℃で3時間イミド化
を行い、ラビング装置でポリイミドの表面をラビング処
理した。添加物をアセトンに溶解して0.5重量%溶液と
し、同じくスピンコーティングによってガラス基板に塗
布した。Z1あるいはZ4を含む追加膜を乾燥した後、基板
を結合してテストセルを作成した。
この場合にも、傾斜角(Θeff)によって本発明のテ
ストセルの特性を表した。表3にFLC混合物Mを用いた
場合の結果を示す。
さらに、上記セルにより、実施例1と同様に残像現象
を伴わない良好な表示が得られた。
(実施例4) セルギャップを8μmとし、下記に示す組成のネマチ
ック液晶を用いて、実施例1と同様にテストセルを作成
し、スイッチング角を測定した。
上記セルの配向膜中のイオン不純物をZ2又はZ5に取り
込ませることにより、配向膜中のイオン不純物の移動度
を極度に低下させることができた。すなわち、配向膜か
らの拡散によるネマチック液晶組成物中へのイオン不純
物の侵入を防ぎ、ネマチック液晶組成物を低イオン濃度
に保つことができた。
(実施例5) 実施例4において、Z2又はZ5を配向膜中ではなくネマ
チック液晶組成物中に含有させて作成したセルを用いた
場合にも、実施例4と同様の効果が得られた。
(実施例6) 実施例1及び実施例4において、配向膜中にZ2又はZ5
を含有させずに、セル作成時に用いたシール材(エポキ
シ樹脂)中にZ2又はZ5を含有させて作成したセルにおい
ても、液晶組成物中のイオン濃度を低下させることがで
きた。
(実施例7) 8−シクロヘキサデカン−1−オン(シス、トランス
の混合物)2.0gを70%メタクロル過安息香酸6.0gととも
に50mlのジクロロメタン中で16時間還流した。冷却後、
沈殿したメタクロロ安息香酸を濾過して除去し、濾液を
2N炭酸ナトリウム四液及び水で洗浄し、乾燥して濃縮し
た(収量1.95g)。これをクロマトグラフィ(SiO/ヘキ
サン/酢酸エチル、95:5)で精製し、粘度の高い透明な
液体1.1gを得た。この液体は放置すると結晶した。NMR
及び質量分析によって上記の構造が確認された。
(実施例8) 同様にして、シクロヘキサンデカノン2.0g及び過安息
香酸4gから飽和ラクトン(2−オキサシクロヘプタデカ
ン−1−オン)のワックス様の軽い結晶質を得た。
(実施例9) シクロヘキサデカノン1gに濃縮硫酸1mlを加え、これ
を20℃においてクロロホルム10mlに溶解し、撹拌しなが
らアジ化ナトリウム0.5gを少しずつ加えた。この混合物
を1時間還流させ、氷上に注いだ。次にクロロホルム相
を分離して乾燥し、濃縮した。重量1.0g。クロマトグラ
フィー(SiO2/酢酸エチル)によって0.4gの結晶を得
た。融点120〜121℃。IR,NMR,質量スペクトルによて、
上記17員環ラクタム構造を確認した。
(実施例10) 対応するケトンからエタノール中、NaBH4を用いた換
言により調整した8−シクロヘキサデセン−1オン2.0g
を、イソシアン酸フェニル1gとともにジクロロメタン20
mlで中で3時間還流させた。この溶液を濃縮し、クロマ
トグラフィ(SiO2/ヘキサン:酢酸エチル=95:5)によ
って精製し、結晶800mgを得た。融点86〜87℃。分析デ
ータによって、上記の構造を構造を確認した。
(実施例11) 8−シクロヘキサデセン−1−オン20gをエーテル50m
lに溶解し、3フッ化ホウ素エーテル1mlを加えた。この
溶液に、エーテル325mlに溶解したジアゾメタン145mmol
を、氷冷、撹拌しながらすみやかに脱色するような速度
で滴下した。半量の溶液を加えた後、さらに3フッ化ホ
ウ素エーテル1mlを加えた。すべての溶液を加えた後、
この溶液をNa2CO3溶液及び水で洗浄して乾燥し、濃縮し
て粗精製物24gを得た。GC分析によれば、この生成物は
シクロヘキサデカノン、シクロヘプタデカノン、シクロ
オクタデカノン、シクロノナデカノンの混合物を含んで
いた。スピニングバンド(spinnig band)蒸留法によっ
てこの物質を分離した。各化合物の沸点は約10℃違い、
C18ケトンの沸点は0.1mmにおいて145℃であった。精製
は分取クロマトグラフィーを用いて行った。
(実施例12) 文献(B.D.Mookherjee,R.W.Trenkle,R.R.Patel,J.Or
g.Chem.36,3266(1971)等)によって公知の方法に従っ
て、上記化合物を合成した。
(実施例13) 以下の8成分(モル%)から液晶基本混合物Bを調製
した。
この混合物の相系列及び相転移温度は、 SC69゜SA76゜N92゜I であった。
ドーパントの例としては下記の化合物を用いた。
上述のデータを考慮して、上記の基本混合物、ドーパ
ント、及び後述の大環状化合物を用いて以下の実施例に
示すFLC混合物を調製した。この混合物をテストセルに
充填し、スイッチング角、光透過特性、及びコントラス
トを測定してツイスト状態の抑制の判断基準とした。
実施例A1 比較に用いたFLC混合物(M1)の組成(モル%)を以
下に示す。
液晶基本混合物B 78.3% ドーパントD1 4.7% ドーパントD2 9.0% ドーパントD3 8.0% この混合物の相系列及び相転移温度は、 SC*60゜SA*70゜N*79゜I であり、自発分極は55nC・cm-2であった。
この比較混合物M1と、この混合物に実施例12に述べた
大環状化合物を加えたFLC混合物について、それぞれス
イッチング角(2Θeff)、明状態と暗状態における光
透過性、及び光学的コントラストを測定した。測定は、
測定セル(EHC社、東京)にそれぞれのFLC混合物を充填
し、このテストセルを回転台のついた偏光顕微鏡の下に
並べて行った。
電圧を印加したセルのスイッチング角は、顕微鏡の台
を回転させることによって測定した。明状態と暗状態の
光透過性は、偏光顕微鏡の光軸上に設置したフォトダイ
オードによって測定した。光学的コントラストは、明状
態と暗状態の透過性の比から計算した。
表4にその結果をまとめる。それぞれの大環状化合物
を加えたFLC混合物は、対応する測定結果に表わされて
いるように、著しく改良された特性を示した。
実施例A2〜A5 実施例A1と同様に、実施例7,9,10及び11で得られた大
環状化合物を含むFLC混合物のそれぞれについて、有効
スイッチング角(2Θeff)を測定した。
表4に示されるように、比較例M1(大環状化合物を含
まない)と比較して、スイッチング角が(従ってディス
プレイのコントラストが)著しく向上した。
(実施例14) 以下の例においては、本発明によるイオノフォアを1
モル%用いた。イオノフォアの例は下記のV1及びV2であ
る。
V1 N,N,N′,N′−テトラシクロヘキシル1,2−フェニレ
ンジオキシジアセトアミド V2 (−)−(R,R)−N,N′−〔ビス(11−エトキシカ
ルボニル)ウンデシル〕−N,N′−4,5−テトラメチル−
3,6−ジオキサ−オクタンジアミド 実施例13に記載のものと同一の液晶基本混合物B、ド
ーパント(D1〜D3)、比較混合物(M1)、及びイオノフ
ォア(V1又はV2)を用いて調製したFLC混合物につい
て、実施例13と同様にテストセルの特性を測定した(実
施例B1〜B3)。
実施例B1 比較混合物(M1)は下記の測定値を示した。
スイッチング角(2Θeff) 15゜ 透過(暗状態) 8% 透過(明状態) 28% コントラスト 3.5 実施例B2 上述の比較混合物にイオノフォアV1を1モル%含むFL
C混合物は、下記の測定値を示した。
スイッチング角(2Θeff) 24゜ 透過(暗状態) 0.7% 透過(明状態) 58 % コントラスト 82 イオノフォアV1を加えることによって、FLC混合物は
著しく改良された特性を示した。すなわち、スイッチン
グ角が非常に増加し、コントラストが著しく向上した。
実施例B3 上述の比較混合物にイオノフォアV2を1モル%含むFL
C混合物は、下記の有効スイッチング角を示した。
スイッチング角(2Θeff)=21゜ すなわち、本発明の化合物を添加することによって、
スイッチング角が40%増加した。
(実施例15) 下記の例においては、本発明による化合物クリプタン
ドとコロナンドを0.1〜3モル%の濃度で用いた。コロ
ナンドとクリプタンドの例は下記のK1〜K12である。
以下の実施例C1〜C4においては、3種類の液晶基本混
合物A,B,C及び様々なドーパントを用いて液晶混合物を
調製し、さらにゲスト・ホスト方式の場合には染料を含
むFLC混合物を用いた。
以下の3成分(モル%)からなる液晶基本混合物Aを
調製した。
この混合物の相系列及び相転移温度は、 SC72゜SA74゜N88゜I であり、自発分極は55nC・cm-2であった。
液晶基本混合物Bは、実施例13において用いられたも
のと同一のものを用いた。
以下の8成分(モル%)からなる液晶基本混合物Cを
調製した。
この混合物の相系列及び相転移温度は以下のとおりで
あった。
SC71゜SA78゜N93゜I 上記の基本混合物(A〜C)に、実施例13に記載のド
ーパント(D1〜D3)及び上記の添加物(K1〜K12)を添
加したFLC混合物について、テストセルの特性を測定し
た。
実施例C1 2倍有効傾斜角(2Θeff)、すなわちFLC混合物のス
イッチング角を増加させるために、液晶混合物Aに2モ
ル%のコロナンドK5を添加した。
スイッチング角は理想的には45゜である。しかし、ツ
イスト状態(液晶のダイレクターの捩れ)が生じやすい
ため一般的には15゜であり、このため明状態における透
過性が低下する。透過はsin2(4Θeff)に比例する。
液晶混合物AにコロナンドK5を含むものと含まないもの
のスイッチング角を表5にまとめて示す。コロナンドK5
の添加によって、有効スイッチング角が20゜から28゜に
増加した。
実施例C2 実施例13に記載のFLC混合物M1を用い、このM1に1モ
ル%のクリプタンド又はコロナンドをそれぞれ添加した
FLC混合物について、実施例13と同様にテストセルの特
性を測定した。
表6にその結果をまとめて示す。それぞれのクリプタ
ンド又はコロナンドを添加したFLC混合物M1は、対応す
る測定結果に表されているように、著しく改良された特
性を示した。
実施例C3 FLC混合物M2の組成(モル%)を以下に示す。
液晶基本混合物C 87.67% ドーパントD1 4.53% ドーパントD2 2.70% ドーパントD3 5.10% この混合物の相系列及び相転移温度は、 SC*61゜SA*69゜N*85゜I であり、自発分極30nC・cm-2であった。
クリプタンドとコロナンドK8(0.5モル%)及びK5
(1.5モル%)をFLC混合物M2に加え、FLC混合物M2′を
調製した。配向剤として通常のポリイミド及び部分フッ
素化ポリイミドを塗布したテストセルを作製した。
有効スイッチング角、明状態と暗状態における透過、
及び光学的コントラストによって、本発明による混合物
を評価した。
表7にFLC混合物M2と改良したFLC混合物M2′との比較
を示す。有効傾斜角と明状態の透過は明らかに増加し
た。同時に暗状態における透過も非常に減少し、全体と
して光学的コントラストが著しく増加した。
FLCセルに特定の電場強度と周波数(例えば10Hz,15V/
μm)の交流電場を与えると、スメクチック層が変化し
(「ブックシェルフ構造」,ディーバルら(Dbal et
al.,“Proceedings of the 6th Interantional Sympos
ium on Elektrets",Oxford,England 1988,Eds.D.K.Gas
−Gypta and A.W.Pattulloを参照のこと)、スイッチン
グ角が45゜近くになる。このことは、この組成が明状態
においてほぼ100%の透過を可能にするということを意
味する。FLC混合物M2にコロナンド又はクリプタンドを
含むもとの含まないものについての結果を表8にまとめ
る。この場合にも、暗状態の透過の改良、従って光学的
コントラストの実質的な改良が認められた。
0.5モル%のK8と1.5モル%のK5をFLC混合物M2に添加
した。のようにして得られた混合物と、コロナンドとク
リプタンドを含まない混合物を、2個の同じSiOx(83゜
の角度において蒸着)の両側に配向膜を有する市販の電
極付きFLCセル(EHC社製)の中にそれぞれ注入してき
た。
これらのセルに、室温において総持続時間1msの交流
二極電気パルスを与えた。特定の臨界パルス振幅(電場
の強さ)以上では、本発明による混合物を充填したセル
は既知の双安定な、均一なスイッチング状態間で切り換
えられた。これと比較して、比較セル(M2のみ)では、
これらの振幅において2つのツイスト状態が生じ、これ
らの状態は光学的透過力においてほとんど変わらないた
め、良好なコントラストが得られなかった。
非常に大きい振幅においてのみ、比較セル(添加物を
含まないFLC混合物M2)は2つの均一な状態間で切り換
えられ、高いコントラストを示した。しかしこの場合に
も、本発明による混合物ほど高いコントラストには達し
なかった。図1のグラフにコントラストの比較を示す。
コントラスト(CR)を電場の強さE(V/μm)に対して
プロットした。曲線(a)は本発明によるFLC混合物に
対応し、曲線(b)はクリプタンドとコロナンドを添加
しないFLC混合物M2に対応する。
実施例C4(ゲスト・ホスト・セル)(染料セル) 本発明によるFLC混合物M3は次に示す14の化合物(重
量%)からなる。
この混合物の相系列及び相転移温度は Χ−4.5゜SC*66.3゜SA*69.6゜N*94゜I であった。
この混合物を配向方向に平行にラビングしたポリイミ
ド配向膜を含むセル(シート間距離3.4μm)に注入
し、周波数10Hz、電場強度±10V/μmの方形パルス電場
を約3分間与えた。
透過光顕微鏡下で、偏光シートを温度制御セルに関し
て光の最小量が透過するように配向する(偏光子と分子
の好ましい配向とが交差する。)。
パルスを切り換ると(8V/μm、500μs)、分子はこ
の位置から47゜回転した位置をとり、吸収される光は低
下する。
コントラストを測定する場合には、染料の照度に調和
させるために、フィルター(ショット(Schott)製、75
760 632nmを用いた。このセルでは、フォトダイオード
を用いて測定したコントラスト、すなわち明状態と暗状
態の透過の比は24:1であった。
比較例として、ポリイミドを塗布したセル(シート間
距離3.0μm)に、本発明による混合物とはコロナンド
又はクリプタンドを含まない点のみが異なる混合物を充
填した。
上記の方法によって測定したこの混合物のコントラス
トは11:1であった。従って、錯体化剤によってコントラ
ストの118%の改良が得られた。
この例によって、ゲスト・ホスト方式のディスプレイ
に用いる、染料を含む液晶混合物へのコロナンド又はク
リプタンドの使用が、コントラストを著しく改良するこ
とが実証された。
【図面の簡単な説明】 図1は、本発明のFLC混合物と比較混合物について、電
場の強さに対するコントラストを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 P4011804.5 (32)優先日 1990年4月12日 (33)優先権主張国 ドイツ(DE) (31)優先権主張番号 P4012750.8 (32)優先日 1990年4月21日 (33)優先権主張国 ドイツ(DE) (72)発明者 原田 隆正 ドイツ連邦共和国 6370 オーバーウル ゼルー ヴァイスキルヒェン 5,コル ベルガー・シュトラーセ 26 (72)発明者 ゲーアハルト・イリアン ドイツ連邦共和国 6000 フランクフル ト 71,ラウエントハラー・ヴェーク 32 (72)発明者 村上 幹男 静岡県掛川市南2丁目8番1号 ニュー タウンビル202号 (72)発明者 ハインツ・リーガー ドイツ連邦共和国 6239 ホフハイム /タウヌス,アム・クライスハウス 2 (72)発明者 ノルベルト・レーシュ ドイツ連邦共和国 6000 フランクフル ト 71,ガイゼンハイマー・シュトラー セ 95 (72)発明者 ペーター・ヴェーゲナー ドイツ連邦共和国 6240 ケーニヒシュ タイン,アム・アイヒコップ 4 (72)発明者 ライナー・ヴィンゲン ドイツ連邦共和国 6234 ハッタースハ イム 1,ブルネンシュトラーセ 1 (56)参考文献 特開 昭54−91253(JP,A) 特開 昭54−91254(JP,A) 特開 昭54−106084(JP,A) 特開 昭64−49573(JP,A) 特開 平1−134238(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電性液晶と配向膜の間の追加の層とし
    て、または配向膜の中に、次の(a)、(b)および
    (c): a)一般式(I)の大環状化合物: 式中、 a、b、c、d、eおよびfは互いに独立的に、0〜4
    の整数であり、a+b+c+d+e+fは7より大き
    い; −A−、−B−、−C−、−D−、−E−および−F−
    は、同一もしくは異なる基であり、 (式中、 Rは炭素数1〜12のアルキルであることができ、R′
    は、−CH2−基が−O−、−COO−または−OCO−によっ
    て置き換えられることができる炭素数1〜12のアルキル
    であるか、またはフェニル、Cl、FもしくはCNであるこ
    とができる)である; b)一般式(III)の化合物: 式中、 −Z−は−O−または−S−であり, mおよびnは0より大きい整数であり、m+nは2〜6
    であり、 −Χ−および−Χ−は、同一もしくは異なる基であ
    って、 または −Χ−および−Χ−が一緒になって N−CH2(−CH2−Z−CH2)i−CH2−N または N−CO(−CH2−Z−CH2)i−CH2−N (式中、 Rは炭素数1〜15のアルキルもしくはアルカノイル、フ
    ェニル、ベンジルまたはベンゾイルであり、 iは1または2である)を表す; ただし、−Χ−および−Χ−は同時に−Z−ではな
    い;および c)一般式(IV)の化合物: 式中、 R1、R2、R3およびR4は、互いに独立的に、 であり、 p、q、rおよびsは、互いに独立的に、2〜4の整数
    であり、p+q+r+sは8〜16である ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に−Hではない; からなる群より選択される1種類もしくは2種類以上の
    親油性または親油化化合物を含むことを特徴とする強誘
    電性液晶ディスプレイ。
  2. 【請求項2】前記親油性または親油化化合物が配向膜に
    存在する、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
  3. 【請求項3】前記親油性または親油化化合物が、化学反
    応によってその配向膜の物質に結合されている、請求項
    1または2に記載の液晶ディスプレイ。
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DE4011803.7 1990-04-12
DE4011804.5 1990-04-12
DE4012750A DE4012750A1 (de) 1990-04-21 1990-04-21 Ferroelektrisches fluessigkristalldisplay mit hohem kontrast und hoher helligkeit
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