JP2841048B2 - セルロースパルプ用漂白助剤および漂白方法 - Google Patents
セルロースパルプ用漂白助剤および漂白方法Info
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Description
漂白助剤および漂白方法に関する。
が、ダンボール芯材などの包装資材のような漂白度を要
求されない用途を除いては、通常、塩素、次亜塩素酸、
酸素、過酸化水素等を用いて漂白する必要がある。パル
プ中の有色物質(主としてリグニン)の漂白に塩素は有
効であるが、ダイオキシン等の有害物質の副生による環
境汚染の問題点がある。このような事情から、パルプ製
造工業における塩素の使用量削減もしくは全廃が人類に
とって極めて重要な課題となっている。塩素使用量の低
減を目的に、漂白工程の一部を酸素漂白で行う方法が世
界的に普及しつつある。しかし酸素ガスによる漂白は、
一般にパルプの漂白度が不充分なため、塩素使用量の低
減が十分ではなかった。また、高温下で高圧酸素ガスを
使用すれば漂白度は向上するがセルロースの解重合が促
進されパルプの強度が低下するという問題がある。
を添加し漂白効率を向上させる方法(特開平5−186
987号公報)を提案した。
白でのパルプの漂白度の向上効果が不十分で、塩素使用
量低減効果が不十分であった。また、漂白後の液の泡立
ちが大きく、脱水工程等で操作上の問題があった。
スの強度を保ったままパルプの漂白度を上げ、工程中の
泡立ちのトラブルがなくパルプの漂白工程における塩素
等の塩素系漂白剤に対する負荷の軽減を図る方法につき
鋭意研究した結果、特定の化合物を漂白助剤として使用
することにより上記課題を極めて有効かつ経済的に解決
できることを見いだし本発明に到達した。即ち、本発明
は、セルロースパルプのアルカリ性水スラリーを、酸素
ガスまたは過酸化物で処理する方法において,下記一
般式(1)で表される化合物(A)からなることを特徴
とするセルロースパルプ用漂白助剤 一般式 R1−O−[(C2H4O)m/(AO)n]−H (1) (式中R1は下記一般式(2)で示される分岐アルキル
基;;Aはプロピレン基、ブチレン基またはフェニルエ
チレン基;mは4〜15の平均付加モル数;nは0〜4
の平均付加モル数を示す。[ ]内の付加形式はランダ
ム状またはブロック状である。) (式中R2はメチル基、エチル基、プロピル基またはブ
チル基;R3は炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキ
レン基;R4は炭素数1または2のアルキレン基示
す。)、および下記一般式(3)で表される化合物
(B)からなることを特徴とするセルロースパルプ用漂
白助剤 (式中R5は炭素数6〜12の直鎖または分岐アルキル
基;Aはプロピレン基、ブチレン基またはフェニルエチ
レン基;pは4〜15の平均付加モル数;qは0〜3.
9の平均付加モル数;rは0.1〜4の平均付加モル
数;[ ]内は付加形式がランダム状またはブロック状
であることを示す。)並びに、これらの漂白助剤を用い
て酸素ガスまたは過酸化物で処理することを特徴とする
セルロースパルプの漂白方法である。
ル基としては、炭素数6〜12のものが挙げられ、好ま
しくは、下記一般式(2)で示される分岐アルキル基が
挙げられる。 (式中R2はメチル基、エチル基、プロピル基またはブ
チル基;R3は炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキ
レン基;R4は炭素数1または2のアルキレン基示
す。) これらの具体例としては、イソヘキシル、イソヘプチ
ル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、
イソデシル;プロピレンのトリマーから合成される分岐
アルキル;イソデシル、イソウンデシル、イソドデシ
ル、プロピレンのテトラマーから合成される分岐アルキ
ル;オキソ法によって合成される炭素数6〜12の分岐
アルキル基等が挙げられる。特に好ましいのは、2−エ
チルヘキシル、イソデシル基である。
アルコールに平均4〜15モルのエチレンオキサイ
ド、平均0〜4モルのプロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイドまたはスチレンオキサイドを1種または2
種以上付加したものであり、その付加形式はブロック状
でもよいしランダム状でもよい。ただし、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイドまたはスチレンオキサイ
ドを末端にブロック状に付加したものは除く。炭素数が
6未満または12より大きいアルコールにアルキレンオ
キサイドを付加したもの、エチレンオキサイドの平均付
加モル数が4未満または15より大きいもの、並びにプ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはスチレ
ンオキサイドの平均付加モル数の合計が4より大きいも
のは十分な漂白向上効果を得ることができない。化合物
(A)の内、その2%水溶液の曇点が40〜110℃で
あることが好ましく、さらに60〜100℃であること
がより好ましい。本発明の化合物(A)の具体例として
は次のものが挙げられる。 (A1)イソデシル−O−(EO)10−H (A2)2−エチルヘキシル−O−(EO)12−H (A3)2,4−ジメチルヘプタ−O−[(EO)9//(PO)2]−H (A4)イソノニル−O−[(EO)10//(PO)1//(BO)0.5 ]−H (A5)イソデシル−O−(EO)4−(BO)1−(SO)1−(EO)5−H (A6)2−エチルヘキシル−O−(PO)1−(EO)8−H 上式においてEOはエチレンオキサイド、POはプロピ
レンオキサイド、BOはブチレンオキサイド、SOはス
チレンオキサイドを示し、( )右横の添字は平均付加
モル数を示し、//はランダム状に付加していることを
示し、−はブロック状に付加していることを示す。
鎖でもよいし分岐でもよい。直鎖のものとしてはn−ヘ
キシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n
−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げら
れ、分岐のものとしては化合物(A)で分岐アルキル基
R1として挙げた同様のものである。
たは分岐アルコールに、平均4〜15モルのエチレン
オキサイド、並びに平均0〜3.9モルのプロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイドまたはスチレンオキサ
イドを1種または2種以上(ブロック状またはランダム
状に)付加したものの末端に、さらに平均0.1〜4
モルのプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまた
はスチレンオキサイドを付加したものである。炭素数が
6未満または12より大きいアルコールにアルキレンオ
キサイドを付加したもの、エチレンオキサイドの平均付
加モル数が4未満または15より大きいもの、並びにプ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはスチレ
ンオキサイドの平均付加モル数の合計が4より大きいも
のは十分な漂白向上効果を得ることができない。さら
に、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたは
スチレンオキサイドの末端部分の平均付加モル数の合計
が0.1未満のものは、末端部分の平均付加モル数の合
計が0.1〜4のものに比べて抑泡効果が劣る。化合物
(B)の内、その2%水溶液の曇点が40〜110℃で
あることが好ましく、さらに60〜100℃であること
げより好ましいい。本発明の化合物(B)の具体例とし
ては次のものが挙げられる。 (B1)イソオクチル−O−(EO)8−(PO)0.5−H (B2)テトラプロピレン−O−(EO)11−(SO)1.5−H (B3)n−オクチル−O−(EO)10−(PO)1−H (B4)イソオクチル−O−(EO)12−(PO)0.5−(BO)1.5−H (B5)イソノニル−O−[(EO)5//(PO)0.3//(SO)1]− −(PO)0.2−(BO)0.2−H (B6)2,4−ジメチルヘプタ−O−[(EO)6//(BO)0.5]− −(PO)1−H (B7)2−エチルヘキシル−O−(EO)4−(PO)1.5−(EO)5.5− −(BO)0.5−H (B8)イソデシル−O−(BO)1−(EO)12−(BO)1−H (B9)n−デシル−O−(PO)0.5−(EO)10−(PO)0.5− −(SO)0.5−H 上式において、化合物(A)の場合と同様にEOはエチ
レンオキサイド、POはプロピレンオキサイド、BOは
ブチレンオキサイド、SOはスチレンオキサイドを示
し、( )右横の添字は平均付加モル数を示し、//は
ランダム状に付加していることを示し、−はブロック状
に付加していることを示す。
度を向上させる効果を示す。さらに(B)は漂白−洗浄
−脱水などの条件下で抑泡効果を併せ持ち、通常使用さ
れる消泡剤の添加量を削減できる利点がある。
漂白後の白色度に対する要求等により一律には決められ
ない為限定するものではないが、パルプ懸濁液に対して
絶乾パルプ重量当り0.1〜2重量%である。添加量
が、0.1重量%未満であると十分な効果が得られず、
2重量%を越えると漂白効果が平衡に達する。なお、一
般の漂白工程においては、(A)または(B)は洗浄液
と共にリサイクルされるため、上記の添加量を維持する
ための補充量は極めて少量でよく、経済的である。
含有材料としては、化学パルプ[CGP(ケミグラウン
ドパルプ)、SCP(セミケミカルパルプ)、SP(サ
ルファイトパルプ)、クラフトパルプ)、AP(アルカ
リパルプ)など];機械パルプ[GP(砕木パルプ)、
RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サ
ーモメカニカルパルプ)など]等であり、木材(針葉
樹、広葉樹)、非木材(草本類)パルプのいずれにも実
施可能である。また、添加は漂白工程で実施されるが、
蒸解途中、蒸解後のいずれの段階でも適用が可能であ
る。また、セルロース含有材料のスラリー濃度は低濃度
(10重量%未満)、中濃度(10〜20重量%)、高
濃度(20重量%以上)のいずれにも適用可能である。
しては、酸素または酸素富化空気であり、本発明の漂白
方法に使用される過酸化物としては、過酸化水素、過酸
[過酢酸、過炭酸、過硼酸(塩)など]、二酸化塩素、
オゾン等である。このうち、中濃度における(1)酸素
ガス漂白、(2)オゾン漂白、(3)過酸化水素漂白の
一般的な漂白条件を以下に示す。 (1)酸素漂白 パルプ濃度:10〜14重量%、酸素濃度:10〜30
kg/パルプt、アルカリ性媒体:20〜30kg/パ
ルプt、硫酸マグネシウム:0〜2kg/パルプt、処
理温度:90〜120℃、処理時間:50〜60分、頂
部内圧:3.5〜5kg/cm2G。 (2)オゾン漂白 パルプ濃度10〜15重量%、オゾン添加量:0.4〜
2.0重量%、処理温度:20〜70℃、処理時間:5
〜30分。 (3)過酸化水素漂白 パルプ濃度:10〜20重量%、過酸化水素濃度:0.
2〜2重量%/対パルプ、処理温度:60〜80℃、処
理時間:120〜240分。 これらの酸素ガス、過酸化物による漂白工程の、前また
は後に、通常の塩素系漂白剤(塩素がス、次亜塩素酸な
ど)による漂白工程を通常併用する。さらに、酵素を併
用してもよい。
スとしては、酸素および酸素富化空気のいずれもが使用
可能であるが、反応容器の容積、および反応効率を考慮
して酸素ガスを使用するのが好ましい。また酸素の圧力
は、高圧(10Kg/cm2G以上)から低圧(10K
g/cm2G未満)まで使用できるが本発明の効果を最
大に発揮するには比較的低圧(1〜10Kg/cm2G
未満)で実施する方が好ましい。
媒体は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、アンモニア、クラフト法白液、酸化白液、
緑液、酸化緑液、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナト
リウム等が使用できるが、通常水酸化ナトリウムを使用
する。絶乾パルプ重量当たりのアルカリ添加量は酸化ナ
トリウム(Na2O)換算で0.5〜3重量%が好まし
い。
もにマグネシウム化合物等のアルカリ土類金属塩、キレ
ート剤等のセルロースの重合度の低下を防止する薬剤、
または縮合リン酸塩、珪酸塩等の過酸化物漂白における
安定化剤等と併用が可能である。
は、縦型、横型等の反応装置のいずれも使用可能であ
る。本発明において(A)および/または(B)の添加
方法は、アップフロー方式の漂白塔の塔底から、あるい
はセルロース含有材料が酸素ガスや過酸化物と混合され
る前、同時または後のいずれの時期に添加してもよい
が、攪拌効率の面から、混合されると同時期か、混合さ
れる前が好ましい。また、通常、温度は室温〜200
℃、反応時間は30秒〜20時間で実施する。
本発明はこれに限定されるものではない。実施例に用い
たパルプは広葉樹クラフトパルプであるが、針葉樹パル
プやその他のパルプにおいても同様の効果が得られる。
表中の%は重量%を示す。各種試験方法を以下に示す。 カッパー価測定法:パルプのカッパー価測定法(JI
S−P8211)に準じて測定した。値が小さいほど漂
白度が高いことを示す。 パルプ粘度測定法:銅エチレンジアミンを溶媒として
用いるパルプの粘度測定法(TAPPI T230−S
U−66)に準じて測定した。粘度は高いほどセルロー
ス強度が高いことを示す。 起泡性試験法 :酸素漂白後のパルプスラリー(9
0℃)の絞り液250mlを内径11cmのガラス製円
筒に入れて、液温90℃でエア・ストーンを用いて空気
を導入(流速1L/分×10分間)し、直後の泡高(c
m)を測定した。 塩素削減率 酸素漂白後のパルプに、1.3重量%(対パルプの絶乾
重量)の水酸化ナトリウムと水を配合し、3重量%(パ
ルプの絶乾分)の試験用パルプスラリーを調製した。こ
れをオートクレーブに仕込み、塩素ガスで空気を置換
し、塩素量をパルプの絶乾重量に対して6重量%になる
ように調節した。その後50℃で60分間塩素漂白を行
った。上記の条件で塩素漂白を行い、含水率45%のパ
ルプシートのハンター白度が52に達するのに要した塩
素の使用量を測定し、下式により塩素削減率を求めた。 塩素削減率=(B−S)×100/B B:ブランクの塩素使用量 S:各試験の塩素使用量
パルプ重量当りNa2O換算で2%)および本発明の漂
白助剤(a1〜5、b1〜7)または比較の漂白助剤
(x1〜7)を添加して12重量%(対絶乾パルプ)ス
ラリーとし、室温下ニーダーにて10分間混練し、漂白
試験用パルプスラリーを調製した。これをオートクレー
ブに入れ、酸素ガスで充分置換した後、酸素圧5Kg/
cm2G、温度90℃に保ち30分間漂白を行った。漂
白終了後、直ちに酸素圧を解き、オートクレーブからパ
ルプスラリーを取り出し、同温度で絞り、絞り液を採取
した。これを蒸留水で十分洗浄し、ろ過後、乾燥させて
酸素漂白パルプを得た。絞り液は、起泡性試験に供し、
乾燥パルプは、カッパー値、パルプ粘度の測定に供し
た。また、乾燥させた酸素漂白パルプを用いて塩素漂白
を行った。これらの試験結果を表1に示す。なお、比較
例11をブランクとした。 比較例12 酸素ガスによる漂白時の酸素圧10kg/cm2G、温
度を110℃、時間を120分間とした以外は、上記の
試験例と同様の方法で漂白および各種測定を行った。
剤a1〜5、b1〜7と比較例x1〜7の構造式は以下
のとおりである。式中において、EOはエチレンオキサ
イド、POはプロピレンオキサイド、BOはブチレンオ
キサイド、SOはスチレンオキサイドを示し、( )の
右横の添字は平均付加モル数を示し、//はランダム状
に付加していることを示し、−はブロック状に付加して
いることを示す。 a1:2−エチルヘキシル−O−(EO)7−H a2:2−エチルヘキシル−O−(EO)9−H a3:2−エチルヘキシル−O−(EO)11−H a4:イソデシル−O−(EO)10−H a5:2−エチルヘキシル−O−[(EO)10//(PO)1]−H b1:2−エチルヘキシル−O−(EO)9−(PO)0.2−H b2:2−エチルヘキシル−O−(EO)9−(PO)0.6−H b3:2−エチルヘキシル−O−[(EO)10//(PO)1]− −(PO)0.5−H b4:イソヘキシル−O−(EO)8−(BO)1−H b5:n−オクチル−O−(EO)10−(PO)1−H b6:n−ドデシル−O−(EO)12−(PO)1−H b7:イソデシル−O−(EO)5−(PO)1−(EO)5−(PO)1−H x1:イソプロピル−O−(EO)5−H x2:2−エチルヘキシル−O−(EO)20−H x3:2−エチルヘキシル−O−[(EO)10/(PO)3.5]−(PO)1−H x4:2−エチルヘキシル−O−(EO)10−(PO)5−H x5:合成アルコール残基−O−(EO)12−H (合成アルコールの平均炭素数は14.5、分岐率は45%) x6:t−ブチル−O−(EO)9−H x7:オレイル−O−(EO)9−H
1〜5、b1〜7)を用い、酸素ガスによるパルプの漂
白を行った場合(実施例1〜15)、パルプ粘度を低下
させることなく、著しく優れた漂白向上効果ならびに塩
素漂白における塩素使用量の著しい削減効果が得られ
る。さらに、本発明の漂白助剤を用いた場合に、泡立ち
が少なく、工程上の泡によるトラブルが発生しない。と
りわけ、b1〜7の漂白助剤(化合物B)を用いた場合
は、抑泡作用が著しいため、通常使用される消泡剤の使
用量が削減できる。
プ濃度重量15%、オゾン濃度1.8重量%、オゾン流
量4L/分、漂白温度20℃、漂白時間30分、pH7
の各条件にて、無添加および (b8):2−エチルヘキシル−O−(EO)9−(P
O)O.6−H を対パルプ0.8重量%添加してオゾン漂白した。無添
加の場合の漂白後のカッパー価7.5に対して(b8)
の漂白助剤を添加した場合の漂白後のカッパー価は4.
0であった。また、漂白後のパルプ粘度は同等であっ
た。このことから、オゾン漂白においても上記の漂白助
剤が漂白度を大幅に向上させることは明らかである。
プ濃度重量10%、過酸化水素の濃度0.51重量%
(対絶乾パルプ)、漂白温度60℃、漂白時間120分
の各条件にて、無添加および (b8):2−エチルヘキシル−O−(EO)9−(P
O)O.6−H を対パルプ0.8重量%添加して過酸化水素漂白を行っ
た。無添加の場合の漂白後の白色度72.4に対して上
記の漂白助剤を添加した場合の漂白後の白色度は79.
5であった。このことから、過酸化水素漂白においても
上記の漂白助剤が漂白度を大幅に向上させることは明ら
かである。
(B)からなるパルプ用漂白助剤を用いた漂白方法は次
のようなな効果を奏する。 (1)セルロース強度に悪影響を及ぼすことなく、著し
く漂白度を向上させる。 (2)抑泡効果に優れ、泡による工程トラブルを引き起
こすことがない。 以上の効果を奏することから、本発明の方法は、人類の
生存環境上重大な問題となっているダイオキシンなどの
有害物質の出発物質である塩素の使用を削減もしくは全
廃することができる極めて有用な実用的技術であること
は自明である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物
(A)からなることを特徴とするセルロースパルプアル
カリ性水スラリーの酸素ガスまたは過酸化物漂白用の漂
白助剤。 一般式 R1−O−[(C2H4O)m/(AO)n]−H (1) (式中R1は下記一般式(2)で示される分岐アルキル
基;Aはプロピレン基、ブチレン基またはフェニルエチ
レン基;mは4〜15の平均付加モル数;nは0〜4の
平均付加モル数を示す。[ ]内の付加形式はランダム
状またはブロック状である。) (式中R2はメチル基、エチル基、プロピル基またはブ
チル基:R3は炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキ
レン基;R4は炭素数1または2のアルキレン基示
す。) - 【請求項2】 下記一般式(3)で表される化合物
(B)からなることを特徴とするセルロースパルプアル
カリ性水スラリーの酸素ガスまたは過酸化物漂白用の漂
白助剤。 (式中R5は炭素数6〜12の直鎖または分岐アルキル
基;Aはプロピレン基、ブチレン基またはフェニルエチ
レン基;pは4〜15の平均付加モル数;qは0〜3.
9の平均付加モル数;rは0.1〜4の平均付加モル
数;[ ]内は付加形式がランダム状またはブロック状
であることを示す。) - 【請求項3】 一般式(3)中のR5が下記一般式
(2)で示される分岐アルキル基である請求項2記載の
セルロースパルプ用漂白助剤。 (式中R2はメチル基、エチル基、プロピル基またはブ
チル基;R3は炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキ
レン基;R4は炭素数1または2のアルキレン基示
す。) - 【請求項4】 該化合物(A)または(B)が、2%水
溶液において、40℃〜110℃の曇点を有する請求項
1〜3のいずれか記載の漂白助剤。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の化合物
(A)または(B)からなるセルロースパルプ用酸素ガ
ス漂白用の漂白助剤。 - 【請求項6】 請求項5記載の漂白助剤の存在下で、酸
素ガスで処理するセルロースパルプの漂白方法。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか記載の漂白助剤
の存在下で、過酸化水素、二酸化塩素、過酸およびオゾ
ンからなる群より選ばれる過酸化物で処理するセルロー
スパルプの漂白方法。
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