JP2840719B2 - 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

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JP2840719B2 JP20879487A JP20879487A JP2840719B2 JP 2840719 B2 JP2840719 B2 JP 2840719B2 JP 20879487 A JP20879487 A JP 20879487A JP 20879487 A JP20879487 A JP 20879487A JP 2840719 B2 JP2840719 B2 JP 2840719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
に関するものである。 背景技術 一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けられ
た一対の可変プーリと、それら一対の可変プーリに巻き
掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、前記一対の可
変プーリの有効径をそれぞれ変更する一対の一次側油圧
アクチュエータおよび二次側油圧アクチュエータとを備
えた車両用ベルト式無段変速機が知られている。たとえ
ば特開昭52−98861号公報に記載されている無段変速機
がそれである。 そして、このような無段変速機の速度比を制御するた
めの油圧制御装置の一種に、入力側あるいは駆動側油圧
アクチュエータに供給されるライン油圧が、ライン油圧
調圧弁により、その油圧アクチュエータ内の油圧に基づ
いてそれよりも予め定められた余裕値だけ大きく制御さ
れる形式のものが考えられる。 発明が解決すべき問題点 ところで、上記のような形式の油圧制御装置において
は、通常、ベルト式無段変速機の実際の速度比または実
際の入力軸回転速度が目標速度比または目標回転速度に
一致するように速度比が制御される。この場合、たとえ
ば可変プーリの可動回転体の移動が機械的に阻止されて
も実際値が目標値に到達しない場合には、実際値と目標
値とを一致させようとして変速制御弁がライン油圧を入
力側あるいは駆動側油圧アクチュエータ内に作用させる
ので、その油圧アクチュエータ内の油圧に基づいて調圧
弁により調圧されるライン油圧は発散的に増加させられ
る欠点があった。 これに対し、本出願人が先に出願した特願昭61−1993
75号(未公開)に記載されているように、上記ライン油
圧が過大とならないように、ライン油圧が予め定められ
た値を超えることを阻止する昇圧阻止弁を設けることが
考えられる。 しかし、このような形式の油圧制御装置では、ライン
油圧を制御するために2種類の弁が必要となるので、回
路が複雑かつ高価となる不都合があった。 問題点を解決するための手段 本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、ベルト式無段変速機の速
度比制御をするためのライン油圧が、可変プーリの可動
回転体の移動が機械的に阻止されても過大に調圧されな
いようにした簡単な油圧制御装置を提供することにあ
る。 斯る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けら
れた一対の可変プーリ間に巻き掛けられた伝動ベルト
と、その一対の可変プーリの有効径を変更する一対の油
圧アクチュエータとを備えた車両用ベルト式無段変速機
において、第1ライン油圧を導く第1ライン油路と、第
2ライン油圧を導く第2ライン油路と、前記第1ライン
油路内の作動油を前記一対の油圧アクチュエータのうち
の一次側油圧アクチュエータ内に流入させると同時に前
記第2ライン油路内の作動油をその一対の油圧アクチュ
エータのうちの二次側油圧アクチュエータ内に流入させ
るか、その二次側油圧アクチュエータ内から作動油を第
2ライン油路内に流出させ、または、前記第1ライン油
路内の作動油を前記二次側油圧アクチュエータ内に流入
させると同時に前記一次側油圧アクチュエータ内の作動
油を大気へ流出させることにより前記ベルト式無段変速
機の速度比を調節する変速制御弁装置とを有する油圧制
御装置であって、前記第1ライン油圧を増加させる増加
方向およびその第1ライン油圧を減少させる減少方向へ
それぞれ移動可能に設けられたスプール弁子と、前記第
1ライン油圧を受けて前記減少方向へそのスプール弁子
を移動させる推力を発生させる受圧面と、その受圧面よ
りも小さい面積を有し、前記一次側油圧アクチュエータ
内の油圧と前記第2ライン油圧または前記二次側油圧ア
クチュエータ内の油圧とのうちの高圧側の油圧を受けて
前記増加方向にスプール弁子を移動させる推力を発生さ
せる受圧面とを備えた第1調圧弁を含むことにある。 作用および発明の効果 このようにすれば、第1ライン油圧を受けてその減少
方向へスプール弁子を移動させる推力を発生させる受圧
面に対して、前記一次側油圧アクチュエータ内の油圧と
前記第2ライン油圧または前記二次側油圧アクチュエー
タ内の油圧とのうちの高圧側の油圧を受けて前記増加方
向にスプール弁子を移動させる推力を発生させる受圧面
が小さい面積に形成されているので、後者の受圧面に受
ける油圧の調圧値に対する影響に対して前者の受圧面に
受ける第1ライン油圧(フィードバック油圧)の影響の
方が大きい。このため、たとえ、可変プーリの可動回転
体の移動が機械的に阻止されて高圧側の油圧アクチュエ
ータ内油圧が第1ライン油圧とされることにより後者の
受圧面に作用する油圧が第1ライン油圧と同様の油圧と
されても、第1調圧弁により調圧される第1ライン油圧
は所定値に制限される。したがって、速度比制御に際し
て可変プーリの可動回転体の移動が機械的に阻止されて
も、第1ライン油圧が過大とならない。しかも、昇圧阻
止弁を設ける必要がないので、油圧回路が簡単に構成さ
れ得る。 ここで、前記第1調圧弁は、好適には、エンジンの出
力トルクに関連した油圧、たとえばスロットル圧を受け
て前記増加方向の推力を発生させる第3受圧面と、前記
増加方向の推力を発生させるリターンスプリングとを備
え、前記各受圧面にそれぞれ作用させられた油圧に基づ
く各推力および上記リターンスプリングの推力が平衡す
る位置に前記スプール弁子が移動させられることにより
第1ライン油圧を調圧するものである。 実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。 第2図において、エンジン10の動力は、ロックアップ
クラッチ付流体継手12、前後進切換装置14、ベルト式無
段変速機(以下、CVTという)16、中間ギア装置18、お
よび差動歯車装置20を経て駆動軸22に連結された駆動輪
24へ伝達されるようになっている。 流体継手12は、エンジン10のクランク軸26と接続され
ているポンプ28と、前後進切換装置14の入力軸30に固定
されポンプ28からのオイルにより回転させられるタービ
ン32と、ダンパ34を介して入力軸30に固定されたロック
アップクラッチ36とを備えている。ロックアップクラッ
チ36は、たとえば車速、エンジン回転速度、またはター
ビン28の回転速度が所定値以上になると作動させられ
て、クランク軸26と入力軸30とを直結状態にするもので
ある。 前後進切換装置14は、よく知られたダブルピニオン型
遊星歯車機構であって、CVT16の入力軸(前後進切換装
置14の出力軸)38に固定されたキャリア42により回転可
能に支持され且つ互いに噛み合う一対の遊星ギア44およ
び46と、前後進切換装置14の入力軸(流体継手12の出力
軸)30に固定され且つ内周側の遊星ギア44と噛み合うサ
ンギア40と、外周側の遊星ギア46と噛み合うリングギア
48と、リングギア48の回転を停止するための後進用ブレ
ーキ50と、上記キャリア42と前後進切換装置14の入力軸
30とを連結する前進用クラッチ52とを備えている。後進
用ブレーキ50および前進用クラッチ52は油圧により作動
させられる形式の摩擦係合装置であって、それらが共に
係合しない状態では前後進切換装置14が中立状態とされ
て動力伝達が遮断される。しかし、前進用クラッチ52が
係合させられると、流体継手12の出力軸30とCVT16の入
力軸38とが直結されて車両前進方向の動力が伝達され
る。また、後進用ブレーキ50が係合させられると、流体
継手12の出力軸30とCVT16の入力軸38との間で回転方向
が反転されるので、車両後進方向の動力が伝達される。 CVT16は、その入力軸38および出力軸54にそれぞれ設
けられた略同径の可変プーリ56および58と、それら可変
プーリ56および58に巻き掛けられた伝動ベルト60とを備
えている。可変プーリ56および58は、入力軸38および出
力軸54にそれぞれ固定された固定回転体62および64と、
入力軸38および出力軸54にそれぞれ軸方向の移動可能か
つ軸回りの相対回転不能に設けれた可動回転体66および
68とから成り、可動回転体66および68が油圧アクチュエ
ータとして機能する油圧シリンダ70および72によって移
動させられることによりV溝幅すなわち伝導ベルト60の
掛り径(有効径)が変更されて、CVT16の速度比e(=
出力軸54の回転速度Nout/入力軸38の回転速度Nin)が
変更されるようになっている。可変プーリ56および58は
同径であるため、上記油圧シリンダ70および72は同様の
受圧面積を備えている。通常、油圧シリンダ70および72
のうちの従動側に位置するものの挟圧力は伝導ベルト60
の張力と関連させられる。なお、オイルポンプ74は油圧
制御回路の油圧源を構成するものであって、流体継手12
のポンプ28に一体的に固定されることにより、クランク
軸26によって常時回転駆動されるようになっている。 第1図は第2図に示す車両用動力伝達装置を制御する
ための油圧制御回路を示している。オイルポンプ74は図
示しないオイルタイク内に還流した作動油をストレーナ
76および吸入油路78を介して吸い込み第1ライン油圧80
へ圧送する。本実施例では、第1ライン油圧80内の作動
油がリリーフ弁型式の第1調圧弁100によって吸入油路7
8およびロックアップクラッチ圧油路92へ流出させられ
ることにより、第1ライン油圧Pl1が調圧されるように
なっている。また、減圧弁型式の第2調圧弁102によっ
て第1ライン油圧Pl1が減圧されることにより第2ライ
ン油圧Pl2が発生させられるようになっている。 まず、第2調圧弁102の構成を説明する。第3図に示
すように、第2調圧弁102は、第1ライン油路80と第2
ライン油路82との間を開閉するスプール弁子110、スプ
リングシート112、リターンスプリング114、プランジャ
116を備えている。スプール弁子110の第1ランド118と
第2ランド120との間には第2ライン油圧Pl2がフィード
バック圧として絞り122を通して導入される室124が設け
られており、スプール弁子110が第2ライン油圧Pl2によ
り閉弁方向へ付勢されるようになっている。また、スプ
ール弁子110の第1ランド118側には、絞り126を介して
後述の速度比圧Peが導かれる室128が設けられており、
スプール弁子110が速度比圧Peにより閉弁方向へ付勢さ
れるようになっている。第2調圧弁102内においてはリ
ターンスプリング114の開弁方向付勢力がスプリングシ
ート112を介してスプール弁子110に付与されている。ま
た、プランジャ116の端面に後述のスロットル圧Pthを作
用させるための室130が設けられており、スプール弁子1
10がこのスロットル圧Pthにより開弁方向へ付勢される
ようになっている。したがって、第1ランド118の受圧
面積をA1、第2ランド120の断面の面積をA2、プランジ
ャ116の受圧面積をA3、リターンスプリング114の付勢力
をWとすると、スプール弁子110は次式(1)が成立す
る位置において平衡させられる。すなわち、スプール弁
子110が式(1)にしたがって移動させられることによ
り、ポート132aに導かれている第1ライン油路80内の作
動油がポート132bを介して第2ライン油路82へ流入させ
られる状態とポート132bに導かれている第2ライン油路
82内の作動油がドレンに連通するドレンポート132cへ流
される状態とが繰り返されて、第2ライン油圧Pl2が発
生させられるのである。なお、上記第2ライン油路82は
比較的閉じられた系であるので、第2調圧弁102は相対
的に高い油圧である第1ライン油圧Pl1を減圧すること
により第2ライン油圧Pl2を発生させるのである。 Pl2=(A3・Pth+W−A1・Pe)/(A2−A1) ・・・・(1) 第1調圧弁100は、第4図に示すように、スプール弁
子140、スプリングシート142、リターンスプリング14
4、プランジャ146を備えている。スプール弁子140は、
第1ライン油路80に連通するポート148aとドレンポート
148bまたは148cとの間を開閉するものであり、その第1
ランド150の端面にフィードバック圧としての第1ライ
ン油圧Pl1を絞り151を介して作用させるための室152が
設けられており、この第1ライン油圧Pl1によりスプー
ル弁子140が開弁方向へ付勢されるようになっている。
スプール弁子140と同軸に設けられたプランジャ146の第
1ランド154と第2ランド156との間にはスロットル圧P
thを導くための室158が設けられており、また、第1ラ
ンド154の端面に後述のスイッチ弁170により選択された
第2ライン油圧Pl2および一次側油圧シリンダ70内の油
圧Pinのうち相対的に高い油圧を作用させるための室160
が設けられている。そして、リターンスプリング144の
付勢力は、スプリングシート142を介して閉弁方向にス
プール弁子140に付与されている。したがって、スプー
ル弁子140の第1ランド150の受圧面積をA4、プランジャ
146の第2ランド156の断面の面積をA5、プランジャ146
の第1ランド154の受圧面積をA6、リターンスプリング1
44の付勢力をWとすると、スプール弁子140は次式
(2)が成立する位置において平衡させられる。すなわ
ち、面積がA4である第1受圧面に作用するフィードバッ
ク圧(第1ライン油圧Pl1)に基づく第1ライン油圧減
少方向の推力と、面積がA6である第2受圧面に作用す
る、第1ライン油圧Pl2および一次側油圧シリンダ70内
の油圧Pinのうち相対的に高い油圧に基づく第1ライン
油圧増加方向の推力と、面積が(A5−A6)である第3受
圧面に作用するスロットル圧Pthに基づく第1ライン油
圧増加方向の推力と、リターンスプリング144の第1ラ
イン油圧増加方向の推力Wとが平衡する位置にスプール
弁子140が移動させられることにより、ポート148aに導
かれている第1ライン油路80内の作動油の一部がドレン
ポート148bおよび148cへ同時に流出させられて第1ライ
ン油圧Pl1が調圧されるのである。なお、本実施例で
は、上記受圧面積A4が受圧面積A6よりも大きく設定され
ており、第1調圧弁100の調圧値に関して受圧面積A4
作用させられるフィードバック圧(第1ライン油圧P
l1)の影響が、受圧面積A6に作用させられる一次側油圧
シリンダ70内の油圧Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうち
相対的に高い油圧の影響よりも大きくされている。 Pl1=〔(Pin or Pl2)・A6+Pth(A5−A6)+W〕/A4 ・・・・(2) 第1図に戻って、上記スロットル圧Pthはエンジン10
の出力トルクに密接に関連したスロットル弁開度θth
表すものであり、スロットル弁開度検知弁180によって
発生させられる。また、速度比圧PeはCVT16の実際の速
度比を表すものであり、速度比検知弁182によって発生
させられる。すなわち、スロットル弁開度検知弁180
は、図示しないスロットル弁とともに回転させられるカ
ム184と、このカム184のカム面に係合し、このカム184
の回動角度と関連して軸方向へ駆動されるプランジャ18
6と、スプリング188を介して付与されるプランジャ186
からの推力と第1ライン油圧Pl1からの推力とが平衡し
た位置に位置させられることにより第1ライン油圧Pl1
を減圧し、実際のスロットル弁開度θthに対応したスロ
ットル圧Pthを発生させるスプール弁子190とを備えてい
る。第5図は上記スロットル圧Pthとスロットル弁開度
θthとの関係を示すものであり、油路84を通して第1調
圧弁100、第2調圧弁102、リミット弁210、第3調圧弁2
20へそれぞれ供給される。 また、速度比検出弁182は、CVT16の入力側可動回転体
66に摺接してその軸線方向の変位量に等しい変位量だけ
軸線方向へ移動させられる検知棒192と、この検知棒192
の位置に対応して付勢力を伝達するスプリング194と、
このスプリング194からの付勢力を受ける一方、第1ラ
イン油圧Pl1を受けて両者の推力が平衡した位置に位置
させられることにより、ドレンへの排出流量を変化させ
るスプール弁子198とを備えている。したがって、たと
えば速度比が大きくなってCVT16の入力側の固定回転体6
2に対して可動回転体66が接近(V溝幅縮小)すると、
上記検知棒192が押し込まれる。このため、第1ライン
油路80からオリフィス196を通して供給され且つスプー
ル弁子198によりドレンへ排出される作動油の流量が減
少させられるので、オリフィス196よりも下流側の作動
油圧が高められる。この作動油圧が速度比圧Peであり、
第6図に示すように、速度比eの増大とともに増大させ
られる。そして、このようにして発生させられた速度比
圧Peは、油路86を通して第2調圧弁102および第3調圧
弁220へそれぞれ供給される。 ここで、リミット弁210は、プランジャ212と、スプリ
ング214の閉弁方向の推力およびプランジャ212の閉弁方
向の推力を受けるスプール弁子216とを備えている。プ
ランジャ212の端面に作用させるためにスロットル圧Pth
が導かれた室218が設けられており、スプール弁子216は
スプリング214の閉弁方向の推力およびスロットル圧Pth
に基づくプランジャ212の閉弁方向の推力を受けるとと
もに速度比圧Peに基づく開弁方向の推力を反対方向に受
け、速度比圧Peに基づく開弁方向の推力がスプリング21
4およびプランジャ212の閉弁方向の推力を超えると油路
86とドレンとの間を開く。これにより、速度比圧Peは、
第6図に示すように、スロットル弁開度θthに関連した
上限値以上の増加が阻止されるようになっている。そし
て、このように速度比圧Peがスロットル弁開度θthに関
連した上限値に飽和させられる結果、前記第2調圧弁10
2において前記(1)式にしたがって制御される第2ラ
イン油圧Pl2は、第7図に示すように、速度比eが大き
い領域においてスロットル弁開度θthが小さくなる程、
低下が阻止される。すなわち、速度比eに関連して低圧
側ライン油圧に求められる第8図に示す理想曲線に近似
した特性が油圧回路のみによって得られるのであり、マ
イクロコンピュータによって制御される電磁式圧力制御
サーボ弁を用いる場合に比較して油圧回路が大幅に安価
となる利点がある。 前記第3調圧弁220は、前後進切換装置14の後進用ブ
レーキ50および前進用クラッチ52を作動させるための最
適な第3ライン油圧Pl3を発生させるものである。すな
わち、第3調圧弁220は、第1ライン油路80と第3ライ
ン油路88との間を開閉するスプール弁子222、スプリン
グシート224、リターンスプリング226、プランジャ228
を備えている。スプール弁子222の第1ランド230と第2
ランド232との間には第3ライン油圧Pl3がフィードバッ
ク圧として絞り234を通して導入される室236が設けられ
ており、スプール弁子222が第3ライン油圧Pl3により閉
弁方向へ付勢されるようになっている。また、スプール
弁子222の第1ランド230側には、絞り238を介して速度
比圧Peが導かれる室240が設けられており、スプール弁
子222が速度比圧Peにより閉弁方向へ付勢されるように
なっている。第3調圧弁220内においてはリターンスプ
リング226の開弁方向付勢力がスプリングシート224を介
してスプール弁子222に付与されている。また、プラン
ジャ228の端面にスロットル圧Pthを作用させるための室
242が設けられており、スプール弁子222がこのスロット
ル圧Pthにより開弁方向へ付勢されるようになってい
る。このため、第3ライン油圧Pl3は、前記(1)式と
同様な式から、速度比圧Peおよびスロットル圧Pthに基
づいて最適な値に調圧されるのである。この最適な値と
は、前進用クラッチ52或いは後進用ブレーキ50において
滑りが発生することなく確実にトルクを伝達できるよう
にするために必要かつ充分な値である。 上記のように調圧された第3ライン油圧Pl3は、マニ
ュアルバルブ250によって前進用クラッチ52或いは後進
用ブレーキ50へ供給されるようになっている。すなわ
ち、マニュアルバルブ250は、車両のシフトレバー252の
操作と関連して移動させられるスプール弁子254を備え
ており、シフトレバー252がN(ニュートラル)レンジ
に操作されている状態では第3ライン油圧Pl3を供給し
ないが、L(ロー)、S(セカンド)、D(ドライブ)
レンジへ操作されている状態では第3ライン油圧Pl3
専ら前進用クラッチ52へ供給すると同時に後進用ブレー
キ50から排油し、R(リバース)レンジへ操作されてい
る状態では第3ライン油圧Pl3を専ら後進用ブレーキ50
へ供給すると同時に前進用クラッチ52から排油し、P
(パーキング)レンジへ操作されている状態では、前進
用クラッチ52および後進用ブレーキ50から排油する。な
お、アキュムレータ256および258は、摩擦係合を緩やか
に進行させるためのものであり、前進用クラッチ52およ
び後進用ブレーキ50にそれぞれ接続されている。 前記第1調圧弁100により調圧された第1ライン油圧P
l1および第2調圧弁102により調圧された第2ライン油
圧Pl2は、CVT16の速度比を調節するために、変速制御弁
装置260により油圧シリンダ70および油圧シリンダ72の
一方および他方へ供給されている。上記変速制御弁装置
260は変速方向切換弁262と流量切換弁264から構成され
ている。なお、それら変速方向切換弁262および流量切
換弁264を駆動するためのパイロット圧Ppがパイロット
圧制御弁266によって発生させられ、パイロット油路90
により導かれるようになっている。パイロット圧制御弁
266は、第1ライン油路80とパイロット油路90との間を
開閉するスプール弁子268と、このスプール弁子268を開
弁方向へ付勢するスプリング270とを備えており、スプ
ール弁子268はパイロット圧Ppに基づく閉弁方向の付勢
力がスプリング270の付勢力とが平衡する位置に作動さ
せられることによって第1ライン油圧Pl1を減圧して、
一定のパイロット圧Ppを発生させる。 第9図に詳しく示すように、変速方向切換弁262は、
第1電磁弁272により制御されるスプール弁であって、
流量切換弁264との間を接続する3本の第1接続路274、
第2接続路276、第3接続路278にそれぞれ連通するポー
ト280a,280c,280eと、ドレンに連通するドレンポート28
0bと、絞り282を通して第1ライン油圧Pl1が供給される
ポート280dと、第2ライン油圧Pl2が供給されるポート2
80fと、移動ストロークの一端(第9図の上端)である
第1位置と移動ストロークの他端(第9図の下端)であ
る第2位置との間において摺動可能に配置されたスプー
ル弁子284と、このスプール弁子284を第1位置に向かっ
て付勢するスプリング286とを備えている。上記スプー
ル弁子284の一端側の端面にはパイロット油圧Ppが常時
作用させられている一方、第1電磁弁272のオフ状態、
すなわち閉状態ではスプール弁子284の他端側の端面に
パイロット油圧Ppが作用させられるが、オン状態、すな
わち開状態では絞り288よりも下流が排圧されてパイロ
ット油圧Ppの非作用状態となる。このため、第1電磁弁
272がオンである期間は、スプール弁子284が第2位置に
位置させられてポート280aとドレンポート280bとの間、
ポート280dとポート280eとの間が閉じられるとともに、
ポート280cとポート280dとの間およびポート280eとポー
ト280fとの間が開かれるが、第1電磁弁272がオフであ
る期間は、スプール弁子284が第1位置に位置させられ
てポート280aとドレンポート280bとの間、およびポート
280eとポート280dとの間がそれぞれ開かれるとともに、
ポート280cとポート280dとの間、およびポート280eとポ
ート280fとの間が閉じられる。ここで、変速方向切換弁
262においては、図に示すように、スプール弁子284の各
ランドと各ポート280a,280c,280e,280b,280d,280fとの
間が半開状態にて開となるようにスプール弁子284の移
動ストロークが短く設定されており、応答性が改善され
ている。しかし、上記半開状態においても作動油流量が
充分に得られるように流通断面積が設定されており、上
記のように移動ストロークが短くされていても何等差支
えない。 前記流量切換弁264は、第2電磁弁290によって制御さ
れるスプール弁であって、前記3本の第1接続路274、
第2接続路276、第3接続路278にそれぞれ連通するポー
ト292b、292d、292fと、一次側油圧シリンダ70に連通す
るポート292aおよびポート292cと、二次側油圧シリンダ
72に連通するポート292eと、移動ストロークの一端(第
9図の状態)である第1位置と移動ストロークの他端
(第9図の下端)である第2位置との間において摺動可
能に配置されたスプール弁子294と、このスプール弁子2
94を第1位置に向かって付勢するスプリング296とを備
えている。 変速方向切換弁262と同様に、上記スプール弁子294の
一端側の端面にはパイロット油圧Ppが常時作用させられ
ている一方、第2電磁弁290のオフ状態ではスプール弁
子294の他端側の端面にパイロット油圧Ppが作用させら
れるが、オン状態、すなわち開状態では絞り298よりも
下流が排圧されてパイロット油圧Ppの非作用状態とな
る。このため、第2電磁弁290がオン(デューティ比100
%)である期間は、スプール弁子294が第2位置に位置
させられてポート292aとポート292bとの間、ポート292c
とポート292dとの間、およびポート292eとポート292fと
の間がそれぞれ開かれるとともに、第2電磁弁290がオ
フ(デューティ比0%)である期間は、スプール弁子29
4が第1位置に位置させられてポート292aとポート292b
との間、ポート292cとポート292dとの間、およびポート
292eとポート292fとの間がそれぞれ閉じられる。なお、
上記第2電磁弁290がオフである期間においてポート292
cとポート292dと間が閉じられているが、スプール弁子2
94に形成された絞り穴300を通して僅かに連通させられ
ている。そして、前記一次側油圧シリンダ70は絞り304
を備えた一次側油路302を介して上記ポート292aおよび
ポート292cと接続されており、二次側油圧シリンダ72は
二次側油路306を介して上記ポート292eと接続されてい
るとともに、絞り308を介して第2ライン油路82と接続
されている。この流量切換弁264においても、変速方向
切換弁262と同様に、スプール弁子294の各ランドとポー
ト292a,292b,292c,292d,292e,292fとの間が半開状態に
て開となるように、スプール弁子294の移動ストローク
が短くされている。 したがって、第1電磁弁272がオンである状態では、
第9図の実線に示すように、第1ライン油路80内の作動
油は絞り282、ポート280d、ポート280c、第2接続路27
6、ポート292d、ポート292c、一次側油路302、絞り304
を通して一次側油圧シリンダ70へ流入される一方、二次
側油圧シリンダ72内の作動油は、二次側油路306、ポー
ト292e、ポート292f、第3接続路278、ポート280e、ポ
ート280fを通して第2ライン油路82へ排出される。この
ため、第1ライン油路80内の作動油(Pl1)は一次側油
圧シリンダ70へ作用させられるとともに、二次側油圧シ
リンダ72には第2ライン油路82内の作動油(Pl2)が作
用させられるので、一次側油圧シリンダ70と二次側油圧
シリンダ72との推力の平衡状態が崩されて、CVT16の速
度比eは増速方向(速度比増加方向)へ変化させられ
る。 反対に、第1電磁弁272がオフである状態では、第9
図の破線に示すように、第1ライン油路80内の作動油は
絞り282、ポート280d、ポート280e、第3接続路278、ポ
ート292f、ポート292e、二次側油路306を通して二次側
油圧シリンダ72へ流入される一方、一次側油圧シリンダ
70内の作動油は、絞り304、一次側油路302、ポート292
a、ポート292b、第1接続路274、ポート280a、ドレンポ
ート280bを通してドレンへ排出される。このため、第1
ライン油路80内の作動油(Pl1)は二次側油圧シリンダ7
2へ作用させられるとともに、一次側油圧シリンダ70に
は極めて低い圧が作用させられるので、一次側油圧シリ
ンダ70と二次側油圧シリンダ72との推力の平衡状態が崩
されて、CVT16の速度比eは減速方向(速度比減少方
向)へ変化させられる。 前述のように、第2電磁弁290がオン或いはオフとさ
れるのに関連して、ポート292aとポート292bとの間、ポ
ート292cとポート292dとの間、およびポート292eとポー
ト292fとの間がそれぞれ開或いは閉状態とされて、第9
図の実線および破線に示すように流れる作動油の流量が
非抑制状態或いは抑制状態とされるので、前記CVT16の
速度比eは減速方向或いは増速方向において速やかに或
いは緩やかに変化させられる。また、第2電磁弁290が
連続的にオン・オフ駆動され且つそのデューティ比が制
御されることによりスプール弁子294がその移動ストロ
ークの中間位置に位置決めされると、それにともなって
CVT16の速度比eの変化速度が制御される。第10図は、
上記第1電磁弁272および第2電磁弁290の駆動状態とCV
T12の変速方向および速度比eの変化速度との関係を示
している。なお、第1電磁弁272がオンであり且つ第2
電磁弁290がオフである場合には、第1ライン油路80内
の作動油がスプール弁子294の絞り穴300を通して一次側
油圧シリンダ70へ供給されるとともに、二次側油圧シリ
ンダ72からは絞り308を通して第2ライン油路82へ排出
される。また、第1電磁弁272および第2電磁弁290が共
にオフである場合には、第2ライン油路82内の作動油が
絞り308を通して二次側油圧シリンダ72へ供給されると
ともに、一次側油圧シリンダ70からはそのピストンの摺
動部分などに形成された僅かな隙間から排出されるよう
になっている。なお、上記絞り308は、二次側油圧シリ
ンダ72内を高圧側とする過渡的な減速変速のとき、二次
側油圧シリンダ72内油圧Poutが逃げないようにするもの
である。 ここで、CVT16における第1ライン油圧Pl1には、正駆
動走行時には第11図に示すような、また、エンジンブレ
ーキ走行時には第12図に示すような油圧値が望まれる。
第11図および第12図は、いずれも入力軸38が一定の軸ト
ルクで回転させられている状態で速度比を全範囲内で変
化させたときに必要とされる油圧値を示したものであ
る。本実施例では、一次側油圧シリンダ70と二次側油圧
シリンダ72の受圧面積が等しいので、第11図の正駆動走
行時には一次側油圧シリンダ70内の油圧Pin>二次側油
圧シリンダ72内の油圧Pout、第12図のエンジンブレーキ
走行時にはPout>Pinであり、いずれも駆動側油圧シリ
ンダ内油圧>被駆動側油圧シリンダ内油圧となる。正駆
動走行時における上記Pinは駆動側の油圧シリンダの推
力を発生させるものであるので、その油圧シリンダに目
標とする速度比を得るための推力が発生し得るように、
また動力損失を少なくするために、第1ライン油圧Pl1
は上記Pinに必要且つ充分な余裕油圧αを加えた値に調
圧することが望まれる。しかし、上記第11図および第12
図に示す第1ライン油圧Pl1を一方の油圧シリンダ内油
圧に基づいて調圧することは不可能であり、このため、
本実施例では、前記スイッチ弁170が設けられ、Pinおよ
び第2ライン油圧Pl2のうちの何れか高い油圧が第1調
圧弁100に供給されるようになっている。このことは、
第13図に示すような、Pinを示す曲線とPoutを示す曲線
とが交差する無負荷走行時において、第1ライン油圧Pl
1をPinおよびPout(≒第2ライン油圧Pl2)の何れか高
い油圧値に余裕値αを加えた値に制御する場合でも必要
である。 スイッチ弁170は、第1調圧弁100の室160と絞り310を
介して連通するコモンポート312と、前記一次側油路302
と連通する第1ポート314と、第2ライン油路82と連通
する第2ポート316と、コモンポート312を第1ポート31
4と接続する第1位置とコモンポート312を第2ポート31
6と接続する第2位置との間で移動させられるスプール
弁子318と、このスプール弁子318を第2位置へ向かって
付勢するスプリング319とを備えている。上記スプール
弁子318の両端面には、一次側油圧シリンダ70内の油圧P
inおよび第2ライン油圧Pl2がそれぞれ作用させられて
おり、油圧Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうちの高い油
圧が第1調圧弁100の室160に作用させられる側へ移動さ
せられる。厳密には、油圧Pinに基づく推力が第2ライ
ン油圧Pl2に基づく推力とスプリング319の推力とを加え
たものを超えたときに油圧Pinが室160に作用させられる
が、上記スプリング319の推力は極めて小さいものであ
る。 上記のように、スイッチ弁170によって一次側油圧シ
リンダ70内の油圧Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうちの
高い油圧がフィードバック油圧として第1調圧弁100の
室160に作用させられるようになっているので、第1ラ
イン油圧Pl1は、第13図に示すように、PinもしくはPl2
に略等しいPoutよりも余裕値αだけ高い圧に制御され
る。このため、第1ライン油圧Pl1は必要かつ充分な値
に制御され、動力損失が可及的に小さくされている。因
に、第13図の破線に示す第1ライン油圧Pl1はスイッチ
弁170が設けられていない場合のものであり、速度比e
が低い状態では不要に大きな余裕油圧が発生させられて
いる。 この余裕値αは、CVT16の速度比変化範囲全域内にお
いて所望の速度で速度比を変化させて所望の速度比を得
るに足る必要かつ充分な値であり、(2)式から明らか
なように、スロットル圧Pthに関連して第1ライン油圧P
l1が高められている。前記第1調圧弁100の各部の受圧
面積およびスプリング144の付勢力がそのように設定さ
れているのである。このとき、第1調圧弁100により調
圧される第1ライン油圧Pl1は、第14図に示すように、P
inもしくはPoutとスロットル圧Pthとにしたがって増加
するが、スロットル圧Pthに対応した最大値において飽
和させられるようになっている。これにより、速度比e
が最大値となって一次側可変プーリ56のV溝幅の減少が
機械的に阻止された状態で、すなわち可動回転体66の移
動が機械的に阻止された状態で、たとえば目標速度比に
実際の速度比を一致させるために一次側油圧シリンダ70
内の油圧Pinを増大させても、それよりも常に余裕値α
だけ高く制御される第1ライン油圧Pl1の過昇圧が防止
されるようになっている。すなわち、第14図のA点の値
は、前述の式(2)においてPinおよびPl2を零とするこ
とにより得られる次式(3)により表される。 Pl1=〔Pth・A5−A6)+W〕/A4 ・・・・(3) また、第14図のB点は、前述の式(2)において一次
側可変プーリ56のV溝幅の減少が機械的に阻止された状
態を示すPin=Pl1の条件を代入することにより得られる
次式(4)により表される。 Pl1=〔Pth・A5−A6)+W〕/(A4−A6) ・・・・(4) この式(4)式から、A4>A6であれば、第1ライン油
圧Pl1は所定の値に飽和させられるのである。 前述の第1調圧弁100において、第1ライン油路80に
連通するポート148aからポート148bへ流出させられた作
動油、および絞り320を通して流出させられた作動油
は、クラッチ圧調圧弁322により流体継手12のロックア
ップクラッチ36を作動させるために適した圧力のクラッ
チ油圧PCLに調圧され、ロックアップ圧油路92に導かれ
るようになっている。すなわち、上記クラッチ圧調圧弁
322は、フィードバック圧としてクラッチ油圧PCLを受け
て開弁方向に付勢されるスプール弁子324と、このスプ
ール弁子324を閉弁方向に付勢するスプリング326とを備
えており、スプール弁子324が上記フィードバック圧に
基づく推力とスプリング326の推力とが平衡するように
作動させられてロックアップクラッチ圧油路92内の作動
油を流出させることにより、一定のクラッチ油圧PCL
発生させられる。クラッチ圧調圧弁322から流出させら
れた作動油は、絞り328を通してトランスミッションの
各部の潤滑のために送出されるとともに、オイルポンプ
74の吸入油路78に還流させられる。 上記のようにして調圧されたクラッチ油圧PCLは、ロ
ックアップ制御弁330により流体継手12の係合側油路332
および解放側油路334へ択一的に供給され、ロックアッ
プクラッチ36が係合状態および解放状態とされるように
なっている。すなわち、ロックアップ制御弁330は、ロ
ックアップクラッチ圧油路92を上記係合側油路332およ
び解放側油路334と択一的に接続するスプール弁子336
と、スプール弁子336を解放側へ付勢するスプリング338
とを備えている。スプール弁子336の両端面にはクラッ
チ油圧PCLがそれぞれ付与されている。このため、第3
電磁弁340がオフ状態であって閉じられているときに
は、スプール弁子336はスプリング338にしたがって解放
側へ移動させられ、ロックアップクラッチ36が解放状態
とされる。第2図のロックアップ制御弁330はこの状態
を示している。しかし、第3電磁弁340がオン状態とな
って開放されることにより絞り342よりも下流側が排圧
されると、それまでスプール弁子336のスプリング338側
の室344に作用させられていたクラッチ油圧PCLが除去さ
れてスプール弁子336がスプリング338の付勢力に抗して
係合側へ移動させられ、ロックアップクラッチ36が係合
状態とされる。なお、ロックアップ制御弁330から流出
させられる作動油はクーラへ送出されるようになってお
り、この作動油の圧力はクーラバイパス弁346により制
御される。また、348は第1ライン油圧Pl1の過昇圧を防
止するための安全弁である。 第2図において、電子制御装置350は、本実施例の制
御手段として機能するものであって、第1図の油圧制御
回路における第1電磁弁272、第2電磁弁290、第3電磁
弁340を駆動することにより、CVT16の速度比eと流体継
手12のロックアップクラッチ36とを制御する。電子制御
装置350は、CPU、RAM、ROM等から成る所謂マイクロコン
ピュータを備えており、それには、エンジン回転速度を
検出するためのエンジン回転センサ352、CVT16の入力軸
38の回転速度を検出するための入力軸回転センサ354、C
VT16の出力軸54の回転速度を検出するための出力軸回転
センサ356、エンジン10の吸気配管に設けられたスロッ
トル弁の開度を検出するためのスロットル弁開度センサ
358、シフトレバー252の操作位置を検出するための操作
位置センサ360から、エンジン回転速度Neを表す信号、
入力軸回転速度Ninを表す信号、出力軸回転速度Nout
表す信号、スロットル弁開度θthを表す信号、シフトレ
バー252の操作位置Psを表す信号がそれぞれ供給され
る。電子制御装置350内のCPUはRAMの一時記憶機能を利
用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って入力
信号を処理し、第1電磁弁272、第2電磁弁290、第3電
磁弁340を駆動するための信号を出力する。 電子制御装置350においては、図示しないメインルー
チンが実行されることにより、初期化が行われるととも
に各センサからの入力信号等が読み込まれる一方、その
読み込まれた信号に基づいて入力軸38の回転速度Nin
出力軸54の回転速度Nout、CVT16の速度比e、車速v等
が算出され、且つ入力信号条件に従って、ロックアップ
制御、CVT16の変速制御などが順次あるいは選択的に実
行される。 上記CVT16の変速制御では、たとえば第15図に示すフ
ローチャートにしたがって制御される。ステップS1にお
いては、各センサからの入力信号等が読み込まれるとと
もに、その読み込まれた信号に基づいてエンジン10の回
転速度Ne、入力軸38の回転速度Nin、出力軸54の回転速
度Nout、スロットル弁開度θthが算出され、ステップS2
において、それらからCVT16の速度比e(=Nout
Nin)、車速v等が算出される。ステップS3において
は、エンジン10の最小燃費率および運転性が得られるよ
うに予め求められた関係から上記スロットル弁開度θth
および車速vに基づいて目標速度比e*が決定される。こ
の関係は、たとえばスロットル弁開度θthが表す要求出
力をエンジン10の最小燃費率曲線上で発生させるための
ものであり、上記関係から車速vおよびスロットル弁開
度θthに基づいて一義的に決定されるエンジン回転速度
(入力軸回転速度)が目標回転速度Nin *となり、このN
in *値を実現するように目標速度比e*が決定される。な
お、上記関係は、関数式またはデータマップの形態にて
ROM内に予め記憶されている。また、上記関係は予め複
数種類記憶されており、シフトレバー252の操作位置
(D,S)に基づいて選択されるようになっている。 そして、ステップS5では、ステップS4において求めら
れた制御偏差(e*−e)が正であるか否かが判断され、
その制御偏差(e*−e)を解消する方向に実際の速度比
eを変化させるためのステップS5aまたはS5bが実行され
る。ステップS5での判断が肯定された場合には、ステッ
プS5aにおいて第1電磁弁272がオン状態とされてCVT16
の増速シフトが実行され、実際の速度比eが増加させら
れる。しかし、ステップS5での判断が否定された場合に
は、ステップS5bにおいて第1電磁弁272がオフ状態とさ
れてCVT16減速シフトが実行され、実際の速度比eが減
少させられるのである。 ステップS6では、流量制御値V0がたとえば次式(5)
に従って求められる。 V0=k・|e*−e| ・・・(5) また、ステップS7では、上記流量制御値V0が出力され
て第2電磁弁290が駆動される。この流量制御値V0はた
とえばデューティ比に対応したものであり、予め定めら
れたディーティ周波数にてデューティ比を連続的に変化
させた駆動信号が第2電磁弁290に供給される。そし
て、上記のようなステップが繰り返し実行されることに
より、CVT16の速度比eが車両の走行状態に関連して最
適値に制御されるのである。 なお、図示しないロックアップクラッチ制御では、車
速vが予め定められた一定の値、たとえば30km/h以上と
なったときにロックアップクラッチ36が係合させられ
る。 上述のように、本実施例の第1調圧弁100によれば、
第1ライン油圧Pl1(フィードバック油圧)を受けてそ
の減少方向へスプール弁子140を移動させる推力を発生
させる受圧面(面積A4)に対して、一次側油圧シリンダ
70内の油圧Pinおよび第2ライン油圧Pl2(実質的に
Pout)のうち高圧側の油圧を受けて増加方向にスプール
弁子140を移動させる推力を発生させる受圧面(面積
A6)が小さい面積に形成されているので、後者の受圧面
に受けられる油圧の調圧値に対する影響に対して前者の
受圧面に受けられるフィードバック油圧の影響の割合が
大きい。このため、たとえ、可変プーリ56の可動回転体
66の移動が機械的に阻止されて一次側油圧シリンダ70内
の油圧Pinが第1ライン油圧Pl1と等しくされることによ
り後者の受圧面に作用する油圧が第1ライン油圧Pl1
同様の油圧とされても、第1調圧弁100により調圧され
る第1ライン油圧は所定値に制限される。したがって、
速度比制御に際して可変プーリ56の可動回転体66の移動
が機械的に阻止されても、第1ライン油圧Pl1が過大な
値に調圧されない。しかも、昇圧阻止弁を設ける必要が
ないので、油圧回路が簡単に構成され得る。 以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。 たとえば、前述の実施例では、スロットル弁開度検知
弁180によって発生させられたスロットル圧Pthが用いら
れていたが、吸気管負圧検知弁から出力される吸気管負
圧を表す油圧が用いられてもよいし、或いはディーゼル
エンジンを搭載した車両などのようにスロットル弁を用
いない形式の車両では、アクセルペダル操作量に対応し
た油圧を用いてもよい。このような場合は、たとえば、
前述の実施例のカム184をアクセルペダルの踏み込みに
伴って回転させるようにアクセルペダルと機械的に関連
させればよい。要するに、エンジン10の出力トルクと密
接に関連する油圧信号であれば、スロットル圧Pthに替
えてよいのである。 また、前述の第1調圧弁100には、他の受圧面が設け
られてもよい。 また、前述の実施例におけるCVT16の変速制御では、
目標速度比e*に実際の速度比eが一致するように速度比
eを調節するように制御されているが、目標回転速度N
in *に実際の入力軸回転速度Ninが一致するように制御さ
れてもよいのである。 また、前述の実施例において、パイロット圧制御弁26
6によって発生させられているパイロット圧Ppに替え
て、クラッチ油圧PCLを用いてもよい。この場合はパイ
ロット圧制御弁266が不要となり、油圧回路をより安価
に構成することができる。 また、前述の実施例におけるスイッチ弁170は、一次
側油圧シリンダ70内油圧Pinと第2ライン油圧Pl2のうち
の高圧側油圧を第1調圧弁100に供給するよう構成され
ていたが、二次側油圧シリンダ72内油圧Poutを油路306
からスイッチ弁170の第2ポート316へ導くことにより第
2ライン油圧Pl2に替えてPoutを用いてもよい。 また、前述の実施例では、流体継手12とCVT16の入力
軸38との間に前後進切換装置14が設けられていたが、CV
T16の出力軸54と中間ギア装置18との間に設けられてい
てもよいのである。 また、上記前後進切換装置14は、前進2段以上のギア
段を備えていても差支えない。 また、前述の実施例の流体継手12に替えて、電磁クラ
ッチ、湿式クラッチなどの他の形式の継手が用いられ得
る。 なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は第2図の装置を作動させるための油圧制御装置
を詳細に示す回路図である。第2図は本発明の一実施例
の車両に備えられた動力伝達装置を示す骨子図である。
第3図は第1図の第2調圧弁を詳しく示す図である。第
4図は第1図の第1調圧弁を詳しく示す図である。第5
図は第1図のスロットル弁開度検知弁の出力特性を示す
図である。第6図は第1図の速度比検知弁の出力特性を
示す図である。第7図は第3図の第2調圧弁の出力特性
を示す図である。第8図は第2ライン油圧の理想特性を
示す図である。第9図は第1図の変速制御弁装置の構成
を詳しく示す図である。第10図は、第9図の変速制御弁
装置における第1電磁弁および第2電磁弁の作動状態と
第2図のCVTのシフト状態との関係を説明する図であ
る。第11図、第12図、第13図は、第2図のCVTの速度比
と各部の油圧値との関係を説明する図であって、第11図
は正トルク走行状態、第12図はエンジンブレーキ走行状
態、第13図は無負荷走行状態をそれぞれ示す図である。
第14図は、第4図の第1調圧弁において一次側油圧シリ
ンダ内油圧または第2ライン油圧に対する出力特性を示
す図である。第15図は、第2図の制御装置の作動を説明
するフローチャートである。 16:CVT(ベルト式無段変速機) 56,58:可変プーリ 60:伝動ベルト 70,72:油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 80:第1ライン油路 82:第2ライン油路 100:第1調圧弁 140:スプール弁子 144:リターンスプリング 260:変速制御弁装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 正美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大川 進 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けら
    れた一対の可変プーリ間に巻き掛けられた伝動ベルト
    と、該一対の可変プーリの有効径を変更する一対の油圧
    アクチュエータとを備えた車両用ベルト式無段変速機に
    おいて、第1ライン油圧を導く第1ライン油路と、前記
    第1ライン油圧よりも低圧の第2ライン油圧を導く第2
    ライン油路と、前記第1ライン油路内の作動油を前記一
    対の油圧アクチュエータのうちの一次側油圧アクチュエ
    ータ内に流入させると同時に前記第2ライン油路内の作
    動油を該一対の油圧アクチュエータのうちの二次側油圧
    アクチュエータ内に流入させるか、該二次側油圧アクチ
    ュエータ内から作動油を第2ライン油路内に流出させ、
    または、前記第1ライン油路内の作動油を前記二次側油
    圧アクチュエータ内に流入させると同時に前記一次側油
    圧アクチュエータ内の作動油を大気へ流出させることに
    より前記ベルト式無段変速機の速度比を調節する変速制
    御弁装置とを有する油圧制御装置であって、 前記第1ライン油圧を増加させる増加方向および該第1
    ライン油圧を減少させる減少方向へそれぞれ移動可能に
    設けられたスプール弁子と、前記第1ライン油圧を受け
    て前記減少方向へ該スプール弁子を移動させる推力を発
    生させる受圧面と、該受圧面よりも小さい面積を有し、
    前記一次側油圧アクチュエータ内の油圧と前記第2ライ
    ン油圧または前記二次側油圧アクチュエータ内の油圧と
    のうちの高圧側の油圧を受けて前記増加方向に該スプー
    ル弁子を移動させる推力を発生させる受圧面とを備えた
    第1調圧弁を含むことを特徴とする車両用ベルト式無段
    変速機の油圧制御装置。 2.前記第1調圧弁は、エンジンの出力トルクに関連し
    た油圧を受けて前記増加方向の推力を発生させる受圧面
    と、前記増加方向の推力を発生させるリターンスプリン
    グとを備え、前記各受圧面にそれぞれ作用させられた油
    圧に基づく各推力および上記リターンスプリングの推力
    が平衡する位置に前記スプール弁子が移動させられるこ
    とにより第1ライン油圧を調圧するものである特許請求
    の範囲第1項に記載の車両用ベルト式無段変速機の油圧
    制御装置。
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