JP2840515B2 - 冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は庫内天井部に冷却器を配
置し、該冷却器からの廃水を排水管にて排出する冷却装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種冷却装置は、例えば実公
昭６２−２４２２０号公報（Ｆ２５Ｄ２１／１４）に示
されるように、プレハブ冷蔵庫等の庫内天壁に冷却器を
配置し、送風機によって天井部から庫内に強制的に冷気
を対流させる構造とされている。そして、冷却器の下側
には露受皿を取り付けることにより、冷却器からの露や
除霜水等の廃水を受け、この露受皿内に受けた廃水は排
水管によって庫外に排出していた。

【０００３】また、所謂自然対流式の冷却装置でも、例
えば図９に示すようにプレハブ冷蔵庫１００の天壁１０
１の庫内１０２側の面に冷却器１０３を配置し、この冷
却器１０３から降下する冷気の自然対流によって庫内１
０２を冷却すると共に、冷却器１０３の下側には露受皿
１０４を取り付けていた。そして、この露受皿１０４で
受けた冷却器１０３からの廃水は、プレハブ冷蔵庫１０
０の側壁から外部に引き出された排水管１０５によって
庫外に排出していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように上記強制対
流式、或いは自然対流式のいずれの冷却装置において
も、冷却器から露受皿に受けた廃水は、重力により排水
管を流れて庫外に排出される構造であったため、図９に
明らかな如く排水管を露受皿から庫外に向けて低く傾斜
させなければならない。そのため、どうしても排水管は
庫内天井部に沿って配管される形となり、庫内天井部が
見苦しくなる問題がある。また、係る重力による自然排
水ではどうしても廃水の流れが悪く、取り付け誤差等に
よって適切な傾斜が確保されない場合は、途中で滞留
し、露受皿からあふれ出して庫内を汚損してしまう問題
もあった。

【０００５】そこで、特公昭６３−３７８６８号公報
（Ｆ２５Ｄ２１／１４）に冷蔵庫として示されるよう
な、揚水ポンプを設けて露受皿内の廃水を強制的に排出
すれば係る問題は解消されるが、廃水には種々の塵埃が
混入しているため、排水管その他の排水経路に目詰まり
が生じた場合、ポンプの故障や排水不良を引き起こす問
題があった。

【０００６】本発明は係る従来の技術的課題を解決する
ために成されたものであり、庫内天井部に配置された冷
却器からの廃水を円滑に排水すると共に、排水管の目詰
まりによる不都合の発生を容易に防止することができる
冷却装置を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の冷却装置は、庫
内６天井部に冷却器７を配置し、この冷却器７の下側に
は冷却器側露受皿３を取り付けたものであって、冷却器
側露受皿３に取り付けられたポンプケース２と、このポ
ンプケース２内に取り付けられたポンプ１４と、このポ
ンプ１４に接続されて上方に引き出された排水管２７
と、ポンプケース２に取り付けられ、冷却器側露受皿３
からの廃水を受けるポンプ側露受皿２１と、このポンプ
側露受皿２１の一側上縁に形成された折り返し部２４と
を具備しており、このポンプ側露受皿２１は他側がポン
プケース２に回動自在に枢支され、冷却器側露受皿３下
側に沿って係脱自在に保持された閉塞位置と下方に傾斜
した開放位置とを選択可能であり、閉塞位置においてポ
ンプ１４はポンプ側露受皿２１内の廃水を吸引すること
を特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明の冷却装置によれば、冷却器側露受皿３
に受容された冷却器７からの廃水は、ポンプ側露受皿２
１に受容される。このポンプ側露受皿２１が閉塞位置と
なっている状態において、ポンプ１４はこのポンプ側露
受皿２１内の廃水を吸引する。排水管２７はポンプ１４
から上方に引き出されているが、廃水はポンプ１４によ
って強制的に排水管２７内に送り出されるので、滞留す
ることなく円滑に庫外に排出される。また、排水管２７
は庫内６の天井部に沿って設けられることなく上方に引
き出されているので、従来の如く排水管２７の存在によ
り庫内６の天井部が見苦しくなることもない。

【０００９】更に、ポンプ１４はポンプケース２によっ
て冷却器側露受皿３に取り付けられると共に、ポンプ側
露受皿２１はポンプケース２に回動自在に枢支され、冷
却器側露受皿３下側に沿った前記閉塞位置と、下方に傾
斜した開放位置とを選択可能とされているので、開放位
置とした状態において、ポンプ側露受皿２１の掃除を容
易に行うことができる。この場合にも、ポンプ側露受皿
２１は閉塞位置にある状態で係脱自在に保持されるの
で、不用意にポンプ側露受皿２１が開いてしまう不都合
も防止できると共に、ポンプ側露受皿２１の一側上縁に
は折り返し部２４が形成されているので、開放時にポン
プ側露受皿２１内の残留廃水がこぼれてしまう不都合も
未然に回避することができる。

【００１０】

【実施例】次に、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図１は本発明の冷却装置の実施例としてのプレハブ
冷蔵庫１の縦断正面図、図２はポンプケース２と冷却器
側露受皿３側部の正面図、図３はポンプケース２の縦断
正面図、図４はポンプケース２の側面図、図５はポンプ
ケース２の正面図、図６はポンプケース２の要部拡大図
をそれぞれ示している。

【００１１】プレハブ冷蔵庫１は、複数の断熱パネルを
組み合わせて構成された外箱４から成り、外箱４の内部
には物品を収納する庫内６が構成されている。この外箱
４の天壁４Ａ下面には、庫内６の天井部に位置して冷却
器７が設置されている。この冷却器７は所謂プレートフ
ィンタイプの熱交換器であり、図示しない圧縮機等と共
に周知の冷凍サイクルを構成する。この冷却器７と熱交
換した冷気は前後から下方の庫内６に降下する。係る自
然対流によって庫内６は所定の冷蔵温度に維持される。

【００１２】この冷却器７の下側には冷却器側露受皿３
が取り付けられている。この冷却器側露受皿３は冷却器
７下方の全域をカバーし、冷却器７から滴下する露や除
霜水等の廃水を受容するものである。そして、この冷却
器側露受皿３の側面にはポンプケース２が取り付けられ
ている。

【００１３】このポンプケース２は図３に示すように少
なくとも上下に開放した矩形状を成しており、その内部
に対向して形成されたフランジ１１、１２には、防振ゴ
ム１３、１３を介し、ポンプ１４が固定されてポンプケ
ース２内に収納されている。このポンプケース２の上面
には蓋板１６が取り付けられて閉塞されるが、この蓋板
１６の向かって左側縁から下方に延在するフランジ１６
Ａはポンプケース２と所定の間隔Ｐを形成している。こ
の様なポンプケース２は、前記間隔Ｐを利用して蓋板１
６のフランジ１６Ａを冷却器側露受皿３の側壁内側に上
方から挿入する形で係合することにより、冷却器側露受
皿３の側部に取り付けられる。

【００１４】また、ポンプケース２の前後下縁部には、
向かって右側に水平な長孔１８が穿設されており、向か
って左側にはポンプケース２下縁から垂直に切り欠か
れ、長孔１８とは反対方向に曲がるクランク状の切欠１
９が形成されている。そして係るポンプケース２の下端
には前記冷却器側露受皿３と共に露受装置を構成するポ
ンプ側露受皿２１が取り付けられる。

【００１５】このポンプ側露受皿２１は、向かって右側
（図５において右側）の前後内側に相互に所定間隔を存
して形成された係合ボス２２、２３を具備しており、こ
れら係合ボス２２、２３をそれぞれ前記ポンプケース２
の長孔１８及び切欠１９に係合することによりポンプケ
ース２に取り付けられている。また、ポンプ側露受皿２
１の向かって左側（図５において左側）上縁には折り返
し部２４が形成されている。

【００１６】係るポンプ側露受皿２１は、係合ボス２３
が切欠１９から外れた状態で、係合ボス２２を中心とし
て回動自在となる。そして、両係合ボス２２、２３が図
２の如くそれぞれ長孔１８及び切欠１９の水平部の左端
にある状態では、ポンプ側露受皿２１は図３、図５の如
く冷却器側露受皿３下側に沿った状態の閉塞位置となっ
ている。ここで、切欠１９の水平部の左端には少許幅の
狭いロック部１９Ａが形成されており、係合ボス２３は
このロック部１９Ａに挟持されるので係る閉塞状態は安
定的に維持される。

【００１７】係る閉塞位置では、ポンプ側露受皿２１は
冷却器側露受皿３の下側に沿い、冷却器側露受皿３の排
水口２６の下方に対向する。従って、冷却器側露受皿３
が受容した冷却器７からの廃水は、係る閉塞位置におい
て排水口２６よりポンプ側露受皿２１に受容される。ま
た、この状態でポンプ１４はポンプ側露受皿２１の最も
低い部分の上面に近接して対向しており、この状態でポ
ンプ１４は運転されてポンプ側露受皿２１に受容された
廃水を吸引する。このとき、ポンプ１４は防振ゴム１３
を介してポンプケース２に取り付けられているので、ポ
ンプ１４の運転時の振動による騒音の発生も抑制され
る。

【００１８】一方、ポンプ１４には排水管２７が接続さ
れており、蓋板１６を貫通してそのまま上方に引き上げ
られ、その後図１の如く外箱４の天壁４Ａを貫通して庫
外に引き出されている。ポンプ１４によって吸引された
ポンプ側露受皿２１内の廃水は、強制的に排水管２７内
に送り出されるので、排水管２７が直上に引き出されて
いても、廃水は滞留することなく円滑に庫外に排出され
る。また、排水管２７は庫内６の天井部に沿って設けら
れることなく上方に引き出されているので、従来の如く
排水管の存在により庫内天井部が見苦しくなることもな
くなる。

【００１９】ところで、冷却器７から滴下する廃水中に
は種々の塵埃が含まれており、放置すると排水経路に目
詰まりが発生するため、これを受容するポンプ側露受皿
２１も定期的に掃除しなければならない。係る場合に
は、図７の如くポンプ側露受皿２１を向かって右方向に
ずらし、両係合ボス２２、２３がそれぞれ長孔１８及び
切欠１９の水平部の右端（垂直部の上端）となるように
移動させる。この状態でポンプ側露受皿２１の左部分を
図８の如く下方に引き下げれば、係合ボス２３は切欠１
９の垂直部を通過して切欠１９から外れるので、ポンプ
側露受皿２１は係合ボス２２を中心として回動し、図８
の如く左側が低く傾斜する。

【００２０】このようにポンプ側露受皿２１を傾斜させ
て行くと、水平から約４０度傾斜したところでその右端
がポンプケース２に当たり、開放は規制されて当該開放
位置にてポンプ側露受皿２１の回動は停止する。この開
放位置ではポンプ側露受皿２１の上面は冷却器側露受皿
３から離間して外部に開放されるので、ポンプ側露受皿
２１上面の塵埃等の掃除を行うことができる。

【００２１】また、このときポンプ１４はポンプケース
２側に保持されており、ポンプ側露受皿２１のみが回動
するので、ポンプ側露受皿２１の回動も円滑に行える。
更に、開放したときにポンプ側露受皿２１内に廃水が残
留していても、ポンプ側露受皿２１の左端には折り返し
部２４が形成されているので、係る残留廃水がこぼれで
る危険性もない。

【００２２】そして、ポンプ側露受皿２１の掃除が終了
したら、前記開放動作と逆の動作で持ち上げ、係合ボス
２３を切欠１９に係合させることにより閉塞位置に復帰
させる。このように、ポンプ側露受皿２１は極めて容易
に閉塞位置と開放位置とを選択可能とされているので、
ポンプ側露受皿２１の掃除を極めて容易に行うことがで
きるものである。

【００２３】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、冷却
器側露受皿に受容された冷却器からの廃水はポンプ側露
受皿に受容され、閉塞位置においてポンプによって吸引
されて強制的に排水管内に送り出されるので、冷却器か
らの廃水を円滑に庫外に排出することができる。また、
排水管は庫内天井部に沿って設けられることなく上方に
引き出されているので、従来の如く排水管の存在により
庫内天井部が見苦しくなることもなくなる。

【００２４】また、ポンプはポンプケースによって冷却
器側露受皿に取り付けられると共に、ポンプ側露受皿は
ポンプケースに回動自在に枢支され、冷却器側露受皿下
側に沿った閉塞位置と、下方に傾斜した開放位置とを選
択可能とされているので、開放位置とした状態におい
て、ポンプ側露受皿の掃除を容易に行うことができ、そ
れによって、ポンプ側露受皿を常に清潔に保って、目詰
まりによる排水不良やポンプの故障の発生、或いは悪臭
の発生等を未然に防止することが可能となる。この場合
にも、ポンプ側露受皿は閉塞位置にある状態で係脱自在
に保持されるので、不用意にポンプ側露受皿が開いてし
まう不都合も防止できると共に、ポンプ側露受皿の一側
上縁には折り返し部が形成されているので、開放時にポ
ンプ側露受皿内の残留廃水がこぼれてしまう不都合も未
然に回避することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷却装置の実施例としてのプレハブ冷
蔵庫の縦断正面図である。

【図２】ポンプ側露受皿が閉塞位置にある状態のポンプ
ケースと冷却器側露受皿側部の正面図である。

【図３】ポンプケースの縦断正面図である。

【図４】ポンプケースの側面図である。

【図５】ポンプケースの正面図である。

【図６】ポンプケースの要部拡大図である。

【図７】ポンプ側露受皿をずらした状態のポンプケース
と冷却器側露受皿側部の正面図である。

【図８】ポンプ側露受皿を開放位置にある状態のポンプ
ケースと冷却器側露受皿側部の正面図である。

【図９】従来のプレハブ冷蔵庫の縦断正面図である。

【符号の説明】

１ プレハブ冷蔵庫 ２ ポンプケース ３ 冷却器側露受皿 ６ 庫内 ７ 冷却器 １４ ポンプ ２１ ポンプ側露受皿 ２７ 排水管

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 庫内天井部に冷却器を配置し、該冷却器
   の下側には冷却器側露受皿を取り付けた冷却装置におい
   て、前記冷却器側露受皿に取り付けられたポンプケース
   と、該ポンプケース内に取り付けられたポンプと、該ポ
   ンプに接続されて上方に引き出された排水管と、前記ポ
   ンプケースに取り付けられ、前記冷却器側露受皿からの
   廃水を受けるポンプ側露受皿と、このポンプ側露受皿の
   一側上縁に形成された折り返し部とを具備して成り、該
   ポンプ側露受皿は他側が前記ポンプケースに回動自在に
   枢支され、前記冷却器側露受皿下側に沿って係脱自在に
   保持された閉塞位置と下方に傾斜した開放位置とを選択
   可能であり、前記閉塞位置において前記ポンプは前記ポ
   ンプ側露受皿内の廃水を吸引することを特徴とする冷却
   装置。