JP2840186B2 - 乗用作業機における前輪の変速装置 - Google Patents
乗用作業機における前輪の変速装置Info
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Description
業機における前輪の変速装置に関するものである。
この種乗用作業機のなかには、前輪を駆動するための動
力を、左右の出力軸を差動させる差動装置を経由して左
右の前輪に伝動すべく構成されるものがある。そしてこ
のものでは、機体旋回時に、旋回中心に対して内側に位
置する前輪の回転数と外側に位置する前輪の回転数とが
旋回中心からの距離に比例することが理想であるが、圃
場では左右前輪の抵抗が一様でないため、左右前輪が上
記の様に理想的に回転しないのが実状であり、この結
果、機体旋回時に圃場を荒す許りか、前輪自体が抵抗に
なつて走行性を著しく低下させる惧れがあつた。そこ
で、差動装置の左右出力軸に、変速した前輪動力を差動
装置を経由せずに伝動する変速クラツチ機構をそれぞれ
連繋し、機体旋回時に一方の変速クラツチ機構を入り操
作することによつて左右出力軸間に強制的に一定の回転
差を生じさせるものが過去に提案されている。即ち、左
右前輪の抵抗が一様でなくても、左右前輪が一定の回転
差で回転して円滑な機体旋回を行い得るが、このもので
は、前記変速クラツチ機構およびその操作機構をそれぞ
れ一対宛設ける必要があるため、部品点数を著しく増加
させて構造の複雑化や大幅なコストアツプを招来する許
りでなく、左右振分け状に配置される一対の変速クラツ
チ機構によつてトランスミツシヨンが大型化する不都合
があつた。
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる乗用作業
機における前輪の変速装置を提供することを目的として
創案されたものであつて、前輪を駆動するための動力
を、左右の出力軸を差動させる差動装置を経由して左右
の前輪に伝動してなる乗用作業機において、前記差動装
置の左右何れか一方の出力軸に、差動装置を経由しない
前輪動力の伝動経路を連繋し、該伝動経路に、前記一方
の出力軸に伝動する前輪動力を変速して機体旋回方向に
対応した回転差を左右の出力軸間に強制的に生じさせる
変速クラツチ機構を介設したことを特徴とするものであ
る。そして本発明は、この構成によつて、部品点数を大
幅に削減して構造の簡略化やコストダウンを計ると共
に、トランスミツシヨンの小型化を可能にすることがで
きるようにしたものである。
明する。図面において、1は乗用田植機の走行機体であ
つて、該走行機体1の前部に搭載されるエンジン2の動
力は、無段変速機構3を介してトランスミツシヨンケー
ス4に入力された後、フロントアクスルケース5の左右
両端部に設けられる前輪6、リヤアクスルケース7の左
右両端部に設けられる後輪8、走行機体1の後部に連結
される植付作業部9等に分配状に伝動されることになる
が、これらの基本的な構成は従来通りである。
入力軸であつて、該入力軸10に入力された動力は、入
力軸10上に構成されるクラツチ機構11を経た後、植
付変速機構12を介して伝動連結される第一および第二
植付伝動軸13、14、該第二植付伝動軸14の一端部
に構成されるトルクリミツタ15、植付出力軸16上に
構成される植付クラツチ機構17等を経由して植付出力
軸16に伝動される一方、走行変速機構18を介して伝
動連結される第一および第二走行伝動軸19、20、後
述する差動装置21のリングギヤ21aを介して伝動連
結される第三走行伝動軸22等を経由して後輪出力軸2
3に伝動されるが、前記差動装置21のリングギヤ21
aに入力された動力は、さらに差動装置21の左右出力
軸24L、24Rから分配状に出力されて左右前輪6に
伝動されるようになつている。
ギヤ21aが一体的に固設される円筒ケース21b、該
円筒ケース21bに径方向を向いて軸承されるピニオン
軸21c、該ピニオン軸21cに回転自在に支持される
一対のピニオンギヤ(ベベルギヤ)21d、該一対のピ
ニオンギヤ21dにそれぞれ同時噛合する左右一対のサ
イドギヤ(ベベルギヤ)21e等で構成されている。そ
して、機体直進時には、左右サイドギヤ21eにそれぞ
れ一体回転自在に連結される左右の出力軸24L、24
Rを略等速で回転せしめる一方、機体旋回時には、左右
前輪6に作用する抵抗の相違に基づいて左右の出力軸2
4L、24R間に旋回方向に対応した回転差を従動的に
生じさせることになるが、この差動装置21は、トラン
スミツシヨンケース4の左右中央位置ではなく、左右中
央位置から一側方に偏倚した一側部(本実施例では左側
部)に内装されている。そして、本実施例においては、
トランスミツシヨンケース4の左側壁4aに、軸受2
5、26を介して前記円筒ケース21bの一側端部を片
持ち状に支持するが、一方の軸受25とリングギヤ21
aとを径方向にオーバーラツプすべく配置して片持ち支
持による強度低下を回避するようになつている。
差動装置21の一方(本実施例では右側)の出力軸24
Rとの間に介設された変速クラツチ機構であつて、該変
速クラツチ機構27は、右側出力軸24Rに所定間隔を
存して自由回転自在に支持され、かつ第二走行伝動軸2
0側の伝動ギヤ28、29にそれぞれ常時噛合する一対
の伝動ギヤ30、31と、該伝動ギヤ30、31間で右
側出力軸24Rにスプライン嵌合し、かつ伝動ギヤ3
0、31の対向面に形成される噛合爪30a、31aに
選択的に噛合可能な噛合爪32aを左右両側部に有する
爪クラツチ32とを備えて構成されるものであるが、一
方の伝動ギヤ30の減速比は、前記リングギヤ21aの
減速比よりも小さく設定される一方、他方の伝動ギヤ3
1の減速比は、リングギヤ21aの減速比よりも大きく
設定されている。即ち、変速クラツチ機構27は、一対
の伝動ギヤ30、31に対する爪クラツチ32の選択的
な噛合操作に基づいて右側出力軸24Rの回転数を強制
的に増減すべく構成されている。そして、右側出力軸2
4Rを増速した場合には、差動装置21の作用に基づい
て左側出力軸24Lが減速されるため、左右出力軸24
L、24R間に左旋回に対応した一定の回転差を強制的
に生じさせる一方、右側出力軸24Rを減速した場合に
は、差動装置21の作用に基づいて左側出力軸24Lが
増速されるため、左右出力軸24L、24R間に右旋回
に対応した一定の回転差を強制的に生じさせることがで
きるようになつている。
トランスミツシヨンケース4の左右中央位置から他側方
に偏倚した他側部(本実施例では右側部)に内装されて
いる。つまり、前述の如く差動装置21を左側部に配置
して右側部にスペースを確保し、該確保したスペースに
変速クラツチ機構27を配置しているが、さらに本実施
例では、一対の伝動ギヤ30、31を、第二走行伝動軸
20に設けられる一対の変速ギヤ33、34に対して齟
齬状(互いに噛み合わないように重合した状態)に配置
すると共に、一方の変速ギヤ33と右側出力軸24Rと
の間の間隙を利用して爪クラツチ32を配置しているた
め、空きスペースを有効利用して変速クラツチ機構27
を極めて効率よくコンパクトに配置することができるよ
うになつている。
2bに嵌合連結されるシフトフオークであつて、該シフ
トフオーク35は、基端ボス部35aを貫通する固定軸
36によつて左右移動自在に支持されるが、該固定軸3
6には、爪クラツチ32の作動位置(左旋回位置、中立
位置、右旋回位置)に対応する三本の位置決め溝36a
が並列状に刻設される一方、シフトフオーク35の基端
ボス部35aには、位置決め用弾機37の付勢力を受け
て前記3本の位置決め溝36aに択一的に嵌入する位置
決めボール38が内装されている。
ース4の底部に回動自在に軸支されるシフト軸であつ
て、該シフト軸39の上端部には、前記シフトフオーク
35の溝部35bに嵌合連結されるレバー部39aが一
体的に設けられる一方、トランスミツシヨンケース4か
ら突出する下端部には、シフトアーム40が一体的に連
結されており、このためシフトアーム40の左右揺動に
伴つてシフトフオーク35が左右移動し、延ては爪クラ
ツチ32が切換え作動せしめられるようになつている。
の底部に左右揺動自在に設けられるピツトマンアームで
あつて、該ピツトマンアーム41は、ハンドル42の操
作に伴つて左右に揺動してドラツグリンク(図示せず)
を介して連結される左右の前輪6を操舵せしめるが、ピ
ツトマンアーム41の後端部には、後述する連結ロツド
43を介して前記シフトアーム40が連動連結されてい
る。
に回動自在に設けられる連結ピン40aを摺動自在に貫
通すると共に、該連結ピン40aに両側から押圧接当す
る一対の押圧用弾機44によつて連結ピン40aをロツ
ド中間位置に挟持状に保持すべく構成されている。即
ち、ハンドル42の旋回操作に基づいて連結ロツド43
が押し引きされた場合には、一方の押圧用弾機44が圧
縮しつつ連結ピン40aを押圧付勢し、該付勢力が前記
位置決め用弾機37の付勢力を越えた段階(本実施例で
は両押圧用弾機44の付勢力を同じに設定しているた
め、ハンドル42の切れ角が最大切れ角の略半分に達し
た段階)でシフトアーム40を左右旋回位置に揺動せし
めることになり、一方、この状態でハンドル42を直進
復帰操作して連結ロツド43が逆方向に押し引きされる
と、他方の押圧用弾機44が圧縮しつつ連結ピン40a
を中立位置側に向けて押圧付勢し、該付勢力が前記位置
決め用弾機37の付勢力を越えた段階(ハンドル42の
切れ角が最大切れ角の略半分に達した段階)でシフトア
ーム40を中立位置に復帰させることになる。
いて、ハンドル42を旋回操作すると、連結ロツド43
を介して連動連結される変速クラツチ機構27が自動的
に切換え作動して旋回方向に対応した一定の回転差を左
右前輪6間に強制的に生じさせることになるが、前記変
速クラツチ機構27は、差動装置21の一方の出力軸2
4Rを2段階に変速することによつて旋回方向に対応し
た回転差を左右前輪6間に生じさせるため、単一の変速
クラツチ機構27を設けるだけで極めて円滑な機体旋回
を可能にする許りでなく、変速クラツチ機構27の操作
伝動経路も一経路にすることができる。従つて、差動装
置21の左右両出力軸24L、24Rにそれぞれ変速ク
ラツチ機構を連繋していた従来に比して部品点数を著し
く削減できる許りか、構造の簡略化やコストダウンが計
れ、しかも変速クラツチ機構27の配置スペースを小さ
くしてトランスミツシヨンケース4の著しいコンパクト
化を可能にすることができる。
れたものであるから、機体旋回時に左右の前輪に強制的
に回転差を生じさせるものでありながら、本発明におい
ては、差動装置の左右何れか一方の出力軸を変速して機
体旋回方向に対応した回転差を左右の出力軸間に強制的
に生じさせるため、従来の如く左右両出力軸にそれぞれ
変速クラツチ機構を連繋することなく、左右何れか一方
の出力軸に変速クラツチ機構を連繋するだけで構成し得
ることになる。従つて、変速クラツチ機構およびその操
作機構をそれぞれ一対宛設ける必要がある従来に比して
部品点数を著しく削減することができ、この結果、構造
の簡略化やコストダウンを計れる許りでなく、変速クラ
ツチ機構の配置スペースを小さくしてトランスミツシヨ
ン等のコンパクト化を可能にすることができる。
る。
スルケースの一部切欠き背面図である。
る。
図である。
す側面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 前輪を駆動するための動力を、左右の出
力軸を差動させる差動装置を経由して左右の前輪に伝動
してなる乗用作業機において、前記差動装置の左右何れ
か一方の出力軸に、差動装置を経由しない前輪動力の伝
動経路を連繋し、該伝動経路に、前記一方の出力軸に伝
動する前輪動力を変速して機体旋回方向に対応した回転
差を左右の出力軸間に強制的に生じさせる変速クラツチ
機構を介設したことを特徴とする乗用作業機における前
輪の変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27134193A JP2840186B2 (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | 乗用作業機における前輪の変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27134193A JP2840186B2 (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | 乗用作業機における前輪の変速装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07101257A JPH07101257A (ja) | 1995-04-18 |
JP2840186B2 true JP2840186B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=17498716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27134193A Expired - Fee Related JP2840186B2 (ja) | 1993-10-04 | 1993-10-04 | 乗用作業機における前輪の変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2840186B2 (ja) |
-
1993
- 1993-10-04 JP JP27134193A patent/JP2840186B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07101257A (ja) | 1995-04-18 |
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